▼  |  全表示351   | << 前100 | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【SS】 夢に向かうセレナへ

 ▼ 1 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 00:52:52 ID:f7kwrx9E NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アニポケXY&Z編の最終回、感動しました。
これまで描かれてきたストーリーを考えると、サトシとセレナにとっての、最高の別れ描写だったのではないでしょうか。

このSSは、そんなアニポケ最終回で描かれていなかった部分にスポットを当てた、“半”オリジナルのストーリーです。
最終回のサイドストーリー的なものとして見て頂ければと思います。



毎日更新は出来ませんが、よろしければお付き合いください。




 ▼ 212 ラクロス@ぼうけんノート 17/04/17 23:24:54 ID:VPGwOtEE NGネーム登録 NGID登録 報告
セレナが気になって仕方がない
 ▼ 213 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/17 23:25:01 ID:FDQD7Blw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その時、森の中から、ルイナがハルキの元に駆け寄って来た。

セレナと戦ってた はずのルイナが戻って来たってことは……、どっちの意味だ!?


 ハルキ 「ルイナか。残念だったなサトシ! せっかく有利に立ったみたいだけど、セレナは僕たちの手に……」

 ルイナ 「ゴメン! セレナ無理だった」

 ハルキ 「……は?」

 ルイナ 「あいつのポケモン強いじゃない! 何か分からないワザ撃ち込まれて……、私まで巻き込まれるところだったんだから!」

 ハルキ 「強いって……、作戦は どうしたんだよ!? 万が一不利になったら! セレナに直接 攻撃してでも勝てって言っただろ!?」

 ルイナ 「やったわよ! セレナを直接痛めつけて……、そしたらセレナのポケモンがキレて」

 サトシ 「なっ!? セレナを痛めつけるって……ルイナ! お前……、セレナに何したんだ!? セレナは無事なんだろうなぁ!?」

 ルイナ 「知らないわよそんなの! こっちは逃げるのに手いっぱいよ!」

 サトシ 「知らないって……ふざけるな! セレナは何処に……」

 ハルキ 「……畜生! この作戦は終わりだ! 撤収だ!」

 ルイナ 「……そうね」


 サトシ 「あっ……おい待て!」
 ▼ 214 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/17 23:25:40 ID:FDQD7Blw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハルキとルイナは、オレのことは もう無関係と言わんばかりに、オレに背を向けて走り出した。


当然オレは追いかける。

あの2人は許せない。

ポケモンハンターのポケモンを横取りしてネットで売り捌くなんてこと、オレは絶対に許したくない。


それに何より、セレナに手を出したようなニュアンスが聞き捨てならない。

セレナ……無事なんだろうな!?


 サトシ 「待てっ! 止まれハルキ! ルイナ!」





走っているうちに森を抜けて、視界が開けた。


景色が良い草原、小高い崖の上――。

ここは……、さっきまでセレナと一緒に居た所だ。雨が降っているせいで印象は大分違うけど。


ハルキとルイナは、その草原の一番奥、崖の手前で足を止めた。
 ▼ 215 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/17 23:28:00 ID:FDQD7Blw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ハルキ 「僕たちはね、無駄なことは嫌いなんだ。この時点で僕の計画は失敗した。よって これ以上、君と顔を合わせてる必要はない」

 サトシ 「ふざけるな! オレには負けたから逃げてるようにしか見えないぞ! 仮に負けを認めたんなら罪を償うのが筋だろ!?」

 ハルキ 「一応言っておくけど、僕は負けを認めた訳じゃない。ただ、これ以上のバトルは無駄だって言ってるんだ」

 サトシ 「なに!?」

 ハルキ 「セレナを こっち側に落とせなかった時点で、この計画は終わりだ。勘違いして貰っちゃ困るけど、僕にはまだ、戦えるポケモンが居る」

 サトシ 「だったら最後まで……」

 ハルキ 「断る。ピカチュウと君の実力を見るに、セレナを奪えなかった以上、もうバトルに価値は無い。不思議なゲッコウガをお目にかかりたかったけど、深追いは身を亡ぼすからね」

 サトシ (こいつ……、オレがゲッコウガをプニちゃんに託したことは知らなかったのか)

 ハルキ 「もう君たちの前に現れることは無いよ。僕たちは引き際を弁えてるんでね。出てこいフライゴン!」


それだけ言うと、ハルキはフライゴンを繰り出した。

オレを欺いて奇襲を掛けられると思ったけど、フライゴンはハルキとルイナを背中に乗せただけで、特に攻撃の意思は見られない。


 ハルキ 「じゃあねサトシ」

 ルイナ 「バイバーイ」

 サトシ 「おい待て! せめてセレナの居場所だけでも教えろ! ピカチュウ、“10万ボルト”だ!」

 ピカチュウ 「ぴか!」
 ▼ 216 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/17 23:28:40 ID:FDQD7Blw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
飛び立つフライゴン目がけて、ピカチュウに“10万ボルト”を指示。

このまま逃がしてたまるか。

こいつらを逃がしたら、これからもポケモンがネットで売り捌かれちまう。

こいつらを逃がしたら、セレナの居場所が分からなくなっちまう。




 ハルキ 「フライゴン“まもる”!」

 サトシ 「クッ……クソッ!」


ピカチュウの“10万ボルト”は、“まもる”によって防がれてしまった。

行き場を失った電撃が拡散され、虚しく草原に落ちてくる。


そのうちの一つが、さっきここに来るのに乗って来たセレナの自転車に直撃した。


 サトシ 「あ……」

 ピカチュウ 「ぴっ……!?」


黒焦げになった自転車に気を取られて、再び上空を見上げると、そこにはもう、ハルキとルイナの姿は無かった。
 ▼ 217 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/17 23:29:20 ID:FDQD7Blw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
逃げられたか。

あのフライゴン、恐らく逃走用だろう。

空を飛べて、スピードがあって、“まもる”を覚えてるとなれば、それくらい容易に想像が付く。


 サトシ 「……逃げられちまったな」

 ピカチュウ 「ぴか……」

 サトシ 「絶対逃がしたくなかったのに……。あいつらのせいで、不幸な想いをする野生ポケモンが居るって言うのに……!」


ハンターが捕まえたポケモンを奪い取って、それをネットで売り捌くなんて。

捕まえられたポケモンにとって、二重のショックになってしまう。

そんな酷い事、絶対に許したくなかったのに……。


 サトシ 「……そんなこと考えてる場合じゃない。セレナ!」

 ピカチュウ 「ぴかぴか!」
 ▼ 218 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/17 23:30:00 ID:FDQD7Blw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう、今はセレナのことを考えないといけない。

ルイナの言葉通りなら、セレナは怪我をしてる可能性が高い。バトルではルイナに勝てたらしいけど……。


 サトシ 「自転車……は仕方ないか。セレナを探すぞピカチュウ!」

 ピカチュウ 「ぴっか!」


もしファイアローかオンバーンが戦闘不能じゃなければ、ハルキたちを追わせていた。

けど それはもう仕方ない。諦めるしかない。

セレナの方が大事だ。

セレナを助けることが、今のオレにとっての最優先事項だ。


 サトシ 「セレナの居場所……、ジュンサーさんを呼びに行くんだから、方向的には町の方だけど……」


ルイナとバトルしてるってことは、人目に付かない、森の中に入ってるかもしれない。

とにかく、出来るだけ早くセレナを見つけないと!




 ▼ 219 マサラ人3◆etyxjFp636 17/04/17 23:41:29 ID:OUT9DicI NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
同時連載お疲れ様です。

いつも楽しみにしてます。

支援
 ▼ 220 ンダー@サメハダナイト 17/04/18 15:52:17 ID:.dMn.Bac NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 221 ガサメハダー@エレキブースター 17/04/19 14:02:23 ID:ca6WDBC2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 222 マルス@かみなりのいし 17/04/20 13:53:16 ID:.71RCjNM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こっちもしえーん!!
 ▼ 223 ルガモス@つきのいし 17/04/21 11:58:42 ID:JoeQ4svU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 224 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:17:31 ID:gJPN3aOk [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-10 】



 サトシ 「はぁっ……はぁっ……はぁっ……セレナっ! どこだセレナぁ!?」

 ピカチュウ 「ぴかぴかぁー!?」


オレとピカチュウは、セレナとルイナが向かったと思われる方向を、全力で探している。

林道を入口まで戻って見つからなかったから、そこから逸れた、森の中を。


 サトシ 「セレナ! 返事してくれセレナっ! セレナぁ!?」

 ピカチュウ 「ぴかぁー!? ぴかぴかぁー!?」

 サトシ 「くそっ! どこだよセレナぁー!?」


この雨でセレナの匂いも消えちまったから、ピカチュウの鼻に頼るのも無理だった。

しらみつぶしで探すしかない。でも、この広い森で、そんな気が遠くなるようなこと……。


 サトシ 「……ん?」
 ▼ 225 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:18:20 ID:gJPN3aOk [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふと、視界に目に入った光景に、オレは違和感を覚えた。

森の中の一部分だけ、妙に視界が開けている。そこだけ木々が無いような感じ。


 サトシ 「……あそこだ!」

 ピカチュウ 「ぴか!」


オレの直感が、そう言った。

森の中でピンポイントで木々が無い……、それは、そこで“何か”があったってこと。

木々を薙ぎ倒すほどの“何か”なんて、ポケモンバトルしかない。

セレナとルイナのバトルは、あそこで行われたに違いない!


