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【スワップss】男の子「イ、イ……イーブイになってる!!?」 女の子「あら、イーブイだ!可愛ぃ〜♪」

 ▼ 1 ナ◆3HuqJ/xx.U 18/10/20 12:53:57 ID:sdIw82pI [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
目を覚ますと……
僕は<<イーブイ>>になっていた。

森の中に倒れていた僕は近くにあった水たまりで確認した。そこに映るのはポケモン、確かイーブイというポケモンだった。
さっきまで人間社会で普通に学校に通う、普通の男の子たった。のに……

「ポ、ポ…ポケモンになってるー??」

そう、いつの間にか僕はポケモンのイーブイになっていたのだ。


ガサガサガサと近くの草むらが揺れた。僕は相棒になるポケモンかなと思って近づいた。
ポケモンダンジョンなら知っている。人間なのにポケモンになった主人公の物語。そして、最初に出会うのは相棒だ。僕は、その中に入ってしまったのかなと思った。

しかし、そこから出てきたのは小学生の女の子だった。


女の子「うわぁ!可愛いイーブイだ♪」

そして、女の子は僕をモンスターボールの中に閉じ込めた。その後、僕をボールから出した。

女の子「これで、私のポケモンだね♪」

中身は人間の男の子、見た目はイーブイの僕は"僕は人間だよ!?"と声を出したが、女の子には『ブイ〜』としか聞こえていないようだ。


女の子「可愛いし、<<ニンフィア>>に進化させてあげるね♪」

僕は心の中で言う「僕は男の子だぁ!!」と。
こうして、『イーブイとなった僕』と『僕を所有する女の子』とのストーリーが始まったのだ。
 ▼ 2 ナ◆3HuqJ/xx.U 18/10/20 12:55:02 ID:sdIw82pI [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
このssはhttp://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=897810
に参加します。
 ▼ 3 ナ◆3HuqJ/xx.U 18/10/20 17:22:13 ID:sdIw82pI [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
このssは企画のため書き手がチェンジします。
ご了承ください。
 ▼ 4 グレー@バシャーモナイト 18/10/20 17:39:32 ID:m6eY0W4Y NGネーム登録 NGID登録 報告
ToLOVEるで何度も見たネタ
 ▼ 5 コザル@ブロムヘキシン 18/10/20 17:52:31 ID:JFBMaC4Q NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 6 HUmgIOst4A 18/10/24 20:29:27 ID:i9sgS0vY NGネーム登録 NGID登録 報告
SS初心者ですが頑張らせてもらいます
よろです
ルカリオに当たらなかっただけでも満足してます
 ▼ 7 ーバーン@だっしゅつボタン 18/10/24 21:07:37 ID:McPAjxvU NGネーム登録 NGID登録 報告
はよ
 ▼ 8 ナ◆3HuqJ/xx.U 18/10/24 23:00:42 ID:Jf72pPdc NGネーム登録 NGID登録 報告
諦めないことが大切だよ!

支援
 ▼ 9 レッフィ@ビアーのみ 18/10/24 23:20:28 ID:.THUe6e6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
設定が好みすぎるので超期待
 ▼ 10 カチュウ@ホロキャスター 18/10/25 14:59:08 ID:HS0cyx9U NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 11 ッフロン@がくしゅうそうち 18/10/28 19:42:34 ID:WwUIYdgA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援

生存確認 生きてる?
 ▼ 12 HUmgIOst4A 18/10/28 20:56:36 ID:uJVQzpHc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
生きてます
 ▼ 13 ルヴァディ@おちゃ 18/11/04 13:13:32 ID:.pUMLxJg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 14 シギバナ@いいつりざお 18/11/04 20:48:05 ID:wvaQSjzs NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>12
(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
 ▼ 15 サイハナ@ピンクのリボン 18/11/04 23:36:56 ID:HUfoPimQ NGネーム登録 NGID登録 報告
期日中に1レスも見ることが出来なかった…
 ▼ 16 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/06 01:41:31 ID:h21s4THE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

乗っ取ります。

10日18時までに終わらなかったらごめんなさい。

 ▼ 17 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/06 01:42:30 ID:h21s4THE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



目が覚める――。


起き上がった僕は、自分の茶色い手足を見て、イーブイになってしまったことが現実なんだと突きつけられる。



昨日。

あの森で。

彼女にゲットされて。



そのあと僕は、訳が分からないまま、ポケモンセンターに連れていかれた。

彼女からすれば、僕は野生ポケモン。健康チェックを兼ねてと言ったところか。

検査入院……ってことなのか、そのままポケモンセンターに預けられた僕は、これら全てが夢だったらと願って寝てみたものの、結果は変わらなかった。



差し込む朝日に照らされて、寝起きの頭が覚醒を始める。



僕がイーブイになってしまったことは、紛れもない現実だった。

 ▼ 18 ナ◆3HuqJ/xx.U 18/11/06 11:04:58 ID:2O9YanmM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
甲州街道さんありがとうございます。
続きが楽しみです!
 ▼ 19 クジキング@アシレーヌZ 18/11/06 12:39:55 ID:8TL2tXc2 NGネーム登録 NGID登録 報告
男の子がおっさんか女の子がお姉さんなら支援した
 ▼ 20 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:47:00 ID:9lycif9. [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



 女の子 「おはよー! よく眠れた?」


彼女が元気よく病室に入って来た。

あぁ、僕は正真正銘イーブイで、彼女のポケモンになってしまったんだ。

救助隊や探検隊なら まだワクワク感があったんだろうけど、ゲットされたことで、僕自身の自由は制限されることになる。


僕は人間だったのに……。


僕は普通の男の子だったのに……。


僕は……、僕は……あれ?



僕は……、誰なんだ?


