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https://automaton-media.com/articles/newsjp/20220113-188617/
下田 紀之|モトシモダ@noshimoda
ゲーム会社の御意見受付欄に「送られたアイディア類の権利はすべてゲーム会社のものになる」と書かれているのは
なにもパクろうとかいうんじゃなくて、一方的に送りつけられたあげく権利主張されかねない「アイディア」押し売りから防衛するためなんですよね。
下田氏は、セガにて『ボーダーブレイク』や『アフターバーナー クライマックス』『ゴースト・スカッド』などにプロデューサーとして携わった人物だ。
現在は同社を退社し教員をしているという。
同氏は1月11日、ゲーム会社は「アイデアの押し売り」から防衛するために、策を講じていることをツイート。
例として、送られたアイデア類の権利は、すべてそのゲーム会社のものになることを明記している場合を挙げた。
この条項は一見すると、メーカーがファンのアイデアを奪おうと考えているようにも見えるかもしれない。
しかし真意としては別にあり、アイデアを送付した人から“権利主張”されないように、そのように記述することがあるのだという。
一般のユーザーから「アイデアを盗用された」と主張されることがないように対策しているわけだ。
なお下田氏に確認したところ、これは前職のセガの話ではなく、一般論としての話とのこと。
そのファンによる権利主張については、バンダイナムコにて『鉄拳』シリーズなどを手がけている原田勝弘氏が、過去に実例を語っていた。
あるゲームの一部にたまたまわずかな共通点があったというだけで、「自分のアイデアだ」と主張してくる人がいたという。
そうした人は、何らかのかたちでアイデアのスケッチやイラストをメーカーに“一方的”に送りつけており、
実際には開発陣は目を通していなかったとしても、自分のアイデアが勝手に使われたとして権利を主張してくるのだという。
『ポケモン』シリーズの開発元ゲームフリークも、「アイデア(企画書、デザイン、シナリオ等)の送付は固くお断りさせていただきます」としている。ファンレターなどであっても、ゲーム設計に直接携わらない従業員が開封確認し、もしアイデアを含む内容であった場合には、「ほかの従業員の目に触れることのないよう処分もしくは返送」する対応をおこなっているとのこと。EAも同様に「すべて返却または削除する」としている。同社には、毎年何千件もの提案が送られてくるという。
一般的に、ゲームのアイデアそのものは著作権法で保護されないものとされており、保護したい場合には特許を取得する必要がある。ただ下田氏によると、アイデアを“押し売り”する側はそうした法律を意に介せずに権利主張してくるため、安全策として幅広く防衛するのが無難なのだそうだ。また、ゲーム業界に携わるアメリカの弁護士Zachary Strebeck氏によると、もしアイデアの送付者とやりとりをした場合には、書面がなくとも契約関係が生じると裁判所に判断される可能性があるとのこと。そうしたリスクもあり、国内外各社は上述したような対応をとっているのだろう。
つまり、どれだけ素晴らしいゲームのアイデアを思いついたとしても、それをメーカーに一方的に送りつけることは、実現への道にはならないということである。前出の原田氏は、どこかで実現、もしくは(同氏と)一緒に実現する道を探してほしいと呼びかけている。