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SS

SS「アユミちゃんぱんでみっく!」

 ▼ 1 ブリー@もえぎいろのたま 25/02/22 01:17:07 ID:WtKQpXsY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
◯月A日
今日はカントーポケモンリーグで殿堂入りした記念に、タマムシデパートでお買いものの日!
自分へのご褒美にいっぱい欲しいものを買うんだ!
ママは「あんまり遠くにいっちゃダメよ!」って言ってたけど、カントー地方を歩いて一周したんだから平気だよ!って返して家を飛び出して行っちゃった!
最初はシン君も誘おうとしたけど……チャンピオンをかけたバトルで勝ったばかりだし悪いかなと思ってわたし一人でいくことにした。
シン君は優しいから気にしないと思うけどね!次会う時のためにお土産はちゃんと忘れず買って帰ろう!

アユミはレポートに しっかり かきのこした!
アユミ「……これでよしと。」
 ▼ 154 ガガブリアス@おおきなマラサダ 25/02/24 23:04:01 ID:B8/kvyvA [1/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「わたし……帰って謝ってくる。でも出来ればせっかく助かったんだから、お母さんのことも保護してほしいんだけど……。」

そうこう考えている間にピンポーンとインターホンが鳴った。感染者ならこんな文化的な入り方はしないだろうが、念の為ドアの隙間から外を確認した。

見知った灰色の防護服を着た男だ。
どういうわけだか、一回り小さい黒い防護服を持ってきている。
 ▼ 155 タドガス@きんのパイルのみ 25/02/24 23:04:50 ID:B8/kvyvA [2/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
灰色の防護服の男「来るなら間違いなくここだとは思っていた。この中に感染者は?」

アユミ「……いたけど今は大丈夫です。入ってください。」



灰色の防護服の男「今は大丈夫……という言い方が引っかかるが……。」

アユミの母「アユミ?この人は?」

アユミ「わたしを検診する場所まで連れてきてくれた人だよ。」

灰色の防護服の男「……君の母は無事だったのか?」
 ▼ 156 ジアイス@なんごくかいがら 25/02/24 23:05:51 ID:B8/kvyvA [3/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「いえ。感染していたのですが、わたしを噛んでから意識を取り戻しました。」

平坦な調子で話す印象のあった灰色の防護服の男は、その夢物語のような話を聞いて明らかに動揺していた。

灰色の防護服の男「……信じられん。君がいくら全く病原体の影響を受けない体質といっても、感染者の治癒まで行えるとは……。」
 ▼ 157 ブラン@バンジのみ 25/02/24 23:06:15 ID:B8/kvyvA [4/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「わたし今起こったこともあって少し自信が出ました。相変わらず原理は分かりませんが、わたしは確かにこの騒動を終わらせるきっかけになれるかもしれません。」

アユミ「さっきは身勝手なことをしてしまってごめんなさい。もう一度わたしに手伝わせてください。」

灰色の防護服の男「……言うまでもなくちょうどその件でここまで来たんだが、これから向かう場所はあの狭い民家ではない。」
 ▼ 158 ーブシン@ユキワラシのけ 25/02/24 23:07:17 ID:B8/kvyvA [5/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
灰色の防護服の男「これから向かうのは、今の所感染の影響のない離島のグレンタウンのポケモン研究所だ。今はそこにオーキド博士を始めとする研究者が集まっている。」

アユミは意外な街の名前が出て目を丸くした。グレンタウン……確かに感染の影響が出ていない研究所で言えばそこがあったか……。


灰色の防護服の男「とはいえまた現地民に白い目で見られるのも酷な話だろう。これは君が着る用の防護服だ。感染リスクを減らせるし、はたから見れば中身が誰かもわからない。」

アユミ「ありがとうございます!あの……もう一つだけお願いしていいですか。」

灰色の防護服の男「何か?」
 ▼ 159 グラージ@たいようのふえ 25/02/24 23:09:02 ID:B8/kvyvA [6/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「せっかく助かったので、わたしのお母さんを保護していただけますか?」

灰色の防護服の男「……なるほど。つまり私は新たに防護服を用意し、感染者を振り切ってもう1往復する必要があると。」

アユミ「……難しいですか?」

灰色の防護服の男「カントーを救う可能性のある君の頼みでなければ突っぱねていた所だ。君の母は責任を持ってこちらで預かろう。」

アユミ「ありがとうございます!お母さん!よかったね!」

アユミの母「ありがとうございます!うちの娘が迷惑をかけたそうで……本当に何とお礼を言ってよいか……。」
 ▼ 160 メレオン@ライブスーツ 25/02/24 23:09:25 ID:B8/kvyvA [7/7] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
灰色の防護服の男「元々協力してもらっているのはこちら側だ。彼女の存在を前提として、今カントー再起の計画は成り立っているといっても過言ではない。」

灰色の防護服の男「グレンタウン……
。行き先はわかるね?マサラタウンの南の21番水道を渡った先にある。私は君の母を責任持って送り届けるから、すぐに向かってくれ。」

アユミ「わかりました。行ってきます。」

自らの体に驚くべき感染者の治癒能力が備わっていたこと。これからの指針が定まり、タマムシの騒動後初めて根拠のある自信がアユミに備わった。
 ▼ 161 プ・レヒレ@まひなおしのみ 25/02/24 23:46:16 ID:I9jE8jt2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
希望が見えたな
直接噛んでもらうのは途方もない時間がかかるから、血液採取して特効薬作る感じか…?
 ▼ 162 グレイブ@ピンプクのおとしもの 25/02/25 11:11:31 ID:7Wsgc.EM NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
可愛いタイトルで中身は絶望的な内容って感じのアニメが流行ってた時期あるよね
それに通ずるものを感じる
 ▼ 163 マルルガ@チリソース 25/02/25 19:46:47 ID:bBwwSNS2 [1/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アユミの母「母として危険な所に行くのを止めるべきか……思うことはあるけれど、とにかく無事を祈っているわ。」

アユミ「大丈夫!みんなが元通り暮らせる環境を作る……のは研究者さん次第なのかな?わたしも出来る限りの努力をするね。」

アユミの母「アユミ……いってらっしゃい。」 

アユミ「……行ってきます。いつかただいまって言いに帰ってくるね。」


アユミは家を後にした。次に帰って来る時は、半端に投げ出した後ではなく、全ての騒動が終わってからと心に固く誓って。
 ▼ 164 ラブルタケ@アシレーヌZ 25/02/25 19:47:22 ID:bBwwSNS2 [2/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
21番水道

アユミ「ヒジュツ・ミズバシリ!」

アユミは相棒イーブイといっしょにサーフィンの要領で、すいすいと21番水道を南下している。
……流石に遊泳しているトレーナーはいない。いつも誰かしらのはしゃぐ声がしていた中で、ポケモンの鳴き声が聞こえる程静かな水上の旅はアユミにとって初めての感覚だった。
これはこれで乙なものだが、アユミの使命はカントーを元通りの環境に戻すことだ。

