シロー「大変です！ムクがまた行方不明になりました！」　マチエール「……」

シロー「家にも帰らないしジャスティスの会にも顔を出しません。心配です。一体何があったのか……」

マチエール「それは……うん、仕方ないんじゃないかなぁ」

シロー「え？」

マチエール「はぁ……。シローさん、こんなこと書かれてるの、知らないの？」ﾍﾟﾗｯ

シロー「週刊ミアレ……情報週刊誌ですか」


週刊ミアレ『ホテル前で激写！ジャスティスの会代表が未成年の弟子と夜の組手！？女性会員ばかりのジャスティス会の実態とは』


シロー「これは……？」

マチエール「先日発売された週刊誌の記事です。ホテルの前に道着姿の2人組が写った写真も載ってる。顔はモザイク処理で見えないけど、この人物は明らかにシローさんだよね？」

シロー「うーむ、確かに服装と体格が自分にそっくりです」

マチエール「信じたくはないけど、これ本当？」

シロー「ホテル……未成年……夜の組手……ああ、そういえば身に覚えがあります」

マチエール「」

グリーズ「ったく、20個も注文するなら予約しとけよな〜」

グリ「いや、目的はコーヒーじゃない」

グリーズ「は？」

グリ「あの人達、わざと大量注文したんですよ。シローさんにサビ組まで持って来させるためにね」

グリーズ「そうか、シローがここに居るのを見てわざわざ来たわけだな」

シロー「そうでしょうか。用があるならわざわざサビ組まで行かなくても、ここで話せばいいのに」

グリ「ここでは話せないことなんでしょう」

シロー「何か重大な用件でもあるのでしょうか。自分にはサビ組に呼ばれる心当たりはありません」

グリーズ「もしかして、サビ組とゴシップ記者が繋がっているとか？そうじゃなくても、サビ組もあんたの弱味を握っていて揺すろうとしているかもしれないね」

シロー「揺すると言うと、例えば？」

グリ「よく噂で聞くのは、タダ働きでサビ組の手伝いをさせられるというものですね」

グリーズ「それで済むなら良いけど、最悪、シンオウ地方の更に更に北でキングラー漁船に乗せられるかもしれないぜ」

シロー「良かった！自分カニは好物です！」

グリーズ「あんたは食わせてもらえないだろ」

シロー「残念です」ｼｭﾝ

グリーズ「他には、夜のお店で働かされるとか？」

シロー「夜のお店と言えばホストですか。自分、身体のためにアルコールは控えているのですが、お酒が飲めなくてもナンバー1になれるでしょうか？」

グリーズ「あんたにゃ無理だよ」

グリ「いずれにせよ何か裏がありそうです。シローさん、サビ組に行かないという選択肢もありますよ。その時はおれが責任を持って運びます」

グリーズ「それがいいかもね。……あ！」

グリ「どうしました？」

グリーズ「そういえばあんたの妹……」

シロー「ムクがどうかしましたか？」

グリーズ「いや、ふと思ったんだけどさ、サビ組があんたの妹に目を付けたりしないかなって」

シロー「え……？」

グリーズ「あんたがサビ組の要求に応じないと、次はサビ組が妹さんをターゲットにするかもしれないってこと」

シロー「ムクが……！？」

グリーズ「あんたの妹可愛いからどこで働かされるか……」

グリ「グリーズ！縁起でもないことを言うのはやめなさい」

グリーズ「あっ、ごめん変なこと言って」

シロー「大人しくて引っ込み思案なムクが……指名ナンバー1になってしまう……！？」

グリーズ「そ、それは知らないけどさ。脅かすようなこと言って悪かったよ。ただの私の妄想だから忘れて」

シロー「いえ。やはり自分がサビ組に行きます」ｽｸｯ

シロー「コーヒー、美味しかったです」

グリ「シローさん……」

シロー「待っていなさいサビ組！ムクは自分が守ります！！」ﾀﾞｯ

グリーズ「シロー！！」

グリーズ「コーヒーまだ出来てないぞ！」

ムクちゃんは可愛いからねぇ
そんな妄想しちゃうのもしょうがないねぇ

突っ走り脳筋マンすこ

支援

〜サビ組事務所〜

ジプソ「カラスバ様。なぜあの男を呼んだのですか？」

