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【R-18SS】箱庭に咲く百合達は外の世界に憧れる!

 ▼ 1 ◆KtlNheaPIw 23/10/24 22:07:13 ID:YkpoyNvU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「────オリーヴァ、戦闘不能! 勝者、アオイ!」

ガラス越しの日差しを浴び、草葉に覆われたバトルコートが柔らかな光を返してくる。赤い閃光に包まれ小さくなった松葉色のポケモンが、相手の手元に吸い込まれていく。
それを認めてから私の相棒──ラウドボーン──が、鼻息を撒き撒き、こちらへ振り向いた。

「やったねラウドボーン! 貴方のおかげだよ!」

彼のところに小走りで駆けていって、その大きな体躯にふさわしいように力強く撫で回してあげる。
ポケモンバトルは大好きだ。試合中は体の芯まで熱を孕んで心地よく、勝利の快感は筆舌に尽くしがたい悦びをくれる。
ラウドボーンをモンスターボールに戻してからふと背後を振り向くと、近付いてくる人影が視界に入り込んできた。

「アオイちゃん! 今の試合凄く良かったよ!」

「タロちゃん! 観ててくれたの!? 忙しいでしょ」

「何よりも優先! わたし、アオイちゃんの大ファンだもん!」

「ははは……ありがとう」

ブルーベリー学園では、切磋琢磨するライバルの存在が実力を伸ばしてくれる、との理由でパートナー制度というものが導入されている。タロちゃんの前のパートナーが無事卒業して空きとなっていたところに、交換留学でやってきた私が当て込まれた形だ。
彼女は私より一学年上だけど、知り合ったその瞬間から打ち解けて、一ヶ月ほどの付き合いでも既に親友と言える間柄だ。
学園内TOP4とされるブルベリーグ四天王の彼女は、私を遥かに卓越した実力を持っていて、正直勝ち目なんか無い。

だけど、だからこそ、日々鍛錬を積み、ポケモンとの信頼関係を築いて、自身も品行方正な、誰からも憧れられる人間になろうと努力を積み重ねている、そんな彼女を心の底から尊敬しているんだ。
 ▼ 2 ◆KtlNheaPIw 23/10/24 22:15:01 ID:YkpoyNvU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ほう。夜のテラリウムドームに入りたいと」

「お願いですシアノ校長。強くなるために必要なんです」

海中学園の最下層にある校長室。扉から向かって正面がガラス張りになっていて海中の様子を伺うことができ、時々ハリーセンやミガルーサ、イルカマンなんかが顔を覗かせる。
そのほかは床も壁も一面黒の装いをしている上、置かれているソファやテーブルも重厚な雰囲気を纏っていて、この空間は水中ではないはずなのに息が詰まる思いだ。

「……まあ、良いだろう。アオイ君は近いうちにブルベリーグ四天王とも互角に戦えるような実力を持つだろう。そのための後押しをしようじゃないか」

「! 本当ですか! ありがとうございます!」

ブルーベリー学園が誇る巨大施設であるテラリウムドームは様々なポケモン達が保護、飼育されていて、学園の生徒ならば自由に立ち入りが可能だし、バトルも捕獲も許可されている。
だけど夜間は別だ。夜になると凶暴なポケモン達が眠りから目を覚まし、辺りを徘徊しだす。一定の強さを持っていると認められた生徒でないと立ち入りは出来ない。

「君はタロ君とパートナーにもなっているしね。勿論彼女も立ち入りを許可しているから、困ったことがあったら頼ると良い」

「わかりました、シアノ校長」

夜のテラリウムドームでタロちゃんに出会えたら、これ以上頼もしいことはない。
願わくば一緒についてきてほしいけれど、夜にメッセージを送ってみてもあまり返信はこない。それほど特訓が忙しいのだろうか?
 ▼ 3 ◆KtlNheaPIw 23/10/24 22:20:00 ID:YkpoyNvU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
3600回に1回だけ、より大きな音を出す時計。24回の特別な音を出したら、また24回が始まる。
ちょうど24回目を聴いてから、私しかいない部屋のノブを回す。
夕食を摂ってから、溜まっていた課題を片付けたり、日課にしていたスマホゲームに疲れを覚えたころには既にこんな時間になっていた。

