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【SS】 夢に向かうセレナへ

 ▼ 1 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 00:52:52 ID:f7kwrx9E [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アニポケXY&Z編の最終回、感動しました。
これまで描かれてきたストーリーを考えると、サトシとセレナにとっての、最高の別れ描写だったのではないでしょうか。

このSSは、そんなアニポケ最終回で描かれていなかった部分にスポットを当てた、“半”オリジナルのストーリーです。
最終回のサイドストーリー的なものとして見て頂ければと思います。



毎日更新は出来ませんが、よろしければお付き合いください。




 ▼ 12 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 00:58:00 ID:f7kwrx9E [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なんだかんだで、この前サキさんと会った時、さよならを伝えていなかった。

今回の旅は、バトルのことやゲッコウガのことで、セレナが色々と力になってくれた。その辺のことも、サキさんに伝えたいしな。


 シトロン 「すみません。僕はジムを再開させてしまった手前、遠慮しておきます。シトロイドの調整も ありますしね」

 セレナ 「そっか。シトロン大変ね」

 シトロン 「いえ。ジムリーダーとして当然ですよ。ミアレジム再開が、ミアレシティの復興に繋がればとも思いますし」

 サトシ 「流石だなシトロン」

 セレナ 「それじゃあ、サトシとユリーカで……」

 ユリーカ 「ううん。私も お兄ちゃんを手伝う!」

 セレナ 「えっ?」

 シトロン 「僕のことは気にしなくていいよユリーカ。せっかくだしセレナの家に……」

 ユリーカ 「ううん。私だって、いま出来ることをやりたい! プニちゃんを迎えに行けるようなポケモントレーナーになるために、お兄ちゃんのジム戦を いっぱい見ておきたい! だから私、今回はジムに残る」

 シトロン 「そっか。偉いよユリーカ。兄として嬉しいよ」

 ユリーカ 「えへへっ」

 サトシ 「やっぱユリーカはシトロンに似て しっかりしてるな。じゃあ、セレナの家に行くのはオレ1人か」

 セレナ 「あっ……」
 ▼ 13 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 00:58:31 ID:f7kwrx9E [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2人だけってのも寂しいけど、シトロンはジムリーダーだし、そんなに休んでも いられないか。

ユリーカも偉いな。シトロンを手伝って。流石ジムリーダーの妹だ。

そのユリーカは、セレナと何やら話している。

なんだかセレナが焦ってるように見えるけど、女の子同士の会話に口を挟むのはアレだし、気にしないでおくか。


 サトシ 「セレナの家って確かアサメタウンだったよな?」

 セレナ 「うん。田舎の町だけど、自然は綺麗だし、すっごく景色が良い所もあるの」

 サトシ 「へぇ〜。楽しみだなピカチュウ」

 ピカチュウ 「ぴっか!」

 セレナ 「ふふっ」


アサメタウンに行くのは初めてだ。

と言うより、この旅で、ハクダンシティから南には まだ行っていない。

ある意味ちょうど良かったのか。これでカロスの街を全部巡ることになるんだからな!



 ▼ 14 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 00:59:30 ID:f7kwrx9E [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それからオレたちは、シトロンの作った夕飯を食べた。

シトロンの料理が食べられるのも、これが最後になるかもしれないのか。

タケシにもデントにも負けないくらい美味かったシトロンの料理……、もう食べられないって考えると、なかなか寂しいな。



順番にシャワーを浴びて、オレたちは寝室に入った。

シトロンの部屋は、工具や部品、設計図なんかでゴチャゴチャしてるけど、それが逆に、秘密基地みたいな雰囲気でオレは好きだ。


 シトロン 「……サトシと2人きりになるのも、これが最後かもしれませんね」

 サトシ 「そうだな。旅してる時はテントで一緒だったけど、旅が終わることとか、全然考えてなかったからな」

 シトロン 「サトシは前向きですからね」

 サトシ 「そりゃあ、終わりとか不安とか、ネガティブなことばっか考えてるのは つまらないからな。オレは いつだって、前を向くようにしてるぜ」

 シトロン 「流石ですね」

 サトシ 「……けど、ウルップさんに負けた時。あの時だけはダメだったなぁ。悪かったな、心配かけちまって」

 シトロン 「いえ。ポケモンのことで悩んでこそトレーナーですよ。それがあってこそ、サトシはゲッコウガとの絆を深められたんじゃないですか?」

 サトシ 「あぁ、そうだな」


 シトロン 「……サトシ、僕は君に、伝えたいことがあります」
 ▼ 15 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 01:00:00 ID:f7kwrx9E [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
布団の中、シトロンがオレの方に体を向けて、改まって切り出した。


 サトシ 「なんだ?」

 シトロン 「……いつも僕の背中を押してくれて、ありがとうございました」

 サトシ 「ん? あぁ、どうしたんだよ急に」

 シトロン 「僕はサトシと出会わなかったら、シトロイドに乗っ取られたジムを再開出来なかったと思います。それに、自分を見つめ直すことも」

 サトシ 「そんな……大袈裟だぜ? オレは何もしてないよ。シトロンの決意が固かったからこその行動だろ?」

 シトロン 「いえ。サトシと一緒に旅して、僕はサトシに色んな影響を受けました。諦めないサトシの想いは、僕にとって輝いて見えましたし、サトシの挑み続ける姿に、僕は勇気を貰いました」