カラスバ「オレ、ミアレの街が好きやん？ミアレの治安を乱す奴が許せへんのよ。だから汚れは掃除せんと、なあ……？」

ジプソ「さようでございますか」

カラスバ「にしても遅いなぁ！オレ待たされんの嫌いやねん」

ジプソ「20杯とは言え、さすがに時間掛かりすぎでは……？」

カラスバ「ちょっと表に様子見に行くか」


カラスバ「おう、ジャスティスの会のあいつまだ来へんの？」

したっぱ「ボス！まだ来ませんね。もうしばらく中でお待ちください」

カラスバ「しゃあないな。ん……？」

ヒューーーーン……

シロー「ジャスティィィィィィス！！！！」

ドォォン！！！！！！！

ジプソ「うわぁ！？」

したっぱ「ボスゥ！空から大男が！」

シロー「上空から失礼します！遅くなってすみません。忘れたコーヒーを取りに戻り、隣のビルを登って入って来たので遅くなりました」

カラスバ「何でや他所のビルから飛び降りる必要ないやろ！正面から入って来んかい！」

シロー「こちらの都合で申し訳ありませんが、どこで誰に見られているか分かりませんから。念のために、です」

カラスバ「ほう……。ま、ええわ。じゃ、悪いけどコーヒー中まで運んでくれる？」

シエーン

シロー「失礼します。こちらご注文のコーヒー20個です」

カラスバ「おおきに……ってポリ袋ン中にめっちゃこぼれとるやん！」

シロー「すみません！落下の衝撃でフタが外れてしまったようですね……」

カラスバ「もうええわ。後で美味しくいただくからそこ置いといて」

シロー「承知しました」ｶﾞｻｯ

カラスバ「そう言えばジャスティスの兄ちゃん聞いたで？派手に遊び散らかしてるらしいやないの。さすがのサビ組もあそこまでヤンチャ出来ひんわぁ」

シロー「カラスバさん」

カラスバ「ん？」

シロー「お願いです！！どうか！！ムクにだけは！！手を出さないでください！！」

カラスバ「は？」

シロー「自分はどんな辛いことにも耐えて見せます。しかし！妹に手を出すと言うのなら！！！」

カラスバ「突然興奮してどないしたん！？ジプソ！止めろ！」

ジプソ「シローさんどうしたんすか！落ち着いてください！」ｶﾞｼｯ

シロー「くっ！ジプソさんなかなかやりますね！だがッ！」ﾊﾞｼｯ

ジプソ「ぐあっ！」

シロー「自分はジャスティスに従いサビ組と戦います！！」

カラスバ「……は？」

シロー「戦　い　ま　す　！！！！」

カラスバ「2回言わんでええから。だから何の話？」

シロー「あれ？週刊ミアレのように自分を脅してムクにいかがわしいお店で働かせようとする件ではないのですか？」

カラスバ「あかん、頭痛なってきた……。とりあえずそこのソファに座って一旦落ち着け」

支援

面白い！
支援

支援

シローいいキャラしてんな
支援

しえん

カラスバ「シロー、お前が何言うとるか分からんけど、とにかくさっき茶化したんは冗談や。お前が週刊ミアレにハメられたんは分かっとる。あいつらはオレらにとっても目障りな連中やから」

シロー「サビ組もターゲットに？」

カラスバ「まぁオレはすっぱ抜かれるなんてヘマせぇへんけどな。サビ組っちゅうか、サビ組関係者のスクープを狙っとるみたいや。だからお前が用心して屋上から飛んで来たんは正解かもしれん」

シロー「力こそパワー！力こそジャスティス！」

カラスバ「そんでや。利害関係が一致しとるオレとお前であいつら掃除せぇへん？」

シロー「掃除……。週刊ミアレを潰すということですか？」

カラスバ「せや。表現の自由やら警察の民事不介入やらあって、お前が訴えて勝つんは難しいと思う。オレらであいつらギャフンと言わしたろやないか！」

シロー「この状況は打開すべきです。しかし、復讐で無闇に相手を潰すというのは賛同しかねます」

カラスバ「あ？」

シロー「週刊ミアレは人を貶める内容ではなく、これからはミアレの人々全員が楽しめる雑誌に生まれ変わるべきです！週刊ミアレの方々に我々のジャスティスを誇示して改心してもらいましょう！」

