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SS

【始まりSS】最後のヒーロー

 ▼ 1 IkpW1XRiAk 25/09/27 20:09:11 ID:Ww.ogIls [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「かつて、この世はニンゲンという種族が全てのポケモンの頂点に立っていた!

しかし、ニンゲンはある日、1人残らず滅んだ!

ニンゲンが滅んで数世紀……
 
最初に目覚めた種族は我らの御先祖、ラティオスとラティアス!

ラティ達はラティだけの国を空高くに作った!

自らが正しい知識の使い方を教え、この世を平和に保つのが使命だと考えたラティ達は聡明な若いラティを地上に送り込むこととなった!

そのラティオスの一匹こそ!このプリヴィアである!」

「……はぁ」

プリヴィア「……とまぁ、こんな感じです」

「さっきの勢いはどこ行ったのよ」

プリヴィア「さ、さっきのは習わしというか上のラティ達にそう言えと言われたというか……」

「要するに、空から来たラティなんたらサマがうちら下民の一般ポケモンにあーだのこうだのうだうだとモノを教えてくれるんでしょ?」

プリヴィア「嫌味ったらしいのは置いておいて……妙に飲み込みが早いですね」

「そりゃあ、そういうラティオスはもういるもの、あたしの子供の頃から」

プリヴィア「先代のことをご存知でしたか、亡くなってからかなりの月日が流れたからてっきり忘れ去られたものだと」

「は?…‥センセイは生きてるわよ」

プリヴィア「え?……本当に生きているのですか!?何年も連絡が絶たれたままだから死んだのかと……!」

「ほら来た……センセイ、こいつが新しく来たラティオスよ」

デデンネ「ほう、お前が新しく来た同族か、私が先代の……」

プリヴィア「はい!自分が新しく派遣されたプリヴィア……え!?!?」
 ▼ 2 IkpW1XRiAk 25/09/27 21:53:48 ID:Ww.ogIls [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プリヴィア「彼はデデンネじゃないですか!」

デデンネ「何を言う、姿こそデデンネだがちゃんとラティオスではあるぞ」

デデンネ「『役目を果たして死んだラティオスは望んだ姿に生まれ変わることが出来る』のだよ」

プリヴィア「馬鹿言わないでください。そんな話は聞いたことがありません。ラティオスというのは自分のように、青い翼と赤い目をした種族のことを指すのですよ」

「センセイも初めて見た時はアナタと同じ見た目をしていたわよ、ある日突然今の姿になったわ」

デデンネ「私の紹介はここまでにして……プリヴィア、今話しているジュカインがモリコだ。このジュカインの村で一番頭が良い若者だ」

プリヴィア「モリコ……?あなた、名前があるのか?」

デデンネ「驚くのも無理はない。お前は知っての通り名前をつける文化はラティ以外にはまだ根付いていない……種族名で事足りるからな」

デデンネ「だからこいつがキモリの頃に私が名前をつけた」

デデンネ「厳密には、群れのキモリ全員に名前をつけたが、ジュカインになった今でもその名前を使っているのがこいつだけ……って話だ」

プリヴィア「とにかく……今日からは自分が村のポケモン達にラティ達の技術や文化を……」

デデンネ「そのことなんだが……」

プリヴィア「……今度はなんです?」
 ▼ 3 IkpW1XRiAk 25/09/27 22:28:21 ID:Ww.ogIls [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デデンネ「この姿になってテレパシーが使えなくなったが、その間にも私が伝えられることは村のポケモン達にはあらかた伝えた」

デデンネ「モリコ……そう言えばお前、旅をしてみたいと言っていたな」

モリコ「えぇ、せっかく村の外の世界を教わったんだもの、見てみたくはなるでしょ?」

デデンネ「こいつを連れて行きなさい」

モリコ「本当に!?早速支度をするわ!」

プリヴィア「ちょっと待った!」

デデンネ「なんだ?」

プリヴィア「あなたからの指図を受ける道理はない!何かしらの理由で自分のことが邪魔だから何処かに隔離したいんだろう?」

デデンネ「へっ、貴様もラティオスなら心を読んでみればいいだろ」

プリヴィア「……ここまでおちょくられると、立場を分からせるしかないですね……サイコキネシス!」

デデンネ「はぁっ!」

ドガッ! バキィッ!

