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【SS】ポケットモンスター外伝4+

 ▼ 1 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 15:30:47 ID:CQosGVGE [1/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
前回書いた外伝4の続き……と言うよりおまけの話です。
短く終わらせる予定です。


外伝4↓
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=441121
 ▼ 2 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 15:35:33 ID:CQosGVGE [2/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
プロローグ

いつかの時代…どこかの場所…ポケモン達が住む小さな村があった。

そう、ここはドリ村……ではなくドリ村から少し北に位置する村、レツフ村……

この物語はレツフ村で悪い意味で有名な、あるポケモンの物語……
 ▼ 3 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 15:39:42 ID:CQosGVGE [3/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
第一話 俺は嫌われ者



カイリキー「ごらあぁあ!! ぼうずぅ!!」

村に食料店の主人の怒号が響き渡る……

カイリキーはその大きな体では考えられない速さで走っていた……

しかしカイリキーよりさらに速く走るポケモンがカイリキーの前を走っている……

 ▼ 4 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 15:47:56 ID:CQosGVGE [4/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
店の主人から逃げているのはリオルだ。

彼は今日もいつものように店に並ぶ食べ物を盗んだようだ……



リオル「誰がお前なんかに捕まるかよっ!」

リオルは木に登ると次から次へと別の木に飛び移って……あっという間に森に消えた。

カイリキー「くそっ!! また逃げられたか……」

そこにニドクインが通りかかった。

ニドクイン「あら、また?」

カイリキー「ああ、ニドクインの奥さんか……またあいつにやられちまったんだ……本当に腹の立つ奴だ!!」

ニドクイン「そうね……あの子はイタズラばかりして……どうにかならないかしら……」

カイリキー「あいつを捕まえたら……ギッタギタにしてやるからなぁ!!」
 ▼ 5 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 15:55:40 ID:CQosGVGE [5/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオルはそんな二匹のやり取りを少し離れた木の上から見ていた……


リオル「あんなのろまな奴に捕まってたまるかよ」

リオルは盗んできたオボンの実をかじった。

カイリキー「あぁ! 思い出しただけでも腹が立つ!! あいつなんていなくなっちまえばいいのに!!」

リオル「!」

カイリキーのその言葉はリオルの心に鋭く突き刺さった。

ニドクイン「まぁ……確かにそれが一番かもね……」

リオル「……」

二匹は話しながら何処かへ行ってしまった……

ドンっ!!

リオルは木の幹を思い切り叩いた。

リオル「なんだよ……そんなに俺のことが嫌いかよ……ならお望み通り消えてやる! 世界の果てでもどこにでも行ってやる!!」

リオルは木から飛び降りると森の中を歩き出した……
 ▼ 6 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 16:03:30 ID:CQosGVGE [6/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


森の中をリオルは歩き続ける……



リオル「くそっ……くそっ!」

リオルは腹が立って仕方なかった……

リオル「そんなに俺のことが邪魔かよ……」


リオルはこれまで村で沢山イタズラをしてきたのだが……村のポケモン達の本音を聞いたのは初めてだった……


リオル「思い出しただけで腹が立つ!!」

その時、リオルは目の前にあった「何か」に頭をぶつけた。

ゴンっ!

リオル「いてっ!」

それは苔むした小さな祠だった……
 ▼ 7 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:03:06 ID:CQosGVGE [7/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「なんだよ! こんな所に変なもん置いてるんじゃねぇよ!!」

リオルは怒りに任せて祠を思い切り蹴飛ばした。

がすっ!!

するとどこからか声がした……

?「なにするのよ!!」

リオル「だ、誰だ!!」

リオルは辺りを見渡したが……誰もいない。

 ▼ 8 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:06:11 ID:CQosGVGE [8/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
?「この罰当たり!」

リオル「誰だか知らないけど……変なイタズラしてんじゃねぇよ!!」

リオルはまた祠を蹴飛ばした。

がすっ!!

?「もう怒ったわよ! あんたみたいな奴こうしてやる!!」

リオル「は?」

リオルの足元が光り出した!!

