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【SS】ポケモントレーナーの夏休み

 ▼ 1 軒轅犬◆fQDOvBgv9M 20/08/23 02:39:08 ID:jPSY/DAY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
鳴き声が聞こえる、テッカニンの鳴き声だ

いつのまにか朝になっていた、今日から夏休み。俺は旅に出ることに決めていた

バッグを手に取り背中にかけ、床で寝ている相棒のポケモンを起こし親に告げる

行ってきます、と

親から反応はない、2人とも寝ているのだろう

玄関のドアを開けると目に映るのは色んなポケモンと色んな人たち

今は夏休み、色んな人が色々な所に行ける、色々な事が出来る

「見てあの人、ピカチュウを連れてる」

俺の相棒に注目が集まっている、俺はピカチュウを肩に乗せ話しかけた

「さぁ、行こうぜピカチュウ」

ピカチュウは元気よく返事をしてくれた、今日も俺たちの冒険が始まる
 ▼ 2 軒轅犬◆fQDOvBgv9M 20/08/23 02:49:56 ID:jPSY/DAY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「よっしゃ!明日から夏休みだぜ!」

みんな楽しそうに話している、夏休みの事を

どこに行くか、プールに行こう。何をするか、ポケモンバトルをしよう

羨ましい、特にポケモンバトル…だけど俺は


「はい、皆さん静かに。明日から夏休みですね」

先生がうるさい人達を静かにした、すごいなーと思う

「なあなあ、お前も明日遊びに来ないか?」

話しかけられた、言うことは決まってる

「ごめん、明日からポケモンバトルの夏期講習が始まるんだ…だから遊べない」

「そっかー残念だな、また遊べたら遊ぼうぜ!」

「うん!」

親が優秀なトレーナーで俺も優秀なトレーナーにならなくてはいけない、親を超えなくてはいけない

自分で言うのも変だけど俺はポケモンバトルが強い、昔からずっと一緒に暮らしていた相棒ピカチュウのおかげだ

俺とピカチュウの相性は抜群、最高のポケモントレーナーになれる

ピカチュウを肩に乗せながら家へと向かう、玄関のドアを開けた時目の前にお母さんとお父さんがいた

そして言われた

「ピカチュウなんて連れてないで、もっと強いポケモンをパートナーにしなさい」

それからはいつものように長い話が始まった、強いポケモンの名前を言った後に延々と何故強いのかを説明…

俺はピカチュウと共に強くなりたい、ずっとピカチュウといたい

夏休みもない、遊べる友達もいない、両親は毎日うるさい、ピカチュウは唯一の癒しだった

のに

翌日にはピカチュウはいなくなっていた、そのかわりフカマルとドラメシヤがいた

焦る、心臓がものすごい早さで鳴る、ドキドキと高鳴る

嫌な予感がする、最悪な事が起きる、これは夢だと信じたくなった

どこにもいない、どこにもいない、どこにもいない

いつも遊ぶ森の中も、毎日ご飯を食べる場所にも

もしかしたらもう…本当にどこにもいないのかもしれない

あ…
 ▼ 3 軒轅犬◆fQDOvBgv9M 20/08/23 03:02:22 ID:/zEMFDJM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウを肩に乗せ冒険に出かけた

みんなが俺たちを見ている、そんなに目立つ格好をしているのかな?

歩いていると目と目があった、ポケモンバトルの始まりだ

目があったトレーナーに話しかけるが

「いや、ほんと無理なんですごめんなさい」

何故か断られてしまった、彼にも事情はあったのだろう

だけど…目と目があったのにポケモンバトルをしないのはルール違反ではないか?と疑問

細かいことはいいか、と歩き始める

目と目があうたびに話しかけ、ポケモンバトルを持ちかけたが全部断られた

ポケモントレーナーにも夏休みがあるのだろうか?でも俺は夏休みだけどポケモントレーナーをしている

ポケモントレーナー、ポケモントレーナー、ポケモントレーナー…

ピカチュウ無しの強さを求め、強いポケモンだけを使い、強いトレーナーになるため腕を磨き

甘えを捨て全力で相手をする、強いポケモンを使って

自分の好きなポケモンでは勝てない、勝てなければお小遣いが貰えない、生活ができない、生きていけない

ポケモントレーナーとは極めると仕事になるのだ、仕事に

お前の将来を決めてやる、強いポケモントレーナーになり小遣いを稼ぎテレビ出演その他諸々で金を稼いで幸せに暮らすこと

これが一番幸せなんだ、ポケモントレーナーはこの世界の中心。ポケモンは人間と切り離せない!切り離せるわけがない!

