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僕は、がらんどうの保健室の机に己の汚い肉欲を吐き出した。
呼吸を整え、拭くものを探すために辺りを一瞥したとき、机の隅にあるそれを見つけた。
地味な色の、木でできた写真立て。
それは、桃や葡萄に似た派手な色の髪の女性が、背の高い男性と笑顔で写っている写真を記録するだけの役目を果たしていた。
────彼氏、だろうか。
その答えを脳が導き出したとき、僕の右手は鎮まることが出来ずにいた汚れたままの“注射器”を、摩擦で火が出てしまいそうなほどに激しく擦っていた。
そして、憎しみに似た感情が、奪いたいと思う理性が、最大最高の頂へ登り詰めたとき、僕は己の未熟さを、“派手な色”を収めた“地味な色”へぶちまけた。
その瞬間、僕の中の穢れた悪魔が顔を出し、この世のものとは思えない絶景と共に、未来を示してくれたのだ。
世界は僕の誕生を長い間待ち望んでいたようで、祝福のトランペットが鳴り響く。
僕はその悪魔の鳴き声を聴き、マウンドへ向かうエドウィン・ディアスにでもなったような気分だった────
────ああ。
戸を開ける音、息を呑む音。
それらが聴こえた方を振り向くと、そこには派手な髪色の天使が震えているのが見えた。
悪魔の鳴き声を聴かせてあげよう。
そう思って僕は走り出した。
…………ミモザ。