「せっかくだし、もう遅いけど行ってみようか」

善は急げという。ポケモン達は今まで眠っていたようで元気が良い。
あくまでも本気でバトルをするわけではなく、どんなポケモンが居るかの調査をしにいくだけのつもりだ。

通常の建物でいう地下にある宿舎を抜けだして、エレベーターに引きずり出されるようにして一階に着く。エレベーターホールから延びる大きな廊下を通っていくとすぐにテラリウムドームに着いた。もう既に慣れた道のりだ。
ドームに繋がる頑丈な鉄製の扉の中央にIDカードを翳す。音を立てて中央の割れ目から引き裂かれていく。
ポケモンが逃げ出さないように、少し進んだ先にも設置されている二つ目の門を開ける。

息を呑んだ。

真っ先に目に入ってきたのは、雲がなく遮られることのない月明かりをそのまま溢している天球。
太陽に灼かれて冷えたあとの青くささを感じさせる草の匂いが鼻腔を擽って、乾いた風が私の身体から熱を奪う。
そこかしこから虫ポケモンの羽音や鳴き声が聴こえてきて、間隔を置いて大型の陸上ポケモンの咆哮が耳を劈く。

「タロちゃんは、この景色を見ながら強くなったんだ」
 ▼ 4 ◆KtlNheaPIw 23/10/24 22:25:11 ID:YkpoyNvU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ゴルーグにドンカラス……ジバコイルにガブリアスまで」

岩山が立ち並ぶ区画に来て一時間は経っただろうか、夜更かしをしている身体に疲労が溜まってくる。
しかし、今まで見てきたものとは様相の違う箱庭に胸が高鳴り、興奮を抑えきれない。

「もうちょっと高いところに行こうかな……あそこの、頂上とか」

跨っているコライドンに指示を出して、目の前に立ち塞がる断崖を登っていく。頂上へと続く緩やかな傾斜のある足場に着くまであと10mほどのところで、信じられない音を鼓膜がキャッチした。

────んっ、ああっ……!

脳が捉えたその音声を何回でもリピート再生する。
しかし、何度巻き戻してもたった一つの答えに辿り着いてしまう。この音声は女性の……いや、本当にそうとは思えない。でも……。

────あっ、あん……っ!

身体を固めているうちに答え合わせが降ってきた。確証を得る。
夜のドームは限られた人間しか入れないはず。それなのに人と出会うどころか、情事に勤しむ声を聴いてしまうなんて……。
私にとんぼがえりが使えたら。そう心のキャンパスに乱雑に書き出してから、コライドンに帰ろうの目配せをしようと思ったけれど、ここで一つの考えが湧き上がってくる。
これからも夜のドームに入って探索をするたびにこの声が聴こえてきたら? 配慮をするために離れなければいけなくて、探索できるエリアが狭まる。はっきり言って迷惑だ。
ならば注意をして追い返すしかない。その役目が私であるという極大の不幸に大きなため息をつこうとして、やめた。今存在がバレて逃げ出されたら困る。
というか、夜のテラリウムドームに入れる人達でそんなことをするなんて……。

「コライドン、あの足場まで連れていって」

耳元で囁く。コライドンはこの淫猥な声の意味を理解していないようで、急に止まった私の行動にはてなを投げかけていた。
足場に到達し、コライドンを一旦ボールに戻す。どうやら声は左手方向にある崖の向こう側、ちょうど死角となっている位置から発生しているようだ。
歩みを止めずに進んでいき、遮るものが大きな岩だけになって一段と鮮明に声が聴こえてくる。

一呼吸を置いて、目の前に姿を現した時の一言目を事前に考えておく。そうでもしていないと羞恥と緊張で押し潰されてしまいそうだ。
心の導火線に火を灯して、その時を待つ。

(今だ!)

