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SS

ss》もしもサトシの精神性が無印1話からDP〜XYだったら

 ▼ 1 X夕虹X 25/09/13 20:18:20 ID:a6jkJHjo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「…zzz」

サトシ「っは!?おてんと…さん!?」


ある朝。

マサラタウンの少年、サトシは目を覚ました。

しかし今日は、彼がようやくポケモンをもらって、ポケモントレーナーとして旅立てる日のはず。

……なのに、とっくに日は昇っていた。

…………つまり、寝坊したのだ。



サトシ「行ってきまぁす!!」ヒュンッ

ハナコ「そんな格好でどこ行くn」
 ▼ 39 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 17:52:41 ID:6nWkBC1Y [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
申し訳ありませんでした
自分のいろいろなことが終わったので、これから更新していきます
尚 初代の話全て書ききれるとは限りませんので、ご了承ください。すみません。
 ▼ 40 オドリドリ@Zパワーリング 25/10/03 17:54:26 ID:1Lo6dKok NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんなに変わらなそうな話はダイジェストにしてくとか楽出来そうな部分を探せばなんとかなるかもしれない
 ▼ 41 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 18:12:37 ID:6nWkBC1Y [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「あ、でも、木の茂みの中に入ったぞ」

サトシは少し安心する。しかしその後にすぐその気持ちは上書きされた。

オニスズメがその木から出てきたのだ――

――仲間の大群を連れて。

サトシ「おいおい……やっぱり怒られてたか、そうだよなぁ……」

サトシ「ピカチュウ逃げるぞ!」

そう声をかけられるが、ピカチュウは咄嗟に木から降りて、自身の身を案ずるサトシの横を通り過ぎて走っていった。

サトシ「……」イラッ

オニスズメの大群「「「きーーー」」」

サトシ「いや、兎に角逃げよう、そうだ逃げなきゃ!」


しかし、走るサトシの後ろを追うのではなく、オニスズメたちはサトシの前を目指している。

サトシ(なんでだ…?)ダッダッ

サトシ(いや、待てよ。俺の先を走ってるのって……)

サトシ(ピカチュウだ。あいつらはピカチュウを狙ってるんだ!!)

サトシは思わず叫んだ。

サトシ「ピカチュウ! 危ない!!」

ピカチュウ「ぴか?」

そこでピカチュウは、サトシではなく自分が追われていることに気がついた。

ピカチュウ「ぴか〜!?」

サトシ「でもなんでピカチュウがっ?」

走りながらサトシがそう呟くと、彼のポケットから音声が流れてくる。

ポケモン図鑑『野生のポケモンは、トレーナーにゲットされているポケモンに敵意を持ちやすい』

サトシ「そんな!」

サトシは更にスピードを上げる。

どんなに理不尽でも、それは変えようのない習性なのだろう。

だから、今は自分の愚痴を抑え込んだ。そしてオニスズメに攻撃されているピカチュウにようやく追いつく。

サトシは彼らにつつかれながらもピカチュウを抱えた。

ピカチュウ「ぴ……か…」

本来ならサトシに抱かれるのを嫌がった筈なのに、ピカチュウは彼の腕の中で大人しくしていた。それほど、今のピカチュウには余裕が無い。

それを感じて、サトシはオニスズメとの距離を離そうと走る足を速めた。
 ▼ 42 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 18:25:30 ID:6nWkBC1Y [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>40
ですね、そうさせて頂きます

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サトシ「ピカチュウ、大丈夫だ。安心しろよ」

ピカチュウ「ぴ……」

ピカチュウは強がって無理に動こうとするが、体は動かない。

サトシ「大丈夫だから……」

だが、そう伝えるサトシも足が重くなってきた。

サトシ(でも、大丈夫……まだいける)


サトシ「っ!?」

サトシは驚いた。

なぜなら、そう、目の前は行き止まりだったからだ。

崖の下を見ると、割と近いところで川が流れている。

サトシ(くっ……どうする?)

サトシがそう悩む内にも、オニスズメたちはすぐ側に近づいてきている。

サトシ「………」

サトシ「…行くしかない」

サトシ「ピカチュウ、悪いっ」ドボーン

そうピカチュウに告げて、彼は川に飛び込んだ。

サトシ「…ぐっ」


/|/|/|/|/|


川のほとりで、少女が釣竿を手に悩ましげな表情をしていた。

少女「あーあ、天気も悪くなりそうだし、そろそろ帰ろうかなあ――」

その時だった。

彼女の持つ竿がぴくっと揺れた。そしてしなる。

少女「これって……大物じゃない!?」

少女「ぐぬぬ…!」

そして、なんとか持ち上げた釣竿の先が視界に映る――
 ▼ 43 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 18:42:25 ID:6nWkBC1Y [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ぐふっ……」ビチャ

サトシ「っあ、この針取れた」

少女「…???」

少女は口をあんぐりと開けた。だって、今釣竿にかかって私が釣り上げたのは人間だったから――

サトシ「ピカチュウ…平気か?」

そして少女は、彼がポケモンを抱えていることに今更ながら気がついた。

少女「あのー…」

サトシ「あ、釣ってくれてありがと」

彼に微笑みかけられる少女だが、少し反応に困る。

それからふと抱えられたポケモンを見て、はっとした。

[――パチン!]

何故か、突然乾いた音が辺りに響いた。同時にサトシの頬にもヒリヒリとした痛みが走る。

これはつまり――

サトシ「なんで急にはたくんだよ!」

そう、彼の頬が彼女にはたかれたことを示す。

少女は頬を押さえるサトシに言った。

少女「なんでこんなになるまで放っておいたの!!」

サトシは、何故彼女がそう思ったのかすぐに分かった。彼女が目にしたピカチュウは身体中傷だらけで弱っているからだ、と。

サトシ「いや、そのぅ…」

少女「ここから1番近いのはトキワシティのポケモンセンター……早く連れて行かなきゃ!」

サトシ「…トキワシティか」

サトシは見知らぬ女に勘違いをされてもやっとしたが、今考えるべきはこのことじゃないと気持ちを切り替えた。

サトシ「この自転車借りてくぜっ」

そう言って彼は、彼女の近くに停められた自転車に跨った。

少女「えっ、なんであんたに貸さなきゃいけないのよ?」

サトシ「本当に頼むよ、これは緊急事態なんだ」

サトシは自転車のカゴにピカチュウを入れる。

少女は、必死な表情でそう頼む彼に思わず頷いた。

少女「い、いいけど…でもそんな状況にしたのは――」

サトシ「ありがと!」

サトシは少女の言葉を皆まで聞かずに自転車を漕ぎ出した。
 ▼ 44 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 19:09:22 ID:6nWkBC1Y [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「もう、自分勝手ね……」

しかし、腰に手を当てる彼女の頭上をオニスズメが一気に通り過ぎた。それを見て少女は《緊急事態》という彼の言い回しが腑に落ちた。

少女「今オニスズメが向かったのは……まさか、追われてるの…?」


サトシ「ピカチュウ、大丈夫だからな」

ピカチュウ「ぴか……」

サトシ「あと少しだから、頑張ってくれ…ハァ、ハァ」

ピカチュウ「ぴ…」

サトシはただ自転車を漕ぐ。後ろから迫ってくるオニスズメたちに追いつかれる前に、ポケモンセンターに連れて行かなきゃ、と思いながら。

ポケモンセンターという単語は、初心者トレーナーであるサトシも知っていた。

それが存在しなければ、ポケモンを連れて長旅などとても無理だということも。

サトシ(そこにさえ連れていけば、ピカチュウはきっと……)

サトシ「っうゎ!?」

しかし、良くも悪くも前しか見ていなかったサトシは、地面の段差に対応しきれずに転んでしまった。

彼らの体は地面に投げ出されてしまう。

オニスズメは近づいてくる。

雨がサトシに打ちつける。

その中でも、サトシはピカチュウを気にかけていた。

サトシ「ピカチュウ……」

ピカチュウ「ぴぃ…ぴ、」

ピカチュウは辛そうだ。

サトシ「そんなのありかよ……」

サトシは、歯を食いしばりながらも、ポケットから雷マークがついたモンスターボールを取り出す。

サトシ「ピカチュウ。これに入れ。この中に入るの嫌いなのわかってる」

サトシ「でもこの中にいればお前 助かるかもしれないんだっ」

彼は必死に手を伸ばし、ボールをピカチュウに近づけた。

ピカチュウ「ぴ、か…」

サトシ「さぁ入ってくれ...! あとは俺に任せろ... !!」

サトシは、そう告げてから力を振り絞って立ち上がった。

オニスズメはサトシに襲い掛かろうとする。

しかしサトシは声を上げた。
 ▼ 45 デンチュラ@こころのせきばん 25/10/03 19:18:15 ID:0zfwHp6. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 46 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 20:20:23 ID:6nWkBC1Y [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「スゥ…」



サトシ「お前ら! 俺をなんだと思ってんだ!」

サトシ「マサラタウンのサトシっ…俺は世界一のポケモンマスターになるんだ…! お前らなんかに負けない!」

サトシ「みんなまとめて、ゲットしてやるぜ!!」



サトシは、両手を広げてピカチュウを庇うようにして立っていた。

そうして睨みつけるのはオニスズメ――

――対するオニスズメは、「何やってんだこいつ」と呆れているのだろうか。ただ喋るサトシを見ているだけで動かない。

そして彼は呟いた。

サトシ「ピカチュウ! 入れ、モンスターボールに…」

ピカチュウは弱々しい目でボールとサトシを見比べる。

サトシ「さぁ来い、オニスズメ…!」

そんな彼らの近くに雷が落ちる。

オニスズメは、サトシに飛び掛かろうとする――。




ピカチュウは、決意した。




サトシ(ん? 肩に何か乗った…)

サトシ「ぁっ、ピカチュウ――!」

なんとピカチュウが、サトシの肩に飛び乗り、そのまま彼の肩を蹴ってオニスズメと対峙したのだ。

サトシが驚く間もなく、ピカチュウは雷を受けて力を放つ――





「ぴーかーぁちゅーう!!!」





《《《《 “*⭐︎○⭐︎*” 》》》》



先程まで黒い雲がひしめいていた空から、光が差した。
 ▼ 47 メガルチャブル@フィラのみ 25/10/03 20:24:12 ID:4Lu6Mh/Y [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
経験値いっぱいゲットだぜ
 ▼ 48 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 20:31:39 ID:6nWkBC1Y [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「んっ……」

