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SS

【SS】外伝:マスタード戦記

 ▼ 1 テトプス@ロックメモリ 21/01/22 21:54:39 ID:AS2UtfoY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マスタード「おっ!マサルちんにユウリちんじゃん!久しぶり〜」

マスタード「忙しいのによく来てくれたねえ〜さあさあ、入ってよ〜ん」

マスタード「なに、聞きたいことがあるの?なあに?」

マスタード「ワシちゃんがどんなチャンピオンだったか?」

マスタード「いいよ、話しちゃうよ。その前に、この点に注意してね〜」

・このSSは既存キャラクターの設定に基づいてできる限りそれに準拠して作っています。
・一部不都合な設定には目を瞑っている可能性があります。ご了承を。
・(基本)毎晩3〜8レス程度更新予定です。

マスタード「じゃあいくよ。あれはね…」
 ▼ 14 リランダー@つららのプレート 21/01/23 21:19:15 ID:FcyM5wOI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕を視聴率稼ぎの道具に使いあがって。まあ、チャンピオンの座にいる以上やむを得ないことなんだが。
外を出歩くにも変装は必須。そうでもしないと人集りが出来てしまう。
忙しすぎて、このごろポケモンたちと遊んでいないなあ。そうだ。

マスタード「よおし、みんな、キャンプに行こうか。」

僕たちのお気に入りは9番道路。寒いなかキャンプファイヤーを囲んで食べる特製スパイシーカレーは絶品。カレーはやはりスパイシーに限る。

マスタード「タクシー、お願いします!」

運転手「チャンピオン、今日はどちらへ?」

マスタード「いつものキャンプです。」

運転手「おっ、久しぶりだね」

タクシーの上を向く。

マスタード「アーマーガア、よろしくな。」

アーマーガア「があ!」

俺のアーマーガアももっとこうやって広々とした大空を飛びたいのかもな。
自分がチャンピオンであることは、ポケモンたちにとって迷惑なのだろうか。
 ▼ 15 ダツボミ@きのはこ 21/01/23 21:20:08 ID:FcyM5wOI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜9番道路キャンプ〜

マスタード「よおし、みんな、出てこい!」

アーマーガア「かあ!」

コジョンド「はっ!」

ルカリオ「くわん!」

マスタード「みんなの活躍を記念してカレーといこうか!」

みんな「おお!!!」

レントラー「」プイ

マスタード「…そんなに落ち込むなって。お前がいなかったら勝てていなかったよ。」

レントラー「…」

マスタード「いいのいいの、気にしない。」

女「失礼しまーす」

マスタード「ん?」
 ▼ 16 マルス@きちょうなホネ 21/01/23 21:21:07 ID:FcyM5wOI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「おや、先客がいまs…えっ、チャンピオン!?」ハッッッッッ

マスタード「どうぞ。」

女「えっ、あっ、その…」

マスタード「? どうしたんですか?」

女「…」

マスタード「どうしたものか…ん、電話だ」プルルル

マスタード「はい、なんでしょう」
 ▼ 17 ルトス@クリティカッター 21/01/23 21:23:10 ID:FcyM5wOI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
警察「マスタードさんですか?警察です。」

マスタード「はい。もしかしていつもの人?」

警察「あっ、はい。あの、ガラル第一鉱山に巨大化したポケモンが現れまして…」

マスタード「突発的ダイマックスか、よくあることじゃないか」

警察「それが、我々では太刀打ちできないくらい強いんです…」

マスタード「それでも警察?」

警察「言い返せません。」

マスタード「で、行けばいいの?」

警察「はい、あと鉱山の中に数人取り残されてて。」

マスタード「はあ、大変ですね。とりあえず待っててください。すぐ向かいます。」

警察「ありがとうございます!!」
 ▼ 18 ュラルドン@せんせいのツメ 21/01/23 21:23:44 ID:FcyM5wOI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マスタード「…」

