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チルタリス「もふもふは正義」

 ▼ 1 1◆J44kAZeDOM 16/04/03 07:29:35 ID:t5fCYsO2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボーマンダ「お前を逮捕する!」


チルタリス「遅いよ、全く」

ボーマンダ「すまんって。だが、お前ももうこんな事やめろ。お腹に……」

チルタリス「まだ大丈夫。後1か月は働けるわ」

ボーマンダ「危険だって言っているんだ。犯罪者をもふって改心させるだなんて……」

チルタリス「まーまー! そーんな硬い事言わないの」

そう言うと、チルタリスは、そっと夫と唇を重ね合わせた。

ボーマンダは、何も言えずに俯いてしまう。

チルタリス「この子の事も、そうやって縛り付けるの? 違うでしょ?」

ボーマンダ「俺はお前が心配なんだ。犯罪者の中で、お前、もう割と名が知れてるんだぞ」

チルタリス「あたしを舐めないで。あなたの妻なのよ?」

ボーマンダ「どう言う事だよそれ」

快活な笑い声をあげ、ボーマンダは、この犯人を連れて飛び去った。
 ▼ 121 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 18:21:31 ID:BHPKSwiA [1/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


フライゴン「……僕の親、消えたって言ったでしょ?」

涙の跡こそ消えたが、それでもなお、真剣な顔は崩さない。

いつでも不敵にだらしなく笑っているこいつが、である。

チルタリス「ああ……。それがどうした?」

フライゴン「あれ、嘘じゃないけど、正確じゃないんだ」

唐突な告白。

あまりにもさらりと言う物だから、危うく聞き逃す所だった。

その言葉のかけらをなんとか拾い集め、あたしの脳は動いた。

極めて単純な言葉を発すると言う指示がなされたのだ。

チルタリス「はぁ?」

フライゴン「戸惑うのも無理はないよね。でも、ちゃんと話すから、ちょっと聞いて」
 ▼ 122 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 18:22:29 ID:BHPKSwiA [2/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「その父親は、もともとはただのサラリーマンでした。

       だけど、ある事をきっかけに、全てが変わりました。

       ある1匹のビブラーバが誘拐されたのです。

       ビブラーバを返してもらう代わりに、誘拐犯が指示して来た条件はこれでした」

あたしは、息を呑む。

話は、一気に核心へと近付いて行っている。

訳のわからない、予感のような物に身震いした。

フライゴン「……俺たち裏の組織ではそこそこ有名なチルタリスを殺せ。その代わり、ターゲットがそいつだってバレないように」

……予感は、成就された。

フライゴン「父親は、ビブラーバのためならと、全てを投げ打って、殺害に及びました。

       連続殺人の中に、そのチルタリスを混ぜて、殺したのです。

       そして、結局は、逮捕されました。彼女の夫のボーマンダにです」
 ▼ 123 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 18:22:52 ID:BHPKSwiA [3/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チルタリス「……つまり、お前は……母さんの敵の、その……」

フライゴン「息子だよ」

フライゴンは事もなげに話す。

しかし、表情はまだ、真剣その物。

あたしは、続きを促した。
 ▼ 124 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 18:23:21 ID:BHPKSwiA [4/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「その後、残されたビブラーバの母親であるフライゴンは、辛い風評被害に耐えながら、それでもなんとか息子を育てました。

       だけど、無理が祟って、死んでしまいました。

       残された子どもは、復讐を誓って、勉強にバトルと全力を出しました。

       そして、いよいよ復讐の時です。

       進化してフライゴンとなった彼は、まず、地域で有名な札付きのワルに協力を持ちかけました。

       そのワル……サザンドラは、打倒チルタリスで利害が一致たのです。

       そして、フライゴンは、チルタリスと接近し、少しずつ仲良くなって行きました」

最後の部分に反論しようとして、やめた。

どうでもいい事だったから。

チルタリス「ここで言うって事は……」

フライゴンは無視して続けた。
 ▼ 125 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 18:24:18 ID:BHPKSwiA [5/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「そうしている内に、フライゴンの方にも絆が芽生えていたのです。

       フライゴンは信じてみたかったのです。

       自分から全てを奪った、『正義』を。

       そして、決意しました。全てを話そうと。

       チルタリスは、最後まで聞き遂げてくれました。

       そして言いました」

チルタリス「……話してくれて、ありがとう、ってか?」

フライゴン「そんなとこかな」

フライゴンは、笑顔を取り戻す。

そして、あたしに向かって、自信満々で言った。

フライゴン「それで、僕は今、晴れて2重スパイになりました、と。

       それを活かして、作戦を組み立てたんだけどさ……」

チルタリス「ほう……」
 ▼ 126 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 18:24:48 ID:BHPKSwiA [6/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