鳥ポケモンの囀りで、サトシは目を覚ます。

ピカチュウ「ぴか…ぴ」

サトシ「俺……だな…」

ピカチュウ「ぴか……」

サトシとピカチュウは、何故だろうか、向き合いながら地面に倒れていた。

2人は目を合わせ、そんな会話を交わした。

ふとサトシとピカチュウが空を見上げると、そこには虹と鳥のような見た目をしたポケモンがいた。

サトシがそのポケモンに見惚れながら「あれは…?」と呟くと、ポケットから落ちていた図鑑が答えてくれた。

ポケモン図鑑『データなし。この世界には、まだ知られざるポケモンがいる』

そのポケモンは、虹の向こうへと飛んでいき、消えてしまった。



//////////



ボロボロのサトシとピカチュウは、なんとか森を抜けた。

目の前に広がる街に、サトシは顔を輝かせる。

サトシ「ピカチュウ、あともうちょっとだぞ」

ピカチュウ「ぴか…!」

サトシはピカチュウを抱えながら、ゆっくりと街に向かって歩いて行く――。











ところで自転車は、黒焦げのままさっきの場所に置いてきてしまったようだ……。
 ▼ 49 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/03 20:35:07 ID:6nWkBC1Y [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きはまた明日の朝に更新します。ところで最後の方はほぼ原作と一緒でしたが、あしからず……

おまけ
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm44117500
 ▼ 50 ダグトリオ@ゆれないおまもり 25/10/03 20:37:25 ID:4Lu6Mh/Y [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙
 ▼ 51 メレシー@とくせいパッチ 25/10/03 20:37:59 ID:V8LkqCNQ NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 52 ヒスイジュナイパー@タイマーボール 25/10/04 11:39:36 ID:FiuAT1t6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 53 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/04 20:25:50 ID:77OQek/Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
申し訳ありません
更新は明日に引き延ばします
 ▼ 54 コオリッポ@テラピースいわ 25/10/05 10:16:28 ID:OzU2hYnU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 55 テツノイサハ@ウブのみ 25/10/05 10:20:57 ID:phz2Gzjs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
精神性だけのはずなのに記憶まで引き継いでてホラー感がすごい
 ▼ 56 ケーシィ@とくせいパッチ 25/10/05 10:28:34 ID:k9awL49A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トンチンカンなコメントは気にしないでいいよ
支援
 ▼ 57 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/05 20:42:12 ID:6DYUuwNk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
]2[
《たいけつ! ポケモンセンター!》



『トキワシティの皆様。お仕事、ご苦労様でした。そろそろ、夕ご飯の時間です』

『尚、最近スリ、置き引き、ポケモン誘拐の被害が目立っておりますので、ご注意ください』

交番にて、ジュンサーはそう注意喚起の放送をしていた。

しかし窓越しに怪しげなポケモントレーナーを見つけ、放送をやめて外に出た。


サトシ「フッフッ…」

サトシはピカチュウを抱えて走っている。

サトシ(この街にポケモンセンターがあるはず…急がなきゃ)

だが、彼が交番の横を走り過ぎようとした所、服の襟元が誰かに掴まれた。

「お待ちなさい。怪しい人は通しません」

サトシの服を掴んだ彼女は、きっぱりとそう伝える。

しかしこのサトシがそれだけで立ち止まる訳はない。

サトシ「怪しい人じゃないんですけど…とにかく、俺はポケモンセンターにこいつを連れていかなきゃいけないんです。だから通してください」

彼女は、ジュンサーはそれを聞いてピカチュウの体を覗き込んだ。

ジュンサー「まあ、酷い怪我…確かに早く連れていかなきゃ」

ジュンサー「じゃあ身分証明を見せて」

サトシはそう言われて困ったような表情を見せた。

サトシ「身分証明って…? あの、俺マサラタウンのサトシです」

ジュンサー「あら、今日マサラタウンから来たトレーナーは貴方で4人目ね」

サトシ「4人目…シゲル達はもうここに……」

サトシが焦りと安心の混ざったような感情でいると、ジュンサーは諭すように言った。

ジュンサー「貴方、普通モンスターボールの中に入れておくポケモンをそんな風に抱いてる…」

ジュンサー「身分を証明するものが無ければ、あれに写ってる人たちみたいに貴方もポケモン泥棒だと思われてしまうのよ」

そう言いながらジュンサーはあるポスターを指差す。そこには、紫色で長い髪をした女性と、青い髪をした男性が写っていた。

サトシ「証明書と言われても、俺たちオニスズメにやられたばかりでボロボロで……」

サトシがそう言っている間に、ジュンサーはサトシのポケットに突っ込まれた物をめざとく見つける。

ジュンサー「その、ポケットに入ってるのって…?」

サトシ「ああ、これですか?」

サトシがポケットからソレを取り出すと、ジュンサーはソレをサトシの手から半ば奪うようにして取った。
 ▼ 58 ヒスイヌメイル@きんのパイルのみ 25/10/05 20:44:51 ID:ClhQAUiU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
身分証って概念そういやあったな
 ▼ 59 ドンファン@ラブカスのウロコ 25/10/06 01:26:27 ID:9WPwY5hY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
寝たか?
 ▼ 60 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/06 17:28:42 ID:VBjUImEk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサー「ポケモン図鑑ねっ!」

するとジュンサーは、ソレ――ポケモン図鑑を、「こうやって…」と呟きながら弄った。

それからサトシに図鑑を渡す。

サトシ「……?」

ポケモン図鑑『このポケモン図鑑を、サトシ君に送る。目指せポケモントレーナー。尚、ポケモン図鑑盗難•紛失の際、再発行は出来ないので注意するように。
      マサラタウン、オーキド博士』

サトシ「へぇ、これで身分証明が出来るんだ…」

ピカチュウはサトシの腕の中で大人しく眠っているようだ。

ジュンサー「これで身分証明は出来たから良し。じゃ、急がなきゃね」


サトシはジュンサーが用意した白バイの、助手席のようなものに乗せてもらった。

ジュンサー「よーし、ぶっとばすわよー!」

そして白バイは、もうもうと煙を立てながら走って行った。


そんな中、その煙を吸い込んでむせている少女がいた。

少女「ゲホッゴホッ…」

彼女は真っ黒焦げになった自転車を担いでいる。

そう、彼女は先程サトシを釣り上げたあの少女である。

少女「なんなのよー、今の…」

少女「うぅ〜許せん! 待てえぇー!!」

彼女は、自転車を担ぎながら走り去る白バイを追っていった。
 ▼ 61 ケーシィ@くろぼんぐり 25/10/06 17:30:59 ID:Jp4QGlVY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
自転車担いで追いかけていけるんだからカスミも中々のフィジカル
 ▼ 62 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/06 17:33:37 ID:VBjUImEk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして指名手配書にはある異変が起こっていた。

異変と言っても、大したことはない。小さなフックで器用に剥がされたというだけである。

その指名手配書を剥がした張本人たちは、気球の上で愚痴を溢した。

紫の髪の女が言う。「これがアタシ達の手配写真」

青い髪の男が言う。「ろくに顔も分からない、酷い写真だ」

紫の髪の女「所詮田舎の警察には、美しさが理解出来ないのね」

青い髪の男「許せない」

紫の髪の女「許しちゃいけない」

青い髪の男「トキワシティの奴らに、私達の力を見せつけてやる」

物騒な話をしだした2人に釘を刺すように、喋る猫のようなポケモンがこう言った。

猫ポケモン「見せつけるのは結構ニャーが、ニャー達の目的は珍しいポケモン。それを忘れるニャ」

紫の髪の女「忘れる訳」

青の髪の男「ないでしょ」

やろうとしていることは悪いことだが、2人の息はピッタリのようだ。

猫ポケモン「猫に小判、ポケモンも小判」

女•男「バンバンやるさ!」

猫ポケモン「ニャーーーオ」
 ▼ 63 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/06 18:03:27 ID:VBjUImEk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一方サトシ達。

ジュンサー「緊急事態、ご意見無用! 行きます!!」

サトシ「うわーーーーあ!?」

サトシが声を上げるのも無理はない。ジュンサーが、白バイに乗ったままポケモンセンターの中に入ったからだ。

そして、ピンクの髪を2つに結んだ女性の手前で停止した。

サトシ(うゎぁ、びっくりした……)

少し息をついてから、サトシはその女性を見てこう思った。

サトシ(確かこの女の人はジョーイさんだ。ポケモンセンターにいつも居て、ポケモンたちを治療してくれる……らしい)

ジョーイ「事態を手短に」

ジュンサー「大怪我ポケモン、宅配」

この2人の間柄は、ただ同じ町に住む者同士という訳ではない。ちゃんとポケモンとトレーナーを守ろうと、意思疎通は出来ているようだ。

サトシはそれを感じながら一言、「お願いします!」。

ピカチュウを抱いてそう言う彼に、ジョーイはそのポケモンの種類を確認した。

そしてキーボードを叩き、ストレッチャーを呼び寄せる。するとラッキーというポケモンがそれを運んできた。

ラッキー「らっきーぃ」

サトシがピカチュウをストレッチャーに寝かせる。

ジョーイ「大丈夫よ。さ、緊急治療室へ。速やかに」

そう言ってジョーイは治療室へ入ろうとするが、サトシがそれを止めた。

サトシ「何か俺に出来ることは――」

ジョーイ「反省することね」

彼女はきっぱりと問いに返した。

ジョーイ「一人前のポケモントレーナーになりたいなら、あんなに傷つくまで戦わせちゃダメ!」

サトシ「っ――でも」

ジョーイ「貴方に今できるのは…ポケモンの無事を祈ること」

ジョーイは厳しく言い放ってから、穏やかな表情で続けた。

ジョーイ「治療は私に任せなさい」

サトシ「…はい」

サトシは項垂れた。ジョーイの勘違いもあるにはあるが、自分にも非があるのは否めない。

サトシ(……多分どっかにあるよな?)

ジュンサー「じゃ、あとは宜しく」
 ▼ 64 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/06 18:25:20 ID:VBjUImEk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジョーイ「いつもご苦労様」

ジュンサー「お勤めだもん! っいっけなーい、お勤めの交番開けっ放しで来ちゃったぁ!」

ジョーイ「閉めるところは閉めなきゃ」

ジュンサーは何故か笑いながら交番へと帰っていった。ジョーイは治療室に近づいてこう言う。

ジョーイ「…では、治療室の扉も閉めます」

サトシ「…っぁ、」

サトシが扉に近づいて何か言おうとするが、扉はただ機械的に閉まるだけだった。

サトシ「…ピカチュウ……」


サトシはポケモンセンターの椅子に座る。

丁度サトシの頭上にあったポッポ時計が8時を告げた。

彼は下を見ていた。

サトシ(多分どっかにある、そんな訳ない)

サトシ(だってピカチュウをあんなに傷つけちゃったんだ、だったら考えなくても分かる)

サトシ(俺が弱かったから……)