プリヴィア「がはっ!?……この一瞬で何をされた?」

デデンネ「おおかた、『サイコキネシス』で動きを封じれば怖気付くとでも考えたんだろう?」

プリヴィア「くっ……」

デデンネ「その直前に『かいでんぱ』を放ち、サイコキネシスを衰弱させることにした」

デデンネ「そして『じゃれつく』をしたまでよ」

プリヴィア「『かいでんぱ』では完全に『サイコキネシス』を打ち消すことは出来ないはずでは……」

デデンネ「その通り……現に私の動きは制限された」

デデンネ「だが、どの程度動きが拘束されるかの大体の予想もつく」

モリコ「やっぱり、センセイは凄いわね」

プリヴィア「ぐっ……」

デデンネ「武術を応用し、相手の急所を的確に突く我流の『じゃれつく』だが……所詮デデンネ、ひんしまではいかん」

デデンネ「ただ、立場を分からすにはこれで十分だろう?」

プリヴィア「ただのデデンネではないってことは認める……ただ、あなたが先代とはまだ認めない!」

デデンネ「埒が開かんな……とりあえず、村を案内しよう」
 ▼ 4 IkpW1XRiAk 25/09/27 22:28:39 ID:Ww.ogIls [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
デデンネ「もうすぐ着くぞ」

ダァン!ダァン! 

プリヴィア「……これはなんの音だ?」

モリコ「さぁ?こんな音聞いたことないわ、センセイは何か知ってる?」

デデンネ「いや、まさか……!急ぐぞ」

-ジュカインの村-

プリヴィア「このジュカイン達……全員ケガしてるぞ!」

モリコ「早く手当てしなきゃ!」

プリヴィア「なら『いやしのはどう』で……!」

デデンネ「いや……手遅れだ、倒れているジュカイン達はもう息がない」

モリコ「そんな……」

プリヴィア「……ん?あそこにまだ生きてるジュカインが!」

「おぉ!お主ら無事だったか!」

モリコ「村長!」

「他の生き残りも避難させておる!」

モリコ「襲撃者は今どこにいるの!? ぶっ飛ばしてくる!」

デデンネ「待て!今向かうのは自殺行為に等しい!」

村長「センセイの言う通りじゃ、悔しいのもわかるが、今は生きている者たちでこれからの話をしよう」

プリヴィア「……」
 ▼ 5 IkpW1XRiAk 25/09/27 22:43:57 ID:Ww.ogIls [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-洞穴-