 ▼ 21 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:48:30 ID:9lycif9. [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「ジョーイさんに聞いたら、健康そのものだって! 一緒に帰ろ、イーブイ!」


僕は彼女に抱きかかえられる。

抵抗しようとは思わない。

今この状況――、原因分からずイーブイになってしまったこの状況、野生でいるより、彼女のポケモンとして過ごす方が、確実に安全なはずだ。


そんなことは妙に冷静に考えられるのに、僕が誰なのか、全く思いだせない。

森で目を覚ました時より前の記憶が、すっぽり抜け落ちている。

僕の名前、僕の住む町、家族、友達、ポケモンを持っていたか――、何もかもが、思いだせないのだ。



 女の子 「ジョーイさん、ありがとうございましたー!」

 ジョーイ 「はい。また何かありましたら、いらしてくださいね」

  ラッキー <お大事にね〜>



おぉ、ラッキーの言葉が分かる。ちょっと感動。

ポケモンと自由に話せたら良いな〜とは、人間なら誰しも思うことだろうけど、それを体感できるのは、地味に嬉しい。
 ▼ 22 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:49:30 ID:9lycif9. [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「おうちまで歩いて10分くらいかな? 今はボールに……」


そう言って彼女は、僕のモンスターボールを取り出す。

いや、ダメだ。

ボールに入るのは嫌だ。

僕がポケモンになってしまった原因を突き止めるためにも、少しでも長く外に居て、外の様子を探りたい。


僕は必死に首を横に振る。

嫌だ嫌だと言っても、彼女には、ブイブイブイブイ、としか聞こえていないんだろうけど。


 女の子 「ボール、嫌なの?」

 「ぶい」

 女の子 「そっかー。ボールの中が嫌いなポケモンも居るって聞いたことあるけど、あなたもそうなんだね」

 「ぶい!」

 女の子 「ふふっ。じゃあ一緒に歩こうか」

 「ぶい〜!」
 ▼ 23 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:51:00 ID:9lycif9. [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大きな道を、僕は歩く。彼女の横に、ピッタリついて。

ポケモンの――特にイーブイのように小さな四足歩行のポケモンから見る町の風景は、人間の目線とは全く違う。

建物も、街路樹も、ガードレールも、ポストも、車も、なにもかもが巨大に見える。


自分が誰なのか思いだせないくせに、この街並みが妙に見慣れた感じなのは、どこかで人間だった時の記憶が残っているからなのだろうか。



 女の子 「あ、こっち!」

 「ぶい!」


大通りから脇道に逸れて、家が立ち並ぶエリアに入る。


彼女の家は、閑静な住宅街の中にあった。

ベージュの外壁は、さながらイーブイ色。

猫の額ほどの小さな庭には、ピンクと青の自転車が2台。


なるほど、彼女がイーブイをゲットして、ニンフィアに進化させようとしている訳だ。
 ▼ 24 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:52:30 ID:9lycif9. [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 女の子 「ここが私の家。お父さんは仕事で、お母さんは……夕方まで帰って来ないかな」


彼女は鞄から鍵を取り出してドアを開け、僕を招き入れてくれた。

家の外観とは裏腹に、家の中は広々としている。単にイーブイ目線だから広く見えるだけかもしれないけど、リビングのソファに腰を下ろす彼女の大きさから比較しても、多分、この家は広い部類だと思う。


 女の子 「今日から あなたの家でもあるのよ。自由に使っていいからね」

 「ぶーい!」


ひとまず……、寝床は確保できた、って考えるべきなのかな。

僕が誰なのか、そして、なんでイーブイになってしまったのか、これから調べなければならない。

けどその前に、ポケモンとしての振る舞いと言うか、ポケモンになったことによる影響を考えなくてはならない。



 女の子 「ちょっと早いけど、お昼ご飯にしよっか。昨日ね、ポケモンフーズ買っておいたんだ」


影響……さっそく。

待ってよ、僕は今まで人間だったんだよ。ポケモンフーズなんて口に合うのか……?
 ▼ 25 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:53:31 ID:9lycif9. [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「はい、どーぞ!」


ポケモンフーズが入れられた お皿は綺麗な真っ白。

きっと僕を迎え入れるにあたって、新品を用意してくれたんだと思う。


 女の子 「私も ご飯〜♪」


彼女はと言うと、電子レンジのスイッチを入れた。

温めの重低音が やけに大きく響くのは、ポケモンになって耳が良くなったからなのか。

そんなことを考えていれば、香ばしい香りが漂ってくる。


チャーハンだ。

きっと お母さんが作り置きしておいたんだろうな。


 女の子 「じゃあ……いただきまーす」

 「ぶいぶいぶーい」
 ▼ 26 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:54:30 ID:9lycif9. [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チャーハンを前にした彼女の笑顔に、思わず上機嫌で「いただきます」と言ったけど。


……うん。不味い。


変にパサパサして、鼻に抜ける何とも言えない泥臭さが食欲を無くす。

唾液と混ざったそれは、とても呑みこめたものじゃない。


 女の子 「どうしたのイーブイ? 食べないの?」

 「ぶい……」


どうやらポケモンになったとは言え、味覚は人間の時の記憶が残っているらしい。


 女の子 「まさか……具合悪いの!?」

 「ぶいっ!?」


本気で心配そうな表情で、僕の顔を覗き込む彼女。

ダメだ。心配させる訳にはいかない。それに、またポケモンセンターに連れて行かれるのは面倒くさい。


 「ぶい!」

 女の子 「あっ!?」
 ▼ 27 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:55:29 ID:9lycif9. [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうして僕は、彼女のチャーハンに飛びついた。


うん……この味!


この醤油の香ばしさ。卵と人参の鮮やかさ。荒く刻まれた尾島商店の焼き豚。

美味しい! やっぱりチャーハン最高!


 女の子 「そっか。イーブイも人間の食べ物の方が好きなんだね」

 「ぶいぶい〜」

 女の子 「じゃあ、家族で一緒のご飯だねっ。お母さんに伝えておくよ」

 「ぶい〜」



ひとまず ご飯の心配は解消した。

彼女と一緒に食べるチャーハンは とても美味しく、どこか懐かしささえ感じる味だった。




 ▼ 28 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:57:30 ID:9lycif9. [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
食後、彼女は僕を膝の上で撫でながら、ソファーに座ってテレビを眺めている。


「くるくる〜」と鳴く小さな生き物が、女の子と一緒に歩いている。赤い恐竜のような生き物と男の子もいる。

こんなポケモン見たことないし、なんのアニメだろう。マトリックスエボリューションってなんだろう。



 女の子 「……そろそろかな」


アニメも佳境、敵のモンスターを倒そうって段階だと言うのに、彼女は立ち上がった。


 女の子 「行かないと。イーブイも連れて行ってあげたいんだけど、そこ、ポケモンが入っちゃダメなんだ。モンスターボールに入ってくれる?」

 「ぶい……」


嫌だ、モンスターボールに入るのは極力避けたい。


 女の子 「そっか。じゃあお留守番しててくれる? 夕方には帰って来るから」

 「ぶい!」

 女の子 「ふふっ。良い子にしてるんだよ」


モンスターボールに入ることを拒んだら留守番か。

ってことは、そんなに重要な外出では無いと言うことだ。



彼女は身支度整えると、僕をリビングに残して出掛けて行った。

 ▼ 29 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 02:59:00 ID:9lycif9. [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ようやく1人になれて、改めて考える。

僕は何故、ポケモンになったんだろう。何故あの森に居たんだろう。そもそも僕は誰なんだろう。


ソファの上で、考えを巡らす。


確実に言えることは、僕は本当は人間であること。男の子であること。

そして、記憶以外の情報、これまでの知識なんかは、多分人間時代のまま残っている。


記憶だけが抹消されてポケモンになるなんて、本当、ポケモンダンジョンのようなシチュエーションだ。

昨日の森で、パートナーと思って無抵抗で物音に近付いた自分が情けない。

まぁ、結果、こうして安全な居場所を確保できたから良かったけど。


うぅ……、考えても何も思いだせない。

それに、なんでだろう、急に眠気が……。

お腹いっぱいになったから?