カラスバ「そんな甘っちょろいこと本気で言うて……まぁ、最低限あいつら黙らせたらそれでええか」

カラスバ「分かった、手荒な真似はせぇへん。それなら協力してくれるな？」

シロー「ありがとうございます。自分は道場を、ジャスティスの会を守らなければなりません。そしてミアレをより良くしていきます！」

カラスバ「決まりやな。今後どうするかオレの方で考えるさかい、この件はまた後で連絡するわ」

シロー「はい！彼らのジャスティスを目覚めさせることが出来れば、事態は良い方向へ向かうはずです！共に頑張りましょう！」

ジプソ「ところでシローさん、差し出がましいようで恐縮ですが、生活で何かお困りのことはないでしょうか？」

シロー「ああ、最近いろいろありまして、恥ずかしながら財布には小銭しか入っていないんです」

カラスバ「あいつらのせいで可哀想になぁ」

ジプソ「大変なご苦労をなさっているのですね。それではどうでしょう？コーヒーのお礼と言っては何ですが、こちらで融資させていただくことも可能ですが？」

シロー「融資ですか……借りても本当に大丈夫でしょうか？サビ組で10万円借りると数日で利子が10倍にも膨れ上がるという話を先日耳にしまして」

カラスバ「へぇー、何やそれタチの悪い噂やなぁ〜。お前のと同じやね、怖い怖い」

カラスバ「よう考えたら、そもそもお前には無利子でも返せる見込みは無さそうやしな！せやな！すまんけどお金貸すって話はやっぱ無しで！」

シロー「そうですね、そもそも勝手なことをするとムクに叱られますから。大丈夫、何とかなります」

カラスバ「でも何かお礼はせんとな……せや、サビ組の仕事を手伝ってくれへん？もちろん、ボランティアやなくて有償で」

ジプソ「カラスバ様！？」

シロー「……遂にこの時が、覚悟を決める時が来ましたね……。自分はこの道着を脱ぎ捨てて夜の街へ……」

カラスバ「さっきからそのキショい妄想は何やねん！？」

カラスバ「まず、とある場所でメガ結晶の掃除をしてもらいたいんや。ちょっと危なっかしい所なんやけど、人目に付かないから今のお前にはピッタリやろ？」

シロー「そうでしたか！そういう作業は自分の領分です！やらせてください！」

カラスバ「ほな、早速現場に行ってもらおか」

カラスバ「おいお前ら、シローを案内してやって。なるべく目立たん裏道通ってな」

したっぱ「はっ」

手口バレてるからやっぱりなしにするカラスバ草

キングラー漁船はグラスフィールド

ジプソ「カラスバ様、どういう風の吹き回しですか？あの男に報酬をお約束されるなど……」

カラスバ「おもろいなぁ。何でやろなぁ。週刊ミアレを潰すのにシローを利用したいだけで、別にあいつに仕事を紹介する義理なんてないんやけど」

カラスバ「何でやろなぁ〜〜」

ジプソ「……」

カラスバ「……」

ジプソ「……それはボスがお優しいからかと」

カラスバ「フフ、こんな仕事してて優しいはないやろ！でも困ってる奴を見捨てるなんて人として恥ずかしいやん！」

ジプソ（ボスめっちゃ照れてる）

カラスバ「あいつ脳みそジャスティス過ぎてダルいけど、真っ直ぐでちょっとおもろい所あるやん。キョウヤには及ばんけどな」

カラスバ「それに、妹や弟子のために身体張ってる所、ちょっとだけ応援したくなったんや。オレには家族がおらんけど、オレだって慕ってくれるサビ組の若い衆に情みたいな物は感じるからな」

ジプソ「ええ、そうですね」

カラスバ「まぁ、正直安い報酬で危なっかしい仕事させたいだけなんやけどな！利子のこと知ってはったから道場担保に借金させるのも無理やったし！」

ジプソ「ははは」

カラスバ「時にジプソ」

ジプソ「何でしょう」

カラスバ「オレ達ガキの頃はいつも腹空かせてたよなぁ」

ジプソ「そうでしたね。フラダリさんの援助はありましたが、腹一杯になれることなんてほとんどありませんでしたから」

カラスバ「やからオレ、食べ物粗末にすんの嫌いやねん」

ジプソ「同感です」

カラスバ「そこにある袋ン中こぼれた大量のコーヒー。こんなん若い連中に飲ませるわけにいかん。でもマスターの兄ちゃんが丹精込めて淹れてくれた物を捨てるのは忍びないやん？」

