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「あれだよ、珍しくポケモンリーグから呼び出しの着信があってな、出る前にふとカレンダーを見たんだよ。その時一瞬もしかしてとはよぎったがまさかな、と思いながら事務所に行ったんだよ」
彼の名はウルップ。エイセツシティのジムリーダーを長く務めてきた人物である。
「来年からの契約はありません、なにか質問ありますか、とだけだよ。我ながらあわれだよ」
ジムリーダー達の目的はただ勝つことではない。ポケモンリーグに挑むトレーナー達の関門として立ちふさがる言わば試験官である。
だがそれだけの責任のある役どころでもあり、毎年戦績や評判、また本来の実力でおこなうジム外戦などで厳しく彼らの技量を審査し、毎年幾人かのジムリーダーやジムトレーナーには非情なる戦力外通告をおこなうことでリーグのレベル維持・向上がはかられる。
「でもあれだよ、これもチャンスだよ。もしかしたら他所に四天王待遇で拾われるかもしれないんだよ笑」
少しだけぎこちなく、わざとらしく笑うウルップだが、その言葉は事実可能性としてはある。裏を返せば戦力外通告を受けたジムリーダーやジムトレーナー達は他の地方のポケモンリーグとの契約が可能になる。
不要と判断された者であったとして、本来は高い実力を持つ者達。オファーが来ることは比較的珍しくはない。
「おれも黙ってオファーを待つって手もあるんだけどよ、性分に合わないんだよ。それに何よりポケモン勝負は楽しいんだよな」
彼が指す場は合同トライアウト。戦力外通告を受けたトレーナー達のアピールの場として用意された最後の機会。各地方からポケモンリーグ所属トレーナーとして、または他の活躍の場を求めて競い合う生き残りを賭けた挑戦の会場だ。