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甲板のベンチでリーリエが目を覚ました頃には、船はすでにカントー沖に達していた。ずっと水平線しか見えなかった景色も変わり、カントー地方の陸地が姿を見せた。
リーリエは膝の上に開けたら本をパタンと閉じてベンチを立つと、デッキの先端へ行きブルワークに手をかけ遠くを見渡した。
潮風が吹いて、結んだブロンドの髪をソッと揺らした。
何艘もの巨大なコンテナ船が港を往き交い…、よくまぁ打つからないなと感心しつつ。リーリエはアローラから随分遠くまでやってきたという実感を覚えた。
リーリエ「アローラとは全然違います…」
リーリエ「ここが…ヨウくんが育った故郷なんですね」
ジリジリ照らしつける日差しを背に、リーリエは帽子を被ってこなかったことを後悔した。
母が選んで買ってくれた、ほんの数日前までは決して手放さなかった帽子。
この日のカントー地方は全域で36℃超えの気温を記録した。
カントーはただ今、夏真っ盛りーーー。