村長「みんな集まったか……」

モリコ「生きているのはこれだけ…」

名もなきジュカイン「センセイ、教えてくれ!オレのダチはなんで死んだんだ!」

名もなきジュプトル「こんなんで死ぬほどヤワな奴じゃなかったはずだ!」

デデンネ「確かに、ポケモンは身体の構造上ポケモンのわざでは致命傷にならない。だからこそ、平和なニンゲンの時代でもポケモンバトルというものが流行った」

名もなきジュカイン「じゃあどうして……!」

デデンネ「聞こえてきた音、そして傷口を見て確信した……仲間を殺したのは「わざ」ではない、「銃」だ」

モリコ「じゅう……?」

プリヴィア「じゅ、銃だって!?」

デデンネ「銃……それはかつてニンゲンが作ったポケモンを殺すための武器の一つだ」

名もなきジュプトル「なんたってそんなものが……」

デデンネ「地上のポケモンが1から作ったとは考えにくい……この襲撃には我が同族のラティが絡んでいると考えていいだろう」

名もなきジュカイン「ラティ……ってことは!こいつが怪しいってことだな!」

プリヴィア「ちっ…ちがっ!自分はそんなことしていない!」

デデンネ「私の仲間だと言っても皆は信じてくれんだろうな……襲撃者はどちらに逃げていったか分かるか?」

村長「西の方に逃げていったわい」

デデンネ「なら、その敵を倒して来い」

プリヴィア「だから!ラティオスでもないあなたの指図は受けないと…‥」

デデンネ「ラティの任務には知識を教えることだけではなく、地上の平和管理も含まれている」

デデンネ「上のラティ達もこの現状を見れば、同じことを任せるだろうな」

プリヴィア「……それは一理あります」

デデンネ「第一、お前も見て見ぬ振りは出来んだろう?」

プリヴィア「えぇ、無抵抗なポケモンをヒトの道具を作ってまで虐殺するなんて」

村長「では、このラティオスの若者に頼もうかのう……」

デデンネ「今日は休んで明日にでも西へ迎え」
 ▼ 6 IkpW1XRiAk 25/09/27 22:58:15 ID:Ww.ogIls [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜翌日〜

デデンネ「準備は出来たか?」

プリヴィア「もちろん」

デデンネ「もしかしたらまだ山の中に潜んでいるかもしれんが……銃は何もない山で作れるものではない。大元を叩くなら町に向かえ」

デデンネ「あの山を超えた先に西の町がある。様々なポケモンが住んでいる。あの山は険しいが……」

プリヴィア「自分ならこの翼でひとっ飛びですからね」

デデンネ「そうだったな、

モリコ「よっと」 ドシッ

プリヴィア「ぐわっ!?」

デデンネ「こいつも乗せて行け、お前の監視役だ」

モリコ「よろしくね」

プリヴィア「ま、まぁいいでしょう……しっかり捕まっててください……行きますよ!」

-西の町-

プリヴィア「着きましたよ」

モリコ「もう!?若い頃の村長でも一晩はかかったらしいのに……」

プリヴィア「それがラティオスですから……そんなことより」

モリコ「パッと見た限り襲撃はなさそうね」

プリヴィア「もしかしたら犯人が紛れている可能性がありますね、早速探しましょう」

モリコ「探すったって、襲撃の直後なら銃ってのを持ってるから分かりそうだけど、探すアテはあるの?」

プリヴィア「あのデデンネが少し話してた通り、自分たちラティには念力で感情を読み取れる力があるんです」

プリヴィア「邪悪な感情を持っているポケモンは襲撃犯と関わりがあるかもしれませんからね」

モリコ「あなたが見つけた良くないこと考えてるポケモンを片っ端から調べるってことね」

プリヴィア「まぁ、それが一番手っ取り早いでしょう」

モリコ「お願いね」

プリヴィア「任せてください!」
 ▼ 7 IkpW1XRiAk 25/09/27 23:17:56 ID:Ww.ogIls [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-数時間後-

プリヴィア「はぁ……はぁ……」

モリコ「まだ1人も見つけてないけど……あなた、本当に感情を読み取れるの?」

プリヴィア「こ……こういうのはラティアスの方が得意なんですよ!」

モリコ「メスの個体がどうとか知ったこっちゃないんだけど……仲間の仇はあなたにかかってるのよ?」

プリヴィア「ご、ごめんなさい……ん?」

モリコ「どうかした?」

プリヴィア「……今日感じたことのない感情の持ち主が近くに……あっ、あのポケモンです!」

モリコ「…あのなんか黒いの持ってる奴?」

プリヴィア「そうその黒いの……って!あれが銃です!」

ニャース「……」チャキッ

プリヴィア「ラスターパージ!」カッ!

ニャース「にゃはぁっ!?」

プリヴィア「これでよし……」

ダァン! ダァン!

