▼  |  全表示395   | <<    前    | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【問題】151+100+135+107+156+72=?

 ▼ 1 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 13:54:04 ID:qUofJgUg [1/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある穏やかな春の日


「彼」はどこにでもいるような、
ポケモンが大好きなそんな16歳。

「彼」の周りの友人は近頃、
次々と旅に出てしまったせいで「彼」には
同じくらいの歳の友達がおらず、
一人過ごす時間がかなり長い。

そんな日々を過ごす「彼」。

「彼」はその境遇につまらなさを感じてはいるものの、けして寂しさは感じてはいない。

なぜって?

答えは単純にして明快。

「彼」にはポケモンがいてくれるからだ。


爽やかな春風が吹き抜ける中、彼は今日も森
ーーーポケモンたちの集う楽園ーーー
へ、意気揚々と出かけていく。
 ▼ 2 ニリッチ@かえんだま 16/10/01 13:55:05 ID:ndKJVrr6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
0721かな?
 ▼ 3 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 13:55:14 ID:qUofJgUg [2/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハテノの森


この森は常緑樹が生い茂っているため、
年中薄暗く涼しい場所。

少々の不気味さを湛えた怪しげな雰囲気を
纏っている空間だが、すぐに「彼」は慣れた。


その森の名は、「ハテノの森」。


「彼」の生まれはカントー地方の
マサラタウンという田舎町だ。

しかし今は「彼」の両親の仕事の関係で引っ越してきて、この森の近くに住んでいる。
 ▼ 4 クガメス@びっくりこやし 16/10/01 13:55:23 ID:3MKpOhjc NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
0721ちゃうんかワレ
 ▼ 5 ニャット@ともだちてちょう 16/10/01 13:56:05 ID:pebbmYm. NGネーム登録 NGID登録 報告
世代間で追加されたポケモンの数か
 ▼ 6 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 13:56:20 ID:qUofJgUg [3/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
話は変わって……

今から大体一年ほど前のこと。

「彼」は不思議なポケモンと、
不思議な体験をしたのだ。


「彼」の記憶ではあのポケモンは、
緑色をしていて、どこからっきょうみたいな
見た目の可愛いらしいポケモンだった。

「彼」はこの森でそのポケモンと運命的な出会いを
果たし、その後色々とあったものの、
まあなんだかんだ最終的には元どおりの場所に戻ってきたわけなのだがーーー


「なんか納得いかないよな……あれ」


ーーーまず帰ってから「彼」がその話をしても誰一人として信じるものはなかった。

とはいえこれは想定内と言い切れるだろう。

仮に「彼」がその話を聞く立場にいたとしても
けして信じはしなかったはずだ。
 ▼ 7 レイドル@ピーピーリカバー 16/10/01 13:57:07 ID:Qjpa57qM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
721……あれ?開くスレ間違えたかな
 ▼ 8 ドクイン@あいいろのたま 16/10/01 13:57:23 ID:hL3ifjmE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なーにー!?
 ▼ 9 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 13:57:49 ID:qUofJgUg [4/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
けれども、しかし。

「緑色をしてらっきょうみたいな見た目のポケモン」の事を知っている人もまた一人としてなかったのだ。

さらに言えば、あれだけの大冒険をしたのに
帰ってきてみればカレンダーの日付と時計の時刻は変わっていなかった。

これもまた彼の答えなき問答の原因なのだ。


「やっぱ………夢だったのかな」


「彼」がその結論を出すのは一体何度目だろう?

答えなき自問自答の末に行き着く先はいつもここだ。

しかし……何度思い返しても「彼」の心には
クッキリとあの出来事が刻み込まれているのだ。

さらに言うなら、もしあの時「彼」が寝ていたことによって夢を見ていたのなら「時刻」くらいは進んでいたはずだ。

そうして、また終わりなき自問自答は振り出しに戻るのだ。
 ▼ 10 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 13:59:05 ID:qUofJgUg [5/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼が唯一できたことといえば……
その時の記憶を絵に残しておくこと、それだけだった。


