【エクプロ】スピネル「坊ちゃん、少し付き合って頂けませんか？」アメジオ「…。」【SS】

深夜0時エクスプローラーズのアジト…幹部のスピネルは意味ありげな表情でボス・ギベオンの息子で組織の跡取りでもあるアメジオを呼び出した。

アメジオ「…こんな真夜中に何の様だ…さっさと済ませろ。」イライラ

スピネル「…まあまあ肩の力を抜いて…大した事はありません。少しDVD鑑賞をしようと思いましてね。良かったらご一緒にいかがかと。」

サンゴ「何々？面白そう〜サンゴも入れて。」

スピネル「仕方ありませんね…では3人で見るといたしましょうか…。」クスッ

アメジオ「…。」

支援ネ

ほう…

3人はTVのある部屋に移動した。

「鑑賞するのはこちらです。」

スピネルは勿体ぶった手つきでレンタルビデオ屋の紺色の袋からディスクを取り出した。タイトルは『本当にあった呪いのビデオ』

サンゴ「あ！サンゴそれ知ってる。一般人が撮った心霊映像を集めて検証するやつだろ？」

スピネル「いかにもその通りですよ。」

サンゴ「ていうか何で今時DVD？今は配信の時代だろぉ？」

スピネル「私はシチュレーションにこだわるタチでしてね…おや？どうかしたのですか…アメジオ坊ちゃん？」

アメジオは俯いて黙り込んでいる。

スピネル「…もしかして怖いんですか？」

サンゴ「坊ちゃんはまだお子ちゃまだからな〜無理しなくても良いんだぞ〜。」ニヤニヤ

アメジオ「う…うるさいっ…そんなわけがないだろう！」

スピネル「クスッ…では始めますか。」

スピネルはディスクをプレーヤーにセットした。

〜半日前〜

サンゴ「え？坊ちゃんを懲らしめたい？」

スピネル「…嫌いなんですよね…我々が苦労して幹部になった中、ヤツはギベオン様の血筋というだけで上の位にいるのが気に食わない。少々『わからせたい』と思いましてね。」

サンゴ「あはは！いいぞ。サンゴも最近坊ちゃんの事生意気だと思ってたんだよね〜小さい頃はあんなに可愛かったのにな。」

スピネル「フフ…さてどうやってアメジオを痛い目に合わせましょうか？」

サンゴ「サンゴ、坊ちゃんの弱点知ってるぞ。それはねぇ…。」ヒソヒソ

スピネル「…。」ニヤリッ

『…ではもう一度見てみましょう…鏡の隅にご注目下さい…。』

アメジオ「…うっ。」ゴクリッ

サンゴ「坊ちゃんやっぱり怖いんだろ〜涙目になってるぞ。」キャハハ

スピネル「我慢せず赤子の様に泣いてしまっても良いのですよ。」クスクス

アメジオ「…こ、こんな物合成かCGだろ。怖いわけがない
。」

スピネル「それがそうでもないのですよ。数年前にこの企画の元スタッフだという者がネット掲示板に現れ『約8割は捏造』ということを暴露したのですが…つまり残りの2割は紛れもなく本物だということです。」

