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【SS】疾風怒涛!!ニニニン三兄弟

 ▼ 1 れりうど◆4vGQGSY..E 25/09/28 00:53:07 ID:Lh8.gb8. NGネーム登録 NGID登録 報告
閑静な夜だった。コロボーシも寝静まる真夜中、その静寂を怒声が切り裂いた。

ナマズン「曲者だー!!者どもッ出会え出会えー!!」

広大な沼地の中心部に鎮座する大きな屋敷。悪代官として名高いナマズンが主のそんな屋敷から、3つの影が勢いよく飛び出した。

???「あーっはっはっは!アンタの不正の記録が残った巻き物、たしかに頂いたニン!」

???「ミッション達成ツチ!これでしばらくは贅沢できるツチね兄者たち♪」

???「……」

ドジョッチ「ひいーっ。親分、とてもじゃねえが追いつけねえです!」

ウパー「アイツら、もう点みたいな小ささになってます!」

ナマズンの家来に一瞥もくれず、目にも止まらぬ速さで駆けていく3匹の慮外者。

そう、彼らこそが世の闇を暴き、影に生きながらも弱者を照らす無法の光_____ツチニン、テッカニン、ヌケニンの3匹で成る忍び兄弟……


『ニニニン三兄弟』!!

テッカニン「!? しまったァ手を滑らせたニン!」ボチャン

ツチニン「ああああ!?巻き物がああああッ」

ヌケニン「……」

……まだまだ半人前ではあるが。
 ▼ 2 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:18:46 ID:yJM.MLFY [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ここは多種多様なポケモンたちが暮らす城下町、『上都』。街並みもポケモンたちの面持ちも荒んだ様子はなく晴れやかなものだが、長閑やかとは程遠い毎日を住民たちは送っていた。

___________

ゴルバット「おい待てやいクソガキィ!てめえ耳揃えて借り返せ言うたやろが!」バサバサバサ

テッカニン「ヒィィィ、『どうせ返せないだろうと踏んで後1週間分の利子返済を予定してた』から残り1週間分も返せとか無茶苦茶だニン!!」キーーーン

ゴルバット「うるせい!もうボスにそう話を通しちまってんだよ!」バサバサバサバサ

住民A「……何してんだい、ありゃあ」

住民B「どうせ博打うちのテッカニンがドヤされてるだけだろ。珍しくない光景よ」

とても穏やかな光景ではないが、この手の喧騒も上都の住民からは日常風景として受け取られていた。
 ▼ 3 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:23:22 ID:yJM.MLFY [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
テッカニン「ただいまだニン!な、なんとか逃げ切れたニン……でもしばらくあの賭場では遊べないニンな」

町外れにあるやや見窄らしい土壁の家。ここがテッカニンたちの拠点である。

ツチニン「兄者おかえりだツチ。……なんで金を返済しに行っただけでそんな疲れ果てているんだツチ?」

テッカニン「き、気にすんなニン……」

ツチニン「テッカの兄者もそろそろ地に足着いた仕事をやるべきだツチ、博打うちじゃ金は貯まんないツチよ。
ヌケの兄者を見習うべきツチ」

テッカニン「へんッただ考えなしに博打打ってる訳じゃねえニン!てか兄者を引き合いに出されても参考にならないニン……」

ツチニン「今さっき遊びに〜とか言ってたのに……そろそろ昼飯時だからヌケの兄者を呼びに行ってくるツチ」

三兄弟は裏で営む影の仕事柄、家を無人にする訳にはいかないので、必ず誰か1人は家に残るのだ。

テッカニン「おう、その辺でぷりぷりしてるゴルバットを見かけても近寄るなニンよ」

ツチニン「?」
 ▼ 4 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:26:46 ID:yJM.MLFY [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
三兄弟の長兄であるヌケニンは、普段は日替わりで、街中の決まったポイントにおいて占いの事業を行っている。

ツチニン「ん〜確か今日は土竜八百屋の近くでやってる筈だけどツチ。……あ、居た居た」

ヌケニン「……」

お客さん「そ……それで私の恋愛運はどうなのでしょうか?」

ヌケニン「……」

お客さん「……ッ!!まだ思いを伝えるには時期尚早……ですか。ありがとうございます!
今はまだ、この気持ちは心の奥に仕舞っておくことにします。易者さんありがとう!」タッタッタッ

ヌケニン「……」

ツチニン「……え〜兄者そろそろ昼飯の時間だツチよ。ところでさっき何か言ってたツチか兄者は?」

ヌケニン「……」
 ▼ 5 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:30:55 ID:yJM.MLFY [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ツチニン「ただいま。ヌケの兄者迎えに行ってきたツチよ〜」

