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SS

おっさん「今日はハロウィンか〜ガキ共にお菓子あげたくねーな」ピカチュウ(俺のポフレは誰にも渡さねぇ!)

 ▼ 1 軒轅剣◆fQDOvBgv9M 20/11/07 20:34:55 ID:8t/MotPM [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ピーピカチュウ、ピッカァ!」

おっさん「おー?どうしたんだピカチュウ、ポフレ欲しいのか?」

ピカチュウ「ピカ!ピカピカ!!」

おっさん「すまねえなぁ…この街の伝統なんだよ、毎年この日はガキにお菓子をあげるって決まってるんだ」

ピカチュウ「ピィ…」

コンコン、とノック音が聞こえた

おっさんはポフレを適当に掴み、ドアノブに手をかける

おっさん「はーい」

ピカチュウ(誰だぁ…?俺のポフレを盗もうと企んでる奴は)

ピカチュウはおっさんの向かった方をジーと睨む、おっさんの体が大きくて上手く見えない

ピカチュウ(チッ…この俺も老眼か、ツラいぜ)

少しボヤけている、扉に向かったり離れたりして視界を確保する。ようやくハッキリ見えるようになった

ピカチュウ(チッ…メスのガキじゃねえか、俺のポフレを盗りやがって…!)

ドン、と大きな音がする。随分と派手に扉を閉めたようだ

ピカチュウ(今のうちに窓から脱出だ、あのガキからポフレを取り返してやる!)

ピカチュウは器用に窓の鍵を開け、聞こえないように静かにスライドさせ外に出た
 ▼ 2 セレビィ@ビスナのみ 20/11/07 20:41:11 ID:0ruM97XQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1週間遅い
 ▼ 3 軒轅剣◆fQDOvBgv9M 20/11/07 20:49:17 ID:8t/MotPM [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
外に出た瞬間、ピカチュウは思わず耳を塞ぐ。若者達の大きな声が耳障りだと感じた

ピカチュウ(さてと…あのガキはどこに行った)

とりあえず玄関へと向かう、人影は無く、くり抜かれたカボチャが置いてあるだけだった

ピカチュウ(足が速いな…そこら辺のポケモンに聞いてみるか)

ピカチュウはキョロキョロと辺りを見回す、やがて優雅に歩くポニータを見つけた

ピカチュウ(めっちゃキラキラしてる…ガラルのポニータか)

ピカチュウ「よぉ!そこのテクテク歩くお馬ちゃん、ちょっといいかい?」

ポニータ「私?何か用ですか?」

ピカチュウ「茶色と黒色の服を着たガキは見かけなかったか?メスの」

ポニータ「ごめんなさい…わかりませんし見かけていません」

ピカチュウ「そうか」

ポニータ「……あの……実は私、迷子になっちゃって」

ピカチュウ(迷子だぁ…?これ以上構う必要は無いな)

ピカチュウ「見つかるといいな、じゃあな!」

ポニータは何も聞かないピカチュウにビックリし、大きく息を吸って

ポニータ「あ、あの!!」

ピカチュウ「お、おう…何だよ」

大声でピカチュウに話しかけた

ポニータ「私とはぐれてしまった女の子を探すの…手伝ってもらえませんか?私もあなたの探している女の子を探すので」

ピカチュウ「うーん…」

ポニータ「お願いします…1人だと心細いの」

ピカチュウ「………しょうがねえなぁ、わかったよ。ついてきな」

ポニータ「はい!」
 ▼ 4 メガボスゴドラ@アイテムコール 20/11/07 20:50:20 ID:Ckzk8ucQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あらあら
 ▼ 5 軒轅剣◆fQDOvBgv9M 20/11/07 21:07:28 ID:8t/MotPM [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポニータ「今年のハロウィンは凄いですねー、朝起きたらカボチャだらけでビックリしました」

ピカチュウ「そうだったか…?二度寝したからよく覚えていないなぁ」

ポニータ「凄かったですよ、朝からカボチャを見ていない人は誰もいないと思います!」

ピカチュウ「ふーん…」

ピカチュウはポニータの話に空返事、女の子がいないかキョロキョロ見渡しながら歩き続ける

次に見かけたのは古い付き合いのおじいさんだった

ピカチュウ(あのボケ老人にはあまり関わりたくないなぁ…最近ボケてきたのかおかしいくなってるし)

