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オオタチ「嫌いだ」

 ▼ 1 シデ@てんかいのふえ 16/03/08 15:11:14 ID:vE6mN7Ks [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕は人間が嫌いだ。

人間の胸か肥溜めのどちらかに飛び込め。
そう命令されたら、僕は真っ先に後者を選ぶよ。

あんな醜い生き物に抱きつくなんてまっぴらごめんだね。

どうしてそこまで人間を嫌うのか?よく聞かれるよ。

そんなの簡単だ。人間から虐待を受けたから。

「しつけ」という名目で、あいつは僕を好き放題に弄んでくれたよ。

腹を蹴られて呻いていると、もっと苦しめと言わんばかりに僕の頬を殴り続けて……。

熱湯をかけられた事もあったね。ごっそり毛を抜かれたこともあった。

ご飯もろくに与えてくれず、ボロボロのまま痩せ細っていく僕を見て、あいつは何て言ったと思う?

「いい気味だ」

気色の悪い笑みを浮かべてね……。
 ▼ 2 ダイトス@ボイスチェッカー 16/03/08 15:12:18 ID:vE6mN7Ks [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕がお前に何をした?

僕をいじめる権利がお前にはあるのか?

お前が僕の主人だからか?

ふざけんな。

お前なんかに飼われて一生を終えるのなら……野生の奴等に喰い殺されたほうがマシだ。

僕は逃げ出したよ。冷たい雨の中、必死に走った。

とにかく走るのを止められなかった。背後からあいつが追い掛けてくる気がしたから……。

気が付くと、僕は地べたに寝そべっていたんだ。

体力の限界が来たみたいでね。それに物凄く眠かった。

意識が遠退いていくにつれて、聞こえてくる雨音は次第に小さくなって、体を濡らす雨を冷たいって感じなくなったんだ。

何となくだけど、死ぬってこういうことなんだって思ったよ。
 ▼ 3 ッタ@オレンジメール 16/03/08 15:13:12 ID:Da4MJTUY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援…
 ▼ 4 ーロット@ばんのうごな 16/03/08 15:13:24 ID:vE6mN7Ks [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
でも、不思議と後悔してなかった。
むしろ嬉しかったよ。

あいつが生きている世界で、僕はもう生きなくていいんだって……。

徐々に押し寄せてくる睡魔に、僕は白旗を振ったよ。

それ以降の記憶は無いよ。無いハズだったんだ……。

あのまま天国にいけるハズだったんだ……!
 ▼ 5 ノギザギザ◆hADRVWdq2Q 16/03/08 15:14:18 ID:iHQKaj/U NGネーム登録 NGID登録 報告
やばい。思わず開いたけどたった三レスで惹かれた。
支援
 ▼ 6 イオーガ@ふねのチケット 16/03/08 15:14:47 ID:vE6mN7Ks [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オオタチ「君の主人に拾われなければね!!」

ほとんど八つ当たりの勢いで、目の前にいるコダックに向かって声を荒げる。

理不尽な怒りを向けられたコダックは、特に気にした様子もなくモモンの実をオオタチに差し出す。

食って落ち着け。ということだろうか。
自分だけ取り乱していたのが恥ずかしくなり、数回深呼吸をしたあと、差し出されたモモンの実を受けとる。
 ▼ 7 ガカメックス@こないれ 16/03/08 15:16:23 ID:vE6mN7Ks [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オオタチ「……ごめん。だけど、さっきも言った通り……」

オオタチ「僕は人間が嫌いだ。君の主人も例外じゃない」

コダック「……」モグモグ

黙々とモモンの実を咀嚼し続けるコダック。
そんな彼の主人に、僕は拾われた。

衰弱しきっていた僕を、コダックの主人は手厚く看病してくれたんだ。

熱心な治療のおかげで、僕は一命をとりとめたが、僕はそれが気に食わない。

大嫌いな人間のおかげで、僕は生き延びていられること。

そして何より……あいつが生きている世界に引き戻されたということ。
 ▼ 8 ガニウム@せいしんのハネ 16/03/08 15:17:38 ID:vE6mN7Ks [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コダックの主人がしたことは、世間一般から見れば褒められるべきことだけど……