誰かに邪魔されることもなく、順調にグレンタウンの入口が見えてきた。

アユミはいつもの癖でそのまま入りそうになったが、ここはせっかく貰った防護服を付けてから入った方が望ましいだろう。
 ▼ 165 ットレイ@ヨロギのみ 25/02/25 19:48:07 ID:oMMk.arg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フラグ…
 ▼ 166 レベース@こだいのきんか 25/02/25 19:48:15 ID:bBwwSNS2 [3/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
グレンタウン

発生源から遠いおかげか、街中はアユミが初めてここに来た時と完全に同じ形を保っていた。
あまり表に出せない内容からか、アユミは一瞬ポケモンやしきの方で研究を進めてるのではないかと考えたが、一先ず素直にポケモン研究所に足を運んだ。
 ▼ 167 オー@たまむしプレート 25/02/25 19:48:37 ID:bBwwSNS2 [4/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ポケモン研究所(グレン・ラボラトリー)

アユミは研究所に入り受付付近をうろうろする。 
……灰色の防護服の男からは研究所に向かえとしか指示を受けていなかったということにアユミは気がついた。まあ……そのうち声をかけられるか。

それに周りは特に防護服を来ている様子はなく、全員白衣を着用している。各地から集まっているというだけあって、前に化石を復元して貰いに来た時よりも人が多く感じた。
白衣の集団はチラチラと黒い防護服を着用したアユミに視線を送る。
……入るまでは着てきた方がよかったが、皆が事情を知っている施設内では着ている方が浮くのでは?と思い始めた矢先、受付の人に声をかけられた。
 ▼ 168 ブリム@パワーリスト 25/02/25 19:48:59 ID:bBwwSNS2 [5/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
受付「えーっと……もしかしてアユミさんですか?」

アユミ「……はい。どこに入ればいいかわからなくて。」

受付「一番奥の実験室にどうぞ。」

アユミ「……ありがとうございます。」
 ▼ 169 ダイナキバ@いいつりざお 25/02/25 19:49:31 ID:bBwwSNS2 [6/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
実験室

???「アイヤー!あなた遅かったねー!連絡あってからもうそろそろ着く頃かと思ったアル。」

アユミ「ごめんなさい……どこに入ればいいかわからなくて……。間違った所に入って邪魔するのも悪いので。」

この変な喋り方をする博士が、見かけによらずアユミの持ってきた化石を瞬時に復元した自称えらーい博士だ。
……尤もアユミはこの博士のことを変な博士と認識している。

変な博士「それにしても遅いねー!私待ってる間にもうウィルスについて大体のことがわかったアルねー。」

アユミ「…………え?」
 ▼ 170 ルマユ@たべのこし 25/02/25 19:49:52 ID:bBwwSNS2 [7/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
当然アユミは耳を疑った。殆ど情報なんて出ていなかったはずだ。原因がなんのウィルスかどうかすら定かじゃない。
これから改めてちゃんとした施設で体を調べて、ようやく解決方法を編み出していくぐらいに思っていた。

変な博士「だから!大体わかってるのよ!後はあなたとイーブイの協力必要!準備するよろし!」

???「こら!お前はどうしてこうも説明を省くんじゃ!せっかちすぎて全く話が理解できとらんじゃろ!」
 ▼ 171 ラルジグザグマ@ふしぎなタマゴ 25/02/25 19:50:19 ID:bBwwSNS2 [8/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
間違いなく聞き覚えのある声の主。ポケモンのオーソリティことオーキド博士その人だった。

オーキド「それに自分だけの手柄にしおって!殆どがタマムシのアジト跡に潜入して資料を取ってきた彼のおかげじゃ!」

変な博士「そのデータを解析したのは私の仕事アルね。だから私の手柄よ。」

オーキド「……もうそれでええわい。久しぶりじゃな。アユミ君。随分と物々しい服を着とるのう。」
 ▼ 172 ーブイ@バグメモリ 25/02/25 19:50:58 ID:bBwwSNS2 [9/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「お久しぶりです!……やっぱりおかしいですか?」

オーキド「いいや。そのままがええじゃろう。それはそうと……今こいつが言ったことは本当じゃ。今カントーで猛威を振るっとる生物災害の全貌は大体掴んどる。」

アユミ「……本当ですか?」

オーキド「信じられんかもしれんが本当じゃ。まず何から話すべきかのう……。実はこんなことを仕出かすことが出来る筋金入りの大馬鹿者のことは大体見当がついていたんじゃ。」
 ▼ 173 リンリキ@あくのジュエル 25/02/25 19:51:41 ID:bBwwSNS2 [10/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「……それは誰なんですか?」

オーキド「アユミ君に言ってもわからんじゃろうが……。昔はわしの研究所で助手をやっていた研究員じゃ。ヘタをしたらワシより優秀なやつじゃった。」

オーキド「ただ……あまりにも優生思想と野心が強かった。わしらと馬が合わないあいつは、喧嘩別れに近い形でわしの元を去っていった。」

オーキド「風の噂によれば、あいつはその後能力さえあれば誰でも取り立てるロケット団内で研究員をやっていたらしい。その中でも迎合できず、サカキだけを信奉してたようじゃ。まあこれは後の話で本当にそうだったと証明されるわけじゃが。」
 ▼ 174 ランテス@うつしかがみ 25/02/25 19:52:19 ID:bBwwSNS2 [11/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「それが……今回の生物災害の主犯なんですか?」

オーキド「何故それがわかったかというとのう。さっきちょっと話したが、無謀にも防護服と己のポケモンのみで、ロケット団アジト跡に潜入する大仕事をやってのけたこれまた大馬鹿者がいたんじゃ。名前はなんといったかな……?」

??「あッ!オーキド博士そりゃないぜ。オレ命がけで頑張ったっていうのに……。」
 ▼ 175 ストダス@くろいヘドロ 25/02/25 19:53:17 ID:/ofA1jpM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ちゃん…w
 ▼ 176 チミル@メグロコのツメ 25/02/25 19:53:22 ID:bBwwSNS2 [12/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「シン君!無事でよかった……。」

シン「オレもアユミが無事ですげえ嬉しいよ。発生源のタマムシにいたんだろ?」

シン「オレもアユミが頑張ってる間に、自分なりにやることやってたってわけよ。……流石に帰りに感染者に入口塞がれた時はもうダメかと思ったけどな。」

オーキド「ほっほ!冗談じゃ。まあこういったシン君の働きによって、ウィルスに関する資料を手に入れる事ができたというわけじゃ。」
 ▼ 177 イコグマ@とくせんリンゴ 25/02/25 19:54:11 ID:bBwwSNS2 [13/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オーキド「資料によればこのウィルスの仮称はロケットウィルスというらしいが……アユミ君。どうしてキミにだけ都合よくウィルスの効果は効かないんだと思うかね?」