リオル「な、なんだこれ!?」

リオルは一瞬でその光に飲み込まれた……




リオル「わあぁぁぁぁあ!!」
 ▼ 9 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:08:15 ID:CQosGVGE [9/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告














鳥ポケモンの声が聞こえる……

ここは?……そうだ!
 ▼ 10 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:14:54 ID:CQosGVGE [10/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオルは飛び起きた。

リオル「俺は!……あれ?……なんともない……」

リオルは辺りを見渡したが……そこはなんの変哲もない森だった……

リオル「さっきのはなんだったんだ?……あれ?さっきの祠は……?」

近くに先程の祠は見あたらない……

リオル「夢……だったのかな……」

太陽は空高く昇っている……もう昼頃だ。

リオル「……昼飯でもとってくるか……あのクソ店主に仕返しだ」

リオルは立ち上がると村のある方角へ歩き出した……
 ▼ 11 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:21:38 ID:CQosGVGE [11/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



リオル「な、なんだよ……これ……」


リオルは唖然としていた……


リオルの目の前に広がっていたのは先程と似たようで……似ていない、リオルの知らない村だった。

 ▼ 12 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:26:46 ID:CQosGVGE [12/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
そこにポケモンが一匹通りかかった。

リオル「お、おい! そこの!」

ポッチャマ「なぁに?」

リオル「この村はなんて名前だ?」

ポッチャマ「え? この村はレツフ村だよ! それじゃ、僕急いでるから! じゃあね!」

ポッチャマは何処かへ走っていった……

リオル「れ、レツフ村?……そんな……一瞬でこんなに変わる訳ないだろ……」

先程と全く違って見えるレツフ村は平和そうだった。

リオル「……まぁ、ここがどこであろうと飯を調達するだけだ!!」

リオルは村へと走っていった。
 ▼ 13 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:30:28 ID:CQosGVGE [13/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
食料店前……


リオル「店主は……いないな……」

リオルがいつものようにりんごを一つ盗んで逃げようとした時……背後から声がした……

?「待ちな、ぼうず」

リオル「え?」

リオルが振り返ると……いつの間にか後ろにカイリキーが立っていた。

リオル「!!(し、しまった! 俺としたことが!!)」
 ▼ 14 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:33:14 ID:CQosGVGE [14/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
カイリキー「泥棒はよくないな……」

カイリキーは素早くリオルの頭を掴んだ。

リオル「うぐ……」

カイリキーは黙ってリオルを睨みつけた……



カイリキー「……」



リオル「(な、なんだよこいつ!……いつもと違う!!)」



その時……


 ▼ 15 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:35:08 ID:CQosGVGE [15/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ぐぅぅぅ……

リオルのお腹がなった。

カイリキー「……腹が減ってるのか」

リオル「……」

リオルは目をそらした。

その時、カイリキーがリオルを掴む手を離した。

リオル「え?」

カイリキー「それは持ってけ……」

リオル「!!」
 ▼ 16 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 17:38:11 ID:CQosGVGE [16/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
カイリキー「困ってる奴はほっとけないんだ……」

リオル「え……あ……」

カイリキー「でも、もう泥棒なんてするんじゃないぞ」

カイリキーはそう言いながら店の奥に消えた……

リオル「……」

リオルが立ち尽くしていると、店の奥からカイリキーがビンを一本持ってきた。

カイリキー「おまけだ、持ってけ……」

リオル「……」

リオルはビンをひったくると森へと走り出した。
 ▼ 17 テボース@カゴのみ 16/12/12 18:14:17 ID:CrYoHU/E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 18 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 21:46:03 ID:CQosGVGE [17/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
森にて……


リオル「な、なんだ? 店の親父……なんであんなに優しくなってるんだ!?」

リオルは少し混乱しながらもとりあえず近くにあった切り株に腰掛けた。

リオル「りんごと……モーモーミルクか」

リオルは先程貰ったモーモーミルクのビンを見つめた。

リオル「……ってええ!?」

リオルは危うくビンを落としそうになった。

リオル「ちょ!? なんだよこれ!! 製造年月日がおかしいぞ!! 今日の日付より千年以上進んでるじゃん!!」

リオルはビンとりんごを地面に置くと深呼吸した……

リオル「……あの時の光……もしかして俺はタイムスリップしたのか? そんな馬鹿な……」

リオルは再びモーモーミルクのビンを見た。




リオル「でも……仮にそうだとしたらこれまでの事も全部合点がいくよな……村の事とかあの店主の事とか……」
 ▼ 19 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 21:50:12 ID:CQosGVGE [18/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
その時、どこからか聞いたことのないような不気味な音が聞こえた……

ぎゅおおおぉぉ……

リオル「な、なんだ!?」

グルルルルル……

どんどん音が近づいてくる……

リオル「な、なんなんだよ! 今日は変な事ばっかり起こりやがる!!」

ガサガサっ!!