今、その絵は彼の部屋の机の中に、
大切にしまわれている。


それからというもの……「彼」は
あのポケモンには一度も会ったことがない。

それもまた謎でしかない。

しかし、考えようによっては。


「僕はあの時誰かに、何かに『必要とされた』
からあのポケモンは僕の前に姿を現した、
ってことなのかな……?」


「彼」はそう推測している。

確かに、それなら「彼」は役割を果たし終えて、用済みになったからあのポケモンが姿を現さなくなった、そう考えるのも可能性としてあるだろう。

もしそうなら、ポケモンの中にも人間に匹敵、あるいは人間を凌ぐ知性を持ち合わせているのがいるという裏付けとなる。
 ▼ 11 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 14:00:12 ID:qUofJgUg [6/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼は彼以外に誰もいない静かな森で一人呟く。


一体、どんなポケモンだっていうんだ。
すごく気になるなぁ。

………って、あれ?


ちょっと待て。


というかそもそも。


………ポケモンって、何だ?


いつも当たり前のように側にいるから、
皆、ポケモンって何だ?
っていう根本的な問いに目を向けることがない。

考えてみればこれはおかしな話だ。

科学がここまで進歩しているこの時代にそんなことがあっていいのか?

……何とかしてその謎を解き明かしたいなあ。
 ▼ 12 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 14:01:03 ID:qUofJgUg [7/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
これが、後の「彼」が誕生するきっかけだった。


そして、この時のこの疑問こそが
その後「彼」を突き動かす原動力となるのだ。



ああ、紹介が遅れてしまっていた。

「彼」の名は、オーキド・ユキナリ。
 ▼ 13 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 14:03:25 ID:qUofJgUg [8/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とりあえずここまで。



タイトルが釣りすぎでしたか?


ポケモンGOの時代は初代より前?

ポケモンの飴とか闇深すぎない?

ゲーム本編ではどうしてポケモン図鑑は数だけわかっていて中身が埋まってないものを渡されるの?

「昔は勝負で鳴らした」オーキド博士は
なぜ研究者になったの?

オーキド博士はなんで「ポケモンは151種類」
と断言したの……?


謎多きオーキド博士を主人公に書いていきます。
 ▼ 14 イル@とつげきチョッキ 16/10/01 14:10:07 ID:X.TOWWWo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
新作きてた!
作者さん大好きなんで超支援
 ▼ 15 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 14:48:34 ID:qUofJgUg [9/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あの日から、時は流れ………
マサラタウン ユキナリ 18歳 冬


この田舎町のとある一軒家の中では、
ここ数ヶ月、毎日毎日夜になると怒鳴り声と叫び声が響き渡っている ーーー


「父さん! お願いです、
僕は、どうしても行きたいんです!!」


ユキナリの説得も虚しく、
ユキナリの父の怒りは留まるところを知らない。


ユキナリ父「この……馬鹿者!!
何年お前のワガママに付き合わねばならんのだ!!

旅に出たくない? ……甘ったれるな!

周りを見ればわかるだろう!
みんな旅に出て、旅を通じて大人になる、
そういうもんなんだ。

だのに、お前は旅に出ないどころか
此の期に及んで『大学に行きたい』だと?!

ふざけるのもいい加減にしろ!!!」
 ▼ 16 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 14:50:02 ID:qUofJgUg [10/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーー 彼らが話す……というか
ぶつけあう議論の題材は決まって同じこと。

ユキナリとしては、かつて凄腕トレーナーとして世界中に名を轟かせた父の言うこともよくわかる。


それでも、彼には。

貫きたい夢があったのだ。


「父さ……」


彼が再度口を開きかけた、その刹那。


ユキナリ父「それでもお前が行くというのなら、
私はもう知らん!

…………勝手にしろ!!

…………出て行け!!!」
 ▼ 17 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 14:51:34 ID:qUofJgUg [11/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ユキナリの父はこめかみに血管を浮かび上がらせて唾を撒き散らしつつ激昂する。