マスタード「すまない、急な仕事ができた。みんな、帰るぞ」

ルカリオ「くう…」シュルル

女「えっ…」

マスタード「じゃあ、キャンプ長、また。」

はあ、折角の憩いの時間が。
この無能警察めっ!
 ▼ 19 ッチムシ@こううんのおこう 21/01/23 21:47:57 ID:.UO25Zdc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 20 ーシィ@きれいなウロコ 21/01/24 20:22:04 ID:2dps55eg [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ガラル第一鉱山〜

警察「こちらです!」

マスタード「こいつか」

ダイマックスはいつ見ても圧倒される。
同じポケモンとはとても思えない。

セキタンザン「ぐおおおおおおお!!!」

鉱夫「喰らえ!投石だ!」

マスタード「やめて!もっと暴れ出すだけだ!」

セキタンザン「ぐあああああああああ!!!」

轟音が鳴り、岩の雪崩が鉱夫を襲う。

マスタード「危ない!」

鉱夫「うわあああ!!!」
 ▼ 21 イタラン@かるいし 21/01/24 20:22:33 ID:2dps55eg [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マスタード「ルカリオ!」

ルカリオ「くわん!」

マスタード「グロウパンチで岩を跳ね返せ!」

ルカリオ「はっ!」ドカン!ドカン!ドカン!

マスタード「そのままセキタンザンにインファイト!!」

ルカリオ「はあっ!」どん!どん!ドッカーン!

セキタンザン「ぐっ、うおおおおおおおおあ!」

マスタード「トドメだ!波動弾!」

ルカリオ「スウ…はあっ!」

波動弾がセキタンザンに直撃。
爆風が皆を襲う。

セキタンザン「うっ…」シュルルル

マスタード「ふう、よくやったルカリオ、戻れ」シュルル

マスタード「大丈夫かセキタンザン、すぐに回復してやるからな。」

マスタード「警察さん、こいつを」

警察「はい!…それより、強いですね。我々では太刀打ちできなかった相手を一瞬で。」

マスタード「はあ、どうだろうね。」
 ▼ 22 ンドン@おおきなしんじゅ 21/01/24 20:23:37 ID:2dps55eg [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
警察「実は…ダイマックス対策班、今大仕事で不在なんです。」

マスタード「なんの?」

警察「ワイルドエリアのダイマックスポケモン大量発生。現在ワイルドエリアへの立ち入りを禁じて大勢で対処しているんです。」

マスタード「大量発生…なんで…」

それは初耳だ。

警察「現在調査中です。」

マスタード「じゃあ、俺、用があるんで。」

鉱夫「待って下さい!」

マスタード「なんだね?」

鉱夫「助けてくれてありがとうございます!」

マスタード「いいんだよ。じゃあな。」

さあ、キャンプに戻るか。とんだ邪魔が入ったよ。
 ▼ 23 オキシス@ふしぎなアメ 21/01/25 18:58:24 ID:jpQIuYo. [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜バウタウン〜

「こんにちは、チャンピオン。」

座っているだけでただならぬ存在感を放つ。

マスタード「は、初めまして。マスタードと言います。」

「既に伝えたが、私はこういうものだ。」

マクロコスモス社長、スターチス。

どうやら、あの時鉱山で助けた鉱夫、父親がマクロコスモスの社長だったらしい。というわけでその社長からお礼にと食事に誘われてしまった。一大事だ。

タンジー「私はタンジー。マクロコスモス副社長です。」

マスタード「初めまして。」
 ▼ 24 ケンカニ@ヨクアタール 21/01/25 19:40:58 ID:jpQIuYo. [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スターチス「先日は私の息子を助けてくれてありがとう。君がいなければどうなっていたことか。」