リオルの背後の草むらが揺れた!

リオル「後ろか!?」

リオルが振り返ると……草むらから一匹のポケモンが現れた……
 ▼ 20 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 21:55:44 ID:CQosGVGE [19/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
?「は、腹減ったぁ……」

ドサッ!

謎のポケモンは倒れた……

リオルは倒れたポケモンを見た……生きてはいるようだ……

リオル「お、俺は……俺は知らねーぞ! 勝手にここでこいつが倒れただけだ!!」

リオルはりんごをかじり、モーモーミルクを飲んだ。

リオルはりんごを食べながら横目で謎のポケモンを見た……

謎のポケモンも息を荒げてこちらを見た……

謎のポケモン「はぁ……はぁ……」

リオル「俺は知らねー! なんで知らない奴のために!!」

謎のポケモン「はぁ……はぁ……」

リオル「あーもー!! わかったよ! くえよ!」

リオルは食べかけのりんごと飲みかけのモーモーミルクを謎のポケモンの前に乱暴に置いた。
 ▼ 21 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 22:13:22 ID:CQosGVGE [20/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
謎のポケモン「!!」

謎のポケモンは手を伸ばしてりんごを掴むと一瞬でりんごをたいらげ、モーモーミルクを一気飲みすると立ち上がった。

謎のポケモン「あ、ありがとう……助かったよ」

リオル「!!」

その時リオルは産まれて初めて『ありがとう』と言う言葉を聞いた気がした……

いつも誰かを困らせる彼には無縁の言葉だったからだ。

 ▼ 22 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 22:20:44 ID:CQosGVGE [21/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「いいからさっさと行っちまえよ!! これ以上食い物はないんだ!!」

リオルは謎のポケモンに背を向けて歩き出した。

謎のポケモン「ちょっと待ってくれよ!」

謎のポケモンはリオルを追いかけた。

リオル「なんだよ、ついてくるなよ!」

謎のポケモン「お礼がしたいんだ」

リオル「お礼なんていらない……」

謎のポケモン「そんなに急いでどこに行くんだ?」

リオル「!!」

リオルは立ち止まった。

リオル「(そ、そういえばそうだ……俺はどこに行けばいいんだ? もしここが本当に未来なら……俺の隠れ家も無いし……)」

謎のポケモン「困ってるんじゃないのか? 顔に出てるけど?」

謎のポケモンはリオルの顔を覗き込んだ。


リオル「…………絶対……絶対笑わずに聞いてくれよ……」
 ▼ 23 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 22:35:35 ID:CQosGVGE [22/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオルはこれまでの事を話した……






謎のポケモン「へぇ、そうなんだ」

リオル「……笑わないのか? こんな馬鹿げた話……」

謎のポケモン「いや、だってお前いいポケモンだし……そんなに真面目な顔して話してるから疑いようがないだろ?」

リオル「……」

謎のポケモン「本当、世の中変な事ばっかり起こるよな……実は俺も記憶を無くしたみたいでさ……」

リオル「……記憶喪失?」

謎のポケモン「そうそれ……記憶を失う前の俺が一体どんな仕事をしてたのか……どこに住んでたのか……なぜ命を狙われてるのか……全然わからない事だらけだ……」

リオル「え!? 命を狙われてる!?」

謎のポケモン「ああ、だいぶ前の話だけど……俺の事を『兄弟』って呼んでくる奴にかくまってもらってて……その時にそんな事を聞いたんだ……今はこれ以上迷惑かけられないからそいつの家を出ててな……もうだいぶ前の話だ……」

リオル「そうなんだ……」
 ▼ 24 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 22:40:13 ID:CQosGVGE [23/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
謎のポケモン「そいつの家を出てからはずーっとそこら辺を放浪しててな……今日は食い物にありつけなくておかげでこのざま! でもお前みたいないい奴に会えたからいっか!!」

リオル「な、なに言ってるんだよ!」

リオルは照れ隠しした。

謎のポケモン「本当、世界ってわからないよな!! 何が起こるか!」

謎のポケモンは笑っている……

リオル「笑い事じゃないんだけど……」

 ▼ 25 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 22:45:25 ID:CQosGVGE [24/26] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
謎のポケモン「そうだな……どうしようか、これから」