ふとサトシが顔を上げると、視界に電話が入った。

サトシ「電話か…」


電話『RingRingRing! RingRingRing! オヨビダヨ! オヨビダヨ!』

ハナコ「はい、サトシの母です」

                サトシ『ぁ、ママ?』

ハナコ「まーーーサトシ! サトシなの!?」

そう、彼女の元に電話をかけたのはサトシだった。

      ☎︎〜〜〜〜〜☎︎

             ハナコ『今どこにいるの?』

サトシ「トキワシティの、ポケモンセンター」

    ハナコ『もうポケモンセンターまで行ったのね!
           パパの時は丸4日もかかったのよ』

             ハナコ『親の心、子知らず』

サトシ「親知らずはもう無いよ」

          ハナコ『朝晩歯を磨いたものねえ』

どこかトンチンカンな受け答えをしながら、2人の会話は続いてゆく。
 ▼ 65 コモルー@もののけプレート 25/10/06 19:14:37 ID:cPAMW3Pc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 66 ポポッコ@カイロスナイト 25/10/06 22:56:34 ID:iyokB7KY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このサトシは初対面のジムリーダー相手なら基本敬語かな
 ▼ 67 トドゼルガ@たんけんセット 25/10/07 16:53:42 ID:/yao70OE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 68 アローラキュウコン@デボンのにもつ 25/10/09 00:19:07 ID:i6t.A0/A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 69 タイプ:ヌル@くろおび 25/10/10 08:19:18 ID:6LWQf5uc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 70 ズルッグ@ルールブック 25/10/12 11:57:33 ID:392Y/wSI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 71 ヘラクロス@タマゲタケのほうし 25/10/14 20:16:18 ID:bI0I2jyI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 72 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/14 20:41:11 ID:/dPgDKHA [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
          ハナコ『全く、トンビが鷹を産んだと言うか、
             ポッポがオニスズメを産んだと言うか』

サトシ「オニスズメの話はもうやめて……」

サトシ(あぁピカチュウ、大丈夫かな…)

              ハナコ『こうなったら前進あるのみ。
                   パパやグランパを超える
               ポケモントレーナーになるのよ!』

サトシ「…うん」

                  ハナコ『歯は朝晩磨くのよ』

サトシ「うん」

              ハナコ『OK。じゃあ、おやすみ〜』

サトシ「うん、おやすみ」


サトシは母親との通話を終えた。彼は電話を見ながらしばし固まる。

サトシ(親の元を離れたら……こんな感じなんだな)

サトシ(今まで流してたところもあったけど、今日はなんか身に染みるなぁ……)

サトシは立ち上がる。

ふと、壁に掛けられている壁画的なものが目に入る。

サトシ「――!」


/////////\\\\\\\\
////🐦‍🔥/   \\\\\\


あの時、空に虹が架かってて、そこをポケモンが通り過ぎてたよな……


すると、突然電話が鳴り出した。

電話『RingRingRing! RingRingRing! オヨビダヨ! オヨビダヨ! オヨビダヨ!』

サトシはどこから電話がかかってきているのかと辺りを見回す。しかし、自分に背を向けているモニターから音が出ていることに気づき、電話に出た。

サトシ「も、もしもし」

サトシ(あれ? 出ないな、しかも“Voice only”…)

               オーキド『サトシ、こっちじゃよ』

サトシは先ほどの壁画的なものを見た。

犬のような四足歩行の何かが描かれていたプレートが下に退き、代わりにオーキド博士の後ろ姿と、何故か麺が入ったガラス容器が見えている。

サトシ「…それ、ラーメンですか、オーキド博士」

突っ込まずにはいられなかった。
 ▼ 73 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/14 20:41:54 ID:/dPgDKHA [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>72
あああ読みづらっ!すみません🙇
 ▼ 74 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/14 20:58:50 ID:/dPgDKHA [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんか色々ミスってますね……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

                  オーキド『……ん?』

            オーキド『しまった、カメラが!』

オーキド博士は忙しくキーボードを叩いて、カメラを自分の目の前のモニターに替えた。

                  オーキド『…オホン』

   オーキド『たった今、君のお母さんから電話が来てな。
    トキワシティまで行ったと言っていたが、本当か?』

サトシ「ぁの〜…」

彼は苦笑しながら博士にこう問う。

サトシ「博士、今ここに電話してるんですよね? トキワシティに」

                オーキド『おー、そうか。
          確かに君がここまで来ていなかったら、
           トキワシティの電話には出れないな』

サトシは満足げに頷いた。

       オーキド『いやぁ、それにしてもよくやった。
    これはポケモントレーナーとしては小さな一歩だが、
               君にとっては大きな一歩だ』

       オーキド『あまり当てにはしとらんかったが、
              下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。
    マサラタウンからトレーナーが一人でも多く出れば、
       儂にとってもめでたいこっちゃ。協力するぞ』

サトシ「んん……」

    オーキド『モンスターボールで何匹捕まえたかな?』

突然の追及に、サトシは体がびくっと反応した。

サトシ「えぇと……まだ一匹も……」

苦笑いするサトシ。

するとオーキド博士は分かりやすく残念がった。

オーキド『期待した儂が、馬鹿じゃった……』

サトシ(そんなに言われても……)
 ▼ 75 メガメタグロス@ようきミント 25/10/14 22:16:06 ID:jOhs8iFE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メンタルがXY相当なら最初はヘッポコでもバトルに対して真面目になって強くはなれそう
 ▼ 76 ドードー@クヌギダマのから 25/10/15 11:45:15 ID:YbNEHPso NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 77 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/15 20:29:51 ID:JmQQI8z2 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ぁっでも、あれに似たのは見ました。虹の向こうに飛んでいったんです」

サトシはそう言って誤魔化そうとする。

オーキド博士は、サトシが指差した先の壁画――つまり、自分が出ているモニターの上を見てから、サトシに説明した。

サトシ(…ん? そこから見えるのはおかしくない――??)

   オーキド『あれは、誰も見たことがない伝説のポケモン。
                  君が会うには千年早い』

サトシはそれを聞いてムッとした。

サトシ「でも、似てましたよ!」

              オーキド『何が“似てた”じゃ!
              あっ、“煮えすぎ”、ラーメンが』

サトシ(やっぱラーメンだったんですね……)

       オーキド『では、またの連絡を待っておるぞ〜』

そう言い添えて、オーキド博士は通話を切ってしまった。

サトシ「あっ…」

サトシ(あーあ、俺ホントに見たんだけどなぁ……なんかモヤモヤするな)


突然、そんな彼の耳に、何かの音が聞こえてきた。

サトシ「…ん?」
 ▼ 78 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/15 20:31:17 ID:JmQQI8z2 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>77訂正
× 何かの音
○ 誰かの声
 ▼ 79 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/15 20:48:38 ID:JmQQI8z2 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ゼェ、ゼェ……」

その声のした先では、自転車を担いだ彼女が息を切らしていた。

彼女は、前にも見たことがある人だった――そう、あの時サトシを釣り上げた女性だ。

少女「やっっぱりここにいたのね!」

やっぱりここにいたも何も、君に教えてもらったから来たんだ――いや、そんなことよりも他に言うべきことがある。そう思いながらサトシは叫んだ。

サトシ「――どうしたの、その自転車!」

そう、その担がれている自転車は、何故か真っ黒焦げだった。

何故か、と言っても分かっていないのはサトシのみである。

少女「自転車ですって、貴方、これ自転車って言えるの!?」

少女「まるで食べ残しの焼き魚みたいよ、焦げ焦げの骨だけじゃない!」

少女「魚だったら化けて出るわよ!!」

サトシ「そ、そうか……ごめん」

サトシは、心当たりが無いが取り敢えず謝った。

サトシ(いや、あの時乗り捨てた場所でピカチュウが電撃放ってたよな……まさかそれで…?)

サトシが記憶を呼び覚ましている間に、彼女は遂にバランスを崩し、転んでしまった。

少女「いたたた……」

サトシ「っ、大丈夫か…?」

少女「触らないでよ!」

サトシが手を差し伸べるも、パチンと払われてしまう。

サトシ(いたっ…)

少女「私の自転車、このままじゃあ済まさないんだから!!」

そりゃあ当然の発想である。多分。

サトシ「な、なんとかするよ…弁償でも、何でも」

そう言って、サトシは目を逸らして別の方を見る。

サトシ「でも、今は……そんな時じゃないんだ」

しかし、“そんな時じゃない”状況を理解していない少女はキレた。

少女「自転車をボロボロにされて、こんな時に“そんな時”があるって言うのぉ!?」

だが、サトシは俯いて続ける。

サトシ「俺のピカチュウが、…俺のピカチュウがさ……」

少女「っ……」

少女も、流石にただならぬ雰囲気を感じた。
 ▼ 80 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/15 21:00:49 ID:JmQQI8z2 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「……」

サトシは治療室の方を心配そうに見やる。

少女「…そんなに悪いの?」

サトシ「…多分。俺、どうしたらいいのか……」

追い詰められた風にそう告げるサトシを見て、少女も眉を八の字にして心配そうにする。

その時。

[ウィーン]

治療室の扉が開いた。

2人はハッとして、出てきたジョーイさんと、ストレッチャーに寝かされたピカチュウの元に駆け寄った。

サトシ「ピカチュウ、大丈夫か!」

ジョーイ「危機は脱したわ。最も、ポケモンセンターの医者看護婦に救えないポケモンがいてはならないけどね」

ピカチュウの頭に電球が繋がっている。付けないといけない物なのだろうか。どちらにせよ医療には詳しくないので、サトシには分からない。

少女「さっすがポケモンセンター!」

サトシ「ありがとうございます、ジョーイさん」

ジョーイ「あとは、病室の方で回復を待つだけ」

ジョーイ「…そばについててあげなさい」

サトシ「はい」

サトシはジョーイさんに返事してから、申し訳なさそうに少女にこう言った。

サトシ「悪い、こんな場合だから自転車のことはもう少し後で……」

少女「何言ってんのよそんな場合!?」

サトシ「…え?」


少女「…早く看病してあげて。早くったら、早く!」
 ▼ 81 カバルドン@メェークルのはっぱ 25/10/15 23:56:54 ID:nFIQDy1w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 82 ドンメル@ものまねハーブ 25/10/16 16:53:47 ID:JFUsV1TE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 83 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/16 20:55:57 ID:rGJIo/v2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「…ああ」

サトシは頷いた。

その時だった。

[ウゥーウゥー]

突然サイレンが鳴り、ジュンサーさんの声が流れてきた。

ジュンサー『警報です、警報です。トキワシティに何者かが侵入した模様』

ジュンサー「ポケモン誘拐団の可能性があります」

サトシ「!?」



一方その頃、ポケモンセンターの真上では、ニャース型気球が姿を現していた。

紫の髪の女「ふっふっふ…警報はもう手遅れ」

青の髪の男「しかし、ポケモン誘拐団とは失礼な。我らの名前はロケット団だ」

紫の髪の女「その恐ろしさ、思い知らせてやるわ」

猫ポケモン「にゃーお、上手くいったらボスは喜び庭駆け回り、猫はこたつで小判だニャ!」

紫髪女・青髪男「「言われなくても了解だ!!」」

そう言って2人は、建物に向かってモンスターボールを投げる。

青い髪の男「突撃ぃ、ドガース!」

紫の髪の女「アーボック!」

そのボールは窓を割り、ポケモンセンターの中へと侵入する――。


ドガース「どがあぁ〜」

アーボック「しゃーぼっく」

モンスターボールから出てきた内の一匹、ドガースは、早速そのごつい体から煙を吹き出す。

それを見て、サトシは思わずこう言った――

サトシ「何なんだこれは!」


すると、いつの間にか室内に入ってきていた“2人”が喋り出す――。
 ▼ 84 リリーラ@イアのみ 25/10/16 22:19:28 ID:vzmEWpuE NGネーム登録 NGID登録 報告
>>79
作者より頭の良いキャラは作れないとかよく言うけど地の文も作者の知能レベルはやはり越えられんのやな……