おじいさんはカボチャに向かって頭突きをしていた、延々と頭突きをしているおじいさんを見ながらピカチュウはつい笑ってしまった

それと同時に恐怖を感じた、俺もいつかあんな風におかしくなるのでは?と

ポニータ「それでですねー、沢山お菓子を貰ってー」

ピカチュウ「まだ続くのか…」

別れた少女を探す気のないポニータに呆れつつ、ピカチュウは女の子を探し続けた

大体一時間ほど経った、全く見つからない

ポニータ「特にラムのみをたくさん貰ったんです、ピカチュウさんも食べます?」

ピカチュウ「ああ…後でな」

大きくため息をついた、ポニータに聞こえるようにわざと

ピカチュウはチラッとポニータの様子を伺う、ポニータはキョトンとした顔でピカチュウを見つめた

ピカチュウはもう一度、ため息をついた
 ▼ 7 上のミスです◆fQDOvBgv9M 20/11/07 21:17:53 ID:8t/MotPM [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「はー…お前がガラルじゃなかったらなぁ」

ポニータ「私に言わないでくださいよ、早く探しましょう」

ピカチュウ(コイツ…さっきまでハロウィンの話ばかりしてたくせに…)

ピカチュウとポニータはすれ違うポケモン全員に話しかけた、だが探している少女と女の子の情報は手に入らなかった

ポニータ「いませんねぇ…」

ピカチュウ「なぁ…もしかしたら俺が見たガキって…幽霊だったんじゃねーか?」

ポニータ「ちょ!怖いこと言わないでくださいよ…ただでさえさっきから不気味な声が聞こえてくるんですから」

ピカチュウ「あ?ガキ共の騒ぐ声だろ?怖がりすぎだろ」

ポニータ「あなたが幽霊とか言うからですよ!!」

ピカチュウ「だってよ…おかしくねえか?こんだけ探して一切目撃情報が無いんだぞ?」

ポニータ「それはそうですが…どっちかというと私の探している女の子が見つからない方が怖いと言うか…」

ピカチュウ「はぁ?何でだよ」

ポニータ「だってピカチュウさんが見た女の子は遠目から見たんでしょ!?老眼かもって言ってたし…」

ピカチュウ「いや、俺の方が怖いじゃん。見たはずのガキが他のポケモン達は誰も見てないんだぜ」

ポニータ「でも私の探している女の子は実在する事は確実なんです!今日は夜になってからずっと一緒に行動してましたから!」

ピカチュウ「じゃあなんで離れ離れになってるんだよ」

ポニータ「え…それは…一緒にお菓子を食べてたらいつの間にかいなくなってたんです、誘拐かもしれないじゃないですか!」

ピカチュウ「お前が馬鹿だから置いてかれたんだろ」

ポニータ「今日初めて会ったのによくそこまで暴言吐けますね…」
 ▼ 8 軒轅剣◆fQDOvBgv9M 20/11/07 21:24:45 ID:8t/MotPM [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「それにしてもハロウィンってのはオレンジ色だらけだな、シキジカもオレンジだしカボチャもオレンジだし見飽きた」

ポニータ「しょうがないですよ、ハロウィンなんだから。ほら、早く探しに行きましょう」

ピカチュウ「ああ…」

その後一時間ほど、ピカチュウとポニータは情報を求め続けた

ポケモン達はみな「見てない」「知らない」「お菓子くれ」の三つしか言わなかった

ピカチュウ「こんな事なら家に残ってポフレを食べていた方が良かったぜ…」

ポニータ「そんな事言わないでくださいよ、私は結構楽しんでますよ?」

ピカチュウ「お前は馬鹿だからなぁ…」

ポニータ「そんなにお菓子食べたいならこれを食べればいいじゃないですか、美味しいですよ」

ポニータはピカチュウにラムのみを渡した

ピカチュウ「サンキュー……うまい!」
 ▼ 9 軒轅剣◆fQDOvBgv9M 20/11/07 21:36:15 ID:8t/MotPM [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「は?」

なんだこの鳴き声は…?人が苦しんでいるようなこの鳴き声は…?