リオル「……俺、帰れるのかな……元の時代に……」

謎のポケモンはリオルの肩に手をおいた。

謎のポケモン「大丈夫、心配するな! 俺がお前を元の時代に帰してやるから!!」

リオル「……あてがあるのか?」

謎のポケモン「ない!」

リオル「……」

謎のポケモン「でも、お礼がしたいからさ」

リオル「変な奴だな、お前」

謎のポケモン「お前もだろ? こんなに怪しいポケモン助けたじゃん」

リオル「うるさい。それに俺はお前じゃなくてリオルって言うんだ」

謎のポケモン「へへ! そっか……俺はライチュウって言うらしいんだ……兄弟がそう言ってた」
 ▼ 26 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 22:50:21 ID:CQosGVGE [25/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リオル「ライチュウ……か」

ライチュウ「まずはその祠を探さなきゃいけないんじゃないか?」

リオル「そうだな……でもどこにあるんだろう……」

ライチュウ「二手に別れて探そう。そうしたほ方が効率がいい」

リオル「わかった」

ライチュウ「じゃあ夕方になったらまたここに集合しよう」

リオル「じゃあ、俺はこっちを探すよ」

リオルは東へ……

ライチュウ「じゃあ俺はその反対だな」

ライチュウは西へ向かってそれぞれ歩き出した……


                       続く
 ▼ 27 1◆v1GnTfaqxg 16/12/12 22:52:57 ID:CQosGVGE [26/26] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日更新分終了です。

明日は時間に余裕があったら更新します。

では
 ▼ 28 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 21:09:53 ID:Cg8ayL8g [1/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
第二話 俺と花畑





ライチュウと別れたリオルは森をさまよっていた……





リオル「なんか成り行きでこんな事になったけど……」


リオルは辺りを見渡したが……どこまでも同じような森が続いているだけだった……


リオル「道に迷った……どうしよう……」

 ▼ 29 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 21:16:59 ID:Cg8ayL8g [2/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「うわぁぁあ!! せっかく話がわかる奴に会えたのに! またふりだしだ!!」

リオルは地面に仰向けに寝転がった。

リオル「あー……もうダメだ……俺は帰れないんだ……この時代で死ぬんだ……」

空をみると鳥ポケモン達が飛んでいるのが見えた……



リオルはしばらく空を飛ぶ鳥ポケモンを見つめていた……


リオル「いや……諦めるなよ、俺」


リオルは立ち上がり、また東へ向かって歩き出した。
 ▼ 30 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 21:23:30 ID:Cg8ayL8g [3/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオルがひたすら森を東へ歩いていると……


リオル「ん? なんか広い所に出たぞ?」

リオルが辿り着いたのは……大きな花畑だった。

一面に咲き誇る花……澄んだ青空……気持ちのよい風……

リオルはあまりの美しさに声を漏らした。

リオル「……すげぇ……こんなの初めて見た……」

すると、どこからか声がした……


すごいでしょう? この花畑!


リオル「っ!? 誰だ!!」

リオルは辺りを見渡したが、リオルの周りには花しかない……
 ▼ 31 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 21:27:19 ID:Cg8ayL8g [4/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「気のせいか……?」


気のせいじゃないですよ


リオルの足元の花が動いた。

リオル「うわっ!?」

?「こんにちは! 私はシェイミ! この花畑を管理している者です!」

リオル「え? この花畑を全部!?」

シェイミ「はい! あなたみたいにこの花畑を見て喜んでくれる方を見ると嬉しくて!」

リオル「そうなんだ……あ、俺はリオルって言うんだ。よろしくな」

シェイミ「ゆっくりしていって下さいね、リオルさん!」
 ▼ 32 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 21:49:11 ID:Cg8ayL8g [5/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「あ、そうだ……この辺りの森で古びた祠を探してるんだけど……知らないか?」

シェイミ「祠ですか……すみません、私はこの花畑からあまり離れる機会が無いのでわかりません……」

リオル「そっか……」

リオルは俯いた。

シェイミ「なにか悩み事ですか?」

リオル「まぁ、そんな感じかな……」

シェイミ「よければお話聞かせてもらえませんか?」

リオルは頭をかいた……

リオル「信じてもらえるかな……」




 ▼ 33 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 21:52:49 ID:Cg8ayL8g [6/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオルはこれまでの事を話した……