サザンドラを無視して、あたしは、もふもふの中にしまっているチルタリスナイトに願いを込める。

瞬間、あたしを光が包む。

あたしは、甘美なそれに身を委ねた。

サザンドラ「なっ、なんだこれはっ!」

フライゴンは、ニヤリと笑う。

ギルガルド「……メガシンカだ」

サザンドラ「なっ!」

チルタリス「いつから……。

       いつからあたしがメガシンカしていると錯覚していたぁっ!」


9章 完
 ▼ 127 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 19:57:41 ID:BHPKSwiA [7/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告







10章 決着






 ▼ 128 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 19:58:02 ID:BHPKSwiA [8/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


フライゴンの作戦はこう。

フライゴン「僕は君を縛るけど、メガシンカしたらたぶんそれははち切れるよね」

チルタリス「50センチぐらいでかくなるしな」

フライゴン「だから、敢えてメガシンカなしで突っ込む。

       縛った後で、メガシンカするんだ。

       ハイパーボイスだろうとムーンフォースだろうと、サザンドラの相性的に絶対勝てるよ」

フライゴンはニッと笑った。

チルタリス「なるほど……。よし、それで行くぞ!」

あたしは、フライゴンの作戦を、全面的に信用する事に決めた。

結果として、その選択は、正しかった。
 ▼ 129 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 19:58:23 ID:BHPKSwiA [9/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


サザンドラ「なぜだっ! メガシンカしていないだとっ!」

チルタリス「お前は知らないもんな! あたしのメガシンカした姿を!」

そう。

サザンドラは、あたしのメガシンカの事を知らない。

いや、正確には、情報だけは得ていたのだろう。

しかし、あたしはメガシンカをしないままサザンドラを倒した。

そして、その後フライゴンは、普段からあたしはメガシンカして戦いに出ていると言った。

面倒だと言う単純な理由。

それが、あたしを救った。

結果、サザンドラは、正確なメガチルタリスの姿を知らないままに、あたしとの決戦に挑まざるを得なかった、と言う訳だ。

ギルガルド「……気付いてなかったのか」

サザンドラ「気付いていたのかっ! なら、早く言えよ!」

ギルガルド「まさかメガシンカもさせないままにやられる程のザコだとは思っていなかった物でな」

サザンドラ「うぐぐ……」
 ▼ 130 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 19:59:38 ID:BHPKSwiA [10/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴンは、2匹の傍から親指を立ててみせた。

あたしは頷いて、ハイパーボイスの用意をした。

あたしが持つ精霊の力が、その技に宿ろうとうごめく。

しかし。

サザンドラ「てめぇ!」

フライゴン「うわっ! 何するんだっ!」

サザンドラは、フライゴンを羽交い締めにした。

不意を突かれたフライゴンは、抵抗出来ずにもがく。

サザンドラ「これで攻撃できまい! フェアリー技はこいつにも効果抜群だからな!」

あたしは、その行動を止めた。

チルタリス(確かにそうだ)

今ここでハイパーボイスをぶっ放したら、フライゴンも無事では済まない。
 ▼ 131 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 19:59:58 ID:BHPKSwiA [11/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルガルド「……取りあえず、お前だけはぶっ殺す!」

戦いとなると性格が急変するのは、特性バトルスイッチの賜物か。

そんな事を少々冷静なまでに認識している。

ギルガルドが、ラスターカノンを放とうとしていた。

フライゴンの現状を見て、殴られたように動けない。

チルタリス(……どうすればっ!)

ギルガルド「今だっ!」

ギルガルドが光を放出しようとした、その刹那。

フライゴン「大地の力!」
 ▼ 132 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:00:47 ID:BHPKSwiA [12/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
行動を縛られていても、特殊技は使える。

もっとも、溜めのモーションが出来ない分、威力はガタ落ちなのだが。

しかし、フライゴンにとっては、それで充分だった。

ギルガルドの行動を制御さえ出来れば、それでいいのだから。

ギルガルド「うぐっ」

効果抜群の一撃を受けて、ギルガルドがよろめく。

フライゴン「今だチルタリスっ! 僕ごと撃って!」

サザンドラ「こいつ……正気かっ?!」

フライゴン「僕なら大丈夫だからっ! 速くっ!」

あたしは一瞬逡巡した。

しかし、脳裏をある言葉がよぎる。
 ▼ 133 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:01:19 ID:BHPKSwiA [13/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


