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サトシ「カントーに来るって?セキチクシティで遊ぼうぜ!」ヒカリ「え“!?いいけど……」【サトヒカSS】

 ▼ 1 メガミュウツーY@おいしいシッポ 22/04/23 23:01:45 ID:Hj9IIogE [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
※サトヒカスレに書き込んだ妄想を文字にしました。シンオウの旅から数年後設定。



「なあヒカリ、なんでそんなに怒ってるんだよ?ヒカリだってポケモン好きだろ?」
「そうだけど!!ほんっとーに信じらんない!!」
「いや、だから、何でそんなに怒って……」
「確かにセキチクシティっては聞いてたけど」

ヒカリの心の奥底から、ふつふつと怒りが湧き上がってくる。
それはもうさながら、ハードマウンテンの奥底にたぎるグツグツとしたマグマのように。
その怒りのマグマはついにその臨界点を突破して、怒りとともに「ふんか」した。

「サファリゾーンだなんて、一言も言ってなかったでしょうがぁ!!!!」

サファリゾーンに着てきたがゆえに、汚れてしまったヒカリお気に入りの青いワンピースが、ひらりとヒカリの怒りを表すように揺れた。
 ▼ 2 ゾロア@グラウンドメモリ 22/04/23 23:02:56 ID:Hj9IIogE [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『だったら、セキチクシティで遊ばないか?』

ヒカリが「コンテストでパフォーマンスをしにカントーに行く」とサトシに伝えた後の
折返しのメッセージがこれである。


シンオウでの旅から数年が過ぎて。サトシもヒカリもまだまだ同じく夢に向かって邁進する者同士。
それでも、その関係性は、以前のものと全く同じではなくなりつつあった。


シンオウという広大な大地を、タケシと一緒に3人で巡ったかつての旅仲間。そして、気の合う親友。
それがかつての2人の関係性だった。

それが今では、お互いにかつての旅仲間だとか、親友という言葉を与えるだけでは、少しだけ寂しい感覚を覚えるようになっていた。

お互いに少しだけ年を重ねて。もともと気が合ったし仲の良い2人は、なんとなく連絡を取り合い。
近頃はどちらかがカントーかシンオウに行く予定ができた時には、時間を作っておしゃべりをする、なんてことも始まっていた。



そんな、ちょっと気になる相手からの遊びの誘いに、1も2もなくヒカリは乗っかった。
トントン拍子に進んでゆく計画。集合場所と時間を決めたところで、それじゃあまたその時にとサトシはやりとりを締めくくった。


正直に言えば、ヒカリにも少しだけ違和感はあったのだ。
タマムシやヤマブキでないというのは、まあサトシの性格上そうかもしれない。
だけど、セキチクシティって何か有名なものがあったかしら?と。
 ▼ 3 メガフシギバナ@くろいメガネ 22/04/23 23:03:36 ID:Hj9IIogE [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それでも、あのサトシから誘いを受けて、お出かけをする。
その事実だけで、気持ちが上向いてしまったヒカリは、別のことを考え始めてしまったのだった。


あのトーヘンボクのことだ。どーせ何も言いやしないだろうけど、ちょっとおしゃれしてみようかな、とか。
せっかくだから、お気に入りのワンピースを着ていってみようかな、とか。
背伸びして、お化粧とか、してみようかな、とか。


結局そこそこ気合を入れておめかしをして、集合より早めに到着したヒカリ。
それに対して。いつもどおり待ち合わせに少し遅れて現れたサトシは、満面の笑みとともにこうのたまったのだ。



「今日はサファリゾーンに行こうぜ!」
 ▼ 4 クロバット@カクトウZ 22/04/23 23:04:29 ID:Hj9IIogE [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうして話は冒頭へ戻る。

「ほんっとうに信じられない!」


いや、そりゃああのサトシが、おめかしした格好を見て
「綺麗だよ」だなんて言うことなんて無いと知っていたけど。

ついでに、ちょっと気合を入れてセットした髪型とか、新しくした髪留めとか
そういうのにコメントを求めてたわけでもなかったけど。
だからって、その想像をこんな斜め上に裏切られるとは思ってなかった!!