ジプソ「はい」

カラスバ「ジプソ、ストロー持ってこい」

ジプソ「どうぞ」

カラスバ「ジプソ、冷めんうちに美味しくいただくでェ！」

ジプソ「カラスバ様、お付き合いします！」

ジプソ「エアームド頼みますよ、私を男にしてください」

ボールの中のエアームド「！！？」

カラスバ「これがサビ組の魂！サビ組のジャスティス限界突破や！！！！！うおおおおおおおおお！！！！」ﾁｭｳｳｳｳｳｳｳｽﾞｿﾞｿﾞｿﾞｿﾞｿﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞﾊﾞ

草

カラスバはそんなことしな……
いやでも人間梯子やったしなぁ……

カラスバさんはそんなことしない！
ストローでホットコーヒー吸ったら熱いだろ

後でめちゃくちゃトイレ行きそう

草

〜ミアレシティ某所〜

したっぱ「今回仕事をしてもらうのはこちらっす」

シロー「この建物は？」

したっぱ「新しいビジネスを始めるためサビ組が買い取った倉庫っすわ。最近トレーディングカードとかプラモデルが良い商材になるらしいっすからねー」

「で仕事なんすけど、中にメガ結晶が出来てるんでそれを破壊して貰いたいです。あと野生ポケモンが棲みついてるんで、注意しながら作業してください」

シロー「承知しました！」

したっぱ「じゃ、シャッター開けますよ」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

したっぱ「はい早く中に入って！」背中ﾄﾞﾝｯ

シロー「え？はい」

したっぱ「ひっ！」ｶﾞﾗｶﾞﾗﾋﾟｼｬｯ

シロー「彼は何を慌てているんでしょう？」

シロー「ええっと倉庫の中は……薄暗いですね……おお、メガ結晶がびっしり」

シロー「フンっ！」ﾊﾞｷｯｺﾞﾘｯ

シロー「最近トレーニングの時間が減ってしまいましたから、これはちょうど良い運動になりそうですね〜」ﾍﾞｷｯﾊﾞｷｯ

？？？「グルルル……」

シロー「ん？」

オヤブンカエンジシ♂×1
カエンジシ♂×2
カエンジシ♀×15

シロー「」

〜サビ組事務所〜

カラスバ「はぁっ！はぁっ！あー……急性カフェイン中毒でしぬかと思たわ」

ジプソ「はぁ、はぁ、ご無事ですかカラスバ様」

カラスバ「ちょっと落ち着いてきた……。あかん心臓まだバクバク言うとる」

したっぱ「カラスバ様、シローさんがお戻りです」

カラスバ「通して」

シロー「作業完了しました。……みなさん目が血走っていますがどうかしましたか？」

カラスバ「ああ、お前が持ってきてくれたコーヒーのおかげで冴えてギンギンや。おおきに」ｷﾞﾛｯ

カラスバ「それにしてもよう生きてはったね。良かったわ」

シロー「酷いじゃないですか。カエンジシの群れが複数いて驚きましたよ。手持ちのポケモン達とジャスティスパンチで何とか撃退できましたが、ジャスティスの会で鍛えていないと危ないところでした」