右足を踏み出し、左手で岩を掴んで身体を捻る。悩みの種までコンマ数秒。

「あなたたち! 何やって……って、えっ」

「……えっ」

先程までのと違う声色をした刹那の返事は凄く聴き馴染みのある声だった。
一糸纏わぬ姿でしゃがみ込み、両腕を足の間に置いている女性が一人。肩まで緩やかなカーブを描くピンクの髪に、金色の二等辺三角形に翡翠色の装飾が嵌め込まれた特徴的な髪留めがついていて、これも見覚えがある。
以上の要素をもとに導き出した答えは、嘘だと思い込みたくものだけれど……。

「タ……タロちゃん……?」

「……って、アオイちゃん!?」
 ▼ 5 アマルルガ@かいのカセキ 23/10/24 22:25:43 ID:aK9YZ/fY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ほう
 ▼ 6 ◆KtlNheaPIw 23/10/26 22:00:00 ID:UAY2NKp2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「それで、どうしてこんなところでそんなことを……」

私の中で築きあげてきた彼女のイメージ像が音を立てて崩れていく。少なくとも私の知っている彼女はこんなことはしない、はずだ。
だけど、落ち着いて話をするために、まず彼女の隣に一緒になって体育座りをする。

「一度、外でシてみたら癖になっちゃって……それからずっと。去年くらいからかな……そ、その……わたしのせ、性欲が強いのは自覚してるの!」

彼女がこちらに顔を向けると同時に身体を捻り、支えるために右手を地面につけた。今まで隠されていた、控えめな二つの乳房が露わになる。

「ご、ごめん! 変なもの見せちゃって……」

「う、ううん大丈夫……とにかくリラックスして。ね?」

その言葉を聞いた彼女は、慌てて戻した右腕を再び地面につける。今度はしっかりと桜色の突起まで観察してしまった。リラックスしてとは言ったけどそういうことでも無いような……

「ね、ねえ……このこと、皆に言ったりしないよね……?」

そう溢した彼女の瞳は潤んでいる。羞恥に耐えて私と話をしてくれているのは、彼女の強さに他ならない。
彼女の持っている強さや、これまでの行い。それらは決して揺るがない。敬愛し、尊敬している相手だからこそ、こういう時に優しく手を差し伸べよう。

「勿論だよ。私たちだけの秘密」

「アオイちゃん……! ありがとう!」

「わわっ、そのままくっつかないでよ!」

抱きついてきた彼女のサラサラな髪の毛が顔の近くで舞って、色とりどりの花が咲き乱れる楽園のような香りが漂う。
背中に視線を移すと、綺麗に伸びる白い曲線の下部にあるお尻が飛び込んできた。そういえば、下も脱いでたっけ……。
嗅覚と視覚の両方を刺激されて、なんだか私まで変な気持ちになってしまいそうなのを必死に堪えながら、彼女の背中に腕を回した。
 ▼ 7 ◆KtlNheaPIw 23/10/26 22:05:00 ID:UAY2NKp2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はあ……なんかどっと疲れちゃった」

自室に帰り、靴を脱いで部屋着に着替えてから、一目散にマットレスへ駆け寄り身を投げる。
彼女の秘め事。それは、優等生であり模範にもならなければいけないという抑圧の反動なのかもしれなかった。
そう思うと少し気の毒で、そんな彼女のささやかな楽しみを阻害してしまったという事実に胸が痛む。
心の奥の、ちりちりと燃えている火種を消してしまおうと、頭の下に収まっていた枕を手で寄せて抱きしめる。
その感触が、別れ際に抱きしめた裸の彼女を思い出させた。実際はこんなに柔らかくはないし、枕カバーのザラザラした生地と肌とは似ても似つかない。だけど……。

「んん……っ」

それを抱きしめる力を強めれば強めるほど、別の炎が燃え盛っていくのを感じてしまう。
ここに来てから、劣情を催したことなんて無かった。彼女のせいにしようとしかけて、また罪悪感が芽生える。

「ふぅ……んっ……」

草木も眠る丑三つ時。おとなしく睡眠に意識を委ねてしまおうと思ったけれど、その前にこの熱を放出してしまったほうが良い。
都合のいい言い訳を宙に浮かべてから、意思を持って両手を動かし始めた。

着替えたばかりのショートパンツの中に右手を滑り込ませ、ショーツの上から秘裂に中指をあてがった。
そこは既にしっとりとしていて、作られたばかりの染みに指が触れる。痺れが指先から伝って脳を震わし、背中を反らしてしまう。