ウィルスがアユミに効かない理由。タマムシでの生物災害が起きてからずっとアユミが知りたかった事柄だった。

アユミ「……たまたまわたしがウィルスに抗体を持っていたとか?わたしさっき感染したお母さんに噛まれたんですけど、お母さんが元に戻ったので。」

オーキド「ほう……それはまた後で話を聞くとして……。」
 ▼ 178 グロコ@みずのかけじく 25/02/25 19:55:02 ID:bBwwSNS2 [14/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オーキド「アユミ君の導き出した結論は合っている。キミはこのロケットウィルスに対する完全な抗体を持っている。」

オーキド「ただ順序が違う。アユミ君はその抗体を予め都合よく持っていたのではない。ウィルス側がキミに合わせて作られたものなんじゃ。」

アユミ「どういう……ことですか?」

状況が全く飲み込めないといった表情をするアユミ。
ここまでこれだけの被害が出てアユミだけが無事だったのも、奇跡ではなく全て予定調和だったというのか。
 ▼ 179 ココ@ザロクのみ 25/02/25 19:55:28 ID:bBwwSNS2 [15/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オーキド「……これは旧ロケット団アジトで見つけた走り書きのメモじゃ。あまり気分の良いものではないから、見たくなければ見なくてもよい。」

アユミ「……読ませてください。」

アユミは警告されて少し狼狽えたが、真実を知りたい気持ちが上回った。
 ▼ 180 スネ@てつのかけら 25/02/25 19:56:27 ID:bBwwSNS2 [16/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
「小娘が。サカキ様の崇高な理念も知らずにロケット団を壊滅に追い込みやがって。
断じて許すことは出来ない。復讐してやる。奴が一番幸せを感じている時に地獄の底に叩き落としてやる。
それも楽に命を奪ったりはしない。自ら死にたいと思わせるまで外から追い詰めてやる。
そのためだけに御誂向けのウィルスを私は編み出した。……願わくば奴が絶望しながら助けを求める姿が見たかった。」

アユミ「その状況が今の……酷い……。」

……もしこれがアユミを精神的に追い詰めるためだけの仕業なら、ロケットウィルスの成果は大成功と言わざるを得ない。
アユミは一度は自棄になって命を絶ちかける程に摩耗したのだから。
 ▼ 181 メール@プロテクター 25/02/25 19:56:56 ID:bBwwSNS2 [17/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「このメモを見つけた所の近くで、研究員は亡くなってた……。その人かどうかは特定する余裕はなかったけど多分もう……。」

オーキド「……この一連の騒動は純度100%、一人の狂った研究員による逆恨みによるものじゃ。そして残した傷跡は一人の死では償い切れない程に深い。」

オーキドの語調はかつて聞いたことのないぐらい怒りを帯びていた。

アユミには理不尽からの怒り、最期まで憎悪に狂った男への哀れみ、こんな一人の復讐のためにカントーの全てが脅かされていることへの悲しみと言った様々な感情が渦巻いた。

たった一人の私怨だけで、何故これ程のことが出来るのか?狂っている。
 ▼ 182 ワガノン@のびたバネ 25/02/25 20:03:52 ID:bBwwSNS2 [18/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
実験室はまるで誰も中にいないかのように静まり返った。
沈黙を破ったのはやはりというべきか空気の読めなさそうな変な博士だった。

変な博士「私が解析したロケットウィルスのメカニズムはこうね。感染した者は、強烈な飢餓感に見舞われるアル。でも調理された食事等には興味を示さず、非感染者を肉体を付け狙う。みんなも知っての通りの光景アルね。」
 ▼ 183 ガガブリアス@あかいウロコ 25/02/25 20:04:23 ID:/ofA1jpM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひえっ…
 ▼ 184 ガフーディン@ウオーターメモリ 25/02/25 20:04:43 ID:bBwwSNS2 [19/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士「この時『アユミちゃんを食え』という、脳から異常な電気信号が送られるアル。それで出てくるのがあの『アユミちゃん…w』っていう譫言ね。はた迷惑な話よー。知らない人からしたら、感染源とあなたが関係アルと思われるね。それすら狙いだったかもしれないけどねー。」

変な博士「更に性格の悪い話がねー。さっき話にも出たけど、あなたのこと食うと本当に助かるように出来てるアルね。あなた2番道路で検査受けたでしょ?途中で逃げたらしいけど。あなたもせっかちねー。」

アユミ「うっ……その節はごめんなさい。」
 ▼ 185 ガヤドラン@クヌギダマのから 25/02/25 20:05:38 ID:bBwwSNS2 [20/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士「あの結果とロケットウィルスを照合したけど、話の通りあなたの体内はこのウィルスの抗体を含んでいるよ。この世で一番あなたを憎んでる男が、あなたの体を元に、あなただけが助かるように仕向けた。歪んでるねー。まあもっとも感染者も運よく抗体を引き当てた所で、他の感染者にまた噛み付かれるのが大抵のオチだろうけどねー。」
 ▼ 186 サイハナ@べにいろのたま 25/02/25 21:17:46 ID:bBwwSNS2 [21/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
変な博士「ここまで話理解できたか?私に言わせてみればこれはロケットウィルスなんて大層な名前いらないアルよ。アユミちゃん嫌がらせウィルスね。」

アユミ「犯人の目的はわかりました……。許せない……といってももう亡くなってるんですよね。」

変な博士「物わかりよろし。それではこれからの話に入るアル。」
 ▼ 187 ギングル@おくびょうミント 25/02/25 21:18:19 ID:bBwwSNS2 [22/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士「感染者は基本的に飲まず食わずの状態で彷徨ってるアル。人を噛むと言っても摂食してるわけではないからねー。だから栄養が摂れていない。」

変な博士「そんな中で体細胞の分裂と壊死が進行していくアル。ただあなたの血液からワクチンを作って投与すれば、ウィルスはたちまち死滅。以降の感染も防ぐことが出来るはずねー。」

アユミ「では早くワクチンをわたしにください。わたしなら実地に向かえ……。」
 ▼ 188 ローラサンド@かわらずのいし 25/02/25 21:18:53 ID:bBwwSNS2 [23/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オーキド「……ここからが肝心な話じゃ。……感染者は感染してからどれぐらい持つんじゃ?」

変な博士「……個人差はあるけど、私の見立てだと感染した日から持って1週間程度アルね。」

アユミ「1週間!?もう既に2日経ってるんですよ!?そんなの間に合うはずが……。」

オーキド「……一度に持っていくことが出来るワクチンも数限りあるし、勿論感染者に簡単に投与できるはずはないじゃろう。感染者を鎮圧してワクチン投与するとしたら、現実的に助けることが出来る人口は……。」