 サトシ 「シトロン……」

 シトロン 「発明や仕事でジムに籠りっぱなしだった僕にとって、サトシの行動は、とても……とっても輝いて見えたんです。僕もサトシのように、前を向いて歩かなくては、と思えるようになったんです。サトシのお陰で、僕は変われました」

 サトシ 「そっか。なんだか照れくさいな」

 シトロン 「サトシたちは大切の仲間です。それに、この旅は……僕にとって最高の時間でした」

 サトシ 「オレもだぜ。特にシトロンとのジム戦、あれは最高だった。よく知ってるシトロンだからこそ、どう攻め込むか考えたり、すっげぇ楽しかったぜ!」

 シトロン 「サトシ……ありがとうございます。ジムリーダーとして、こんな名誉なことありませんよ」

 サトシ 「へへっ」
 ▼ 16 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 01:00:30 ID:f7kwrx9E [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 シトロン 「サトシ。これから先、離れ離れになっても、サトシはサトシのままで居て下さい。サトシらしく……、サトシの思うままに、夢に向かって進んでくださいね!」

 サトシ 「あぁ!」

 シトロン 「僕もサトシを見習って……いえ、サトシの精神に近付けるように、前へ歩き続けます」

 サトシ 「頑張れよシトロン! シトロンなら大丈夫さ。なんたって、シトロンは“決断”が出来るんだからさ」


シトロンの強さを、オレは知っている。

プリズムタワーがフレア団に占拠された時。シトロンはカロスを守るため、シトロイドを犠牲にする“決断”をした。

それはシトロンとシトロイドの絆の表れでもあると同時に、絆がなければ、その“決断”は出来なかったと思う。

シトロンは、シトロンの思っている以上の勇気を持っているのだ。


 シトロン 「決断……、はいっ!」

 サトシ 「それじゃあ寝ようぜ。まだ今日が お別れって訳じゃないしな」

 シトロン 「そうですね。おやすみなさい、サトシ」

 サトシ 「あぁ、おやすみ」


サンキューな、シトロン。オレのこと、そんな風に思っててくれて。

まだまだ語りたいことはあるけど、シトロンは明日から忙しくなると思うし、オレたちは眠りに着いた。
 ▼ 17 ガバシャーモ@はいぶくろ 17/01/17 06:54:14 ID:kLKeYDEk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 18 イティ@ハンサムチケット 17/01/17 19:13:34 ID:DNEhXpdA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナのと繋がってるのか!
こっちはサトシ視点だね
支援
 ▼ 19 バメ@アイテムコール 17/01/17 21:33:41 ID:2MKVGQDM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こっちも支援
 ▼ 20 レビィ@バクーダナイト 17/01/17 21:37:13 ID:TFDmojac NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
また懐かしい人だな
 ▼ 21 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:20:00 ID:f7kwrx9E [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-2 】


翌日。


 サトシ 「それじゃあ行ってくるよ。シトロン、ユリーカ、ジムの調整がんばれよ」

 シトロン 「はい。サキさんによろしくお伝えください」

 セレナ 「なんだか悪いわね、私たちだけで」

 ユリーカ 「そんなこと無いって! セレナ、頑張ってね〜」 ニヤニヤ

 セレナ 「ユリーカ……もぉ」

 サトシ 「ん? 何を頑張るんだ?」

 セレナ 「なっ、なんでもないの!」

 サトシ 「そうか?」

 ピカチュウ 「ぴかぴ……」

 ユリーカ 「」 ニヤニヤ
 ▼ 22 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:20:40 ID:f7kwrx9E [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナ、何を頑張るんだろう。旅の準備……は頑張ることでもないしなぁ。

セレナとユリーカ、時々よく分からない会話をしてるけど、女の子にとっては普通なのかな。


それをいちいち確認するのもアレだし、時間も限られてるので、オレとセレナはアサメタウンに向けて出発した。


 サトシ 「アサメタウンまでどれくらいかかるんだ?」

 セレナ 「えっと、バスで3時間くらいだったような……」

 サトシ 「うお……けっこう距離あるんだな」

 セレナ 「うん。ハクダンシティとメイスイタウンを挟むからね」

 サトシ 「飛行機は5日後だし……あ、今日入れると4日後か。ちょっとギリギリだなぁ」

 セレナ 「それじゃあ、ハクダンシティまではバスで行かない?」

 サトシ 「そっか。ミアレからハクダンは1回通ってるもんな」

 セレナ 「うん。ハクダンからアサメなら、メイスイタウンで1泊しても午前中には着くと思うし、やっぱり最後も、旅っぽくしたいもんね」

 サトシ 「そうだな。じゃあ、まずはハクダン行きのバスだな」

 セレナ 「うん!」
 ▼ 23 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:21:20 ID:f7kwrx9E [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
旅っぽくしたい、か。

そう言えばセレナは、この旅が人生で初めての旅で、最初は野宿も嫌がってたっけ。すぐ慣れたけど。

ホウエンの修行も一人旅になるだろうし、セレナって本当に成長したんだな。

オレも見習わないと。






12時少し前に、バスはハクダンに到着した。


 セレナ 「じゃあ……、ここから旅の始まりだね」

 サトシ 「あぁ。セレナと2人きりってのは、レンタルマンムー以来だよな」

 セレナ 「うん」


バスが混んでたせいで、あんまり会話できなかったけど、ここからは賑やかになりそうだ。

考えてみると、セレナと2人で行動するのは、レンタルマンムーで雪山を越えた時くらいだった気がする。

シトロンとユリーカも一緒の4人旅が当たり前だったから、2人だけってのは何となく新鮮だ。
 ▼ 24 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:22:00 ID:f7kwrx9E [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「……あ、そうだ。ハクダンジムに寄って行こうぜ」