マスタード「いえいえ、とんでもない」

スターチス「好きなだけ食べてください。私が全て支払いますから。」

マスタード「そっ、そんな、いいですよ」

スターチス「いいえ、私の息子の命の恩人。本当ならもっと恩を返したいのですが、私に出来ることはこれくらいでして。申し訳ない」

マスタード「…はい。分かりました。」

メニューを見て目を丸くする。一生で再びこれるか分からないレベルで高級だった。遠慮がちに高すぎないものを注文する。

スターチス「突然で悪いけど、一つ聞かせてくれ。チャンピオン、君は『ガラルの未来』について考えたことがあるかな?」

マスタード「ガラルの…未来?」
 ▼ 25 リムガン@とんでもこやし 21/01/25 19:41:48 ID:jpQIuYo. [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スターチス「おおよそ1000年後、ガラルのエネルギーは尽きる。」

マスタード「せ、1000年先…?」

スターチス「私にはマクロコスモス社長として、ガラルが永久的に発展できるようにする使命があるんだよ。」

マスタード「エネルギーが尽きる…」

スターチス「想像し辛いかな。でもこれだけは聞いておきたいんだ。チャンピオンとして、君はガラルのことをどう思うか。」

マスタード「それは…僕にはガラルを盛り上げ、そして守る義務があると考えています。」

スターチス「そうかい…ありがとう」

そう言ってスターチスは笑みを浮かべた。
 ▼ 26 ョロモ@かがやくいし 21/01/25 21:15:57 ID:jpQIuYo. [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
食事が運ばれてくる。

スターチス「相変わらずここの食べ物は美味しいね。」

マスタード「こんな高級なところ初めて来ました。」

バウタウンで捕れたサシカマス。ガラルのシーフードといえばバウタウンだ。
物凄く美味しそうな見た目をしているが、手をつけるのを躊躇う。

スターチス「チャンピオンなのにかい?」

マスタード「あんまりお金を使うタイプではないので。」

フォークを口に運ぶ。うん、美味い。

スターチス「ふーん、タンジーと正反対だね。」

タンジー「うるさいです、委員長」
 ▼ 27 ォッシュロトム@ドリームボール 21/01/25 21:18:39 ID:jpQIuYo. [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スターチス「そうだ、少し私たちマクロコスモスのやっていることを説明しておこうか。」

マスタード「お願いします」

スターチス「マクロコスモスがガラルのエネルギーを管理していることは君も知っているはずだ。だが、同時に大きな研究も進められている。」

マスタード「なんですか?」

スターチス「ダイマックスの研究。いや、どちらかというと、ダイマックスとガラルのエネルギーとの関係性の研究。」

マスタード「ダイマックス?」

スターチス「ああ、我々はダイマックスのエネルギーがガラルの将来と深く関わっていると思っていてね、それを研究しているんだ。」

マスタード「なるほど。」

スターチス「そこで、一つ提案があるんだ。」
 ▼ 28 ウカザル@せいなるはい 21/01/25 21:19:40 ID:jpQIuYo. [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マスタード「はい」

スターチス「この研究に関わってみないかい?」

マスタード「え?俺が?」

スターチス「ダイマックスの研究をする上で危険はつきもの。そこに君がいてくれるだけで、研究時の被害も小さくなるだろう。」

スターチスは少し声を細めて言った。

マスタード「犠牲者!?それ、問題にならないんですか?」

スターチス「Shhhhh. いいんだよ、ガラルの未来のために必要な犠牲だ。」

マスタード「でも…」

スターチス「犠牲者の出る研究に反対を示すなら、君の手で犠牲者のでない研究に変えて見せて欲しい。どうだね?」

スターチス「そう、ガラルの未来のために。」
 ▼ 29 ウワウ@みどりのプレート 21/01/25 21:22:16 ID:jpQIuYo. [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1秒という時がゆっくりと刻まれる。
深く、深く考えた。
でも突然すぎる。今すぐの回答はできない。悩み足りない。