 サトシ 「セレナっ……セレナっ!」


あんなに木々が薙ぎ倒されるほど、セレナは激しいバトルを繰り広げたってことなのか。

それに、ルイナが言ってた“セレナを痛めつける”って言葉も気になる。

まさかセレナ、そんな激しいバトルに巻き込まれたんじゃ……!?
 ▼ 226 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:19:00 ID:gJPN3aOk [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「セレナっ!?」


森の中の空間。

一点を中心に何かが破裂したかのように、まわりの木々は薙ぎ倒され、枝が落ちている。

かと言って、地面は黒ずんだりしてないし、焦げ臭い匂いも無いから、爆発では無いと分かる。


その、まさしく中心に、セレナは倒れていた。


 サトシ 「おいセレナしっかりしろ! セレナっ!」


慌ててオレは、セレナに駆け寄った。

体中 泥だらけのセレナ。綺麗なピンク色のワンピースもボロボロになっていた。


 サトシ 「セレナ! セレナっ!」


セレナの上半身を抱き上げて、オレは必死で呼びかける。

呼吸は……ある。気を失ってるだけか。


 サトシ 「セレナ! セレナ起きろっ! セレナっ!」
 ▼ 227 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:19:30 ID:gJPN3aOk [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「……んっ」


何度か呼びかけると、セレナから反応が返って来た。


 サトシ 「セレナっ……良かった!」

 セレナ 「ぁっ……サトシ……」

 サトシ 「大丈夫か? すげぇボロボロだけど……、どっか傷んだりしないか?」

 セレナ 「ぁのっ……ぇっ……んっ……///」


ゆっくり目を見開いたセレナは、辺りをゆっくり見回すような仕草を取る。

仕草を取る――って言うのは、実際に体は動かしていないから。セレナ、体が痛むのか?

そしてセレナは、黙りこくってしまった。


 サトシ 「どうした?」

 セレナ 「サトシっ……、無事、なんだよね?」

 サトシ 「ん?」

 セレナ 「私っ、サトシのこと、心配でっ……。でもっ、助け、行けなくて……」
 ▼ 228 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:20:00 ID:gJPN3aOk [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナは必死に訴えているようだった。

逆だよセレナ。

オレもセレナのこと心配で、でもハルキとバトルが終わるまで、助けに行けなくて……。


 サトシ 「なに言ってんだよ。それはオレの台詞だよ。ルイナの相手、セレナに任せっぱなしになっちゃって。それで、こんなボロボロにさせちまって……。ごめんな」

 セレナ 「んっ……そんなっ、サトシのせいじゃ、無いよ」

 サトシ 「……って言うかセレナ、具合、悪いのか!?」

 セレナ 「えっ……なんで?」

 サトシ 「なんか息が切れ切れだし、それに、動こうとしないって言うか……」


オレの腕の中で、セレナは相変わらず動こうとしない。

それに、さっきから会話が ぎこちないって言うか、途切れ途切れで息苦しそうにしている。


 セレナ 「んっ……あのっ、ルイナに……“しびれごな”、受けちゃって……」

 サトシ 「“しびれごな”!? 大丈夫なのか!?」

 セレナ 「ちょっと、息苦しっ、けどっ……大丈夫っ、かな……」
 ▼ 229 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:20:30 ID:gJPN3aOk [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
“しびれごな”を直接浴びせるなんて、ルイナの奴、いったいどんな神経してるんだよ!?

“しびれごな”を浴びたことがあるオレだから分かる。この辛さ、息苦しさを。

……まぁ、あの時はラフレシアの花の中に顔から突っ込んでゼロ距離で浴びたから、今のセレナの状況とは違うか。


 サトシ 「“痛めつける”ってそう言うことだったのか」

 セレナ 「えっ?」

 サトシ 「とにかくマヒを取らないと! ポケモンセンター……までは遠いし、木の実か何か……!?」

 ピカチュウ 「ぴか!」

 サトシ 「ピカチュウ……、探してきてくれるのか?」

 ピカチュウ 「ぴっかちゅ!」

 サトシ 「そっか、助かるぜピカチュウ。マヒに効く……クラボだっけ? 分かるか?」

 ピカチュウ 「ぴっか!」

 サトシ 「じゃあ頼んだぜ!」


ありがとなピカチュウ。

さっきのバトルで疲れてるはずなのに……、本当、ピカチュウは頼りになるぜ。

 ▼ 230 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:21:00 ID:gJPN3aOk [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
さて。

オレは少しでも、セレナを楽な状態に してあげないと。


 サトシ 「ごめんな。もっと早く駆けつけたかったんだけど……」

 セレナ 「んっ……そんなことっ」


セレナは そう言ってくれるけど、ハルキとのバトルで苦戦しちまったのは事実だ。

オレ、もっと強くならないとな。大切な仲間を守れるように、もっと、強く……。


 サトシ 「雨、止まないな」

 セレナ 「あっ、うん……」

 サトシ 「濡れるから移動しようぜ。立てるか?」

 セレナ 「立つのはっ、ちょっと……ダメ、かな……」

 サトシ 「そんなに痺れるのか?」

 セレナ 「うん……。ニンフィア、ボールに戻すのも、ちょっと厳しかったし……、立てない……あっ」

 サトシ 「どうした?」
 ▼ 231 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:21:30 ID:gJPN3aOk [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あっ……。

尋ねたと同時に、オレはセレナの言いたいことが、分かってしまった。


 サトシ 「……そっか」


懐かしい感じ。

そう、あの時と同じだ。

サマーキャンプで、セレナと初めて会った時と。

オレがセレナの足にハンカチを巻いて、立てないセレナを立ち上がらせた、あの時と――。


 セレナ 「サトシ……?」

 サトシ 「最後まで諦めちゃダメだ」

 セレナ 「ぁっ……///」

 サトシ 「……って、マヒしてるのに“諦めるな”は酷か」

 セレナ 「ふふっ」


セレナは笑ってくれた。

なら大丈夫だ。笑えるだけの力があるんなら、きっとセレナは大丈夫だ。
 ▼ 232 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:22:00 ID:gJPN3aOk [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「立って……みるか?」

 セレナ 「うん」


セレナは即答した。良かった、大丈夫なんだな。


オレは大きく頷いて応えて、セレナが立ち上がりやすい体制を作る。

セレナの右手を握って、背中を支えて……、あの時と同じように。



オレは、セレナの腕を そっと引っ張った。


つられてセレナの体が起き上がる。


ゆっくりとセレナの膝が伸びきって、セレナの顔が、オレの目線の位置まで来て――。



 セレナ 「あっ……?」


けど、麻痺してるセレナの体は、そこで制止できなかったみたいだ。
 ▼ 233 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:22:31 ID:gJPN3aOk [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「へへっ。立てたじゃん」

 セレナ 「んっ、ふふっ……///」


オレは しっかりと、セレナの体を抱きとめてあげた。

右手を握ったまま。背中に手をまわしたまま。


 セレナ 「あの時と……、同じだね」

 サトシ 「そうだな」


オレの肩に顔を埋めたまま、セレナは小さく呟いた。

本当に、あの時と同じだ。

けど違うのは、セレナがオレに抱きとめられたままだってこと。

あの時のセレナは、ちょっと驚いた感じで すぐにオレの体から離れちゃったから……、今のオレは、セレナに信頼されてるってことだよな?
 ▼ 234 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:23:20 ID:gJPN3aOk [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「ほら、そっちの木の影に行こうぜ。濡れすぎるのも良くないし」


けど、いつまでも この状態で居る訳にはいかない。

オレはセレナを促す。雨に濡れない場所に、セレナを運んであげないと。


 セレナ 「うん。でも私、歩くのダメかも……」

 サトシ 「分かってる。だから……ほら」 グイッ

 セレナ 「ふぁっ……えぇぇっ!?」


オレはセレナの背中に手をまわしたまま、もう片方は膝の下に入れで、ひょいとセレナを持ち上げた。

普通なら“おんぶ”するんだろうけど、息苦しそうなセレナの胸を圧迫しかねないし、こっちの体勢の方が正解だろう。


 セレナ 「さっ……サトシっ……///」

 サトシ 「苦しくないか?」

 セレナ 「大丈夫っ……だけどっ。そっ……良いよサトシそんなっ……重いでしょ……」

 サトシ 「なに言ってんだよ。セレナくらい軽い軽い」
 ▼ 235 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:25:00 ID:gJPN3aOk [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 サトシ 「……よし。ここなら雨に当たらないな。下ろすぞ?」