ピカチュウ「う、うわぁあああああ!?」

ポニータ「わっ!?ど、どうしたんですか!?」

ピカチュウ「お、おい…こんなにパンプジンって…いたか?」

ポニータ「今更何を言ってるんですか?カボチャとパンプジンとバケッチャばかり…カボチャ沢山ですねーってずっと言ってたじゃないですか」

ピカチュウ「ちょっと待て………………………」

ピカチュウ「………………あ」

ピカチュウ「あー……あ、そう言う事…ああ…なるほどね」

ピカチュウ「…クソが…俺が馬鹿だった…」

ポニータ「ピ、ピカチュウさん?」

ピカチュウ「この街はもうダメだ…今日はハロウィンじゃねえ」

ポニータ「………え?」

ピカチュウ「ただの新月だ…」
 ▼ 10 軒轅剣◆fQDOvBgv9M 20/11/07 21:49:28 ID:8t/MotPM [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
新月の真夜中、ノック音がした。私の妻は扉を開けた

扉の前に立っていたのはパンプジン、だったはず

私の妻はそのまま倒れ……死んだ

多くの人が同じ日に玄関の前で仏さんになられた、私の妻もだ

その日の夜は外から人が苦しんでいるような鳴き声が聞こえた、嫌というほど




この話を信じる奴は少ない、だが少なからず信じる人はいる

俺はあの夜見たんだ、死んだはずの父親がバケッチャに吸い込まれていくのを

墓参りをしていた時だ、父親がバケッチャと向き合っていてしばらくしたら吸い込まれた

それを見ていた俺は気づいたら家にいた、何が何だかわからなかった

後になってわかったのはバケッチャの穴から照らされている光を見た人は催眠術で操られること、そしてバケッチャはこの世で彷徨う魂を身体の中に入れてあの世へ旅立つ事

俺の父親は…ずっと彷徨っていた所をバケッチャにでも救われたのだろうか?
 ▼ 11 軒轅剣◆fQDOvBgv9M 20/11/07 22:04:35 ID:8t/MotPM [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
全てがわかった時、俺は急いで家に帰った

玄関は開けられないから外に出た時と同じ窓から中に入った

倒れていた、俺のトレーナーは床に倒れていた

あの時の音は扉を閉めた音じゃない、おっさんが倒れた音だったんだ

あの時だ、あの時おっさんが扉を開けた時にかけられたんだ。催眠術を

パンプジンと一緒にいたバケッチャに催眠術をかけられたんだ、だから気づかなかった

いや、違う!

ポニータは朝から沢山カボチャがあったと言っていた、アレは街中にバケッチャが居たってことだ

つまりアイツらはこの街全体を催眠術で操り…今日はハロウィンだと思い込ませていた

俺はあの時二度寝をした…と思い込んでいた、あの時からすでに操られていたんだ

そして夜中になり、魂の回収を始めた
 
パンプジンが玄関をノックした時、扉を開けるとあの世へ連れていかれる

あれは本当だったんだ……

扉の開く音がした、俺は音のする方へと視線を向ける

ピカチュウ「おいおい…冗談だろ…?」

見たこともない大きさのパンプジンがこっちに向かってくる、俺は必死に逃げようとする

だが逃げられなかった、アイツの髪の毛のような腕にあっという間に捕まった

ピカチュウ「ぐっ…!?」

首が…!締められ…苦しい!!

ピカチュウ「あ"……ぐぃ"ぇ"…!」

パンプジンはピカチュウを締め付けながら歌い始めた、ピカチュウは足を動かしたり手を動かしたり必死に抵抗する

パンプジンはピカチュウの必死で苦しそうな様子を見ると

パンプジン「〜〜〜〜♪」

ピカチュウ「う"……だ…!?」

楽しそうに歌い始めた

街中に同じ、とても楽しそうな歌が流れた


おわり
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