これは、ユキナリの父の怒りが
最高潮に達しようとしている兆候。

そのことはユキナリもよく知っていた。


そしてその時、とうとう彼は悟った。


もはや、父とわかりあうことは出来ない、
という残酷で悲しい真実を。


父とわかりあうこと、
和解することを諦めた彼は家を、
生まれ故郷を捨て、遠いタマムシシティを目指して
一人歩いていくより他なかった。
 ▼ 18 プリン@プレシャスボール 16/10/01 14:56:19 ID:hUwVAtLQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
0721ってオナニーかよ
 ▼ 19 ードラン@ぼうけんノート 16/10/01 15:01:48 ID:i6sDForA NGネーム登録 NGID登録 報告
721
初めて暗算できた。
IQ上がった
 ▼ 20 ョンチー@つららのプレート 16/10/01 15:12:40 ID:wNQ9SfA. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カントーのポケモン数+ジョウトのポケモン数+(中略)+カロスのポケモン数か

支援
 ▼ 21 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:16:41 ID:qUofJgUg [12/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
トキワシティ


「それで、まあ、勢いのまんま
出てきちゃった訳なんだけどさ………」


寒い冬の夜だ。

シロガネ山の方から吹く山下ろしが
容赦なく吹き付け、彼の体温を急激に奪い去る。


「はは……馬鹿だな、僕は……」


着の身着のまま飛び出してきてしまったことを
後悔したところで後の祭り。

宿に泊まろうにも金がないから泊まれない。


したがって彼に選択肢は無かった。
 ▼ 22 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:17:27 ID:qUofJgUg [13/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
「これから、どうしようか……」


行く当ても無くトキワシティの街並みを彷徨く。

この季節のこの時間帯だ。
今からトキワの森を越えようとするのは
紛れもなく自殺行為。

間違いなく数時間後には命が尽き、
虫ポケモンたちや森の栄養となるのがオチだろう。


その時だった。


『志あるもの、求む!』


電柱に貼り付けられたチラシ。

今にも剥がれ落ちそうになって
北風にビラビラと揺れる一枚のチラシ。

それが……なぜか、彼の目に入った。
 ▼ 23 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:19:00 ID:qUofJgUg [14/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
……求人広告にしては文言があまりにも不自然。

まともな状態の人間なら見て見ぬ振りをして素通りするか、あるいははなっから視線に捉えることすらしないだろう。


しかし、今のユキナリはまともな状態ではない。

なぜか、奇妙に関心を持った彼は、
灯りに魅せられた羽虫のように
ふらふらと電柱の方に引き寄せられて行った。


「えーっと………」


彼はそのチラシを食い入るように見つめる。
 ▼ 24 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:20:43 ID:qUofJgUg [15/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
『志あるもの、求む!

やぁ、こんにちは。

私はウィロー博士だ。

みんなも知っての通り、
この世界にはポケモンが至る所に住んでいる。

しかし、ポケモンの生態は謎だらけだ。

そこで、私はこの度!

ポケモンの生態の調査に乗り出すことを決定した!

そこで、研究希望者を募集する!

先に言っておくがかなり体力の要る厳しい内容だ!

他の研究と並行するのは不可能な内容のため、
研究職にいる人間は今回の募集の対象外とする。


志あるものは、下記の番号まで!

9876543210』
 ▼ 25 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:22:54 ID:qUofJgUg [16/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ドクン。


闇夜を切り裂く、大太鼓のような重低音が響く。


ドクン。ドクン。ドクン。


その音の正体が彼の心臓の奏でるビートと
気づくのに時間はかからなかった。


彼の心臓が早鐘を打っている。


彼はもう一度目を擦ってチラシを見返した。


ドク……ドク……ドク……

 ▼ 26 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:23:37 ID:qUofJgUg [17/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
今度は声に出して読み上げてみる。


ドキ…ドキ…ドキ…ドキ…ドキ…ドキ…


心拍数がどんどん上がっていく。


「……大丈夫。体力には自信があるし、
研究内容も僕が求めていたそれだ!」


彼が次にすべきことはただ一つ。


「急げ……急がないと!」


彼は番号を念のためにもう一度確認し、電話を借りるためにトキワシティの宿へ一目散に走った。
 ▼ 27 スマス@エルレイドナイト 16/10/01 15:24:03 ID:PzV7ZPEI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
55足そうぜ
 ▼ 28 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:24:51 ID:qUofJgUg [18/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
トキワシティ 宿屋(後のポケセン)


「はい、わ、わかりました。
では、失礼しますっ」


震える手で受話器を置いた。

あまりの出来事に頭が追いつかない。

今の電話の内容は……

ええっと、だから、つまり、その……!