けど、ハクダンに来たんなら、ジムに寄って行くべきだろう。


 セレナ 「ジムに?」

 サトシ 「あぁ。せっかくハクダンに来たんだから、ビオラさんに挨拶して行かないとな」

 セレナ 「そっか、うん、そうしよ」


ビオラさんとは、フレア団の事件で顔を合わせてるけど、特段、話は していない。

勿論、カントーに帰ることだって話してない。

ビオラさんにとってオレは1人の挑戦者に過ぎないかもしれないけど、やっぱりきちんと挨拶は しておきたいな。


ハクダンジムと言えば、カロスでオレが最初にジム戦したところだ。

ビビヨンの“ねばねばネット”に苦戦して、1回負けちまったんだよな。


そんな懐かしいバトルを思いだしていれば、ハクダンジムが見えてきた。

 ▼ 25 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:22:41 ID:f7kwrx9E [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「お、見えてきた。ハクダンジム」

 セレナ 「私がサトシに追いついた所……、懐かしいな」

 サトシ 「そっか。セレナ、オレのジム戦 見ててくれたんだっけ」

 セレナ 「うん」

 サトシ 「あの時は負けちゃって、恥ずかしいとこ見せちゃったな」


その時は全く気付かなかったけど、セレナはオレのジム戦を見てたらしい。

負け試合を見られたのは恥ずかしかったけど、その後の特訓に、みんなが付き合ってくれたからこそ、オレはリベンジを果たせたのだ。


 セレナ 「そんなことないよ。私、サトシがポケモンのこと大事にしてるんだって、その時のサトシを見て思ったもん」

 サトシ 「そうか? サンキューな」


特にセレナはバトル中、オレに特訓のことを思いださせてくれた。オレがリベンジ出来たのは、セレナの力が大きかったんだよな。

それがキッカケでオレは、セレナを旅に誘ってみた。そして今までの旅路があって、沢山の思い出を作れた。


ビオラさんに負けたお陰で、このメンバーでの旅が出来たって訳だ。

 ▼ 26 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:23:20 ID:f7kwrx9E [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「……あ、ビオラさん!」


ジムに近付くと、ビオラさんの姿があった。

……けど、何故かジムの屋根の方を見上げている。


 ビオラ 「サトシ君? セレナちゃんも?」

 サトシ 「こんにちは!」

 セレナ 「近くまで来たので」

 ビオラ 「あっ、うん! ようこそハクダンジムへ……」

 サトシ 「ビオラさん、何してたんですか?」

 セレナ 「屋根に何か……」

 ビオラ 「あっ、大したことじゃないって言うかその……」


ビオラさんは、何故かアタフタし始める。

ひょっとして屋根に何か……ポケモンでも居るのか?
 ▼ 27 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:24:00 ID:f7kwrx9E [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ザクロ 「……おっ。やぁサトシ君! セレナちゃん!」

 ビオラ 「あっ……ダメだよザクロ君そこで手を振っちゃ!」

 ザクロ 「あ……」


  ― ドスン!


 サトシ 「ザクロさん?」


ザクロさんが落ちてきた。

なんか……、このパターン、前にも何処かで見たような。

それはさておき、ザクロさんもハクダンジムに来てたのは意外だ。


 ザクロ 「はははっ、またやってしまった。サトシ君、フレア団の時は お疲れ様」

 サトシ 「はい。ところで、どうしてザクロさんがハクダンジムに?」

 ビオラ 「あっ、それは……」

 ザクロ 「いやぁ、ビオラが食事に誘ってくれてね。そこでちょっと、ハクダンジムの壁を登っていたんだ」

 サトシ 「そうだったんですか」
 ▼ 28 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:25:00 ID:f7kwrx9E [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ビオラ 「あの……ほら! ザクロ君には、あのフレア団の巨石の塊と戦った時に助けて貰ったし……、そのお礼よ!」

 セレナ 「あ、そっか。私たちも見てました。ザクロさん、ビオラさんを抱きとめてましたもんね!」

 ザクロ 「あぁ。ビオラとは長い付き合いだからね。体が勝手に動いてしまったんだ」

 ビオラ 「そっそれより! 今日はサトシ君とセレナちゃん2人だけなの?」

 サトシ 「はい。実はオレ、カントーに帰ることになって」

 ザクロ 「カントーに……そうか。ジム戦も終わったし、カロスの平和も守られたからね」

 セレナ 「私は、パフォーマンスの修行をするために、ホウエンに旅立つことにしたんです」

 ビオラ 「ホウエン……確かポケモンコンテストがある地方よね」

 セレナ 「はい」

 サトシ 「それで、サキさん……あ、セレナのママに挨拶することになって、いまアサメタウンに向かってるところなんです」

 セレナ 「ちょうどハクダンシティを通るので、ビオラさんにも ご挨拶をって思ったんですけど」

 サトシ 「まさかザクロさんにも会えるとは思ってませんでした」

 ザクロ 「ははっ。僕を呼んでくれたビオラに感謝だね」

 ビオラ 「あはは……」
 ▼ 29 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/17 23:26:00 ID:f7kwrx9E [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
思わぬ形でザクロさんにも挨拶出来てラッキーだった。