「そうよね、ポッチャマ!」
「ポチャマ!」


ポッチャマはそのとおり!と胸をはった。
それで少しだけヒカリの気持ちは落ち着いたものの、それで緩和しきれるわけもない。

ヒカリは、どうにも自分のなかのやるせなさをこらえきれずに。
そこらへんの石ころを、怒りとともに蹴り上げた。ひゅうと風を切って飛んでいく石ころ。
それは、跳ね返ってダイヤモンドになるわけでもなく。緩やかに高度を下げてゆき。


「……あっ」


サファリゾーンの池で水を飲んでいた、ケンタロスの群れのなかの1匹に、偶然にも命中した。
 ▼ 5 ホウオウ@デボンボンベ 22/04/23 23:05:23 ID:Hj9IIogE [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何だよ、ヒカリのやつ」

一方のトウヘンボクことサトシは、相棒のピカチュウに話しかける。
ぷりぷりと怒るヒカリとはお互い少し頭を冷やそうと別行動となったため、ここにはいない。
ピカチュウはサトシの愚痴に、「ピカぁ」と呆れたように返事をした。


「なんだよ、ピカチュウも俺のほうが悪いっていうのか」
「ピカ」
「そうか……やっぱり虫取り大会とかの方が良かったのか?」


いやそうじゃないってぇの!とピカチュウがサトシの残念さに呆れる。
いやほんと、このサトシと遊びに行こうというヒカリの心情がどうなっているのか。
ピカチュウには心底不思議だった。



ドドドドドドドドドドドド……


「?ピカチュウ、何か変な音がしないか?こう、地響きみたいな」
「ピカ?」


大地から響く地鳴りのような音。
低い音と振動が、サトシとピカチュウに近づいてくる。


「あっちからだ、行ってみようぜピカチュウ」
「ピカ!」


駆け出す1人と1匹。しばしの後、その音と振動の正体が近づいてくる。


「あれは……ヒカリとケンタロスの群れ?」
 ▼ 6 メガレックウザ@こだいのツボ 22/04/23 23:06:58 ID:Hj9IIogE [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「おいヒカリ、どうしたんだ?」
「さ、サトシ……石ころを蹴ったらあの中の一匹に当たっちゃって」「ポチャポーチャ!!」
「ああ、それで追い回されてるわけか」
「な、なんでそんなに冷静なのよぉ!!」
「いや、俺はオーキド研究所に戻る度に追いかけ回されてるからなぁ……」


ケンタロスに追いかけられるヒカリと合流したサトシ。
現在疾走しながら会話中……ついでにサトシの慣れっぷりに若干ヒカリは引き気味である。


「サトシは慣れてるんでしょ!この状況どうにかならないの?」
「どうにかって……捕まえてみるか?たぶんカイザーじいさんから貰った30個のサファリボールで足りるし」


走りながら後ろを振り返り、ひいふうみいとケンタロスの群れの頭数を数えるサトシ。どうやら数は20弱といったところらしい。

「でも、俺はもう結構ケンタロスを捕まえてるから……ヒカリが捕まえてくれたほうが助かるんだけど」
「え、あたしが?」


ヒカリは情景を想像する。
確かに、ちょっと大きめではあるけれど、お屋敷とは到底言えないフタバタウンの実家の敷地。
その中で10体を超える群れをなしたケンタロスたちが走り回る光景を。……地獄絵図に違いない。

ついでに、ケンタロスたちが巻き起こした土煙の中から颯爽と現れる母・アヤコ。
ケンタロスたちを丁々発止のやりとりで従えてゆき、先頭にいる一匹の背中に飛び乗ると
「はいっ!」とどこからともなく取り出した鞭をしならせてケンタロスを走らせる。
脇に控えていたニャルマーとブラッキーも、主人を見習ってそのとなりのケンタロスを従える。



つまり、ママがトップコーディネーターからケンタロスレーサーに転職してしまう……?

「ちょっとカッコいいかも……じゃなくて!!流石に捕獲するのは止めたほうが良さそうね」

たらり、とヒカリの額を嫌な汗が流れる。
流石にトップコーディネーターを廃業した母を見たくはない。
……実はアヤコと鞭が似合っていることのほうが問題かもしれないと思ったことは秘密だ。

「って、じゃあ結局どうするのよぉ!!」

ヒカリの半泣きの声が辺り一面に響いた。
 ▼ 7 ドサイドン@ボスゴドラナイト 22/04/23 23:07:50 ID:Hj9IIogE [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ってそうだわ!」