「よっしゃあああ!!」


彼の脳内では、今の電話の声が
無限ループで再生されている。
 ▼ 29 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:26:25 ID:qUofJgUg [19/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウィロー博士『何?! 研究者希望?!!
いやー、全然希望者が現れなくてね!

参ってたとこだったんだよ。

いやはや、歓迎するよ!

よし、よし。それじゃあ簡単な面接がしたいから、
タマムシ大学まで来て………

いや、今こちらから迎えに行くよ!
外に出て少し待っていてくれ!』


初老の紳士を思わせる声の主は
早口でまくしたて、電話は1分もしないで切れた。


彼は未だに自分の耳が信じられない。

本当に、本当に………来るのか?!

彼は歓喜のあまり一周回って半信半疑の気分で
宿屋の外に出た。
 ▼ 30 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:28:38 ID:qUofJgUg [20/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
トキワシティ 宿屋 入り口近く


………電話が切れてから5分が経った。


「ま、まあね……あんなん、冗談だろうし、
そんなの、わ、わかってたし……」


今の彼は、率直に言ってここまであまりに
トントン拍子に話が進んでいるせいで
何か裏があるに違いないと疑っている。


まあ、やっぱ冗談かなんか ーーー


カギィーーィイッ!!!!


ーーー だった……………っ?!

この鳴き声は……間違いない、
鳥ポケモン、ピジョット!
 ▼ 31 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:29:45 ID:qUofJgUg [21/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
マサラタウンよりは都会とはいえ、
トキワシティも夜になれば街は暗くなり、
夜の静寂が訪れる。

そんな静かな空から突如降ってきた
闇夜を切り裂くポケモンの金切り声。


???「いやーいやー、待たせてすまない」


そして続いて聞こえてきたのは
先刻の電話でも聞いたあの声だった!

彼ははっとして夜空を仰いだ。

見ると、お月見山の方角から現れたのは
巨大なピジョット。

そしてその背に乗った初老の紳士。

ピジョットはトキワシティを一周するように
旋回して、ゆっくりと彼の前に降り立った。
 ▼ 32 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:32:44 ID:qUofJgUg [22/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
何と美しく気高いトサカ、羽毛、羽ばたき。

彼はこの周辺のポケモンの分布を熟知していて、
この辺りでは主にポッポとコラッタ、
ごく稀にピジョン
ーーー恐らくはトレーナーが逃がしたポケモンーーー
が生息しているのを確認していたものの、
ピジョットは大人から貰った写真や本でしか
見たことがなかった。

そのピジョットが、今目の前にいる。

その事実は彼を舞い上がらせるのに
十分すぎる要素だった。

そしてピジョットの背から降りた男性が
やおら口を開く。


ウィロー博士「ふふふ……
ピジョットが気に入ったのかな?

オーキド、ユキナリ君?」


男性はなんとも形容しがたい不敵な微笑みを
浮かべたまま彼に問いかけた。
 ▼ 33 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:34:11 ID:qUofJgUg [23/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
この人が。

ポケモンの研究者を募集している……?


彼ははっとして、即答した。


「はい!」


その男は満足げに頷いた。


ウィロー博士「うん、いい返事だ。
改めて自己紹介しよう。

私の名前はウィロー。

みんなからはポケモン博士と呼ばれているんだ。

私は主にポケモンの生態について調査している……

さて、こんなところで長話も何だな。

さっそくだが、簡単な面接をしよう。
質問はたった一つだけだ」
 ▼ 34 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:35:20 ID:qUofJgUg [24/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウィロー博士は左手の人差し指を鉛直方向に
まっすぐ伸ばし、いたずらっぽい笑みを浮かべる。

しかしユキナリを見据えるその目は真剣そのもの。

ユキナリとウィロー博士の周囲の空気が
一気に張り詰めた緊張感を帯びる。


一体、どんな質問なのか ーーー


ウィロー博士「……ポケモンは、好きかい?」


ーーー ユキナリには愚問だった。


「はい!!」


迷いなく彼は即答する。

何しろ、今の彼にもう失うものなどはない。

絶望の淵に立たされた今、
目の前に手が差し伸べられたのなら、
たとえその手が悪魔の手だったとしても
彼はその手を迷いなく掴んだろう。
 ▼ 35 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:36:33 ID:qUofJgUg [25/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼の答えを聞いたウィロー博士は……
一瞬沈黙したのち、爆笑しだした。


ウィロー博士「は…ははは…はーっはっははは!
面白い、実に興味深いよオーキド・ユキナリ君!」


一体何がそこまで面白かったのやら。

どうすればいいかわからない彼は
ただおろおろとして立ち尽くすばかりだった。

しばらくの時間が経ち、ひとしきり笑い転げた後、
博士は深呼吸をし、また続けた。


ウィロー博士「よし、よろしい!