テッカニン「おかえりだニン……って、兄者またそんなに稼いだのかニン!?」

ヌケニン「……」

ツチニン「俺らから見るとヌケの兄者なんにもしてないように見えるのに不思議だツチね」

テッカニン「……だから参考にゃならないんだニンよこの人は。
っとと、それはそうと3人集まったのだから共有しておきたい話があるニン!」

ツチニン「それって飯より大事な話ツチか?」

テッカニン「あったり前よ、なんたって新しい¨仕事¨の話に繋がりかねないんだからニンな」

仕事とは当然、闇夜の中で蠢き暗躍する忍びの任務である。
なお、仕事の依頼主は彼ら三兄弟の事を知る有力者がクライアントであったり、彼らが自ら個々人に仕事を打診する事もある。

ツチニン「おおっ思ったより早くまた¨仕事¨が出来そうなんツチね。前回のナマズン屋敷の件からまだ4日しか経ってないのに」

テッカニン「これはさっきお前が馬鹿にしてた賭博稼業の一環で掴んだネタだニン。博打うちを舐めるんじゃないニンな」

ツチニン「開帳してる側じゃなくて遊び人の分際で稼業を騙るんじゃないツチ」

ヌケニン「……」
 ▼ 6 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:35:59 ID:R6ZMskA6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
テッカニン「賭場にいたある客から聞いた噂だけど何やらあの萬屋……丸助屋の看板娘のミニリュウちゃんが行方不明らしいニン」

丸助家は上都に数ある萬屋の中で一際市民からの人気を博している商店である。
その人気の秘訣は、愛想と気前の良い店主とその娘の存在であろう。

ツチニン「あのべっぴん看板娘のミニリュウちゃんが!?」

テッカニン「どうやらまだ公にはされていないようだけど、俺はこの一件を人攫いの仕業として睨んでいるニン。
んで俺らでミニリュウちゃんを見つけ連れ帰って店主から謝礼を頂く寸法だニン」

ツチニン「下衆いツチね兄者。まあ謝礼はひとまず置いておくとして、アテはあるのかツチ?手がかりとかその」

テッカニン「いやまあ、その……これからだニン」

ツチニン「使えないツチね」

その時、これまで沈黙を貫いていた男がついに口を開く。

ヌケニン「……娘は金貸し屋ペルシアンの屋敷にて囚われていることが予期される」

テッカニン・ツチニン「!? あ、兄者が3ヶ月ぶりに口を開いた!!?」

ヌケニン「……ここ数日に渡り、我の占術を求め集いし民草どもが溢した話として、
夜間に怪しげな人影を複数目撃し、其奴らがペルシアンの屋敷に入り込んでいった……と言うものがあった。
また、その者らは長大な棺桶のような箱を運搬していたとの事」 
 ▼ 7 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:40:56 ID:R6ZMskA6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
テッカニン「長大な箱……ミニリュウちゃんを隠し収めるには充分なシロモノって訳かニン」

ツチニン「テッカの兄者が無計画でやろうとした情報収集をもう……やはりヌケの兄者は有能すぎるツチ」

ヌケニン「……そして別の伝聞によれば、この上都に女衒として悪名高いスリーパーが来訪しているのが確認されたとの事。
我はこの一件をミニリュウの失踪と無関係では無い事象として捉えている」

テッカニン「はあ!? つまりミニリュウちゃんは売られたって事か!?」

ツチニン「いや、そう断言するのは早計じゃ__」

テッカニン「こいつぁ許しちゃおけねえ!今からあのデブ親父を問い詰めてやるニン!」

そう言い放つや否や、テッカニンはブブンと家を飛び出していった。

ツチニン「おおい!兄者よ待てだツチ!」

ヌケニン「……」
 ▼ 8 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:43:53 ID:R6ZMskA6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ツチニンとヌケニンの2人はすっ飛んでいったテッカニンの後を追っていた。

ツチニン「はあッはあッ……兄者のやつ冷静になれだツチ……仮にもし本当に売り飛ばされていたんだとしたら救出の任務なんて絶対に振られないってのにツチ」

ヌケニン「……」

ツチニン「てか、それをネタに強請ろうとしてたやつの激昂ぶりじゃねえだろツチ」

ヌケニン「……あの愚弟にも、奴なりの線引きというものがあるのだろう」

ツチニン「はあッはあッ……ヌケの兄者が饒舌になる時は決まって厄介事が起きる前触れなんだから黙っててほしいツチ」

ヌケニン「……我は濁世を平定する事が役目の神。我の言葉は神託、地の者に説いてこその啓示。これぞ神徳」

ツチニン「(神憑き状態のヌケの兄者は何言ってるか分かんねえツチ……)
もう丸助家に着くツチよ!」
 ▼ 9 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/08 01:49:17 ID:R6ZMskA6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
すでに現着していたテッカニンは店の裏戸を叩いていた。
オモテの店は営業されておらず、仕方なしに萬屋一家が普段住んでいるという裏の方に回っていたのだ。