ヒカリは思い出したように、腰に手を回しモンスターボールを手に取る。

「ミミロル、チャームアップ!『れいとうビーム』で地面を凍らせて!」
「そうか、地面が滑って身動きが取れなくなったら逃げられるもんな!」

ボールから登場したミミロルが寸分違わずヒカリの指示を実行する。
ケンタロスたちの前瞬く間に形成される、氷のフィールド。

「これで大丈夫大丈夫!」
「……なんか、ヒカリが大丈夫って言うと、急に不安になってきたんだけど俺」
「しっっつれいねぇ!!だいたいサトシは――――」

追いかけられていることも忘れて痴話喧嘩を再開するサトシとヒカリ。
やいのやいのと騒ぎはじめるものの……それはそう長く続く前に中断せざるをえなくなる。


「なあ、ヒカリ。なんかバリバリ……って音がしてるよな」
「え、ええ……いっせーのーで振り返りましょう。いっせーのーで!」

振り返った2人の視界に飛び込んで来た光景はといえば。
ミミロルが手際よく形成した氷のフィールドは、足を踏み入れたケンタロスたちの重さで割れてしまっていた。
氷に足を取られて多少足が遅くなりはしたものの、目をギラギラさせてこちらに走り寄る勢いのケンタロスたち。


「だ、だいじょばなーい!!!!」
「叫んでる場合か!逃げるぞ!!」


久々に会ったピカチュウにすりすりとアピールしていたミミロルをボールに収めた後。
サトシ達はまたしても全力疾走を始める羽目となった。
 ▼ 8 ゴチム@1ごうしつのカギ 22/04/23 23:08:25 ID:uWdonVcE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
草生えた
 ▼ 9 クサイハナ@からぶりほけん 22/04/23 23:08:58 ID:Hj9IIogE [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ヒカリ、あそこだ!あの岩の上ならたぶん追ってこれない筈だ!!」
「わかった!けど、どうやって登る?」
「……俺に任せろ。うおおおおおお!!」

進行方向に見えた傾斜の大きな2メートルほどの高さの岩。
それを利用してケンタロスをやり過ごそうと提案したのはサトシだった。
言うやいなや、「こうそくいどう」でも使ったのかというスピードで岩に接近するサトシ。
そのまま、「ロッククライム」で取っ手の少ない岩をすらすらと登っていく。


「サトシってもしかしなくてもポケモンの「わざ」を使えるのかしら……?」
「何か言ったか?」
「何でもない!さて、次はあたしの番よね」


目の前には自分の身長より50センチ以上は高い大きな岩。後ろからは地響きとともに迫りくるケンタロスの群れ。

「ああもう、やるっきゃない!」

お気に入りのワンピースが汚れたり切れたりするのも、もう仕方がないとヒカリは覚悟を決めた。
そのまま、手近なくぼみを掴んで大岩を登っていく。

「ヒカリ、俺に掴まれ!」
「わかったわ!」

隣では、同じくピカチュウがポッチャマを引き上げている。
登った岩の頂上に体を横たえて、手を差し伸べるサトシ。
ヒカリは、なんとかその手を握った。
それを確かめた後、サトシはぐいとヒカリの体を引っ張り上げる。
サトシの膂力で引き寄せられて、ヒカリはそのまま……サトシの体にダイブする。

「「あ……」」

お互いに少し意識する異性。
その体に大胆にも触れてしまったサトシとヒカリは、しばし思考停止に陥る。


「ピカピ!」「ポチャ!」

ポケモンたちの焦った声で、ようやくトレーナー2人は再起動する。
周辺を見れば、2人と2匹が登った岩は、ケンタロスに取り囲まれていた。

「うーん、やっぱりそんなに簡単に見逃してくれないか……」

あまり切迫感の感じられないサトシの呑気な声が、大岩の上に広がった。
 ▼ 10 アーボ@ずぶといミント 22/04/23 23:10:23 ID:Hj9IIogE [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「どうするサトシ?ケンタロスの群れ、全然動いてくれないけど」

あいかわらず2人と2匹は先程登った大きな岩の上。
狙い通りケンタロスたちが登ってくることは無かったが
その代わりに彼らは岩を取り巻くように並び、こちらを威嚇し続けている。

向こうはこちらに登れないが、だからといってこちらから安易に降りることもできない。
サトシは少し考えた上で、やむを得ない、といいたげに続けた。


「こうなりゃ、もう空を飛んで脱出するしかないな」
「まあそうよね。お願い、トゲキッス!」

白い妖精ポケモンが、トゥース!と優雅な所作で舞い降りる。
ヒカリはポッチャマとともに軽やかにその背中に飛び乗った。

「先に行くわよ!」
「ああ、すぐに追いつくから!」

離脱するヒカリとトゲキッスを横目に、サトシはさてどのポケモンがいいかと考える。
今回は、久々にヒカリに会うからとシンオウ時代のてもちを連れてきていたのだった。

その中で、空を飛べるのは……サトシは後ろ手で2つのボールを取る。
ムクホークと、グライオン。
ムクホークは、ボールのなかということもあってか、この状況でもおっとりとしているようだ。
一方のグライオンは、久々にいいところを見せたいのか
「グライ!グライオン!」とハサミを振り回してアピールしている。

ボール越しにも伝わるこのやる気……!
グライオン、お前の気持ち、しかと受け取ったぜ!