「あっ……ああ……!」

声も高く上擦りだし、それがほんの数十分前に聴いたばかりの嬌声と重なる。何故だか、自らの手で彼女を愛撫しているような倒錯に襲われた。
 ▼ 8 ◆KtlNheaPIw 23/10/26 22:10:00 ID:UAY2NKp2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
布越しの刺激でも物足りなくなって、ショートパンツを曲げた膝まで下ろし、ショーツの横から指を差し入れる。
するとそこは既に蕩けていて、淫裂にちろ、と触れただけの中指に雫が伝う。
仰向けになって、右手を眼と照明の間に持ってくる。濡れた中指に薬指を触れさせてから離すと束の間、橋が現れて崩れていった。

「こんなに……んぅ……!」

あのとき、タロちゃんもこのくらい……。そう思うと何故だか身体の火照りが強くなった気がした。
右手を秘部に戻して、とっくのとうに枕を放り投げていた左手で胸も擽ってみる。硬く張り詰めた突起に触れると、電流が響き渡って寒気すら覚えた。
昂る快感が爆ぜますように。形にしないそんな願いを抱えながら、秘部の突起にも軽く触れる。快感よりも痛みが強く響くのであまり触れてこなかったが、今ならば望みへの手助けをしてくれそうだ。

「タロちゃん……」

何故か彼女の名前を口にしてしまった。形にしてしまったなら、決壊して溢れてしまうだけ。
恥裂をなぞっていた指が、その内部の窪みを捉える。溢れるくらいに濡れそぼったそこに、指を立てて力を込める。すると、蜜が溢れ出してくる代わりにすんなりと中指が呑み込まれてしまった。
異物感はあるけれど、痛みはない。ゆっくり、ゆっくり引き抜いてみる。

「あっ! んっ……」

指に感じる襞の感触。それら全てが快感を生む源になっていると思うと、とめどなく脳の奥が焦げていく。

「タロちゃん、気持ち、いいよぉ……」

いつのまにか、自分が彼女にしてあげてるという錯覚がひっくり返っていた。彼女の指が蜜壺を犯している。
そう思うと途端に羞恥を感じて、温まっていく自らの顔を認めたくなくて、強く、強く目を瞑った。
宇宙が広がっているはずの瞼の裏に、琥珀色の絵の具が落ちて、拡がっていく。
彼女の潤んだ瞳。瞼を通して目と目が合う。

「う、うう……っ、ひぅ……!」

カウントダウンが始まった。腰が刺激に浮ついて、自由を求めた爪先が伸びる。
彼女の指が、より深く、より強く柔壁を擦った瞬間、雷に打たれたような衝撃が全身を駆け巡って一際大きな声が喉の奥から吐き出された。

「あっ、……あああああっ!!!」

波が打ち付けられるたびに、中に収まっている指を感じ取って余韻が身体を支配していく。
十数回呼吸をして、ようやく落ち着いてからゆっくりと指を抜いていく。栓を失った膣内から、またしても蜜が零れ落ちた気がした。

「はあ……はあっ……隣に、聞こえてなかったよね……?」

「わわ、パンツぐしょぐしょ……朝になってから洗濯しよう」

抜き取ったショーツを軽く拭いてから、脱衣所にかけてあるハンガーの端に引っ掛けておく。
あとは少々の後始末をしてから、多幸感の毛布に包まれたまま眠りについた。
 ▼ 9 ハンテール@かいふくのくすり 23/10/27 00:24:36 ID:.l/ceAiw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 10 ゴースト@コダックのうもう 23/10/27 00:25:19 ID:INxEftdU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そのパンツくれ
 ▼ 11 ◆KtlNheaPIw 23/10/28 22:00:38 ID:315UaJvw [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「はあ……どんな顔して会えばいいのかなあ……」

親友を自慰に使ってしまった罪悪感は、清々しい朝日を浴びても乾く事はなかった。
一時の気の迷い。そういうことを長い間してなくて、丁度きっかけが振ってきてしまったから。そう思うことにしておこう。

さらに運が悪いことに、今日は土曜日。平日は数学や歴史といったごく普通の授業があるけれど、今日は一日を通してバトルの実習が行われる。
つまり、嫌でもパートナーであるタロとは顔を合わせなくてはならない。凄く嫌な奴みたいになるけれど、今日は休んでいてほしい。
会ったときに異常なほどによそよそしかったり、そもそもまともに話してくれなかったりしたらどうしようかと、今日を思い出したときから不安だった。
重い足取りで二年生の教室まで向かう。学年が違うパートナーを持つ場合は後輩が先輩の教室に行って呼び出しをするのが慣例だ。

