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悪友とValentine's Day

 ▼ 1 ジギガス@わすれもの 20/02/06 22:48:33 ID:8Q8YG4jU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブソル「生クリームは温めてから入れてよ」

グラエナ「わかってんよ」


バレンタインも間近に近づいた頃彼等はスマホでレシピを見ながらチョコレート作りに勤しんでいる。

アブソル「そのチョコは後で溶かして…………君は先走りすぎだからモテない」

グラエナ「んだとてめぇっ!?表出ろ!」

ヘルガー「喧嘩をするなと言ってるだろう、誰に作っているのかは知らないがもし良かったら手伝おう……」

アブソル「大丈夫だよ、大事な人のために2人で作るって決めてるから」

ヘルガー「そうか」

遮ってまで助力を断るとは珍しいこともあるもんだ。普段の彼等ならことある事にヘルガーに助力を求め彼もそれに応じた。だが今回は違うようだ。

ヘルガー(あいつらにも好きなやつが出来たんだな)

小さい頃から一緒だった幼馴染が恋を覚えた。そのために頑張っている。大人の階段を登り始める幼馴染に少しの寂しさを覚えつつ彼もまた困り事を抱えていた。

ヘルガー(台所暫く使えないな……)

彼もまたバレンタインのチョコ作りを考えていたのだが台所は先述した通りアブソルとグラエナが占領しているためか使えない。

ヘルガー「『台所借りに行ってくる』……と」

古い洋館の2階の絨毯でくつろいでいるであろう血の繋がらない姉のスマホにLINEを送る。すると、
『バレンタインでしょ?行ってらっしゃい気をつけて』

数分後に返事が来た。
 ▼ 2 ークライ@あさせのかいがら 20/02/07 17:47:22 ID:tnRcDq1. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘルガーは必要最低限の荷物をまとめるとカエンジシのノッカーの着いた扉を開けてある場所へと向かう。

ヘルガー(ダメもとで押しかけてみるか……)

その前にスーパーで必要なものを買ってこなければ。
町外れの鬱蒼とした森の木々に囲まれた自分達の住処である住む人間もいなくなった古びた洋館を一瞥すると町の方へ歩みを進めた。
 ▼ 3 ーイーカ@しめったいわ 20/02/08 21:09:39 ID:f/CwJY.o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニンフィア「ビターに決めよっと」

彼女は今年も彼氏のサザンドラに手作りチョコを送る予定だ今年は趣向を変えて大人っぽくビターなチョコを。

ピンポ‐ン

インターホンが鳴る。彼女の家族は出かけていて彼女はひとりきりだがもう帰ってきたのだろうか。

ニンフィア「はーい」

ガチャ、とドアを開けるとそこに居たのはクラスメイトだった。

ヘルガー「台所貸してくれよ」

ニンフィア「そんな頼み事は最初で最後ね」

ヘルガー「Meltykissやるから」

ニンフィア「あがってちょうだい」

無事に許可が降りたようだ。ヘルガーはリビングに上がると材料を置いた。

ヘルガー「助かった、うち今台所使えなくて」

ニンフィア「何処も彼処もバレンタインだものね、あのイケメンくんと不良くん?」

ヘルガー「いい加減名前覚えろあとアルは♀」

ニンフィア「アブソルくん?女の子にしてはだいぶ無理がある言動してない?」

ヘルガー「気にすんな、それより作るぞ」

強引な話題転換をしてチョコレート作りに取り掛かった。
 ▼ 4 ッウ@べにいろのたま 20/02/10 17:38:39 ID:6T0MtkLE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニンフィア「サザンドラくん最初は怖い子だと思ってたけど結構ウブなんだよね」

ヘルガー「意外だよなあんな図体大きくて怖いのに」

バゲッドの焼ける香ばしい香りとチョコレートの甘美たる芳香はまさしく至高のマリアージュ。コーンフレークの砕ける音は子気味いい。
ニンフィアはビターチョコのラスクを、ヘルガーはクランチチョコを作っていたのだ。

