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【ポケモンUSUM】ポケットモンスター - 世界に迫る脅威 - 【SS】

 ▼ 1 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:14:54 ID:iSsEsbiM [1/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【最初に】
このSSには以下のものが含まれます。
・ゲーム準拠のキャラクター登場
・シリアス
・オリジナルキャラクターおよび設定
・一部改変あり
・人物の台詞の()は、心の声もしくはひそひそ話
・バトル描写は少なめ

【登場人物】
・USUM主人公男女←メイン
・その他USUMのキャラクター←出番控えめ(の予定)
・オリジナルキャラクター←ほとんどはモブ

【世界観】
(1)舞台はUSUM時空のアローラ(1年後)となっている。

(2)最近立ち上がった企業「ネオシルフ」。本社はアローラで現在この1社のみ。
アローラ4諸島およびエーテルパラダイスから少し離れたところに位置する人工島。
主な事業は科学技術分野であり、付随して小規模ながらフレンドリィショップの商品生産。
半年前に設立され、まだ事業が小さいうちから巨額の利益を得ている優良企業とされている。


以上が苦手な方はブラウザバックを推奨いたします。
それでも大丈夫な方は…ゆっくり見ていってね!
--------------------
 ▼ 2 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:22:32 ID:iSsEsbiM [2/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Episode#0〜プロローグ〜



―――ウラウラ島内・某所

A「な、なぁ、ホントに、どんなポケモンでも手に入るんだよな?」

スーツの男「もちろんだとも。どんなポケモンでも生み出してあげよう。」



―――――数十分後―――――

A「……ホントだ。すげぇ…欲しかったポケモンだ…しかもどいつも強いぜ…!」

スーツの男「約束のものは渡した。今度は、こちらとの約束を守ってもらうよ。」

A「あぁ…もちろんだ。少々値は張ったが、こんなに楽に強いポケモンが手に入るなら、俺は喜んでアンタ達の仲間になるぜ!」

スーツの男「よし、契約は成立だ。明日には本社へ行って手続きを済ませ、そこで色々と我が社のことを知ってもらう。現場への配属はそれからだ。」
スーツの男「そのポケモンたちは記念だ。支給品として君が自由に使っていい。ただし、我々の規則を守ったうえで、ね。」


スーツの男「ようこそ。我がネオシルフへ。」



―――――数日後―――――

B「……Aって奴に案内されてついて来たが…これはすげぇ…」
C「あぁ、欲しかったポケモンがこんなに楽に手に入るなんてな…それも伝説のポケモンまで…!」

B、C「ぜひ、あなた方の仲間になります!よろしくお願いしますっ!!」

A「こちらこそ、宜しくお願いするよ。同志が増えてくれてありがたい限りだ!」

スーツの男「本社での研修が終わり次第、君達3人はチームを組んで、拠点およびアローラ地方でいよいよ表向きに活動開始だ。期待しているよ。」

A、B、C「了解しました!全ては御社のために!!」





Episode#0〜プロローグ〜・完
 ▼ 3 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:23:33 ID:iSsEsbiM [3/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Episode#1〜謎のトレーナー〜

ポケットモンスター、縮めて"ポケモン"。
たくさんの謎を秘めた、不思議な生き物である。

人間となかよく暮らしているポケモンもいれば、
草むらや、洞くつ海などに生息している野生のポケモンもいるが、
その生態については、まだわかっていないことも多い。

人々はポケモンの力を借りたり、助け合ったり、ポケモントレーナーとして
ポケモンを育てたり、戦わせたりしている。

ここ、アローラ地方は、「メレメレ島」、「アーカラ島」、「ウラウラ島」、「ポニ島」、
そして人工島である「エーテルパラダイス」からなる地方である。
この地方で新たに発見されたポケモンや、アローラの環境に適応するため、
従来とは異なる姿をしたポケモンも確認されている。

これは、そんなアローラ地方で起こった出来事を描いた、もう一つの物語である。


――――――――――


ハウ「ケンタロス、”すてみタックル”!」

ケンタロス「ぶもおおおおっ!!!」



コウタ「……ガオガエン、”DDラリアット”!!」

ガオガエン「ガウウゥゥアアア!!!」



2匹の技が激突し、轟音が響き渡った。
 ▼ 4 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:24:10 ID:iSsEsbiM [4/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――

ハウ「…また負けちゃったか―、今日こそ勝てると思ったのになー。」

コウタ「……最近お互い最後の1匹になるまでもつれることが多くなってきてるな。
これだけ緊迫した勝負ができてうれしい限りだよ。」

この少年、コウタ。アローラ地方での島巡りを終えてアローラ初のチャンピオンとして君臨し、1年経った現在もその座を守り抜いている。

ハウ「強者の余裕にしか聞こえないんだけど―。次こそはおれが勝つからねー。」

そのコウタと先程までポケモンバトルをしていた少年、ハウ。
彼もまたコウタと同じく島巡りをした、親友であり、ライバルである。

そして、もう1人。2人の元に走ってくる少女がいた。

コウミ「お待たせー、2人とも!」

彼女はコウミ。島巡り達成後はコウタに勝つという目標を掲げ、修行のためにカントー地方へ帰郷していた。
先日、コウミがアローラに戻ってきたため、今日は久しぶりに3人でメレメレ島でショッピングを楽しむ予定だったのだ。

コウタ「やぁコウミ。アローラ。」
ハウ「アローラー。」

コウミ「アローラ!コウタ、ハウ!待った?」
コウタ「全然。そんなに長く待ってないさ。」
ハウ「2人でバトルしてたところでさー。」
コウミ「ふふっ。2人とも相変わらずね。」

軽く挨拶を済ませて談話した後、3人はハウオリシティのショッピングエリアに向けて歩き出した。
 ▼ 5 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:24:53 ID:iSsEsbiM [5/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「そういえば、コウタはチャンピオンになった後も、旅はしていたりするの?」
コウタ「ああ。大体アローラにいたけど、途中1ヵ月ぐらいは他の地方に行っていたんだ。」
ハウ「コウタがいない間、チャンピオン代理を務めるの大変だったんだからねー。」
コウタ「はは。ごめんごめん。でもその間無敗だったなんて流石だよ。ハウに頼んでよかった。」
コウミ「チャンピオン代理なんてできるんだ…。」

コウタ「正直今回の旅は四天王やククイ博士に断られるんじゃないかって思ったけど、意外とあっさりOKしてくださったんだ。さすがにその間チャンピオン不在というわけにもいかなくて…」
ハウ「おれがチャンピオンになれたのはたった1ヵ月間かー。さっきのバトルは負けちゃったけど、今度こそポケモンリーグでチャンピオンとしてのコウタに挑んで、コウミより先にチャンピオンになってみせるからねー!」

コウタ「楽しみにしてるよ、ハウ。コウミもね。」
コウミ「私だって負けないから!カントーで鍛えたからには必ず勝つよ!」

3人は近況報告を済ませ、いろいろ雑談を交わしている内にショッピングエリアに到着した。

モール内でも3人で固まって行動し、ブティック、バトルバイキングやキテルグマショーの観賞を楽しんだ。
……本物のキテルグマが紛れ込んだ際には誰がゲットするかで争っている間に倒してしまって3人とも落胆したが。
その後はモールを出てマラサダショップと、1日を満喫した。

ハウ「楽しい時間ってあっという間に過ぎちゃうよねー。」

辺りはすっかり暗くなっていた。

コウタ「たまには今日みたいに気分転換するのもいいね。」
ハウ「それにしてもバイキングの時のコウミ凄かったよねー。」
コウミ「ふっふーん。そりゃ修行の成果ってやつよ。私とリザードンのコンビネーションは世界一!」
ハウ「…うーん、バトルもそうだけど、食べっぷりがすごかったなーw」
コウミ「そっち!?凄く失礼!」

むすっとした表情でハウに抗議するコウミ。コウタが割って入って止めに入った。

コウタ「まぁまぁ。僕はどっちも凄かったと思うよ。」
コウミ「フォローになってな…いや、なってるの???」
コウタ「……それに食べっぷりに関してはマラサダショップでのハウには負けるけどねw」
コウミ「相変わらずマラサダ好きなんだね、ハウって!」
ハウ「みんなで食べられたんだもん、そりゃー嬉しくてつい…えへへ〜〜」

3人で談笑しながら帰路につき、やがて各々の自宅に着いた。
 ▼ 6 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:25:38 ID:iSsEsbiM [6/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタは帰宅後、自室にこもって資料の整理をしていた。ポケモンリーグ関係の書類は手早く済ませ、旅で訪れていた他の地方で調べた事項の資料だ。

2時間程度で整理を終えたコウタはTVをつけた。
すると、とあるニュースが移っており彼は画面を注視した。

アナウンサー『…臨時ニュースです。ここ数日、ポケモンバトルや交換をしたトレーナーが次々失踪する現象が確認されています。警察は現在も調査中ですが、依然として原因は不明となっています。』

コウタ(………そういえば3日前からずっとこの話題だな…あれから手がかりも何もないのか…)

アナウンサー『ここでたった今入りました情報をお知らせします。警察が失踪したトレーナーについて知っている方にお話を伺ったところ、いくつかの特徴が挙げられたそうです。』

目撃者『そのトレーナー、変な男性の方にいきなり声をかけられたそうで、バトルを申し込まれたんですよ〜。「より強いポケモンは欲しくないか?」って。で、それを断ったらバトルになったんですって。』
目撃者『挑まれた方の人が負けて、その人はその後ポケモンセンターに行くって言って、私も後で立ち寄ったら、なぜかセンター内がざわついていて、さっきのトレーナーさん、行方不明になっちゃったんですって〜。』

目撃者『トレーナーさんどころか、治療中だったその人のポケモンも、ボールも跡形もなかったそうなんです。』

コウタ(…やっと進展があったと思ったら、これまた余計に迷宮入りだな…一方的に吹っ掛けられたのか…?)

しばらくしてこの話題は終わり、一通りのニュースを見終えた後、コウタは風呂に入り、寝ることにした。

コウタ(とりあえず明日また考えよう。今日はもうこれ以上収穫はなさそうだし。)
今日の遊び疲れと先程の事務作業の疲れがあってか、すぐに眠りについた。
 ▼ 7 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:25:59 ID:iSsEsbiM [7/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――翌日―――

昼頃、ポケモンセンターに集まったコウタ、コウミ、ハウの3人は、昨晩コウタが見たというニュースについて話していた。

コウミ「……信じられないなぁ。センターに入って行ったはずなのに行方不明になるなんて。」
コウタ「うん。窓から出ただとかそんな痕跡もなく、所有物も消えていたんだ。」
ハウ「不気味過ぎるよー…。」
コウミ「そもそもより強いポケモンが欲しいかなんて聞いてくるぐらいだし、相当胡散臭いよね。治療中のポケモンも消えるって…何があったんだろ…」
コウタ「流石にポケモンセンターの設備や管理が甘いとは考えられないからね…ますますわからないんだ。」

自分たちも何度か利用したことがあり、信頼を置いているポケモンセンター。だからこそトレーナーとポケモンの失踪の原因は、
センターの欠陥ではないと思っており、コウミとハウも頷く。

コウタ「……とにかく皆も気を付けた方が良いよ。最近島民たちも無暗なポケモンバトルは控えてるらしいし、ほとぼり冷めるまでは僕らもそうやって自衛するしかない。見知った顔以外はまずやめておこう。」
ハウ「でもさー、もしその話をして断っても無理矢理挑んでくる人はどうしたらいいのー?」
コウミ「その話を聞いてもなおバトルしたいなんて怪しすぎるよね。こっちも無理にでも逃げた方が良いのかな?」
コウタ「そうだね。それだけ怪しかったら、まず何が何でもバトルは避けよう。」

結局話は謎のまま、一旦今後の対策を共有という形で話し合いは終わった。

センターで一休みを終え、3人が外へ出て少し歩いたところでトレーナー同士のバトルを目撃した。
片やまだ余裕綽々、片や疲れを見せているようだった。

A「ミミッキュ、”シャドークロー”でとどめだ!」
ホープトレーナー「避けろゲンガー!」

回避の指示を聞き避けようとしたゲンガーだったが、既に疲弊しており虚しくもミミッキュの攻撃が直撃し、目を回してダウンしてしまった。

A「やっぱつえー!あ、対戦どうもありがとねー。」
対戦相手のホープトレーナーから賞金をもらった後、Aはそのまま去って行った。
 ▼ 8 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:26:44 ID:iSsEsbiM [8/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ホープトレーナー「負けちゃったか―…。随分強かったな…。……あれ、君達、見てたの?」
コウタ達3人の存在に気付いて声をかけ、3人はすぐに駆け寄った。

コウタ「はい、歩いてたらちょうど見かけたので…もうバトルが終わる前だったんですけどね…。」
コウミ「大丈夫ですか?私でよければ回復道具、ありますよ!」
ホープトレーナー「あぁ、ありがとう。でも負担かけちゃうのも申し訳ないから、この後ポケモンセンターに行くよ。俺も休みたいしね。」
コウタ「そうですか…わかりました。くれぐれも気を付けてくださいね。」
ハウ「最近物騒なニュースやってるから、見知らぬ人とのバトルは控えた方が良いと思うよー。」
ホープトレーナー「大丈夫だよ、そんな簡単に巻き込まれるわけがないさ。確かにちょっと変な人だったけどね。」
コウミ「えっ、どんな人だったんですか?」
ホープトレーナー「うん。急に話しかけてきて『強いポケモンに興味はないか?』って聞いてきて、自分達のポケモンを使うように勧誘されたんだ。そうしたらもう自分でポケモンを育てなくてもいい、楽に強くなれるって聞いて。」
コウタ達3人は黙って聞いていた。ホープトレーナーは話を続ける。
ホープトレーナー「でも何か胡散臭いなって思ったし、俺は自分で手塩にかけて育てたポケモンと強くなるって決めたから断ったんだ。そしたら何か小声でつぶやいたようにも聞こえて、その後強引にバトルを挑んできたんだ。まぁ勝てば大丈夫だろうと思って受けて立ったけど、ダメだったよ。」

ははは、と苦笑するホープトレーナー。その後礼を言って彼はポケモンセンターへと急いでいった。

コウタ「……。」
コウミ「だ、大丈夫だよ…ね…?あの人…。」
ハウ「ま、まさか昨日のニュースにそんな引っかかったりしないよねー…。」
コウタ「……。だと良いけどな…杞憂であってほしいね…。」
コウタ(やけにニュースの内容と一致している点がある…それに昨日失踪したトレーナーとポケモンについての続報もない…嫌な予感がするな…。)