けど、これから2人は食事らしいし、早めに切り上げた方がいいよな。


 セレナ 「じゃあ私たち、長居しちゃ お邪魔なので、そろそろ失礼します」

 サトシ 「そうだな」

 ビオラ 「お邪魔って……そんなこと無いってば!」

 ザクロ 「ははっ、お気遣いありがとうセレナちゃん。でもそれは、僕らからも言えることだよね?」

 セレナ 「えっ?」

 ザクロ 「サトシ君とセレナちゃん、2人きりでセレナちゃんの お母さんに挨拶だなんて、“そう言う意味”で捉えられても おかしく無いんじゃないかな?」 ニヤッ

 セレナ 「ぁっ……ちちち違います! サトシには旅の中でお世話になったから! 私のママの方からお礼したいってことになって……!」

 ビオラ 「ふ〜ん。セレナちゃんも隅に置けないわね〜」 ニヤニヤ

 セレナ 「そんなんじゃ……」

 サトシ 「なぁ、なんのことだ?」

 セレナ 「なんでもない! なんでもないから!」

 ザクロ 「これはこれは。なかなか苦労してるようだね」

 ビオラ 「ふふっ、セレナちゃんも頑張れ!」
 ▼ 30 マサラ人3◆etyxjFp636 17/01/18 01:03:19 ID:vGtBqHI. NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
今日はこっちを支援
 ▼ 31 シレーヌ@みどりのかけら 17/01/18 06:10:09 ID:xEKMJWqs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 32 ンノーン@ふねのチケット 17/01/19 01:13:31 ID:yPcPc1ag NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 33 ユルド@ドリのみ 17/01/19 07:44:23 ID:6qLWFC1U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
待ってました 支援
 ▼ 34 ルレイド@たわわこやし 17/01/21 16:47:30 ID:pUIGluOk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 35 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:44:00 ID:O0f//4VQ [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【 2-3 】


ビオラさんとザクロさんに挨拶して、オレたちはハクダンジムを後にした。

ビオラさんもユリーカみたいに、セレナと よく分からない話をしていた。やっぱり女の子同士の話って謎だよな。……あ、でもザクロさんも微妙に加わってたな。

気には なるけど、セレナが“なんでもない”って言ってる以上、詳しく聞く訳にもいかないか。


 サトシ 「さて。それじゃあまずはメイスイタウンだな」

 セレナ 「うん」


ハクダンシティから先は、いつもの旅のスタイルになる。

メイスイへと続く道は、森の中を通っている。けれど、深い森って訳じゃない。空も見えるし、風通しも良いし、気持ちの良い道だ。

こんなに居心地の良さそうな場所なら、珍しい野生ポケモンとか見れるかも……、そう思った時だった。


   *** 「あれ? もしかしてサトシさん?」


 サトシ 「ん?」


突然、後ろから声をかけられた。

振り返ってみると、どうやら声を上げたのは、オレと同い年くらいの男の子。その隣には女の子も居る。普通に考えればオレたちみたいな旅のトレーナーだけど、その2人が居た場所は、何故か道の脇の茂みの中だった。
 ▼ 36 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:45:00 ID:O0f//4VQ [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ※※※(女) 「サトシって……カロスリーグ準優勝の?」

 ***(男) 「そうそう。いやー、まさかこんなところで会えるなんて! あ、僕はハルキ」

 ※※※(女) 「私はルイナよ。よろしく」


茂みから出てきた2人は、そう名乗った。

ハルキとルイナか。オレのこと知ってるってことは、カロスリーグの決勝戦、見ててくれたってことだよな。

……ってことは、この2人もトレーナーかな。


 サトシ 「オレはサトシ……って、知ってるんだよな」

 セレナ 「ふふっ。凄いバトルだったもんね。私はセレナです」

 ハルキ 「こちらこそよろしく。サトシさんは……」

 サトシ 「“サトシ”でいいよ」

 ハルキ 「そうかい? サトシの決勝戦、あれは凄かった! カロスリーグ史上でも一、二を争うレベルのバトルだったよ!」

 サトシ 「サンキュー。まぁ、結局アランに負けちまったけどな」

 ハルキ 「なに言ってるんだい。勝ち負けなんか関係ない。あのバトル、熱いワザのぶつかり合い、その迫力が良かったんじゃないか」

 ルイナ 「それに、不思議な姿のゲッコウガ! あれ格好良かったなぁ」
 ▼ 37 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:47:00 ID:O0f//4VQ [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ハルキ 「そうそう! そのゲッコウガのこと詳しく聞きたいんだ! サトシとセレナは、これから何処へ行くんだい?」