オーキド「都市部一つにも満たないじゃろうな。」

アユミ「そんな……。」
 ▼ 189 ニーブ@コリンクのキバ 25/02/25 21:19:36 ID:bBwwSNS2 [24/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミは力が抜け落ちて、実験室の床にへたり込んだ。……せっかく治療出来る方法が確立したというのに、圧倒的に時間がたりない。

シン「アユミ……。」

アユミ「それじゃ……助ける街を選ぶことになるじゃないですか。」

アユミにその判断は出来ない。生まれ故郷も、自分の命を繋いでくれた街も、絶対に見捨てることが出来ないかけがえのない存在だ。

アユミ「……何か!何か他に手はないんですか!?そのためならわたしはどんなことだってします!……だから……どうか……。」
 ▼ 190 クジキング@ベリージャム 25/02/25 22:03:31 ID:bBwwSNS2 [25/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士「あなたなら必ずゴネると思ったねー。確かにそれじゃあまりにも"遅すぎる"アル。私も対応が遅いのは大嫌いねー。」

変な博士「……一つだけ最後に試す価値ある方法アルよ。でもこれから話すのは裏付けのない仮説も仮説。荒唐無稽な内容アルよ。それでも聞くか?」

アユミ「……聞かせてください。」
 ▼ 191 レイシア@ダクマのおやつ 25/02/25 22:04:04 ID:bBwwSNS2 [26/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士「あなたのイーブイについて調べたことあったの覚えてるか?」

アユミ「……はい覚えています。そのことでわたし頭に血が上って……。」

変な博士「あなたのイーブイ微弱だけどウィルスに感染してるアルね。」

アユミ「えっ!?でもあの時は特に問題ないって……!」

アユミは急いでイーブイをボールにしまおうとするも、イーブイは不機嫌そうな表情でそれを拒む。

イーブイ「ブーイー!」
 ▼ 192 タモン@だいだいはなびら 25/02/25 22:04:25 ID:bBwwSNS2 [27/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士「あくまで微弱アルよ?人に感染はしないし、イーブイにも悪影響はでないレベルね。というかポケモンへの感染例も今の所はユンゲラーやゴーリキーっていう人型に近いタイプしか出てないアルね。この辺りはまだ分かってることが少ないから下手なこと言えないけど。」

変な博士「それはさておきイーブイはウィルス感染している。これだけ覚えてくれるといいね。」
 ▼ 193 ーディン@ギネマのみ 25/02/25 22:04:50 ID:bBwwSNS2 [28/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士「その上であなたのイーブイの覚えてる技教えてくれるか?」

アユミ「えっ……?びりびりエレキ・わるわるゾーン・すくすくボンバー・きらきらストーム……どれも固有の技でわかりにくいと思いますが……。」

変な博士「アイヤー!今の技ねー!」

アユミ「……きらきらストーム?」
 ▼ 194 レユータン@でんせつのメモ? 25/02/25 22:05:17 ID:bBwwSNS2 [29/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
きらきらストーム:攻撃が成功すると、自分と味方の状態異常を治す。

アユミ「これは敵の状態異常を治す技ではないですよ……あっ!」

変な博士「そう。イーブイは感染してる側だから対象は周囲の感染者全体を取る……かもしれないアル。」

変な博士は言葉を濁す。……アユミほ一瞬納得しかけたが、確かにかなり無理のある理論だ。
まずウィルス感染が状態異常に含まれるのかすらわからないし、周囲全体の感染者に効果が及ぶかもわからない。
全部うまくいったとして、味方たげでなく自分の状態異常を治すから使えるのは一度きりではないか?

それでも……アユミは藁にもすがる気持ちで信じるしかなかった。
 ▼ 195 リーン@こだわりちまき 25/02/25 22:07:06 ID:bBwwSNS2 [30/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オーキド「アユミ君……。奇跡的に上手くいくことを願ってはいるが、もしそれがうまくいかなかったら、介入する街は今のうちに我々で決めておく。もし希望があるならキミの意見を尊重するぞ。」

アユミ「……わかりました。」

アユミ「シン君!ピジョット持ってたよね!?」

シン「ああ!持ってるけど……。」

アユミ「わたしをマサラまで乗せていって!ひとっ飛びで!」
 ▼ 196 ンメン@ニューラのツメ 25/02/25 22:07:35 ID:bBwwSNS2 [31/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「いいけど……アユミって高いところ無理なんじゃなかったっけ?」

アユミ「今はそんなこと言ってられないの!早く!」

シン「あ、ああわかった。」

シンはアユミに急かされながら防護服に着替えて、2人でピジョットの背に乗り一目散にマサラタウンを目指した。
 ▼ 197 タチマル@テラピースエスパー 25/02/25 22:56:40 ID:bBwwSNS2 [32/41] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アユミ「…………。」

アユミはシンのピジョットの背中に顔を突っ伏して極力外をみないようにしている様子だ。

シン「スピード緩めようかー?」

風を切るほどの猛スピードの中、シンは後ろのアユミに聞こえるよう大声で呼びかける。

アユミ「スピードの問題じゃなーい!」

シン「じゃあ急ぐぞ!」

ピジョットは更に一段ギアをあげて急加速した。

アユミ「きゃああああああ!!!」
 ▼ 198 エルコ@ヘラクロスナイト 25/02/25 22:57:01 ID:bBwwSNS2 [33/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
マサラタウン

シン「よし!予定より早く着いたな。後はとにかくうまくいくことを願っ……あッ!!」

シンはバンッ!と防護服越しに強く背中を叩かれる感覚がした。

アユミ「シン君のバカ!これ以上飛ばしてなんていってないよ!」

シン「来る前にはひとっ飛びでって言ってたはずだぞ……。」

アユミ「もう……。」
 ▼ 199 グカルゴ@ハギギシリのは 25/02/25 22:57:37 ID:bBwwSNS2 [34/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミは深く呼吸をして息を整える。
勿論頑張るのは相棒のイーブイだが、試みの結果が分かるのは一瞬だ。

幼少期から見知ったような顔が「アユミちゃん…w」「アユミちゃん…w」と2人を出迎えてくる。

アユミ「相棒!!」

イーブイ「ブイブイッ!!」

アユミ「みんなを元に戻して!きらきらストーム!」

イーブイ「イー………ブイ!!!」
 ▼ 200 ミラミ@グラシデアのはな 25/02/25 22:58:08 ID:bBwwSNS2 [35/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
イーブイが渾身の力で放った淡紅色の嵐は、輝きを撒き散らしながらマサラタウン全土を彩った。

その中心でアユミは両手を固く組みながら、目を閉じ祈るように懇願する。

アユミ「神様……どうか本当にいるなら……みんなに元あった日常を返してください……。お願いします……。」

激しい嵐が止んでから、アユミは恐る恐る目をゆっくりと見開いた。
 ▼ 201 ルデアウパー@りゅうのウロコ 25/02/25 22:59:05 ID:bBwwSNS2 [36/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
少女「あれ……私今まで何をしてたっけ?」