コウタ「…この後、どうする?僕は今日この後マリエ図書館に行こうと思ったけど、行きたいところあるならそっち行くよ。」
コウミ「あ、じゃあ私も行く!」
ハウ「じゃあおれも行くー。」

ちょうどハウオリシティを出たばかりのところだったため、船で行くことにした3人。
乗船前にマラサダを買って、船の中で食べながらウラウラ島へ向かった。


…コウミが一番先に食べ終えた際、「もうなくなっちゃったかー。」と名残惜しそうにしていたら、コウタのマラサダを半分分けて貰たのはここだけの話である。
 ▼ 9 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:27:35 ID:iSsEsbiM [9/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウラウラ島上陸後、マリエ図書館に着いた3人。コウタは何かヒントはないかと淡い期待を抱きながら、他の地方の文献を探した。
が、前に来た時と特に変わっておらず、収穫はなかった。

???「あれ?コウタ君じゃない?」
コウタ「ん?あっ、アセロラさん!」
アセロラ「“さん”はいらないよー。何ならアセロラ“ちゃん”の方が嬉しいなー。」ニヤニヤ
コウタ「つい癖で…。あはは…。」
アセロラ「何か探しものー?できるものだったらアセロラちゃんも手伝っちゃうよー。」
コウタ「あぁ、実は…」

コウタは木の王のニュースで見た内容について、手掛かりを探している旨を説明し、それで結局見つからなかったことを伝えた。
するとアセロラは少し考えこむようなそぶりを見せ、それからコウタに告げた。

アセロラ「んー…確かに最近まで聞いたことなかった話だし、他の地方のことはわからないなぁ…でも手がかりになるかわからないけど、最近ちょっと変わったことがあるんだ―。」
コウタ「ほ、本当?是非とも聞かせてくれないかな?」
アセロラ「うん。何か最近ウラウラ島に人の出入りが多くなったんだよねー。何人かはスーツ姿だったけど…昨日偶々ポータウンの近くを通ったら、そこの付近でコソコソしてる集団がいたの。ちょっと怖いなーって思ったし、何かしてるわけじゃないなら関わらなくていいかなーって思って避けちゃったよ〜…ほっといたらまずかったかなぁ?」
コウタ「ポータウンか…わかった。ありがとう、アセロラ。確かに無暗にかかわらない方が良いかもしれないし、アセロラは悪くないよ。」
アセロラ「えへへ〜…優しいねコウタ君は。」

コウミ、ハウも一通り本を読み終えた知らせを聞き、3人が船でメレメレ島に帰り着いた頃には既に陽が落ち始めていた。
 ▼ 10 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:29:29 ID:iSsEsbiM [10/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ、コウミと別れ、1番道路からリリィタウンへ1人で向かうハウ。現在コウミはククイ博士の元に住んでいるらしい。
ちょうど通り道だったこともあり、2人を見送ってからかあれも帰路についていた。

コウタと同じく島巡りを始め、現在親友でありライバルでもあるコウタ。四天王に勝てるぐらいの力を身につけても、チャンピオンになったコウタは未だに無敗を貫いている。
コウミは負けた後はカントーで一から修行しなおすため、全ての手持ちを預け、リザードン1匹でカントーを制覇した。明確に実績を残し、着実に強くなっている2人に対して自分はアローラに残り、日々特訓を積み重ねるばかり。
だが焦っても何もいいことなんてない、そう信じ、ハウは今も努力をしている。今日だって、実際のところ前回より善戦だったのだ。

だからなのか、コウタから聞いたニュースの話や今日のホープトレーナーの話の中で聞いた、「楽に強いポケモンが手に入る」という言葉が引っ掛かっていた。
強いポケモンを手に入れてもトレーナーが強くなければ意味がないし、何より自分のパートナーでコウタに勝ちたい。だからハウはホープトレーナーの話には共感し、彼のその後を心配していたのだ。

ふと思い出したように、ハウは一旦帰る方向とは真逆に向かった。
まずはすぐ近くにあった1番道路のポケモンセンターに立ち寄った後、今度はハウオリのポケモンセンターに寄った。
今日の昼間に戦ったトレーナーが失踪して騒ぎになっていないか心配だったが、ハウオリのジョーイ曰く、彼ならゲンガー、エンニュート、ドヒドイデの治療後は無事に帰宅した話を聞き、ハウはほっと胸をなでおろした。

安心しながら今度こそリリィタウンへ帰り始めると、リリィタウン前の草むら付近にて見覚えのある人影を見つける。
昼間に戦ったホープトレーナーである。気に寄りかかって眠っているのか、声をかけようとハウは近寄った。

ハウ「おーい、今日戦ってたお兄さんだよねー?こんなところで何をしt…」
言いかけた途端、ハウは立ち止った。ホープトレーナーの身体が突如震えだしたと思ったら身体が青い光に包まれた。
そして次の瞬間、彼の身体―――の形をした光ははまるでガラスのように砕け、跡形もなく消え去った。
そこには彼が身に着けていたカバン、図鑑、ボール…何一つ残っておらず、きれいさっぱりなくなっていた。

見間違えなんかじゃなく、あれは今日の昼間一方的にバトルを挑まれ、敗北したゲンガー使いだった。

ハウ「あ…あぁ…。」ガタガタガタガタ

コウタの心配は杞憂なんかじゃなかった。まさに聞いた通りの話で、しかも失踪―――否、消滅の瞬間をこの目で目撃してしまったのだ。

怖くなったハウは急いで帰宅し、自室に到着後そのまま飛び込むように眠りについた。



Episode#1〜謎のトレーナー〜・完
 ▼ 11 日はここまで◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 00:30:44 ID:iSsEsbiM [11/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※次回は中盤を投稿します。#0を除いて全4話構成です。
おやすみなさい。
 ▼ 12 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:02:57 ID:iSsEsbiM [12/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Episode#2〜調査〜

コウタ「昨日のホープトレーナーが…消えた…!?」
コウミ「嘘…そんな……何で……っ。」
ハウ「そうなんだよ…おれが声か開けようとした頃には…持ち物もポケモンも…何もかも消えてたんだよっ…。」

コウタやコウミはもちろん、普段温厚なハウでさえ動揺している。コウタは顔を強張らせた。

コウタ「どういう原理でそうなったかは不明だが、これはもう決まったようなものだな。」
コウミ「どうしよう…このままじゃ他のトレーナーまで…いやぁ…」グスッ
ハウ「と、とりあえず誰かに話した方が良いのかな!?」
コウタ「………そうだね。まだ情報不足とは言え、ハウが見たことは報告した方が良いし、今回の騒動の原因でもある。ここはククイ博士、エーテル財団に連絡しよう。」
ハウ「わ、わかった、おれ、電話してくるよっ。」

数週間前からポケモンセンター内に設置された公衆電話に行こうとしたハウの腕をつかんで制止するコウタ。

コウタ(待って、念のため電話はやめておこう。もしセンター内に関係者がいたら盗聴されるかもしれない。)
コウミ(えぇっ!?じゃ、じゃあどうすればっ?)
コウタ(ここがハウオリで良かった。場所も近いし、まずはケンタロスライドで博士の元へ急ごう。直接伝えた方が良い。)

3人はすぐにセンターから出て、ケンタロスを呼び出す。1番道路のはずれにあるポケモン研究所へ急ぎ、1分とかからずに到着した。



―――ポケモン研究所

ククイ「……つまり、ニュースでやっている失踪事件の原因は、無理矢理バトルを挑んできた方にあると思っているんだね?」
コウタ「はい。まだ断定しきれないかもしれませんが、可能性が高いと思います。」

2人が地下で話している間、コウミ、ハウの2人は1Fでリーリエと休んでいる。
2人がまだ情緒不安定だと判断し、コウタとククイの2人だけで話すそうだ。

リーリエ「2人とも、落ち着きましたか?」
ハウ「うん…少しはね…。」
コウミ「ごめんねリーリエ…ありがとう…」ヒック
リーリエ「気にしないでください。2人が悪い訳じゃないんですから。」

ハウ「今までスカル団の件と言い、ネクロズマの件に…後から聞いたけどレインボーロケット団と言い、コウタ達は解決してきたけど…。」
コウミ「今回ばかりは危険過ぎるわ…嫌…怖いよ…。」

未だに怯える様子を隠せない2人。事実、目の前で人が消えたのだ。無理矢理バトルを挑んできた件と人間・ポケモンの消滅がもし関係あるならば、間違いなくこれまでの事件より質が悪く、危険である。

しばらくして、話し合いを終えたコウタとククイが1Fに上がってきた。エーテル財団にも連絡し、慎重に捜査を進めるようだ。

コウタ「今日はもう帰ろう。2人とも、危ないし僕の家に泊まって行ってよ。」
コウミ「そんな…申し訳ないよ…。」
ハウ「そうだよー…。急だしコウタのお母さんに迷惑かけちゃうんじゃ…。」
コウタ「さっきついでに連絡を入れておいたんだ。家が近いからとは言え、この近辺で事件が起きたなら無暗に動き回るべきじゃないしね。」
コウタ(ホントはハウだけの予定だったんだけど、そもそも博士の家で寝ればいいコウミまで泊めることになったのは母さんの意向だけどね…。)

コウミ「じゃ、じゃあ…お邪魔するね。」
ハウ「おれも今日はお言葉に甘えるよー…。」
コウタ「いいっていいって。じゃあ、行こうか。」

そう言って3人は研究所を後にした。
 ▼ 13 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:03:54 ID:iSsEsbiM [13/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―コウタside―

―――深夜・コウタの部屋
とりあえずハウは僕の部屋のベッドを、コウミは母さんの部屋を使っている。母さんはリビングのソファーで寝るらしい。
僕はというと、とりあえず自室の床で寝ている。さすがに招いた人を堅い床には寝かせたくないからね。


研究所での話を終えた後、リーリエから「2人のこと…お願いしますね」って頼まれた。まぁわかってはいたけどやはり怖かったらしい。
2人が怖がっているのも無理もない。確かにアローラで起きた事件…いやそれどころか他地方での事件と比べても、前代未聞で厄介な事件だ。


僕はアローラのチャンピオンになった後、1ヵ月間他の地方に行っていた。もちろん修行というのもあるけど、一番の目的は他の地方での事件についての調査だ。
きっかけはレインボーロケット団の事件だ。見たこともない人物達と戦った。他の組織のボスのようだった。

マグマ団のマツブサ、アクア団のアオギリはホウエン地方で、陸か海かを広げようとし、伝説のポケモンの力で大災害を起こした。

ギンガ団のアカギは伝説のポケモンの力を利用して人間の心を消し去り、完全な世界という名の、自分だけの理想郷を築こうとした。

プラズマ団のゲーチスは…なかなかに悪どい。息子を王に仕立て上げ、ポケモン解放という綺麗な建前を謳い、結局は自分が支配したいだけ。正直一番のエゴイストだと思う。反吐が出るくらいの。

フレア団のフラダリは人間に失望し、最終兵器で命の数を減らして奪い合いや争いをなくそうとした。この人の過去には同情したいところはある。手段の是非はさておき。


あと、レインボーロケット団とは関係ないけど、オーレ地方にも行った。シャドーのワルダックや、新生シャドーのデスゴルドだな。
今まで語った悪の組織はポケモンの力を利用しているけど、シャドーの場合利用するにあたって一部のポケモンを改造して戦闘マシーン“ダークポケモン”にしてしまう。
ルギアに関しては、もしあれがプロトタイプじゃなく完成型になっていたとしたら…そう思うとゾッとする。

もちろんこいつらの起こした事件だって最悪の場合死人が出るし、失踪事件と比べてマシだなんて絶対に言えないし言わない。
ただ今回のは早々に、しかも目の前で人が消えてしまったんだ。もう戻ってこないのなら殺人と何ら変わりない。



……正直なところ、僕だって怖い。今にでも逃げだしたいくらいには。
結局僕らはまだ12歳。子供なんだ。やれアローラの危機を救っただの、やれチャンピオンだの、そう言われはするけど子供であることには変わりない。

今回ばかりは大人に任せて、ただ怯えながら待つしかないのかな…。
そうであっても、せめて2人が少しでも安心できるよう、僕だけでもしっかりしなきゃいけない。
ここで僕まで怖がってたら、2人は…。
 ▼ 14 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:04:12 ID:iSsEsbiM [14/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コンコン

すると、突然部屋のドアが叩かれた。ドアを開けるとそこにはコウミがいた。

コウミ「………。」

今にも泣きそうな表情のコウミ。普段強気で朗らかな彼女でさえも、眠れない程怖がっているんだ。

とりあえず僕は何も言わずに部屋に招き入れた。床に寝かせるわけにはいかないし、ハウには悪いけどベッドに寝かせよう。
誰かと一緒に寝ていれば少しは楽になるんじゃないかな。そう思って僕はハウが寝ている僕のベッドにコウミを寝かせた―――




グイッ



ボスッ



―――と思った束の間、気が付けば僕はベッドに引っ張られた。そしてすぐさまコウミは下を向きながら僕に抱き着いて来た。

コウミ「……しょに………たい。」ボソッ
コウタ「……え?」
コウミ「一緒に…寝たい…。」
コウタ「流石に狭いし、これはこれで寝れないんじゃ…。」
コウミ「やだ…寝たい。」
コウタ「……わかったわかった。」

3人寝るのは狭いだろう…ハウ…ごめん。

てっきり恥ずかしがるのかと思ったけど…いや、一応今も恥ずかしい…のか…?
正直なところ、僕も表に出さないようにするので精一杯…だと思いたい。
心臓の音が近くで聞こえる。コウミのと僕のとが混ざって、どっちがどっちだかわからない。

大人なら気が利いた言葉が言えるんだろうな…でもそんなドラマみたいなこと、僕にはよくわからない。
だから、今はとりあえず、思いつく限りの言葉で、少しでも彼女の不安を抑えることができれば…。

コウタ「大丈夫…。」
コウミ「……。」
コウタ「僕もハウも…君の元から、いなくなったりなんていないさ…。」
コウミ「……。」
コウタ「実のところ、僕だって怖いよ。僕が他の地方で知ったどの事件と比べても、比べ物にならないくらいにね。」
コウミ「……………うん。」
コウタ「だけどもっと怖いのは、事件そのものよりも、自分の周りにいる大切な人達までもが消えてしまうことなんだ。もちろん君達も含めてね。」
コウタ「皆離れ離れになんてならない、させないよ。僕らにだって、きっと何かはできるよ。」
コウタ「だから…安心して…疲れてるだろうし、ゆっくり休んでね…。」
コウミ「……………ありがとう…コウタ。」