カラスバ「まぁまぁ、ワイルドゾーン撤廃を謳うならそれくらいは出来へんと」

シロー「仰る通りです。まだまだ修行が足りません。ジャスティスの会で更に鍛錬を積まなければ」

カラスバ「堪忍してや。危険手当ってことで報酬はちょっと増やしたるさかい。じゃ、次の案件は……」

シロー「あ、そういえば倉庫燃えましたよ」

カラスバ「は？」

シロー「カエンジシのだいちのちからで床はズタズタ、メガタイレーツ達の格闘技で壁はボロボロ、トドメにかえんほうしゃで全焼しました」

ジプソ「」

カラスバ「……報酬は、モモンのみ3個やな」

〜夕方、ヌーヴォカフェ〜

グリーズ「あ、シロー！無事だったのか？」

シロー「はい、おかげさまで！」

グリ「遅かったですね。サビ組はどうでしたか？」

シロー「今はまだ言えませんが、彼らは自分の味方になってくれそうです」

グリーズ「良かったな」

シロー「でもサビ組から仕事を貰ったんですが、そっちは早速クビになりました」

グリーズ「またかよ」

シロー「困りました。ヌーヴォカフェで求人募集していませんか？」

グリーズ「1日で2箇所もクビになる奴を誰が雇うんだよ。大体あんた飲食店で働いた経験はあるのかい？」

シロー「残念ながら未経験です。しかし、自分ならコーヒー豆をミルより短時間で細かく粉砕することが出来ます！」

グリ「間に合ってます」

グリーズ「やっぱりあんたにはジャスティスの会しかないよ」

シロー「そうですね……」

タウニー「あ、シローさん」

シロー「タウニーさん」

タウニー「最近ジャスティスの会って活動してないんですか？前はこの辺りでしょっちゅう街宣してたのに」

シロー「いろいろあってジャスティスの会は活動休止しているんですよ」

タウニー「ふーん？あたし社長になる勉強で最近忙しくて全然知らなかった」

グリーズ「シロー、クエーサー社で雇ってもらえばどうだ？」

タウニー「シローさん仕事探してるの？営業部なら席空いてますけど？」

シロー「いいえ、ワイルドゾーンを増やすクエーサー社とジャスティスの会は相容れないですから」

タウニー「あはは、冗談だし」

タウニー「……そうだシローさん、ホテルZでMZ団のみんなと一緒にご飯食べませんか？あたしも久しぶりにみんなと会いたくなったし」

シロー「でも自分は」

タウニー「いいからいいから！あたしがとびきりのごちそう作るし！」

シロー「自分、ホテルの近くに行くのを避けているんです。特に女性とは……」

タウニー「あはは何言ってんの？じゃあ先行っててくださいよ。あたし遅れて入るんでそれでいいでしょ」

〜ホテルZ〜

シロー「タウニーさんに誘われるまま来てしまいましたが、本当に良かったのでしょうか？」

シロー「敷居が高いし記者の目も気になりますが、とりあえず入ってみましょうか」ｶﾞﾁｬ

デウロ「はーーい」

デウロ「ムクさん、お客さんだよー」

シロー「え？ムク……？」

ムク「いらっしゃ……」

ムク「うわ最悪」

シロー「ムク……？」

デウロ「あれ、えっ！？シローさん！」

シロー「ムクが……ホテルで働いている……？」

シロー「……遅かった。ムクを救えなかった……」ｶﾞｸｯ

ムク「は？」

タウニー「みんな！たっだいまー！……え？何何？」

シロー「すまないムク！兄が不甲斐ないばかりに……！」

ピュール「何ですか騒がしいですね」

キョウヤ「あ、シローさん来たんだ」

デウロ「シローさん、項垂れてどうしたんですか！？」

ムク「意味不明。誰か兄をつまみ出せ」

支援

>>11
ってか他のZA新規キャラが魑魅魍魎すぎる

作者〜?
寝たのか〜？
起きて〜

>>49
あんまり急かさないほうがいいよ
気長に待とう

パンジーさんがZAに登場しない理由はミアレ出版がジャスティスされたからだった…？

シロー「先ほどは取り乱して失礼しました。ムクが夜のお店からホテルに派遣されて働いていると勘違いしてしまいまして」

デウロ「もうシローさん！ホテルZはそういうホテルじゃありません！」

ムク「気持ち悪」

ピュール「数日前にこの人が家出をしてホテルZに来ました。泊める代わりにホテルの仕事を手伝ってもらってるんですよ」

シロー「そうでしたか。ムク、本当に心配しましたよ。無事で良かったです」

ムク「シローのせいで外出できなくて大迷惑。記者があたしにも粘着したら困る」

タウニー「はいはーい！ホテルZ名物クロワッサンカレーでーす」

デウロ「わぁ〜美味しそうだねぇ」

ピュール「げ、出ましたね」

シロー「何ですかこれは」

ムク「謎」

タウニー「質問される意味が分からない。今クロワッサンカレーって言ったし。さ、食べて」

キョウヤ「ムクちゃん思い切って食べてみなよ。意外と美味しいよ」

シロー「いただきます」ﾊﾟｸ

ムク「……」ﾊﾟｸ

ムク「……悪くない」

タウニー「でしょー？さ、ピュールも食べてよ。なんかよく知らないけど、ムクさんとシローさんが再会したお祝いも兼ねてるんだし」

ピュール「はいはい、出された物はちゃんと食べますよ……」

シロー「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ…

キョウヤ「あれ、シローさん？固まってどうしたんですか？」

シロー「……」

シロー「……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ…

デウロ「シローさんが泣いてるよ！？」

タウニー「えっ！？泣くほど美味しかったの！？嬉しい！」

キョウヤ「よっぽどお腹が空いていたのかな」

ピュール「みなさん鈍いですね。野暮な話ですが、妹さんに会えたことで安心して緊張の糸が切れたんですよ」

ムク「……そんなんで泣くな」

シロー「いや……筋肉のために普段から脂質と糖質の摂取は控えめにしていて。数ヶ月ぶりのクロワッサンとガラル式カレー美味しすぎます……！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ムク「帰れ」

涙の理由ワロタ

タウニー「ところで、どうしてムクさんは家出をしたの？いつの間にかジャスティスの会も活動休止してるって話だし」

シロー「これにはいろいろありまして……」


タウニー「ひどい！シローさん何も悪いことしてないのに、悪意のあるゴシップで人を煽って失墜させるなんて。許せないよ！」

シロー「タウニーさんも大変ですよね、週刊ミアレには『クエーサー社次期社長、サビ組から借金滞納の過去！？利息が膨れ支払い不能に』など根も葉もない噂が書かれているとか」