よく聞け、ポケモントレーナーは仕事だ。趣味ではない、仕事なんだ

仕事は生きるためにする、仕事は他の人の生活を支えるためにする、だがポケモントレーナーは違う

自分だけで生きるための仕事なのだ、たまには観客を喜ばせもするが違う

強ければ強いほどポケモントレーナーとしての価値は上がる、強いポケモンを使えば簡単に勝ち組になれるのだ

強いポケモンを強く使い、ポケモン勝負だけで食っていけるようになる

それがパパと同じポケモンマスターなんだ、パパはポケモンバトルだけで家庭を支えている

ピカチュウなんていらない、パパの戦術を教えよう、このポケモンに覚えさせる技は…

「違う、夏休みだ、夏休みなんだ…夏休み夏休み夏休み」

お前には失望した、この家から出て行け

どうしても出て行かないか…何?ポケモンバトルで決めよう?

プロを舐めてはいけない、素人のバトルはただの趣味にしかならない。だがプロのバトルは立派な仕事になるんだ

何故…それほどの実力を持って一緒に働かない?そんなに夏休みが欲しいのか

お前の求める夏休みって…なんなんだ
 ▼ 4 軒轅犬◆fQDOvBgv9M 20/08/23 03:14:46 ID:jPSY/DAY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「一緒に遊ぼう!ポケモンバトルをしたりさ!」

「ごめん…無理なんだ」

「ポケモンバトルしようよ!」

「ごめん…あなたとは無理」

「ポケモンバトルをさせてください」

「君とは出来ない」

夏休み、夏の休み。夏休み、夏から休み。同じように見えて全然違う

働いた、働いたさ…パパの言う通りポケモンバトルで

強いポケモンを使ってうまく立ち回り一時期話題になったじゃないか

仕事には休みが必要だろ?なんで休ませてくれないんだ

ポケモントレーナーは趣味なのか?仕事なのか?

仕事をするために自分を偽らないといけないのか?

本当の自分を隠して社会に溶け込み、本当の自分をさらけ出せずに内に留めてみんなに合わせるのが仕事なのか

ポケモンバトルは好きなポケモンで強くなってはいけないのか?なんでそんなに絶対的な強さを求める?

強ければ強いほどいいのは当たり前、社会に出ても通用する

通用しないと思った?社会に夢を見過ぎじゃないか?

長所はなんですか?はい、ポケモンバトルが強い事です

なるほど、それではどんなポケモンを使いますか?

なるほど…残念ですがここで不採用です。あなたを利用する価値はありません

はっきり言われた記憶が残る

需要を考えなければいけない、個人で満足しているようではとても生きてはいけない

自分の好きなものよりもみんなの好きなものを使うか、自分をキッカケにして自分の好きなものを他人に押し付けみんなの好きなものにするか

好きなポケモンを使って勝てるのは素晴らしい、だけどこれを見てくれ

みんな絶対的な強さを求めているんだ、特定のポケモンを馬鹿にし特定のポケモンを絶賛し続ける

ここでは君個人の好き嫌いなんて求められていないんだ、みんなが好きなものが好きでみんなが嫌いなものが嫌いか求められているんだ

君のような自分勝手な人間は…やめた方がいいんじゃないか?

しかし…私は好きな事で仕事をしたいんです

じゃあ自分で作れば?需要の大切さがわかるさ…

確かにわかった、仕事をするのには向いていなかった

パパな言う通りだったのだ
 ▼ 5 軒轅犬◆fQDOvBgv9M 20/08/23 03:33:14 ID:/zEMFDJM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>4訂正:パパの言う通りだったのだ

ポケモントレーナーを休み趣味に没頭することにした

あれ?でも俺の趣味はポケモンバトルだ

趣味を仕事にする事は可能なのか…?

仕事という要素がちょっと入っただけで趣味では無くなるのでは?

やりたい事とやるべき事、趣味と仕事

趣味をするのにもってこいなのは休みだ

俺はもう趣味に没頭する、没頭するためには長い休みが必要だ

そうだ夏休みだ、夏休みならば趣味に没頭できる

鳴き声が聞こえる、テッカニンの鳴き声だ

いつのまにか朝になっていた、今日から夏休み。俺は旅に出ることに決めていた

バッグを手に取り背中にかけ、床で寝ている相棒のポケモンを起こし親に告げる

行ってきます、と

親から反応はない、2人とも寝ているのだろう

玄関のドアを開けると目に映るのは色んなポケモンと色んな人たち

今は夏休み、色んな人が色々な所に行ける、色々な事が出来る

「見てあの人、絶対ニートだよね」

「それなー肌着で外に出るとかマジありえない」

俺の相棒に注目が集まっている、俺はピカチュウを肩に乗せ話しかけた

「さぁ、行こうぜピカチュウ」

「え…?ピカチュウ?ヤバくない?」

「独り言…?怖くね?」

「無理無理、ヤバイって絶対」

ピカチュウは元気よく返事をしてくれた、今日も俺たちの冒険が始まる



「今日は遅くなる…あいつは?」

「外に行ったわよ、今まであの子に使ったお金…もったいないわホント。毎日おかしい事してばかりで…」

「今まで投資したお金、きっと倍くらいになって返ってくると思ってたのに…無駄金だったわ」

「……夏休みが終わればきっと元に戻るさ」

おわり
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