キレた。ってなんだよ怒りを顕にしたとか言い方あるやろ(困惑)
 ▼ 85 ワルビル@ネストボール 25/10/16 22:29:48 ID:1tZMYqlw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>84
ssでそんなまどろっこしい表現滅多にせんしこの場合でもキレたって表現よく使われるぞ
 ▼ 86 ガブリアス@きんのナナのみ 25/10/17 03:52:20 ID:7uJQnc8E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>83
アーボック?
アーボじゃないんですか?
 ▼ 87 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/17 19:35:43 ID:ELB66rVI [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>86
すいません、その通りです
皆さん本当にごめんなさい……

× アーボック「しゃーぼっく」
○ アーボ「あーぼ」
 ▼ 88 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/17 19:49:37 ID:ELB66rVI [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
紫の髪の女「なんだかんだと聞かれたら」

青の髪の男「答えてあげるが世の情け」

紫の髪の女「世界の破壊を防ぐため」

青の髪の男「世界の平和を守るため」

紫の髪の女「愛と真実の悪を貫く」

青の髪の男「ラブリーチャーミーな敵役」

そして女はこう名乗る――

「ムサシ!」

続いて男はこう名乗る――

「コジロウ!」

ムサシ「銀河を駆ける、ロケット団の2人には」

コジロウ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ」

猫ポケモン「にゃーんてニャ!」


そんな彼らの口上にも怯まず、サトシはこう言い返した。

サトシ「それがどうしたって言うんだ!」

紫の髪の女、即ちムサシはただ呟いた。

ムサシ「分かりの悪い奴だね」

サトシ「聞かなきゃ分かんないだろっ」

コジロウ「我らの狙いはポケモン」

クールにそう言い放つ青の髪の男、即ちコジロウ。

サトシは彼を睨む。

サトシ「…何が言いたいんだ」

サトシ「ピカチュウを狙ってるのか?」

ムサシ「ピカチュウ?」

ムサシはあくまでも余裕のポーズである。

ムサシ「我らの狙いはそんじょそこらの電気ネズミではない」

コジロウ「とびっきり底抜けに珍しいポケモンだけだ」


サトシ(そんな珍しいポケモンがここに居るっていうのか?)

彼がそう思うと同時に、ジョーイが割と久し振りにこう喋った。

ジョーイ「待って! そんなポケモン、このセンターには居ないわ」
 ▼ 89 チェリム@なまハム 25/10/17 19:55:04 ID:VQiMktOU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 90 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/17 20:44:25 ID:ELB66rVI [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
だがムサシは、そんなこと関係ないとばかりに続ける。

ムサシ「ここには病気や怪我をしたポケモンがいっぱい」

ムサシ「それを根こそぎ頂いていけば、珍しいポケモンも居るかもしれない」


サトシ「…なんだって!」

サトシは歯を食いしばった。

その“賭け”に、関係のないポケモン達が巻き込まれなきゃいけないのかよ!

サトシ「そんなことさせるか!」

少女「そうよ、そんなの理不尽だわ!」

ムサシ「何が来ようと」

コジロウ「怖くはない」

猫ポケモン「ニャーも、猫に小判!」

少女(猫に小判と言っていればいいと思ってない?)


コジロウ「こっちの出番だ、ドガース!」

ドガース「どがー」

ドガースがコジロウの指示で体から煙を出す。

サトシ達3人は、ストレッチャーを押しながら走る。

アーボが、その後を追っていく。そしてモニターのコードを噛みちぎった。

ドガースも設備を破壊する――。



そしてサトシ、少女、ジョーイの3人とピカチュウは、モンスターボールが何十個も置いてある部屋に入り込む。

ドガースとアーボは、その部屋の自動ドアが閉まったので、中に人がいることに気づかず通り過ぎる。

安堵する3人だが、突然部屋の明かりが光るのをやめてしまったので驚く。

少女「なにっ!?」

ジョーイ「電気をやられたのね」

ジョーイは真剣な表情でそう言い、しかし微笑んでこう続けた。

ジョーイ「でも大丈夫よ。自家発電があるから」

その言葉の通り、明かりは再び室内を照らし始めた。
 ▼ 91 ハピナス@クラフトキット 25/10/18 07:19:46 ID:88OoHx.k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙
 ▼ 92 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/18 20:48:09 ID:iq3gXC4o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシと少女は、ガラス張りの部屋で走っているピカチュウを見ていた。

走ると言っても、ただ真っ直ぐに走っているのではない。

ピカチュウ達は、円くなっているベルトコンベアのような物の、上を円く走っていた。

ピカチュウ達「「「ぴかぴかちゅうちゅうぴかぴかちゅうちゅう」」」

その円の中心から細い柱のような棒が突き出していて、そこに彼らの頬から出た電気が集まる。と同時に、そこから電気がバチバチと音を立てながら上の円盤に吸い込まれていく。

少女「うわー、ピカチュウがいっぱーい」

サトシ(沢山のピカチュウが走ってる……疲れないのかな)

ピカチュウ達「「「ぴかぴかちゅうちゅうぴかぴかちゅうちゅう」」」


一方で、ジョーイはモニターと向き合っていた。

モニター『緊急事態発生。モンスターボール継承システムを、強制起動しました』

ジョーイ「今のうちに、モンスターボールを!」

ジョーイが何をしたのかは分からないが、室内のアームが動き、モンスターボールを掴む。そのアームは、漏斗のような形をした機械に、次々とボールを入れていく。

ジョーイ「こちらトキワシティポケモンセンター、緊急事態発生」

ジョーイ「モンスターボールを転送します!」

モニターの向こうのジョーイ『こちらニビシティポケモンセンター』

モニターの向こうのジョーイ『了解しました、モンスターボールを回収します!』


――しかし、扉の反対側から不穏な気配。

ドガース「――どがあぁ!」

煙が入ってきたかと思えば、直ぐにドガースが扉を割って突入してきた。

その衝動で、モンスターボールが棚から落下する。

ジョーイ「モンスターボールを!」

サトシ「はい!」

サトシがしゃがみ込んでボールを拾う。

少女「それを投げて戦うのよ! 早く!」

サトシ「っよーし。いけっ、モンスターボール!!」

彼は言われてボールを投げた。

そのモンスターボールの中から、出てきたのは!?
 ▼ 93 ホシガリス@タポルのみ 25/10/19 08:30:19 ID:WE/gHdo6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 94 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/19 20:50:01 ID:IalwEti. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ポッポ「ぽぽー」

ポッポだった。しかし、

アーボ「しゃーー」

ポッポ「ぽぽぉ〜」

睨みつけられて撤退した。

ムサシ「んなもので勝てるか!」

サトシ「っ……次行くぜ、いけぇっモンスターボール」

めげずにボールを投げるサトシ。だが、その中からポケモンが出てくることは無かった。

サトシ「あれれっ……」

少女「空っぽ投げてどうすんのよぉ!」

ジョーイ「空のモンスターボールも混ざってるわ」

サトシ「んなのありかよぉ…」

気合いがからぶって肩を落とす彼だが、そのようなことをしている暇は無い。すぐにボールを拾う。

サトシ「次っ、いけっモンスターボールッ」

そして出てきたのは――

コラッタ「こらったー!」

やはりと言うべきか小さめの、鼠のようなポケモン――コラッタ、である。

ムサシ「これって…」

コジロウ「雑魚だな」

猫ポケモン「だニャ!」

辛辣にそう吐く2人と1匹。

その言葉の通り、コラッタは睨みつけられて撤退した。

サトシ「あぁ……」

そして、落胆の色を隠せないサトシの前に、橙色の髪の少女が出てきた。

少女「もう、私が時間を稼ぐわ。その間にピカチュウと逃げて!」

正直女性を格好良く庇いたいところだったが、このままボール運の無い俺がモンスターボールを投げていても仕方がないか。だけど、本当にこの強気な少女に任せても良いのだろうか?

今日出会った人だから、分からない。そうサトシが決断しかねていると、少女は言葉を続けた。

少女「悪役さん、私が相手をするわ」

対するムサシは、「ほぅら、なんだか訳わからないのが出てきたわ」と言った。やはり余裕そうだ。

そんな彼女らに、対する少女も余裕たっぷりにこう言い放った。

少女「私は世界の美少女、名はカスミ」
 ▼ 95 トゲピー@ハラペーニョ 25/10/19 21:05:25 ID:xZmMiTAs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
来たか
 ▼ 96 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/20 20:28:14 ID:ojrwibpI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ(カスミ……)

そう言えば、彼女の名前を知らなかったな。

コジロウ「美少女、カスミ…」

ムサシ「霞か雲か。やっぱり訳が分からない、自分で“美少女”なんて」

カスミ「ふっ…分からせてあげるわ」

カスミ「いけっ、マイ・ステディ!」

彼女はそう叫んでモンスターボールを投げた。

そして飛び出してきたのは、


トサキント「とさきーん」

魚の形をしたそのポケモンは、水ではなく地面の上でぴちぴちと跳ねる。

トサキント「とさきーん、とさきんととさきんとさきーん」

ロケット団「「「………」」」

2人と1匹は思わず絶句した。

サトシ(あのポケモンは…トサキント! なんで魚の形したポケモンをここで出すんだよ?)


沈黙が訪れる。突然、カスミがトサキントをボールに戻した。

カスミ「戻れ、トサキント」

トサキント「とさきーんとさき……」ピュウウ

ムサシ「…なんだ今のは」

コジロウ「本当の雑魚だ」

そんな彼らに、カスミは尚も余裕そうだ。

カスミ「ほんの見本よ。第一、魚が水のない所で戦えるわけないでしょ」


サトシはふとこんなことを思いついて、遊び心で口にしてみる。

サトシ「まっさか な」

カスミ「ボヤボヤしないで、早く逃げて!」

サトシ「だっ、だよな…」

残念、一蹴された。まあ仕方がないだろう。
 ▼ 97 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/20 20:50:10 ID:ojrwibpI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシは走る。

ピカチュウを寝かせたストレッチャーを押しながら。

その後を追ってくるのはドガースとアーボだ。

しかし彼らがサトシの後を追うなら、カスミの相手は誰なのだろうか?