ピジョットの背に乗りなさい!

何しろここは寒くて仕方ない、さあ急いで!」


「…………!!」
 ▼ 36 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:37:43 ID:qUofJgUg [26/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピジョットの背に乗れ。

その言葉の意味するところを察知したユキナリは
目を輝かせた。

そしてピジョットの背に飛び乗る。

ピジョットの背に、二つの影。


ウィロー博士「よし、ピジョット。
タマムシ大学まで戻るぞ!」


カギィーーィイッ!!!!


ピジョットの金切り声が空を切り裂くと同時に
飛翔し、彼らはタマムシ大学へと飛び立った。


彼らが東の空に消えていった後に取り残されたのは、夜の静けさだけだった。
 ▼ 37 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:39:16 ID:qUofJgUg [27/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
タマムシシティ タマムシ大学


ウィロー博士「ようし、着いたぞ!」


彼とウィロー博士はピジョットの背から降り、
そしてウィロー博士はピジョットを労ったのちに
モンスターボールを取り出してピジョットを
その中に戻した。


残されたのはウィロー博士と彼の二人。

そこでようやく実感が湧いてきた。



ついに、ここに来たんだ……!

あの日から、いつかここで学びたいと願い続けてきた。

その願いが今、実現しようとしている……!!
 ▼ 38 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:42:20 ID:qUofJgUg [28/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
タマムシ大学。


それはエンジュ大学、カナズミ大学、コトブキ大学
といった名だたる各地方の最高峰の大学とさえ
一線を画する超名門大学だ。

ヒウン大学やミアレ大学から共同研究を持ちかけられるほどまでに研究のレベルが高く、

それ故にここの大学で学問を修めようと志す学生が古今東西絶えることがない。


ウィロー博士「さあ、ではこっちだ」


彼はウィロー博士の後をついて
大学の門をくぐり抜け、研究室へと向かった。
 ▼ 39 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:48:05 ID:qUofJgUg [29/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ウィロー博士の研究室


ウィロー博士の研究室はかなり広いスペースがある。


ウィロー博士「さあさあ座って。

まあまずはコーヒーでも飲みなさい。

ああ、砂糖とミルクはそこにあるから
好きにやってくれ」


ウィロー博士はサクサクとよどみなく話しながら
コーヒーを淹れ、ユキナリに手渡した。


「………ありがとうございます」


ユキナリとしては博士の気遣いは
ありがたい限りだったが、
正直なところコーヒーなんかよりも
早く研究内容を聞きたい、そんな思いでいた。
 ▼ 40 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:49:32 ID:qUofJgUg [30/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
そんな彼の気持ちが顔に出ていたのを
読み取ったのか、博士は笑いながらも
訥々と話し始めた。


ウィロー博士「はっはっは…やれやれ、
研究内容が気になって仕方がないという顔だね?

生きのいいヤツだ、嫌いじゃない!

じゃあ早速話そうじゃないか………」


彼がこれから足を踏み入れる世界。

自然と背筋が伸び、顔が引き締まる。


「私が目指すのは、この世界にいるすべての
ポケモンを探し出し、それぞれの種についての
生態を調査することだ。

ところで、メンデレーエフの周期表、
というものを君は知っているかい?」
 ▼ 41 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:51:04 ID:qUofJgUg [31/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
メンデレーエフ。