モリコ「銃の音ってことは、こいつだけじゃないのね」

プリヴィア「犠牲者が増える前に、全員捕まえなければ!」

モリコ「あちこちで聞こえるわね……!二手に分かれましょっ!」

町のポケモン「なっ……何だ何だ!?」

ギモー「ふふふ……死ねぇ!」チャキッ

モリコ「はあっ!シザークロス!」

ギモー「ぐはぁっ!」

プリヴィア「『りゅうのはどう』!」

プリヴィア「こっちの奴らは片付いた、モリコに加勢しよう……ん?」

モリコ「プリヴィア!そっちは片付いた!?」

プリヴィア「あぁ……って!?後ろ!」

モリコ「後ろ……?」

ギモー「くっくっくっ……」

ダァン!
 ▼ 8 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:36:45 ID:Zb9kn20s [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プリヴィア「ぐっ……」

モリコ「プリヴィア!」

プリヴィア「がはっ……何とかあなたが撃たれる前に間に合いました……!」

モリコ「くっ……!」

ギモー「次こそ殺してやる……!」

プリヴィア「モリコ駄目です!まっすぐ走ったら銃の的になってしまう……!」

プリヴィア(だが翼をやられたから動けないし、あく・フェアリータイプに効くわざも持っていない……!)

プリヴィア「どうすれば……」コツ

プリヴィア「ん?これは……!」

モリコ「……」

ギモー「死ねぇ!」

ダァン!

バタリ

モリコ「……え?」

ギモー「」

プリヴィア「はぁ……はぁ……何とか間に合いました」

プリヴィア「観念しなさい!」

ギモー「」

プリヴィア「あ……あれ、聞こえてないんですか……」

プリヴィア「モリコ、ここからは見え難いのですが、自分が撃った銃弾はどこに当たったか分かりますか……?」

モリコ「……見事に頭に当たってたわよ、殺してくれてありがと」

西の町長「騒ぎを聞きつけて来てみれば……な、何が起こったんです?」

プリヴィア「……」
 ▼ 9 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:37:03 ID:Zb9kn20s [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
西の町長「なんと……銃というものを持ったポケモンの集団が、各地でポケモンを殺し回っていると」

プリヴィア「その通りです」

西の町長「幸い怪我を負った住民の報告はありません……本当にありがとうございました。礼にもなりませんが、貴方がたの治療はこちらで行わせていただきます」

プリヴィア「まさか、十分ですよ」

西の町長「本当はお礼をもっとあげたいのですが……こちらも不景気なものでして」

モリコ「不景気?」

西の町長「原因は1つではありませんが……近頃、金品を騙し取られたって住民が多発しておりまして……」

プリヴィア「成程……もう少し詳しく聞かせてくれませんか?」

-翌日-

プリヴィア「……」

モリコ「尋問はまだ続いてるんだってね、朝、町長さんが言ってたわ」

プリヴィア「…‥そうですか」

モリコ「もしかしてまだ気にしてるの?その……殺しちゃったこと」

プリヴィア「……夢に出て来ましたよ、どんなに言い訳を考えても、自分が撃たなければ死ななかったという事実は覆りません」

モリコ「でもあそこで撃ってなかったら、あたしは死んでいたわ」

プリヴィア「でも……」

モリコ「そんなことより、まずは詐欺師を探しましょ」

プリヴィア「……そうですね、

モリコ「あと、翼は大丈夫なの?」

プリヴィア「……見ての通り、浮遊できるくらいには回復しました。けど昨日みたいに高速では飛べそうにないです」

モリコ「それと、詐欺師はどう探そうかしら……正直、昨日のやり方だと見つかりそうにはないわ」

プリヴィア「それはすみません」

町のポケモン「あのぅ……そこの方々……」

モリコ「え?あたし達?」

町のポケモン「詐欺師を、探しているのですか?」
 ▼ 10 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:37:36 ID:Zb9kn20s [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
町のポケモン「……お願いします!助けてください!」

プリヴィア「詐欺師について何か知っているんですか?」

町のポケモン「私も詐欺師に金を騙し取られました……訳あってアジトの場所を知る事は出来ましたが……場所を教えたら……こ、殺すと脅されて……」

プリヴィア「そんな簡単に殺せるって事は……銃が絡んでいる可能性がありますね」

モリコ「なら、さっさと詐欺師の居場所を教えてちょうだい」

-西の町の外れ-

モリコ「こんなところに小屋が……

プリヴィア「ここがアジトですか」

町のポケモン「そ、そうです……」

モリコ「早速乗り込みましょっ!」

バァン!