 サトシ 「えっと、メイスイを通って、アサメまで行くんだ」

 ハルキ 「なるほど。じゃあ僕たちも、メイスイまで同行してもいいかい?」

 サトシ 「あぁ、構わないぜ」

 ハルキ 「おぉありがとう! 色々聞きたいことがあるから助かるよ!」


そう言ってハルキはメモを取り出した。

メモを取り出したってことは、本当に色々と聞いてくるらしい。ショータみたいだな。

ちらりとセレナの方に目をやると、ルイナと話し始めている。この流れだと、メイスイまで男女別になりそうだ。


 ハルキ 「早速だけど、あのゲッコウガ! いったいどんな仕組みで姿を変えてるんだい?」

 サトシ 「詳しいことは分からないんだけど、オレとゲッコウガの絆がカギになってるみたいなんだ」

 ハルキ 「絆?」

 サトシ 「あぁ。俺とゲッコウガの想いが一つになって……って言うのかな」

 ハルキ 「なるほど……。そんな前例は聞いたこと無いし、あれだけパワーアップを遂げるとなると、かなり稀な現象だね。メガシンカに匹敵するエネルギーが生まれる背景が気になるな」

 サトシ 「その辺は、プラターヌ博士が研究するみたいだぜ」

 ハルキ 「そうか。だとすると、博士の研究を待った方が懸命か」
 ▼ 38 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:49:00 ID:O0f//4VQ [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「ん?」

 ハルキ 「いや、こっちのことさ。あの“みずしゅりけん”の凄さを見ると、研究の進捗が楽しみだね」

 サトシ 「研究結果も楽しみだけど、あいつの強さは、オレを信頼してくれてたのが、大きなカギなんだ」

 ハルキ 「信頼?」

 サトシ 「オレもゲッコウガのこと信じてた。オレたちは2人で高みに行くって。オレとゲッコウガが お互い信じ合えてたから、あの強さが生まれたんだ。研究しなきゃ分からないかもしれないけど、オレは そう思ってる」

 ハルキ 「信頼関係か。もし事実なら興味深いね。あと、サトシのポケモンで凄いと思ったのはピカチュウだね」

 ピカチュウ 「ぴか?」

 ハルキ 「ピカチュウがバンギラスとメタグロスを倒すなんて普通じゃないよ。相当な鍛え方だと思うけど」

 サトシ 「ピカチュウは、オレの最初のパートナーなんだ。色んな地方を旅して、色んな相手とバトルしてさ。ここぞって時に頑張ってくれるんだよ。ピカチュウは」

 ピカチュウ 「ぴぃっか」

 ハルキ 「なるほど、長年の経験値がピカチュウを強くしてるって訳か。ワザ構成は確か、“でんこうせっか”、“アイアンテール”、“10万ボルト”、“エレキボール”だったよね?」

 サトシ 「あぁ。そんなに詳しく見てくれてたのか」

 ハルキ 「まぁね。なにせ、ピカチュウでリーグ決勝戦まで進むなんて普通じゃないからね。これは特別なピカチュウだって思った訳さ」

 サトシ 「ははは……(ロケット団にもそんなこと言われてたっけ)」
 ▼ 39 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:51:00 ID:O0f//4VQ [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ハルキ 「ピカチュウは可愛さで人気があるけど、サトシのピカチュウは実戦でも使える――、なかなかのものだよ」

 サトシ 「サンキュー。ハルキってさ、けっこうバトル見てくれてるみたいだけど、バトルしないのか?」

 ハルキ 「バトルか。進んでバトルしたりは しないね」

 サトシ 「そうなのか。でも、ルイナと旅してるんだろ?」

 ハルキ 「そうさ。旅と言えばジム巡りって思われがちだけど、僕たちは違う。僕は、ポケモンを捕まえることに力を注いでるんだ」

 サトシ 「お、ゲットか!」

 ハルキ 「あぁ。綿密な計画を立ててポケモンを捕まえる――、それがスリリングで刺激的で、最高に楽しいのさ」

 サトシ 「計画?」

 ハルキ 「う〜ん、まぁ、詳しくは言わないけど、何処で捕まえるか、その……ポケモンがどこに出没するのかをリサーチして、その場に合った作戦を立てて捕まえる。美しくポケモンを捕まえるのが、僕のモットーだからね」

 サトシ 「ふ〜ん」

 ハルキ 「だからボールにも拘りがあってね。美しく捕まえたポケモンには、その衣も美しく。そうやって色んなポケモンを捕まえてきたのさ」

 サトシ 「じゃあ、今までゲットした中で、一番珍しいポケモンって何なんだ!?」

 ハルキ 「そうだねぇ……。あ、最初に言っておくけど、多分サトシの思ってる珍しいと、僕の思ってる珍しいは別物だよ」

 サトシ 「えっ?」

 ハルキ 「僕の珍しいは、所謂“レアポケモン”じゃなくて、個々のポケモンの特徴的な部分を指すのさ」
 ▼ 40 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:53:00 ID:O0f//4VQ [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「……ん?」

 ハルキ 「良い例が色違いポケモンだよ。そこまで行かなくても、例えば……、通常より体長が大きいポケモンとか、違ったワザを覚えているポケモンとか。最近捕まえたやつだと、葉っぱみたいなのが片方に3枚ついてるボクレーかな。普通は2枚なんだよ」