ポケモンの種類と進化には法則性が
あるのではないか、と考えた昔の博士だ。


「はい」


博士は満足そうに相槌を打ち、続ける。


「では、ポール・ボアボードラン博士が
今からおよそ200年前にメンデレーエフの
周期表の正当性を裏付ける発見をしたことも、
当然知っているね?」


当然、ユキナリは知っていた。

ポール・ボアボードラン博士は
当時発見されていなかったピジョットの存在を
周期表に基づいて予測し、
研究の末、見事ピジョットを発見した偉大な博士だ。

それ以来、メンデレーエフの周期表は
一躍脚光を浴びることとなった。
 ▼ 42 ッコアラ@ラティアスナイト 16/10/01 15:51:27 ID:VDeiarl2 NGネーム登録 NGID登録 報告
めずらしいポケモンgoを題材にしたssか
支援
 ▼ 43 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:54:37 ID:qUofJgUg [32/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウィロー博士の話は続く。

ウィロー博士「これは私の研究に基づく仮説なんだが………周期表に則って予想すると、

カントー地方には151種類……

……これにはしばらく前に遺伝子組み換えで
生み出されたポケモンを含めているが……
まあともかく。


カントー地方には151種類、
ジョウト地方には100種類、
ホウエン地方には211種類、
シンオウ地方には210種類、
イッシュ地方には156種類、
カロス地方には457種類。


かなり被りがあるからそれを除いてカウントすると
世界には721種類のポケモンがいる、
という仮説を私は立てた。


これが周期表に基づく予想だ。
 ▼ 44 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:56:44 ID:qUofJgUg [33/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
アローラ地方は最近発見されたばかりの
未開の地だから、研究できるような
環境になるのはまだまだ先のことだろう……。

さて、話の便宜上、それぞれの地方の
周期表のことを図鑑と呼んでいる。

例えばカントー地方の周期表なら、
カントー図鑑と呼ぶわけだ」


「………………?!」



これはユキナリにとっては全くの初耳だった。

衝撃を隠せない。

思わず彼は椅子から身を乗り出した。


博士は茶化しつつも真面目な目つきのまま続ける。
 ▼ 45 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 15:59:21 ID:qUofJgUg [34/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウィロー博士「くっくっく……初耳かね?

……当然だ。

私はまだ学会でこれを正式には
公表していないのだからな。


さらに私は研究を重ねるうちに、
全ての地方のポケモンは例外なく、
カントーに生息すると考えられている
151種類のポケモンの遺伝子をなんかしらの形で
受け継いでいると考えられる結論に至ったのだ。


……ユキナリ君。

君にこの意味がわかるかな?


カントー地方こそがポケモンの起源かもしれないのだ!!

確かにどの地方にも大概ズバットやコラッタなどといったポケモンないしその亜種がいる。

その裏付けとなりうるかもしれん。

無論、それはここからの研究で煮詰めていくべきところだ……。
 ▼ 46 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:00:32 ID:qUofJgUg [35/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
しかしな、ユキナリ君。

いくら論理だっていて正しく思われても、
実証しないことには机上の空論。

絵に描いた餅でしかないんだよ。


そこで……君には実際に、
151種類のポケモンを捕まえてもらいたいのだ!


他ならぬ、君の手で!!


カントー地方で私の予測が正しかったことが
実証されれば、他の地方でも大規模な調査に
乗り出す足がかりとなる!


どうだ……夢のある話だろう?!」
 ▼ 47 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:03:34 ID:qUofJgUg [36/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
彼の想像を遥かに超える壮大な話を
前にした彼に一体何ができたろう。


ゴクリ。


生唾を飲み込む。

まさか…そんな壮大な話があったとは。



なんと形容すべきか、彼のこの感情を。



ウィロー博士「勿論、この話をしたのは
君ひとりだけではない。

この大学の学生でもある
ナナカマド君をシンオウ地方、
次年度より入学予定のアララギ君を
イッシュ地方にそれぞれ派遣しようと企てている。

しかし、どうしても人手が足りないのだ!