―コウタ side out―
 ▼ 15 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:04:40 ID:iSsEsbiM [15/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――翌朝

コウタ「んん…。」
コウタがだるそうに起床した頃には、ハウはそこにいなく、まだ眠っているコウミがいた。

コウタ「コウミ。コウミってば。もう朝だよ。」
コウミ「ん……・ふぁ〜………あ、コウタ…おはよぉ…。」
コウタ「うん。おはよう。」

コンコン

コウタ「今開けるよ。」

ガチャッ

ハウ「あ、やっと起きたんだー。おはよー2人ともー。」
コウタ「おはよう。」
コウミ「おはよー……。」

事件目撃前のような明るさが戻ったハウの様子を見、安心したコウタ―――

ハウ「おれも2人の前からいなくならないように、頑張れることはあると思う。コウタのお陰で頑張れそうだよー。」
コウタ「………なんだ、聞いてたんだね。」
ハウ「だって急に狭くなったと思ったら話し声が聞こえてさー。今朝起きたら2人とも寝ててびっくりしたんだもんー。










しかもおれが起きた頃には、コウミ思いっきりコウタに抱き着いていたよー。ww」

コウタ「んなっ……!?////」
コウミ「ふ、ふぇぇっ…ちょっ…!?///」
ハウ「あははー、顔真っ赤だねー。」

―――安心したのも束の間、とんでもない爆弾を投下されてしまった。”こんらん”状態である。

コウタ(しまった……ハウの方が先に起きるかもしれなかったのに考えてなかった…見られちゃったか…。)
コウタ「……………ちなみに、話し声、どの辺りから聞こえてたの…?」
ハウ「んーとね。『大丈夫』って囁いていた辺りからかなー。」
コウミ「ほ、ほとんど最初っからじゃないっ…///」

ハウ「でもそれ見てたらおれも何か気が抜けちゃったよー。心配かけてごめんね2人とも―。」
コウタ「…ま、まぁ…また元気が出たならよかった。」
コウミ「う、うんっ。一旦元通りだね!」

徐々に活気が戻りつつある様子。

ハウ「………寝床が狭くなって少し寝づらく成ったけど、いいものが見られて満足したからそれで勘弁してあげるねーー。」ニヤニヤ

コウタ・コウミ「うっ………///」
 ▼ 16 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:05:13 ID:iSsEsbiM [16/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうして僕らは朝食を食べ終えた。ちなみに僕らが2人で寝ていた様はコウタの母も知っていたらしい。
よく考えればコウミがもともと寝ていた母の部屋からいなくなっていた時点で察しが付くか、そう思い妙に納得してしまうコウタだった。
結果、コウタとコウミは終始ハウとコウタの母にいじられてしまった。

気晴らしにまたハウオリでショッピングをしに行こうとコウタが提案。2人は目を輝かせて賛成した。
3人がビーチサイドエリアを抜けようとしたところで、後ろから声をかけられる。

???「よぉ、そこの少年少女よ。ちょっといいかい?」

声をかけられて振り向くと、少しばかり高そうなジャケットを羽織った男3人がいた。
さりげなくコウタは手でコウミを自分の後ろに隠れさせ、コウミはコウタの後ろから3人を覗き見るような体勢となった。

A「そんな怖がらないでくれよお嬢ちゃん。別に変なことしようとなんて考えちゃいねぇさ。」
B「Aは子供より年上好きだもんなぁwww」
A「うるせーwww」
C「それよりも、俺たちが声をかけたのは他でもない、ここだけの良い話を持ってきたからなんだ。」

コウタ(やけにチャラいがまぁそれはどうでもいい。真ん中のAって人は見覚えがある。間違いなく一昨日バトルを無理矢理挑んだミミッキュ使いか。)
ハウ(ど、どうする?コウタ。すぐ逃げる?)ヒソヒソ
コウタ(そうしたいところだけど、ここはあえて何も知らないふりをしようと思う。時間を稼ぐから、何かあってもすぐ逃げられるような準備だけはしておいて)ヒソヒソ
ハウ(了解)ヒソヒソ

コウタ「僕らにいい話、ですか!?聞かせてほしいです!」
わざとらしく明るく振舞うコウタ。気をよくしたのか、男は話を進める。

A「おう、俺が話してあげるよ。実はね…君達強そうだから、強いポケモンを使いこなせると思うんだ。」
コウタ「えー、それ程でもないですよー!」
A「そこでね、強いポケモン、欲しくないかい!?欲しいポケモン何でも用意してあげるし、何なら育てちゃってもいいよー?』
コウタ「ほ、ホントに何でもくれるんですか!?」
C「本当だとも!凄い技術を使ってるから、少し高いお金払っちゃったけど、俺もそのおかげで強くなれたんだ。」
B「君たち凄く強そうだし、俺達なんかよりずっと強いポケモンを使いこなせると思うんだ。だから君達にはタダで用意してあげよう!」
コウタ「やったー!ありがとうお兄さーん!」

これで持ち上げて、あわよくば何か知っていることを聞き出そうと考えたコウタ。ここらで少し詰め始めることにした。
 ▼ 17 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:05:58 ID:iSsEsbiM [17/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「ねぇねぇお兄さん!」
A「おう、何だい少年。」
コウタ「僕、もっと強くなりたい!だからさ…








どんな育て方しているのか知りたい!」

A・B・C「「「……・えっ?」」」

見事なまでにハモった3人。コウタは立て続けに攻める。

コウタ「僕もその育て方真似してみたいから、どんな育て方しているのか教えてほしいなー!」

A(くそ!子供ならすんなりついてくると思ったのに、想定外だ!)
C「あ、あぁ…育て方かい?それはね…」
A「あっやべ!もう時間だ!ごめんな君達!話過ぎて時間がなくなっちまった!また今度な!」
わざとらしく腕時計を見てCを引っ張り走り出すAとB。

コウタ(こいつらアホかよ…まだ5分も経ってないぞ…)
コウタ「じゃあ、追い払えたことだし、行こうか二人と…も…?」
 ▼ 18 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:06:23 ID:iSsEsbiM [18/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタが振り向くと、逃げるどころか、オンバーンとリザードンを出しているハウとコウミの姿があった。
ハウ「追いかけるよ、コウタ!」
コウミ「空からなら気付かれないって!それに今がチャンスだよ!」
コウタ「き、君達、怖いなら無理しなくても…」
ハウ「おれだって、こんな事件がこれ以上続くのは嫌だから、今ここで出来る限りのことをするよ!」
コウミ「そうそう!あの逃げ方は怪しいし、絶対何かある!もし今回の事件と関係があるなら、ほっといても違う人が巻き込まれちゃう!」
コウタ「………。」

昨日までは怖がっていた2人がここで奮起するとは。
その気持ちに応えるべく、コウタもまた気持ちを切り替える。

コウタ「……そうだな。じゃあ、行こう!2人は先に行ってくれ!」
ハウ「コウタは?」
コウタ「僕に考えがある。後から僕も空に上がるよ。」
コウミ「了解!」

2人はすぐに空へ上がった。ハウのオンバーンが3人の位置を見つけたため、見失うことなく追跡している。

コウタはライドポケモンのムーランドで追いかけた。ムーランドの嗅覚を利用して3人が走った後を辿る。

A「やべっ。気付かれたぞ!」
B「どうする?バトルで追い払うか?」
A「バカ!流石にこんな街中でアレを出せるわけないだろ!」
C「くそ!出てこいケンタロス!」

Cが呼び出したライドポケモンに3人は乗った。
コウタはイッた、、疲れたそぶりを見せ、立ち止まった。

A[へっ、やっと諦めたか!このまま撒いちまおうぜ!」
 ▼ 19 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:06:47 ID:iSsEsbiM [19/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「……さて、よくやってくれた。ありがとうムーランド。」
ライドポケモンを戻し、今度はファイアローを出し、空へと上がる。

コウタ(残念ながら僕の地上からの追跡はフェイクだよお兄さん達。それにもう上から2人が見つけてる頃だろうしね。)


コウタ「2人ともお待たせ!3人はまだ見失ってないよね?」
ハウ「もちろん。おれのオンバーンのお陰だよー。」
オンバーン「バァオンッ!」
コウタ「やっぱり目的地は船着き場か…おっ?」

少し高度を落とすと、予想通り船に乗ろうとしていた3人がいた。だがいつも船着き場にあるような船ではなく、これまた見慣れない灰色の船だった。恐らくは彼ら専用の船だろう。

コウタ(これはラッキー!船着き場の船を使われると次の船が来るまで待たなきゃいけないが…彼らが自前の船を使ってくれるならありがたい!)

コウタ「このまま高度を落とすよ。僕が先に言って船の乗船手続きを済ませてくる!いくぞファイアロー!」
ファイアロー「フィイアッ!」


超高速で地上へ迫るコウタ。急いで船着き場に転がり、他に2人来ると伝えて先に乗船した。
10秒も経たないうちにコウミとハウも到着し、ウラウラ島行きの船に乗った。先程のコウタの追跡で振り切れたと確信していたからか、ゆっくりと軌道を変えずに進む灰色の船。

念のためコウタではなく、ハウのライチュウを船内で出して置き、灰色の船を監視させておいた。見知った顔が万一見られでもしたら逃げられてしまうからである。

コウミ「コウタの作戦勝ちだね!これで謎を解き明かすんだから!」
ハウ「うん。……でも1つだけいいかな?」
コウタ「ん、なんだい?」











ハウ「演技とは言え流石にあのキャラ崩壊はないと思うー。」

コウタ「うん。それは僕も思った。」
当の本人でさえ、後から思い出すと顔が赤くなるどころか青くなるまでの幼稚な演技であった。

コウタ(出来ればもうやりたくない…。)
コウミ(無邪気さ全開のコウタが可愛かったなんて言えない…思い出させないでよハウゥ…///)
 ▼ 20 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:07:25 ID:iSsEsbiM [20/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウラウラ島到着後、再び3人はファイアロー、リザードン、オンバーンを繰り出し、空中から追跡。
オンバーンを先頭に3人を尾行していくと、その男3人はポータウンの方へ向かって行った。

3人がポータウンに入って行ったのを確認し、突入しようとした3人。
だが、ハウがとある人影を見つける。

ハウ「ん?あれって…スカル団じゃない?」
コウタ「……そうみたいだね。直接突入しようと思ったけど、いったん近くに着陸しよう。」

地上に降り、3匹をモンスターボールに戻してスカル団員2人に話しかけた。

コウタ「あ、君ってハウオリシティで初めて会った団員さんかな?」
スカル団員したっぱA「ひ、ひっ…ってびっくりしたじゃないかヨー。」
コウタ「別にバトルしに来たわけとかじゃないんだからビビらなくても…。」
コウミ「ねぇ、さっそくで悪いけど、最近この辺で怪しい連中が出入りしてるって話、知らない?」
スカル団員したっぱB「じ、実は…。」





〜〜したっばB・回想〜〜

スカル団解散後、多くの元団員達は散り散りになり、グズマさんやプルメリのあねさんもここには全く来ていないッス。
でも私のように時々訪れていた元団員もいれば、ずっとここにいた元団員もいたッス。

そんなこんなでここや、ここにあるアジトを大事にしながら私達は生きてきたッス。

…でもそんな私達の日常は、突如外からやって来た連中に奪われたッス。
先週ぐらい…だったッスカな。突然謎のトレーナー集団がポータウンに訪れて、この土地全体を譲ってくれないかと言って来たッス。
でもここは私達にとって大事な場所だから譲るわけにもいかずに断ったッス。
そしたらあいつらは…ポケモンを出してきたッス。力ずくでここを乗っ取って来て…



それからはもう地獄絵図だったッス。あいつらのポケモン、おかしかったッス。
アローラじゃ見かけないポケモンや、レアなはずの色違いポケモンをバンバン使ってきて、そして皆…一言たりとも鳴き声を発さず、不気味だったッス。
私の仲間達は手も足も出なかったッス。私は仲間を呼ぶように言われてポータウンを飛び出したんスが、戻ってくる頃にはもう仲間はだいぶやられていたッス。

バトルした筈の仲間がほとんどいなくなって…残っていた仲間があいつらとのバトルに負けて、身体が光になって消えていく様を見ちまったッス。
最近になって分かったのはいなくなった仲間のほとんどは、私みたいに仲間が消える様子を見て逃げ出したみたいで、それでも、半分の半分ぐらいは…今はもういないッス。

私も残った仲間達とここを捨てて逃げ出してしまったッス。
いつか今のアジトに潜入できるように一昨日、ここに来たあいつらの服を私の仲間達がぶんどってやったッス。
……その仲間はその後バトルを挑まれ、今はもういないッスけどね。

〜〜回想終了〜〜
 ▼ 21 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:07:58 ID:iSsEsbiM [21/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハウ「既にスカル団員も被害に遭っていたなんて…。」
コウミ「こっちでも既に同じようにして何人かがいなくなっちゃったけど…スカル団はもっと多くいなくなっていたんだ…。」
スカル団員したっぱA「あいつらに変装して忍び込む用意はできても、俺には無理、怖いんだヨー…。」
コウタ「怖いと思うのが普通さ。僕らだって、君達のように目の前で人が消えるのを見たんだから、尚更さ。」

スカル団員したっぱB「あいつら危険で関わっちゃいけない奴だってわかっているんスよね?まさかと思うがお前達がここにいた理由って…。」
コウタ「そのまさか。真相を突き止めに来た。危険なのは百も承知さ。」
コウミ「これでこの事件の犯人はあいつらが間違いなくかかわっているのはわかったわ。だからどうしてこんなことになってしまったのか。それを知りたい。」
ハウ「そして止めたいんだ。この事件は確かに怖いけど、それでどんどん周りの人がいなくなっちゃうのはもっと怖いからねー。」

スカル団員したっぱB「なら、この服は私達が持っていても意味ないッス。これを持っていくッス。」

したっぱBはそう言って、自分の仲間が命懸けで手に入れた変装用の作業服をコウタ達3人に渡した。

コウタ「…!ありがとう。必ず止めてみせるよ。君達の為にもね。」
コウミ「貴方は私達の代わりに事情を説明してほしいの。あわよくばこのアジトを抑えたいから助っ人も呼んでくれる?」

スカル団員したっぱB「………!!へい、了解したッス!」

コウミがしたっぱ2人に諸々の事情を説明している間に、コウタとハウは服の上から作業服を重ね着した。
普段の彼等は薄着で、ポータウン付近は常に雨が降っているからか、湿度はともかく気温的にはちょうどいい。この作業服もやや薄手のようだ。

その後、コウミも着替えようとしたが、コウタとハウは上から重ね着したと聞いて戸惑うコウミ。
コウタ「脱いだ服が荷物になるし、それに……風邪、引いちゃうよ?」
コウミ「あっ………うん。///」
コウタ「どうしたの?急に顔を赤くして。」
コウミ「な、なんでもないっ。///」
ハウ「はいはい。イチャつくのは後にしてねー。」
コウタ「僕はもう準備できたから、ハウも用意しておいてね。」
ハウ「………うー、流された―。」
 ▼ 22 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:08:28 ID:iSsEsbiM [22/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――いかがわしい屋敷(元・スカル団アジト)内

中に入ってみると、屋敷内の様子は特に変わっている様子はなかった。
入るや否や目の前に警備担当らしき作業服の男がいた。
コウタ(やばい…早速バレるか…?)