いや、さっきまで眠気なんて一切なかったのに、急にこんな眠くなるなんて……。



これが……ポケモン……、なのか、な……。




 ▼ 30 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 03:00:30 ID:9lycif9. [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





 『私ね、昨日ポケモンをゲットしたんだよ』


 『ふふ〜ん。聞いて驚け〜。なんと! イーブイをゲットしたんだ〜!』


 『珍しいポケモンなのにね〜。ゲットできた私が一番驚いてるかも』


 『ニンフィアに進化させるから、ちょっと待っててね!』




 ▼ 31 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/07 03:05:00 ID:9lycif9. [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





あっ!?





ビクッと飛び起きると、そこは彼女の家の、ソファの上。

リビングには誰も居ない。

窓からは西日が差し込んでいて、時計は16時半を指していた。


寝ちゃってたみたいだ。

急に眠気に襲われて、そしたらすぐに……、まるで麻酔を打たれたかのように、僕は意識を失っていた。


けど、なんだろう今の声? 夢?


彼女の声ってのは間違いないけど、夢だとすれば、ちょっと異質なものだった。


僕は真っ暗な空間に居て、彼女の声だけが聞こえていた。


夢って、もっと鮮やかで動きがあるもののはずだけど、目の前はただただ真っ暗で。


ポケモンが見る夢って、こんなものなのかな?


 ▼ 32 ルズキン@ミストシード 18/11/07 07:16:53 ID:sDUIqB7E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 33 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 20:45:30 ID:frIg3O7Y [1/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


しばらくして、彼女が帰って来た。

彼女の お母さんも一緒で、僕を歓迎してくれた。


夜になると、お父さんが仕事から帰って来て、やっぱり僕を歓迎してくれた。



家族みんなで食べる夜ご飯。

テーブルの上に並ぶ料理。

椅子に座るお父さん、お母さん、彼女。

僕は空いてる椅子に飛び乗って、さらにテーブルの上に乗る。

人間と同じ料理を食べさせてくれるってことで、僕の分もテーブルの上に並べられていた。

お行儀が悪いかもしれないけど、身長的に、椅子に座って食べるのは不可能だから仕方ないよね。


家族で食べる夜ご飯は、とっても美味しかったし、お母さんの手料理は、どこか懐かしさを感じる味だった。

ポケモンになったとは言え、やっぱり僕には人間の食べ物が適しているようだ。

せっかく買ってくれたポケモンフーズは申し訳ないけど。
 ▼ 34 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 20:47:00 ID:frIg3O7Y [2/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



 女の子 「じゃあ、そろそろ寝よっか」

 「ぶい」

 女の子 「おやすみなさーい」



パジャマに着替えた彼女は、僕を抱きかかえて2階に上がる。

入ったのは子供部屋。彼女の寝室は ここらしい。


僕は目に入った二段ベッドの下段に飛び込んだ。

綺麗に敷かれたシーツと、畳まれた掛布団。イーブイの大きさなら、掛布団は広げなくても十分だ。


 女の子 「ふふっ。うちに来たばっかりなのに、もう馴染んじゃってるね」


二段ベッドの上段から、彼女が顔を覗かせる。

笑っては いるものの、その表情は、どこか寂しそうだった。


 女の子 「おやすみ。明日は いっぱい遊ぼうね」
 ▼ 35 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 20:50:00 ID:frIg3O7Y [3/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
果たして彼女が悲しげな その理由は、僕には分からない。

イーブイになってしまっては、その理由を聞くことも出来ない。



何かが引っ掛かる。



僕がイーブイになってしまったことと関係があるって言うのか?

だとすれば、僕が彼女にゲットされたことは、必然だったのか?



分からない。



どこかモヤモヤした気分が残っていたものの、その夜、僕は ぐっすりと眠ることができた。


 ▼ 36 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 20:55:00 ID:frIg3O7Y [4/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




二段ベッドの中で目を覚ました僕は、無意識に目を擦る。

そんな自分の茶色い手足を見て、イーブイになってしまったことは やっぱり夢じゃないんだと実感した。


 女の子 「おはよー。よく眠れた?」

 「ぶい!」


彼女は既に起きていたようで、モコモコ生地の暖かそうな衣服を身につけていた。

もう11月だもんね。朝晩は冷え込むけど、イーブイのフワフワモコモコな体毛は、僕に寒さを感じさせなかった。


 女の子 「おいで」


彼女はベッドに腰掛けると、僕を膝の上に乗せる。

そして、手にしていたブラシで、優しく僕を撫で始めた。


 女の子 「ブラッシング。身だしなみはキッチリしないとね〜」

 「ぶぃ〜」


あ、気持ち良い。思わず声が出てしまった。

よくポケモンはブラッシングが好きって聞くけど、それも納得だ。


 女の子 「これからいっぱい仲良くなろうね!」


彼女の優しいブラッシングに、僕は目を細めて頷いた。

今まで眠っていたと言うのに、気持ち良すぎて再びトロけそうになる。

僕は彼女の膝で香箱座りになって、この感触を心行くまで楽しんだ。
 ▼ 37 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:00:00 ID:frIg3O7Y [5/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


朝食を済ませると、お父さんは会社に出かけて行った。

お母さんは早速掃除洗濯を始める。午後から出かけなければいけないらしい。


 女の子 「私たちも出かけるよ、イーブイ」

 「ぶい」


彼女はデジカメを持って外に出る。僕は彼女について行く。


向かった先は、僕が目を覚ました、あの森だった。


 女の子 「私ね、ポケモンの写真を撮ってるんだ」

 「ぶい〜」

 女の子 「一昨日も写真を撮っててね、そしたらイーブイと出会ったの」

 「ぶいぶい」


彼女はポケモンの写真を撮るために、この森に来ていたらしい。

デジカメのグレードを見る限り、趣味の範囲なのだろう。彼女はデジカメのモニタを覗きながら、四方八方を見渡している。
 ▼ 38 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:05:00 ID:frIg3O7Y [6/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「あ、バタフリーだ。でもバタフリーは前に撮ったっけ」