テッカニン「やい出てこい店主!ミニリュウちゃんの一件を詳しく話しやがれい!」バンバンバンッ

ツチニン「莫迦兄者!もっと忍んでくれだツチ!」

テッカニン「……って、アラ?鍵は空いてるぞ。
ええい火急の用により失礼するニン!」ガチャッ

飛び込む次男に対して、残りの兄弟も流されるように踏み入る。
入った家の一室には暗い顔をして項垂れている店主の姿があった。

カイリュー「はあ……ミニリュウよ……」

テッカニン「やい店主、お前ミニリュウちゃんをスリーパーに売ったって話は本当か?」

カイリュー「……ああん?」

ブォンッ!!

テッカニン「ッ!! うげえッ!!?」

カイリューの太い尻尾による不意の一撃がテッカニンを打ち据えた。ドラゴンテールだ。
 ▼ 10 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/14 23:48:50 ID:JZCYX6y. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
カイリュー「てやんでい!手前いきなり現れて何だってんでい莫迦野郎!」

テッカニン「あ……がが」

ツチニン「あ〜……突然押し入った件は本当に申し訳ないツチ。
こっちの不躾な蝉の事は忘れてもらって、自分たちはお宅のミニリュウちゃんの噂の真相を確かめたくて尋ねに来たツチ。
どうか聞かせてくれないツチか?」

カイリュー「(おめえも蝉だろ……ってのは野暮か)
ああそうさ、うちのミニリュウがいなくなったのは本当だ。いや……正しく言うと連れていかれちまったんだ」

ツチニン「連れていかれた……と言うと?」

カイリュー「借金の肩代わりさ、俺が抱えてた借金が膨れ上がってどうしようもなくなった結果だ。
無論娘を渡すつもりなんかなかったが、夜中寝てる時にやられちまったみたいでよう……うおおおお!!俺は俺が情け無い」

ツチニン「……え〜一応聞いておくけど、その……借金の原因はツチ?」

カイリュー「いやまあ、その……博打でハメ外しすぎちまってな。ちょっとだけ借りただけのつもりだったんだがな」

ツチニン(アンタもかよッ!!!)

思わず横でまだ身悶えている兄に視線を向けるツチニンであった。
 ▼ 11 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/14 23:52:45 ID:JZCYX6y. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
嘆いている店主を放り、小声でひとまず兄と相談をする。

ツチニン「ええ〜……これどうするツチよ兄者?オレこのおっさんの自業自得にしか思えないんだけどツチ」

ヌケニン「……咎がこの者にあるのは事実、だが支払う代償の大きさが見合っていなく更に正道からあまりにも逸脱している。
下界を乱す濁世化の一因に違い無し。征伐を行う必要がある」

ツチニン(もっともらしい事言ってるけど、よくよく噛み砕いて聞くと怖い事言ってるんだよなあ)

ツチニン「まあ、ヌケの兄者がそう言うならもうオレは別に異論は無いけど、テッカの兄者はどうするツチか?」

テッカニン「……ッててて、そう言う事情なら分かったニン。おい店主の親父さん!ミニリュウちゃんは俺たちが連れ戻してくるニン!」

カイリュー「えっ何!?小僧本気で言ってるのか?」

テッカニン「正ァし!!成功した暁には何かしらの報酬は払ってもらう。無償での労働は業界の御法度だからなニン」

カイリュー「(業界……?)
お、おう……だがおめえらみてえなガキが出来るってのか?」

テッカニン「出来らあ!!だから黙ってミニリュウちゃんを迎える準備でもしておくんだニンよ」
 ▼ 12 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/15 00:00:41 ID:AR62wzBc [1/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
丸助屋を後にした3人は早速計画を練る事にした。決行は今夜だ、ただし___

テッカニン「ペルシアンの屋敷に関する情報があまりにも不足してるニン。ミニリュウちゃんの身の安全のため潜入は今夜以外ありえないニン、けどこのまま特攻しても無駄骨に終わるのは目に見えてるニン。
だからいつもの段取り通りに情報収集を開始する!」