コウタが危惧したのも束の間、意外な言葉をかけられる。
警備員「おや、君たちもしかして新入りかい?それとも見学かな?」
コウタ(おっ、ラッキー。向こうが勝手に勘違いしてくれたな。)
コウタ「あ、はいっ。ここの施設について見学に来たんです。強くなる秘密がここにあるって聞いて!」
警備員「おやおや感心感心。ちょっとここら辺汚いけど、見学するなら地下に行くといいよ」ニッコリ

コウミ(ここって地下とかなかったはず…改装したってこと?)
コウタ(多分散らかりまくってるここを整理するよりかは、カモフラージュも兼ねて地下を増築した方が早かったんじゃないかな?)

ハウ「おじさん親切にありがとー。」
警備員「はーい。それじゃ心ゆくまで見ていってねー。」

コウタ(重要な施設とかは地下に隠しながら利用しているとみるべきだね…。)
警備員の案内のお陰で、意外とすんなり潜入できた3人。少し進んで広場みたいなところに着き、人の気配がないことを確認して作戦会議をする。

コウタ「各自散らばって行動した方が情報を集めやすいけど、何かあった時に1人だと対処できないかもしれない。3人で固まって動こう。」
コウミ「見学という体で入ったから、情報を集めやすいかも!」
ハウ「重要な資料があったら写真を撮るねー。ロトム図鑑のカメラ機能に消音機能つけてもらったんだー。」
ハウのロトム図鑑「任せるロト―!」
コウタ・コウミ「いつの間に…。」
コウタ「でもこれはナイスだよハウ。任せるよ!」

そして3人は行動を開始した。各施設を回って真剣な様子でメモを取ったり、団員から話を聞いたり、部屋で見つけた情報を記録したり。
他の団員達もコウタ達が変装だとも知らず、なんでも喋ってくれた。
 ▼ 23 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:08:55 ID:iSsEsbiM [23/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
調査開始して1時間、一度休憩という体で集合し、情報共有を行った。

《情報について》
・団員達が使っているポケモンは”ネオポケモン”と呼ばれる。
・民間の若者(主に育成に嫌気がさした人間や、自分の育成では強くなれない弱者)に声をかけ、スカウトまたはバトルを行う。
・スカウトを受け入れればこの製造拠点に連れて行き、希望するポケモンを支給すると引き換えに仲間になる契約書を書かされる。
・ここにいるのはとある企業から派遣された技術職社員(現場リーダー)と、自分達みたいな民間人(バイトみたいな存在)
・ここで働いて成果を出せば、ここに社員を派遣している企業への就職も保証してくれる

コウミ「結構情報が集まったけど、企業については話してくれなかったね。子供だからとあやふやにされているのかなぁ。」
コウタ「もっと警備が厳重な部屋とかに隠されていないかな…。」
ハウ「………あっ!そうだ!」
コウミ「どうしたの?ハウ。」
ハウ「もしかしたらさ、ここにいる人達のロッカーとか、休憩室も探してみようよ。」
コウタ「なるほど、意外にいいかもしれないね!」

そして3人は作業場関連施設以外も探し始めた。捜索開始して30分、ハウの目論見通りに行き、さらに情報を収集できた。

ハウ「まさか…あの大企業が関わっていたなんてね…。」
コウミ「あそこってアローラのフレンドリィショップ事業を一部請け負っている、今じゃ有名な企業だよね…。」
コウタ「うん。創立してからまだ半年のはずだけど、それだけの短期間かつ一部業務を請け負っているだけで莫大な利益というのはちょっとおかしいと思ったんだ。」
ハウ「もう1回情報を整理して共有するねー。」
 ▼ 24 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:11:53 ID:iSsEsbiM [24/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
《追加情報》
・この製造拠点を管轄している企業は「ネオシルフ」。
・「ネオシルフ」との技術提携により、この小さな工場でも“ネオ・ポケモン”を製造することに成功している。(ただし拠点産の“ネオ・ポケモン”まだポケモンの鳴き声を発することはできない)
・主要設備は地下にあるが、最上階にこの工場の電力を制御する装置がある。(所謂「管理職」のポジションにいる者のみ、専用の鍵を持っている)
・スカウトを断った者にはバトルを申し込み、スカウトを受け入れる気がなければ放置、改めてスカウトを受け入れる気になった者は拠点に連れていく。
・スカウトされたものがここにきて仲間になるパターンの他、逆にここが企業への裏口入社口でもあり、入社希望者に声をかけ、ポケモンを支給するパターンもある
(一般公募によるショップグッズ職社員としての入社と違い、こちらで入社した社員はすぐに幹部候補となり、表向きに発表されている事業とは異なる事業に携わる。)

《ネオシルフ概要》
■事業概要(一般公募の場合)
・モンスターボールやキズぐすりなどの製造
・科学技術分野の事業(こちらは今後展開していく予定)

■事業概要(一般には非公開)
・“ネオ・ポケモン”生産事業
・上記に関わる生態研究、生物実験
・本事業に参画する従業員の採用・育成
※一般公募社員がこちらに登用されることはレアケースで、忠誠心が高い者にのみ登用の機会を与えている。
 そのため登用が断られることもない。
※技術職社員として従事し、一部は製造拠点(今後ウラウラ支部以外も増やす予定)に派遣し、
 現場にて指揮を執る。現場にいる従業員の9割は民間からスカウトした若者である。
 ▼ 25 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 08:13:19 ID:iSsEsbiM [25/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
■“ネオ・ポケモン”について
・DNAなどは使わず、図鑑データだけで実際のポケモンと全く同じ姿、能力を持った生物を生み出す技術、それによる産物が“ネオ・ポケモン”。
・色違いのデータさえ取れれば色違いさえも量産可能。
・現在本社では、鳴き声も真似できるようになっており、各製造拠点にも鳴き声の技術を導入できるよう研究が進められている。
・社員は正規、非正規問わずこの“ネオ・ポケモン”と専用のモンスターボール、特殊なカプセルと社員バッジを支給される。
・“ネオ・ポケモン”には識別のため、全ての個体にマイクロチップが埋め込まれており、またそのマイクロチップが電波発生装置になっている。(この電波で、社員バッジを付けていないトレーナーや通常のポケモンは蝕まれる)

(1)戦闘時
・特殊なカプセルは、無暗に飛び火するリスクを抑えるために、バトル前に特殊なドーム状のフィールドを展開する装置となっている。このフィールドにより内外ともに完全に隔離され、バトルが終わるまで解除されない。
※ただし飛び火しないことに細心の注意を払うため、人気が少ない、または人目のつかないところでバトル(スカウト活動の一環)を行う。

(2)交換時
・“ネオ・ポケモン”は必ず専用のボールに入っており、常に電波を発せられる。
・これもスカウトの一環で、相手方の手に渡ってから24時間以内に参画すれば社員バッジなど一式が支給される。
※“ネオ・ポケモン”だけ貰ってとんずらする者がその後どうなるかはお察し。

(3)その他
・“ネオ・ポケモン”は基本的に一から製造となるが、逆に既存のポケモンを“ネオ・ポケモン”に変えることも可能で、そのポケモンが入っていたボールとセットで加工される。
・また、交換の際に社員の手に渡った一般ポケモンはその後“ネオ・ポケモン”へと加工される。
 ▼ 26 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:52:21 ID:iSsEsbiM [26/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「………こんな極秘資料、普段から管理が杜撰だなんてね…まさかロッカーの鍵が開きっ放しとは思わなかった。」
ハウ「じゃあ、やっぱりあのゲンガー使いが消えてしまったのも、ここ最近の失踪事件も”ネオポケモン”を使うこの人達の所為だったんだねー。」
コウミ「あの時私達に声をかけてきた3人組も、”ネオポケモン”のスカウト活動だったんだ…。」

ハウ「で、最上階が電力を制御する部屋になっているんだよねー。」
コウタ「大方、電力を制御できるレベルの管理者しか入れないから、今度はその管理者を探さなきゃいけないのか…。」
コウミ「うーん…手掛かりなしで探すのは難しいわ…。」
コウタ「少々危険だけど、あえてこのまま最上階に直行して、誰かが出入りする場面をこっそり見ればわかると思う。」
ハウ「見つかったら?」
コウタ「流石に逃げよう。」
ハウ「あ、うん。」
コウミ「このまま立ち往生するより可能性あるし、私はコウタに賛成!」
ハウ「もちろんおれも賛成だよー。」

地下から地上への扉の前まで来て、ハウがゆっくり扉を開ける。

ハウ(さっきの警備員、周りを見渡しているねー。)
コウタ(さりげない感じで開けて、そのまま構わず行こう。見つかっても他の階を探索したいとでも言っておけば、最上階以外は許してくれるはず。)
コウミ(それでもダメならどうしよう?)
コウタ(…ごめん、正直何も考えてない…。)
コウミ(ええー…。)
ハウ(でもこの方法しかなさそうだよー。)
コウタ(一瞬、空を飛べるポケモンで外から入ろうとも考えたけど、流石にすぐバレるからやめた。)
 ▼ 27 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:52:48 ID:iSsEsbiM [27/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時だった。

ゴロゴロ…ゴロゴロ…

ハウ(外…雷鳴り始めたよー…。)
コウミ(どうしてこの辺っていつも天気悪いのかしら…今日はこんな時に雷鳴るし…。」
コウタ(………。)


ゴロゴロ…ゴロゴロ…


















ピシャァァァーーーーーーーーーーーーーーン!!
 ▼ 28 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:53:04 ID:iSsEsbiM [28/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウミ(ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!)ギュッ
ハウ(ち、近くに落ちたよこれ、凄く音大きかったよー。)
コウタ(……これはもしかして。)

突然近くに聞こえた轟音に思わず驚くハウと、コウタの作業服の袖を掴んだコウミ。
コウタはこの状況下、冷静に何かを考えている様子だった。


ピシャァァァーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!!


ドォォォォォンッ……


コウミ(わぁぁぁぁぁぁぁぁっ!)ギュゥッ…
ハウ(ま、まさかここに落ちたの!?)
コウタ(……!)

ハウの予想通り、この建物に雷が落ちた。次の瞬間、屋敷の中は真っ暗になった。

作業員「うわっ、停電だ!」
作業員「暗くて何も見えねぇ!」
作業員リーダー「落ち着け!地下に予備のブレーカーがある!設備の電力だけでも何とかしろ!屋敷の電力はそれからでもいい!」

コウタ(しめた!)
コウタ(2人とも、どうやら最上階とは別にブレーカーがあるから、作業員はしばらくそっちに行くはず。しかもその間ここは真っ暗。今がチャンスだよ。)
ハウ(な、なるほど!暗くなってる間に一気に最上階まで行くってことだね!)
コウタ(行き方なら僕とコウミならわかるから、ついてきて!ほら、コウミ、行くよ!)
コウミ(ううぅ…怖かったよー。)
コウタ(コウミ!)
コウミ(えっあっ…う、うん!)パッ

慌てて手を離すコウミ。暗くて見えないが、確かにコウミは今顔を赤くしていた。

コウミ(今暗くてよかった…。///)

内心、どこか安心している様子であった。
 ▼ 29 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:53:31 ID:iSsEsbiM [29/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

3人はこのチャンスを逃すまいと、2階へと急いだ。
外に出て屋根を伝って行くのは危険と判断し、2階へと続く階段にあったシャンデリアを上手く跨いで、最速で部屋の前まで辿り着いた。
だが、同時に電力復旧も終わってしまった。

コウタ(もう少し停電が続いていて欲しかったけど…ここまでこれただけでも良しとしよう。)

近くには以前スカル団からヤングースを奪還するために訪れた時と同じように、ソファーと段ボール箱が散らばっている程度であり、隠れる場所はなかった。

ハウ「やっと着いたけど、これどうやって入れば良いんだろ?」
コウミ「最悪ここまで来て追い返されちゃうかもしれないわ。」

ガチャッ

コウタ・コウミ・ハウ「えっ。」

運悪く、このタイミングで2階の元グズマの部屋の扉が開けられてしまった。

???「やっと復旧したか…あっ、こら、君達!なんでここにいるんだ?」
???「警備員は何やってるんだ…ここは見学していい場所じゃないぞ。」
???「……ん?あっ、お前ら!」

コウタ(……!よりにもよってあの時絡んできた奴らか…。)
コウミ(タイミング悪すぎだよー!)
ハウ(そううまくはいかなかったか―…。)

出てきた3人はハウオリシティのビーチエリアでコウタ達に絡んできた男達だった。
 ▼ 30 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:54:00 ID:iSsEsbiM [30/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
社員A「まさか追ってくるなんてな…。」
社員B「君達、強いポケモンが欲しいからって尾行はよくないなぁ。しかもその作業服、どうやって手に入れたのかなぁ。」
社員C「それもこの部屋は関係者以外立ち入り禁止だぞ?やんちゃな子かと思ったが、後をつけてくるぐらいだからわかってて来たかのようだな。」

コウタ(こりゃ誤魔化せないな…この部屋から出てきたってことは、この工場を管理している社員と見てよさそうだな。)