プリヴィア「お前達!悪事もここまでだ!」

ぺラップ「ひ、ひぃぃ!」

モリコ「あれ……こいつだけ?てっきりもっと大勢いるものだと」

プリヴィア「『ラスターパージ』!」カッ!

町のポケモン「がはぁっ!」

モリコ「いきなりどうしたのプリヴィア!」

プリヴィア「こいつをよく見ろ」

モリコ「……銃を持っている…?」

プリヴィア「この町のポケモンもグルでしょう。おそらく人目につかない場所でおびき寄せて殺そうって算段ってところでしょうな」

プリヴィア「地上のポケモンにしては面白い作戦でしたが……ラティに知恵比べは相手が悪すぎましたね」

プリヴィア「そして、このペラップですが……」

プリヴィア「……自分は心が読める力があります。嘘を言ったら……分かりますね?」

ぺラップ「ご……ごめんなさい!町民を騙していたのはあっしです!あっしも金を巻き上げるよう脅されていたんです!どうか命だけは…」
 ▼ 11 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:38:14 ID:Zb9kn20s [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜数時間後〜

西の町長「昨日のポケモンへの尋問と、先ほど捕らえたぺラップらの供述により、銃は北の街で作られている事が判明しました」

モリコ「北の街……そこに全ての元凶がいるのね」

プリヴィア「ここから北の街まではどのくらいかかるのでしょうか?」

西の町長「ポケモンにもよるのですがここからあそこまでは大体このくらい……」

プリヴィア「成程……」

モリコ「プリヴィアが速く飛べないけど、それでもあたし達なら丸一日あれば着くわね」

プリヴィア「明日の朝イチにでも出ましょう」

西の町長「……距離だけならそうなんじゃが」

プリヴィア「何か問題でも?」

-外-

西の町長「あっちの方向にあるのが北の街じゃ」

ゴロ…ゴロ……ピシャーン!

プリヴィア「あの雲は……?」

西の町長「この数日間、フウジン様とライジン様がお怒りになっておる」

モリコ「フウジンライジン……?」

プリヴィア「風を操るポケモン、トルネロスと雷を操るポケモン…ボルトロスのことですね」

西の町長「そうじゃ……北の街に行くにはあそこを突っ切るしかない」

モリコ「じゃあさっさとぶっ倒して終わりね」

西の町長「いや、あそこまでは強大な存在を倒せるとは考え難い」

プリヴィア「あの雷雨だと銃も撃てないでしょう……だだ、ポケモンなら話が出来ますね」

モリコ「話っていったって……」

プリヴィア「いたでしょう、話が上手くてついみんな金品を騙し取られてしまう存在が」

モリコ「まさか……」

プリヴィア「……彼を使いましょう」
 ▼ 12 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:38:54 ID:Zb9kn20s [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜翌日〜