長い長い沈黙の末、ようやく絞り出した一言。

マスタード「考えておきます。」

スターチス「回答は早めにお願いね。ここに連絡して。」

そういって2枚目の名刺の電話番号を指し示す。

スターチス「電話かけたら、君の名前を言って。そしたら僕の元に繋がると思うから。じゃあ、支払いしておくね」

マスタード「…ありがとうございます」
 ▼ 30 ーテリー@あいいろのたま 21/01/25 21:23:38 ID:jpQIuYo. [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガラルの未来。
それも、1000年先。

そんなこと、考えたこともなかった。

ガラルの長期的発展のためには研究が必要。
その研究のために被害が出ている。

幼いころの僕の目に映るチャンピオンは、「ガラル」を守る英雄だった。

誰かの為になりたい。
そんな思いと、この誘いはぴったり重なった。

もう僕も40歳。こんな好機二度とないぞ。

やってみてもいいかもしれない。


いや、やってやろうじゃないか。
 ▼ 31 ビワラー@アクアカセット 21/01/25 22:32:35 ID:RpQAfstY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一瞬、盛大に誤字る「まそっぷ」な綺麗な最終回迎える漫画のクロスかと思ってしまった…
とりま、支援!
 ▼ 32 マルルガ@グッズケース 21/01/26 20:49:26 ID:a4tcRiSI [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜タクシー〜

タンジー「ここでやられましたか、委員長。」

スターチス「研究の安全性の見直しや、万が一の時に自力で問題を解決することを求められちゃったからね。」

タンジー「それでも、わざわざチャンピオンにとは」

スターチス「なあに、最初から決めていたことだよ。チャンピオンがこっち側についてくれるなら心強い。求められたことの実現が簡単になる。それに…チャンピオンっていうのは使命感の強い人間だからね。」
 ▼ 33 ガライボルト@シールいれ 21/01/26 20:51:21 ID:a4tcRiSI [2/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
タンジー「『ガラルのため』の一言で折れると」

スターチス「あたかもこの研究が悪いかのような言い方だね。確かに危険性を孕むけど、しっかり役に立つ研究なんだから。」

タンジー「申し訳ありません。」

スターチス「いやあ、面白い子だったね。いかにもチャンピオンって感じ。なんというか、王者の責任感で押しつぶされそうな…」

タンジー「性格悪いですね」

スターチス「ふふっ、確かに。でもあの子ならきっと協力してくれるに違いないよ。」
 ▼ 34 インディ@べにいろのたま 21/01/26 20:53:08 ID:a4tcRiSI [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
一緒に乗るかい?と誘いを受けたが断り、バウタウンの道を一人歩く。
夏の夜の海辺は気持ちが良い。

一度師匠に相談してみるか。
電話を取り出す。





マスタード「そういうわけなんですが…」

師匠「…なあに、好きにすればいいんじゃないかなぁ。ワシちゃんはマスタードちんを応援するよ」

マスタード「ありがとうございます。決心ができました。」

師匠「でも、くれぐれも無理をしないように。」

師匠がはっきりと言った。
 ▼ 35 ットレイ@フライもりあわせ 21/01/26 20:54:04 ID:a4tcRiSI [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
マスタード「…大丈夫です、俺ならやれます。」

師匠「マスタードちんだけの問題じゃないからね。」

マスタード「…え?」

師匠「じゃあ、頑張ってね〜」

電話が切れる。

僕だけじゃない?誰だ?
 ▼ 36 ニーゴ@パイルのみ 21/01/26 20:55:55 ID:a4tcRiSI [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
引っかかる言葉もあったが師匠も賛成してくれているようなので、熟考の末、次の日ようやく協力を決意した。名刺に書かれた電話番号を入力する。

スタッフ「もしもし、マクロコスモス本社です」

マスタード「マスタードと言います。」

スタッフ「…わかりました。今社長に繋ぎますのでお待ちください。」

静寂。

この間がとても長く感じられた。
 ▼ 37 ンメン@メトロノーム 21/01/26 20:57:34 ID:a4tcRiSI [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告
しばらくして社長が応答する。何分待っただろうか。