タウニー「そ、そうなんだ。あははは……」

キョウ・ピュ・デウ「……」

ムク「シローが悪い。紛らわしいことするな」

シロー「兄のせいでムクやジャスティスの会のみんなに迷惑を掛けてしまった。申し訳ない」

デウロ「ふふ、でもムクさん、シローさんのことずっと信じていたんだよ？」

ムク「おい」

シロー「そうだったんですか……ありがとうムク」

ムク「当然。ばかシローが女の子にモテる訳ない」

キョウヤ「それにしてもこの状況、どうにかしないとね」

タウニー「もちろん！誰かが困っているのに放っておくなんて出来ないし！」

ピュール「久しぶりにMZ団出動ですかね」

デウロ「じゃあいつものあれ、やろうか！」

デウロ「では、これからジャスティスの会を救うための作戦会議を行います」

デウロ「まずは、シローさんとムクさんがどうしたいかだね。シローさん、どうですか？」

シロー「実はサビ組のカラスバさんに協力していただくよう話はつけてあります。具体的な策はまだ検討してないが、自分は週刊ミアレを説得するつもりです」

キョウヤ「オレ、カラスバさんと連絡取れますよ！この作戦会議に呼びましょうか？」

シロー「おお、是非そうしていただきたい」

デウロ「ムクさんはどう？」

ムク「週刊ミアレに土下座させる……」

ピピピ……

ムク「待って。探偵さんから」

シロー「マチエールさん？ムクと繋がっていたのですか？」

ムク「シローがもたもたしてる間、マチエールさんは即あたしを見つけた」

ムク「マチエールさんが自主的に協力してくれてる」ﾋﾟｯ

マチエール『ムクさん、相手の情報を掴んだよ！これから話出来る？』

マチエール『ってシローさん？無事にムクさんと会えたんだね。良かった！』

シロー「マチエールさん、その節はお世話になりました」

ムク「今ホテルZで作戦会議中。マチエールさんも参加して」

マチエール『OKだよ』

キョウヤ「オレもグループトークにカラスバさんを呼びますね」ﾋﾟｯ

カラスバ『あぁ？キョウヤぁ？オレ、コーヒーの飲み過ぎとショッキングなことあってめっちゃ体ダルいねんけど。つまらん用事やったら承知せえへん……』

カラスバ『あ？えらい大所帯やな。シローもおるし』

シロー「カラスバさん！例の作戦についてMZ団とマチエールさんにもご助力得られそうです。今から会議にご参加いただけますか？」

カラスバ『なんや、おもろなってきたやないの』

マチエール『まず、あたしは今日の午前中にムクさんを見つけた後、シローさんを尾行していました』

シロー「なんと！全く気が付きませんでした！」

マチエール『ちなみに今言うことじゃないけど、シローさん突然走り出したりビルに登ったりするから大変だったよ』

マチエール『話を戻して、そこでシローさんを尾行するもう一人の存在を確認したの。そう、週刊ミアレにネタを売る記者です。こちらがその人物の写真です』

マチエール『あ、ちなみにこの人今の時間は出版社の編集者会議に参加中だから安心してね』

カラスバ『エグいことする割に冴えない顔やなー』

マチエール『この人物と接触してどうにかジャスティスの会の記事について訂正と謝罪をさせたいのだけど……』

カラスバ『シローを囮にして現行犯で取り押さえるのがええと思う』

カラスバ『ほんまはサビ組の本気を出せば会社ごと潰すんは可能なんやけど、シローがそれは嫌なんやって』

シロー「はい。出来れば週刊ミアレの方々を改心させたい」