 セレナ 「ぁっ、うん……///」


大きな木の下に入って、オレはセレナを地面に下ろす。

そして、苦しくないように、木の幹に もたれ掛かるように座らせた。

オレはセレナの正面に腰を下ろす。改めて見ると、セレナ、さっきからずっと顔が赤い。もしかして、何か辛いのを我慢してるんじゃ……。


 セレナ 「サトシ……ありがとう ///」

 サトシ 「あぁ。……でもセレナ、マヒの ほか、本当に大丈夫か?」

 セレナ 「えっ?」

 サトシ 「泥だらけだし……、擦り傷とか けっこうあるぞ。痛くないか?」

 セレナ 「……うん」

 サトシ 「そっか。良かった」


それを聞いて安心した。

……けどその直後、なんとなく、セレナの表情が曇った気がした。
 ▼ 236 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:25:30 ID:gJPN3aOk [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「……なかったな」

 サトシ 「ん?」

 セレナ 「こんな格好……、サトシには、見られたくっ、なかったな……」


セレナは弱々しく言った。

こんな格好って……、泥だらけなことか? 服がボロボロなことか?


 サトシ 「なに言ってんだよ」

 セレナ 「えっ?」

 サトシ 「セレナ、ルイナに勝ったんだろ?」

 セレナ 「あっ……うん。ヤンチャムと、テールナーと、ニンフィア……。みんな、頑張ってくれて」

 サトシ 「セレナ、ルイナのポケモンから直接攻撃を受けてさ。それでも勝ったんだろ?」

 セレナ 「うん……」

 サトシ 「だったら、セレナの その格好は、勲章みたいなもんじゃん。テールナーたちと一緒に戦ったさ」
 ▼ 237 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:26:00 ID:gJPN3aOk [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「勲章……」

 サトシ 「セレナはさ、バトルが苦手なのに、ルイナに勝ったんだよ。直接攻撃を受けたのに勝ったんだよ。それってオレ、凄ぇことだと思う!」

 セレナ 「サトシ……」

 サトシ 「確かに……ワンピースとか、綺麗なピンクが台無しだけどさ。でもそれは、全力で戦った証じゃん」

 セレナ 「うん……」

 サトシ 「セレナは見られるのが嫌かもしれなけど、恥ずかしがることなんて無いよ。むしろオレ、そういう頑張った姿って好きだぜ?」

 セレナ 「ふぇっ……!?」


オレにとって、ボロボロな容姿ってのは、関係ない。

むしろ、女の子なのに、そういうこと気にしないで、ポケモンのために動けるのって、本当に凄いと思う。

初めてポケビジョンを撮った時、セレナ、泥だらけになりながらフォッコを助けたっけ。

あの時と一緒だ。セレナはポケモンのために一生懸命になれる、本当に良い女の子だ。


 セレナ 「ぁっ……サトシっ……///」
 ▼ 238 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/22 00:26:30 ID:gJPN3aOk [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナは また、顔を赤くした。

恥ずかしがることないのに。

確かに泥だらけな格好は女の子にとって恥ずかしいかもしれないけど、オレは全然気にしないんだから。

だからセレナ、安心して良いんだぜ?


 セレナ 「さっ……サトシっ……」

 サトシ 「どうした?」

 セレナ 「そのっ、ありがとっ……///」

 サトシ 「ん? あぁ」

 セレナ 「私っ、私もっ、そのっ……サトシのことっ……!」









 ピカチュウ 「ぴかぴ〜!」

 ▼ 239 ルビル@きんのおうかん 17/04/22 00:28:19 ID:E1haKWNA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こっちも支援だZ!
 ▼ 240 ラカラ@ベリブのみ 17/04/22 14:05:08 ID:hHbM17Hc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!!
 ▼ 241 ュウ@つららのプレート 17/04/23 02:38:17 ID:A5XB.QEM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シエンネ
 ▼ 242 ュリネ@ミュウツナイトY 17/04/23 16:52:02 ID:M2U5Xhrk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 243 ラエッテ@ありふれたいし 17/04/23 20:56:33 ID:zI6BjH/s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 244 ミラミ@トライパス 17/04/24 17:09:58 ID:I4uDI6mY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シ〜エ〜ン
 ▼ 245 ガニウム@エルレイドナイト 17/04/26 15:11:50 ID:OyfRbnlc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援センター
 ▼ 246 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:15:00 ID:cWJBCVpo [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「ピカチュウ!」

 セレナ 「ぁっ……」


ピカチュウが戻って来た。随分早かったな。

それだけピカチュウも必死にクラボを探してくれたってことか。ピカチュウも心配だもんな、セレナの体。


 サトシ 「サンキュー、ピカチュウ!」

 セレナ 「んっ、ありがとっ……ピカチュウ」

 ピカチュウ 「ぴかぴかぁ〜」


オレはピカチュウが咥えていたクラボを受け取って、一応、服の裾で拭う。

これで……。


 サトシ 「ほらセレナ、口、開けろよ」

 セレナ 「えっ……?」
 ▼ 247 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:16:40 ID:cWJBCVpo [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナ、体が痺れてるってことは、自分で食べるのは難しいはずだ。

オレはクラボを摘まんで、セレナの口元に差し出した。


 サトシ 「ほら!」

 セレナ 「んっ、あーん……///」


セレナは少し赤くなって、口を開けた。

他人から食べさせて貰うのは恥ずかしいかもしれないけど、今は そんなこと考えてる場合じゃない。

オレはセレナの口に、赤い小さな実を そっと入れた。


 セレナ 「っ……辛ぃっ」

 サトシ 「ははっ。でもマトマよりマシだろ?」

 セレナ 「うん。うぅ……」

 サトシ 「これでマヒは大丈夫だな。雨宿りも兼ねて、ちょっと休もうぜ」

 セレナ 「うん、ありがとっ……サトシ」

 ▼ 248 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:17:40 ID:cWJBCVpo [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


それから少しずつ、セレナの顔色が良くなって来た。

苦しそうな仕草も見せなくなったから、オレはセレナに、さっきのハルキとのバトルを話してあげた。


ミロカロスとツンベアーが織り成すハルキの作戦に、ちょっと苦戦しちまったこと。

ツンベアーの予想外の素早さに翻弄されたこと。

それでも自分の作戦を過信していたハルキに、オレとピカチュウは打ち勝ったこと。


自慢話に聞こえちまうかもしれないけど、それでもセレナは、オレのバトルの話を楽しそうに聞いてくれた。


 セレナ 「やっぱりサトシは凄いね。フィールドを味方にしちゃうバトル」


そしてセレナは、いつもオレを褒めてくれる。

思いついた戦略が成功するかは賭け、勝てたのは結果論のはずなのに、セレナは いつも、オレのバトルを“凄い”と言ってくれる。

慢心は いけないことだけど、セレナの言葉はオレの自信にも繋がる。あぁ、オレの戦略、間違ってないんだなって。


セレナと話してると、なんだか すげぇ楽しいんだよな、オレ。
 ▼ 249 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:18:00 ID:cWJBCVpo [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「……セレナ、普通に喋れるようになってきたな」


そしてオレは、セレナの顔色が完全に普段通りに戻ったのと同時に、会話の違和感も無くなったことに気付いた。

クラボが効いてきたってことか。

普通に喋れるんなら、オレは聞いてみたい。セレナが どんなバトルを繰り広げて、ルイナに勝利したかを。


 セレナ 「うん。息苦しさも無いし、体は まだちょっとピリピリするけど、だいぶ楽になったよ」

 サトシ 「良かった。じゃあ完全回復まで もう少しだな。聞かせてくれよ、セレナのバトルも」

 セレナ 「えぇ。サトシみたいにバトル慣れしてないから、あんまり面白くないかもしれないけど……」

 サトシ 「そんなの関係ないぜ。オレ、セレナがバトルしてるところって、あんまり見てこなかったし、セレナの素のバトルが知りたいんだ」

 セレナ 「ふふっ。最初はね、ドンカラスが相手だったんだけど……」


セレナは、とっても活き活きと、自分のバトルを語ってくれた。

バトル的な説明は所々ぎこちなかったけど、テールナー、ヤンチャム、ニンフィアが、どれだけ頑張ったかは、十分に伝わって来た。

きっとセレナも、結果は どうあれ、バトルに勝てて嬉しいんだろうな。



……そして話は、佳境に突入する。
 ▼ 250 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:19:30 ID:cWJBCVpo [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「……そのタイミングで、私、“しびれごな”を吸っちゃったんだ」