コウミ「わ、私達をどうする気なんですかぁ…。」ガタガタ
社員B「警察に突き出そうと思ったが、この際だから聞く。本当に強いポケモンが欲しいなら、今回の件は見逃してやる。」
社員C「その代わり俺達の仲間に加わるんだ。それだけですぐにでも用意してやるぞ。」

スカウトしに来た時と打って変わって威嚇するかのような雰囲気。
コウタ(普通なら警察を呼ばれてもおかしくないのに呼ばずに勧誘。やっぱ外部に情報を持ち出されたくないってことだね。)

コウタ「…嫌だと言ったらどうするんです?」
コウタ(警察か、追放か…それとも…。)

社員A「ここまで来て断る気か!?住居侵入で警察を呼んじまうぞ!」
コウタ(やけに狼狽えてるけど僕らとしては警察呼んでくれた方が良いんだよなぁ。)
ハウ(警察に僕らが集めた証拠を全て出せば解決できそうだね。)
 ▼ 31 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:54:50 ID:iSsEsbiM [31/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

社員C(なぁA、まさか本当に警察を呼ぶ気か?)
社員A(なぁに、重要な施設は地下に隠しているんだ。何も問題ない。)
社員B(こいつら作業服着てまで忍び込んでるんだ。むしろまずくないか?)
社員A(言われてみればそれもそうだな。)

何かひそひそと話していた3人は、話が終わるとコウタ達を睨みながらこう言った。

社員A「警察に突き出す前に、その作業服は返してもらうぞ。後、ここで得たメモとかあったらここで処分だ。」
コウタ「……!」
コウタ(まずい…勘づかれたか…!?)
社員B「どうしたんだ?別に考えこまなくてもいいだろう?」
社員C「強いポケモンを手にするか、警察のお世話になるかのどちらかだぞ?」

窮地に立たされたコウタ達。
そしてコウミは何かを思いついたように目を丸くし、その後すぐに泣きそうな顔をしてA達に言った。

コウミ「うっ…うぅ…ごめんなさいお兄さん達…。」ウルウル

社員A「お、おいどうしたどうした!?」
突然涙声になりながら謝るコウミに驚くA。コウミは続ける。

コウミ「お兄さん達、最初に会った時は怖かったけど…ついポケモンをくれるって聞いたときは…ぐすっ…ホントは優しい人達なんじゃないかって…。」
コウミ「それで、後を付けようって言ったのは私なんです…。やっぱり興味があったから…。」
コウミ「でも…こうしてここに無理矢理入って…暗くなったからってこんなところまで来ちゃって…出来心だったんです…。」
 ▼ 32 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:55:16 ID:iSsEsbiM [32/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
社員A・B・C「………。」
コウタ(コウミ…まさか君は…。)


コウミ「メモとかは出すので…どうかそれで見逃してください…。それでもダメなら…警察でも何でも…呼んでいいですから…。」ウルウル
まだ13歳の女の子の泣き顔。それを見て思わずたじろぐA達3人。

社員A「ううむ…し、しょうがねぇなぁ。出すもん出したら今日のところは帰してやるよ。」
社員B「そこの坊主共。この嬢ちゃんに免じて許してやるからお前らも持ってるなら出しな。」
コウミ「ごめんなさい…ごめんなさいぃ…。」
鞄に手を入れながら3人に頭を下げた。

社員C「あーもう悪かった悪かったって。俺達もちょっと怖がらせ過ぎちまったよ。ほらもう泣くな泣くな!」
コウミ「うえっ…ありがとうございます…お兄さん達…ふえぇ…。」
 ▼ 33 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:55:35 ID:iSsEsbiM [33/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ(ねぇコウミ…一応聞くけどどういうつもり…?)
コウミ(まぁ見てて。もうこれしかないと思って…。)

コウミが鞄から何かを出すと思って油断している3人。しかし彼女が出したのはメモではなく…、

\ポンッ/

コウミ「……アシレーヌ、”サイコキネシス”!フーディンは”トリック”!」
アシレーヌ「しゃなるんっ!」ピロロロロロ
フーディン「フーッ!」キュィィィィィン

社員A「な、何っ!」
社員B「ポケモンだと!?」
社員C「く、くそっ!この小娘め!」

彼女の手持ちポケモンの2匹、アシレーヌとフーディンだった。

3人はコウミが繰り出したアシレーヌの”サイコキネシス”により動きを封じられた。
その隙にフーディンはコウミが出したポケットティッシュとAが持っていた鍵を”トリック”で交換した。

コウタ「そういうことっだったのか!」
ハウ「すごいよ、コウミ!」
コウミ「急ぎましょう!あまり時間かけられないわ!」

3人はコウミが奪った鍵を使って元グズマの部屋に侵入した。

社員A「あ、くそ!お前ら待て!」



元グズマの部屋に到着すると、巨大な機械が部屋の真ん中に置かれていた。
注意書き『地下にある工場設備の電力の調節は、2つのレバーで行ってください。ただし上げ過ぎると電力が停止してしまうため、工場稼働中は交代で管理する社員を常駐させてください。』

コウタ「要はレバーを上げ過ぎればオーバーヒートするってことだな。ハウは左のレバーを頼む。」
ハウ「おっけー。行くよコウタ!」
コウタ「コウミは集めたデータをすぐにエーテル財団に転送して。」
コウミ「了解!」

コウタ・ハウ「「せーのっ!」」

2人は一斉に機械のレバーを上げた。
すると、すぐに異変は起こった。
 ▼ 34 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:56:09 ID:iSsEsbiM [34/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ドォォォン

屋敷が揺れ始めた。

コウタ「よし、急いでここから脱出しよう。
コウミ・ハウ「「うん!」」

3人は部屋を出る。

ドォォォン…

\ウワ、ナンダナンダ!?/
\キ、キカイガボウソウシテル!?/

コウミ「戻って!アシレーヌ!フーディン!」
コウタ「よし、急いで降りよう!」

ドオオオオオンッ!

コウタ「っと!」
コウミ「きゃっ!」
ハウ「うわぁっ!」

屋敷全体が激しく揺れた。

ピシャァァァーーーーーーーーーーーーーーンッッ!!

コウタ「ま、また雷が落ちた!?」
ハウ「けど、今度は電気は消えなかったし、ここに落ちなかったみたいだね。」

階段を降りようとしたその時、地下の工場から作業員達が出てきた。

作業員「くそ!コントロールマシンの管理者は何やってたんだ!」
作業員リーダー「あれを直さないと生産できないじゃないか…!」
作業員「り、リーダー!あそこ!ここを見学に来たっていう子供達です!」

上は社員3人に、下は作業員達に囲まれ、逃げ場がなくなってしまった。
コウタ「かなりまずいぞこれ…。」

社員A「こんのガキ共…もう許さねぇ……ぶっ飛ばしてやる!」
コウタ「悪いけど僕らこそ許す気はないよ。最近の騒動の犯人はお前達だったんだな。ポケモンの紛い物で人々を消すなんて許されることじゃないぞ。」
社員B「ええいやかましい!強いポケモンを生み出して何が悪い!」
社員C「ボコボコにして二度と立て付けないようにしてやるよ!いけぇ!」
 ▼ 35 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:57:31 ID:iSsEsbiM [35/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

社員A、B、Cの3人は一斉にミミッキュ、オニゴーリ、カイリューを繰り出した。
3匹とも目に生気が宿っておらず、無機質な表情でコウタ達3人を見据える。

ネオ・ミミッキュ「……。」
ネオ・オニゴーリ「……。」
ネオ・ネオ・カイリュー「……。」バサッ

コウタ「仕方ない、1発で切り抜けるぞ。」

3人はモンスターボールを構え、コウタはカイリキー、コウミはガルーラ、ハウはアローラライチュウを繰り出した。

コウタ「いくぞ、カイリキー!“ストーンエッジ”!」
社員A「オニゴーリ、“まもる”!」
ネオ・オニゴーリ「……。」ピキィィィィ…

ネオ・オニゴーリの前に光のバリアが展開される。しかしコウタが放ったカイリキーの“ストーンエッジ”はネオ・オニゴーリの方には迫ってこなかった。
社員A「ふん、どこを狙っている……な、なんだこれは!?」
地面から突き出てきた岩はコウタ・コウミ・ハウの3人を守るかのように囲んできた。

コウタ(よし。予想通り“まもる”からしてきたな。いきなり“ぜったいれいど”とかだったら正直まずかった。ミミッキュが“つるぎのまい”を使えばその間にこちらの準備が整うし、使わないで攻撃されてもこの岩の障壁はすぐには崩されないはず。次は…。)
コウタ「ありがとうカイリキー。戻れ!」シュゥゥン
社員C「空中ががら空きだ!カイリュー、“ドラゴンダイブ”!」
ネオ・カイリュー「……。」ブワッ

コウミ「ガルーラ、上に向かって“れいとうビーム”!」
ガルーラ「ガルルゥッ!」

天井に冷気を放つガルーラ。飛び上がったネオ・カイリューの目の前に氷のバリアが作られた。
ネオ・カイリューの“ドラゴンダイブ”はこれにより遮られた。

ハウ「この足止めを活かして一気に移動しよう!ライチュウ、“サイコキネシス”!」
アローラライチュウ「ライライ!」

岩に囲まれている中でアローラライチュウは超能力でコウタ達3人とガルーラを、まだ誰も来ていない階段まで運んだ。
運んだところでライチュウは尻尾に乗って空中を移動し、ハウの元に戻ってきた。
 ▼ 36 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 22:57:49 ID:iSsEsbiM [36/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「ファイアロー出てこい!“でんこうせっか”で扉を開けるんだ!」ポンッ
ファイアロー「フィアッ!」シュンッ

コウミ「ガルーラ、メガシンカ!」
コウミはキーストーンを取り出し、ガルーラをメガシンカさせた。凄まじい光の球体に包まれたガルーラは次の瞬間、子ガルーラが袋から出てきてパワーアップしたメガガルーラへと変わっていた。

メガガルーラ「ガルゥーーッ!!」
子ガルーラ「がるーっ!」
コウミ「“いわなだれ”でファイアローを援護して!」
メガガルーラ・子ガルーラ「「ガルッ!」」

メガガルーラの投げた岩石が下にいる作業員達の進路上に落ち、ファイアローは岩石が落ちるコースをも高速で駆け抜けて扉の前に到達し、開けることに成功した。

ハウ「ライチュウは“サイコキネシス”でこのシャンデリアを2階へ動かすんだ!」
アローラライチュウ「ライッ!」ピロロロロロ
階段上で道を塞ぐように放置されていたシャンデリアを社員達の進路上に動かし、足止めする。すぐにでも破壊されそうだが、ガルーラとファイアローで退路を確保した今では、脱出には十分時間があった。
コウミ「2人ともありがとう!今のうちに逃げるよ!」

社員A「くそ!邪魔くせぇ!ミミッキュ、“シャドークロー”で壊しちまえ!」
ネオ・ミミッキュ「………!」
無残にも切り刻まれたシャンデリア。しかしその頃には3人は屋敷を抜け出していた。
 ▼ 37 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:18:36 ID:iSsEsbiM [37/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
3人は屋敷を出て、ポータウンの出口まで走った。すると出口が開き、見慣れた白い服の集団と警察官が続々と進入してきた。

ハウ「あっ!エーテル財団だ!警察も呼んでくれたんだね!」

職員(男)「通報してくれたのはコウミちゃんだね!警察も呼んでおいたよ!」
コウミ「ありがとうございます!」
職員(女)「危なかったですね。でももう安心してください!」
警察官「ネオシルフ関係者諸君、君達を逮捕する!」

作業員リーダー「ぐっ…。」

いかがわしい屋敷にいた作業員や研究者達は押しかけて来た警察官達に逮捕された。
社員3人はまだ残っているポケモンを全て出し、最後の抵抗を試みた。
社員A「まだだ!こっちにはミミッキュだけではなくこいつらもいる!」
ネオ・ミミッキュ/ゲッコウガ/フーディン「…。」

社員B「俺もまだ他に2匹いる!総力で叩きのめしてこっちの手持ちを一切倒そうとしなかったことを後悔させてやるよ!」
ネオ・オニゴーリ/ジャローダ/ランドロス「…。」

社員C「カイリューだけじゃない!こいつらも出してコテンパンにしてやる!」
ネオ・カイリュー/スイクン/バシャーモ「…。」

社員達は残りの手持ちを2匹ずつ出し、計9匹のネオ・ポケモンが出揃った。
先程から出ていたミミッキュ、オニゴーリ、カイリュー同様、全員その瞳には光を宿しておらず無機質な雰囲気が漂っていた。

コウタ「やっぱりまだいたのか!」
ハウ「今度はさっきみたいにバトルを避けられないよー!」
コウミ「ど、どうしよう…!」
 ▼ 38 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:18:59 ID:iSsEsbiM [38/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「おっと、もう心配はありませんよ。」
コウタ「!そ、その声は…!」

ザオボー&職員「スリーパー、キュウコン、“さいみんじゅつ”!」
ザオボーのスリーパー「フフフ…ッ!」ピロロロロロ
職員のアローラキュウコン「コォンッ!」ピロロロロロ

2匹が一斉に“さいみんじゅつ”を放ち、固まっていた9匹はまとめて眠らされてしまった。
警察官「今だ!こいつらも取り押さえるぞ!全員逮捕だ!」
社員A・B・C「くそ!誰だお前は!」

ザオボー「私こそが、エーテル財団最後の砦、ザオボー支部長ですよ!」

コウミ・ハウ「凄いよザオボー!」
コウタ「ありがとう、助かったよ支部長。」
職員「元・支部長だけどね。」
ザオボー「こんな時にだけ支部長呼ばわりを…これだから子供は…。」
ハウ「でもこれでこの工場は抑えられるよ。ピンチから助けてくれてありがとう支部長ー!」
コウミ「さすが、エーテル最後の砦ね!支部長!」

確かにこのタイミングでの乱入、そして“さいみんじゅつ”によるファインプレーで、残った社員も逮捕できたのは事実であった。
ザオボー「ま、まぁ…私は生まれ変わった素敵なニュー・ザオボーですからね!」
コウミ「一緒に来てくれたキュウコンのお兄さんもありがとね!」
職員「お、おぅぅ…ありがとよ…。」ポリポリ
2人は照れ臭そうにそっぽを向きながらつぶやいたが、まんざらでもない表情だった。
 ▼ 39 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:20:38 ID:iSsEsbiM [39/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

あの後、いかがわしい屋敷にいた関係者は無事に全員逮捕に成功し、その後屋敷内、特に地下設備を中心に警察による調査が始まった。
屋敷の調査と並行し、逮捕された社員や作業員、研究者、並びに彼らが所持していたネオ・ポケモンもすべて別室隔離となった。ボールに入った状態のネオ・ポケモン、社員達が身に着けていたバッジなどは押収され、一部はエーテル財団の研究職員に引き渡されることとなった。

―――ポケモン研究所
ククイ「まったく危険な目に遭ったようだな…今回ばかりは無茶し過ぎだぜ!」
リーリエ「まったくです!私…凄く心配したんですからね…ッ!」オコリーリエ!