雰囲気的に、自由行動って言ったところか。

森と言っても、遊歩道が整備されているくらいだから、そんなに危険は無いらしい。

ならば絶好のチャンス。僕がイーブイになったキッカケが、何か分かるかもしれない。



 「こんにちは」

 ハネッコ 「ん? 見かけない顔だね〜」


ひとまず僕は、彼女の目の届く範囲に居た、このハネッコに話しかけてみた。

ハネッコなら襲われることはないだろうし、もしバトルに流れても勝てるだろう。失礼だけど。


 「実は僕、一昨日、ここに倒れてたみたいなの。君、何か知ってることない?」

 ハネッコ 「倒れてた? 大丈夫なの?」

 「うん。今は……あの女の子にゲットされて、ポケモンセンターにも連れて行って貰ったし」

 ハネッコ 「そっか。良かった」

 「それで、何か気付いたこととか、なんでもいいんだけど、何か知らない?」

 ハネッコ 「う〜ん、ごめんね、知らない。この森は平和だから、何か起これば気付くと思うけど」

 「そうなんだ……」

 ハネッコ 「あ、おねえちゃーん!」
 ▼ 39 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:10:01 ID:frIg3O7Y [7/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハネッコが呼ぶ先から、ワタッコがフワフワと近付いてきた。


 ワタッコ 「あら? 見かけない顔だね〜」

 ハネッコ 「この子ね、一昨日ここで倒れてたんだって。おねえちゃん、何か知らない?」

 ワタッコ 「う〜ん、思い当たる節は無いかな〜」

 「そっか……」

 ワタッコ 「けどね」

 「えっ?」

 ワタッコ 「この森にイーブイは住んでいないはず。だから貴方は、どこか別の場所から やって来たんだと思う」

 「別の場所から……」



 女の子 「わ〜ワタッコだ! みんな並んで! スリーショット!」


彼女が こちらに気付いて走って来る。

そして、ハネッコ、僕、ワタッコと並んだ状態で、さかんにシャッターを押していた。


 ハネッコ 「良かったね。優しそうな人間にゲットされて」

 「うん」

 ワタッコ 「ごめんね、お役に立てなくて」

 「ううん。特に異変が無かったってことを知れただけでも、大きな収穫だよ」
 ▼ 40 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:15:00 ID:frIg3O7Y [8/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


その後、午前中いっぱい、僕は彼女と森を散策した。



彼女が写真を撮っている間に、僕は色々なポケモンと話をしてみた。

幸いこの森のポケモンは みんな良いポケモンで、僕の相談に、快く耳を傾けてくれた。


けど、返ってくる答えは みんな同じ、「知らない」だった。


そもそも、この森にイーブイは生息していないらしい。

みんながみんな、僕を見るなり珍しそうな反応をするのが、その証拠だろう。



じゃあ僕は、いったい何処から来たって言うんだ?

なんでイーブイになったんだ?

なんで彼女にゲットされたんだ?



謎は深まるばかりだった。


 ▼ 41 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:20:00 ID:frIg3O7Y [9/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





 女の子 「ただいま〜、って、誰もいないけどね」

 「ぶい」

 女の子 「やっぱり動き回ると暑いね。汗かいちゃったもん」


朝晩は確かに冷え込むけど、太陽が顔を出す日中は暑いくらいだ。

人間だったら風邪をひかないように体調管理が不可欠だけど、ポケモンになった今、その辺を考える必要は無さそうだ。


 女の子 「着替えないとな。……あ、イーブイの足、泥だらけ!」

 「ぶい?」


言われて見てみると、確かに、僕の足は泥で汚れていた。

森には ぬかるんでる場所もあったし、靴を履いてたわけでもないから当然か。


 女の子 「汗も流したいし……シャワー浴びよっか!」

 「ぶいっ!?」
 ▼ 42 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:20:30 ID:frIg3O7Y [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
えっ……ちょっと待ってシャワー!?

それって、彼女と一緒にってこと!?


 女の子 「おいでイーブイ。お風呂は こっち」


考える間もなく、僕は彼女に抱き上げられる。

マズいよ。彼女と一緒に お風呂なんて……、彼女の裸を見ちゃうなんて、それマズいよ!


 女の子 「ほら暴れないの〜。さてはイーブイ、お風呂嫌いでしょ」

 「ぶいぶいぶいぶい!」


嫌いとかそういう問題じゃ無くて!

イーブイの姿だけど、僕、男の子なんだよ!?

裸を見ちゃうのは申し訳ないって言うかなんというか、とにかくダメ!


 女の子 「汚いと嫌われちゃうよ〜。観念しなさいっ」


彼女は風呂場の入口をピシャッと閉めると、服を脱ぎ始めた。

彼女のガードに加え、イーブイの姿である僕に、入口の引き戸を開ける術は無かった。
 ▼ 43 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:21:00 ID:frIg3O7Y [11/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「ふ〜。汗でベトベト〜」


とうとう彼女は裸になってしまった。

パンツもイーブイ柄だったとかは どうでもいいとして、女の子の裸を見ちゃうなんて恥ずかしいって言うか目を合わせられないと言うか……。


 女の子 「さ、入るよ」

 「ぶい……」


……とは思ったけど。

意外にも僕は、彼女の裸を見て、なんの感想も抱かなかった。

男たるもの、女の子の裸を見れば興奮するなり恥ずかしがるなり何かしら反応を示すはずだけど、僕の頭の中に、そういった下心的な感情が湧き出てこない。


 女の子 「ほら、シャンプーするよ〜」

 「ぶい〜〜〜」


わっしゃわっしゃと僕の毛並みを泡立てる彼女。

真正面の至近距離から彼女の裸を見ても、やっぱり何も思わない。

これもポケモンになったから?

人間であれば誰もが羨むシチュエーション、漫画のような展開だと言うのに、ポケモンは気にしないのかな。

考えてみればポケモンは常に裸だし、当然と言えば当然か。


けど……、僕が人間の男の子だってことは、彼女に知られちゃダメな気がしてきた。




 ▼ 44 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:21:30 ID:frIg3O7Y [12/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




 女の子 「それじゃあイーブイ。お留守番お願いね」

 「ぶい!」


シャワーを終えて、昼ご飯を食べて。

昨日と同じ時間に、彼女は出かけて行った。


ポケモンをボールに しまわなくちゃいけない場所……、電車にでも乗るのかな?