「ムクホーク!キミにきめた!!」

ごめんグライオン。他意はないけど、滑空だけじゃこの状況は抜け出せないんだ……

 ▼ 11 トロピウス@プロテクター 22/04/23 23:12:05 ID:Hj9IIogE [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ……」」

肩で息をするサトシとヒカリ。
「そらをとぶ」で脱出できたはいいものの、群れのうち半数はそのままサトシとヒカリを追ってきた。
それをムクホークに気を引いてもらったり、ピカチュウの十万ボルトで起こした土煙にまぎれて逃げたりと
八方手を尽くしてようやく完全にまくことに成功した。
開放された安堵感からか、倒れ込んで息を整えるサトシとヒカリ、そしてピカチュウとポッチャマ。

息が落ち着いて体を起こした2人。サトシの方をみたヒカリは、「あっ!」と声を出した。

「くすくす……サトシのほっぺ、泥ついてる」
「ホントか?」
「嘘なんてつかないわよ」
「って待てヒカリ、お前のおでこにも付いてるぞ」
「え、嘘!?」
「そんな嘘ついてもしょうがないだろ」

サトシのその言葉とともに、わずかに会話は途切れる。
静寂の次に、くすくすと押さえたような笑い声が続いて。
やがてサトシもヒカリも声を上げて大笑いし始める。

「なによそれ!変なサトシ!」
「なんだよ!ヒカリだってどろんこじゃんか!」
「誰のせいよ!!」

2人はゲラゲラと笑う。このサファリゾーンに入ったときのわだかまりなんて無かったかのように。
ケンカしたことなんて、なかったかのように。
ひとしきり笑った後、ヒカリはサトシのほっぺに手を伸ばす。

「ほら、取れたわよ、砂利ボーイくん」
「懐かしい呼ばれ方だな、それ」

そう言うと、サトシもヒカリのおでこに手を伸ばす。
そこには、同じく親指大の泥がついていて。
サトシはヒカリにならって、するりとその泥の塊を取った。

「ほら、これでバッチリだぞ、砂利ガールさん」
「なによ、あたしのセリフ盗らないでよね」

そういってまた、2人はクスリと笑った。
 ▼ 12 コフーライ@ゆきだま 22/04/23 23:13:20 ID:Hj9IIogE [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お互いに手で払った泥をそこら辺に落として、さあ気を取り直して、サファリゾーンの観光へ、というときに。
サトシはバツが悪そうな表情になって、ヒカリの方に向き直った。


「なあ、ヒカリ……悪かったよ。たぶん、遊ぶってもっと別なことを考えてたんだよな?
それに、そのワンピースもボロボロにしちまったし……たぶん大事な奴なんだよな?それ」


ヒカリの脳内にビックリマークがいくつも点灯する。
たしかに、要所要所でこのワンピースを相当気にしていたと思うけど。
サトシはそれを見て、このワンピースが大事なものだって見当をつけたってこと……?
ホントになんでこういう勘だけは鋭いのかしら??


でも、ビックリマークや疑問符がいくつも浮かぶけれども。
なんだかんだヒカリのことをよく見ててくれたんだなと思うと、ヒカリの心の中が暖かいもので満たされていく。
それは、ほんのわずかに残っていたわだかまりを溶かしていって。
なんだか、このお出かけをする前よりも、もっとサトシと一緒にいたくなる……そんな風にさえ思ってしまった。


「まあ、そうなんだけど……もういいの。なんだかんだ楽しかったから」
「そっか、良かった」
「あ、でも!!」

ヒカリは、ワンピースのそこかしこを指さす。
ここまでの大冒険というのか何なのかで、ところどころ破れたり傷んだり汚れたりしている青いワンピース。


「これの代わり、ちゃんと買ってもらうから!コトブキデパートに付き合ってよね」
「じゃあ次はコトブキだな!」
「うん!」


そういって、ヒカリは微笑んだ。
サトシも、ニカッと笑った。
最初の、険悪なムードはどこかに消え去って。
残るのは、なんとも甘ずっぱいというのか、どことなく落ち着かない雰囲気。