シェイミ「そうだったんですか……じゃあ、頑張ってその祠を探さなきゃ」

リオル「え? 信じてくれるのか?……俺の話」

シェイミ「もちろんですよ。あなたは優しい目をしてますからきっと嘘はついていません」

リオル「えっ……」


リオルは初めてそんな事を言われたので少し恥ずかしかった。


 ▼ 34 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 22:00:22 ID:Cg8ayL8g [7/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「未来のポケモンは優しい奴ばっかりなんだな」

シェイミ「そうならいいんですけどね」

リオル「あの店のおっさんも……さっきのライチュウってポケモンもシェイミもみんな優しいし……このままこの時代で過ごすのもいいかもな……」

シェイミ「ダメですよ! そんなの!」

リオル「え? どうして?」

シェイミ「あなたのいた時代にはあなたがいなくなって悲しむ方がきっといますよ!」

リオル「そうかな? 俺、家族もいないし……イタズラばっかりして村のポケモンからも嫌われてたからな……」

シェイミ「リオルさんとこうしてお話してるとなんとなくわかります……あなたは本当は優しい心を持っているはずです……その優しさを過去の皆さんに伝えられたらきっと皆さんと仲良くなれると思います!」
 ▼ 35 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 22:12:24 ID:Cg8ayL8g [8/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「でも……どうすれば」

シェイミ「そうだ! 誰かのためになる事をしてみては? そうすればあなたの気持ちがだんだん周りの方に伝わっていくはずですよ!」

リオル「そっか……誰かのために……あっ、こんなに真剣に俺なんかの事一緒に考えてくれて……えーっと、その……あ、あり……」

その時、シェイミの体の花が開いた。

シェイミ「どういたしまして!」

リオル「え?」

シェイミ「私は誰かの感謝の気持ちを感じると体の花が開くんです! あなたが今、感謝の気持ちを持っていたから……」

リオル「なんか……うまく言えないな……感謝するって難しい……」

シェイミ「ですよね、誰かに感謝の言葉を伝える事って難しいです。でも、それができたらあなたはきっとみんなに好かれる存在になれると思いますよ」

リオル「そうかな……ふぁぁ……なんだか眠くなってきた……」

リオルは大きく欠伸をした。

シェイミ「うふふ、今日は天気もいいし、お昼寝日和ですね!」

リオル「そう……だ……な」

リオルは花畑に横になるとすぐに眠ってしまった……


 ▼ 36 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 22:17:24 ID:Cg8ayL8g [9/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告








リオル「ん?」

リオルが目を覚ますと……もう辺りは暗くなっていた……

リオル「しまった!! ライチュウとの約束!!」

リオルは立ち上がると約束の場所へ向かおうとした。

リオル「……って俺、今道に迷ってるんだったぁ!!」

その時、暗闇から声がした……


どけ!焼かれたいのか!


ど、どきませんよ!


リオル「?……誰かがもめてる?」

リオルは声のする方へ向かった……
 ▼ 37 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 22:27:20 ID:Cg8ayL8g [10/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
暗くてよく見えないが……二匹のポケモンが向かい合っているのが見えた……

リオル「何をしてるんだ?」

リオルは花畑に隠れて様子を見た。




リザードン「ムカつくんだよ! うざってぇ!」

シェイミ「だからってこの花畑を焼き払うなんてダメに決まってます!」

リザードン「っとぉしいんだよ!」

リザードンは息を大きく吸い火炎放射を放った。

シェイミ「きゃ!」

リザードンの炎で次々と花が燃えていった……

リザードン「こんな花畑なんていらねぇんだ」

シェイミ「そ、そんな……」

リオル「!」

暗闇の中、リオルは確かに見た……燃える炎がシェイミの涙を照らしていた……

 ▼ 38 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 22:44:01 ID:Cg8ayL8g [11/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
気づくとリオルは走り出していた……

リオル「うおぉぉおお!!」

リオルが飛び上がり、リザードンの後頭部を蹴り飛ばした!

がすっ!!

リオル「なにしてんだよ! この花畑……シェイミが作ったきれいな花畑!! どうしてくれんだよ!!」

リザードン「……殺されてぇのか?」

リザードンの尻尾の一振りでリオルは弾き飛ばされた!

どぎゃ!