科学デブ「うおーっ!なんか意識がはっきりしてきた!これも科学の力なのか!?」


アユミ「………やった。……やった!やった!!うまくいったんだよね!?信じられない!!」

シン「ああ!本当に……こんなに嬉しいことはないな……!」
 ▼ 202 スカーニャ@きらめくおまもり 25/02/25 22:59:22 ID:bBwwSNS2 [37/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「相棒!!相棒は世界一頼れるポケモンだよ!大好き!」

イーブイ「ブイ!ブイ!」

アユミはこれでもかというぐらい相棒イーブイの頬に顔を擦り付けると、イーブイもまた満面の笑顔をもって同じぐらいの力でアユミの頬に顔を擦り付けた。
タマムシでの生物災害後、これが初めてアユミが年相応にはしゃぐ姿となった。
 ▼ 203 ノズ@きんのおうかん 25/02/25 23:20:33 ID:bBwwSNS2 [38/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
しかし、アユミが背負った使命はこれで終わりではない。

アユミ「そうだ!グレンの研究所に連絡しないと……。」

アユミ「……もしもし!博士の言ってたきらきらストーム!効果抜群でした!」

オーキド「信じられん……あれが上手く行ったのか……。」

謎の博士「アイヤー!!ほら私の提唱した理論通りねー!!これで私名前教科書載るか?載るか?」
 ▼ 204 ォッコ@ノーマルジュエル 25/02/25 23:21:53 ID:bBwwSNS2 [39/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
オーキド「これ!調子に乗るでない!いや!今日ぐらいは好きなだけ鼻を伸ばしていいぞい!……失礼。それでどうするんじゃ?一旦こっちに帰ってくるか?」

アユミ「いえ。時間がないのでこのままカントー各地に向かいます!」

アユミ「シン君……ごめんだけど付き合ってくれる?」

シン「ああ!任せとけ!」

アユミ「あっ……そういえばきらきらストーム使ったから、もう相棒は回復して感染者側じゃないかも……。その場合でも同じ方法取れるんですかね?」
 ▼ 205 ェローチェ@おいしいみず 25/02/25 23:22:48 ID:bBwwSNS2 [40/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
変な博士はオーキドの電話を引ったくって勝手に解説しだした。

変な博士「それについては問題ないアル。どうせ他の街はウィルスで溢れてるからすぐイーブイは感染するし、あなたがイーブイに接触すればすぐかかるアルよ。」

アユミ「えっ?わたしは抗体を持ってるんじゃ……。」

変な博士「あなたの体内ではウィルス死滅してるだけで、体表にはウィルスびっしりねー。」
 ▼ 206 ルロック@ビビリだま 25/02/25 23:23:12 ID:bBwwSNS2 [41/41] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「うっ……そうなんですね。ではさっき相棒とほっぺ合わせたので大丈夫?だと思います。」

オーキド「全く!……ゴホン!これから長旅になるが、自分の身を大事にして、無理のない範囲で感染者を助けるんじゃぞ!」

アユミ「はい!ありがとうございます!」


オーキド「……といってもアユミ君は無理をするんじゃろうな。」
 ▼ 207 リュウズ@くろいにんじん 25/02/26 01:20:05 ID:x8/EU5PE NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
アユミちゃん…w→アユミちゃん…→アユミちゃん;;
 ▼ 208 シガリス@エレキブースター 25/02/26 14:02:51 ID:TPmE80IA NGネーム登録 NGID登録 報告
もう気軽にアユミちゃん…wって呼べなくなった
 ▼ 209 ガヤンマ@ミミッキュZ 25/02/26 23:16:38 ID:vALgicMA [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相棒イーブイによる全体治癒をマサラタウンで目の当たりにしたアユミ一行は、強行日程とも言える過密さでウィルスに侵されたカントー中を回る計画を立てた。

街だけでなく合間合間の道路にもきらきらストームを振りまかなければならないから、残り5日でカントーを横断するには休んでいる暇はない。

タイムリミットが近い順に回るべきと考えたアユミ一行は、全ての災禍の引き金たるタマムシシティに向かった。
 ▼ 210 バチャ@カゲブンシメジ 25/02/26 23:17:10 ID:vALgicMA [2/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
タマムシシティ

生物災害当日に撒いたねむりごなやしびれごなは、当然ながら一時的な無力化手段でしかないので、アユミ一行が戻ってきた頃には感染者で溢れかえっていた。
下手をすると街中を彷徨く感染者の数は、アユミがタマムシシティを出た時よりも多い。
しかし、今のアユミにとってはこの状況すら絶望的な状態ではなかった。
 ▼ 211 ギアル@たてのカセキ 25/02/26 23:18:12 ID:vALgicMA [3/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミはタマムシシティの街のど真ん中で防護服を脱ぎ、感染者の注目を集めた。

アユミ「わたしはここよ!」

全方位から、この街でたった2人の非感染者を求めて手を伸ばしながら感染者が迫ってくる。
その中には……エリカを始めとしたタマムシジムの面々もいた。
 ▼ 212 ゲハント@けいけんアメL 25/02/26 23:18:52 ID:vALgicMA [4/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「触れさせないぞ!ヤドラン!ひかりのかべ!」

ヤドラン「やぁん!」

ヤドランの生成した光陣が、感染者をギリギリの所でせき止めた。

アユミ「今よ相棒!きらきらストーム!」

イーブイ「イー………ブイ!!!」

アユミ一行がギリギリまで引きつけたおかげで、放った一度のきらきらストームでタマムシシティ全ての感染者を元の姿に返すことができた!
 ▼ 213 ノココ@ヤドンのツメ 25/02/26 23:19:15 ID:vALgicMA [5/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「ううう……流石に……怖かったな。」

緊張の糸が解けてシンは大の字になってその場に倒れる。

アユミ「ありがとうシン君!ヤドラン!みんなのおかげだよ!」

ヤドラン「……やぁん?」

イーブイ「ブイ!ブイブイ!」

アユミ「勿論相棒も!」
 ▼ 214 ラミンゴ@ズリのみ 25/02/26 23:19:35 ID:vALgicMA [6/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「……とても長い間眠っていた感覚です。それもこんなに夢見の悪い眠りは初めてでした。」

アユミ「エリカさん!」

アユミは三者三様に今まで自分は何をしていたんだろうという顔をする元感染者をかき分け、エリカの元に駆け寄る。

エリカ「やはりアユミさんのおかげでしたか……。何とお礼を言ってよいやら……。」

アユミ「お礼なんてそんな……。今はただみんなが無事ならそれでいいんです。」
 ▼ 215 ミツオロチ@ミミロップナイト 25/02/26 23:20:05 ID:vALgicMA [7/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ピクニックガール アサエ「エリカさん!私……私……とんでもないことを……。」