そんな中、サトシの押すストレッチャーが真っ黒焦げの自転車に引っかかってしまう。

サトシはバランスを崩し、尻餅をついた。

また、その衝撃でピカチュウが目を覚ました。

ピカチュウ「ぴかぴかぁ」

その視線の先では――

ピカチュウ達「「「ぴかぴかちゅうちゅうぴかぴかちゅうちゅうぴかぴかちゅうちゅう……」」」

衝立のような壁の向こうから、ピカチュウ達が跳んできていた。

その間にロケット団の3人組も集まる。呆けている彼らだが、そんな暇などなかった――

ピカチュウ達「「「ぴーかーちゅううううう」」」

ストレッチャーに可愛らしく積み重なったピカチュウ達が、ロケット団に電撃を放ったからだ。

ロケット団「「「ぎゃあああああ」」」

割とすぐにその電撃は終わり、そしてサトシのピカチュウも沢山のピカチュウの中から姿を現した。「ぴかちゅう」

サトシ「ピカチュウ!」


ムサシとコジロウ、そしてアーボとドガースは痺れが体中を走っているので動けない。猫のようなポケモンは何故か躱していたようだったが。

猫ポケモン「どいつもこいつも、ならばニャーの出番だニャ。ネズミはニャーの好物ニャ!」

サトシはそれを聞いて思わず後ずさりする。しかしそんな彼に、ピカチュウが話しかけた。

ピカチュウ「ぴっか、ぴかぴか、ぴかぁ?」

サトシ「ぴかぴか…?」

ただし、ピカチュウ語で。

けれどもサトシは何とか会話を成立させようと、ピカチュウの言葉を反復する。

ピカチュウ「ぴっか」

サトシ「ぴか……もっとぴか?」

ピカチュウ「ぴっか!」コクリ

サトシ「…もっとぴか……」

サトシ「っそうだ!ピカチュウっと」

【サトシは なにか おもいついたようだ…】
 ▼ 98 エリキテル@ウタンのみ 25/10/21 07:57:53 ID:Gb3.UnDg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
紫煙
 ▼ 99 イワンコ@レタス 25/10/22 18:57:14 ID:fsVIUi3E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 100 メガメタグロス@フェアリーメモリ 25/10/23 21:24:00 ID:aKsE2nFo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 101 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/24 20:59:50 ID:m6kctKHY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
展開は変えません。僕に発想力があれば何か捻れたかもしれないのですが……

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


猫ポケモン「にゃ…にゃんだ?」

サトシは――

何故か、黒焦げの自転車に跨っていた。


サトシ「ピカチュウがネズミだからって舐めるなよ! 俺とピカチュウのホントの力、見せてやる!」

いや、跨ると言うには語弊があるかもしれない。サトシは自転車を逆さまにして、前輪を握って腰を浮かせてペダルを漕いでいた。

これはかなり凄いバランス力ではないだろうか。

そしてヘッドライトは生きていたようで、それは光っている。

ムサシ「…え」

コジロウ「あら」

猫ポケモン「にゃーす…」

彼らは顔を引き攣らせている。この後起こることがある程度予想できるのだろう。


そしてピカチュウが行動を起こす。

彼は、ヘッドライトの上(本来なら下)に乗った。

ヘッドライトの電気がピカチュウに吸い込まれていき――


ピカチュウ「ぴかぴかぴか…ぴかちゅう!!」

電撃は放たれた。

「あー!」「にゃにゃにゃ」「たぁー」

電撃は止まらない。

「あばばば」「にゃにゃ」「あ″ー」

まだ止まらない。

「あー」「にゃー」「たー」

「あぁ」「にゃ」「たっ」

「あ」「に」「あ″」

「どがー」

「どがあぁー」

そして限界を超えて――

[――ドゴーーン]
 ▼ 102 グルトン@ノーマルZ 25/10/25 20:00:26 ID:4YWwTvhQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 103 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/26 20:08:49 ID:h2tE8cYI [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサーがバイクに跨り走ってきたが、その時には既にポケモンセンターは爆発していた。

ジュンサー「あらー派手にやったわねぇ」

呆れているのではなく、どちらかというと驚いていた。

彼女の視線の先では、その建物からもくもくと黒煙が上がっているので当然だ。しかしそれにしてはやけに冷静である。



ムサシ「どうして猫がネズミに負けるのよ!」

今日は満月である。

だが、彼女らはそれを見る余裕がなさそうだ。

何故なら2人と1匹は、気球から垂らした紐に辛うじて掴まり、ぶら下がっていたからだ。

猫ポケモン「あのピカチュウ、タダ者ではないニャ」

彼はムサシの問いをスルーしてそう言った。

コジロウも、ボロボロの服に体を包みながら呟く。

コジロウ「タダより高いものはない、もしかして」

ムサシが後を継ぐ。

ムサシ「もしかすると」

猫ポケモンも続く。

猫ポケモン「もしかするニャ」


――その時だった。

唐突に、気球の膨らんでいる部分――つまり球皮と呼ばれる部分――が、破れてしまったのだ。

ロケット団「「「やなカンジー!!」」」キラーン

彼らを乗せた(?)気球は、風に乗ってどこかへ飛び去っていった。



どこかで鳥ポケモンがさえずっている。そう、この町に朝が訪れていた。

崩壊したポケモンセンターの元室内で、ジョーイはモニターを見ている。

そのモニターの中では、もう1人のジョーイがこんな報告をしていた。

モニターの向こうのジョーイ『トキワシティのポケモンは、無事回収をしたわ』

ジョーイ「ありがとう、お姉さん」

ジョーイは言葉を続ける。

ジョーイ「2人とピカチュウは、ニビシティに向かったわ」

2人――きっと、サトシとカスミのことだろう。
 ▼ 104 メタグロス@レトルトめん 25/10/26 20:11:11 ID:UwK2bYXY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
大筋はともかくキャラ間のやりとりとかは変わってきそうね
 ▼ 105 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/26 20:34:06 ID:h2tE8cYI [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこまで微笑んでいたジョーイだが、突然顔色を曇らせた。

ジョーイ「でも、その手前にはトキワの森がある……」

トキワの森――危ない場所なのだろうか。いや、サトシは初心者トレーナーなので心配されるのは当たり前かもしれないが。

一方で、後ろにいたジュンサーは笑っている。

ジュンサー「大丈夫よ、あの子達ならトキワの森くらい」

楽勝だ、その言葉はそう後に続くようなニュアンスを秘めている。

ジョーイも元気付けられたようで、「そうね、きっとね!」と返した。

彼女らがそう言うのなら、きっと大丈夫なのだろう――



――そして、ここがトキワの森。

そこは木が鬱蒼と茂っていて、今は朝なのに暗い。この調子では夜も更に暗いだろう。


刹那、少女の悲鳴が森に響く。

サトシ「…どうしたんだ?」

カスミが後ろから肩に手を置いてきたので、サトシはそう問う。

カスミ「そっ、そこに……」

カスミの足元にいるピカチュウが体を左に向けている。

サトシもつられて自身の左手側を見る。しかしそこにいたのは……

サトシ「なんだ、キャタピーかぁ」

彼は安心したように言った。なにしろこんな雰囲気だ、カスミがお化けでも見たような態度を取るので少し不安になったのであろう。

だが、サトシにとってむしポケモンは“怖い”と感じる対象にはならない。

サトシ「可愛いむしポケモンだぜ」

キャタピーは何も言わずサトシを見つめる。対するカスミは目をしっかりと瞑っている。

カスミ「ポケモンでも虫はイヤ、虫は無視、虫が好かないっ。あんたがなんとかしなさいよぉ」

そう言われてサトシは、しっかりとキャタピーと体を向き合わせた。カスミは目を開けながらゆっくりとその場を離れる。

サトシ「言われるまでもない」

ピカチュウ「ぴぃ?」

そして彼は空っぽのモンスターボールを手に持つ。

サトシ「俺がゲットしてやる!」


サトシ「いくぜキャタピー。ぇいっ!」

果たして、ゲット出来るのか……?
 ▼ 107 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/27 18:30:57 ID:7bME32bE [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
]3[
《ポケモン ゲットだぜ!》




モンスターボールが、キャタピーに近づく――

触れる――

キャタピーは、ボールの中に吸い込まれていく。

だが、まだ勝負の決着がついた訳ではない。あの音が、[ピコン]という音が鳴るまでは、ゲット出来たとは言えない。

ヒリヒリするような沈黙が訪れる。サトシは勿論、カスミも緊張した面持ちでボールを見つめている。

ピカチュウも真剣な表情で見守る。


――[ピコーン]


そしてその音は鳴った。

それを聞いた途端、サトシの顔がいやでも緩む。

サトシ「へへっ…」

サトシ「ぃやったぁ!」

彼は草の上に佇むモンスターボールに駆け寄り、ボールを掴んで笑った。

それから立ち上がり、決めゼリフを言い放つ。

サトシ「キャタピー……ゲットだぜ!」


サトシは思わずピカチュウ達のところへ走る。

サトシ「やったぜ、ほら、俺がゲットしたんだぜ!」

カスミは苦笑している。

サトシ「俺が生まれて初めてゲットしたんだ!」

カスミの顔ににボールを近づけながらそう言うサトシ。なかなか嬉しそうだ。

だが、カスミは露骨にイヤそうな顔をしながら後退りする。

カスミ「ちょっと、近づけないでよ…」

サトシ「ぇっ、ボールに入っててもダメか?」

彼はきょとんとする。カスミは大きく首を横に振った。

カスミ「ダメダメダメッ! ボールに入ってたって、虫は虫なの……そういうのは、無視!」フイッ

サトシ「無視されたって俺は無視しないけどな」

サトシ「ボールの中って、ポケモンには凄く気持ちいい世界なんだろ? ポケモンも嬉しい、俺も嬉しい」スリスリ
 ▼ 108 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/27 18:34:38 ID:7bME32bE [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カスミ「あんた達が天国でも私は地獄」

カスミは顔を顰めながらそう言い放つ。よほどむしポケモンが苦手なのだろう。

サトシ「まっ、そりゃそうだよな」

サトシはさほど気にする風でもなく、2人の様子を見守っていたピカチュウに声をかけた。

ピカチュウ「ぴかちゅ…ぴっ」

サトシ「仲間が増えたぞ」

ピカチュウ「ぴっかぁ」

ピカチュウは彼の差し出すボールに可愛らしい鼻を近づけ、それから笑って両手を上げた。

サトシ「おおっ、ピカチュウ。喜んでくれるのか!」

サトシ「よぉし、これからどんどんゲットしていくぞ!」

彼は勇ましく宣言する。しかし、続く言葉はカスミを恐れさせた。

サトシ「じゃ、キャタピーも一緒に歩こう」

カスミ「げっ!」

カスミ「あるく……?」

彼女は案の定顔を引き攣らせながら振り返る。隣で歩かれるだけでもイヤなのだろうか。

だが、ゲットしたポケモンと仲良くなりたいと思うのは当然だろう。その前に“初めて”と付くのだから尚更だ。

サトシ「キャタピー、出てこい」

そう言ってサトシはボールを投げる。

カスミ「ひえぇぇ〜」

カスミは降参とばかりに手を上げながら逃げる。

キャタピー「アゥ?」

相変わらず真顔のままそう鳴くキャタピー。

サトシは10メートル程離れた木に隠れるカスミを見て、「そんなに嫌うことないだろ」と呟く。

サトシ「キャタピー。俺の肩に乗れよ」


ここで一つ豆知識、キャタピーは体重が約3キロである。身長がピカチュウと約10センチ違うだけなのに、体重はピカチュウの2分の1なのだ。

身長が大体一緒のポッポはキャタピーより軽いが……いや、もうこの話はやめよう。


キャタピーはそう言われてサトシを見るが、その後ろにカスミがいるのを見つけた。見つけてしまった。
 ▼ 109 メェークル@チーゴのみ 25/10/27 18:37:32 ID:2qPsPnPo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここら辺岩タイプに強いポケモン全然いないからニビジムはまあまあ難易度高いんだよな
 ▼ 110 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/27 18:37:45 ID:7bME32bE [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「っおい、キャタピー!」