フライゴン『だから、自分が壊されるって事も、当然覚悟しないといけない』

フライゴン『それが、正義に必要な覚悟なんだ』


 ▼ 134 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:01:40 ID:BHPKSwiA [14/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



フライゴン、あんたの覚悟……見せてもらおうじゃないの。


そう呟いて、あたしは、先程まで溜めていた力を、一気に放出した。



 ▼ 135 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:03:20 ID:BHPKSwiA [15/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



その音は、辺りを揺らす。


ギルガルドが、頭を抱えた。


サザンドラの悲鳴が響き渡る。


フライゴンは、無言で耐えていた。


 ▼ 136 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:03:41 ID:BHPKSwiA [16/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サザンドラ「耳が! 耳がぁ……」

サザンドラはもちろんの事、ギルガルドもガードが間に合わず、直撃を受けた。

先程のフライゴンの攻撃で特防が下がっていたらしく、そのままあえなく崩れ落ちる。

あたしは、フライゴンに駆け寄る。

チルタリス「フライゴンっ! お前大丈夫かっ!」

フライゴンは、死んだように動かない。

あたしは叫んだ。

――フライゴン! フライゴン! しっかりしろ! 頼むから……。
 ▼ 137 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:04:18 ID:BHPKSwiA [17/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





フライゴン「うっ、いっててて……」



チルタリス「フライゴン!」



 ▼ 138 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:04:45 ID:BHPKSwiA [18/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「ハハ、やった……」

チルタリス「よかった、死ななくて……。でも、どうやって耐えたんだ?」

フライゴン「ロゼル……持ってて良かった……」

チルタリス「おま、そんなピンポなアイテム……」

フライゴン「いつ君にムンフォぶっ放されてもいいように……ってね……」

荒い息を吐きながら、フライゴンは言った。

フライゴン「それよりも……もふらなくていいの?」

チルタリス「……」

あたしは、意識を失いかけているサザンドラに向き直った。

そして……。

全力でもふもふを開始する。
 ▼ 139 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:05:09 ID:BHPKSwiA [19/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サザンドラ「俺はこのぐらいわかってんだ。効かねえよ」

チルタリス「あたしのハイボで耳がいかれて、聞こえなくなったってか?」

キク違いである。

こいつの心を折るには、もふもふだけじゃ足りない。

あたしは、だからこいつの完膚なきまでの負けを思い知らせる事にした。

チルタリス「100歩譲って1回目はあんた全力出してなかったとしても、さっきのは本気よね。

       それであたしに負けるって、相当なザコね。

       卑怯な罠まで仕掛けたってのに……」

サザンドラ「てめっ! ギルガルド、こいつを殺れ!」

ギルガルド「……こいつの言う通りだろ。お前は弱い。俺に満足な戦いを与えてくれないお前に、意味はない」

サザンドラ「ぐぬぬ……」
 ▼ 140 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:05:48 ID:BHPKSwiA [20/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チルタリス「あっははは! 無様な物ね! 仲間から裏切られたのは、どーっちだ?」

そうやって言葉を操りながら、もふもふはやめないでいる。

チルタリス「情けないの。あんたには、こうやって♀ポケモンにいいように蹂躙されてるのがお似合いね。負け犬さん」

全力の笑顔を浮かべる。

サザンドラは、うめく。

その声がまた、あたしの嗜虐性をそそった。

サザンドラ「クソッ! 終わったら覚えとけ……!」

チルタリス「へえ、あたしを倒す、と。

       バッカじゃないの?

       あんたごときじゃあたしを倒すなんて絶対無理だって」

サザンドラ「うがああああああああ!」

叫びと共に、龍の波動を繰り出す。が。

チルタリス「ふふ、ざーんねん。ドラゴン技は効果なしだってば」
 ▼ 141 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:06:10 ID:BHPKSwiA [21/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チルタリス「もう、あなたには何もない。プライドなんて物もね……。