僕の立場からしてみれば、大きすぎるお節介なんだ。

恩知らずだの、クズだの言われても構わない。

人間なんて信じるもんか。徹底的に拒んでやる。
 ▼ 9 ッピ@キトサン 16/03/08 15:19:37 ID:vE6mN7Ks [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ただいまー」

ドアを開ける音と共に、人間の声が聞こえてくる。
コダックの主人が帰宅したようだ。

コダックは立ち上がり、帰ってきた主人を出迎えに玄関口へと急ぐ。

「ただいまぁコダック。オオタチは元気にしてる?」

コダックの主人は、何かと僕のことを気にかけてくる。
顔を合わせる度に「大丈夫?」「元気?」と声をかけ、にっこりと微笑んでくる。

はっきり言ってうっとうしい。
コダックの主人の笑顔を目にする度に、あいつの気色の悪い笑みを思いだして吐きそうになる。

ガチャリと僕がいる部屋のドアが開かれる。
 ▼ 10 ブソル@ヘラクロスナイト 16/03/08 15:20:57 ID:vE6mN7Ks [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
入ってきたのは、食材が詰められたビニール袋を抱えるコダックと、片手に日用品の入ったビニール袋を二つさげる彼の主人だった。

「やっ。体の調子はどう?」

コダックの主人は屈託のない笑みを浮かべる。

こっちを見るな。その薄気味悪い笑みをやめろ。

僕は不快感を隠すことなく、コダックの主人をねめつける。
 ▼ 11 ンブオー@ボーマンダナイト 16/03/08 15:21:31 ID:vE6mN7Ks [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ありゃ。ご機嫌ななめかな?」

コダックの主人は特に気にした様子もなく、ビニール袋の中身を整理し始める。

コダックは抱えていたビニール袋を冷蔵庫の前で降ろし、冷蔵庫に食材をテキパキと詰め込んでいく。

およそ数分で、ビニール袋を空にしたコダックと彼の主人は僕にゆっくりと近づいてくる。
 ▼ 12 ズモー@でんきだま 16/03/08 15:23:54 ID:vE6mN7Ks [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「包帯を変えるよ。大人しくしてね」

嫌だね。

徐々に伸びてくる手を、僕は尻尾で叩く。

「おっとと……。……大丈夫だよ」

コダックの主人は、嫌な顔ひとつせずに再び手を伸ばしてくる。

僕に触るな。

僕は再び尻尾を振るう。
パチィンと刻みのよい音と共に、コダックの主人の手が跳ね上がる。

「あれま。こいつはまいっちんぐ……」

弾かれた手を擦りながらも、コダックの主人は僕を咎めようとはしない。

人間の世話になるなんてまっぴらごめんだ。

あいつと、同じ生き物なんかに……!
 ▼ 13 コリータ@こうこうのしっぽ 16/03/08 15:25:55 ID:vE6mN7Ks [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「今日こそはと思ったんだけどね……」

コダックの主人は諦めて台所に向かっていった。

コダック「……」

オオタチ「……何度も言わせないでよ。僕は人間が嫌いだ。君の主人には何の恩義も感じていない」

オオタチ「今晩、僕はここを出るよ。厄介者が消えてスッキリするんじゃないかな」
 ▼ 14 ースト@せいれいプレート 16/03/08 15:27:26 ID:vE6mN7Ks [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここに来てから数日経った。
体力はほとんど回復した。体に痛みはなく、調子もいい。

全てコダックの主人のおかげ。そう認めざるを得なかった。

これ以上ここに居ても、やり場の無い悔しさが募るばかりだ。

だから自分でケジメをつける。

コダックの主人と……人間と決別し、後腐れなく野生で生きる。

オオタチ(まぁ、ほとんど逃げてるようなものなんだけどね……)

コダック「……今日の夜から雨らしいぞ。風邪を引かんようにな」

それだけ言うとコダックは、台所でご飯の準備をする主人のもとへ向かっていった。

オオタチ(……そうだよね)
 ▼ 15 ョボマキ@いわのジュエル 16/03/08 15:29:43 ID:vE6mN7Ks [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
食い納めと言わんばかりに、僕は運ばれてきた料理を貪った。