タウニー「なかなか面白い理想だね。実現不可能だけど」

ピュール「そうですね、他人を変えるのはとても難しいことですよ」

マチエール『……いや、案外出来るかもしれないよ？それはまた後で話すとして、まずは記者をおびき寄せる方法だね』

カラスバ『スキャンダルの内容が1回目、2回目と同じやと読者は飽きてまうんや』

デウロ「今までの内容よりインパクトが大事ってことですね」

タウニー「他に有名人を呼ぶのはどう？」

キョウヤ「記者に逃げられたら終わりだから、現場は密室だといいと思う」

ユカリ『でしたら、私のホテルシュールリッツをお使になられるといいですわ』

デウロ「名案ですね！」

シロー「ジャスティスです！」

カラスバ『それは助かるわ。ほな、手配よろしゅう……ってユカリなんでおんねん！！！』

ユカリ『何やら面白そうな気配を感じたものですから』

ユカリ『もう一度ユカリトーナメントを開催しましょう。ZAロワイヤルのランカーがホテルのVIP部屋に集まれば、記者様の方で何か都合の良い解釈をしてくださるはずですわ。どうにかして記者様をVIP部屋に招くことが出来れば、部屋の外をユカリゾーンで囲って閉じ込めることが可能です』

マチエール『しかし、もし作戦が失敗してしまえば最悪シュールリッツの評判にも影響が……』

ユカリ『あら、ここにお集まりなのは手練れの方々ばかり。皆様なら必ず成功させられると信じておりますわ』

カラスバ『安心せい。お前のホテルが傾いたらお金貸したるさかい』

タウニー「ユカリさんサビ組にだけは借りるのやめた方が……あ、何でもないです」

マチエール『場所は決まりだね。会議を続けよう』

〜2時間後〜

マチエール『作戦も決まったね。じゃあ各自準備や他の協力者へ声掛けをお願いします』

ユカリ『承知しましたわ』

ムク「御意」

ピュール「ぼ、ぼぼぼボクも行かないといけないんでしょうか……？」

デウロ「当たり前！困った時はお互い様だよ」

ピュール「だ、だって、ボク達キョウヤみたいな有名人じゃないから浮きそうですし、それに、か、か、かかかかカナリィさんもよよよ呼ぶんでしょう？」

ムク「来るな来るな来るな来るな」

デウロ「ピュールやあたしだってZAロワイヤル∞で実力付けてるから大丈夫だよ！もしもの時はカナリィさんのこと守ってあげなよ」

ピュール「カナリィさんじゃなくてカナリィ！……あれ？」

ムク「来るな来るな来るな来るな」

キョウヤ「でも実際、オレ達の役割はそんなに無さそうだね」

マチエール『そんなことないよ。相手に悟られないように自然体を保つことが大切なんだ』

タウニー「平常心を保つ演技力が必要なんだね」

マチエール『その点はシローさん大丈夫？まず作戦を遂行出来るかはシローさんに掛かっているよ？』

シロー「大丈夫です！大船に乗ったつもりでいてください！」

マチエール『本当に本当に大丈夫？？？』

ムク「不安。家から出るな」

カラスバ『これで解散でええか？オレは早速やることあるしな』

マチエール『そうですね。それじゃあみんな、成功を祈って！』

マチエール『エイエイオーーーーー！！』ｸﾞｰ！

全員『オーーーーー！！』

MZ団…グータッチ

ムク・シロー…ジャスティスポーズ

カラスバ…サビ組ポーズ

ユカリ…ユカリゾーン

タウニー「いや、統率感無し！」

支援
サビ組ポーズってなんだっけ…

>>58
カブさんのポーズみたいなやつ
めちゃくちゃ面白いわ支援