サンゴ「へぇ〜スピネルもネット掲示板とか見るんだ？サンゴもたまに見るぞ。『ガールズちゃんねる』とか『ポケモンBBS』とか。」

スピネル「下らない雑学でも案外役立つこともあるものですよね。」

サンゴ「ねぇ〜。」クスクス

アメジオ（…一体なんの話をしているんだ？）

『拡大すると部屋の隅に女の顔の様な物が…。』

アメジオ「うう…。」身体を震わせ顔を画面から背ける

サンゴ「ギャハハ！やっぱり坊ちゃんめっちゃ怯えてるじゃねーか！オニ可愛いんですけど〜。」


ガチャン…


オニキス「サンゴ、そろそろ寝る時間だぞ。」

サンゴ「え〜！？やだやだっ！もっと坊ちゃんを虐めるんだ〜！」ジタバタ

オニキス「…明日もアカデミーに潜入するんだろ。そろそろ寝ないと起きれなくなるぞ。」

サンゴ「むぅぅ…。」

サンゴとオニキスは部屋を出て行った。

スピネル（まあこうなる事は想定内でしたけどね。）チラリッ

スピネルは神妙な顔をして座っているアメジオに目をやる

アメジオ「…俺ももう寝る。」

スピネル「盛り上がるのはこれからですよ？」

アメジオ「…いい加減にしろ。明日は早いんだ。」

スピネルはアメジオに詰め寄った。

スピネル「…私にもっと見せてくださいよ？坊ちゃんの恐怖に歪んだ可愛いお顔を。」クスクス


アメジオ「ふざけるなっ！！」


バタンッ

〜アメジオの部屋〜

アメジオは寝付けずにベッドの中で寝返りを打っていた。

「…なあソウブレイズ、幽霊なんているわけないよな？」

ソウブレイズ「…。」

ガタガタ（風が建物を軋ませる音）

アメジオ　ビクッ

アメジオ「……寝れん。」

ソウブレイズもゴーストだけどね

〜ハンベルの部屋〜

トントン…

ハンベル「おや？こんな時間に何者でしょうな？」

ハンベルが扉を開けると、そこにはパジャマを着て枕を抱えたアメジオが立っていた。

ハンベル「これはこれはアメジオ様。こんな時間に何か用ですかな？」

アメジオ「ハ…ハンベル…その…今夜は俺をこの部屋で寝かせてはくれないだろうか…///」

ハンベルは何かを察したかの様に優しい表情をアメジオに向けた。

ハンベル「勿論ですとも。ただいま布団を用意して参ります。」

アメジオ「…///」

ハンベル「アメジオ様は昔から非科学的な出来事が苦手でございましたね。」

アメジオ「…俺は現実主義者なだけだ…別に怖がっているわけではない。」

ハンベル「それはそうと、アメジオ様のソウブレイズや私のヨノワールも『ゴースト』と呼ばれるタイプ属性でございますが？」

アメジオ「…ポケモンは平気だ。それにソウブレイズはカルボウの頃から俺と一緒に育ってきた相棒だ。」

ハンベル「…アメジオ様ももう14歳。ソウブレイズと共にスクスクとお育ちになり爺やはうれしゅうございます。いづれはギベオン様の後をお継ぎになりこの組織を引っ張ってゆく事でしょう。」

アメジオ「…よせよ…照れるじゃないか///」

ハンベル「あれはアメジオ様が5歳の時でございました…おや？」

アメジオ スウスウ…

ハンベル「…大人びてはいてもまだまだ少年でございますな。」

ハンベルはアメジオのあどけない寝顔をそっと見つめる。

アメジオお子様で可愛いなw
支援

一方その頃、スピネルは先ほどの部屋で膝の上のブラッキーを撫でながら酒を嗜んでいた。

「これは少しハード過ぎてお子様方にはお見せできませんからね…。」

レンタルDVDの袋にはもう1枚…血濡れで椅子に縛り付けられた女性のパッケージの物が入っていた。

「さて…私1人で楽しむとしましょうか。」

ガタガタ…

アゲート「…何だスピネル？まだ起きているのか？」

スピネル ビクッ「…アゲート…貴方朝早過ぎませんか？」

アゲート「教師は生徒より早くアカデミーに行かねばならぬからな。それにしても相変わらず悪趣味な物を見ている様だ。」

スピネル「…。」

コニア「アメジオ様、目の下にクマが。」

ジル「何処か体調でもお悪いのですか？」

アメジオ「少し寝不足なだけだ…それより今度俺を遊園地にあるお化け屋敷とやらに連れて行ってはくれないか？」

ジル「？？何故その様な所に…何らかの作戦ですか？」

アメジオ「そうではない…ただ俺が苦手分野を克服したいだけだ。」

コニア「！？…はい！アメジオ様の為ならば喜んで。」

ジル「何処までもお供いたします。」

アメジオ「…ありがとう。」



おしまい

お化けが怖いアメジオ君と、スピネルサンゴに煽られるアメジオ君が書きたかったので書いてみました。低クオリティですが読んでくれた方いたらありがとうございます。

お疲れ様です！

乙！

ビビりなアメジオくん可愛かった！乙！

アメジオかわいい