「そっかぁ。君はこれが好きなんだね」

別に好きな訳じゃない。むしろ今すぐ吐き出したいぐらいだ。

心の中で毒づきながらも、僕は食べるのを止められなかった。

食い納めだと、野生で生き残っていく力をつける為だと。
そう自分に言い聞かせて目の前にある料理を貪り続ける。

そして時間は少し進み、夜も大分更けてきた頃……

ザァザァと降りしきる雨を窓辺から見ていると、あの日のことを思い出す。

あいつから逃げて、逃げて、ひたすら逃げて……。気付いたら力尽きていて……

オオタチ(……好きなように生きてやる。誰の力も借りず、誰にも邪魔はさせない……)

オオタチ(僕の命だ。好き放題に使って何が悪い)

ぐぅぐぅと寝息を立てるコダックの主人に視線を向ける。

オオタチ(ありがとう……なんて絶対に言わない。僕はお前が……人間が大嫌いだ)
 ▼ 16 ニドリル@スターのみ 16/03/08 15:31:46 ID:vE6mN7Ks [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視線を再び窓辺に移し、音を立てないよう慎重に窓の鍵を開ける。

カチャッと鍵の開く音を確認して、窓枠に頭部を固定する。
そのまま首を左にゆっくりと捻り、窓を開け、自分が通れるぐらいのスペースを作りあげた。

そして僕は、冷たい雨の中へ、味方なんて誰もいない弱肉強食の世界へ飛び込んだ。
 ▼ 17 ギア@くろいてっきゅう 16/03/08 15:34:28 ID:vE6mN7Ks [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
窓からオオタチの姿が消えるのを確認して、コダックは部屋の隅から主人が眠るベッドへと近づく。

コダック「……」

「……ぅぁ」

主人の目から一筋の涙が零れ落ちる。

主人はどんな夢を見ているのだろうか。穏やかな寝息は、徐々に呻き声へと変わり、額に脂汗を滲ませている。

次の瞬間、主人の体がビクンと跳ね上がる。

どうやら夢から覚めたらしい。
むくりと起き上がり、はぁはぁと息を荒げる主人の為に、コダックは台所へ向かいコップに水を汲む。

主人のもとへ戻ったコダックは、水が注がれたコップを主人に差し出す。

「ありがとう……」

コダックに礼を言い、コップの水を一気に煽る。
ゴクリゴクリと喉を鳴らし、水を飲み干した主人は、一つ大きな息を吐く。
 ▼ 18 ゲキ@ボイスチェッカー 16/03/08 15:35:52 ID:vE6mN7Ks [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「……オオタチ?」

主人は周りを見渡し、その視線は不自然に開いている窓に止まった。

「っ……!!」

ベッドから飛び上がり、玄関口へと走る主人。
その行く手を阻んだのはコダックだった。

「コダック……!そこをどいてくれ!」

コダック「……」

コダックは思った。どうしてこうせっかちばかりなのか。もう少し落ち着いて行動できないのかと。

「あいつは……まだ動ける体じゃ無いんだよ!」

「……!!」

冷たい雨が降りしきる夜道へ一人と一匹は駆け出した。
 ▼ 19 ンホロウ@しろいビードロ 16/03/08 15:37:13 ID:vE6mN7Ks [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
体が軽い。走るのが気持ちいい!

こんな感覚、何時ぶりだろうか。
いくらでも、どこまでも走っていけそうだという錯覚に陥るほど、全身に力が込み上げてくる。

そして何より、彼を突き動かす原動力になるものは……自由への渇望だった。

オオタチ(僕は自由だ!自由になるんだ!!)

オオタチ(自由を……!僕だけの自由を掴むんだ!!)

オオタチは走り続ける。体を濡らす雨など意に介さず、ただひたすらに、がむしゃらに走り続けた。

しかし、オオタチの夢のような時間は、突如、終わりを告げることになる。
 ▼ 20 ギアル@きよめのおこう 16/03/08 17:07:29 ID:8D.m021I [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 21 ドラ@おおきなしんじゅ 16/03/08 17:11:22 ID:n5IqsmOs NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
核爆弾ですね…間違いない…
 ▼ 22 ネコ@リザードナイトY 16/03/08 20:26:38 ID:F2dRr9mQ [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
視界がぐらりと揺れ、腹部に鈍い痛みが走る。

オオタチは濡れた道路の真ん中で、足を滑らせてしまった。

オオタチ(あいたた……でも、こんなところで寝そべってる暇はないんだ)

これぐらいどうってこと無いと、自らを鼓舞して立ち上がろうとする。

オオタチ(あれ?)