リオル「うぐ……は」

シェイミ「リオルさん!」

シェイミはリオルのもとに駆け寄った。

シェイミ「リオルさん! しっかり!」

リオルは震えた声で言った……

リオル「ご、ごめん……俺が……俺がもっと強かったら……」

シェイミ「もういいです! 花畑なんて……また1から作れば……」
 ▼ 39 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 22:52:22 ID:Cg8ayL8g [12/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リザードン「くそぉ!くそぉ!」

リザードンはまた火炎放射を放った……

リオル「だ、だめだ……そんなの……」

シェイミ「私のせい……全部……」

リザードンはどんどん花を燃やしていく……

その時……

リオル「……?……あ、あれは」

リオルは高く登った月にポケモンの影を見た……

リオル「見覚えがある……あの影……あいつだ!」

そう、それは空高く飛び上がったライチュウの影だった。

ライチュウ「うおぉ! いけ! かみなりぃ!」

ライチュウが指さすとリザードンに大きな雷が落ちた!

バリバリバリ!!

リザードン「んぎゃあぁ!」

リザードンは花畑の中に倒れた。
 ▼ 40 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 22:57:46 ID:Cg8ayL8g [13/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「ら、ライチュウ……なんで」

ライチュウはリオルのもとへ来た。

ライチュウ「なんでって……リオルが約束の場所に来なくてぼーっとしてたら火事が起こってたから……ってそれよりこの炎をどうにかしなきゃな!」

花畑を包む炎はすごい勢いで燃えている……

シェイミ「でも……どうすれば……」

ライチュウ「まぁ任せろよ」

ライチュウは目をつむった……

リオル「何するんだ?」

ライチュウ「集中してるから……話しかけるなよ……」

リオル「あ、あぁ……」

 ▼ 41 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:03:59 ID:Cg8ayL8g [14/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
しばらくすると……花畑の周りの雲行きが怪しくなってきて……雨が降り出した。

ライチュウ「はぁ……疲れた! これで消火できるだろ?」

リオル「す、すげぇ……あまごいか……」

シェイミ「あ、ありがとうございます!」

ライチュウ「いやいや、気にしなくていいよ」

シェイミ「リオルさんもありがとうございます!」

リオル「え? 俺は……何も出来なかったし……」

シェイミ「なによりリオルさんの気持ちが嬉しかったです! それにリオルさん、かっこよかったですよ!」

ライチュウ「おいおいリオル! かっこよかったってよ! やるじゃん!」

ライチュウがリオルを小突いた。

リオル「う、うるさい!」
 ▼ 42 もリー◆woBJ.2LDUY 16/12/13 23:05:18 ID:HnSjEc62 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です
 ▼ 43 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:13:20 ID:Cg8ayL8g [15/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
そして雨もやんで……花畑を包んでいた炎も消えた……



三匹は花畑を眺めていた……

ライチュウ「でも、だいぶ燃えちゃったな……花……」

シェイミ「これくらいなら大丈夫です! まだ種はあります! それに燃えた草花も肥料になるというので……」

リオル「植物ってすごいんだな」

シェイミ「はい!」

ライチュウ「で、こいつをどうするかなって」

ライチュウは倒れているリザードンを見た。

リザードン「う、うぐ……」

リザードンは目を覚ますと起き上がった。

リザードン「っ!! お前達! 俺に勝ったからっていい気になってんじゃねぇぞ!」

ライチュウ「いちいちうるさい奴だな……」

リオル「そうだな」
 ▼ 44 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:16:32 ID:Cg8ayL8g [16/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シェイミがリザードンに近付いた……

リザードン「なんだよ! 燃やすぞ!」

シェイミ「あなたも一緒にお花畑、作ってみませんか?」

リザードン「っ!……なんで!」

ライチュウがリザードンを睨みつけた……

ライチュウ「罪滅ぼしくらいしろよ……」

リザードンはしばらく黙っていたが小さな声で言った。

リザードン「……あぁ……わかった」

 ▼ 45 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:20:07 ID:Cg8ayL8g [17/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
リオル「これで一件落着か!」

ライチュウ「だな!」

その時、朝日が昇ってきた……


シェイミ「……もう朝ですね」

リオル「結構長い間昼寝してたんだな……俺」

ライチュウ「おっ! 流れ星か!? あれ!」

ライチュウの指す先に流れ星のような何かが輝いていた……

リオル「本当だ……でも、流れ星にしては変な動きだな……」



その流れ星のような何かは朝日に向かって飛んでいった……


 ▼ 46 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:23:59 ID:Cg8ayL8g [18/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シェイミ「綺麗でしたね!」