       いっそ、この快楽に、身を任せてみたら?」

サザンドラ「ふざけんなっ……うぐっ……」

ここにあるのは、1つの無力な魂。

あたしは、それを崩壊させようとしている。

サザンドラ「俺を誰だと思ってやがる! 殺す! 殺す……あぐっ……」

サザンドラの表情に、快楽の陰が見え隠れする。

あたしは、ニコリと微笑む。

サザンドラは、反抗的な口調とは裏腹に、あたしのもふもふを求めるように体を寄せる。

それに気付き、愕然とした表情を浮かべ、サザンドラは身を離そうとする。

しかし、あたしがそれを許さない。

しっかりとサザンドラを捉え、無言でもふもふを続けた。

サザンドラ「離せっ、離せっ……」

その声も、情けない程かすれていた。
 ▼ 142 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:07:20 ID:BHPKSwiA [22/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サザンドラ「ああ……」

恥、快楽、怒り。

様々な感情をないまぜにした表情。

サザンドラ「やめろ……あくっ……」

強気な言葉に紛れ込む、喘ぎ声。

あたしの顔には、満面の笑みが広がって行った。

チルタリス「……」

サザンドラ「離せ……いや……離すな……続けろ……」

堕ちた。

確信はある。しかしあたしの嗜虐性は、まだ満足していなかった。
 ▼ 143 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:07:53 ID:BHPKSwiA [23/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チルタリス「それがポケモンに物を頼む態度?」

サザンドラは、屈辱に震えながら、しかし無自覚のうちに、言葉を紡いでいた。

ただひたすら、快楽を求めて。

サザンドラ「……続けて……ください……チルタリス……様……」

チルタリス「よろしい」

あたしは、もふもふを再開した。
 ▼ 144 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:08:32 ID:BHPKSwiA [24/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さすがに見かねたのか、フライゴンが口を挟む。

フライゴン「……いつまでやるんですか? 女王様」

その皮肉めいた声に、一気に冷めた。

チルタリス「……いや、もうやめる」

サザンドラ「そんなっ……」

ギルガルドはと振り返ってみると、失望したのかいなくなっていた。

フライゴン「……凄いね。完全にやっちゃったって言うか……もう奴隷同然だ」

チルタリス「まあね」

舌をチロリと出す。

フライゴン「おお、怖い怖い」

チルタリス「うっせぇムンフォ撃つぞ」
 ▼ 145 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:09:40 ID:BHPKSwiA [25/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時。

ボーマンダ「警察だっ!」

サザンドラ「なっ!」

ボーマンダ「ってチルタリス?! 大丈夫か……なんだこれ」

チルタリス「お、親父?! なんでここに……」

不意に入って来たのは親父。

あたしの嗜虐性が行き付いた先を見て、愕然としている。

ボーマンダ「サザンドラが、チルタリスに跪いている……」

フライゴン「あ、チルタリスのお父さん……」

そうやって呟くフライゴンに、事情を知らない親父は、しかし鋭く指摘する。

ボーマンダ「……君、どこかで見たような?」

フライゴン「クラスメイトですからね」

ボーマンダ「いや、そうじゃなく……」

もちろん、あたしの母親を殺したペンドラーを逮捕した時の話だろう。

フライゴンは進化して、姿が変わっているはずだ。

チルタリス(気付かないのが普通なのにな)
 ▼ 146 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:10:01 ID:BHPKSwiA [26/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ボーマンダ「っと、そんな場合じゃないんだ! ギルガルドを見なかったか?」

チルタリス「えっ、ああ、逃げてったけど……なんでだ? ガキのケンカみたいなもんなのに、警察が介入するなんて……」

ボーマンダ「ガキのケンカ? バカ言え。お前たちが戦っていたグループに所属しているギルガルド、こいつは、何匹もの命を奪っている、凶悪殺人犯だぞ!」

チルタリス「はぁ?」

フライゴン「僕、そんな事聞いてない……」

チルタリス(フライゴンも聞いていないのか……)

だとすると、本格的に隠していたのだろう。

ボーマンダ「みんな! 近いぞ追えっ!」

警察s「はいっ!」

ボーマンダ「さて……と。ここにいるヤクザどもは、ちょっと別の課の奴に引っ張ってもらうか……」

ボーマンダ「とにかく! チルタリスとフライゴン。もう帰ってくれ。ここは危険だ」

ここではさすがに、逆らえなかった。

あたしは、フライゴンを連れて、飛び立った。
 ▼ 147 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:10:23 ID:BHPKSwiA [27/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フライゴン「……真の黒幕は、ギルガルドだったんだ」