 サトシ 「どうかしてるぜルイナの奴!」

 セレナ 「ニンフィアすっごく心配してくれたんだけど、そのせいで、“ヘドロばくだん”を受けちゃって……」

 サトシ 「あぁ……、フェアリーに毒は効果抜群だからなぁ」

 セレナ 「ニンフィアが倒れちゃってね、ホントなら私、そこで負けてたんだ」

 サトシ 「“ホントなら”?」

 セレナ 「うん。ルイナはね、サトシとハルキのバトルが有利になるように、私を人質にしようとしたの」

 サトシ 「オレもそれ、ハルキから聞かされたよ」

 セレナ 「それでね――、ルイナは私を大人しくさせようとしたのかな。私、“エナジーボール”も喰らっちゃったんだ……」

 サトシ 「“エナジーボール”って……そんなことまでされたのかよセレナ!?」

 セレナ 「うん。それに吹き飛ばされて、こんな……泥だらけになっちゃったんだ」

 サトシ 「……クソッ! そんなことまでされて……、ごめんな。ハルキとルイナに逃げられちまって」

 セレナ 「ううん! そんなの大丈夫だよ」

 サトシ 「でもオレ……やっぱり許せない。ポケモンをネットで売り捌くのも そうだけど、セレナが直接攻撃を受けて、あいつら何も咎められないってのが、どうしても許せないんだ」

 セレナ 「優しいね、サトシ」

 サトシ 「セレナは大切な仲間なんだ。当たり前だろ?」
 ▼ 251 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:20:20 ID:cWJBCVpo [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナは“しびれごな”だけじゃなく、“エナジーボール”まで喰らっていた……。

本当に、ルイナの行動が信じられない。ハルキの計画が信じられない。

人間に直接攻撃するなんて、まったくその神経が理解できない。しかも、女の子であるセレナに向かって……。


オレはハルキとルイナを逃がしちまったことが、悔しくて仕方ない。

セレナに きちんと謝らせて、罪を償わせたかったのに。


攻撃が よほど辛かったのか、セレナは少しだけ、黙り込んでしまった。


 サトシ 「……どうした? 大丈夫か?」

 セレナ 「うん。……それでね、ルイナが私にトドメを刺そうって時に、ニンフィアが、立ち上がったんだ」


セレナは その時のことを、力を込めてと語ってくれた。

もう体力の限界だったはずのニンフィアが、雄叫びと共に立ち上がって、大きな“星”を打ち出す。

その一撃で、ルイナのロズレイドは戦闘不能になったらしい。それだけ強力な“星”……。
 ▼ 252 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:21:00 ID:cWJBCVpo [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「“星”って……、“スピードスター”か?」

 セレナ 「ううん。絶対に違う。なんて言うんだろう……、もっと、ニンフィアの気持ちの結晶って言うか、とにかく凄かったの」

 サトシ 「そっか。オレも見てみたかったな」

 セレナ 「うん。凄かったんだから、ニンフィア。とっても格好良かった。あれ、何だったんだろうな……」

 サトシ 「調べてみるか?」


オレも、ニンフィアが繰り出した“星”に興味がある。

それが強化された“スピードスター”なのか、はたまた別の違ったワザなのか。


ポケモン図鑑を取り出して、ニンフィアを検索する。

そして、ニンフィアのワザ一覧画面を呼び出して、セレナの隣に移動した。


 セレナ 「ぁっ」

 サトシ 「これがニンフィアのワザ一覧のページだけど、見えるか?」

 セレナ 「うん……///」

 サトシ 「この中で、その“星”っぽいワザは……」
 ▼ 253 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:21:40 ID:cWJBCVpo [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「……これか?」

 セレナ 「“とっておき”?」


らしきワザは、これしか考えられなかった。


“とっておき”――。

大切なものを守るため、全力で相手に攻撃する、とっておきのワザ。覚えている他のワザを全て使っていないと失敗する――。

図鑑には、そう書かれていた。


 【注】 実際とは異なります。


 サトシ 「“星”がどうとは書いてないけど、これで間違いないと思うぜ」

 セレナ 「“とっておき”……」

 サトシ 「“大切なものを守るため”――、セレナとニンフィアが信頼し合ってたから、出せたワザなんじゃないかな?」

 セレナ 「ニンフィア……」
 ▼ 254 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:22:23 ID:cWJBCVpo [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナとニンフィアの信頼関係なら、超強力な“とっておき”を繰り出せたことも頷ける。

お互いを守ろうって想いが、お互いを強くしたってことなのかな。


 セレナ 「ありがとう、ニンフィア。私、嬉しいよ……」


ニンフィアのボールを撫でながら、セレナは優しく呟いた。

きっとその想い、ニンフィアに届いてると思う。セレナの優しさ、きっとみんな、噛みしめてると思う。


 サトシ 「へへっ、やっぱり良いコンビだな、セレナとニンフィア」

 セレナ 「ありがとうサトシ。でも、テールナーとヤンチャムだって、私の大切なパートナーよ」

 サトシ 「あぁ!」

 ピカチュウ 「ぴかぴっか」



やっぱりセレナは強い。

それはバトルじゃなくて、精神面での強さ。

オレも見習わないと。オレもセレナみたいに、もっともっと、強くならないとな!

 ▼ 255 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:23:00 ID:cWJBCVpo [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「……ちょっと小降りになってきたな」

 セレナ 「あ、うん。この様子だと、雨、なかなか止みそうにないね」

 サトシ 「どうする? 小降りのうちに帰った方が良いか?」

 セレナ 「う〜ん……、そうだね。待ってても止む保証は無いし」

 サトシ 「じゃあ帰るか。みんなをポケモンセンターに連れて行かないとな」

 セレナ 「うん」

 サトシ 「じゃあ……ほら」

 セレナ 「ぁっ……///」


帰るにしても、セレナは完全に回復した訳じゃない。まだ痺れが抜け切れてないかもしれないし、オレがサポートしてあげないと。

オレは手を差し出して、セレナの手を握る。

そして、優しく引き起こした。今度は無事に立ち上がれた。


 セレナ 「ありがとう」

 サトシ 「体、大丈夫か?」

 セレナ 「うん。ほとんど痺れは取れたし、これもピカチュウのお陰よ?」

 ピカチュウ 「ぴぃか」
 ▼ 256 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:24:01 ID:cWJBCVpo [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「でも無理しちゃダメだぜ?」

 セレナ 「えっ?」


オレは、セレナの手を放さない。放しちゃ いけない気がしたから。


 サトシ 「このまま行こうぜ。辛くなったら、いつでもオレに体重かけて良いからな」

 セレナ 「ぁっ……うん!」


こうしてれば、万が一 ふらついても、セレナを支えてあげることが出来る。

本人は大丈夫って言ってるけど、オレがセレナを、最後まで守ってあげないとな!




 サトシ 「あっ……とそうだ! セレナごめん! 自転車、壊しちまったんだ」

 ピカチュウ 「ぴか……」

 セレナ 「自転車……いいのいいの。ずっと乗ってなかった古いやつだし、気にしないで」

 サトシ 「そうか?」

 セレナ 「うん。それに……」
 ▼ 257 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/04/29 00:24:28 ID:cWJBCVpo [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「それに?」

 セレナ 「ううん、なんでもない」 ギュッ


セレナは そう言うと、オレの手を握り返してくれた。

そして、ほんの少しだけ、オレの傍に寄り添ってくれた。


 セレナ 「行こ、ポケモンセンター」

 サトシ 「あぁ!」



果たしてセレナが何を言いかけたのか、オレには分からないし、“なんでもない”って言ってる以上、聞きだすことでもない。

でもセレナの反応を見るに、決して悪いことじゃないと思う。むしろ、何故か喜んでるような……?