ザァァァァァ

モリコ「ここまで近づけば見えるわね」

プリヴィア「そうですね……さて、貴方の出番ですよ」

ぺラップ「しょ、正気ですかぃ……?」

プリヴィア「作戦は先ほど話した通りです……もう一回言った方がよろしいですか?」

ぺラップ「あっ、あっしがあの雲に突っ込んでボルトロスとトルネロスを和解させるんでしたよね」

プリヴィア「分かってるじゃないですか、さっさと行きなさい。もちろん、逃げられるとは思わないでください」

ぺラップ「ひ、ひぃぃぃぃ!」 バサッバサッ

モリコ「ちゃんと雲の方に向かったわね」

プリヴィア「えぇ」

モリコ「しっかし、詐欺師を逆に騙くらかすなんて、やっぱりラティオスってはすごいのね……感情を読み取ることも高速移動もロクに出来ないのに」

プリヴィア「自分に言わせればあなたの方がすごいですよ」

モリコ「え?」

プリヴィア「ラティのメス個体……すなわちラティアスはほとんど戦いません、このような肉体労働であったり危険な作業はほとんどオスがやっているんですよ」

プリヴィア「だがら先陣を切って戦うあなたのことを尊敬していますし、その姿が美しいと思っています」

モリコ「美しい……そんなこと、初めて言われたわ」

モリコ「……あ、ありがとう」

ザァァァァァ

プリヴィア「……まだ時間かかりそうですね」

モリコ「ねぇ、あなたのことをもっと聞かせて」

プリヴィア「え?」

モリコ「良いでしょ、ぺラップがことを納めるまでやる事はないんだし、あたし……まだあなたのことをよく知らないわ」

プリヴィア「……そんなに面白い話ではないですけれどね」
 ▼ 13 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:39:58 ID:Zb9kn20s [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
プリヴィア「何から話せば良いのか分かりませんが……自分は2人兄弟のおとうとでした」

モリコ「へぇ……」

プリヴィア「ラティというものは大抵は1番目にラティオス、次にラティアスが産まれるんです」

プリヴィア「ただ、ごくまれに2番目にもラティオスが産まれて来てしまう、それが自分です」

プリヴィア「家族に呪いだの忌子だの……何度言われたか分かりません」

プリヴィア「感情を読み取るためにはいろんな感情に触れる事が大切です。今まで自分がマイナスの感情にしか触れられなかったからかもしれませんね」

プリヴィア「そんな運命から逃げたくて、この仕事に応募しました」

プリヴィア「……そして今に至ります。ごめんなさい、つまらない話で」

モリコ「……あなたは逃げたかったからここにいるの?」

プリヴィア「いっ……いや、まぁ、そういうことなんですが……けど、誰でもなれる仕事ではないんですよ……!」

モリコ「そういえば自分で言ってたわね、聡明なラティが送り込まれるって、あなた……同族の中でもかなり切れ者なんじゃない?」

プリヴィア「……確かにこの仕事をするために血の滲む努力をしました。ただその結果、私は地上のポケモンの命を奪いました」

モリコ「……それ、まだ根に持ってるのね」

モリコ「……この雨が止み終わったら次は敵の本拠地よ、もしかしたら戦ううちにもっと殺すかもしれないわ」

プリヴィア「い、嫌だ……もう殺したくはない」

モリコ「プリヴィア……あなたは優しすぎるのよ……ねぇ、殺したのはもう1人の自分だってことにしない?」

プリヴィア「え?」

モリコ「あいつを殺したのはプリヴィアじゃない、別のラティオスよ」

モリコ「もう1匹のラティオスを自らの中に作り出すのよ」

プリヴィア「ど、どうやって……?」

モリコ「まずは口調を変えてみなさい。敬語じゃいまいちハクが出ないわ」

プリヴィア「こ……こんな感じ…‥かなぁ?」

モリコ「もっと荒々しく!汚らしく!今までの面影を無くして!」

プリヴィア「お、俺こそが……」
 ▼ 14 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:40:23 ID:Zb9kn20s [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-数時間後、雲の上〜

ボルトロス「だからお前さんは昔っから……」ビリビリドッカーン!

トルネロス「んなこと言ったらキサマなんて……」ビュオオオオオォ!

ぺラップ「あ、あの……そろそろその辺で……」

ボルトルネ「お前は黙っておれい!」

ぺラップ「ひぃぃぃぃ!」

「ぺラップ!手こずってるようだなぁ!」

「仕方ねェからこの俺様が手を貸してやるぜェ!」

ぺラップ「え?この声は……?」

ズボッ!