リオル「そうだな……シェイミ、ライチュウ……ライチュウ?」

ライチュウは遠い目をしていた……

リオル「おーい! ライチュウ! どうした?」

ライチュウは小さく呟いた……

ライチュウ「……全部……全部思い出した……俺が何者かやっとわかった……」

リオル「え!?」

シェイミ「何の話です?」

リオル「ライチュウは記憶喪失だったんだ!」

 ▼ 47 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:29:03 ID:Cg8ayL8g [19/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ「俺は救助隊だったんだ……」

リオル「救助隊?」

ライチュウ「ああ……嫁の友達を助ける為に戦ってた……でも、俺は敵に捕まって……」

リオル「じゃあそのお嫁さんの友達を助けないと!」

ライチュウ「へへ、きっとさっきの流れ星がその友達だ……そっか、助かったのな……」

リオル「なんだ、助かったのか……よかった」

ライチュウ「あ……あと今ならわかるぜ……リオル、お前が探してる祠も……全部思い出した」

リオル「本当か!?」

シェイミ「やりましたね! リオルさん!」

リオル「うん!」

 ▼ 48 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:32:18 ID:Cg8ayL8g [20/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ「でも……今は眠いから……寝る」

ライチュウは花畑の中に倒れた。

ライチュウ「ぐごおおぉぉぉ……」

リオル「す、すごいいびきだな……」

シェイミ「そ、そうですね……」

すると二匹の背後から別のいびきが……

リザードン「ぐおぉぉ……」

リオル「こっちもか……」

シェイミ「今日は寝れませんね!」

リオル「だな!」

二匹は笑った。

美しい朝日が焼けた花畑を照らしていた……

                       続く
 ▼ 49 1◆v1GnTfaqxg 16/12/13 23:34:42 ID:Cg8ayL8g [21/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本日更新分終わりです。

遅くても明後日には完結させる予定です。

では
 ▼ 50 1◆v1GnTfaqxg 16/12/14 21:39:40 ID:emolpp6g [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第三話 これからの俺






朝……花畑……




リオル「おーい……ライチュウ……起きろ……」


リオルは先程からずっとライチュウを揺すっている……


シェイミ「全然起きないですね……」


リオル「はぁ……どうしようか……」
 ▼ 51 1◆v1GnTfaqxg 16/12/14 21:45:05 ID:emolpp6g [2/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ「ぐおぉぉぉ……」

ライチュウは気持ちよさそうに眠っている……

そこにリザードンが寄ってきた。

リザードン「うるせぇな……どけよ」

リザードンはライチュウの顔に火を吹きかけた。

ライチュウ「あぢゃああああ!!」

ライチュウは飛び起きた。

リザードン「これでいいだろ?」

リオル「す、少し乱暴だけど……」

シェイミ「ありがとう、リザードンさん!」

リザードン「……///」

リザードンは早足で近くの木の下に戻っていった。
 ▼ 52 1◆v1GnTfaqxg 16/12/14 21:49:52 ID:emolpp6g [3/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ「くっそ! あいつ許さねぇ!!」

ライチュウはリザードンの方へ向かおうとしたがリオルに止められた。

リオル「ライチュウがいつまでも起きないのが悪いんだろ?」

ライチュウ「あー……俺はまた寝坊したのか……」

ライチュウは頭をかいた。

リオル「それよりさ! 昨日の話聞かせてくれよ!」

ライチュウ「昨日……? あぁ、祠の話な! とりあえずその祠に連れて行ってやるよ」

リオル「わかった」

ライチュウ「っつー訳だ! シェイミ、ここでお別れだな! またな!」

ライチュウは歩き出した。

シェイミ「また遊びにきてくださいね!」

ライチュウ「おう! 次は嫁と子どもも連れてくるから! そん時はよろしくな!」

シェイミ「はい!」
 ▼ 53 1◆v1GnTfaqxg 16/12/14 21:57:03 ID:emolpp6g [4/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シェイミ「リオルさんもお元気で!」

リオル「シェイミ……」  

リオルはシェイミに近寄った……

リオル「シェイミのおかげで俺……少し変われた気がするよ……」

シェイミ「そうですか……よかった……そうだ! これをどうぞ!」

リオル「?」

シェイミはリオルの手に何かをのせた……

リオル「これは……?」

シェイミ「これはグラシデアの花の種です。リオルさんもぜひ育ててみてください! あと、これがグラシデアの花です!」

リオルは花の種とグラシデアの花を三本受け取った。

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