まぁ、喜んでるんなら結果オーライだよなっ。


オレとセレナは、小雨の降る しっとりとした森の中を、ポケモンセンターに向けて歩き出した。





 ▼ 258 ルケニオン@きれいなハネ 17/04/29 00:25:00 ID:/FdWYotU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 259 ンタロス@ゴッドストーン 17/04/29 00:26:13 ID:ZLo2fMvU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 260 ノプス@アイスメモリ 17/04/29 15:14:15 ID:YB5z4zjM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こっちも支援!
 ▼ 261 ォッコ@ファイヤーメモリ 17/04/29 17:44:01 ID:gl6QwbEQ NGネーム登録 NGID登録 報告
へへっ、勃てたじゃん!
支援
 ▼ 262 ルーラ@ポケモンのふえ 17/05/01 10:12:23 ID:YrXJLL8E NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 263 エンジシ@ドラゴンメモリ 17/05/03 16:24:03 ID:BcpZskIA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 264 ンリュウ@とつげきチョッキ 17/05/06 08:34:05 ID:tD.PKQA2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 265 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/08 23:48:45 ID:3Yf6NBRA [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-11 】


あの後――。

ポケモンセンターに着いたオレたちは、ピカチュウたちを回復に預けた。

そして、セレナが“しびれごな”と“エナジーボール”を受けたことをジョーイさんに伝えると、念のため検査入院することになった。

オレとしては その方が安心だし、検査入院と言っても1日泊まって様子を見るだけらしいから、特に心配するようなことじゃ無いらしい。


セレナは すぐに病室に移動してしまったので、オレは普通にポケモンセンターに泊まることにした。

流石に誰も居ないセレナの家に泊まる訳にはいかないし、翌日すぐにセレナと合流するには、これが一番だった。



翌日、オレたちは、ジュンサーさんの取り調べに付き合うことになる。

セレナがルイナのポケモンから直接攻撃を受けたことを、ジョーイさんがジュンサーさんに通報したからだ。

捜査への協力は惜しまないけど……、もうすぐセレナと お別れになる貴重な時間を割くのは、正直あんまり良い気は しなかった。


その取り調べに半日以上かかって、日が傾き始めた頃、ようやくオレたちは解放された。

まぁ、どのみちハルキとルイナのことはジュンサーさんに知らせなきゃいけなかったから、仕方ないと言えば仕方ないか。
 ▼ 266 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/08 23:49:16 ID:3Yf6NBRA [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「もう こんな時間か〜」

 セレナ 「せっかくアサメに来たのに、こんなことになっちゃうなんてなぁ……」

 サトシ 「仕方ないさ。これでハルキとルイナも指名手配されるんだし、ポケモンたちのことを考えれば無駄にはならないよ」

 セレナ 「うん……そうだよね」


1日経ったけど、やっぱりハルキとルイナのことは許せない。

きっとこれからも、ハンターが捕まえたポケモンを横取りするって言う最低な行為を繰り返すと思う。

指名手配されることで、少しでも そんな被害が減ってくれれば良いけどな。


 サトシ 「サキさん、もう帰ってるよな」

 セレナ 「そうね。じゃあ早く帰ろうよ。もともとは、ママがサトシに お礼したいって話だったんだから」

 サトシ 「そうだったな。けどセレナ、体の方、ホントにもう大丈夫なんだよな?」

 セレナ 「うん。痺れも完全に取れたし、“エナジーボール”の痛みも、もう感じないし」

 サトシ 「そっか。良かった」

 セレナ 「ありがとうサトシ、心配してくれて。ピカチュウもね」

 サトシ 「あぁ」

 ピカチュウ 「ぴっか」
 ▼ 267 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/08 23:50:01 ID:3Yf6NBRA [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナの家に着いた時には、もう18時をまわっていた。

玄関を入ってすぐに感じる、美味そうな匂い。サキさん、夕飯 作ってくれてたみたいだ。


 サキ 「おかえりなさい。それに、いらっしゃい、サトシ君」

 セレナ 「ただいま、ママ」

 サトシ 「お邪魔します!」

 サキ 「あら? 珍しいわね。セレナがその服を着るの」

 セレナ 「あっ……うん、まぁね」

 サキ 「……ふふっ。お夕飯の準備できてるわよ。手を洗ってらっしゃい」

 セレナ 「はーい。サトシ、こっちよ」

 サトシ 「あぁ。オレもう腹ペコペコだよ〜」

 セレナ 「ふふっ。そう言えば、お昼ご飯ちゃんと食べなかったもんね」



そしてすぐに始まった夕食。サキさんの料理は どれも美味しくて、会話が弾む。

これまでの旅の話で盛り上がりながら、夕食の ひとときは、あっという間に過ぎ去った。
 ▼ 268 ータクン@パークボール 17/05/09 00:12:06 ID:9R6uofUM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 269 ヌギダマ@GBプレイヤー 17/05/09 07:36:00 ID:MvR9keAQ NGネーム登録 NGID登録 報告
こっちも支援!
 ▼ 270 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:29:40 ID:fZ7XG6U2 [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


夕食後、セレナのポフレ(人間用)を食べながらの お茶が済んだところで、サキさんが風呂を入れてくれた。


 サキ 「お風呂入ったから、セレナ、先に入って来なさい」

 セレナ 「え? そういうのは お客さんのサトシからだよ」

 サトシ 「あ、いやオレは後でも全然いいけど」

 サキ 「なに言ってるの。セレナが先に入っておかないと、サトシ君が お風呂から出た後に退屈しちゃうでしょ?」

 セレナ 「あっ……そっか。じゃあ、悪いけど先に入るわね」

 サトシ 「あぁ」

 セレナ 「……ママ、サトシに変なこと言わないでよ?」

 サキ 「なによ変なことって」


セレナは2階に上がって行った。

多分、自分の部屋から着替えを持ってきて風呂に入るんだろう。


リビングに残ったのは、オレとサキさん、それにピカチュウだけ。
 ▼ 271 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:30:20 ID:fZ7XG6U2 [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 サキ 「改めてサトシ君。今までセレナと一緒に旅してくれて、本当にありがとう」

 サトシ 「いえ。元はと言えば、オレの方からセレナを旅に誘ったんですし」

 サキ 「そうみたいね。あの子、普段は男の子と遊んだりしなかったから驚いちゃったわ」

 サトシ 「そうだったんですか。あ、でもオレ、昔セレナと会ってたので、一応、知り合いみたいなものだったんです」

 サキ 「あらそうなの?」

 サトシ 「はい。オーキド博士のサマーキャンプの時に……」

 サキ 「サマーキャンプ……」

 サトシ 「その時に、怪我したセレナをオレが助けたみたいで。セレナに言われるまで、ずっと忘れてたんですけどね」

 サキ 「そう言えばセレナ、帰りの飛行機の中で“カッコいい男の子に助けて貰った”って言ってたの。サトシ君のことだったのね」

 サトシ 「多分そうです。あの後オレ、すぐ森に戻っちゃったから、セレナと話したのは それっきりで」

 サキ 「そうだったんだ〜。あの時のセレナ、ずっと泣いてたから、飛行機で聞くまで、何があったのか知らなかったの。サトシ君には、なんだか色々とお世話になったったみたいね」

 サトシ 「いやぁ、でもセレナと また会えるなんて、思ってもいませんでした」
 ▼ 272 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:31:00 ID:fZ7XG6U2 [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サキ 「ふふっ。きっとセレナも思ってるでしょうね。どう? 旅の途中、セレナが迷惑かけたりしなかった?」

 サトシ 「そんな全然! セレナすっごい気が利くし、ポフレや料理は上手いし、バトルのヒントとか、色々教えて貰ったし。な、ピカチュウ?」

 ピカチュウ 「ぴかぴっか」

 サキ 「良かった。セレナって飽きっぽい性格だから心配してたの。旅の経験だって無いのに、いきなりサトシ君たちと一緒に行くって言いだすんだから……」

 サトシ 「でも、少なくともオレ、セレナが“飽きっぽい”って感じたこと、一度もありませんでしたよ?」

 サキ 「そう?」

 サトシ 「はい。最初の頃は、これから行く街の面白い情報を調べてくれたりで、本当に旅を楽しんでる感じで。でも途中の……、サマーキャンプくらいから、自分に夢が無いことを焦ってたみたいで」

 サキ 「そっか……。そんなに早くから、セレナ、自分の夢のこと考えてたのね」

 サトシ 「でもセレナ、ちゃんと夢を見つけられたんです。サキさんも見てましたよね、セレナの晴れ姿」

 サキ 「えぇ。メェール牧場で“ポケモンパフォーマーになりたい”って聞いた時は、ここまで立派になるとは思ってなかったわ。あんな失敗もしたのに……」

 サトシ 「……ヒヨクシティのポカロンのことですか?」

 サキ 「えぇ。初めてのステージで、あんな大失敗しちゃって……、立ち直れないんじゃないかって心配したもの」

 サトシ 「セレナは強いですよ」
 ▼ 273 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:31:30 ID:fZ7XG6U2 [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サキ 「えっ?」

 サトシ 「セレナは強いです。だってセレナあの時、オレたちに辛そうな顔、全然 見せなかったんです。それって凄いことだなって」

 サキ 「サトシ君……」

 サトシ 「オレ、ウルップさんに負けて悩んでた時、セレナに当たっちゃったんです。でもセレナは全然そんなこと無くて、負けをバネにして、もっともっと頑張ろうって。……オレ、セレナの強さは見習わなくちゃって思ってるんです」