キャタピーは悲鳴をあげられているのに満足げに微笑んでいる。

ポケモンに好かれる体質なのは良いが、苦手なポケモンにまで好かれてしまうのは少し可哀想である。

サトシ「良かったじゃんか、カスミ。気に入られてるぜ」

カスミ「っなんなのよぉ! 虫は無視って言ってるでしょー…」

キャタピー「ゥウ?」

カスミ「ひぃっ! 近寄らないでよ!」

嫌いだという気持ちを筒抜けに外に出してしまうのは問題だが。

サトシ「そんな言い方はないだろ、可愛いじゃないか」

キャタピー「ンン……」

サトシは眉を八の字にしてキャタピーを擁護する。一方のキャタピーは残念そうに地面に目をやっている。

そんなただただ不憫なキャタピーを見かねて、ピカチュウが背中を撫でた。

ピカチュウ「ぴかぴか」

キャタピー「ンゥ……」

しかし、カスミがピカチュウを持ち上げる。

カスミ「気に入られるんなら、キャタピーよりピカチュウの方が良いもーん」

この言葉は間違いなく止めを刺した。こんなことを言われて落ち込まないポケモンが、生き物がいるだろうか。

人種差別……いや、この場合はポケモン種差別だ。そう言い表すのが正解だろう。

しかしそんなことは少しも考えずに、カスミはピカチュウを抱いた。

そんなカスミを見て、サトシは むっとする。

サトシ「あのなぁ、いくらなんでもそれは言うなよ」

サトシ「それに、ピカチュウに気安く触るとビリリと来るぜ」

少し腹黒い笑みを浮かべる彼だが、その笑みはすぐ引っ込んだ。

何故なら、カスミとピカチュウが笑い合っていたからだ。

サトシ「っ……ピカチュウ〜〜」

サトシ(なんで俺の時だけ電撃を放ったんだよ!)


すると、1人と1匹は涙目のキャタピーに気づいた。

キャタピー「ウウ……」ウルウル

カスミ「っ……何よ」

カスミ「もうサトシ、あんたのポケモンでしょ! 早くこいつをモンスターボールに戻してよ!」
 ▼ 111 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/27 18:40:52 ID:7bME32bE [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼はそれを聞いて思わずこう漏らした。

サトシ「ったく、女の子の我儘って奴はよ……」

サトシ(あ、言っちゃった)

カスミ「何よっ」

しかしカスミはこう叫んで開き直った。

カスミ「人参! ピーマン! 虫っ」

カスミ「人間誰にも好き嫌いはあって当たり前でしょ!」

対するサトシは「だけど」と声を張り上げる。

サトシ「俺は全部好きだよ。それにカスミは“好き嫌いを無くそう”って、お母さんに言われなかったのか?」

カスミ「ふん!」

カスミは聞く耳を持たない。

サトシ(何か嫌な感じだなぁ……話を聞いてくれたって良いのにさ)

彼女がそっぽを向いてしまったので、説得は諦めてサトシはキャタピーと目を合わせる。

サトシ「俺は、お前のことが大好きだからな、キャタピー」

サトシ「さ、俺の肩に乗れよ」

キャタピーは迷ったのかピカチュウの方を見る。

ピカチュウは うんうんと頷いた。

サトシ「カスミのことは気にすんなよ。な」

キャタピー「ウウ」

キャタピーはサトシの肩に登った。

キャタピー「アーウーウウ」

そこからカスミのことを見下ろして一声発する。カスミは「何だってのよ」と負けじと言い返す。

サトシ「さ、行こうぜキャタピー」

主人が歩き出したので、ピカチュウも「ちゅう!」とカスミの腕の中を飛び出した。そしてサトシの後を歩く。

カスミ「あいつ……無視する気ね!」



ピカチュウ「ぴっ…か」

ピカチュウは後ろを気にしている。

ピカチュウ「ぴかぴ!」

サトシ「どうした、ピカチュウ」
 ▼ 112 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/27 18:42:10 ID:7bME32bE [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ぴかぁちゅ」

後ろを指差すので、つられてサトシも後ろを見る。そこには、オレンジの髪の少女がいた。

彼女は びくっと体を震わせて、木の陰に身を隠した。

しかしサトシにはバレバレだ。

サトシ「カスミ。何でコソコソついてくるんだよ?」

カスミ「っ……じっ、自転車! 責任とってもらわなくちゃ!」

サトシ「自転車かあ……でも俺、今はそんなお金持ってないから。ついてきても仕方ないぜ」

カスミ「早く弁償してよね。あんた達が自転車壊さなきゃ、こんな気持ち悪い森とっとと抜けられたんだから……責任感じてんの!?」

サトシ「俺を信じてないのか? それより、俺が聞いてるのは何であとをつけてるんだってことだよ」

サトシは持て余しながら話を元に戻す。

カスミは「この森抜けるには、この道が一番近いの!」と怒鳴るように言った。

サトシ(何でずっと怒ってるんだろ……疲れないのか?)

サトシ「そうか、なら良いけど」

サトシは、肩に乗ったキャタピーと共に すたすたと進む。

ピカチュウは、サトシとカスミを見比べて、ため息を吐いた。



焚き火がパチパチと音を立てている。

その横でサトシは寝袋にくるまって、横になった。

サトシ「お休み、ピカチュウ、キャタピー。明日も頑張ろうな」

ピカチュウ「ぴっ」コクリ

キャタピー「ウウ」コクリ

「あんたが頑張んの」

突然カスミの声がして、ハッとサトシは体を起こす。

切り株の向こうに、結ばれたオレンジの髪の毛が一瞬見えた。

サトシ「…分かってるさ」

穏やかながらもどこか突き放すようなサトシの言葉に、ピカチュウとキャタピーは顔を見合わせた。
 ▼ 113 オーロンゲ@ホイップクリーム 25/10/27 18:48:38 ID:TVzIf/Lk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 114 サマヨール@あべこべやき 25/10/27 19:01:30 ID:CulAx3aA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
当たりがキツい相手にも比較的冷静なのは対シューティー感
 ▼ 115 ワナイダー@レジェンドプレート 25/10/29 18:30:09 ID:K1WAFEu. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 116 エモンガ@ゲンガナイト 25/10/30 19:09:05 ID:ZL4QGILQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 117 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/30 20:23:49 ID:JNZobeQ6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウはカスミの近くに寄って、心配そうにそちらを見る。

キャタピー「アウ!」

しかしキャタピーに呼ばれたので、切り株の中心に移動をする。

キャタピーは空を見ていた。

キャタピー「アー!」

ピカチュウ「ぴーぃ!」

そこには、綺麗な満月が浮かんでいた。

キャタピー「アーウ」

ピカチュウ「ぴ?」

キャタピー「アアーウアウ、アーーウ」

ピカチュウ「ぴーぴ?」

キャタピー「ウウーウ ウウ、ウーウ、ウウッウウ」

キャタピーは切り株の上で円を描くように回り、逆立ちをした。

キャタピー「ウーーウウゥ」

それから上半身の足を浮かせて振った。それは、どこか蝶を表しているように見える。

ピカチュウ「ぴーかーちゅう!」

ピカチュウも嬉しそうに手足を振る。

キャタピー「ウゥ、ウーウ」

ピカチュウ「かちゅう!」

キャタピー「アァー!」

また足を振った。やはり蝶のようだ。

キャタピー「ウゥ、ウウ」

ピカチュウ「ぴか」コクリ

ピカチュウ「ぴーかーちゅ、ぴかちゅう!」

ピカチュウは両手足をあげて笑う。

キャタピー「ウゥー、ウゥー」

キャタピーは再度円く回り、2回ジャンプした。

ピカチュウ「ぴーかーちゅ!」ケラケラ

キャタピー「ウウーウ、ウウ」
 ▼ 118 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 18:28:50 ID:Xpt.6yiM [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

キャタピーはモンスターボールをつんつんとする。

ピカチュウ「ぴ?」

するとキャタピーはピカチュウを囲むように回った。

ピカチュウ「ぴーぃ、ぴかちゅう」

キャタピー「ウゥウゥ」

ピカチュウ「ぴぃ!」

彼は両手足を振って笑う。

キャタピー「ウゥ」

彼は上半身を浮かせて伸び縮みする。

ピカチュウ「ぴーい、ちゅう!」

ピカチュウは2回宙返りした。

キャタピー「ウゥ」コクコク

ピカチュウ「ちゅーちゅ?」

彼は右手を腰に当てて、左手を伸ばして振ってみせる。

ピカチュウ「ぴかちゅー」

キャタピー「アアウ」コクコク

それから、キャタピーは月を見上げる。

――いつか、あの月の少しでも近くで羽ばたきたい。

キャタピーがバタフリーを思い浮かべたのは、そんな思いがあるからだろうか。

しかし――キャタピーはカスミの方を見やる。

肩を落とすキャタピー。ピカチュウは、そんなキャタピーの背中を撫でた。

2匹は寄り添いながら、満月を見上げていた――。
 ▼ 119 ココドラ@メガティアラ 25/10/31 18:37:29 ID:IxusEwHw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
分からないようでまあまあ分かるポケモン同士の会話
 ▼ 120 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 18:39:27 ID:Xpt.6yiM [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
描写が下手すぎるので、分からなかったらすみません……詳しく知りたければ、アニポケセレクションで初代ポケモン第3話の、7:12〜8:41辺りを見てもらえれば分かります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その満月が太陽に変わった。

つまり、朝になった。


火を見ている人がいなかったため、焚き火の炎は消えていた。

太陽の日差しがカスミに降り注ぐ。

カスミ「んん……」

カスミは目を開ける。

ぼんやりと、むしポケモンの――キャタピーの姿が目に入る。

それは意識と共に、段々はっきりとしてきて……

カスミ「きゃあああああああああああ!!!」


サトシ「!!!?」

ピカチュウ「!!!?」

彼らは仲良く飛び起きて、カスミの元に飛んできた。

サトシ「どっ、どうしたんだよっ?」

そう聞くサトシは寝袋にくるまったままである。

カスミはそのことは特に気にせず、キャタピーを見ながら言葉を発する。

カスミ「なんでキャタピーが一緒に寝てんのよ!」

サトシ「っはは、気に入られてて良かったな」

カスミは叫びながら続ける。

カスミ「今日まで10年間生きてきて最低最悪の朝だわ!」

カスミ「ポケモンならポケモンらしく、モンスターボールに入ってなさいよ!!」


[ガーン]