まぁ彼女がどこに行こうと、僕には あまり関係無い。

僕が一番にすべきことは、自分がイーブイになってしまった原因の究明。


けど、あの森で なんの手掛かりも発見できなかった以上、早くもお手上げ状態だ。


なにをキッカケにイーブイになってしまったのか。

なにをキッカケに人間の姿に戻れるのか。

解決の糸口は、何も見つかっていない。
 ▼ 45 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:22:00 ID:frIg3O7Y [13/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そしてそんなことを考えていると、突然、睡魔が襲って来た。


昨日と同じ時間帯。


昨日と同じように、なんの前触れも無く訪れる、強い睡魔。



なんで、急に眠くなるんだろう……。




これもポケモンの特性なのか……?





ダメだ、意識、保て……ない。




 ▼ 46 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:22:30 ID:frIg3O7Y [14/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





 『イーブイ、すっごく可愛いんだよ〜』


 『ブラッシングしたり、一緒にシャワー浴びたり』


 『あとね、一緒に森を探検したんだ!』


 『ポケモンの写真いっぱい撮れたんだよ』


 『ふふっ。アルバムにして見せてあげるよ』


 『今度一緒に行ってみようね。ポケモンいっぱいで、すっごく楽しいから』


 『勿論、イーブイも一緒にね!』




 ▼ 47 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:23:01 ID:frIg3O7Y [15/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





また……、この夢だ。





昨日と同じ夢。


僕は真っ暗な空間に居て、彼女の声だけが、鮮明に聞こえて。


まるで僕の脳に直接話しかけているように、彼女の声だけが、真っ暗な世界に響き渡る。


そしてそれに安心感を覚える自分がいる。



この夢は、僕がイーブイになったことと関係あるって言うのか?


この夢は、いったい僕に何を伝えようとしているんだ……?




 ▼ 48 ッスグマ@ゼニガメじょうろ 18/11/08 21:31:10 ID:j8e.GKXo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 49 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:47:00 ID:frIg3O7Y [16/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



家族での夕食を終えて、彼女が お風呂に入っている間。


お父さんとお母さんが、かわりばんこに僕を可愛がってくれた。


優しく撫でられたり、肩に乗せて貰ったり、ブラッシングしてくれたり。

エネコの尻尾のおもちゃに 体が勝手に反応してしまったのは、ポケモンの性なのだろうか。


ともあれ、お父さんもお母さんも、まるで本当の家族のように、僕に優しく接してくれた。

2人にしてみれば、僕の声は「ぶいぶい」としか聞こえないんだろうけど、それだけで喜んでくれるのは、なんだか嬉しい。


なんだか他人のような気がしないもん。


あぁ、僕のお父さんとお母さん、僕が居なくなって心配してるだろうな……。

 ▼ 50 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:47:30 ID:frIg3O7Y [17/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



夜も深まり、もう寝る時間。

僕と彼女は、2階の子供部屋へと向かう。


昨日と同じように、二段ベッドの下段にもぐりこんだところで、彼女が小さく呟いた。


 女の子 「ねぇ、イーブイ……」

 「ぶい?」

 女の子 「あのね……」


“あのね……”。

彼女の口から、その後の言葉が出てこない。

何が彼女の言葉を詰まらせているのだろうか。寂し気な表情の彼女は、僕をみつめたまま、しばし沈黙する。


 女の子 「……ううん、ごめんね、なんでもないの」

 「ぶい?」

 女の子 「イーブイ。今日は一緒に寝よっか」

 「ぃぶいっ!」
 ▼ 51 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:48:00 ID:frIg3O7Y [18/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんでもない訳は無いと思う。

こんなに寂しそうな、悲しそうな表情を見せておいて、“なんでもない”は通用しないよ。


けど、僕がそれを問いただす術は無い。

それに、もし彼女が何かと葛藤しているのなら、無理矢理聞き出すのは違う気がする。


ならば僕は、僕を可愛がってくれている彼女のために行動するまでだ。

彼女が安心できるように。

彼女が寂しい思いをしないように。

僕は とびっきりの笑顔を作って、彼女の布団に潜り込んだ。



 女の子 「ふふっ。イーブイ、あったかい」

 「いぶぶ〜ぃ」


彼女は僕を抱きしめる。

女の子に抱きしめられるなんて初体験だけど、恥ずかしさとか、照れくささとか、そういった感情は一切湧き起こらなかった。

むしろ、僕の方が安心できるような感じだ。
 ▼ 52 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/08 21:49:00 ID:frIg3O7Y [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
元の男の子に戻ることばっかり考えていたけど、その時が来るまでは、僕は彼女の傍に居よう。


彼女の寂しそうな姿を見ると、なぜだか胸が締め付けられる。


僕が彼女を支えないと。

むしろ、それが使命とすら感じる。



だとしたら僕は、彼女と面識があったのか?



分からない……。



分からないよ……。




 ▼ 53 ンブオー@たべのこし 18/11/09 06:34:20 ID:zO6.PubU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 54 ーパ@せいしんのハネ 18/11/09 09:29:08 ID:P5xQqpnI NGネーム登録 NGID登録 報告
イーブイも女の子もすこ

支援
 ▼ 55 リンリキ@フーディナイト 18/11/09 20:37:54 ID:Q53Uxdqk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 56 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:29:30 ID:S.9gdueM [1/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



目が覚めると、全身を包み込む温もりを感じた。

そうだ。昨日は、彼女に抱かれて眠ってたんだっけ。


なんだかぐっすり眠れたな。夢も見てないし。

彼女に抱きしめられていたことで、どこか安心感を覚えたのかもしれない。

原因も分からずイーブイになってしまって、少しだけ不安を感じていたのは、は事実だったから。



 女の子 「んっ……、おはようイーブイ」

 「ぶい!」

 女の子 「ふふっ、元気いっぱいだね。起きよっか」


二段ベッドから降りて、僕は大きく伸びをする。

彼女はパジャマを脱いで、普段着に着替え始めた。

女の子の着替えを見るのは少し抵抗があるけど、イーブイになったからか、やっぱり特段感情は抱かなかった。
 ▼ 57 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:30:41 ID:S.9gdueM [2/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「おはよー」

 「いぶぶ〜ぃ」

 お母さん 「おはよ」

 お父さん 「早く朝ごはん食べちゃいな。出掛けるよ」

 女の子 「えっ……お出かけ!? どこ行くの!?」

 お父さん 「西の草原だよ。イーブイを広い所で遊ばせてあげないとね」

 お母さん 「お弁当作って、久々にピクニックよ」

 女の子 「ホントに!?」

 お父さん 「まぁ、長居は出来ないけどな」

 女の子 「やったぁ! じゃあイーブイ、早く朝ごはん食べちゃお!」

 「いぶ!」


どうやら今日は、家族そろって出かけるらしい。

草原でピクニックか。

休みの日に家族で出かけるなら、もっと遠出してもよさそうだけど、このあと予定があるのかな。


キッチンには、既に お弁当が出来上がっていた。お母さん早起きして作ったんだろうな。

僕たちは簡単に朝ごはんを済ませて、出かける準備に取り掛かった。


……まぁ、僕は なにもすること無いけどね。
 ▼ 58 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:31:20 ID:S.9gdueM [3/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