プリヴィア「ラティオス様の登場だぜェ!」

ボルトロス「なんじゃお前は!」

トルネロス「ワシらの喧嘩に水を差すってのか!?」

プリヴィア「ごちゃごちゃうるせェ!」これでも喰らえ!」ダァン!ダァン!

ボルトロス「ぐおっ!」

トルネロス「がっ!?」

プリヴィア「雲の上なら、雨で濡れねェから銃も使えるなぁ!」

ボルトロス「い……痛い痛い痛い!」

トルネロス「キサマ……何をした……!」

プリヴィア「急所は外した……しばらく安静にしていれば治るだろう。大人しくしておけば命だけは助けてやるぜェ」

ボルトロス「こいつ……やばいぞ!」

トルネロス「仕方ない……ボルトロス!この喧嘩は一旦引き上げだ!」

ぺラップ「ひええ……助かった」

モリコ「すごい……空が晴れていく、やったようね、プリヴィア」

プリヴィア「さぁて、目障りな馬鹿雲は消えた、残りは敵の本丸だけだぜェ!」

ぺラップ「あの、あっしがいないうちに彼に何があったんです……?」

モリコ「……ちょっと変わりすぎている気はするけど……このくらいが丁度かもね」
 ▼ 15 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:41:32 ID:Zb9kn20s [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
-北の街門-

プリヴィア「『ラスターパージ』ぃ!」カッ!!!

プリヴィア「『りゅうのはどう』!」ドォォォン!

ニャースたち「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

プリヴィア「邪魔する奴はこの俺様が全員ぶっ殺してやるぜェ!」

モリコ「この街のポケモンは全員銃を持ってる……元凶の手先のようね」

モリコ「それで、あなた達の元凶はどこ?」

ニャース「あ、あの建物の最上階にいるにゃ……」

ニャース「お、お腹すいたにゃ……」

プリヴィア「翼も治ったからなぁ、かっ飛ばしていくぜェ!」

-南の街の建物最上階-

???「何やら下が騒がしいな」

バリィン!

???「なに!?」

プリヴィア「ヒーロー、参上だぜェ」

???「ラティオス!?今更何をしに来た」

プリヴィア「ラスボスは同族かと思ったがよぉ、ラティオスにしては汚らしい見た目してるなぁじゃねェか」

ラッタ「だ……黙れ!」

ラッタ「ラティオスにより教えてもらった武器を使い、武力によりこの世を支配するのだ!」

ラッタ「大義も分からぬ愚か者め!ラティオスだろうが許さん!」

プリヴィア「大義……知るか?」

プリヴィア「俺様は俺様がやりてェようにやるぜェ!」

プリヴィア「『サイコキネシス』!」

ラッタ「ぐっ……は……離せ!」

プリヴィア「俺様が開けた穴に通してっと……」

ラッタ「や、やめろ!」

プリヴィア「んじゃ、あばよ」 パッ

ラッタ「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 ▼ 16 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:42:13 ID:Zb9kn20s [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モリコ「ん?」

グシャッ

ラッタ「ぐ、ぐお……」

モリコ「こいつが元凶ね……まだ生きてる」

ニャースA「ひ、ひもじいにゃ……」

ニャースB「ラティオスがいなくなってラッタが支配してから食べ物も食べられなくなったにゃ……」

ニャースA「あ、あそこにラッタがいるにゃ!」

ニャースB「もうラッタでもいいにゃ……」ゴクリ

ニャース達「いただきま〜す!」

ラッタ「や、やめ…

ガツガツ ムシャムシャ

モリコ「……そういえば『捕食』でも、ポケモンの命は奪えるわね」
 ▼ 17 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:42:41 ID:Zb9kn20s [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜数日後、西の町-