三兄弟の行動は早かった。早速各々が行動に取り掛かる。

テッカニン「ふーむ、屋敷の規模感は大体掴めたニンな。丁の字の母屋とその上が離れに、物置きが二つ……か」

テッカニンは音を出さずに飛べる特性を活かして上空からの偵察の役目を担う。

ツチニン(え〜テッカの兄者から伝わった間取りの通りならこの上は……庭園!)ボコォ

ツチニン「よしよし、程よい位置に出られたツチな。……! 誰か通るツチ……軽く土を頭上に被せて潜るツチ」

屋敷の従者A「___あの萬屋の娘の件だけど今晩に来るんだっけ?」

屋敷の従者B「ああ、今回の商談相手のスリーパー様は今夜お見えになる話だったはずだ。ってかそれよりさ、さっき恋愛運について占ってもらってさ〜___」

ツチニン「ッ! スリーパーに萬屋の娘……これは、間違いないツチな」

その頃、ヌケニンは屋敷近辺で噂などの類いの聞き込みをしていた

通行人「あの屋敷について?うーん、あまりよく知らないとこだけど……ああそうそう!お隣のカモネギさんがね昨日の夜あそこのホラあれ、
屋敷の外壁の、大きな松の木が見えるとこら辺を歩いてたらしいのね夜に。
そしたら聞こえたらしいのよ……啜り泣く女の子の幽霊の声を!! 『お父さん……お父さん』って泣いてるらしいのよ!おお怖い怖い!!あと今思い出したけど私もこの間にね、怖そうな人があそこに入っていくのを見たのよ!
きっと永く続かないわよあの屋敷。そうそう! お隣さんと言えばねェ! ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ___」

ヌケニン「……」
 ▼ 13 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/15 00:03:21 ID:AR62wzBc [2/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
事前調査が終わる頃には、すでに上都は夕焼けに包まれていた。

テッカニン「……え〜情報収集ご苦労だったニン。これまでの情報を統合して考えてみると、やはりあの屋敷にミニリュウちゃんが囚われていると見て間違いないニン。
続いて屋敷への潜入についての段取り会議ぃ……」

ツチニン「……してる時間あるツチ?もうスリーパーが来るツチよ」

テッカニン「無いニンな、うん。はあ〜……この稼業初めの頃以来の無鉄砲潜入になるのかニン」

ヌケニン「……いくら嘆いても刻は巻き戻らない、天運の導くがままに進むのみ」

テッカニン「わ〜ってるニン、もう準備だけ済ませておくニン」

ツチニン「まあ被り物を身に付けるぐらいだけどねツチ」

___あまりに無責任な任務が今始まる! 
 ▼ 14 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/15 00:07:57 ID:AR62wzBc [3/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
戌刻。ペルシアン邸にて。
屋敷の主であるペルシアンが主賓をもてなす為の、芸妓に御馳走果てには上等酒もありの宴会を開いていた。

ペルシアン「いやはや、遠路はるばるよくお越しになられましたなスリーパー殿」

スリーパー「ウィ〜ヒック。な〜ははは、旨い商売の話となればいつでもすぐに駆けつけまさぁなペルシアンの旦那。
しかしまた、旦那はよくもまあこんなに次から次へと若い娘っ子を用意できますなあ」

ペルシアン「なあに、知り合いにちょっとばかし人心掌握の術に長けた者がおりましてな。ソイツに賭場の客を軽い混乱状態に陥らせて散財させる訳でして。
んで気付いたら……あら不思議、あっという間に御破算って寸法ですよ」

スリーパー「ぬふふふふ、お主も悪よのう。ヒック」

ペルシアン「いえいえ、お代官様ほどではありませんよ」

2人「あ〜ははははははは」

芸妓さん「🎵〜〜♪(帰りてぇ〜……)」  
 ▼ 15 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/15 00:11:30 ID:AR62wzBc [4/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
一方その頃、屋敷内の灯りにほんのりと照らされた庭園にて___

ボコッモリモリモリ……

ツチニン「う〜ん……?よしよし今回も雑に侵入できたツチな。ほら、兄者たちも上がってくるツチ」

ヌケニン「……」

テッカニン「ん〜ヨイショっと。……なんで俺まで地面から這い出なきゃならないんだニン……」

ツチニン「今回はあまりにも準備不足が過ぎるから万事に備えて全員で潜入するツチよ。上空からのサポートが役立つのはいつだって練りに練った計画の最後の後押しって時なんだからツチ」