コウタ・コウミ・ハウ「「「本当にごめんなさい…。」」」

ネクロズマやUB襲来、レインボーロケット団の時とは格が違う危険度の事件、ククイ博士やリーリエは怒りはしたものの、内心かなり安心していた。

ハラ「ですが、これで事件の真相は明かせましたな。確かに危険な思いをしたものの、彼らの力なくしてここまで進展がなかったのも事実です。」
ククイ「………そうですね。3人共いなくなってしまうんじゃないかと心配で、ついカッとなってしまいました。危なかったのとは別として、よく無事で帰ってきて、事件解決に貢献してくれたな。」
ハラ「お気持ちはとても分かりますぞ。……さて、コウタ君達は今後どうする気ですかな?」

コウタ「僕らは……。」

ネオシルフが操るネオ・ポケモン。いかに危険な存在であるかは重々承知しているコウタ。
彼等によって事件の原因や黒幕が暴かれ、その情報はニュースを通じて瞬く間にアローラ全土へ広がった。これで解決に向かって動くだろう、そう考えていた。

ククイ「………お前たちの気持ちも、わからない訳はない。今回の事件、誰だって許すわけにはいかないさ。」
リーリエ「……!は、博士!これを見てください!」

慌てた形相でリーリエがテレビを指差す。画面を見ると、やはり今回の騒動に関する続報だったようだ。
 ▼ 40 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:20:54 ID:iSsEsbiM [40/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アナウンサー『人の手で作られ、人やポケモン達の命を無差別に奪って行った”ネオ・ポケモン”ですが、それらを作っていた製造拠点を調査していたところ、とある書類が見つかりました!ご覧ください!』
現地調査班が見つけた書類について、アナウンサーによって報道された内容は以下の通りだった。

『ネオ・ポケモン計画
(1)ネオ・ポケモン製造技術の確立後、アローラ地方の適当な1箇所に最初の拠点を開設。
(2)その後、ネオ・ポケモンを扱うトレーナーの増員、数チームの結成。
(3)徐々に表向きでの増員を進める他、更なる拠点の増設などの勢力強化を図る。
(4)アローラ全土に製造拠点を構え、ほぼすべてのトレーナーにネオ・ポケモンを普及させる。
※この計画には、増員の他、従わないトレーナーの消滅も含む。
(5)ゆくゆくは各地方に進出し、同志を募って全世界をネオシルフの勢力圏とする。』

コウタ「アローラどころじゃない…放っておいたらカントーも…他の地方も…!」
ククイ「ああ…全部滅んでしまうだろうな…。」

意気消沈していた一同、そこに1人の人物が訪問した。
???「失礼します。ククイ博士。」
ククイ「!き…君は…!」

コウタ「な…なんで君がここに…!」
 ▼ 41 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:21:55 ID:iSsEsbiM [41/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
グラジオ「フッ、久しぶりだな。」
コウミ・ハウ「「グラジオ!?」」
リーリエ「お、お兄様!?」

かつてカントー地方で修行し、現在は時々アローラに帰ってはリーグでコウタと何度も対決したグラジオであった。

グラジオ「……ちょうど今のニュースを見ていたところだったんだな。ククイ博士、我々エーテル財団は今回押収した物品から、奴らへの対抗策を備えられることを伝えに来ました。」
ククイ「ほ、本当かグラジオ!」
グラジオ「はい。そしてその際対抗する筆頭についてですが、危険を承知の上、オレからコウタ達3人を推薦したい。」
ククイ「…!」
グラジオ「ええ…今自分がどれだけ危険なことを言っているかは無論自覚しています。ですが、現時点で製造拠点を一つ崩壊させ、さらに今回の事件の黒幕を公に出来た彼等以外、適任はいないと判断しました。ネオ・ポケモンによる消滅の危険については、既に対策装備の研究が進められています。」
ククイ「そこまでして…。」
グラジオ「……もっとも、彼等の意思に任せるつもりです。あいつらが棄権するのであれば、それについては誰にも咎めさせませんし、我々で食い止めようとする方針です。」

グラジオは現在、ルザミーネとほぼ同等の権力を財団内で保有している。失踪事件が初めて報道された際にすぐさまアローラへ戻り、今回の報道でネオシルフの正体が露見した際、社員達が所持していた物品の研究もグラジオの指示のもと進められていたのだ。

コウタは迷っていた。もしまだこの事件に関与するのであれば、いかがわしい屋敷の時以上に危険な目に遭うかもしれない。
しかし放っておいてもいずれはアローラ全土や世界から人やポケモン達が消えてしまう。いなくならないと約束したコウミの前からも消え、そして彼女自身も消えてしまうことが怖かった。
そして今、グラジオは自分達を推薦し、さらには自分達のための用意も進めているのだ。もう迷いを吹っ切っていくべきであろうが、コウタの選択は―――
 ▼ 42 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:22:13 ID:iSsEsbiM [42/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ「……グラジオ、その準備はどのくらいかかりそう?」
グラジオ「…おおよそ4日はかかるかもしれん…。装備はともかく、ネオシルフがある人工島まで行く手段について難航しているところだ。」
コウタ「…そっか。…ククイ博士、迷惑をおかけしてしまうかもしれません。ごめんなさい。」
ククイ「……。」
コウタ「…1日だけ、時間をください。明日の朝には、ここにきて報告します。」
ククイ「…あぁ、わかった。」
グラジオ「…そうだな。一度冷静になった方が良い。」

3人は一旦返事を保留にし、研究所を後にした。
リーリエ「お兄様…。私…とても心配で…。」
グラジオ「……ああは言ったものの、恐らくあいつらは…。」
リーリエ「はい…きっと、そうすると思います…。」
グラジオ「今はただ信じよう。泣いても笑っても、今度こそ最後の戦いになるだろうからな。」
リーリエ「私は…今回何ができるのでしょうか…。」
グラジオ「リーリエは、あいつらを信じていればいい。全てが終わったら、笑顔であいつらに会えるようにな。」
リーリエ「……はいっ。」

ククイ(……もう皆、動き始めてるんだな。)
ククイは研究所の地下へと降りて行き、バーネットに連絡した。

ククイ「あぁ、もしもし。突然すまないな。実は…。」
 ▼ 43 回◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:24:48 ID:iSsEsbiM [43/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※急ぎ足での投稿になりますが、明日と明後日の2日間にかけて#3を投稿します。
 ▼ 44 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/12 23:25:26 ID:iSsEsbiM [44/44] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ククイ(……もう皆、動き始めてるんだな。)
ククイは研究所の地下へと降りて行き、バーネットに連絡した。

ククイ「あぁ、もしもし。突然すまないな。実は…。」





Episode#2〜調査〜・完
 ▼ 45 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:05:14 ID:VhjIwvRA [1/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

Episode#3〜ネオシルフ突入〜

コウタとハウは自宅へと帰宅し、コウミはコウタの家に泊まることとなった。
今日1日各自でじっくり考え、明日の朝、どんな結論になってもククイ博士の元に集合することになったのだ。

もっとも、この時点でコウタは大体結論は決まっていたものの、覚悟はまだ決まっていなかった。だからグラジオの力説を聞いても即答できなかったのだ。

―――ハウ宅
ハウ「……。」

椅子に座り、ぼうっと考え込むハウ。すると、自分のモンスターボールが不意に揺れ始めた。

\ポンッ/

ジュナイパー「……。」

ハウ「……ジュナイパー…今日はお疲れ様。ありがとう。」
ジュナイパー「…じゅ。」コクン

ハウ「……これから行こうとしてるとこって…敵の本拠地なんだよね…今日行った工場にいた人達より、ずっと恐ろしいところかもしれない。」
ハウ「工場にいた人達の多くは、ポケモンを育てるのに嫌気がさしちゃった人が多いんだって。」
ハウ「どれだけ時間をかけて育てても、勝てない。なのに努力することが嫌。そんなただのエゴで、あんな恐ろしいものに手を出してしまった。」
ハウ「おれだって、この1年、いや、島巡りを始めてからコウタに勝てたことがない。そりゃあ、ちょっとずつ伸びてきてはいるけどさ。」
ジュナイパー「ジュナ…。」

ジュナイパーを労い、その後向上にいた人達に事と自身の心境を語るハウ。彼は続ける。
 ▼ 46 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:05:39 ID:VhjIwvRA [2/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハウ「関わった人を消してしまう、普通なら考えもしないような恐ろしいもの。そうだとわかっていてもすぐに強いポケモンが手に入ることに目が眩んでしまったんだと思う。」
ハウ「中には、強いポケモンを手に入れ、周りが修行している間に自分は戦略だけを考える。一見理にかなっていそうな人もいた。」
ハウ「……でもおれはそんなの、やっぱり間違っていると思う。」
ジュナイパー「…!」
ハウ「君達を勝たせてあげられないことは申し訳ないっていつも思うんだ。でもおれはあれに手を出そうだなんて思わない。おれも一緒に強くならないと意味がないし、強くなるために周りの人間を蹴落とそうだなんて絶対に正しくない。」
ジュナイパー「ジュナッ…。」コクコク
ハウ「何より、おれは人に用意されたポケモンじゃなくて、君みたいに相棒のポケモンと一緒に勝ちたいんだ!…ジュナイパー、これからもおれに着いてきてくれる?」
ジュナイパー「ジュッパァ!」

ハウの想いを聞き、言われなくても最初からそのつもりだと言わんばかりに、大きく頷くジュナイパー。
それと同時に、家の扉が開き、ハラが帰宅した。

ハウ「あ、おかえり、じーちゃん!」
ハラ「ただいま戻りましたな。………何かが吹っ切れたような顔をしていますな。」
ハウ「うん。おれ、もう決めたよ。」
ハラ「皆まで言わなくても大丈夫です。きっと他の2人も同じだと思いますぞ。」

ハウ「ありがとう、じーちゃん。ちょっとおれ、ジュナイパーと散歩に行ってくるよ。」
ハラ「うむ。気を付けて行ってきなされ。」

ハウとジュナイパーは勢いよく家を飛び出していった。
 ▼ 47 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:06:11 ID:VhjIwvRA [3/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

―――コウタ宅
コウタ「……という訳なんだ。母さん。今回ばかりは危険の度合いが違うこともわかっている。でもこのまま放っておいても何も始まらない。だから僕はもう決めたんだ。」
コウタ母「…。」

コウタはこれまでの経緯を母に話した。
コウタの話をさえぎることも、否定することもなくただ黙って聞いていた。やがて、コウタが話し終わってしばしの沈黙の後、コウタの母は口を開いた。
コウタ母「あなたのことだもの。どうせダメだって言っても行く気満々でしょう。」
コウタ「……。」
コウタ母「そうね。それなら母さんも何も文句は言わないわ。」
コウタ「心配かけてごめんね…。」
コウタ母「これで私が止めるならやっぱり行かないとか、そんな中途半端な気持ちじゃないなら、送り出すわよ。」
コウタ母「でもその代わり、必ずみんな無事で帰ってくると、約束して頂戴ね。」
コウタ「ありがとう、母さん。もちろん約束するよ。絶対に。」

コウタの母から許諾の返事をもらい、一瞬ほっと胸をなでおろした後、すぐに気持ちを引き締めるコウタ。
決戦へと送り出してくれる母の為、そして自分の大切な人々と、大切なアローラの為に戦う覚悟を決めた瞳がそこにはあった。
 ▼ 48 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:06:31 ID:VhjIwvRA [4/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウタ母「今日は、コウミちゃんと一緒に寝てあげなさい。あなたがいてくれた方が、彼女も安心すると思うわ。」
コウタ「…それってつまり?」
コウタ母「2人ともコウタの部屋で寝なさいってことよ♡こないだだってハウ君がいる中で一緒に寝たんだし、大丈夫でしょ(笑)」
コウタ「まだそれ引きずるのかよ…///まぁ、コウミが嫌がらないならそうするさ。」

ハウが事件を目撃した翌日の夜のことがフラッシュバックし、赤面するコウタ。
だがコウミをまた家に泊めることになった時点で、大体予想はついていたのだ。

コウタ母「さ、腕によりをかけて2人分の夕飯を作ってあげるわ!その間にあなたも風呂入っちゃいなさいな。」
コウタ「はーい。」

そう言って台所に向かうコウタの母と、風呂場に向かったコウタ。入るとそこには風呂から上がり、体をタオルで巻いていたコウミがいた。

コウタ・コウミ「「あっ………。」」

思わず目と目が遭い、硬直する2人。

コウタ(しまった…そう言えば帰って来た時に母さんが風呂貸していたんだった…!)
やがて少しの沈黙を先に破ったのはコウタだった。

コウタ「ご、ごめん!君が先に入っていたの忘れてて…!す、すぐ出るから!///」バタン!
コウミ「あ、あわわわわ…///」アタフタ
 ▼ 49 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:06:57 ID:VhjIwvRA [5/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

その後、コウミが浴室・洗面所から出た後にコウタも入り、速やかに入浴を済ませた。
3人で夕飯を食べている間、2人はお互いのことを直視せず、顔を赤くしながら黙々と食べていたのを見て母はからかうでもなく常時にやにやしていた。こんな時まで勘付かないでくれよ…とコウタは心中嘆きながら箸をいつもより少し早く進めていた。

夕飯の後、先に食べ終えたコウタは部屋に戻り、10分後にコウミも入ってきた。
コウタから少し距離を置いてベッドに座り、また沈黙が続いた。

コウタ「………。(気まずい…流石に怒ってるかなぁ…。)」
コウミ「………。(うぅ…さっきのことが頭から離れない…!)」

未だに真っ赤な顔で、お互い目を合わせないようにしている2人。これがしばらく続き、やがてコウタが口を開く。

コウタ「あ、あの…さっきはホントにごめん…決して変なことは考えていたわけじゃ…!///」
コウミ「も、もういいよ!コウタに悪気がなかったのは…ゴニョゴニョ…///」
コウタ「さっきからずっと黙ってて…流石に嫌われたかなと思って…。」ホッ
コウミ「それに…よく考えたらカントーにいた時はこうやって何度か泊まりに来てたし…風呂だって…一緒に入ってたし…。///」
コウタ「あの時は僕ら2人とも…まだ小さかったから…///」