スターチス「チャンピオン。よく掛けてくれた。答えは決まったかね?」

マスタード「はい、喜んで協力させていただきたいと思います。」

スターチス「おお、それは嬉しい答えだ。じゃあ早速だが、来週の月曜にここマクロコスモス本社に来てくれないか?君のポケモンたちを連れて。」

マスタード「わかりました」

スターチス「あと、このことは秘密だよ。またね」プツッ

秘密…ですか。
はあ、これから忙しくなりそうだ。最後に、みんなとキャンプに行こう。

 ▼ 38 ピンロトム@ボブのかんづめ 21/01/29 19:00:12 ID:tDZ2U4hY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜9番道路キャンプ〜

マスタード「みんなあの時はごめんな。今回はしっかり楽しもう!」

レントラー「がお!」

ルカリオ「くう…」

いつものカレーをみんなで作って食べる。
ポケボールで遊ぶ。
ポケモン達は成長しても可愛いなあ。

俺は…もう40歳。
チャンピオンでいられるのも長くはないだろう。
チャンピオンの座を降りたら、道場を継ぐのも悪くはないかもな。
でも研究の手伝いが大変だったら無理かもしれない。
 ▼ 39 ーブル@エレベータのカギ 21/01/29 19:01:53 ID:tDZ2U4hY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
9番道路は寒い場所だが、キャンプの中は暖かい。
キャンプファイヤーの炎と、辛いカレーと、みんなとの愛が心も身体も暖めてくれる。

キャンプファイヤーを囲んで楽しい時間を送り、帰る時が来た。

マスタード「みんなごめんな。これからは忙しくなる。でも頼む、俺に協力してくれ。」

コジョンド「いえい!」

ルカリオ「…」

いいポケモンたちだ。
…ん、誰かがキャンプに入ってきた。
 ▼ 40 イタラン@ルアーボール 21/01/29 19:03:13 ID:tDZ2U4hY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
女「あっ」

マスタード「君は…あっ、あの時の」

前回キャンプに来た時の女の人。

女「マスタードさん…?また会った」

マスタード「へ、偶然だね。」

女「こっ、こんにちは!私、ミツバと言います!あのっ、ずっと応援していました!あっ…」

ちぇっ、ファンに絡まれたか。
まあ悪い気分はしないけど。

マスタード「ありがとう。嬉しいよ」

ミツバ「ええと、これからも頑張って下さい!」

マスタード「うん、分かった。」

こう言われたら、頑張らなくちゃだな。
 ▼ 41 リーセン@バグメモリ 21/01/30 18:12:38 ID:qD8ACLsQ [1/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜マクロコスモス本社〜

近代的な高層ビルの立ち並ぶシュートシティ。その中央に位置するのが、ガラルの心臓「マクロコスモス」本社。
敷地内には島内屈指の高層ビルや研究施設がいくつも連なり、一つの都市を成しているようだ。
その事業は電力管理に留まらず、建設や機械開発など幅広い分野を担うガラル一の大企業だ。
 ▼ 42 ックラー@しあわせタマゴ 21/01/30 18:14:23 ID:qD8ACLsQ [2/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
受付に行って名乗ると、スタッフに呼ばれた研究員が研究施設を案内してくれた。
しかし、研究施設といえども、その大きさは圧倒的。その高さなんと50m。
シンプルな直方体の建物で、内部に巨大な空洞がある。その空洞の周りに研究部屋が並んでいる。

マスタード「この空洞は…?」

研究員「ダイマックス研究において、ポケモンをダイマックスさせる場所でございます。ポケモンに、ガラル各所で収集したダイマックスエネルギーを注入するのです。」
 ▼ 43 ビヨン@オボンのみ 21/01/30 18:15:54 ID:qD8ACLsQ [3/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
マスタード「ダイマックスエネルギー…将来のガラルのエネルギー源を担うであろう?」

