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【短編SS】ピカチュウ「あっ!綺麗なお花!」

 ▼ 1 目のワニノコ◆GKWX0K5n5U 15/08/25 08:20:16 ID:2yspn.JY [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふと、道端に咲く一輪の綺麗な花に目がとまったピカチュウ。


ピカチュウ「綺麗だなぁ...」


純粋無垢な彼の顔は、まだ幼げだった。

母子家庭で育った彼は母にとても懐いたので、すぐにピチューからピカチュウに進化してしまったからだ。



ピカチュウ「そうだ!ライチュウお母さんにプレゼントしよう!」


ピカチュウ「お母さん、お花好きだからきっと喜ぶぞ...!」


ピカチュウは花に手を伸ばした。


ピカチュウ「一輪しかないのが残念だなぁ...」プツッ


花を摘むその顔は、残念そうな顔ではあるが、どこか嬉しそうでもあった。
 ▼ 2 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 08:23:14 ID:2yspn.JY [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「お母さん、喜んでくれるかな...」


目を輝かせながら母の笑顔を想像するピカチュウ。


ピカチュウ「よし!枯れない内に帰ってプレゼントしよう!」スタタタ...


ピカチュウは、人の笑顔が大好きだった。

この日も、大好きな母の笑顔を見るために急いで帰った。


ピカチュウ「♪」


その足取りは軽く、駆け足でありながらも花が散らないように気をつかって走った。
 ▼ 3 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 08:27:01 ID:2yspn.JY [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜家〜〜〜〜〜


ピカチュウ「ただいま!」


シーン...


家に帰るも、返事がない。

"?"マークを頭に浮かべながら奥の部屋に入るピカチュウ。


ライチュウ「...」


部屋に入ると、ピカチュウの母、ライチュウが背を向けて座っていた。


ピカチュウ「お母さん、ただいま!」

ライチュウ「シー...!静かに...」


満面の笑みで声をかけるも、ライチュウは人差し指を口に当てて言った。

ピカチュウは、また"?"マークを頭に浮かべながらも花を渡そうとする。
 ▼ 4 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 08:29:48 ID:2yspn.JY [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「お母さん。はい、お花だよ!」


ライチュウ「...うん。後でね」


ピカチュウ「!」


花を差し出すが、後回しにされてしまい、不満気な顔をするピカチュウ。


ピカチュウ「何で...?」


ライチュウが素っ気ないのが気になったピカチュウはライチュウの奥で、弟のピチューが寝込んでいたことに気がつく。


ライチュウ「今、ピチューの面倒見ないといけないから、あっちいってて。」

ピカチュウ「...!」


大好きな母からの遠回しな追い払いにショックを受けるピカチュウ。

数秒の間を置いて、その場を立ち去る。
 ▼ 5 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 08:32:33 ID:2yspn.JY [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜崖〜〜〜〜〜


家を後にしてやって来たこの崖は、滅多に人がいないので、一人になりたいときによく訪れる。


ピカチュウ「...」シュン...


大好きな母に拒絶されたことがショックで、肩を落とすピカチュウ。


ピカチュウ「...」


青い空を見上げると、わたあめみたいな白い雲がいくつか浮かんでいた。


その一つが、ピチューの様な形をしていて、さっきの場面を思い出す。


ピカチュウ「...!」ブンッ


雲に向かって石を投げる。



ピカチュウは泣いていた。
 ▼ 6 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 08:36:11 ID:2yspn.JY [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今までに経験したことのない感情が胸の奥に渦巻いていた。

ドス黒いその感情を、人は怒りと呼ぶのだろう。


ピカチュウは拒絶された事の怒りをピチューに向けていた。



ピカチュウ「...!」



涙を流しても、声を荒げることはなかった。


できなかったのだ。


本当はピチューが悪くないということを知っているから。



ピカチュウ「...」ポロポロ



大粒の涙が赤い頬を伝って地面に落ちる。


ぶつけるところのない感情が胸を締め付ける。
 ▼ 7 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 08:42:15 ID:2yspn.JY [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、ある事に気づいた。

花を持ったままだったことだ。



ピカチュウ「...!」



そして思い出す。

ピチューの苦しそうな顔を。



ピカチュウ「...っ!」ダッ



ピカチュウは花を潰さない様に握りしめ、走りだした。
 ▼ 8 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 08:52:58 ID:2yspn.JY [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ハァ、ハァ、ハァ...!」タッタッタッ...



走り出した時には、もうドス黒い感情は消えていた。



ピカチュウ「ハァ、ハァ、ハァ...!」タッタッタッ...



自分の好きなものが見たいから。



ピカチュウ「ハァ、ハァ、クッ...!」タッタッタッ...



今度は肺が張り裂ける様に痛い。

でも、もう胸を締め付ける感情は消えていた。



ピカチュウ「ハッ、ハッ、ハッ...」タッタッタ...
 ▼ 9 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 09:06:54 ID:2yspn.JY [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
怒りを他人にぶつけることは簡単だ。


ぶつけてしまえば、楽になるのだろう。


それでも、ピカチュウは怒りを誰かにぶつけるという選択はしなかった。


本当に笑顔が好きだから。


怒りをぶつける事によって、また怒りが生まれる事にならないように。


そして、みんなが笑顔でいられるように。


ピカチュウは走った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ▼ 10 モルー@しらたま 15/08/25 09:06:59 ID:qQXESuIc NGネーム登録 NGID登録 報告
行間空けすぎだと思う
支援
 ▼ 11 目のワニノコ◆WaitStCgv. 15/08/25 09:31:31 ID:2yspn.JY [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

翌朝、目が覚めた後すぐにピチューの様子を見ようとピチューの部屋に入るライチュウ。

ライチュウ「...」

ピチューのタオルを替えようとしたところで、ある物に気づく。

ライチュウ「あら?」

ライチュウの目に付いたのは、小さなグラスだった。

ライチュウ「...!」ツゥ...

それを見るなり、涙を流すライチュウ。

涙ながらにもライチュウは笑顔だった。


『はやくげんきになってね』


グラスと共に置いてあった手紙。

グラスに生けてあった、とても綺麗に咲いている一輪の花...


ー完ー
 ▼ 12 コン@くさのジュエル 15/08/25 09:55:14 ID:IT3DoAXA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

良いSSだったよ
 ▼ 13 グカルゴ@ピーピーエイド 15/08/25 10:51:06 ID:eTii6m9I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
素敵だ
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