少しずつ話し始めた2人。お互いカントーにいた頃を振り返る話がそれから30分くらい続いた。
 ▼ 50 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:07:30 ID:VhjIwvRA [6/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして一通り話し終えたタイミングで、コウタは真剣な表情に変わり、それを見たコウミも察したように真剣な表情に変わる。

コウタ「……母さんにはもう話したよ。あとはコウミだけなんだけど…。」
コウミ「うん。もう平気だよ。さっきコウタが部屋に戻った後、私も話してきたから。」
コウタ「そっか…うん。わかった。」
コウミ「コウタや、それにきっとハウも行くんだと思う。だったら私だって行く。ダメだって言っても行くのは私も同じだよ。」
コウタ「僕は、正直少しは迷っていたけど、もうここまで来たら進むしかないって。そう腹を括ったから、母さんにも話したんだ。2人が行くなら、尚更僕は生きて帰るべきだし、君達を失う気もない。」
コウミ「私も行くよ。コウタだけ危険なところへ行くのはほっとけないもん。何だかんだ言って危なっかしいしw」
コウタ「それを言うならついてくる君達だって大概だろうw」

先程までの不安も吹っ切れ、安心した2人はそれぞれ寝る支度を始めた。
風呂場の件があったにも関わらずコウタの前で寝間着に着替え始めたが、そもそもコウタは反対側を向いて着替えていた。

コウミ「さっき私の身体見たし、今更でしょ///」
コウタ(流石にそれは吹っ切れ過ぎなんだよなぁ…///)

着替え終わった2人はそのまま1つの布団に潜った。仰向けに寝るコウタにしがみつきながらコウミは眠りに落ちた。
コウミ「おやすみ…コウタ…。」
コウタ「うん。おやすみ、コウミ…。」
 ▼ 51 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:10:27 ID:VhjIwvRA [7/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

翌朝、コウタ、コウミ、ハウの3人はククイ博士がいる研究所に集まった。
3人とも決戦に向かうことを伝え、ここから彼らの準備はハイペースで始まった。

3人はククイ、バーネット、リーリエと共にエーテルパラダイスに向かい、各種準備を進めた。
コウタはかつてオーレ地方に行った際に知り合ったカミンコ博士と連絡を取り、かつて悪天候をもものともせずに海を渡った”メカ・カイオーガ”の設計図を転送してもらい、船の製造部に引き渡す。

コウミはククイのアシレーヌと共に特訓をし、彼女のアシレーヌに“ハイドロカノン”を習得を試みる。

ハウはグラジオとルザミーネの元へと向かい、各種装備の最終調整を行う。
更には途中からマーマネ、マオ、カキ、スイレン、ウルトラ調査隊も来て、手伝いを始めた。
既に今回の件はアローラ全土に伝わっており、各地で決戦に備えているようだ。
マーマネとウルトラ調査隊は装備開発部に行き、マオ、スイレン、カキは持ち寄った食材で全員の昼食を調理。
また、マーマネ曰く、各島キング、島クイーンは遺跡の方へと向かっているとのこと。

アローラに、ゆくゆくは全世界に訪れるであろう危機に、全島民が一丸となって立ち向かう。


日が暮れ始めた頃、全ての準備が終わり、あとは財団の方で最後の作業を終わらせるのみとなった。

作戦開始のタイミングについては協議の結果、デッキが開く時間帯で、かつ、その中でも人員が最も減るであろう深夜に出発することになった。前日3人が各々の家で休息を取っている夜中に財団の方でネオシルフ周辺の偵察・調査を済ませ、既に効率よく侵入できるルートを割り出していた。

コウタ「皆さん、本当にありがとうございました。」
コウミ「これで準備は万端だね!」
ルザミーネ「お陰様で想定より数倍早く準備が進みましたわ。これならもう日付が変わる頃には出発できます。」
 ▼ 52 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:10:48 ID:VhjIwvRA [8/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオ「いよいよ決戦の時が来たね!」
マオ「美味しい料理いっぱい作って待ってるから、冷める前に帰って来てね!約束だよ!」

スイレン「私、緊張するとお腹が空くタイプなんです。……え? また嘘でしょって? ふふっ、どうでしょうね。」
スイレン「私がおデブちゃんになったらあなたのせいですよ♪」

カキ「これから3人が向かう場所はヴェラ火山の山道のような、いや、それ以上に険しき道だ。」
カキ「だがお前達ならきっと踏覇できると信じている。ここまで着いてきてくれたポケモン達とお前達の力を信じて、そして帰って来いよ。」

マーマネ「みんな、自分達にできることを頑張って来たんだから、僕も頑張ったよ。今度は、3人が頑張る番。僕、応援してるよ。」
イリマ「スクールの生徒達やメレメレの島民達は避難させました。こっちのことは気にせず、頑張ってきてください!」
シオニラ「ネクロズマをも鎮めたお主らなら必ずや成し遂げられるだろう…!」
 ▼ 53 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:11:49 ID:VhjIwvRA [9/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
???「おい。」

奥の方から聞きなれた声がして、全員が振り返り、道を開ける。

ハウ「グズマさん…。」
グズマ「……ハッ!揃いも揃って正義の味方ごっこかよ。御大層なこって。」
そう言うと、グズマは少し目線を逸らして、少し声のトーンを落として立て続けに言う。
グズマ「………なんつうか、悪かったな。屋敷のことから、これからアイツらへ一泡吹かせることまで、全部お前らにやらせちまってよ。」

コウタ「気にするなよ。その間団員達を守ってくれたんだろ?それでいいじゃないか。」
その言葉を聞き、グズマは表情を戻しながらコウタ達に視線を戻し、指をさしながらこう言った。
グズマ「だがな、それとこれとは話が別だ。忘れてるようだからもう一度言うがよ。」
グズマ「お前をブッ壊すのはこのグズマ様だからな!」

プルメリ「あんたはグズマが認めた相手、勝ち逃げは許さないよ。あいつらをブッ壊して、その後にブッ壊されちまえ。」
プルメリ「だから帰ってきたら、あたいらの前に顔だしな。」
コウタ「……ああ。その時は受けて立つよ。何度でも。」
プルメリ「…餞別代りにこれ、持ってきな。じゃあね。」ドサッ
回復道具を大量に入れた袋を置いて、グズマとプルメリは去って行った。
コウミ「…ありがとう!2人とも!」

プルメリは少し振り返って微笑み、グズマは去りながら右手を上げて応え、そのままパラダイスを出て行った。
 ▼ 54 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:16:51 ID:VhjIwvRA [10/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――深夜

エーテルパラダイスの最奥には、ルザミーネの自宅がある。全ての準備が終わり、各島のキャプテン達が解散した後、3人は夜中に出発するため夜7時頃から仮眠を取り、日を跨いだ午前2時頃に目を覚ました。

―――エーテルパラダイスB1F デッキ

グラジオ「……皆揃ったな。ザオボー。」
ザオボー「えぇ、わかってますとも。」

ザオボーが手元に持っているスイッチを押して水中から今回使用する船を浮上させ、同時に職員が3人に支給する装備を運んできた。

【装備1】対消滅電波用防御チップ
社員から押収した特殊なカプセルと社員バッジを分析し、ネオ・ポケモンが発する有害な電波を遮断する小型マイクロチップ。
これによりネオ・ポケモンとの戦闘は可能だが、物理的な手段には弱いため、積極的にネオ・ポケモンと戦うためではなく、非常用としての運用を想定している。
後述する“防護服”と、所持しているモンスターボールに装備する。

【装備2】防護服
ウルトラ調査隊のスーツを基に作成された特殊スーツ。ポケモンの技を受けてもある程度までなら耐えることが可能。
消耗品のため、こちらも非常時を想定した運用をする。
唯一防御がないように見える頭部については、防護服に埋め込まれたセンサーが反応して頭部への攻撃を感知、素早く防御用の頑丈なヘルメットを展開する。
通信機も仕込まれており、“防護服”を装着している3人の間で通信が可能。
合計3時間だけ使うことができ、任意のタイミングで発動、解除できるステルス機能が付いている。ホウエン地方にいる“カクレオン”の特性“へんしょく”や、ヒトデマンなどが使える技“ほごしょく”を参考に搭載された。

【移動手段】エーテル製潜水艇
“メカ・カイオーガ”と同等の強度と馬力を持つ船。性能こそ同じだが、侵入時に目立ちにくいよう、見た目は普通のクルーザーと同様のデザインが施されている。
見た目に反して潜水艇であり、クルーザーのような見た目はフェイク。今回の作戦では水中を移動してネオシルフのデッキに浮上する形をとる。
 ▼ 55 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:17:09 ID:VhjIwvRA [11/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ「凄い…完成したんだ!」
コウタ「とっても心強いよグラジオ!本当に何から何までありがとう。」
ハウ「いよいよ殴り込みだね。」

グラジオ「当然のことをしたまでさ…お前らだから託せるんだ。…気を付けろよ。必ず無事に帰って来い。」
ザオボー「この私も関与した装備一式!不甲斐ない結果にはならないでしょう!」
職員(この人ただ指示出ししてばっかだったのは黙っておこう。)

コウタ「ああ…必ず、無事に帰ってみせる。全てのトレーナー達が、安心してポケモンと暮らせる世界を取り戻すんだ!」
軽く拳をぶつけ合うコウタとグラジオ。そうして3人と、操舵士の職員2人は船に乗り込む。

職員A「君たち、もう準備は良いね?」
職員B「愚問かもしれないけど、引き返すなら今の内だよ。それでも行くんだね?」

3人は黙って頷く。その眼は確かに覚悟を決めた眼だった。

職員A[…よし!じゃあ、行こうか!」
職員の合図とともに“エーテル製潜水艇”は水中へと潜り、ネオシルフ本社へ向けて潜航を開始した。
 ▼ 56 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:17:47 ID:VhjIwvRA [12/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
―――ネオシルフ本社

荒れ狂う嵐の中、ポケモンの力では超えられない人工島。
時々TVCMで流れていた華やかな雰囲気とは一転、周辺は殺伐としていた。

エーテル財団の調べによれば、深夜3時頃に一般社員が製造したショップ製品を出荷するためにデッキが開くので、入れ違うようにデッキに浮上して侵入を試みる方が成功しやすいとのこと。

予定通りに侵入が成功し、コウタ達3人は行動を開始する。
先日逮捕した社員3人は本社から派遣されていたためか、はたまた布教活動の為なのか企業のパンフレットを持参していたので、押収したこれを頼りに進む。だが肝心の製造拠点までは不明の為、本社内を探索して探さざるを得ない。

コウタ「深夜なら流石に一般社員は帰っているだろうね。…と言ってもオフィスから少し離れたところにある敷地内社員寮みたいだけど。」
コウミ「ということは今この時間でも稼働しているのは…。」
ハウ「全員、幹部社員と見て間違いないね。」
コウタ「……!隠れて!」

足音が聞こえたため、デッキ内のコンテナやフォークリフトの陰に隠れた3人。すると幹部社員と思わしき集団がとある場所へと向かっている様子が見えた。

コウタ「……あいつらだな。」
3人は社員達が曲がり角を曲がったのを確認しこっそり後に続く。壁越しに社員達が曲がった方を少し除くと、扉が開かれており、非常に大きな部屋が見えた。

少しして、部屋内にある壇上にやや背が高い1人の男が立った。


背が高い男「あー、あー、マイクテスト、マイクテスト。ただいまより、本日の定例集会を行う。集会の進行はこの私、ネオシルフ代表取締役――並びに、ネオ教団教祖“ギャランツ”が集会の進行を執り行う!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチ

コウミ(ね、ネオ教団…?)
ハウ(集会…?)
コウタ(……。)
 ▼ 57 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:18:04 ID:VhjIwvRA [13/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギャランツ「諸君らは我が社の幹部社員として我が計画に参画し、我が教団の教徒を志願した!それは何ゆえか!」
社員(以下、教徒)一同「強いポケモンを手に入れるためである!!」
ギャランツ「諸君らの気高き生産は何だ!」
教徒一同「強く気高い“ネオ・ポケモン”の『創造』である!!」
ギャランツ「諸君らの尊き活動は何だ!」
教徒一同「誇り高き神の産物“ネオ・ポケモン”の『布教』である!!」
ギャランツ「諸君らが戦うのは何の為か!」
教徒一同「異教徒や信仰しない者に対し、“ネオ・ポケモン”で行う粛清!それ即ち『聖戦』である!!」
ギャランツ「諸君らの掲げる目標は何だ!」
教徒一同「我々だけが強くなり、我らの同志のみが存在する世界を創造するための『革命』である!!」

コウミ(うっわ…。)
ハウ(これは…引くね…。)
コウタ(なるほどね…そういうことか…。)

熱狂――そう呼ぶに相応しいほどの異様な雰囲気に包まれた会場と叫びを聞き、3人は鳥肌が立った。
教徒の叫んでいる内容やトーンから伺える狂信振りに、コウタは確信する。

コウタ(社内にできた宗教団体ではあるけど…むしろ宗教団体の方が本体だね。)
コウミ(どういうこと?)
コウタ(一般入社したフレンドリィショップ事業社員とは違い、ネオ・ポケモン関連で入社した社員が幹部クラスなのはもう知ってるだろ?)
ハウ(そうだけど…。)
コウタ(一般入社はただのカモフラージュ。そもそも一般のショップ事業だけでたった半年で巨額の利益を得ているのが不自然だとは思っていた…ネオ・ポケモン関連の儲けの方が大きい。)
コウミ(じゃあ…ネオシルフの真の目的って…。)
ハウ(表向きは優良企業で、その中でネオ・ポケモン計画に賛同できる人間だけをふるいにかけること…!?)
コウタ(そして、ネオ教団とやらの目的…要するに『布教』で同志を集め、『聖戦』でそれ以外を抹殺、早い話が世界征服を達成するためだね。)
 ▼ 58 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 10:19:46 ID:VhjIwvRA [14/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コウミ(ホント狂ってるわ…これが所謂“カルト宗教”ってやつ?)
コウタ(そうだね。んで、当然ここまでどっぷり染まっている信者を説得するのは時間の無駄。状況によってはその習性を利用できそうだけどね。)
ハウ(それって…わざと相手の主張に真っ向から反論して怒らせるってこと?)
コウタ(うん。信仰で凝り固まった説なんてほぼほぼ事実無根だし、その気になれば論破は可能。その直前か直後に逆上するだろうし、それで頭に血を上らせて判断力を一瞬奪うことはできるかもしれない。
コウミ(コウタ意外と悪人だね。)
コウタ(相手は非にならないぐらいのサイコパスだし、このぐらい罰は当たらないさ。…っと、そろそろ集会とやらも終わるんじゃないかな。)