研究員「その通りでございます。そのために研究を行なっているのです。」

マスタード「ダイマックスエネルギーを収集できるのなら、もうそれを使ってしまえば良いのではないんですか?」

研究員「そう簡単には行きません。研究用のダイマックスエネルギーを集めるだけでも莫大なコストが掛かっています。それに加えて手間がかかるので、現時点では効率的なエネルギー源でないでしょう。」
 ▼ 44 リーパー@タブンネナイト 21/01/30 18:16:24 ID:qD8ACLsQ [4/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
研究員「そのため、我々マクロコスモスは人為的にこのエネルギーを生産する方法を探っているのです。」

マスタード「なるほどな。」

スタッフ「こちらが第一研究室です。中央の空間で行われる実験はこちらで操作/制御しております。」

扉がスライドするとともに真っ暗な研究室があらわになる。中で作業している訳ではないんだな。と、突然電気がつき、一斉に沢山のコンピューターが顕になる。そしてなんと研究室の真ん中には、変なポーズをしたスターチス社長の姿が。



スターチス「よーうこそ来てくれたチャンピオン!!!」
 ▼ 45 ャビー@のびたバネ 21/01/30 18:18:06 ID:qD8ACLsQ [5/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
マスタード「ええと…、よろしくお願いします。」

研究員「余計な演出です。引かれてますよ」

スターチス「辛辣っ…君、普通社長にそういうこと言うもんじゃないよね?

研究員「私は本当のことを言ったまでです。正しい評価はお世辞よりも人の為になります、社長。」

スターチス「はあ…そうかい?それより、マスタード君、よろしく。」

握手を交わす。
 ▼ 46 テルグマ@けいけんおまもり 21/01/30 18:18:42 ID:qD8ACLsQ [6/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
マスタード「この部屋、誰も居ないんですね。」

スターチス「実験当日しか使わないからね。今みんなはダイマックスエネルギーの採集にいってるよ。」

マスタード「なるほど。俺は何をすれば良いんでしょうか?」

スターチス「やってもらいたいのは、ダイマックスポケモンの事後処理。結構大変だから、強いトレーナーに協力してもらいたいなと思っていたんだ。」

マスタード「倒す、ってことですか?」

スターチス「そういう事だ。心配は無用、我が社には世界最高峰の回復技術が用意してあるよ。」

そういう問題ではないのだけれど。
まあ、我慢するか。
 ▼ 47 ルミーゼ@シャラサブレ 21/01/30 18:19:45 ID:qD8ACLsQ [7/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
スターチス「ということで君には実験当日にここに来て欲しい。次は明後日だよ。」

マスタード「分かりました。」

スターチス「私からは以上だよ。あとはこの子に案内してもらってくれ。」

それから、変わり映えしない沢山の研究室を案内された。
SF感のある白い廊下をひたすら歩き、色んな部屋を見せられたが、自分がこれから使うことになりそうな部屋は殆どなかった。

研究員「これで全てでございます。」

マスタード「どうもありがとうございます。」

研究員「社長はめんどくさい方ですけど頑張って下さい。」

変わらぬ表情で淡々と話す。

マスタード「あっ…はい…」

研究員「私共の理想の実現には貴方の力が助けになります。これからよろしくお願いします。」

マスタード「こちらこそよろしくお願いします。」

手を差し出す。
しかし彼女はそれを無視して背を向け、歩いていく。はぁ…
 ▼ 48 ーホー@スピードパウダー 21/01/30 18:20:23 ID:qD8ACLsQ [8/8] NGネーム登録 NGID登録 報告
正面玄関が開き、外に出る。
赤く染まった空の真ん中で太陽がぎらぎらと輝いている。