しかし、体にろくな力が入らず、立ち上がることはおろか、首をもたげることすら出来なくなった。

僕はどうしちゃったんだ?さっきまであんなに速く走れたのに……。

急に体が……それに凄く痛い……

何だよ……。結局あの時と一緒じゃないか……

あいつから逃げ出した、あの日とまるで一緒じゃないか……!

走って走って、ひたすら走って……、気が付いたら倒れ込んでて……!!

降りしきる雨の勢いは更に強まり、オオタチの冷えきった体を容赦なく濡らす。

僕は、一生逃げられないのか……?あいつから……あの日から……

自由になれないのか……?
 ▼ 23 ガスピアー@のろいのおふだ 16/03/08 20:29:10 ID:F2dRr9mQ [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
顔面を道路に擦り付けたまま、項垂れるオオタチ。

そんなオオタチに追い討ちをかけるかのように、突然、眩しい光が彼を包む。

ブオォォォ!という重厚なエンジン音が辺りに木霊する。

何か来る……

けどもういいや。

どうせ生きてたって……

鉄の塊が、動かなくなったオオタチに迫る。

そして、鉄の塊はオオタチをバラバラに吹き飛ばすことも、車輪でミンチにすることも無く、雨が降りしきる暗闇の中に消えていった。
 ▼ 24 タフリー@がくしゅうそうち 16/03/08 20:29:35 ID:F2dRr9mQ [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あはは……なんだかふわふわしてるよ

僕、本当に死んじゃったんだ……

でも、この黄色……どこかで……

「……心配かけさせんな」

この声……どこかで聞いたことあるぞ……

「……ク!……やった!」

ん?……え?どういうこと?

視界が徐々に晴れていく。
僕の目に写ったのはコダックとその主人だった。

「……!」

コダックの主人は、僕をぎゅっと抱き締める。

放せ!やめろ!僕はお前なんか嫌いだ……!!

僕は心の中で、コダックの主人を罵倒し続ける。
 ▼ 25 ヤップ@きよめのおふだ 16/03/08 20:31:31 ID:F2dRr9mQ [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
声に出せば良いのに、何故か喉に引っ掛かってうまく吐き出せない。

冷たいんだよ!お前、雨に濡れてグショグショじゃないか!

グショグショ?なんでお前そんなに……

そして、僕は気付く。コダックの主人がどんな思いで僕を追ってきてくれたのかを……

なんだよ……寝巻きにサンダルって……。傘ぐらい差してこいよ……

風邪引きたいの?馬鹿なの?僕のことなんか放っておけよ……。僕のせいでお前が風邪でもひいたら……

「……帰ろう?」

え?いまなんて言ったの?

「何言ってんのって思ってるね?」

お前……何で僕の考えが……
 ▼ 26 ベルタル@ルカリオナイト 16/03/08 20:32:41 ID:F2dRr9mQ [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「君って馬鹿だよね。後先考えずに行動して、失敗して……」

むぐぐ……お、お前なんかに言われなくても……

「僕もそうなんだ。考えるより先に体が動いちゃってね……。君のこと言えないか!」

何でだろう。はははと笑うコダックの主人を見ていると、胸が苦しくなるんだ。

「だからさ、君が野生に帰りたくなるまででいい」

「似た者同士。仲良くやろうよ」
 ▼ 27 ンキー@フリーズカセット 16/03/08 20:33:13 ID:RPR.dDKA NGネーム登録 NGID登録 報告
ゆっくり絆を深めて行って最終的にえっちする展開欲しいなぁ
 ▼ 28 フキムシ@きよめのおこう 16/03/08 20:33:25 ID:F2dRr9mQ [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、もう駄目だ。もう我慢出来ない。

必死に堪えていたものが、全部流れ落ちた。

コダックの主人は、僕が泣き止むまで優しく抱き締めてくれた。時折、背中もさすってくれた。

恥ずかしいとか、みっともないとか、そんなくだらないものを全部かなぐり捨てて、僕は泣き続けた。
 ▼ 29 チニン@パワーレンズ 16/03/08 20:35:40 ID:F2dRr9mQ [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
後日