ニンフィア「あとはラッピングだけ、と」

ヘルガー「これでいいか?百均のだけど」

スーパーの隣にある百均で買ってきたラッピング用の小箱、クラフト紙袋、ハート柄の可愛らしいビニールのラッピング袋。

ニンフィア「結構センスいいのね」

ヘルガー「目に付いたの適当に買ってきた」

ニンフィア「早速つつみましょうか」

ラスクを一つ一つ小分けの袋に包んでから丁寧にクラフト紙の紙袋に立てて入れる。

ニンフィア「これでよし、と」

ヘルガー「赤リボンはアル、青リボンはエナと……」

棒状のクランチチョコであるが袋は同じ柄。しかしリボンの色は変えている

ニンフィア「変なとこ真面目ね」

ヘルガー「いい加減に生きてみたいもんだ」
彼自身も時折、自身の几帳面さを恨めしく思ってしまうようだ。

ニンフィア「ところで約束のMeltykissは?」

ヘルガー「いちごでよけりゃ」

ニンフィア「最高、めったに食べられないのよね」

2人で協力すれば沢山使った食器もすぐ洗い終えて片付く。
これは2人の秘密と約束してゆっくりとMeltykissを味わう。
 ▼ 5 ッチール@ニビあられ 20/02/10 22:06:12 ID:6T0MtkLE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニンフィア「Meltykiss美味しいけど置いとくといつの間にか食べられちゃう」

ヘルガー「あるある」

ニンフィア「ヘルガー君の家もそうなんだ」

同じクラスの同級生。ただそれだけの存在であるがこうして2人きりで話が出来ているのは同じ目的を遂行したが故か。

ニンフィア「そう言えばヘルガー君は同じクラスだけどあまり喋ったことがなかったね」

ヘルガー「いつも同じメンツと話してるからなLINEのグルチャには入ってるけど」

ニンフィア「友達はもう十分かもしれないけどよかったらならない?」

ヘルガー「フェアリーは初めてだけど良けりゃ」

ニンフィア「じゃあ、LINE交換しようえっとふるふるするね」フルフル

ヘルガー「了解」フルフル

バレンタインをきっかけにして新たな友情が生まれた瞬間だった。

ヘルガー「あ、そうだニンフ、台所と友達の礼と言っては何だがお前にいい手を教えてやるから耳貸せよ」

ゴニョゴニョ……

ニンフィア「はぁッ?!わ、わたしがそんなこと出来ないっ」

ヘルガー「ニンフのふいうちなら効果抜群だろ」

ニンフィア「だ、だからといってそんな……」

ヘルガー「昔の歌にもあるだろ『とっておきのシャレたチョコレート それは私の唇』って」

ヘルガー「ま、とにかくやってみろ、今日はありがとな」

なにか言おうとするニンフィアを無視し改めて礼を言うとヘルガーはそそくさとニンフィアの家を後にした。
 ▼ 6 ボミー@エレベータのキー 20/02/11 01:31:48 ID:zJCggHXg NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 7 エトル@かおるキノコ 20/02/11 15:59:12 ID:NX9c.nBE NGネーム登録 NGID登録 報告
帰宅すると彼等は漸くバレンタインのお菓子を完成させラッピングもし終えたようだ。台所の洗いカゴにはチョコを溶かす時に使ったであろう金属製のボウル、湯煎の湯を入れたガラスのボウル、食器が置かれていた。

アブソル「おかえり、ヘルガー。台所占領しちゃってごめんね」

ヘルガー「ニンフの台所借りてきた、ついでに友達にもなってきた」

アブソル「ニンフィアと友達…………いいな、僕のこの美貌を持ってしても彼女はまだ心を開いてくれない……!」

ヘルガー(そりゃそうだろうな)

こういうナルシストなところが残念なのだろうなと内心溜息を吐く。
そう思っているのは彼だけではなく

グラエナ「そういうがあっからサーナイトが冷たいんだろ」

アブソル「何故?僕ほどかっこよくて気遣いのできる王子様はいないよ」

グラエナヘルガー(ダメだこいつ早くなんとかしないと……)