「すみません……タロ先輩、いますか……?」

お目当ての教室の扉付近に居た金髪の先輩に話しかける。

「タロね! 勿論居るよ! お〜いタロっち〜可愛い後輩ちゃんのお呼び出しよ〜」

「はいっ! 呼ばれました! アオイちゃん、今日も頑張ろうね!」

杞憂だった。

そもそも、外であんなことを出来る時点でちょっと変なところがあるのだろう。
もしくは表と裏で完全に別の人格が宿っているかだ。どっちにしても、変に引きずらない辺りは彼女らしいな、と思った。

「そうだアオイちゃん。相談したいことがあるから、実習終わったらわたしの部屋に来て!」

「は、はい……」

そっちだったか。口止めとして直々にシゴキを受けることになるかもしれない……。
 ▼ 12 ◆KtlNheaPIw 23/10/28 22:05:00 ID:315UaJvw [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「タロちゃんの部屋、196号室なのは知ってたけど行ったことないな……」

オークルのファンデが塗りたくられたみたいな廊下をぺたぺたと歩いていく。二年生が住んでいるフロアをうろつくのは初めての経験だ。
実習が終わり別れ際に、言い忘れてたけどノックは四回ね! って言われたけど何か特別な意味でもあるのだろうか。

「あった。196号室」

扉に刻まれた数字と頭の中に置いておいた数字とを二往復してから、歩み寄ってノックをする。

コンコンコンコン。

はーい、と扉の向こう側から声がした。やがてとてとてと足音がして、扉ががちゃりと開く……そこまでは良かった。

「ちょっ……タロちゃんその格好!」

「わああんまり声出さないで!」

驚きのあまり息が止まってしまう。目の前の彼女は何一つ衣服を身に纏っていなかったのだ。
ノブを手に取り扉を開けた彼女の、無防備な胸が晒される。

「アオイちゃん、早く入ってよぅ……」

まずいまずい。急いで扉の隙間に身体を差し込んで玄関に押し入る。
少しでも彼女の身体を隠す面積を増やさねばと、ガニ股歩きになってしまった。誰かに目撃された場合、これでは私の方が恥ずかしい人になってしまう。

「ちょっとだけ、アオイちゃんはそういう意地悪が好きなのかな、って思っちゃった……!」

「違います!」

もう既にくたびれてしまった、早くも帰ってふかふかのベッドに身体を沈めたい。
奥の部屋を伺おうとして、彼女の裸体が視線に入ってしまった。昨日は夜だったし、座りながらだったからあまり見えなかったけど……今日は全てが見えてしまう。
控えめな胸、オリフィスを思わせるような美しい曲線のくびれに……叢が取り除かれた、秘密の場所。

「今度はじろじろ見ちゃうんだ?」

「……」

振り回されっぱなしで少しだけもやもやもある。今度は本当に意地悪をしてやろうと思って、横にした右手を額に当て、頭を突き出して覗き込むようなポーズをした。

「そ、そんなに見ないで!」

見られたいのか、見られたくないのか、どっちなのかさっぱりわからない……大きなため息をついた。昨日の分も上乗せした、特大のを。
 ▼ 13 ◆KtlNheaPIw 23/10/28 22:10:00 ID:315UaJvw [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「それでね、ポケモンの技動作が大きいとこれだけ避けられやすいっていう統計が出てて……」

私はデスクの前にあった黄緑色の回る椅子に腰掛けて、彼女はベッドに座っている。
その格好でベッドに座られると、ちょっと間違いをおかしてしまったら言い訳が出来なくなる状況に追い込まれてしまうと気付いて、私が恥ずかしくなってしまう。
思いの外、彼女は至って真面目な話をしているのに……。
流石に間違いはしないんだけど、その事実がぽん、と浮かんでいるだけで動揺してしまうのだ。