是非……お願いしたい………」
 ▼ 48 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:05:23 ID:qUofJgUg [37/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
お願いする、と慇懃にいいつつも、
その目は「断らせない」という気迫に満ちている。

もっとも、ここまで来ている時点で
ユキナリに断る意思など欠片もないわけだが。


「はい! こちらからも是非その研究、
手伝わせてください!」


ウィロー博士がニヤリと笑った。


ウィロー博士「よし、決まりだな。
では、早速だが……………」


こうして彼は研究者としての第一歩を歩き出した。


ただ、ここまで夢を持たせておきながら
最初の仕事が書類整理、という現実に
彼は少しだけ苦笑した。
 ▼ 49 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:44:36 ID:qUofJgUg [38/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日


ウィロー博士「さあ研究者の朝は早い!
早速だが始めるぞ!」


博士は徹夜明けにも関わらず
パワー全開といった感じか。

その元気発剌といった様子は
年齢を一切感じさせない若々しささえあった。


「はい!」

ウィロー博士「よし! それじゃあまずは
ポケモンを楽に捕獲し、
かつ安全に持ち運びする道具を紹介しよう」
 ▼ 50 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:45:25 ID:qUofJgUg [39/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
博士がポケットから取り出したのは
赤と白の半球を二つ合わせた球体。

それは、旅するポケモントレーナーの必需品。

その名も……


「モンスター、ボール……」


ユキナリが旅とは無縁だったとはいえ、
噂には聞いたことがあるし、
旅立った彼の友人たちは例外なく持っていた。


ウィロー博士「まあ今更だがな。
使ったことはあるのかい?
旅人経験者でなければ知らないはずだ」


彼に旅人経験は当然ながらない。
 ▼ 51 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:46:03 ID:qUofJgUg [40/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
「いえ、ないです。お願いします」


やはりか、と呟いて博士は続けた。


ウィロー博士「ポケモンの乱獲を防ぐため、
という理由で旅人にしかモンスターボールを
販売してはならないという法律がある以上、
まあ当たり前のことだ。

それでは、ついてきなさい」


博士はタマムシシティの東
ーーヤマブキシティの方向ーーーへと
きびきび歩き出した。
 ▼ 52 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:47:56 ID:qUofJgUg [41/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ウィロー博士「よーし。
さて、そろそろこのあたりにポケモンが………」


そう言い終わるや否や ーーー


「あっ! 野生のコイキングが飛び出してきた!」


ーーー ユキナリの指差した先には
彼らの行く手を阻む、野生のコイキングが
ピチピチと跳ねていた。


ウィロー博士「ほほう、これはゆっくり
解説するのに好都合だ。

コイキングは…
言い方は悪いが非常に弱く何もできない種族。

……進化系がああでなければ
まず絶滅していただろうなぁ」
 ▼ 53 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:49:00 ID:qUofJgUg [42/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
後半部分は博士が僕に話しているのか
独り言なのかよくわからない呟きをする。


「ははあ……」


すると僕の目の前に唐突に突き出されたのは
ついさっきも見た、赤と白の半球を
小さな蝶番で合わせた球状のカプセル。


モンスターボールだ。


ウィロー博士「では、早速捕獲作業に入ろう」

「……はい」


緊張が走る。
 ▼ 54 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:56:00 ID:qUofJgUg [43/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウィロー博士「まず、モンスターボールには
ボタンがついている、それを見つけてくれ」


モンスターボールのボタン………あった。


赤と白のカプセルを繋ぐ蝶番の正反対の位置に
丸い小さなボタンがあった。


ウィロー博士「では、そのボタンを押してくれ。
そのボタンは言わば安全装置。
押すとボールが膨張し、
ポケモンを捕獲できる状態になる」


ユキナリは頷き、手のひらの中にある
モンスターボールのボタンを中指で
カチッと押した。
 ▼ 55 RIVER◆zFLCCAWaiw 16/10/01 16:57:42 ID:qUofJgUg [44/44] NGネーム登録 NGID登録 報告
「はい、じゃあ早速………わっ」

ウィロー博士「ははは、驚いたかね?
じきに慣れるだろう」


ボタンを押した瞬間、
ボールは直径を3倍近く膨張させた。

少しユキナリは驚いたが、
それは大した問題にはならない。


ウィロー博士「あとはそれを
コイキングに向かって投げて、当てるだけだ!

大丈夫、コイキングは逃げやしない。

落ち着いて、ボールを投げるんだ」


大丈夫だ。


博士のその一言が彼に落ち着きを取り戻させる。
  ▲  |  全表示395   | <<    前    | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。
書込エラーが毎回起きる方はこちらからID発行申請をお願いします。(リンク先は初回訪問云々ありますがこの部分は無視して下さい)

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
(消えた画像の復旧依頼は、問い合わせフォームからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