 サトシ 「へ〜」

 ハルキ 「ちょっと特殊な個体ってのに僕は惹かれるんだ。なかなか理解しがたいとは思うけど、そういうマニアは一定数居るんだよ」


ハルキは力を込めて言った。

ちょっと特殊な個体、か。そう言えばトロバも、そういう珍しいポケモンの写真を撮りたいって言ってたっけ。

旅の目的は人それぞれってことか。

確かに珍しいポケモンを見れるとテンション上がるけど、そういう細かい所までは、今まで見てこなかったし、そういう違いがあることさえ気付かなかったと思う。

ハルキとルイナは、そんな細かい違いを見つけてゲットする――。

それって、ポケモンのこと よく見てないと出来ないことだし、この2人なら、ゲットした後も、よく 面倒見るんだろうな。


 サトシ 「良いな、そういう旅も」

 ハルキ 「ある意味で生き甲斐だね。それはそうと、もっとサトシのポケモンのこと聞かせてくれよ」
 ▼ 41 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:53:40 ID:O0f//4VQ [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「あぁ。どこまで話したっけ?」

 ハルキ 「ピカチュウのことも もう少し詳しく聞きたいけど、時間は限られてるからね。じゃあ……ヌメルゴンとか」

 サトシ 「ヌメルゴンか。あいつはヌメラの時にゲットしたんだけど、強くなりたいって ずっと思っててさ」

 ハルキ 「キリキザンの攻撃を“がまん”で耐えるなんてリスキーなこと、決勝戦では普通やらないよ。耐え切る自信があったのかい?」

 サトシ 「あぁ。オレはヌメルゴンのこと信じてたからな」

 ハルキ 「信じること――か。“ハサミギロチン”さえ無ければ、キリキザンに勝ててただろうね」

 サトシ 「そうだなぁ。そこはオレも警戒するべきだったよ。ヌメルゴンには悪いことしちまったな」

 ハルキ 「その辺もサトシとポケモンの信頼関係が見て取れるね。じゃあオンバーンは………」


そんな感じで、オレはハルキの質問に答え続けた。

ハルキはオレのポケモンのこと、よほど興味があったのか、ワザ構成とか、ゲットした時のこととかを、根掘り葉掘り聞いてくる。

そこまでオレのポケモンたちに興味持ってくれるのは有難いけど、その勢いが凄まじいと言うか……。

ハルキってポケモンウォッチャーなのか?



そうこうしているうちに、ハクダンの森を抜けて、あっという間にメイスイタウンに到着した。
 ▼ 42 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:54:20 ID:O0f//4VQ [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ハルキ 「それじゃあ、僕たちは この辺で。色々聞けて楽しかったよ」

 サトシ 「あぁ!」

 ルイナ 「じゃあねセレナ。パフォーマンス頑張ってね」

 セレナ 「うん、ありがとう。ルイナもゲットの旅、頑張ってね」

 ルイナ 「えぇ」


メイスイタウンに入ってすぐ、オレたちはハルキとルイナと別れた。

2人はメイスイに泊まる訳じゃないらしく、別の道へと進んで行った。もう夕方なんだから、ポケモンセンターで休んだ方がいいと思うけどな。


 サトシ 「なんか ずっとハルキと話してて、ルイナと話せなかったな。セレナ、なに話してたんだ?」

 セレナ 「旅のこと。私はポカロンの話題で、ルイナはポケモンをゲットする話。私の知らないこと、いろいろ聞けたんだ」

 サトシ 「そうだったのか」


どうやらセレナの方も、ルイナと盛り上がっていたらしい。

セレナの反応を見るに、ルイナの性格は、なんとなく想像できた。
 ▼ 43 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:55:00 ID:O0f//4VQ [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「ハルキもポケモンをゲットすることが好きだって聞いたけど、サトシは どんな話してたの?」

 サトシ 「オレは……、考えてみると、ずっとオレが話してたな」

 セレナ 「そうなの?」

 サトシ 「あぁ。ゲッコウガのことを詳しく聞かれたけど、ピカチュウたちの育て方とか、どんなワザを覚えてるか〜とか。な?」

 ピカチュウ 「ぴか」


だからオレは、ハルキの素性と言うかキャラを、そこまで詳しく理解していない。

自分のことは語らないでオレのポケモンのこと聞きまくるなんて、たとえポケモンウォッチャー的な趣味があったとしても、いま考えると不自然だった。


 セレナ 「ふ〜ん。やっぱりサトシ、注目されてるんだね」

 サトシ 「そんな大したこと してないのになぁ」

 セレナ 「ううん。カロスリーグ準優勝って、とっても凄いことだと思うよ」


それとも考え過ぎなのか?

カロスリーグ準優勝……、オレにとってリーグ戦で最高の成績だけど、そこまで行くとやっぱり注目されるものなのかな。


 サトシ 「へへっ、サンキュー、セレナ。……じゃあ、ポケモンセンター行くか?」

 セレナ 「うん」
 ▼ 44 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/22 03:56:00 ID:O0f//4VQ [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
オレたちは、ポケモンセンターへと向かった。