しばしして、2人とも今の発言の意味を思い返す。
あれ?もしかしなくても、今勢いで次のお出かけの約束をしたような……

どことなーく緩んだ雰囲気の中で、二匹の相棒はヤレヤレ、と言わんばかりに首を振っていた。
 ▼ 13 ラフレシア@むしのジュエル 22/04/23 23:16:02 ID:Hj9IIogE [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「りゅうのたにでハクリュウやミニリュウとは会えたか、サトシくん?」
「はい、あいつらも元気でやっていて嬉しかったです。これ、使わなかったボールと釣り竿です」
「それは良かった。それじゃあ、また次に来るのを楽しみにしとるよ」
「ええ!また絶対来ますよ!!」

威勢のいいサトシの声に続いて、ピカチュウも「ピカ!」と片手を挙げて
サファリゾーン管理人のカイザーじいさんに挨拶をする。
ヒカリとポッチャマも「ありがとうございました!」「ポチャマ!」と続けた。


出口へ向かって歩き始める2人と2匹。
視線の先ではオレンジ色の夕日が地平線に沈みかけていた。
昼過ぎに集合したのだから、結構長い間サファリゾーンでドタバタしていたことになる。


「な、いいとこだったろ?サファリゾーン」
「まあそうなんだけど……事前に教えてほしかったなぁ」
「……それをいわれると弱るな」

ヒカリは青いワンピースを摘みながらこぼすと、サトシは弱った表情。
もう済んだことなんだからと伝えて、ヒカリは話題を変える。

「あ、でも。ラッキーを見れたのは良かった!」
「珍しいもんな。タケシのハピナスも元気かなぁ」

しあわせポケモンのラッキー。
サファリゾーンでもめったにお目にかかれないレアなポケモンだが、帰る間際に見かけることができたのだった。
図鑑の説明によれば、見かけるだけで幸せになるという。
そのラッキーが、なんとなくサトシとヒカリのこれからを示してくれたように思えて。
ヒカリは内心、少し喜んでいたのだった。


「1日運動して、俺腹減っちまったよ。これから晩飯行かないか?」
「えっ?」

ヒカリは耳を疑う。……あのサトシが選ぶお店で、ご飯を食べる??
アラートが鳴り響く。今回のことを忘れるな。
サトシが連れて行くのだから。きっと、おしゃれなカフェとか、流行りのレストランとか、そんなところではない。
断言してもいい。

そういう洒落たところで、食事を一緒にすることに、憧れがないと言うと嘘になる。
それでも、とヒカリは思う。ラーメン屋だか定食屋だかわからないけど
サトシと一緒に、今日のドタバタを笑い合ったり、最近こんなポケモンと友だちになってとか
そういう話をすることの方が大事なのだ。
……この際、お洒落なところでディナーなんて背伸びは、しばらく延期ってことで。


「わかったわ。それじゃあ、サトシのおごりってことで」
「ほんと、意外とちゃっかりしてるよな、ヒカリって」

そうしてヒカリは、入るときとは真逆の、どこか晴れやかな気持ちでサファリゾーンを後にしたのだった。

……もちろんこの後、サトシにどこかの「安い!うまい!」が合言葉のチェーン店に連れて行かれて。
ヒカリが思わず「やっぱりこんなんかーい!」と魂のこもった叫び声を挙げることになったのは
容易に予想できたとは言え、不憫な話であった。
(終)
 ▼ 14 ズガイドス@きれいなウロコ 22/04/23 23:21:09 ID:uWdonVcE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙
ちなみにサトシタケシが高速移動使えるのは周知だと思うけどヒカリも高速移動らしきものを使える
あの二人と旅したんだから身につくんやろね
※ロッククライムもしてた様な気がしたが忘れた
 ▼ 15 キリンリキ@スピードボール 22/04/23 23:29:59 ID:k2L2SLNE NGネーム登録 NGID登録 報告
乙
面白そうなssが始まったと思ったら終わってた。
 ▼ 16 ハリーマン@グラスメモリ 22/04/25 09:55:00 ID:sOjokBQI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙
サトヒカss少ないから嬉しい
 ▼ 17 ゲッコウガ@ピカピカだんご 22/05/27 08:53:42 ID:x7YsDrHo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
終わってたのね
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