エリートトレーナー アヤカ「私も何もできなくて……。」

タマムシジムのトレーナーの面々もエリカを見つけて、次々に自省する。

エリカ「……あら?何かあったかしら?ごめんなさいね。私よくその時のことを覚えていませんわ。」

わざととぼけたような喋り方をするエリカに、アサエとアヤカは口を挟みそうになるもエリカはこう続けた。
 ▼ 216 ャルマー@おこづかいポン 25/02/26 23:21:08 ID:vALgicMA [8/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エリカ「でもきっと思い出さない方がよいことなんでしょう?ならお忘れなさい。少なくとも、私は忘れました。」

アサエ・アヤカ「エリカさん……!」

二人は泣き腫らした顔でエリカの両肩に抱きついた。

エリカ「まったく。人前でみっともないですよ。」

口ではこう言いながらもエリカの表情は柔らかく緩んでいた。
 ▼ 217 シマシラ@きりのはこ 25/02/26 23:21:54 ID:vALgicMA [9/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミ「……それじゃ、わたしたちはヤマブキシティに向かいますね。」

エリカ「こうして感染者を元に戻して回っているのですか?」

アユミ「はい。そんなところです。といってもまだマサラタウンとタマムシシティしか済んでいないですが……。」

エリカ「アユミさん。私もヤマブキシティに同行させてください。」

アユミ「えっ……いいんですか?」
 ▼ 218 イロス@ボーマンダナイト 25/02/26 23:22:25 ID:6tsM9tMA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 219 モンガ@あんぜんおまもり 25/02/26 23:22:38 ID:vALgicMA [10/10] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
確かにヤマブキシティは感染者のみならず、感染したポケモンの凶暴化が確認された場所だ。激しい交戦が予想される。一人でも優秀なトレーナーが増えれば心強い……。

エリカ「ヤマブキが被害を被ったのは、タマムシを封鎖しきれなかった私に責任があります。それに……。ナツメさんが心配です。」

アユミ「……わかりました。ご協力ありがとうございます。」

シン「すげー!ジムリーダーと肩を並べて共闘できるぞ!オレも足引っ張ってられないな!」

シン「……アユミはチャンピオンだったわ。」

エリカ「ふふっ。賑やかになりそうですわね。それではジムに予備の防護服を取ってくるので少々お待ちを……。」
 ▼ 220 キカブリ@ストライクのツメ 25/02/28 18:33:38 ID:ByJE/uMA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 221 エンジシ@ウルトラネクロZ 25/03/02 12:36:18 ID:Qjak8A9k [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤマブキシティ

ゲートを抜けた時点でわかる惨状ぶりだった。
アユミが先日ヤマブキを訪れた時は、感染者がシルフカンパニー内に収容されていたのでそれ程外を彷徨いてはいなかったが、今は街を覆い尽くす程の数の感染者と、目を赤く光らせたポケモンに溢れていた。

当時のアユミはこの絶望的な状況で足が竦んで動けなくなったが、今はむしろ闘志を沸々と燃やしていた。

アユミ「今なら……みんなを助けられる。」
 ▼ 222 ンリュウ@ヨプのみ 25/03/02 12:36:52 ID:Qjak8A9k [2/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
感染者の大群が異物に気付き、一斉にゲート入口方面に押し寄せる。

シン「ヤドラン!ひかりのかべ!」

シンのヤドランが壁を作って阻害し……

エリカ「モンジャラ!ねむりごな!」

エリカのモンジャラが感染者を眠らせて……

アユミ「相棒!きらきらストーム!」

アユミのイーブイが眠らせた感染者の治癒をする。急造で組んだとは思えない流れるような連携だ。
 ▼ 223 ラナクシ@サメハダナイト 25/03/02 12:37:57 ID:Qjak8A9k [3/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
しかし数が多く、一度のきらきらストームで街全体を鎮静化することは出来ないようだ。
アユミ達は同じことを繰り返し、正気を取り戻した人々を庇いながら少しずつラインを押し上げていった。

ゴーリキー「ぎゃお ぎゃお ぎゃお……」

ユンゲラー「ふしゅう……」

シルフカンパニー付近までいくとポケモンまで相手取る必要が出て、より攻撃は激化した。
襲ってくるのがポケモンだけなら反撃する選択肢もあるが、感染者を巻き込まずに戦うのは至難の業だ。
結局はやり方を変えず、このまま進むしかない。
 ▼ 224 クホーク@リバティチケット 25/03/02 12:38:27 ID:Qjak8A9k [4/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
しかしほんの一瞬、シンとエリカの防衛の綻びと、イーブイが次のきらきらストームを撃つまでの間が重なってしまった。

感染者とポケモンがその虚をついてアユミに襲いかかる。

シン「アユミ!危ない!」

アユミ「きゃっ!」

アユミは思わず目を閉じる。……痛みはない。
ゆっくり目を見開くと、アユミに襲いかかった者達が全て宙に浮いていた。
 ▼ 225 ヤップ@ねむけざまし 25/03/02 12:39:18 ID:Qjak8A9k [5/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
そして眼前には両の手にスプーンを携えたフーディンが立っている。

アユミ「……相棒!きらきらストーム!」

宙に浮いた感染者とポケモンは脱力し、地に足をつける頃には正気を取り戻していた。

このフーディンは……一体?
ナツメのポケモンだとしたら、ほぼまる2日交戦を続けている事になるため考えにくい。

???「やれやれ。ジムリーダーの仕事ってのは、持ち場以外もやらなきゃならねえのか?新任にやらせる内容じゃねえぜ。」
 ▼ 226 ローラライチュウ@ダークメモリ 25/03/02 12:40:03 ID:Qjak8A9k [6/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
深緑の防護服に身を包んだ男が、アユミ達の元に向かってくる。

???「じいさんも人使い荒いよな。おれさまじゃなきゃ勤まらなかった所だぜ。」

フーディンの主はグリーンだった。

アユミ「グリーンさん!」

グリーン「お前らすげえじゃん!一度こうなっちまった奴らを元に戻すことが出来るなんて。後でトキワもよろしく頼むな。今はみんなに眠って貰ってるけどよ。」
 ▼ 227 ビエ@アーリーレッド 25/03/02 12:40:40 ID:Qjak8A9k [7/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「えっ!トキワは何とかなったんですか!」

グリーン「ウチの所はそんなに被害出てなかったし。そしたらじいさんにヤマブキに向かうよう指示があって、ここはすげえ忙しいのな。」

エリカ「すみませんアユミさん……。怖い思いをさせてしまって。」

シン「オレもごめんな……。」

アユミ「ううん。大丈夫。残りも頑張ろう!」

イーブイ「ブイ!ブイ!」

アユミ「どうしたの相棒?……あれ?これって……。」
 ▼ 228 ラパルト@クリームチーズ 25/03/02 12:41:54 ID:Qjak8A9k [8/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
イーブイが指し示す方向を見ると、シルフカンパニーの入口近くに赤色の防護服が3つ点々と打ち捨てられていた。
他のヤマブキジ厶トレーナーや、格闘道場のトレーナーかもしれないが、恐らくアユミを逃がした後も交戦していたナツメとマスタートレーナーのものだろう。