今日はここで1泊して、明日の朝に出発すれば、そう遅くない時間にアサメタウンに着けるらしい。

メイスイタウンを見て回ることだ出来ないけど、時間的に仕方ないか。


 サトシ 「2人だけでポケモンセンターに泊まるの、初めてだよな」

 セレナ 「あっ……うん」


そう言えば、セレナと2人きりでポケモンセンターに泊まるのは、今回が初めて。

まぁ2人で旅することが初めてなんだから、当然と言えば当然だけど。


今まではシトロンとユリーカを含めた4人でポケモンセンターに泊まっていた。それが2人となると、部屋を広く使えそうだ。


なんだかんだで、今日はセレナと ゆっくり話す時間は無かった。

セレナとも、もうすぐ お別れすることになる。セレナと話したいこと、まだ色々あるんだよな。


そんなセレナは、少しだけ顔を赤くしてモジモジしている。

セレナは時々、こうやって赤くなることがある。一緒に旅してる仲なんだから、恥ずかしがることないのになぁ。

 ▼ 45 エルコ@ラティオスナイト 17/01/22 04:00:53 ID:YWS4vqeM NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
あんまり関係ないけど>>24
ねばねばネットはビビヨンではなくアメタマでは?
 ▼ 46 イコウ@コイン 17/01/22 04:42:03 ID:/lrmdNB. NGネーム登録 NGID登録 報告
夜遅くにお疲れ様です。
支援
 ▼ 47 ッカニン@ガブリアスナイト 17/01/22 17:38:14 ID:Ghg0E9OE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援!
 ▼ 48 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/24 00:15:00 ID:Hc2ARRJ6 [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-4 】


ポケモンセンターに着いた。

入口の自動ドアが開くと、目の前に居たのはサナだった。


 サナ 「あれ? セレナ!?」

 セレナ 「えっ……サナ!?」

 サナ 「こんなところで偶然! また会っちゃったね。サトシも」

 サトシ 「あぁ」


別にオレたちのことを待ってた訳じゃなくて、本当に偶然みたいだ。

ミアレで別れた時が最後かと思ったけど、また会えたのはラッキーだな。サナが居るってことは……。


 サナ 「おーい! ティエルノー! トロバー!」

 ティエルノ 「ん? サトシじゃないか。それに……セレナぁ!!!」

 トロバ 「わぁ。ホント偶然ですね」

 サトシ 「ティエルノにトロバも。どうしたんだ?」
 ▼ 49 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/24 00:15:40 ID:Hc2ARRJ6 [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サナ 「私たち、プラターヌ博士から調査を頼まれたって話したよね?」

 サトシ 「あぁ」

 トロバ 「早速明日から始めるんです。まずは2番道路からと言うことで、今日はメイスイに泊まることにしたんです」

 サトシ 「そうだったのか」

 セレナ 「皆も動き出すのよね。頑張って!」
 
 ティエルノ 「もっちろん頑張るよ! セレナの応援があれば常に全力さ!」

 セレナ 「あはは……」

 トロバ 「ところで、シトロンとユリーカの姿がありませんが……」

 サトシ 「あぁ、2人ならジムの調整があるから、ミアレに残ってるんだ」

 ティエルノ 「えっ!? ってことは、サトシとセレナ、2人で旅してるって言うのかい!?」

 サトシ 「そうさ。でも、旅って訳じゃないぜ。オレもうすぐカントーに帰るから、セレナのママに挨拶して行こうと思って」

 トロバ 「そうですか……。リーグも終わりましたし、フレア団の事件も一段落しましたし、サトシの旅も終わったんですね」

 ティエルノ 「そうか……寂しくなるね。でもセレナと2人旅ってことに変わりは無いよね?」

 サトシ 「ん? まぁな」

 サナ 「ふ〜ん」 ニヤッ
 ▼ 50 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/24 00:16:22 ID:Hc2ARRJ6 [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サナが意味深な笑みを浮かべたと思ったら、セレナの耳元で何かを囁いている。

セレナの方は少し赤くなってそれにヒソヒソと答えてるけど、何を話してるんだろう。女の子の会話は分からないな。


そしてすぐに、サナはオレたちの方を向き直して言った。


 サナ 「ねぇティエルノ、トロバ! 明日からの調査の確認もあるし、そろそろ私たちは部屋に戻ろうよー」

 セレナ 「さっ、サナ……」

 サナ 「ほら2人とも! 調査場所の再確認とか……」


 ティエルノ 「そうだサトシぃ! これからバトルと行こうじゃないか!」

 サトシ 「バトルか!」

 サナ 「ちょっ……ティエルノ聞いてるの!?」

 ティエルノ 「最後にサトシとバトルしておきたいしね! それにサトシの旅の話とかも聞きたいし、そうだ! 今夜は一緒に寝ようYO!」

 サナ 「え゙っ……」

 サトシ 「そうだな。オレもティエルノのジム戦の話とか聞きたい! 勿論トロバもな!」

 トロバ 「はい! それでは男3人、最後の交流と行きましょう」

 サナ 「ちょっとみんな……」
 ▼ 51 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/24 00:17:00 ID:Hc2ARRJ6 [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ティエルノ 「オーライ! トロバのメガストーンの話は感動的だよ〜!」

 サトシ 「そうなのか!」

 ティエルノ 「って訳でサナ! 僕たちが3人部屋を使うから、サナとセレナは2人部屋を取るといいよ。女の子同士パフォーマー同士、積もる話とかあるよね?」

 サナ 「うっ……(そう言われると否定しづらい)」

 セレナ 「あはは……。いいよサナ。サトシたちはサトシたちで、バトルの話で盛り上がりたいんだよ」


セレナと2人きりになるのは また お預けか。

でも、セレナだって最後にサナと一緒に居たいだろうし、オレもティエルノとトロバと話したいことは沢山ある。

ある意味、自然の組み合わせだ。


 ティエルノ 「オーケーありがとうセレナ! それじゃあ僕たちは陽が沈む前にバトルしてくるよ! 行くよサトシ、トロバ!」

 サトシ 「あぁ!」

 トロバ 「あ、待ってくださいカメラカメラ!」


オレたちはポケモンセンター外のフィールドへと向かった。

ティエルノとバトル出来るのも、これが最後かもしれないからな。
 ▼ 52 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/24 00:17:30 ID:Hc2ARRJ6 [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ティエルノ 「それじゃあサトシ! 最後のバトルと行こうか!」