何だかとても良い気分だ。
内面の弱さも脆さも全て吹き飛んで、とにかく清々しい。

見てろよみんな。俺もガラル繁栄に関わった者としてこの名を刻んでやる。



この「ガラル」に。
 ▼ 49 マガル@タラプのみ 21/02/01 21:47:54 ID:ujRk7V8k [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【明るいはずの未来】

当日、研究施設に行くと控室のような場所に案内された。
研究の様子は見れないようだ。あくまで事後処理が仕事ということか。

控室は研究室の半分くらいの広さだった。そこそこ広い。
他の部屋同様真っ白な壁に覆われ、中には今僕が座っている机と椅子、ウォーターサーバー、畳式の机の列に空っぽの棚。

何もないな。


…暇。

時折部屋に衝撃が伝わり、ポケモンが暴れているのが感じられた。
ポケモンが少し可哀想。
 ▼ 50 カブ@ばんのうごな 21/02/01 21:49:05 ID:ujRk7V8k [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
暇で暇で仕方がなかったが、しばらくすると研究員に呼び出された。

研究員「お待たせしました。」

マスタード「時間ですか?」

研究員「はい。何も置いてなくてすみません、次からは雑誌など置いておきます。」

マスタード「それはありがとうございます。」

研究員「貴方の仕事はダイマックスした被験ポケモンを鎮めることでございます。」

マスタード「普通に倒せば良いんだよね?」

研究員「はい。ただやり過ぎないようお願いします。」

マスタード「勿論です」
 ▼ 51 コン@あかしのおまもり 21/02/01 21:50:48 ID:ujRk7V8k [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
研究員「お気をつけて。」

マスタード「分かりました。ありがとうございます。」



ごくごく簡単な任務だった。
こんな簡単な仕事に僕を必要としてくれるなら、いくらでもやってやる。

マスタード「ルカリオ!波動弾!少し控えめに!」

ルカリオ「ふぅ…はっ!」

モグリュー「ぐっ、うおおおおおおお!!!」

モグリューが縮んでいく。
ふう、これだけか。

ダイマックスポケモンも、建物の中に収まると小さく見えたな。

研究員「お疲れ様です。これでお終いです。」
 ▼ 52 ニゴーリ@ふといながねぎ 21/02/01 21:51:15 ID:ujRk7V8k [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マスタード「思いの外簡単でした。」

研究員「…これでも我々はかなり苦戦していたんですよ」

マスタード「あっ…そうなんですか…」

研究員「こんなに簡単に出来るなら、来ていただいた甲斐があったといえるでしょう」

マスタード「で、次はいつですか?」

研究員「当分ありません。」

マスタード「あっ、結構ナイスタイミングだった感じ?」

研究員「それは関係ないかと。この実験に合わせて社長が急遽お誘いした形だと思われます。」
 ▼ 53 ラーミィ@スピードパウダー 21/02/01 21:52:05 ID:ujRk7V8k [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マスタード「急遽?」

研究員「実は先日、これと同じ実験をやろうとしまして、失敗に終わりました。その際ダイマックスエネルギーが漏れ、北風に運ばれワイルドエリアに拡散してしまい、そこでダイマックスポケモンが大量発生してしまったようです。それによって何かを焦ったのでしょう。政府とか警察とかに注意でもされたんでしょうね。」

マスタード「そんなことが…ってそれ、喋っていいんですか?」

研究員「貴方も我々の一員。隠す意味はありません。」

研究員「ただし、」

研究員「くれぐれも外部に漏らさないようお願いします」

無愛想だけど優しいな。

マスタード「これからもこんな感じの簡単な仕事が続くんですか?」

研究員「社長はもしもの時に備えて貴方をお誘いしたのだと思われます。」

マスタード「その『もしもの時』は結構大変なことになる、っていうことですか」

研究員「起こさないようこちらも精一杯の努力をしますが。」

マスタード「お互い頑張りましょう。」

研究員「はい」

そう言って彼女は歩いて行った。
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