「ごほっ!んげほっ!あー……」

どうしてこうしっかりと考えて行動できないのか。

額と脇に熱冷ましを貼り、ベッドの上でうずくまる主人を見ていると、 溜め息がこぼれる。

「……うげほっ!だ、だいじょうぶさっ……かぜなんて……ぐべぁっ!」

あぁ……頭痛が酷くなりそうだ。
コダックは眉を潜めながらも、主人の為にお粥を作り始める。

下準備を済ませた具材を土鍋に放り込み、焦がさないように適度な速度でかき混ぜる。
 ▼ 30 ガカイロス@ハガネールナイト 16/03/08 20:37:00 ID:F2dRr9mQ [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コダック「……おい」

隣でビクッと跳ねるのは、所々に包帯を巻かれたオオタチだ。

オオタチ「い、何時から……気付いてたの?」

コダック「さあな」

コダックの返答が気に食わないのかオオタチはむっと眉を潜める。

本当に分かりやすい奴だと思いながら、煮だった土鍋とれんげをおぼんに載せる。

コダック「手、使えるか?」

オオタチ「え?あ、うん」

コダック「持っていってやれよ」

オオタチ「ええっ!?僕が?」

コダック「そうだよ。ほらほら、早く持っていかないと死んじまう」
 ▼ 31 メノデス@いんせき 16/03/08 20:38:04 ID:F2dRr9mQ [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オオタチ「うぅー……分かったよ」

オオタチは腹を括ったのか、コダックに手渡されたおぼんを手に取る。

短い手を器用に使い、よたよたと危なっかしいが主人が居るベッドに真っ直ぐ向かっていく。

「おぉー?ごほっ!お粥……持ってきてくれたの……げはっ!」

た、頼まれたからだ。決して君なんかの為には……

「ありがとう……ごべばっ!」

……どういたしまして。
 ▼ 32 ュリネ@ネコブのみ 16/03/08 20:41:00 ID:F2dRr9mQ [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しばらくして……

お粥を食べ、熱冷ましが効いてきたのか、熱も大分下がったようだ。穏やかな寝息を立てる主人を見てコダックは一息つく。

コダック「……どうだ?」

オオタチ「え?」

コダック「少しは人間の見方が変わったか?」

オオタチ「……何度も言わせないでよ。僕は人間が嫌いだ」

コダック「……」
 ▼ 33 チャモ@にじいろのはね 16/03/08 20:42:01 ID:F2dRr9mQ [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オオタチ「だけど……」

オオタチは主人の布団に潜り込み、主人の首に優しく巻き付く。
心なしか主人の表情が和らいだ気がする。

優しい人間もいるんだね……。

そう言葉に出さなかったのは、単純に恥ずかしかったから。

幸せそうに眠る君を見ていると、僕も何だか眠くなってきたよ。

野生に帰るのは……もう少し後にしようかな……

だからさ、いまは君の側に居させてよ……

気が付くと僕は、眠りに落ちていた
 ▼ 34 ーメイル@みかづきのはね 16/03/08 20:43:59 ID:F2dRr9mQ [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
以上で完結です。
ご愛読、誠にありがとうございました。
 ▼ 35 ントラー@つめたいいわ 16/03/08 20:47:50 ID:8D.m021I [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
 ▼ 36 ロート◆zDpCQo9NSk 16/03/08 20:48:55 ID:VpDErX8U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白かった ありがとう
 ▼ 37 シギソウ@ヤタピのみ 16/03/08 20:55:37 ID:DmH2.MR6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
え?終わり?
 ▼ 38 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 16/03/08 20:56:46 ID:zUp9DSHo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
こういうのほんとすこ
 ▼ 39 ルマユ@クラボのみ 16/03/09 00:25:51 ID:oIz6w0Ds NGネーム登録 NGID登録 報告
良ければR18向けで青年とオオタチのえっちシーンが欲しいです
 ▼ 40 アル@あさせのかいがら 16/03/09 01:16:36 ID:wkZZZ75M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きが気になるけど、乙

>>39
そういうのいらない
 ▼ 41 ブト@まひなおし 16/03/09 01:20:34 ID:UxRFGt3Q NGネーム登録 NGID登録 報告
>>39
余計な事して落ちぶれた物があるからやめろ
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