テッカニン「言ってもまあ所詮ただの金貸し屋の家なんだろニン?ど偉い人の屋敷ならいざ知らず、ここ程度なら大事にはならないんじゃないかニン?」

ツチニン「否、金持ちってのはたらふくの富と同時に抱えきれないほどの恨みを買っているもんだツチ。この手の輩は絶対に用心棒を雇っているツチよ」

ヌケニン「……愚弟の言う通り、この屋敷から強大な闘気が漂っている」

テッカニン「……へ?」

ヌケニン「……加えて言うならこの闘気からは筆舌に尽くし難いほどの冷徹な意思が感じ取れる。我ならいざ知らずとも、お前たちが遭遇しようものなら___」

テッカニン「あーっ!分かった分かった!皆まで言わなくていいニン!とりあえず固まって動けばいいんだ___!?」

と、その時だ。上空から三兄弟の眼前に突如として何者かが飛来した。 
 ▼ 16 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/15 00:16:28 ID:AR62wzBc [5/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
シュタッ!

テッカニン・ツチニン「ッ!!!?」

寝耳に水な謎の影の出現に息を飲む二兄弟。だが……?

???「ほうほう? 誰かと思えば貴殿らでござったか」

テッカニン「あっお前は!」

ヌケニン「……相も変わらずの当てこすり屋め。分かって言ってるのだろう、『暗影のゲッコウガ』よ」

ゲッコウガ「当てこすり屋などとは滅相もござらん」

ニニニン三兄弟と同じく闇の世界での忍び事業を営む曲者、通称を『暗影のゲッコウガ』。
ここ近年めざましいほどの躍進を見せている気鋭のルーキーだ。

ゲッコウガ「フッフッフ……ヌケニン殿もすでに手前が大屋根の上に潜んでいた事に気付いていたのでしょう?流石、『神代のヌケニン』と呼ばれるだけはある」

褒め称える口調とは別にテッカニンとツチニンを見据えるその目は嘲笑を含んだようなものだった。

テッカニン「てめえ何のつもりだニン!こんな所で面見せやがって!」

ゲッコウガ「それはこちらが聞きたいものでござるが。いやはや、手前が大屋根に潜伏して様子を伺っていたら突如庭園の土壌から妙ちくりんな顔が見えたものでね。フフフ」

ツチニン「誰が妙ちくりんだってツチ!?」
 ▼ 17 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/15 00:19:49 ID:AR62wzBc [6/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゲッコウガ「フフ……まだ幼語(おさなご)の抜け切っていないような兄弟を連れて任に当たるなど、さぞ苦労を極めることでしょう?ヌケニン殿」

ヌケニン「……我は我の指し示す正しき道に則って神事を成しているだけだ。同情を買われる謂れは無し」

テッカニン「だ〜から!お前は何をしにこの屋敷に来たんだ!」

ゲッコウガ「手前は手前の任務を成しに来ただけでござる。貴殿らが商売敵と言うなら……どうするでござろうな?」

ヌケニン「……我らはこの屋敷に囚われている娘を救いに参っただけだ」

ツチニン「ちょっ兄者!もし目的が合致してたら一触即発だツチよ!?」

ゲッコウガ「……………うーむ、やはり貴方は食えない方だ。そうでござるよ、手前は違う任務で来て候。まあこれに関しては教える訳にはいかぬでござるが」

テッカニン・ヌケニン(ええっ!?なんで目的は違うって分かったんだ兄者は!?) 
 ▼ 18 れりうど◆4vGQGSY..E 25/10/15 00:22:37 ID:AR62wzBc [7/7] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゲッコウガ「はいはい、腹の読み合いに関しては兜を脱ぐでござるよ。
……それでは、貴殿らの検討を祈っておりますよッ」

心にもない労いの言葉を言い終えるや否や、ゲッコウガは足元に何かを投げつけると同時に跳躍し姿を眩ませた。

パァン!! 甲高い弾ける音が響く。

ツチニン「うわッ! これは『ビビりだま』!?」

テッカニン「ッ!? しまった!!」

警備A「なんだなんだ、なんの音だ!?」

ゾロゾロと屋敷の奥から警備のポケモンたちが湧いて出てきた。

警備B「曲者だー!皆の物総出で退治せい!」

テッカニン「あんやろー!だからアイツは嫌いなんだニン!
ツチニンっ!」

ツチニン「忍法・土遁の術!」ズザザザザッ

警備たち「うわああああ!!!?目がああ!!」

ツチニンの土遁の術もとい『すなかけ』が警備たちの目を潰す。本来なら撤退の際に使用する技だが……

テッカニン「ええい、もう突貫してくしかないニン!ツチニンはまだ足止めしててくれだニン」

ツチニン「任されたツチ」 
 ▼ 19 ィ@あらしのせきばん 25/11/17 00:13:48 ID:3kwgt.C2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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