お父さんの運転する車で、僕たちは草原へと向かう。


彼女はピンクのパーカーにジーンズと、動きやすそうな格好だ。

パーカーに付いている小さなボンボンが妙に気になるのは、ポケモンの性なのだろうか。





20分ほどで、その草原に到着した。

駐車場の柵の向こうに広がる、一面の緑の絨毯。

憩いの場となっているようで、僕たちと同じように、多くの人間とポケモンが、思い思いの時を過ごしている。


 女の子 「レジャーシート、この辺で良い?」

 お父さん 「あぁ。その杭を四隅に打って、飛ばされないようにね」

 女の子 「はーい。イーブイ押さえてて」

 「ぶい!」
 ▼ 59 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:33:00 ID:S.9gdueM [4/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大きなレジャーシートには、イーブイと、その進化系のイラストが描かれていた。


彼女はイーブイ系統が好きなんだと分かる。

きっと僕を――イーブイをゲット出来て、嬉しかっただろうな。

だとすると、僕が人間に戻った時、きっと彼女は悲しむと思う。こんなに嬉しそうに、優しく接してくれてるのに。



 女の子 「じゃじゃーん! ビーチボール!」

 お父さん 「よし! ビーチじゃないけどバレーで勝負だ!」

 女の子 「私とイーブイのチームね! 負けないよー!」

 お母さん 「ふふっ。大人の力を甘く見たら痛い目 見るわよ〜」

 女の子 「イーブイ! お父さんとお母さんに絶対勝つよ!」

 「……ぶぃぃっ!」


ダメだダメだ。

元に戻ることばっかり考えるのは良くないって、昨日思ったばっかりじゃないか。


今を楽しもう。

戻る術が分からないんなら、今を楽しむほかないじゃないか。

ポケモンとして生活できるなんて、普通なら有り得ない経験なんだから。
 ▼ 60 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:33:31 ID:S.9gdueM [5/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「行くよ〜えいっ!」 ポン!

 お父さん 「ほら!」 ポーン

 女の子 「イーブイ来たよ!」

 「いぶぃ!」 ポコン


僕は、飛んできたビーチボールを、ヘディングでつなぐ。

彼女は絶妙な位置に素早く移動して、ボールをお父さんに打ち込んだ。


 お父さん 「いだっ!?」

 女の子 「あははっ! 大丈夫お父さーん?」

 お父さん 「くそっ……顔ねらっただろー?」

 女の子 「あはははははっ!」

 お母さん 「ふふふっ」
 ▼ 61 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:34:15 ID:S.9gdueM [6/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


楽しいな。


彼女たち、とっても仲の良い家族って感じだ。

そんな輪の中に、僕は違和感なく溶け込んでいる。


まだ出会って間も無いのに、みんな僕を歓迎してくれて、本当の家族のように接してくれている。

まるで、昔から一緒に過ごしていたかのように。


本当に、楽しいな。

 ▼ 62 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:35:20 ID:S.9gdueM [7/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


白熱のバレー。

追いかけっこ。

ダルマッカがころんだ。


家族みんなで存分に遊んで、気付けば、お昼の時間を とっくに過ぎていた。



 女の子 「いただきまーす!」

 「ぶいぶいぶーい!」


お母さんの作ったお弁当は、定番の おにぎり、空揚げ、オクタンウインナー。

卵焼き、インゲンの胡麻和え、フルーツに鈴カステラ。それに……。


 女の子 「尾島の焼き豚!」

 「ぶぃ〜!」

 女の子 「ふふっ。イーブイこの焼き豚 気に入ったの?」

 「ぶい!」


チャーハンにも入ってたけど、やっぱり尾島商店の焼き豚は美味しい。

脂身の絶妙なバランス、納得の肉の旨み、舌を唸らす特製のタレ。切り落としじゃなくて、丸ごと かぶりつきたいくらいだ。
 ▼ 63 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:36:10 ID:S.9gdueM [8/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 お父さん 「たまには良いね、ピクニックも」

 お母さん 「そうね。家族で出かけるなんて、いつ以来かしら」

 お父さん 「近場に限られちゃうけど、これからは もっと家族で出かけよう。な?」

 女の子 「うん!」


おにぎりを頬張る彼女は、笑顔で頷いた。


家族で出掛けるのが久しぶりってニュアンスだけど、なんでだろう。

こんなに仲の良い家族なのに、今まで こういう お出かけ、してこなかったのかな?

お父さんの仕事が忙しいとか、そういう理由かな?





そんなことを考えていると……、まただ。




 ▼ 64 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:36:40 ID:S.9gdueM [9/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 女の子 「ん? どうしたのイーブイ?」


急に睡魔が襲って来た。


楽しく遊んでいたせいで気付かなかったけど、昨日と同じ時間帯。


昨日と同じように、なんの前触れも無く訪れる、強い睡魔。



 女の子 「イーブイ、眠くなっちゃったの?」



ご飯の途中に眠くなるなんて、普通じゃ有り得ない。


やっぱりおかしいよ、この睡魔。

 ▼ 65 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:37:20 ID:S.9gdueM [10/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 お母さん 「いっぱい遊んで、疲れちゃったのかな?」

 お父さん 「もうそろそろ時間だし、寝かせてあげな」

 女の子 「あ、もうそんな時間になるんだ」

 お母さん 「果物だけ食べちゃって。おかずは後でも食べれるから」

 女の子 「はーい」



みんなの声は耳に入って来るけど、睡魔は どんどん強くなっていく。


なんなんだ、この睡魔。



いったい、何を……この、睡魔は……。




僕に、何を……、いったい……。




 ▼ 66 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:38:10 ID:S.9gdueM [11/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





 『今日はね、みんなでピクニックに行ったんだよ』



 『イーブイ、バレーすっごく上手かったんだから!』



 『ふふっ。イーブイと いっぱい仲良くなれたから、もうすぐニンフィアに進化するかもしれないよ』



 『もしかしたら、イーブイの姿とは会えないかもね?』



 『今度はみんな一緒にピクニックに行こうね!』



 『絶対だよ』



 『だから……、頑張れ!』




 ▼ 67 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:39:00 ID:S.9gdueM [12/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





また……、同じ夢だ。





 女の子 「あ、イーブイ起きた?」

 お母さん 「よく寝てたわね」



気が付くと、僕は家のソファの上にいた。

僕が眠っている間に、家に帰ってたみたいだ。



夢は相変わらず、同じ。


僕は真っ暗な空間に居て、彼女の声だけが、鮮明に聞こえて。


優しく語り掛ける彼女の声に、僕は確かな安心感を覚えていた。





いったい何が、僕に この夢を見せているんだ……?