エリカ「きっと……この近くですね。」

アユミ「先を急ぎましょう!」
 ▼ 229 ロデスナ@ヒウンアイス 25/03/02 12:43:01 ID:Qjak8A9k [9/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
強力な助っ人が味方についたアユミ一行は、より安定した進行でシルフカンパニー内、東西南北のゲート前にいた感染者を次々と元のあるべき姿に返していった。

そして、ヤマブキジムから少し外れた所にナツメ達はいた。

からておう ツヨシ「アユミちゃん…w」

からておう ケンジ「アユミちゃん…w」

ナツメ「アユミちゃん…w」
 ▼ 230 ゲデマル@ずがいのカセキ 25/03/02 12:43:44 ID:Qjak8A9k [10/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
不思議とアユミはその変貌ぶりにショックは受けなかった。むしろまだ活動維持していることに安堵を覚えていた。
まだ肉体の損傷がなく動いているということは、助けられるということだからだ。

アユミ「相棒!きらきらストーム!」

イーブイ「イー………ブイ!!!」

アユミは再び両手を固く組み、目を閉じる。
命の重さに大小をつけているつもりではないが、自分を逃がしてくれた命の恩人のことは絶対に助けたいという気持ちが、自然とその所作を生んだ。
 ▼ 231 ラックキュレム@しんかいのキバ 25/03/02 12:47:05 ID:Qjak8A9k [11/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ナツメ達は力なく倒れた後、ゆっくりと起き上がりアユミの存在に気づいた。

ナツメ「アユミ……?」

アユミ「ナツメさん!わたしです!助けに戻ってきました!」

エリカ「ああナツメさん……よかった……本当に……。」

からておう ツヨシ「どうやらわしらは不覚を取ったようだな……。」

からておう ケンジ「まさか戻ってこようとは……この未来までも予見していたのか?」
 ▼ 232 キタンザン@ダイマックスB 25/03/02 12:47:51 ID:Qjak8A9k [12/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ナツメは首を横に振る。

ナツメ「いえ……。私が見たのは少し成長したアユミが生きている所までよ。そして……私自身の未来は見えなかった。」

ナツメ「だから覚悟していたの。その時が来たらアユミだけでも生かそうって。……貴方達はその予想を超えてきたわ。まさかヤマブキを救いに帰ってきてくるなんてね。本当にありがとう。」

シン「やったな!オレたち未来を変えたんだよ!」

アユミ「うん!とっても嬉しい!」
 ▼ 233 ローララッタ@ロトムのカタログ 25/03/02 12:49:19 ID:Qjak8A9k [13/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
グリーン「さっすが俺と同じマサラのトレーナーだな!さてこれでめでたしめでたしで終われば良いんだが、そうもいかねえんだよな。」

エリカ「そうですね。救助した人の保護、怪我人の治療。今は落ち着いている人たちでも再発する可能性があるので、注視する必要がありますね……。」

ナツメ「アユミとシンはこれから他の街にいくのかしら?」

アユミ「はい。これからすぐにクチバに向かおうと思っています。」
 ▼ 234 ガメタグロス@トルティージャ 25/03/02 12:50:14 ID:Qjak8A9k [14/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
クチバシティ……。アユミにとってはいい記憶も悪い記憶もある街だ。
再びその地に足を踏み入れた時、どんな感情が芽生えるかアユミ自身にもわからなかった。

ナツメ「ちょっと待ってね……。」

ナツメはジムに入ってから程なくして帰ってきた。
 ▼ 235 ルガルド@みずべのハーブ 25/03/02 12:50:42 ID:Qjak8A9k [15/15] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ナツメ「2人にテレポートを覚えたケーシィを貸し出すわ。これで少しでも移動の短縮になると思うから。」

まだ対処が終わってない街や道路にいきなり飛ぶわけにはいかないが、既に訪れた街に瞬時に戻れるだけでもかなりの短縮になる。

アユミ・シン「ありがとうございます!」

グリーン「それじゃ街の後のことは俺達に任せてくれ。」

アユミ「はい!ご協力ありがとうございました!」
 ▼ 236 ワライド@ちいさなはなたば 25/03/02 13:04:45 ID:EajYqg4g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しぇん
 ▼ 237 ッコアラ@ソルト 25/03/03 01:02:59 ID:6j2ATRmw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しっえーん
 ▼ 238 リーパー@ボーマンダナイト 25/03/05 19:25:05 ID:Xsk.NCS6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 239 ックウザ@カイデンのはね 25/03/05 23:22:07 ID:LpsYHpwY [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
6番道路に続くヤマブキ南ゲート前

以前アユミがこのゲートに来た時は、自分だけヤマブキを脱することによる無力感に押し潰されそうになるような想いだった。
しかし今回は目に映る者は全て助けてからアユミはここに立っている。それもあの感染源とそれに隣接した都市部をだ。

まだまだ終わってないとはいえ、山場を越え充足感に満ちた表情をする……と思いきや、アユミの顔は浮かない。
その表情に気づいたシンが声を掛ける。
 ▼ 240 ルレイド@むしよせコロン 25/03/05 23:22:46 ID:LpsYHpwY [2/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「アユミ大丈夫?流石に疲れた?」

アユミ「ううん。疲れ……はあるのかもしれないけど、そんなことも言ってられないよね。それより相棒の方がずっと大変だよ。」

イーブイ「ブイブイ!」

イーブイはまだまだ元気いっぱいといった具合にアユミの周りを走ってみせた。

アユミ「相棒はすごいね。あんなに技打ってるのにまだ元気!お腹すいたでしょ?ご飯だよ〜。」

アユミはリュックからきのみを取り出し、イーブイに食べさせる。
イーブイはご満悦といった表情だ。
 ▼ 241 サイドン@かたいいし 25/03/05 23:23:16 ID:LpsYHpwY [3/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「いやその……表情が暗く見えたからさ……。」

アユミ「……そう見えた?……そうかも。」

シン「オレに出来ることなんて、アユミに比べたら少ないけどさ。何か思ってることあるなら聞くぞ?」

アユミ「……わたしって隠し事出来ないタイプなのかな。」
 ▼ 242 ングース@アルクジラのあぶら 25/03/05 23:23:50 ID:LpsYHpwY [4/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミはクチバに来てから去るまでの話をした。