 サキ 「そうだったの……」

 サトシ 「オレがこんなこと言うのもアレですけど、セレナはサキさんが思ってる以上に頑張ってます。セレナ、この旅で すげぇ成長したんですよ」

 ピカチュウ 「ぴぃっかちゅぅ」

 サキ 「……ふふっ」

 サトシ 「サキさん?」

 サキ 「セレナの一番近くに居てくれたサトシ君が言うんだもの。間違いないわよね」

 サトシ 「あっ……はい!」

 サキ 「分かってるわ。セレナが成長したってこと。マスタークラスの“やり切った感”もそうだし、復興のステージも、すっごく活き活きしてたし」

 サトシ 「あのステージ、セレナが提案したんです。自分も誰かの役に立ちたいって」

 サキ 「そうみたいね。……セレナがこんなに成長できたの、きっとサトシ君の お陰よ」
 ▼ 274 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:32:00 ID:fZ7XG6U2 [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「いえ、オレは何にも」

 サキ 「ううん。セレナが旅に出たの、きっとサトシ君に会いたかったからよ。セレナが旅に出るキッカケ……、セレナが成長するキッカケを作ってくれたのは、サトシ君に他ないわ」

 サトシ 「オレに会いたかったから……?」

 サキ 「だってセレナ、あのサマーキャンプの後ね、ことあるごとに、サトシ君のハンカチを眺めてたの。サトシ君に助けて貰ったこと、よっぽど嬉しかったみたいね」

 サトシ 「そっか……。なのにオレ、セレナに言われるまで そのこと忘れてて……。セレナに悪いことしちゃいましたね」

 サキ 「いいのよ。こうしてサトシ君たちと旅できて、色んなことを学べて、それに、自分の夢も見つけて。全部サトシ君の お陰だわ。本当にありがとう。セレナを旅に誘ってくれて」

 サトシ 「へへっ。オレの方こそ、セレナと旅できて良かったです。オレだってセレナから、色んなことを学びました」

 サキ 「そう言って貰えると私も鼻が高いわ」

 サトシ 「正直オレ、名残惜しいんです。一緒に旅してきたみんな――、セレナ、シトロン、ユリーカと別れるの。前向きな気持ちにならなくちゃいけないのに」

 サキ 「それはきっと、みんな同じよ。そのこと、是非セレナにも言ってあげて。きっと喜ぶわ」

 サトシ 「……はい!」

 ピカチュウ 「ぴっか!」

 サキ 「ふふっ。幸せね、セレナは」

 ▼ 275 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:32:30 ID:fZ7XG6U2 [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 セレナ 「お待たせサトシ。お風呂あいたわよ」


セレナが風呂から出てきた。

いつものピンク色のパジャマに、バスタオルを首から下げている。


 サキ 「サトシ君のタオル、お風呂の脇に用意してあるから使ってね」

 サトシ 「あっ、はい。ありがとうございます」

 セレナ 「ゆっくり入って来てね」

 サトシ 「あぁ、サンキュー。行くぞピカチュウ」

 ピカチュウ 「ぴかぴか」


オレはセレナと入れ替わりで、風呂に向かった。


廊下を挟んだ扉の向こうにある風呂の入口の脇には、青いタオルが綺麗に畳んで置かれていた。

オレは着替えを確認して、風呂の扉を開けた。
 ▼ 276 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:33:00 ID:fZ7XG6U2 [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 サトシ 「ふぅ……」

 ピカチュウ 「ぴかぁ〜」


セレナの家の風呂は、そこそこ広かった。

体をシャワーで流してから、ゆっくりと湯に浸かる。

ポケモンセンターのユニットバスとは比べ物にならない――、足を伸ばして浸かれる広さがあると、体も気持ちもゆったりできる。


 サトシ (オレに会うために旅に出た――、か)


サキさんは、そう言った。

セレナは あのサマーキャンプの後も、ずっとオレのことを覚えててくれていた。

なのにオレ、セレナを助けたことなんて すっかり忘れてて……、そう言えば、セレナのこと覚えてないって謝った時、セレナ、けっこうガッカリしてたっけ。

それでもって、セレナのこと思いだした時は、すげぇ嬉しそうな顔してたっけ。
 ▼ 277 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/12 00:33:33 ID:fZ7XG6U2 [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「考えてみると、奇跡的な再会だよなぁ」

 ピカチュウ 「ぴか?」

 サトシ 「ん? オレとセレナって、お前と会う前に知り合ってたんだぜ。特別 仲が良い奴で そういう関係って、他にシゲルくらいしか居ないよな〜」

 ピカチュウ 「ぴぃっか」

 サトシ 「なんだろう。オレ、そんな深く考えないでセレナを旅に誘ったけど、頭の中のどっかで、セレナの記憶があったのかもなぁ」


そんなことを考えると、何故だか もうすぐ訪れる別れが辛くなってくる。

お互い夢に向かって歩き出すんだから、前向きに、明るい別れにしなくちゃいけないのに。


 サトシ (気持ちの整理、付けないとな……)


オレはバシャッと顔を洗う。

こんなこと考えるの、オレらしくない。今までの旅だって、いつも前向きに終わってたじゃんか。


 サトシ (最後の最後まで、この時間を大切にしないとな……)


 ▼ 278 レザード@じめんのジュエル 17/05/12 07:52:12 ID:V2pCi.WE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 279 ース@フラットコール 17/05/12 19:37:22 ID:ZEUgE/D6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 280 ッコウガ@ガブリアスナイト 17/05/14 00:11:39 ID:A47wdYds NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 281 エルオー@きあいのハチマキ 17/05/20 07:35:25 ID:xrd9I6jE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 282 ドキング@ミストシード 17/05/20 23:59:26 ID:1lg41DoY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(°∀° シエン)
 ▼ 283 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/22 23:30:10 ID:p9yD8rgA [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-12 】



 サキ 「サトシ君もセレナも、そろそろ寝た方が良いんじゃない?」


風呂から上がってリビングで寛いでいると、サキさんが言った。


 セレナ 「あっ……もう こんな時間なんだ」

 サトシ 「ホントだ。ピカチュウ寝ちまってるし、オレたちも そろそろ寝るか」

 ピカチュウ 「zzz...」

 セレナ 「うん。明日も早いもんね」

 サキ 「サトシ君の部屋、用意してあるからね。セレナ、2階の奥の部屋、案内してあげて」

 セレナ 「うん。行こうサトシ。おやすみママ」

 サトシ 「ありがとうございます。おやすみなさい」

 サキ 「おやすみなさい。ゆっくり休んでね」
 ▼ 284 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/22 23:30:40 ID:p9yD8rgA [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナに案内されて、2階に上がる。

廊下には3つの扉があって、うち1つがセレナの部屋だろう。


 セレナ 「向こうがサトシの部屋よ」

 サトシ 「サンキュー。じゃあセレナ、おやすみ」


オレの部屋は右奥の扉らしい。

眠っているピカチュウを起こさないように、静かに部屋に向かおうとすると、セレナがオレを呼び止めた。


 セレナ 「……待って」

 サトシ 「どうした?」


セレナは自分の部屋の前で立ち止まったまま、なんだかモジモジしている。


 セレナ 「あっ……えっと、もし良かったらそのっ……、もう少しだけ、一緒に話さない?」


そして、意を決したかのように口にした。

なんだ、一緒に話すくらい、全然オッケーなのに。
 ▼ 285 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/22 23:31:20 ID:p9yD8rgA [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「あぁ良いぜ。でもピカチュウ起こすの可哀想だから寝かせて来るよ。話すのセレナの部屋で良いか?」

 セレナ 「ぁっ……うん」



オレは用意された部屋に入る。

客間なのか、家具は ほとんど置かれていない。

ベッドにはシーツと掛布団が綺麗に敷かれていて、オレはピカチュウを、その中央より少し隅に寝かせた。


 サトシ 「ゆっくり休んでろよ、ピカチュウ」

 ピカチュウ 「zzz...」 (サトシも ゆっくりね ☆)






部屋の電気を消して廊下に出ると、セレナが自分の部屋の戸を開けて待っていた。

少し恥ずかしそうな表情を見せるセレナは、笑顔で手招きしてくれている。


 サトシ 「お邪魔するぜ」

 セレナ 「うん」
 ▼ 286 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/22 23:32:00 ID:p9yD8rgA [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 サトシ 「へぇ〜これがセレナの部屋か」