ギャランツ「…実に忌々しい!我々の崇高なる計画を破壊しようとしている異端者の手により、我らの重要な拠点が一つ潰されてしまった!そしてメディアは、ポケモンを生み出せる神の手同然たる我々をまるで悪魔の申し子とでも言わんばかりに糾弾している!」
ギャランツ「本日諸君らを呼び出した一番の目的は、彼等異端者達を処刑する準備を、予定より早く開始することを、神の名を借りてこの私ギャランツ直々に命じる!諸君!これが神の啓示である!」
教徒一同「承知致しました!全ては!我らが教団の繁栄のために!」
側近の教徒「ギャランツ教祖様、例のネオ・ポケモンが完成しました。まさに地下にある教団心臓部の守り神と呼ぶに相応しいでしょう。」
ギャランツ「うむ、あれか。よかろう!必ずや死守してくれたまえ!」



情報を得るや否や、抜き足差し足で集会場を離れ、そこから駆け足で地下へ降りる通路を探し回り始めた3人。
ここからは隠れる場所が基本的にないため、ステルス機能を発動させる。

コウタ「地下に心臓部があるなんて、いいことを聞いた!ステルスは3時間しか使えないから、できる限り余裕を残したまま見つけるよ!」
コウミ・ハウ「「了解!」」

今回は工場潜入の時と違い、教徒に構っている暇はない。一刻も早く地下の心臓部を停止させるべく奔走していた。
途中、見覚えがある側近の教徒を見かけて、コウタは指示を出した。
コウタ(お目当ての教徒を見つけた。あいつに着いて行こう。)
コウミ(あいつって、確か守り神を完成させたって聞いたわ。)
ハウ(ならそもそも戦わなければその守り神も用意する暇はないなず!)
コウタ(そゆコト!さ、急ごう!)

側近を追って進むと、長い一本道に出た。その先で側近が立っている奥にはエレベーターがあり、これまで捜索中に見たエレベーターと違い、唯一「B1」という表記があった。
コウタ(間違いない、あれだな!)

エレベーターに乗り込もうと駆け足で近寄るコウタ達…しかし、そこで異変が起こった。
 ▼ 59 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:39:22 ID:VhjIwvRA [15/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

バチッ…ヂヂヂヂ…

コウタ(な、何!?)
コウミ(ぼ、防護服の首の後ろから煙が…!?)
ハウ(……・えっ、嘘だ…これは…!)

突如コウタ達の防護服の首後ろから煙が出、次の瞬間、ステルスが解けてしまった。
コウタ「どういうことだ!故障か!?」
コウミ「嘘…何で…!?」
ハウ「まさか…失敗作!?」
コウタ「でも、確かに動作テスト時は何も問題なかったはず…!」

側近「おやおや、君達は見かけない顔だなぁ。入信希望者かなぁ?」

拳を鳴らしながら、エレベーター前にいた側近が近寄ってきた。

コウタ「……生憎と、人殺しの仲間になんかなる気はないんでね。」

ここでコウタは最初に考案した挑発作戦に出る。心臓部目前まで温存できたのは大きいと考え、もう勝ちを確信していた。

コウタ(コウミ、ニョロボンのモンスターボールを構えていてくれ。あいつがキレた瞬間に出して、“さいみんじゅつ”で眠らせるんだ。)
コウミ(わかった、下準備は任せたよ!)
 ▼ 60 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:39:48 ID:VhjIwvRA [16/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
側近「人殺しなんて人聞きが悪いな…最新の技術で育成の手間を省いているだけだ、誰も死にやしないさ。」

コウタ「……なら聞くけど、ここ最近話題になっている、『人が消えていく現象』はどう説明するつもりだ?」

側近「印象調査によるデマだろ。仮にそんな現象が実在しても、俺達以外が原因だ。俺達は強いポケモンが欲しいだけ。そしてこの考えを理解できる民を集めているだけさ。」

コウタ「ここ最近のニュースから僕も調べたが、死因はお前らみたいな連中とバトルした後の消滅が10割を占めているし何よりその現場は既に目撃している。そもそもおかしいだろ。勝手にトレーナーどころかポケモンや所有物まですべてきれいさっぱり消えるなんてな。」

側近「……あんまり俺達の技術に嫉妬しているからって調子に乗るなよ小僧!!」

コウタ(OK、予想通り逆上したか…とは言っても防御チップは無限に使えるわけじゃない以上、極力戦闘数は避けたい。もし使えなくなってしまったら奴らとの戦闘=死だ。そこで…)

コウミ「ニョロボン出てきて!“さいみんじゅつ”!」
ニョロボン「にょろろ!」ピロロロロロ

側近「ぐあっ!て、てめぇら…。」

コウタ「キレ過ぎて僕以外が見えていなかったようだな。悪いけど先を急がせてもらうよ。」
ハウ「やったねコウミ!」
コウミ「これでしばらくは起きないはずよ。ニョロボン、戻って!」
コウタ「あいつらは地下への入り口前にガーディアンを用意したらしい、そいつらが来る前に急ぐよ!」
 ▼ 61 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:40:06 ID:VhjIwvRA [17/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

しかし、先に進もうとしたとき、突如足元に電撃が走った。

コウミ「これは…“エレキフィールド”!?」
ハウ「な、何でこんな時に!」

側近「へっ…おかげで目が覚めたぜ…もうお前らは終わりだ。」ニチャァ

目が覚めた側近が邪悪な顔で笑うと、3人の後ろから突如2匹のポケモンが姿を現した。

コウミ「なっ…カプ・ブルルにカプ・レヒレ!?」

カプ・ブルル(?)「ぶるる…。」
カプ・レヒレ(?)「れれれ〜。」

コウミが驚いている間に、反対側からさらに2匹が姿を現した。

ハウ「カプ・コケコに、カプ・テテフだ…!」

カプ・コケコ(?)「こけっ。」
カプ・テテフ(?)「ててて〜。」

コウタ「この“エレキフィールド”は、カプ・コケコのものだったのか!」
コウミ「何でこんな時に来たの!?」
ハウ「なんか、いやな予感がするよ〜…。」
コウタ「たぶん、その予感は当たってる。」
 ▼ 62 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:40:25 ID:VhjIwvRA [18/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カプ・コケコ(?)「こけーーーーっ!!!」

バチィィィィィ!

コウミ「あ、危ない!」
間一髪、“10まんボルト”を避けた3人。
コウタ「やっぱり、こいつらはネオ・ポケモンだ!いないと思ったらもう潜伏していたのか…!」
コウミ「ステルス機能が壊れたのも、この偽カプ達の仕業ってこと!?」
ハウ「守り神を冒涜するような真似を…許さない!」

側近「ははははは!正にここを守る守り神だろう!さぁカプ達よ!奴らに制裁を与えるのだ!」

コウタ「戦うしかないか…!ヌメルゴン、頼む!」
ハウ「ジュナイパー、行くぞ!」
コウミ「お願い、ガルーラ!」

ヌメルゴン「ぬめぇーーごんっ!」
ジュナイパー「ジュナァッ!!」
ガルーラ「がるぅっ!」

側近「強くなるためにはどんな手段を使ってでも周りを蹴落とすべき!ネオ・ポケモンはそれを最速で叶えてくれる合理的な存在なのだ!行くがいいカプ達よ!!」
コウタ「お前達には何を言っても無駄なのは承知している。だから力づくでも止めさせてもらうぞ!」
 ▼ 63 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:41:27 ID:VhjIwvRA [19/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コウタ(まずは僕とコウミで出来る限り4匹を引き付ける。比較的耐久力があるこの2匹なら大丈夫だ。)
コウミ(あとは…ジュナイパー次第!)

ネオ・コケコ「コケェーッコッコ!!」
ネオ・レヒレ「レレェーーッ!」

“マジカルシャイン”と“れいとうビーム”が飛んできた。コウタとコウミも応戦する。
コウタ「ヌメルゴン、“だいもんじ”!」
コウミ「ガルーラ、メガシンカして“いわなだれ”!」

ヌメルゴン「メェッゴォ!!」
ガルーラ→メガガルーラ「ガルルルゥーッ!」

ヌメルゴンが放つ大の字の炎はネオ・レヒレの冷気を打ち消し、メガガルーラの落とした岩はネオ・コケコが放った光を防ぐ盾となって砕けた。
ネオ・ブルル「ブルルルゥーッ!」
“ウッドホーン”の構えを取り、突進してくるネオ・ブルル。コウタは「かかった!」という顔をしてヌメルゴンに指示を出す。

コウタ「ヌメルゴン、君の特性なら無傷で防げるはずだ!引き付けて“だいもんじ”を…っ!」
コウミ「ど、どうしたのコウt…きゃあっ!」
ハウ「うぐぅっ…!」

突如、3人の動きは封じられた。無邪気で残酷な――否、無機質で邪悪な笑顔で3人を嘲笑うネオ・テテフの“サイコキネシス”であった。

ネオ・テテフ「〜〜〜〜♪」キュィィィィィ…

側近「これから我々が仕掛ける聖戦の前祝いだ。お前たちをこの場で処刑してやるぜ!」

コウタ「くそっ…!」
ハウ「間に合えっ…!」
 ▼ 64 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:41:48 ID:VhjIwvRA [20/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドスッ!!

ネオ・テテフ「……!?」ドサッ

突如ネオ・テテフが倒れ、拘束が解けた3人。

側近「……!しまった…そいつがいたか!」
一撃で倒されたネオ・テテフには黒い矢が刺さっており、その背後にはジュナイパーがいた。
ネオ・テテフはトレーナーが消えた時と同じような光に包まれ、割れたガラスの破片のように消えていった。

ハウ「ジュナイパーは気配を消して狙い撃ちするのが得意だからね。“かげぬい”で偽のカプ・テテフさえ倒せばもう邪魔はされない!」
側近「…!偽物だと…貴様ぁ…!」
コウタ「よし、今だヌメルゴン!“だいもんじ”!」
ネオ・ブルル「ぶ、ぶるるぅーっ!」
すかさず放たれた大の字の炎がネオ・ブルルを包み込み、炎が消えた頃には、ネオ・ブルルは跡形もなく消滅していた。。

コウミ「私達も続くよ!ガルーラ、“おんがえし”!!」
メガガルーラ「ガルゥーッ!」
子ガルーラ「がるぅーっ!」

ネオ・レヒレ「れ、れれぇっ…!」

メガシンカしたガルーラから放たれる怒涛の連続攻撃に、ネオ・レヒレはあえなくダウンし、光となって割れた。
側近「ば、ばかな…3匹とも一撃だと…!?」

ハウ「あとは…。」
コウミ「あいつだけだね…!」

残ったネオ・コケコに視線が集中する。勝利は目前だ。
 ▼ 65 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:42:47 ID:VhjIwvRA [21/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

側近「…おのれおのれおのれぇ!このまま生きて帰れると思うなよ!」
そう叫ぶや否や、側近はポケットから小型の装置を取り出し、ネオ・コケコに向けてレーザー光を照射した。

ネオ・コケコ「こ、こけぇっ…!?………コケェァ、アアァァァァァ……!!」

光を浴びたネオ・コケコは突如白目を剥き、すぐに異変が起こった。
目は血のような深紅に染まり、身体から凄まじい赤いオーラを放つ。

コウミ「な、何なの!?」ビリビリ
ハウ「近くにいるだけで…肌がピリピリする…!」
コウタ「なんて殺気だ…おい!一体何をした!」

側近「はははは!こうなれば手段は選ばん!このカプ・コケコのステータスを限界以上に引き上げたのさ!」

コウタ「な、なんだt

ヒュッ!

ネオ・コケコ(暴走)「○△#&☆※$?Σ!」
ズドン

コウタ「がはっ…!」

コウタが言葉を言い終わる前に、ネオ・コケコは目にも止まらぬ速さでコウタの目の前に現れ、腹にタックルをした。
防護服のお陰で致命傷は免れたが、突然の直接攻撃に加え、壁に打ち付けられたため、スーツ越しに凄まじい痛みに襲われる。
 ▼ 66 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:43:09 ID:VhjIwvRA [22/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハウ「コウタ!だいじょうb(ズドン!……うあっ…!」
ネオ・コケコ(暴走)「×◎=♪Δ☆/@*÷?!」

立て続けにハウも突き飛ばし、その場で3人めがけて放電した。
バリバリバリバリバリバリバリ

3人「うわあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

スーツの自動ヘルメット機能により、全身は防御できたが、完全には防げず3人はその場で倒れてしまった。
その様子を見て、側近教徒は狂ったような高笑いを上げ、コウタの頭を踏みつけながら叫ぶ。
側近「はははははははっ!悪く思うなよ小僧共!強くなるためにはな、まずは周りの奴らをどんな手段を使ってでも蹴落とすべきなんだ。ネオポケモンは最も手っ取り早い画期的な手段なんだよ!それを理解できないばかりか、ここまで邪魔するのなら消えてもらうぜ!」

ネオ・コケコは倒れているコウミの頭を掴んで持ち上げ、徐々に力を強くしていった。
コウミ「いやあぁ…!あぁ…!痛い…痛いよぉ…!」ギリギリギリギリ

側近「そうだ!まずはお前だ!そこの2人!冥土の土産によーく目に焼き付けておけ!お前達の仲間のカワイ子ちゃんの頭が、目の前で潰される様をなぁ!」

コウタ「く、くそっ…コウミを…放せ…!」
ハウ「うぐ…人の心を失った悪魔め…!」
手を伸ばすもコウミには届かない、その様子を見て側近は嘲笑う。
側近「安心しな!すぐにお前達もこいつの後を追わせてやっからよぉ!お前達が盾突いた神から最後の慈悲だぁ!」
 ▼ 67 ケ脅のうp主◆6NpEuhCrOQ 19/11/13 22:43:31 ID:VhjIwvRA [23/23] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

もう駄目かと思われた、その時だった。

????「シルヴァディ!“マルチアタック”!

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