そんな擬音語が聞こえてくるほど、キャタピーは衝撃を受けた。

サトシは黙っていられずに言い返した。

サトシ「おいカスミ、そこまで言わなくて良いだろ! キャタピーの気持ちが分かんないのかよ!」

 ▼ 121 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 18:42:35 ID:Xpt.6yiM [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その途端、キャタピーが地面を這って動き出した。

サトシ「キャタピー? どうしたんだよ」

サトシはキャタピーに駆け寄る。キャタピーは俯いたまま返事をせず、切り株に登ってボールのボタンを押した。

[ピュウウ]

キャタピーは、カスミの言葉の通りモンスターボールに戻ってしまった。

サトシ「キャタピー!?」

ピカチュウは、悲しげにモンスターボールを突いた。

ピカチュウ「ぴかちゅう…」

そして、サトシは相変わらず寝袋にくるまったまま、カスミに掴みかかりそうな勢いで行いを咎めた。

サトシ「キャタピーに謝れよ!!」


サトシ「ポケモンだって……

   ポケモンだって傷つくんだぞ!!!」


だが、サトシの言葉がカスミに刺さることはなかった。カスミは ふい とそっぽを向いた。

サトシは振り返ってモンスターボールを見つめる。

サトシ「キャタピー。昨日も言ったけど、俺はキャタピーのこと 大好きだからな。カスミの言ったことなんて気にしなくて良いぜ」

そう囁くサトシを見て、カスミはバツが悪そうな表情をした――


――その時。

切り株を掠めるように、鳥ポケモンが飛んできた。

そのポケモンは草むらに着地した。

サトシ「ピジョンだ!」

ポケモン図鑑『ピジョン、ポッポの進化系。急降下して、餌となる小動物を鋭い爪を武器に捕まえる』

ポケモン図鑑『優しい性格のポッポから一転、攻撃的な性格なので 要注意』

サトシ(要注意、か……でも、今は餌を食べてるから…)

サトシ「今だ! いけ、モンスターボールッ」

サトシの投げたボールは――

ピジョンの羽で はたかれた。

サトシ「……」

カスミ「分かっちゃいないわね。ポケモンをゲットするなら、まずポケモン勝負で弱らせるのが基本なんだから」

カスミ「キャタピーの時は、相手がたまたまトロかったからゲットできただけよ」
 ▼ 122 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 18:45:03 ID:Xpt.6yiM [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシは「分かってるよ」と低い声で返事した。

サトシ(カスミ、またキャタピーのこと悪く言ったな……)

サトシ「見てろよ。キャタピーだって強いんだからな」

彼はそう言い放った。

それを聞いて、カスミは嫌な予感がした。

カスミ(まさか……)

サトシ「いけっ、キャタピー」

[ポンッ]

カスミ「ああっ!」

ピカチュウ「ぴっかぁ!?」

サトシは帽子の鍔に手を当てる。

サトシ「そんなに驚くことか?」

カスミ「バカね、あんた自分が何やったか分かってんの!?」

彼は きょとんとした。

サトシ「何って……?」

キャタピー「アーー!!」

突如キャタピーの鳴き声が響く。

ハッとしたサトシがそちらを見ると、涙目のキャタピーがピジョンに追われていた。

ピジョンは空高く舞い上がり、急降下してキャタピーを狙う。

もう一度高く飛び、急降下。

それらの攻撃をキャタピーはなんとか躱した。

一方のサトシは“何”をしたのかがまだ理解していないようで、「キャタピー、反撃だ!」と言う。

キャタピー「アー!」

声を上げるキャタピーだが、ピジョンに突かれて転がり、木がストッパーの役割を果たした。


キャタピーは動けない。

ピジョンが近づく。

サトシ「キャタピー!!」

カスミ「早く戻して!」

キャタピーの身を案じるのに夢中になりその方法があることを忘れていたようで、サトシはハッとした。

サトシ「戻れ! キャタピーッ」ピュウウ
 ▼ 123 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 18:47:14 ID:Xpt.6yiM [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピジョン「!?」

[ゴンッ]

勢い余ったピジョンは木に衝突し、嘴が刺さった。


サトシ「ピカチュウ、ゴー」

ピカチュウ「ぴかちゅう!」

ピジョンの嘴が抜けない。

ピカチュウがピジョンに近づく。

しかし、ピジョンは すんでのところで嘴を抜いた。そのまま飛んで空に逃げようとする。

サトシ「ピカチュウ! 《でんきショック》だっ」

ピカチュウ「ぴかっちゅう!」

しかし、勿論見逃すわけにはいかない。

ピジョン「あぁー!」ビリビリ

サトシ「っ、今だ!」

彼は、タイミングを見てモンスターボールを投げた。

それはピジョンに当たる――。

ピジョンは、ボールに吸い込まれていく。

ボールが地面に落ちる。

[クルン……クルン……]

サトシは息を呑む。

――ヒリヒリとするような時間が過ぎる。

ピカチュウも、カスミも、回るモンスターボールを見つめる。

そして…


[ピコーン]


サトシ「っああ!」パァッ


彼は顔を輝かせ、ピースサインをしながら決めゼリフを言った。

サトシ「ピジョン、ゲットだぜ!」

ピカチュウもそれに便乗した。

ピカチュウ「ぴっぴかちゅう」
 ▼ 124 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 18:50:23 ID:Xpt.6yiM [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシはボールを片手にカスミに近寄る。

サトシ「どうだ、2匹目ゲット――」

[――パチン!]

しかし、その言葉は前にも聞いたことがある音で遮られた。

そう、カスミの手のひらがサトシの頬を捉えたのだった。

サトシ「な、何すんだよっ」

これにはサトシも冷静さをなくしてしまう。

そんなサトシに、カスミはこう怒鳴った。

カスミ「あんたね、それでもポケモンマスター目指してんの!」

サトシ「っ…目指してるさ」

サトシは相変わらず“何”をしたのか気づいていない。いや、そもそも知らないのだろう。

カスミ「そんじゃもっとポケモンのこと知るべきだわ」

カスミ「ポケモンには相性ってもんがあるの。ピジョンは鳥で、キャタピーは虫」

カスミ「鳥が虫を餌にするのは、常識ってもんでしょ!」

カスミは一気に捲し立てた。

対するサトシは項垂れる。

サトシ「……そうか…」

サトシ(キャタピーに悪いことしたな…)

彼は、反省すると同時に“何”が何だったのか腑に落ちた。

カスミ「根性見せれば勝つってもんじゃないんだから、ポケモンは。一番大事なのは、トレーナーの判断力なのよ!」

カスミ「ただポケモン大好きってだけじゃあダメなんだから!」

サトシ「う、うん……」

サトシは返す言葉がない。


――その時だった。

「あーっはっはっは!」

「またお会いしましたね」

2人はその声に聞き覚えがある。

サトシ「この声は、まさか……」
 ▼ 125 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 18:52:50 ID:Xpt.6yiM [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「世界の破壊を防ぐため」

「世界の平和を守るため」

「愛と真実の悪を貫く!」

「ラブリーチャーミーな敵役!」

「ムサシ」

「コジロウ」

……そう、この3人組である。

サトシ「…またかよ」

思わずそう呟いた。

ムサシ「銀河を駆ける、ロケット団の 2人には」

コジロウ「ホワイトホール 白い明日が 待ってるぜ」

猫ポケモン「にゃーんてニャ」

サトシが「何しに来たんだ」と問うと、返ってきたのは「お黙り、ジャリボーイ」という冷たい言葉だった。

ムサシ「アタシ達はお前に用はない」

コジロウ「用があるのは、そのピカチュウだ」

サトシ「ぇっ」

サトシは間抜けな声を出す。それほど予想外のことだったのだ。

サトシ「ピカチュウなら、他にもいっぱいいるだろう?」

しかし2人は動じない。

ムサシ「我々が欲しているのは“そこの”ピカチュウよ」

猫のようなポケモンが、何故か2人を睨んでいる。

コジロウ「私たちは珍しいポケモンを探している。そしてそのピカチュウこそ!」

ムサシ「我らが探し求めているポケモンかもしれないのだ」


猫ポケモン「――アーホー!!」

突然そのポケモンが、仲間である筈の2人を引っ掻き回した。

猫ポケモン「ベラベラとこっちの事情を喋る必要はにゃーーーいっっ」

サトシはその仲間割れをスルーして、疑問を呈した。

サトシ「俺のピカチュウが珍しい?」
 ▼ 126 ナマケロ@キノココのほうし 25/10/31 19:15:10 ID:Rd1QVqmU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジャリボーイとピカチュウの青春=ロケット団との青春
 ▼ 127 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 19:28:30 ID:Xpt.6yiM [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それを受けて、猫ポケモンは腕を組み、うんうんと頷きながら喋った。

猫ポケモン「この間のあの凄ぇ技」

その言葉の表すものは――この間とはポケモンセンターで会った時のこと、凄ぇ技とは あの電撃のこと――だろうか。

猫ポケモン「レベル以上の技を使うなんざ、こりゃ何かあると、天才ポケモンニャース様が睨んだ訳ny――」

猫ポケモン――いや、ニャースの言葉を、ムサシとコジロウが体を踏んで遮った。

ムサシ「こっちの事情を喋っちゃダメでしょーーー」

コジロウ「何で自分だけは良しとするんだっ」

2人は交互にニャースの華奢な体を踏みつける。

しかしニャースが「ボスに言いつけるニャ!」と脅しをかけると、彼らは一瞬沈黙してからその暴挙をやめた。

ムサシ「おとなしくピカチュウを渡してもらおうか」

そう言われるが、勿論サトシの答えは“NO”。

サトシ「そんなこと言われて、はい と渡すトレーナーがいるかよ」


コジロウ「と くりゃあここは当然」

ムサシ「ポケモン勝負」

彼らは言葉での説得をさっさと諦め、それぞれ自分のモンスターボールを投げる。

ムサシ「いけアーボ」

コジロウ「ドガース、出番だ」

サトシはそれを見て、すぐさま抗議した。

サトシ「2匹同時なんて、汚いぞ!」

どうやらそういう認識のようだ。

ムサシ「愛と真実の悪役の辞書に“汚い”という言葉は無いわ」

サトシ「じゃーその辞書は不良品だっ」

負けじと言い返すサトシ。

コジロウ「不良で結構、俺たちは悪役」

そこにカスミが、横槍のようなアドバイスのような言葉を投げかけた。

カスミ「何やってんのよ! あいつらが2匹なら、こっちも2匹出すのよ!」

サトシは、きょとんとしながら「だけど」と呟く。

サトシ「ポケモンリーグのルールには、1匹ずつって……」

カスミ「そんなこと言ってると、ポケモンみんな取られちゃうわよ?」

呆れたようにカスミは返した。
 ▼ 128 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 19:32:43 ID:Xpt.6yiM [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして、コジロウが行動を起こした。