チルタリス「まあ……あたしたちじゃどうしようもないよね、もう。本格的に警察が介入してるってのに、あたしたちが出来る事なんてそうないよ」

フライゴン「むしろ迷惑だしね。うん。まあ……気にしたら負けだよ」

チルタリス「だな」

海に沈もうとしている夕陽が、フライゴンの横顔を照らし出している。

それを見ながら、あたしはメガシンカを解除した。


10章 完
 ▼ 148 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:45:21 ID:BHPKSwiA [28/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





エピローグ 正義






 ▼ 149 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:45:51 ID:BHPKSwiA [29/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ギルガルドは、結局逃げおおせたらしい。

あたしは、ガルーラって言う警察のポケモンから事情を訊かれた。

そして、こっぴどく叱られるのを覚悟したのだが……。

ガルーラ「ま、その正義感は大切にするんだよ! でも、自分の安全も考える事。絶対だよ?」

と念押しされただけで済んだ。

たぶん、親父の根回しのお陰でもあるし、このガルーラの性根もあったんだろう。

あたしは、幸運だった。
 ▼ 150 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:47:05 ID:BHPKSwiA [30/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
事情聴取の結果わかった事と言えば、サザンドラがギルガルドに関して何も知らないと言う事。

それ以外にわかる事は、何もなかった。

フライゴンは、厳重に注意されたらしい。

あたしも……。

ボーマンダ「バレないようにって約束だろう?!」

と、親父からは叱責された。

ただ、ひとまずの所は解放される事になる。

身の安全を第一に考えろとだけ言われて。
 ▼ 151 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:47:37 ID:BHPKSwiA [31/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして、事件は終息した。

ただ、変わった事が1つ……。

フライゴン「えっと……お皿はこれ?」

チルタリス「あのさぁ、お前、あたしがやるから座って待ってな!」

ボーマンダの、「両親がいないなら、うちで引き取ろうか?」と言う鶴の一声で、あたしたちは同居する事になった。

問題なのは、親父が留守にする事も多く、1つ屋根の下、2匹っきりになる事もあるって事だが、それに関しては、今回の件の罰との事で、あたしに反論の権利はなかった。

チルタリス(ふざけんなっての)

そう毒づいてみても、事態は変わらない。

それなら、それに適応するしかない。

なんだかんだ言って、フライゴンがいて、不便な事はない。

……家での生活においては。
 ▼ 152 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:48:08 ID:BHPKSwiA [32/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
チラチーノ「……ウワサなんだけど、フライゴン君と同居してるんだって?」

マリルリ「え、それホント?! どこまで行ってるの?!」

チルタリス「」

対処に困って、あたしはフライゴンの方を殺意のこもった視線で射抜いた。

フライゴンは困ったように肩をすくめてみせる。

しばらくは、この対処にかなりの手間を取られそうだ。

だが、まあそれも仕方ない。

そう割り切って、あたしは笑った。

チルタリス「ハハ、ハハハハハ!」
 ▼ 153 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:48:42 ID:BHPKSwiA [33/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
――

フライゴンの過去。

それは、あたしの信じて来た正義とは、対極にある物だった。

正義って何だろう、とふと考えて見る。

結局答えは見付からないままに終わる。

けれど、それを考える。これが大事なんじゃないかって。

そして、いつもあたしの中で、いつも、一時的なこの結論に至るのだ。

あたしは、フライゴンを変えられた。

だったら、それは、間違いなく正義で。

だから、あたしのこのもふもふだけは……。

正義として、信じてみてもいいんじゃないかって。
 ▼ 154 1◆J44kAZeDOM 16/04/06 20:49:03 ID:BHPKSwiA [34/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




チルタリス「もふもふは正義」 完



 ▼ 155 タモン@べにいろのたま 16/04/06 20:49:34 ID:BHPKSwiA [35/35] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
当SSはこれにて完結です
お読みくださり、ありがとうございました

質問等ございましたらなんでもどうぞ
 ▼ 156 イオーガ@ガブリアスナイト 16/04/06 21:54:32 ID:kV1YtnKA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!面白かったよ!
 ▼ 157 ガジュペッタ@ゴツゴツメット 16/04/06 22:11:10 ID:BgZSAhhQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 158 チミル@ドリームボール 16/04/07 00:03:24 ID:Iy6Q534c NGネーム登録 NGID登録 報告
お疲れさま
 ▼ 159 ライガー@クロスメール 16/04/07 01:04:03 ID:LRWIjj22 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙!
 ▼ 160 日ゴロゴロンダ◆XTk1MeLTks 16/04/07 01:41:30 ID:yNT0S3FQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

日常話の続編見たいなぁ…チラッ
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