厳重な警戒態勢だったにも関わらず、特例としてクチバに入れて、宿泊までさせてくれたこと。
それはこの環境で無事なアユミを研究者に引き渡すためのことだったこと。

翌朝には自分がクチバに来たせいなのか、感染者が出てしまったこと。
その件で町の人に後ろ指をさされたこと。
マチスに庇われて励まされたこと。
研究施設の人に連れられて逃げるようにクチバを出たこと。
全てを順序立てて話した。
 ▼ 243 ギアル@ぎんのナナのみ 25/03/05 23:25:41 ID:LpsYHpwY [5/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「……それは辛かったな。今こんなに頑張ってるのに、追い詰められるようなこと言われて……。」

シンは固く自分の拳を握った。

アユミ「何も思ってないわけじゃないけど、それが原因で行きたくないって話じゃないの。わたしは平等に感染してしまった人を助けられるだけ助けたい。」

アユミ「さっき電話で博士が『体内でウィルスが死滅しているだけで、体表にはウィルスがついてる』って言ってたでしょ?やっぱり持ち込んだのはわたしなんだなって……。」

アユミ「それに気づいて……ちょっと顔に出ちゃったのかな。」
 ▼ 244 ロリーム@バコウのみ 25/03/05 23:26:59 ID:LpsYHpwY [6/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「……そうだったとしても、アユミが研究所のみんなと合流出来たからここまで来れたんだ。クチバの人たちはこれから対処すればいい!そうだろ?」

アユミ「うん……。」

シン「元に戻してまだ文句があるんだったら、オレが代わりに言い返してやる!……あんまり口喧嘩とかしたことないけど。」

アユミ「そこまでしなくていいよ……。でもありがとう。大丈夫。やることは変わらないから。」

シン「よし!じゃあクチバに向かうか!」
 ▼ 245 ドグラー@ガオガエンZ 25/03/07 17:32:37 ID:mIn6eoAs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 246 ガハッサム@かまどのめん 25/03/09 09:09:19 ID:GDe2WsBw [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
6番道路に続くゲートには既に警備員の姿がなく、荒らされた痕跡があった。
既にヤマブキ方向から感染者が流入している可能性がある。
アユミ達はゲートを抜け6番道路に向かった。

以前アユミが訪れた時の6番道路は徹底的な封鎖の成果からか、通行人が誰もいなくて、クチバ前に麻痺状態で動けない状態に陥った感染者が横たわっているばかりだったが、今はその横たわっている感染者の姿すらない。

アユミは周囲を警戒し、念の為イーブイにきらきらストームを放つよう指示を出した。
 ▼ 247 ンリキー@カシブのみ 25/03/09 09:09:58 ID:GDe2WsBw [2/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シン「……誰もいないな。」

アユミ「前来た時の調子なら、ここまで来た時点で声をかけられていると思う……。」

アユミ「騒動後に顔見せているわたしはともかく、知らない防護服の人をこのまま通すほどお人好しな感じじゃなかった……。」

シン「やっぱり……もう街の警備は機能してないのかな。」

アユミ「いきなり来るかも知れないし準備した方がいいかも。相棒!気をつけてね!」

イーブイ「ブイ!」

シン「よしッ!じゃあ最初から気をつけていくぞ!」
 ▼ 248 ョジオーン@フライングメモリ 25/03/09 09:10:34 ID:GDe2WsBw [3/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アユミの読み通り、クチバシティは6番道路側から入る所の時点で大勢の感染者が彷徨いていた。
その中にはアユミをクチバに招き入れたことを反対していた者もいた。
そんな彼らも今ではアユミの名前を呼びながら笑みを浮かべている。
……もっともこれはアユミを歓迎しているのではなく、むしろ非感染者の生身を狙っているのだが。

シンはすぐさまアユミとイーブイを守るようにヤドランで壁を貼り、アユミはイーブイにきらきらストームを撃つように指示を出す。

相手取る数は多いが、クチバの開けた街の作りはきらきらストームを通すには絶好の地形で、そこまでの苦戦は強いられなかった。
 ▼ 249 ネコ@リバティチケット 25/03/09 09:11:07 ID:GDe2WsBw [4/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
次々と意識を取り戻す民衆が、この環境で防護服もなしに活動しているアユミの姿に目を奪われる。

「もしかして……あの子が俺たちを助けてくれたのか?」
「あの子はカントーの救世主だ!」
「まるで聖女みたいだわ!」

アユミ「(……この前来た時は疫病神で、今は救世主で聖女だってさ。)」

アユミは思わず苦笑いを浮かべるも、正気に戻った民衆に避難するよう声をかけた。
 ▼ 250 ルペコ@ルールブック 25/03/09 09:11:51 ID:GDe2WsBw [5/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
救出活動を続けているうちに、2人はクチバジム前の感染者がやけに少ないことに気づいた。
代わりにかなりの数の人が地に伏せている。

アユミ「そんな……。」

……来るのが遅すぎたんだろうか?よりにもよって世話になったマチスの近くでの惨状ぶりに、アユミは表情を曇らせた。
しかし、ざっと見た所倒れている中にクチバジムの顔ぶれはいない。

アユミは希望を捨てず横たわっている人たちに、きらきらストームを放つようイーブイに指示を出した。
 ▼ 251 クバリス@きれいなハネ 25/03/09 09:13:05 ID:GDe2WsBw [6/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
すると、少しずつ倒れていた人達は起き上がり、何が起こったのかという顔で周りを見渡しだした。

アユミ「よかった……。間に合わなかったのかと思った……。」

シン「ああ……本当によかったな。でもどうして元々倒れていたんだろ?」

アユミ「確かに……。」

その答えはすぐさまクチバジムの入口から飛び出してきた。
 ▼ 252 サキント@カゴのみ 25/03/09 09:13:43 ID:GDe2WsBw [7/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
マチス「ヘイ!ワッツハップン!?」

防護服を着込んだ大柄の男は、少女の姿を見て固まった。

アユミは正気を保っているとは思ってもみなかった人物の登場に対して、マチスはこの場にいるとは思っても見なかった人物を目の当たりにして互いに驚いた。

マチス「リトルガール!?これは……ユーが成し遂げたのか?」

アユミ「あー……相棒がやってくれました!」

アユミはイーブイを抱き抱えて、マチスに見せた。
イーブイはやってやったといったような澄ました顔を作る。
 ▼ 253 ガガルーラ@ダイゴへのてがみ 25/03/09 09:14:54 ID:GDe2WsBw [8/8] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
マチス「……グッジョブ!これは嬉しい誤算だネ!ユーがカントーを救うワイルドカードになることは期待していたが、こんなに早いとは……。」

シン「それにしてもよく無事でしたね……。」

マチス「流石にタフだったけど、戦争はもっと長く起きてなきゃならなかったネー。アー……彼はユーのボーイフレンド?」

シンもまた防護服を着ていて顔がよく見えないので、マチスにとっては正体不明の男がアユミの側にいるといった認識だった。
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