コジロウ「ドガース! ヘドロで動きを封じてしまえ」

ドガース「どがー」

口から吐き出されたそのヘドロが、ピカチュウの目にかかる。

ピカチュウ「ぴかっ…」

サトシとカスミは「「あっ!」」と声を揃えた。

ぴぃ〜、と目を擦るピカチュウを抱き上げながら、サトシは抗議する。

サトシ「まだ勝負も始まってないのに、酷いじゃないか」

それから彼は振り返り、カスミに向かってピカチュウを突き出す。

カスミ「サトシ…?」

サトシ「奴らの狙いはピカチュウだ。どんな手を使ってくるか分からないから、君が守っていてくれ」

カスミ「……」

困ったような表情のカスミに、サトシが言う。

サトシ「頼む。…カスミ」

カスミは、ピカチュウを受け取った。しかし、尚も心配そうに言葉を続ける。

カスミ「だけど、あと2匹は…」

サトシは何も言わずに、ロケット団に向き合った。

ムサシ「さあ、何でくる、ジャリボーイ」



サトシ(さっきのバトルで傷ついた君を、俺は………出せない)


彼は、腰のボールに手をかける。そして一つボールを掴み、それを相手に向かって投げた。

サトシ「いけ、ピジョン!」

ピジョンは空に向かって上昇する。しかし、「ドガース、頂きなさい」と指示されたドガースがその後を追う。

それからヘドロをピジョンに当てようとするが、ピジョンはそれらを器用に躱す。

ムサシ「アーボ、飲み込んでおしまい!」

噛みつこうとするアーボのことも、華麗に躱して翻弄する。
 ▼ 129 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 20:07:37 ID:Xpt.6yiM [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシ「ピジョン、《でんこうせっか》っ」

ピジョン「ぴじょぉぉぉ」ヒュン

ムサシ「地面に潜り込め」

アーボ「あぼ」ズガガガ

ピジョン「ぴじょぉ!?」

ピジョンが攻撃をしようとするが、地面の中に逃げられてしまう。

目的がいなくなって地面をただ見つめているピジョンの背後に、敵の影。「――気をつけろ、ピジョン、後ろだっ」

その影の正体、ドガースがピジョンに向かって煙を吐く。

しかし、それはピジョンの羽の羽ばたきで吹き消された。

ドガース「どがー」

今度はヘドロ。しかし、彼は全て躱した。

その時、アーボが地面から出てくるが、ピジョンは すれすれのところでそれに当たらなかった。

……因みに、トレーナーであるロケット団は余裕があるようで、扇子を持って応援している。


サトシ「《かぜおこし》で反撃だ!」

ピジョンは言われて風を起こす。だが、その瞬間上昇をやめてしまったため2匹には当たらない。

その代わりに、ピジョンがドガースの体当たりを食らった。


ドガース「どがあぁ!」ドンッ

アーボ「しゃあぁ」ドンッ


ここでサトシは賢明な判断をする。

サトシ「戻れ、ピジョンっ!」

[ピュウウ]

サトシ「くっ……」

――どうすれば良いんだよ。


ムサシ「とっととピカチュウをお出し。キッチリ負かして、カッチリ頂いてやるからさぁ」

その言葉に、カスミに抱かれたピカチュウが反応する。

ピカチュウ「ぴーかーちゅうぅ」ジタバタ

カスミ「ダメよ、ピカチュウ。今のままじゃ勝てないわ」

言いながらカスミはピカチュウの目を拭く。

そして言われたことが正しいと分かっていたようで、ピカチュウは項垂れた。
 ▼ 130 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 20:11:32 ID:Xpt.6yiM [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼らの前に、サトシが庇うように立った。

その手にはボールを握っている。

カスミ「それは…!」


サトシ「俺は、どのポケモンだって大切に思ってる。でもキャタピー、今はお前を頼るしかない」


サトシ「…頼む。俺たちを助けてくれ!」


彼はそう告げて、ボールを投げた。

サトシ「いけ! キャタピー!!」


そして出てきたキャタピーは……

キャタピー「アー、アー、アー」ゼェゼェ

大分疲れを見せていた。それを見てきょとん とするロケット団。

ロケット団「「「え?」」」

ニャース「何ニャ? 虫ケラじゃ勝てないニャ」

その途端、彼らの中に笑いが沸き起こった。

コジロウ「あーっはっはっは」ゲラゲラ

ニャース「ニャーっはっはっは」ゲラゲラ

ムサシ「こいつ勝負捨ててるよ!」ゲラゲラ


一方彼らのポケモン達は、キャタピーをギッと睨みつけている。

そして襲いかかる――

キャタピーは地面に伏せてしまった――


ピカチュウ「ぴーーかーー!」

カスミ「頑張って…!」


サトシ「くっ……」

サトシ(俺は、キャタピーは何も出来ないのか?)

サトシ(いや、絶対何か出来る。コイツにしか出来ないことが――ある)

サトシ「ッ!!」

途端、彼はハッとした。


サトシ「糸だ! 糸を吐け!!」
 ▼ 131 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 20:13:54 ID:Xpt.6yiM [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キャタピー「ッ!」

キャタピーは咄嗟に起き上がり、糸を吐き出した。

ドガースはまるで繭のように丸くなり、

アーボの顔の辺りは糸で丸く包まれた。

そしてキャタピーは這い、ドガースに体でぶつかる。するとドガースの体は宙に飛んで、アーボの頭に激突した。

そのまま2匹は、地面と平行に飛んで退場した。


その様子を見たロケット団。

コジロウ「虫ケラにやられるとは……」

ムサシ「ケラケラ言っちゃいられないわ」

ニャース「こうなったらオラの出番ニャ!」

勇ましく戦おうとするが、それも意味は無かった。

何故なら、すぐに真顔のキャタピーに糸を吐かれたからだ。

ニャース「……」ミイラー

ムサシ「っまあ、ここは華を持たせてやる」

コジロウは さっ と持っていたバラを地面に刺した。

コジロウ「置いといたからねーーー」ダダッ



そうして、ロケット団という名の嵐は過ぎ去ったのだった。

カスミ「カッコつけたって、あんた達の負けよぉ! べーーっだ」

あまりにも子供らしい反応をするカスミの後ろで、サトシは1人拳を握る。

サトシ「…やった」

サトシ「…やったあぁ。俺たちは実力でポケモン勝負に勝ったんだ……!!」

サトシ「初勝利だーー!」

そう言って、嬉しそうに拳を上に振り上げた。


キャタピー「アァア、アァア、アァア」ゼェゼェ

そして彼は、苦しそうなキャタピーを抱き上げた。

サトシ「キャタピー。なんたってお前が一番凄かったぜ」

サトシ「…お前のお陰で勝てたんだ」
 ▼ 132 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 20:17:26 ID:Xpt.6yiM [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その後ろで、カスミが見直したようにキャタピーに話しかけた。

カスミ「意外と強いんだ、キャタピーって」

ピカチュウ「ぴぃか!」ピース

キャタピーは「アーア!」と、満足そうである。


サトシ「カスミ。見ただろう、キャタピーの力を」

突然、彼はそう言いながらカスミにキャタピーを近づける。

カスミ「ぇ、ええ…」

サトシ「じゃあ、仲直りしようぜ」

サトシ「キャタピーの頭を撫でて、“凄かったよ”って……褒めてやってくれよ」

カスミ「う、うん…」

カスミは、勿論サトシの思いは理解ができる。ただ…今までずっと避けてきたものに、いきなり触れるとなると……ハードルが高いのだろうか。

サトシ「ポケモンが好きなら、頑張ったあとに褒めてあげるのは、当たり前だろう?」

カスミ「っ、分かってるわよ……」

カスミは、キャタピーに手を伸ばす。

カスミ「ぅっ…」

震えた手が、1匹の むしポケモンに近づいてゆく――


突然、キャタピーがカスミに糸を吹きかけた。

カスミ「きゃあああああああ!!?」

サトシ「キャタピー…?」

サトシはそうするのが正解だと直感して、キャタピーの体を地面に下ろした。

キャタピーは、空に向かって糸を吐いている。


その時。

キャタピーの周りを、糸のベールが覆った。

サトシ「これは?」

カスミ「進化が始まったんだわ…」

カスミは、直感したのだろうか、キャタピーの行動の理由を口にした。

キャタピーの体に、白い糸が降り積もる。

ピカチュウ「ちゅうう…」

サトシ「すごい……凄いよ、キャタピー」
 ▼ 133 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 20:20:09 ID:Xpt.6yiM [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして、キャタピーの形が変化していき……

白いベールが姿を消した。

そこから現れたのは――

サトシ「このポケモンは……」カチャ

ポケモン図鑑『トランセル、キャタピーの進化系。全身を、硬い殻で覆っている』

ポケモン図鑑『この種類は、今まで発見されたポケモンの中で、最も進化のスピードが速い』

サトシ「…そうか」

サトシは、その図鑑の説明を聞いて嬉しそうに微笑んだ。

サトシ「じゃあ、次の段階に進化するのも すぐかもしれないな」

ピカチュウ「ぴっぴかぴ!」


――あの時、切り株の上で願ったことが、

叶うのは、もうすぐかもしれない――。


彼は、キャタピー……いや、トランセルを持ち上げる。

サトシ「宜しくな、トランセル!」

その言葉に、トランセルは瞬きをして応えた。

サトシ「っはは、なかなか無口なんだな」

ピカチュウ「ぴかっちゅぅ」


カスミは、その様子を少し距離をとって眺めていた。

そして、ふと考える。

カスミ(この子は、本当にポケモンが好きなんだなぁ)

カスミ「…こんな子初めてだな」

思わず口に出して呟く。


……すると。

カスミ「…ん?」

ずいっと、カスミの近くにトランセルが突き出された。

カスミ「っ!!」

カスミは驚いて仰け反る。

一方トランセルを持ちながら、サトシは笑った。

サトシ「はは、仲直りのこと。忘れたんじゃ無いよな?」
 ▼ 134 X夕虹X◆34j.QwNiVw 25/10/31 20:26:35 ID:Xpt.6yiM [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カスミ「わ、忘れてないよ、でも……」

瞬間、彼女の目の前を蜂のようなポケモンが通り過ぎていった。

カスミ「ぅわっ!」ゾーッ


カスミ「もーう、こんな気持ち悪い森早く出ましょうよ〜」

サトシ「スピアーだ! まだまだこの森はポケモンがいるんだなぁ」

カスミ「あぁっ、待ってよ!」


サトシ「早く抜けるんだろう? だったら遅れるなよ!」タッタッ




仲間も増え、だんだん打ち解けてきたサトシ一行。

そして、まだまだトキワの森は続く……


 ▼ 135 メガボーマンダ@たんけんセット 25/10/31 20:46:36 ID:kDooj5PA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙
 ▼ 136 アローラベトベトン@やぶれたせきばん 25/11/02 08:49:15 ID:AA5wWBPY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 137 チェリム@ものしりメガネ 25/11/04 08:36:21 ID:ylGE1.52 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 138 ガラルマタドガス@ドラゴンメモリ 25/11/05 20:49:51 ID:o8a6MDYY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
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