レパルダス「あんたたち今日は早めに寝なさい明日は大切な日なんでしょ?目の下にクマなんて作るもんじゃないわ」

血の繋がらない姉──レパルダスが徐に2階から降りてきて忠言をする。

ヘルガー「そうする、姉さん。今日の飯は何?」

レパルダス「ハンバーグ、ばあやと作ったから手を洗ってダイニングに来なさい」
 ▼ 8 ダイジャ@まんまるいし 20/02/12 16:51:57 ID:j3PcLsdo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
夕飯を済ませ風呂に入ると夜の10時になっていた。

アブソル「とうとう明日か、早いね」

グラエナ「だよなぁ……上手く言えっかな俺たち」

ヘルガー「心配するな、どんなに不格好でも「好き」って言えれば伝わる」

アブソル「ありがとう!やっぱり君は頼もしいよ(好きな人はそばにいるんだけどね……)」

ヘルガー「どういたしまして」

幼馴染2人の告白が成功したならば恐らく3人で過ごせる時間も減るだろう。自分のやろうとしていることは重くはないだろうかと自問自答する。

ヘルガー「俺も明日は上手くやらないとな」

1人、そっと呟くと2人を寝室へ促して自分は最後に眠りについた。
 ▼ 9 ドグラー@いでんしのくさび 20/02/12 22:06:56 ID:j3PcLsdo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──2月14日
ヘルガーはアブソル達に呼び出されていた。
緊張して不安になるのはよくある事だ。自分が渡す相手はもう決まっているので向こうから来てくれたのは好都合。だが今は目の前の幼馴染を助けるのが先決だ。

ヘルガー「どうした?ああ、勇気づけて欲しいのか?最初は誰でも緊張する……」

アブソル「いつもありがとう!君には助けられてばかりだからさ……これ」

予想は裏切られた。自分に向けてチョコを渡されるとは思っていなかったヘルガーは豆鉄砲をくらった顔をしている。
 ▼ 10 ジョフー@とんでもこやし 20/02/12 22:48:02 ID:j3PcLsdo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヘルガー「好きなやつに渡しに行くんじゃなかったのか?」

アブソル「君がその好きな人だよ」

グラエナ「いつも世話になってるし、これからも仲のいい幼馴染でいてぇからよ2人で頑張って作った」

ヘルガー「開けてみていいか?」

クラフト紙の小箱のリボンを丁寧に解くとそこにはホワイトチョコレート、いちごチョコ、ミルクチョコレート計3つのミニチョコタルトが入っていた。

ヘルガー「なかなか上手くできてるな」

アブソル「ありがとう、本当はデコレーションしたかったけど上手くできなくて」

確かに言われてみればタルト生地にチョコを流し固めただけのようだ。好きな人、とは自分の事だったのか。なんだか照れ臭い気分になりつつもこちらも作ったものを渡す

ヘルガー「ありがとよ、凄く嬉しい、俺もお前らに作ったから受け取ってくれるか?」

クローバー柄の小袋でラッピングされた赤いリボンで結ばれたものをアブソルに、青いリボンのものをグラエナに手渡す
リボンを丁寧に解くと……

グラエナ「……?なんだこれ」

ヘルガー「チョコクランチ、こういうの好きだろ」

グラエナ「すげぇ手かかってんな流石ヘルガー」

ヘルガー「溶かしたチョコにコーンフレーク入れて適当に成型しただけだ」


アブソル「それでも凄いよ、ありがとう嬉しい!」

ヘルガー(良かった喜んでくれて)

アブソルとヘルガーの喜ぶ様子に頑張った甲斐がある、とホッと胸を撫で下ろす
 ▼ 11 はアブソルの喜ぶ様子 20/02/13 20:35:45 ID:LAvYHECI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブソル「これからどうしようかみんなで食べる?」