モリコ「あっ……いたいた」

プリヴィア「まさか自分たちの功績を祝って、お祭りを開いてくださるとは」

モリコ「その割には、あたしたちがこんな町のはずれにいても誰も気づかないのにね」

プリヴィア「ただ……今日だけでも自分たちへの賞賛、嫌な事がなくなったことによる、歓喜、安堵……いろんな感情のポケモンがいました」

プリヴィア「まるで一生分の正の感情を浴びたよう」

プリヴィア「だからですかね……今更ですが、自分、感情が読めるようになりました」

プリヴィア「あなたが自分にどんな感情を抱いているかも、分かります」

モリコ「……」

モリコ「はぁ……バレちゃったかぁ」

プリヴィア「……だから」

モリコ「プリヴィア、確かにあなたのことが愛おしい……けど」

プリヴィア「けど?」

モリコ「プリヴィアでいるうちは罪悪感で苦しみ続けるのでしょ?」

プリヴィア「……!」

モリコ「完全に『もう1匹』の方になれば、2度と苦しむ事はない……」

プリヴィア「そんな……自分は、君の幸せ以外考えられない!」

モリコ「だめよ、『もう1匹』の方が、この仕事に向いているでしょう?」

プリヴィア「だけど……」

モリコ「センセイがこんなことを言ったの覚えてる?」

『役目を果たして死んだラティオスは望んだ姿に生まれ変わることが出来る』

プリヴィア「……!」

モリコ「この世を思いっきり『もう1匹』になって生き抜いて……そうしたら、新しいプリヴィアに生まれ変わる事ができるでしょ?」

プリヴィア「…………………………………」













プリヴィア「……ケッ、しょうがねェなぁ」
 ▼ 18 IkpW1XRiAk 25/09/28 00:50:32 ID:Zb9kn20s [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜数ヶ月後、海の見える村-

デデンネ「……なぜこんな遠くの村に基地を拵えた?」

「この村を襲撃するという他国の情報が出てきた……ラティの技術が何かしらで絡んでいるだろうな」

デデンネ「そうか……しかし随分と垢抜けたな」

「そうかもな、先代」

デデンネ「おお、ようやく先代と認めたか」

「まぁ、その方が都合がいいしな」

デデンネ「モリコはどこにいる?」

「基地で仕事させてるぜェ。しっかし、テキトーに作った組織もかなり大所帯になったもんだぜェ」

デデンネ「仕事の方は?」

「この間、上にこの前起きた惨劇を報告したらよぉ、ラティオスの派遣はしばらくは打ち止めってさ、あんな事があっちゃぁ、みだりに知識を授けられないってさ」

デデンネ「てことは、地上に降りたラティオスはお前が最後か……それより、今は何してる?」

「勧誘活動だぜェ、こうモノ売りのフリしてなぁ、俺様に興味を持ってもらうんだ、おっ、餓鬼が来たな」

デデンネ「そうか……さらばだ、プリヴィア」

「……俺様はもうプリヴィアじゃねェぞ、名も知らぬ民衆から名前を貰ったんだ……ラティオスのヒーローで……」

「『ラティロー』だってさ」

デデンネ「変な名前だな」

「名前の由来だか美醜なんざどうだっていい、さぁ、どいたどいた」

デデンネ「そうか……また来るぞ」

ピカチュウ「ん?あれは……」

「安いぞ〜安いぞ〜」

 ▼ 19 ジキング◆IkpW1XRiAk 25/09/28 00:57:05 ID:Zb9kn20s [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あとがき

このSSは自分のある意味代表作のラティローSS第1作目こと【ピカチュウ「妖怪が来た!?」】の前日譚となっております。
うちのSSに散々出してきたラティローですけれども、キャラの掘り下げとかはほとんどしてなかったので、最後のSS企画で思いっきり掘り下げることにしました。
1年半近くのブランクと時間が時間なもんで偉いくらい端折ったため望む出来には遠く及びませんでしたが楽しめていただけたら幸いです。
モリコ、ぺラップ、デデンネも自分の過去作に出しているので、暇だったら探してみてください。

本当に終わり
 ▼ 20 ジキング◆IkpW1XRiAk 25/09/28 01:49:52 ID:Zb9kn20s [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「妖怪が来た!?」[ss]

https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=299707
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