いったい何を、僕に伝えようとしているんだ、この夢は……?




 ▼ 68 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:39:51 ID:S.9gdueM [13/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


夕飯を終えて、彼女と一緒に お風呂に入って。

寝る時間は、あっという間に訪れる。


今日は始めから、僕は彼女の眠る上段のベッドに もぐりこんだ。


 女の子 「ふふっ。一緒に寝てくれるの、イーブイ?」

 「いぶぃ!」


僕の元気な返事を聞いて、彼女は微笑む。

そして、僕の隣に横になった。


 女の子 「ありがとう。今日は楽しかったね」

 「ぶいぶい〜」

 女の子 「家族で遊びに出かけたの、ホントに久々だったんだ。……イーブイが来てくれたお陰だよ?」

 「ぶい?」

 女の子 「可愛くて元気っぱいなイーブイの お陰でね、多分、お父さんとお母さん、出かけようって気持ちになれたんだと思う」

 「ぶい……」
 ▼ 69 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:40:50 ID:S.9gdueM [14/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
意味深な言葉。


ねぇ、それって どういうこと?

なにか……、家族で出かけられない理由が、他にあったってことなの?


 女の子 「イーブイ……」


彼女は僕のことを抱き寄せて、じっと僕のことを見つめる。


なにか……、僕に言いたいことがあるんだよね?

昨日は言えなかった、僕に伝えたい、なにかが。



 女の子 「……ごめんね。なんでもないんだ」


けど彼女の答えは、昨日と同じだった。


 女の子 「おやすみ、イーブイ」

 「いぶ……」



ねぇ、なんでそんなに、寂しそうな表情をしてるの?


ねぇ、なんでそんなに、悲しそうな声色をしてるの?


ねぇ、僕になにを、伝えようとしているの……?




 ▼ 70 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:41:40 ID:S.9gdueM [15/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





 『イーブイ、すっごく可愛いよね〜』


 『イーブイって、色んなポケモンに進化できるんだよね?』


 『そう。8種類のポケモンに進化できるんだよ』


 『ふーん。ねぇ、どれが1番好き?』


 『う〜ん、みんな可愛いし、迷っちゃうな〜』


 『僕が好きなのはね〜』


 『あ、じゃあ“いっせーの!”で言おっか』


 『うん!』


 『じゃあ……、いっせーの!』



 『『 ニンフィア!! 』』




 ▼ 71 ンベアー@がんせきおこう 18/11/10 01:42:23 ID:B8rg.93Q [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
あ、面白い……(直球)
 ▼ 72 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:42:40 ID:S.9gdueM [16/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


……えっ?


不意に目が覚めた。


まだ夜は明けていない。

彼女も眠っている。



今の夢は、明らかに今までのものと違ったし、そもそも、夜の睡眠で夢を見たのは、今が初めてだ。


夢の登場人物は2人。


1人は彼女で間違いない。

もう1人は、男の子の声だった。彼女と打ち解けているような感じから、2人は親しい仲であると想像できる。



初パターンの夢に、僕は混乱する。


男の子の登場は、いったいなにを意味してるのか。

何故そういう夢を僕に見せたのか、さっぱり分からない。



けれど。


今の夢の光景が、かすかに僕の記憶を刺激する。


僕と彼女、以前、どこかで……?

 ▼ 73 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:44:10 ID:S.9gdueM [17/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 お母さん 「コマチ、起きて!」



突然、部屋のドアが乱暴に開けられた。


慌てふためく お母さんは、彼女――コマチを揺する。



 女の子 「んっ……、お母さん?」

 お母さん 「すぐ着替えて! 病院から……、病院から呼ばれたのよ!」

 女の子 「えっ……ハヤテが!?」


震えた声で、ベッドから飛び起きる彼女。

そしてすぐ、着替え始める。


隣の部屋も慌ただしい。

家の外では、車のエンジンがかかる音。



病院?


ハヤテ?



どういうこと?

何が起こってるの?



……いや、僕は薄々、気が付いているはずだった。


 ▼ 74 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:45:31 ID:S.9gdueM [18/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



まだ寝静まっている町を、お父さんの車で疾走する。


病院へ急ぐ。


彼女も、お父さんも、お母さんも、一言も喋らない。


それが意味することは、一つしかない。



今日までの出来事が、一つに繋がっていく。


ジグソーパズルのように、欠けたピースが埋まっていく。


全ての事柄が、一つの事実へと導かれていく。





病院に到着する。




 ▼ 75 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:46:21 ID:S.9gdueM [19/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



 女の子 「あっ……イーブイ!?」



車のドアが開いた瞬間、僕は走り出した。


夜間通用口と書かれた扉を無理矢理こじ開け、階段を駆け上がる。


病棟の3階、一番奥。


病室の扉は開いており、中には医師と看護師が、ベッドに横たわる男の子に、心肺蘇生を行っていた。





 看護師 「あっ……、こんなところにポケモンが?」

 医師 「今は ほっとけ! それより家族の人は!?」

 看護師 「先ほど連絡を入れたので、もうすぐ……」
 ▼ 76 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:47:00 ID:S.9gdueM [20/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 女の子 「ハヤテぇ!」

 お母さん 「ハヤテっ!」

 お父さん 「先生っ! ハヤテは……ハヤテは!?」



僕に少し遅れて、彼女たちが病室に駆け付けた。



彼女が、お父さんが、お母さんが。

ベッドに横たわる、呼吸も細々な男の子に駆け寄る。そして、涙する。


 女の子 「ハヤテ! 起きてよハヤテ! グスッ、ハヤテっ……」
 ▼ 77 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:48:30 ID:S.9gdueM [21/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



泣きじゃくる お姉ちゃんの姿を見ていると、僕の意識は、だんだんと遠のいていった。



そうだよ。

始めから、ヒントは沢山あったじゃないか。



家の庭に置かれていた、“2台の”自転車。


何故か存在を知っていた、尾島商店の焼き豚。


懐かしさを感じた、お母さんの手料理。


部屋にあった“二段”ベッド。

無意識に その“下段”へと飛び込んだ僕。


彼女と一緒にお風呂に入っても、彼女の着替えを見ても、なんの感情も湧き起らず。
 ▼ 78 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:49:31 ID:S.9gdueM [22/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 女の子 「起きてよハヤテっ! 一緒に……、グスッ、みんな一緒にっ、ピクニック行こうって、約束っ……」