「……って、おーい。聞いてますか〜?」

「はっ!? 聞いてる聞いてる、それでそれで!?」

「聞いてなかったでしょ。顔真っ赤だよ、そんなに動揺されるとわたしも恥ずかしいよ……」

うう。でも意識するなという方が無理がある。
近い年齢の女の子の裸。修学旅行のお風呂とかでは見たことがあるけど、あれは別だ。
部屋の中で、遮るものが無く、動きの少ない裸なんて自分のでもそうそう見ない。
でも、これで流石に服を着てくれるだろう。ちょっとだけ安堵して肩の凝りが取れた気がする。

「うーん……アオイちゃん以外の来客のときは流石に服着るけど、わたしとしてはその方が落ち着かなくて……」

「いや……それは流石に慣れようよ……」

「そうだ! アオイちゃんが慣れれば良いんじゃない!?」

「え!?」

「……わたし、いつもテラリウムドームでシてるわけじゃないの。今日は……教室! 夜の教室でシよう! ついてきてよ!」

「何言ってるの!? タロちゃん、それ本気なの!?」

「本気だよ。……う〜ん、これもバトルの特訓、かな?」

「呆れちゃう……」

垂れた頭を手で支え、左右にゆっくり振る。漫画の表現みたいだ。
夜の教室に忍び込むだけでも良くないことなのに、そんな……目の前で、どんな顔で見ていれば良いの?
ふと、視線を上げると彼女の裸体が目に入る。これが昨日は乱れてて……今日、私が止めても多分……。
そう思うと、一際強い鼓動が響いた。追随して、流れを強くした血液が身体を火照らせる。昨日、発散したのに……しかも彼女を想いながら……。
今度は罪悪感が血流に乗り始める。勝手に良いように使われてることを知ったら、彼女は怒るだろうか? いや、多分だけど怒らないだろう。そういう人だ。
でも、これが罪滅ぼしになるのなら……間違ってるとは分かってる。でも。

「い、行きます……」
 ▼ 14 ◆KtlNheaPIw 23/10/30 22:00:00 ID:ZFZcja0E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「あそこの鍵、持ってるんだ」

宿舎から話し声も失われた深夜。二人して部屋から抜け出して、校舎が位置するエリアへと向かっていた。
もちろん夜間は閉鎖されているが、ブルベリーグ四天王という権限を利用して侵入してしまえる、とのこと。
とは言うもののリーグ部の部室と、そこに面した一部の廊下と、それに付属した教室までのフロアしか入れないらしい。流石に、職員室とかまで入ることが可能になってはマズいのだろう。

「信頼して鍵を預けてくれてるのに。罪な人ですね」

「私がこれをどう使おうと、勝手だから!」

暗闇の中、手慣れた様子で施錠されている扉を開けて、私は中へと押し込まれる。
他の生徒が入って来られないように再び鍵を閉めたあと、しゃがんでいる私の耳許でわざとらしく囁いてきた。

「アオイちゃ〜ん、もう君は共犯者で〜す」

「はいはい」

彼女がトートバッグから懐中電灯を取り出す。それを上向きに置いて最低限の灯りを確保した後、やはりというか、彼女が突然脱ぎ出した。

「アオイちゃんも脱がない? 気持ちいいよ?」

「脱ぎません。そこは共犯にはならないよ!」

「けちんぼさんだ」

下着だけの彼女は片頬を膨らませて抗議の意を示している。ただ本気の提案ではなかったようで、そんなことはすぐに忘れて残りの枷を外しにかかった。

「あのね」

そう口を開いた彼女は背中に手を回し、ブラジャーのホックを外した。白色で飾り気のないそれが、束の間の休みを貰い地に堕ちる。

「今日の実習、ずっとパンツ穿いてなかったんだ」

ショーツの片側に親指をかけて、斜めにずり下ろす。もう少しで秘裂が見えてしまいそうで、思わず視線を逸らしてしまう。

「気持ちいいよ。アオイちゃんもいつかしてみたら?」

「……珍しくスカート穿いてると思ったら、そういうことだったの」

「ふふ、今度からアオイちゃんにはバレちゃうね」

腰に引っかかったままのもう片方に手をかけ、左足を上げてショーツを跨ぐ。床から伸びる灯りで可視化された舞う埃ごしに、明確になった輪郭を覗き込んだ。

そんな視線に気付かない彼女は精一杯の伸びをしてから口を開いた。

「行こっか」
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