ヘルガー「そうだな、レッツシェアバレンタイン」

グラエナ「レッツシェアポッキーだろそれ」

ヘルガー「お前はツッコミが向いてるな」

グラエナ「嬉しくねぇ」

アブソル「いいから部屋行こ部屋」


──リビングへと移動すると貰ったものを袋の上に広げてお互いに交換し合う。

ヘルガー「自分で言うのもなんだけど上手くできたな」

アブソル「このザクザク感たまんないね」

グラエナ「次は2層でやってみるか」

ミニチョコタルトをひとくち齧り、次回作についての構想を練る。すると……

レパルダス「あんた達の?GODIVAあげるからひとつちょうだいな」

GODIVAが交換条件のようだ。断る理由はない。

ヘルガー「やっぱりGODIVA最高だな。滅多に買えねぇし」

レパルダス「あんた達学生だから仕方ないわ、大人になってからよ、これ結構美味しいじゃないあんたなの?」

ヘルガー「それはアルとエナが2人で作った」

レパルダス「えらいえらい、私は手作りなんてとうの昔に諦めたもの」
よしよし、とアブソルとグラエナの頭を撫でる。アブソルは控えめにすり寄る。

アブソル「姉さん好き」

レパルダス「どういたしまして」
 ▼ 12 ニドリル@ポロックケース 20/02/14 17:34:31 ID:Xa..VSt6 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブソル「『家族』になってから初めてのバレンタインだね」

レパルダス「そうね、血の繋がりがなくても立派な『家族』よね…………来年は私も一緒に作ってみようかな」

アブソル「言ってくれれば混ぜたのに」

レパルダス「一生懸命に準備してるのが見えたら邪魔しちゃいけないと思って……」


???「ただいまー」
 ▼ 13 ックウザ@フライングメモリ 20/02/14 19:30:18 ID:Xa..VSt6 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニドクイン「ただいま、何処も彼処もバレンタインってやつは喧しいねまぁいいや、これでも食いな」

“ばあや”の正体はニドクイン。彼女もまた彼等とは血縁関係はない。が立派な『家族』の長である。そしてそのばあやが差し出したのはこの時期によく売られる例のものであった。

ヘルガー「大きいチロルチョコだな」

アブソル「知ってる、大きい箱に色んなチロルチョコ入ってるやつでしょ」

ニドクイン「ま、今日はバレンタインだし多少豪勢してもバチは当たんないよ、あ、そう言えば台所に置いたままの小袋はなんだい?」

ヘルガー「手作りの余り、母さんも食べるか?」

レパルダス「なんだまだあったのね、遠慮なんてするんじゃなかった」

ヘルガー「正直GODIVAの時点で手作りは負けたなって」

ニドクイン「手作りでも既製品でも気持ちがこもってりゃいいのさ!パーとやっちまおう!」

─────────

・・・・・・・・・・・・

アブソル「そんなにがっついたら体に良くないよ」

グラエナ「うるせぇなこの世は弱肉強食なんだよ」

レパルダス「喧嘩しないのまた明日食べればいいじゃない」

ヘルガー「見慣れた景色だな」

ニドクイン「まぁ仕方ないさ」

口争い諌める3者の光景に呆れつつもこの代わり映えのない日常が当たり前のような光景になったことに漸く自分は口争う2人以外の安寧を──レパルダスとニドクインに心を開けたのだと噛み締める。




 ▼ 14 クティニ@アシレーヌZ 20/02/14 21:04:54 ID:Xa..VSt6 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バレンタイン。




恋人同士の甘い一日……だけではなく




家族や家族同然に大切な友人に感謝や恒久の友情を込めて送るものかもしれない


〜fin〜
 ▼ 15 嚇マホイップ◆6DpriP2/kQ 20/02/14 21:05:35 ID:Xa..VSt6 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おまけ
ニンフィア「サザンドラくん、これ……!」

一方ニンフィアも彼氏であるサザンドラに手作りのチョコラスクを渡していた

サザンドラ「ニンフィア……嬉しい、すごく嬉しい」

ニンフィア「あのねサザンドラくん、目、閉じて欲しいな」

サザンドラ「おう」キュッ

チュ

リップ音が小さく響く。柔らかな唇の感覚。そう、これは

ニンフィア「……とっておき、なんだから」

サザンドラ「ニンフィアっ……」/////


ニンフィア(効いてる……でもやったわたしが1番恥ずかしいっ……!/////)




───fin────
 ▼ 16 嚇マホイップ◆6DpriP2/kQ 20/02/14 21:09:08 ID:Xa..VSt6 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今度こそおしまいです
 ▼ 17 ムパルド@チョークいし 20/02/15 20:29:18 ID:tGK21.06 NGネーム登録 NGID登録 報告
おっつおつ!
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