彼女たちは、ハヤテが入院した数年前から、家族で遊びに行くことを やめてしまった。


彼女が午後、決まった時間に出かけていたのは、ハヤテと面会するためだった。


そしてその時間、僕は睡魔に襲われる。


真っ暗な空間で彼女の声が聞こえたのは、意識不明のハヤテに、彼女が語り掛けてくれていたから。


彼女の声は、きちんと僕に届いていた。


彼女の声を聞いた安心感は、確かなものだった。

 ▼ 79 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:50:50 ID:S.9gdueM [23/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 女の子 「ニンフィア好きだって……。イーブイと仲良くなれたからっ……、グスッ、ニンフィアっ、見せて、あげるから……」



遠い日の記憶が蘇る。

僕も お姉ちゃんも、イーブイの進化先は、ニンフィアが1番好き。

お姉ちゃんは、ハヤテの意識が回復すると信じて、僕をニンフィアに進化させたかったみたいだ。



ダメだ、立っていられない。


頭の中がスーッと白くなっていく。


意識が保てなくなっていく。



僕の意識が消え去る前に。


やらなくちゃいけないことがある。



僕は重い足を引きずりながら、お姉ちゃんの足元に擦り寄った。


 ▼ 80 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:51:50 ID:S.9gdueM [24/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 女の子 「グスッ……、イーブイっ。ハヤテがっ……、私の、弟が……」



分かってる。


分かってるよ、お姉ちゃん。


夜、僕に話そうとして話せなかったことは、“重病の弟が居る”ってことだったんだね。




お姉ちゃんは泣きながら僕を抱き上げ、ギュッと抱きしめた。


暖かい。


お姉ちゃんの、そして、家族の温もりを感じる。
 ▼ 81 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:52:40 ID:S.9gdueM [25/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

僕がイーブイになってしまった理由。

僕が彼女にゲットされた理由。



それは、最期の時を、家族と一緒に過ごすためだったんだね。



家族みんなで遊んで、笑って、語らって。


そんな最期の時を、神様は僕に、プレゼントしてくれたんだね。



僕の意識は、もう間もなく消えてしまう。


分かってるんだ。


だから、最期に、お姉ちゃん。



 「ぃぶ……」

 女の子 「グスッ、イーブイ……?」
 ▼ 82 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:53:20 ID:S.9gdueM [26/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



口を大きく開ける。 『あ』



口を横に開き、歯茎を見せる。 『り』



口を大きく開ける。 『が』



口を控えめに開く。 『と』



口を突き出し、キスのように。 『う』


 ▼ 83 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:54:00 ID:S.9gdueM [27/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 女の子 「イーブイ……、イーブイっ……!」



ねぇ、通じた? 僕の気持ち?


お姉ちゃん。お父さん。お母さん。


ありがとう。


本当に、ありがとう。



僕は幸せ者だよ。




皆と過ごせた最期の時間、僕、絶対に忘れないからね。





ありがとう。




 ▼ 84 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:55:01 ID:S.9gdueM [28/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






ピーーーーー、と言う機械音とともに。



“僕”の命の灯は、静かに、静かに、この世から消えて行った。




 ▼ 85 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:55:40 ID:S.9gdueM [29/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告







命は、巡り巡る。



この世を去った魂は、新たに生まれる魂に、転生する。



そして魂は、巡り巡り、この世で生き続ける。






 ▼ 86 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 01:57:40 ID:S.9gdueM [30/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





 コマチ 「おはようイーブイ。よく眠れた?」

 イーブイ 「いぶい!」



僕はイーブイ。


森で生まれ、コマチと言う女の子にゲットされた。


コマチは とっても優しくて、一緒に遊んだり、バトルしたり、イタズラしたり、毎日が楽しい。

コマチの両親も良い人で、家族4人、仲良く暮らしている。



 コマチ 「今日は出かけるから、早く支度しないとね」

 イーブイ 「いぶい?」

 コマチ 「うん。弟の……ハヤテの お墓参り。寂しがり屋さんだから、そろそろ会いに行ってあげないとね」

 イーブイ 「いっぶい!」

 コマチ 「ふふっ。イーブイは元気に生きていくんだよ。ハヤテの分までね」

 イーブイ 「ぶぶぶい!」
 ▼ 87 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 02:00:00 ID:S.9gdueM [31/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



僕はイーブイ。



コマチとは、ゲットされて初対面のはずなのに、何故だか、どこかで会ったことがあるような気がする。



何故だか分からないけど、そんなこと どうでもいい。



だって僕、とっても幸せだから!





 ――― 完 ―――


 ▼ 88 メックス@ゴーストメモリ 18/11/10 02:01:56 ID:B8rg.93Q [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
全bbs民が泣いた
 ▼ 89 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/10 02:02:00 ID:S.9gdueM [32/32] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



以上で完結です。


乗っ取りで書かせて頂きました。

ルナさん、素敵な題材をありがとうございました。


 ▼ 90 ナ◆3HuqJ/xx.U 18/11/10 07:46:51 ID:CNBoUKD6 NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です!
乗っ取って下さってありがとうございます。

まさかこんなにも感動するとは……
甲州街道さん、流石です。

それに、こんな長くても完結させるのも凄いとしかいえない。流石ですね。
 ▼ 91 ルガレオ@ほのおのジュエル 18/11/10 12:32:53 ID:IPxkLFYQ NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
 ▼ 92 トラポット◆Pcf6Vw29GM 18/11/13 16:43:10 ID:vRtUrW6o NGネーム登録 NGID登録 報告
乙です!
最初読もうとした時は「支援コメ入れても90レス超えか……長いな……」と思ったんですが、全然長さを感じなかった
伏線も後からスッと入ってくるし、いやぁ見事です
雑ですが挿絵(?)描かせてもらったので上げます
姉弟の見た目は勝手に補完しました
 ▼ 93 ャルマー@ともだちてちょう 18/11/14 20:17:04 ID:Htk63kkI NGネーム登録 NGID登録 報告
ゆるふわ日常ストーリー想像してたけどこんな泣かされるとは
 ▼ 94 州街道◆IVIG1YNTZ6 18/11/15 22:30:32 ID:xFlsAEx6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>92
うわぁぁぁぁぁぁぁぁありがとうございます!

姉弟かわいい!
イーブイかわいい!
イーブイ柄のレジャーシートかわいい!
むしろ全部かわいい!

ほっこりするイラストありがとうございました。
他のスワップ作品に贈られているイラストも素敵です。
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