セレナの部屋は、とても女の子らしい部屋だった。

今までの旅でもセレナの“女の子らしさ”は実感してたから、ある意味、想像通りの部屋ってことになる。

ピンク色の絨毯とカーテン、壁紙もピンク系。モンスターボール型のミニテーブルと勉強机。大きな鏡もまた、お洒落好きなセレナらしいアイテムだ。


 サトシ 「おっ、フシギダネ!」


そしてベッドには、バチュルとフシギダネの ぬいぐるみが置かれていた。


 セレナ 「フシギダネって、カントー地方の初心者ポケモンよね」

 サトシ 「あぁ。オレ野生のフシギダネをゲットしててさ、オーキド博士の研究所に居るんだ。元気してるかな〜」

 セレナ 「ふふっ。いつかサトシのポケモンみんなに会ってみたいな。……あ、座ってサトシ」

 サトシ 「おぉ」
 ▼ 287 タドガス@しろいハーブ 17/05/23 07:00:51 ID:QKjXCh.6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援!
 ▼ 288 マゲタケ@こだわりスカーフ 17/05/23 07:44:27 ID:gp6cfoi. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 289 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/24 21:32:10 ID:zieruN.Y [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
絨毯に腰を下ろして、改めてセレナの部屋を見回してみる。

綺麗に整理整頓されてるけど、セレナは今までオレたちと旅してたんだから、サキさんが ちゃんと掃除してくれてた証拠だ。

ドア横の大きめの扉はクローゼットかな。きっとセレナ、色んな洋服を持ってるんだろうな。


 サトシ 「綺麗な部屋だな」

 セレナ 「あっ、うん、ありがとう。そのっ……、初めてなんだ、男の子、私の部屋に招待するの……///」

 サトシ 「そうだったのか。サンキューな」

 セレナ 「うん。サトシだけは特別っ」


オレだけ特別……、確かに、あんまり親しくない相手は自分の部屋に入れたくないもんな。

オレ、ちゃんとセレナから信頼されてるってことだよな。それを実感できて何だか嬉しい。


 サトシ 「早いよな。カロスに来たの、つい最近のことみたいに感じるのに」

 セレナ 「……うん。私も あっという間に感じたな。サトシたちとの旅」
 ▼ 290 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/24 21:32:41 ID:zieruN.Y [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「セレナ、ありがとな」

 セレナ 「えっ?」

 サトシ 「思い返してみるとさ、オレ、セレナに色々助けて貰ったなって」

 セレナ 「そんな。私は何にも……」

 サトシ 「いや。セレナはジム戦のヒントとかくれたし、それに、ウルップさんに負けた後、オレの目を覚ましてくれたのはセレナだよ」

 セレナ 「ぁっ……」

 サトシ 「正直、セレナが居なかったら、カロスリーグに出れてたか怪しいんじゃないかって。ホント、ありがとな、セレナ」

 セレナ 「ううん。私の方こそ そのっ……、あの時、サトシに酷いこと言っちゃって……、まだ謝ってなかったよね。ごめんなさい」

 サトシ 「いや、オレの方こそ ごめんな。せっかくセレナが心配してくれてたのに、オレそんなこと全然考えなくて、怒鳴っちまって」


思い返すと、オレは あのとき初めて、セレナと言い争ってしまった。

ショータに負けて、ウルップさんに負けて、ゲッコウガの絆現象を出せなくて……。

焦ってたとは言え、セレナを怒鳴っちまったことの理由になんてならない。

わざわざ雪の中を追って来て、オレの力になりたいって言ってくれたセレナに対して、最低なことをしてしまった。
 ▼ 291 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/24 21:33:12 ID:zieruN.Y [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「そんな……、だってあの時は、サトシが私のりそっ……ぁっ、そのっ……」

 サトシ 「ん?」

 セレナ 「えっと……あのね。あの時……私、自分の理想を、サトシに押し付けちゃって……」

 サトシ 「理想?」

 セレナ 「今まで旅してきて、サトシは……、私の見てきたサトシは、いつも前向きでポジティブで優しくて……、悩んだり思い詰めたりするイメージ、全然無かったの。だから、あの時のサトシを見て、私、信じられなかったって言うか……、そのっ……」

 サトシ 「……そっか」


だからセレナあの時、“今のオレはオレらしくない”って。

涙を見せてまで言った理由、そういうことだったのか。

単にオレらしさが どうこうじゃなくて、セレナの理想のオレの姿が、あまりにも情けなかったから……。


 セレナ 「だから私、つい……」

 サトシ 「ごめんな」
 ▼ 292 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/24 21:33:43 ID:zieruN.Y [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「サトシ……?」

 サトシ 「セレナ、そんなにオレのこと心配してくれて、オレのこと想ってくれて……、なのに、そうだよな。あんな姿を見せちまったら、雪玉投げられて当然だぜ」

 セレナ 「ぁっ……、そのことも、ごめんなさい」

 サトシ 「いやいや! 謝る必要なんて無いぜ? オレ、そのお陰で目が覚めたし、あのスランプから抜け出せたのはセレナの お陰なんだからさ!」

 セレナ 「そう……かな」

 サトシ 「断言するぜ。セレナのお陰でオレ、立ち直れたんだ」

 セレナ 「……ふふっ。うん、そう言って貰えると嬉しいな」

 サトシ 「へへっ」


セレナの前で恥ずかしいとこ見せるのは、ビオラさんとのジム戦が最後だって、オレは いつの間にか思っていた。

けど、結局オレは、まだまだ未熟だったってことだ。

それこそ、ポカロンで失敗しても弱みを全く見せなかったセレナの方が、オレなんかより ずっと立派で、ずっと強い。

そのことを気付かせてくれたことも、セレナには感謝しなくちゃいけないな。
 ▼ 293 チャブル@メトロノーム 17/05/24 21:37:59 ID:GhJiDqeE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 294 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/28 01:31:50 ID:aDpz9k2k [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「私の方こそ、サトシには感謝してもしきれないよ」

 サトシ 「そうか?」

 セレナ 「うん。旅に誘ってくれたことでしょ、色んな経験をさせて貰ったこと、それに、いつも私を励ましてくれたこと……。サトシへの感謝、いっぱいあるんだから」


セレナは笑顔で言った。

その真っ直ぐな笑顔に、なんだかオレは嬉しくなった。


 サトシ 「頑張ってるセレナを励ますのは当然だろ? セレナだって、いつもオレのこと応援してくれたし」

 セレナ 「ふふっ。でもね、サトシが応援してくれたから、私、ここまで成長できたって思うんだ。ポカロンも、自分自身も」

 サトシ 「なに言ってんだよ。それはセレナが凄ぇ頑張ったからだろ?」

 セレナ 「ううん。違うの」

 サトシ 「違う?」

 セレナ 「私が頑張れたのは、サトシの お陰。サトシには実感ないかもしれないけど、私ね、サトシが隣に居るだけで、頑張れたんだ」

 サトシ 「大袈裟だなぁ。オレは何もしてないぜ?」

 セレナ 「うん。……何もしてなくてもね、私、頑張れるんだ。サトシが居たから」
 ▼ 295 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/28 01:32:20 ID:aDpz9k2k [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オレが居たから、か。

思い返してみると、夢とかの相談、よくセレナから聞いてたっけ。パフォーマンスの練習とか、ポフレの味見とか、傍に居てあげたっけ。

でもそれは、セレナの やる気と向上心が大きかったんじゃないかな。

セレナは、カロスクイーンになるって夢を見つけてから、目に見えて変わった。

“飽きっぽい”って言うサキさんの言葉が嘘に思えるくらい、セレナは一生懸命、特訓に励んでいた。

夢を目指すセレナの大きな気持ちが、セレナの頑張り、成長に繋がったんだと、オレは思っている。


オレが居たから頑張れたってのは、単に、いつもオレがセレナの傍に居たってだけの話さ。

そんなこと言ったら、むしろオレの方だって……。


 サトシ 「オレもさ、セレナが居てくれたから頑張れたって感じ、実は あるんだ」

 セレナ 「えっ?」


最初はハクダンジム攻略の時。

みんなとの特訓を思いださせてくれたのは、他でもない、観戦してたセレナの必死の叫びだった。
 ▼ 296 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/28 01:32:50 ID:aDpz9k2k [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「最初の頃のジム戦さ、セレナの言葉が突破のヒントになったこと、けっこうあったんだぜ。コルニとのジム戦も、オレのリズムを気付かせてくれたし」

 セレナ 「ぁっ……、そんな、私は何にも」

 サトシ 「セレナは そう思うかもしれないけど、オレは凄ぇ感謝してる。それで段々さ、セレナのヒント無しでも、しっかりジム戦で勝ってやろうって。そう思って挑んでたんだ」

 セレナ 「サトシ……、そうだったんだ」


セレナを旅に誘ったのも、ハクダンジムでの助言があったから。

そんなセレナと一緒に居れば、ジム戦で心強い――、そんな単純な理由だったけど、だんだんオレは、セレナ任せじゃダメだって思えてきて。

応援してくれてるセレナに誇れるようなジム戦にしなきゃって、考えを改めるようになって。


 サトシ 「それってさ、セレナが傍に居てくれた お陰だよ。エイセツジムは別だけど、今までのジム戦を割とスムーズに突破できたのは、セレナの お陰なんだ」

 セレナ 「……ふふっ。なんだか照れくさいよ」

 サトシ 「……へへっ。オレだって こんなこと言うの恥ずかしいぜ? でも、2人の時じゃなきゃ、伝えるチャンスは無いかなって」

 セレナ 「ふふっ。そうだよね、私もっ」


隠して来た訳じゃないけど、こうやって2人きりで、面と向かって伝えるのは、恥ずかしさがある。

これまで ずっと一緒だったセレナなら、もう何も包み隠さないで話せるけど、いざ本心を話すとなると、やっぱり照れ臭かった。
 ▼ 297 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/28 01:33:20 ID:aDpz9k2k [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「オレたち、知らないうちに お互いのこと助け合ってたんだな」

 セレナ 「うん、そうみたいだね。なんだか素敵だね、こういうのって」

 サトシ 「あぁ。……けどこれからは、そういう訳には行かないんだよな」

 セレナ 「……うん」


セレナとの お別れは、もうすぐそこに迫っている。

勿論、離れ離れになってもオレたちは仲間だ。

けど、隣で支えてくれるような状況は、もう終わってしまう。

これからは、お互い頼ってばかりじゃ居られない。新しいステージに踏み出さなくちゃいけないんだ。


 サトシ 「でもセレナなら大丈夫さ。成長したんだろ?」

 セレナ 「うん。色んな経験をして、家に居たままじゃ知らなかった、色んなことを学べたもん。旅のノウハウもね」

 サトシ 「それなら大丈夫だな。オレ、いつだってセレナのこと応援してるからさ。ホウエンでも頑張れよ!」

 セレナ 「うん。ありがとう。……サトシは、これからどうするの?」
 ▼ 298 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/28 01:33:50 ID:aDpz9k2k [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「そうだなぁ……、まだ分からないや。旅に出るかもしれないし、何か新しいことにチャレンジするかもしれない。どっちにしろ、ゼロからのスタートになるな」

 セレナ 「そっか。……でもサトシなら、どんなことがあっても絶対に大丈夫だよね。私の知ってるサトシは、どんなことがあっても諦めない、とっても強い人だもん」

 サトシ 「……へへっ。サンキューなセレナ。オレ、セレナと旅したこと、絶対に忘れないぜ」

 セレナ 「うん。私もサトシと旅したこと、ずっと忘れないよ。こんな素敵な経験、忘れるなんて無理だもん」

 サトシ 「あぁ」


そうさ。

セレナは一人でも大丈夫。

セレナの傍に居たオレだから言える、セレナは強いし、大きく成長したし、心強いパートナーも居る。

だから大丈夫。ホウエンの旅、上手く行くに決まってるさ!


 サトシ 「……じゃあそろそろ寝ようぜ。明日も早いしな」

 セレナ 「ぁっ……うん」

 サトシ 「それじゃ、おやすみセレナ」

 セレナ 「うん。おやすみなさい」

 ▼ 299 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/05/28 01:34:20 ID:aDpz9k2k [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
本当は もっとセレナと話したかったけど、明日は早いし、これからホウエンに旅立つセレナには、ゆっくり休んで貰いたい。

名残惜しさもあって、オレは柄でもなく、手を振りながら、セレナの部屋を後にした。


部屋に戻ると、ピカチュウは静かに寝息を立てていた。

オレはピカチュウを起こさないように、そっと布団に潜り込む。


 サトシ (“お互い助け合ってた”か……)


オレがセレナの存在に助けられてたように、セレナもオレに助けられてたと、セレナは言ってくれた。

思うに、それはセレナの強さ、一生懸命さによるところが大きいんだろうけど、少なくともセレナがオレを そういう風に見てくれてたんなら、素直に喜ばしいことだ。

それに、何だか誇らしい。オレの方から旅に誘ったセレナから、こんなに感謝されてるんだ。

誇らしいし、嬉しいし、セレナの人生を良い意味で変えることが出来たって言うんなら、それだけで、オレのカロスの旅は無駄じゃなかったって思えてくる。


 サトシ (良かった。最後にセレナと2人で話せて……)


セレナに感謝の気持ちを伝えることが出来た。そして、セレナの本心を聞けた。

本当に、良かった――。


オレは どこか安心して、眠りに着くことが出来た。
 ▼ 300 リマロン@みどりのプレート 17/05/28 01:39:12 ID:4s1VWprI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 301 ガカイロス@きのみジュース 17/05/28 14:46:50 ID:5QCszxyY NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 302 ルマユ@むげんのふえ 17/05/28 16:23:22 ID:tudZ1oFg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ついに佳境か…
支援
 ▼ 303 タドガス@なんでもなおし 17/05/29 15:43:18 ID:HUFgU0sg NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 304 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/06/02 23:06:41 ID:YIZNhLys [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

翌朝。


 セレナ 「それじゃあママ、行ってくるね」

 サキ 「気を付けるのよ。今度は1人旅なんだから」

 セレナ 「分かってるわよ。それに、テールナーとヤンチャム、ニンフィアがついてるもん」

 サキ 「そうだったわね。たまには連絡するのよ」

 セレナ 「うん」

 サキ 「サトシ君も、マサラタウンまで気を付けてね」

 サトシ 「はい。お邪魔しました」

 サキ 「それと、今までセレナと一緒に旅してくれて、本当にありがとう」

 サトシ 「いえ、オレの方こそ、セレナと旅できて楽しかったです」

 セレナ 「ふふっ」

 サキ 「いつでも遊びに来てね。サトシ君なら大歓迎だから」

 サトシ 「はい!」

 セレナ 「じゃあサトシ、行こ」

 サトシ 「あぁ」
 ▼ 305 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/06/02 23:07:20 ID:YIZNhLys [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サキさんに別れを告げて、オレたちはミアレ行きのバス乗り場へと向かった。


オレならいつでも大歓迎――、か。

次にカロスに来るのは いつになるか分からないけど、またセレナと一緒に、あの草原で のんびり過ごしたいな。


そんなセレナは、新たな旅立ちに相応しいような、凛々しい表情をしていた。

きっとセレナ、ホウエンの旅を楽しみにしてるんだろうな。修行の旅だけど、自分の夢に近付くための旅でもあるんだから当然か。その気持ち、オレにもよく分かる。


 サトシ 「さて。シトロンとユリーカとも、今日明日で お別れだな」

 セレナ 「うん。寂しいけど、最後は楽しく、だよね」

 サトシ 「あぁ」






ミアレシティに着いたオレたちは、すぐシトロンとユリーカと合流して、最後の一時を過ごした。


夜はピカチュウたちも一緒に、豪華な夕飯で盛り上がった。

最後の晩餐、じゃないけど、こんな時に寂しい雰囲気は相応しくない。いつも通り笑顔を絶やさないで、オレたちは旅の思い出に花を咲かせた。
 ▼ 306 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/06/02 23:08:00 ID:YIZNhLys [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告










 そして、別れの時――。









 ▼ 307 プラス@きんのおうかん 17/06/02 23:09:42 ID:aNsDphmI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 308 ュカイン@ゴーストメモリ 17/06/03 06:30:00 ID:vEz9p/5Q NGネーム登録 NGID登録 報告
こっちも支援
 ▼ 309 ジーロン@ミミロップナイト 17/06/04 09:40:56 ID:aHzjIfN. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 310 ビビール@スペシャルアップ 17/06/05 17:09:49 ID:VeHmO2YA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 311 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/06/05 23:21:00 ID:QLvR3v5c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-13 】


 アナウンス 『ラティアス航空H71便、登場まもなく終了します。まだご搭乗されていないお客様は、お急ぎ下さいませ』


セレナの乗る、ホウエン行きの飛行機の時間が迫っている。

デデンネが逃げ出した時は どうなるかと思ったけど、成長したユリーカが、しっかりと自分の気持ちを伝えて、デデンネに伝わって、無事に解決できた。

ユリーカ、オレから見たらユリーカは、もう立派なデデンネのトレーナーだぜ?

とにもかくにも、最後は笑顔で お別れできそうだ。



 セレナ 「じゃあ行くわね」


搭乗口へは、エスカレーターを下りた先にある。

セレナの見送りは、このフロアまで。セレナと顔を合わせることが出来るのは、もう、ここまでなんだ。
  ▲  |  全表示351   | << 前100 | 次100 >> |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。
書込エラーが毎回起きる方はこちらからID発行申請をお願いします。(リンク先は初回訪問云々ありますがこの部分は無視して下さい)

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!
(消えた画像の復旧依頼は、問い合わせフォームからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