 サトシ 「あぁ、臨むところだ!」

 トロバ 「審判は僕が務めます。時間も時間ですし、使用ポケモンは1体で良いですね?」

 サトシ 「よし……じゃあピカチュウ! 君に決めた!」

 ピカチュウ 「ぴっか!」

 ティエルノ 「それじゃあ僕は……ライチュウ、ゴー!」

 ライチュウ 「らいらーい」

 トロバ 「進化系とのバトル……これは見応えがありそうですね!」 カシャッ! カシャッ!

 ティエルノ 「手加減無しの真剣勝負で行くよ!」

 サトシ 「あぁ! 負けないぜ!」


相手はライチュウ。ピカチュウの進化系。クチバジムが懐かしいぜ。

単純に考えて、電撃の威力は進化系のライチュウの方が上と考えるべき。だとするとスピードや戦略が重要になるバトルだな。


 トロバ 「それでは、バトル開始!」 カシャッ! カシャッ!
 ▼ 53 ゴジムシ@いしょうトランク 17/01/24 07:03:21 ID:3FCzMeAY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 54 ビヨン@キラキラメール 17/01/24 13:17:04 ID:XDJa.lwc NGネーム登録 NGID登録 報告
しえん
 ▼ 55 クロー@オッカのみ 17/01/26 10:38:27 ID:Y2.b2LXc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 56 ルビート@ブロムヘキシン 17/01/29 00:15:46 ID:eY9c/kac NGネーム登録 NGID登録 報告
まだかなー
 ▼ 57 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/30 01:16:20 ID:kllQLrAI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ティエルノ 「こっちから行くよ! “チャージビーム”!」

 サトシ 「“エレキボール”で向かい打て!」

 ピカチュウ 「ちゅぴっか!」


ライチュウの“チャージビーム”とピカチュウの“エレキボール”が ぶつかり合って、相殺。

威力が同じなら、いよいよスピードが勝負のカギになってくる。


 サトシ 「“でんこうせっか”で接近だ!」

 ピカチュウ 「ぴっか!」

 ティエルノ 「させないよ! もう1回、“チャージビーム”!」

 ライチュウ 「らーい!」

 サトシ 「来るぞピカチュウ! こっちも“エレキボール”で向かい打つぞ!」


やっぱり簡単には接近させてくれないか。

再びピカチュウとライチュウのワザが ぶつかり合って相殺……しない!?
 ▼ 58 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/30 01:17:00 ID:kllQLrAI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「あっ……ピカチュウ!?」


“チャージビーム”が“エレキボール”を蹴散らして、ピカチュウに直撃したのだ。


 ティエルノ 「いいぞライチュウ! 見たかいサトシ、僕たちのリズム!」

 トロバ 「“チャージビーム”は特攻が上がる追加効果のあるワザ……。始めからそれを引き当てたんですねライチュウは」 パシャッ! パシャッ!

 ティエルノ 「このチャンス無駄には しないよ! “きあいだま”だ!」


ライチュウのワザの威力が上がったのは追加効果の せいか。

だとすると迂闊に相殺狙いは危ない。


 サトシ 「かわせピカチュウ!」

 ピカチュウ 「ぴかぁ!」


ピカチュウは起き上がる。そして大きくジャンプする。

低空を滑空するように迫る“きあいだま”を、ギリギリのところで回避した。

今度は こっちの番だ。
 ▼ 59 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/30 01:17:40 ID:kllQLrAI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「流れを作るぞ! “10万ボルト”!」

 ピカチュウ 「ぴぃぃぃかぁぁぁ……」

 ティエルノ 「させないよ! “あなをほる”!」

 ライチュウ 「らいらいらぁい!」


ティエルノはピカチュウの“10万ボルト”を見るなり、ライチュウに“あなをほる”を指示した。

地中に逃げられたら攻撃は当たらないし、そもそも電気ワザが通用しなくなる。考えたなティエルノ。


 ティエルノ 「さぁ、どこから攻撃が来るか分かるかなぁ?」


自信たっぷりのティエルノがオレに問いかける。

確かに地中に潜られたら、攻撃が来る方向は簡単には分からない。

けどオレたちは、この旅で、その対処法を編み出している。それを実践するまでだ。


 サトシ 「ピカチュウ、地面に“アイアンテール”だ! 思いっきり叩きつけろ!」

 ピカチュウ 「ちゅぴか!」

 ティエルノ 「なにを……!?」
 ▼ 60 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/30 01:18:21 ID:kllQLrAI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウの鋼の尻尾が、地面に激突する。

それは衝撃波を生んで、地中を揺らして、地割れのように地面を砕いて、地中のライチュウを地上に引きずり出した。成功だ。


 ティエルノ 「ライチュウ!?」

 トロバ 「凄い……こんなことが!?」 パシャッ! パシャッ!

 サトシ 「今だピカチュウ! “10万ボルト”!」

 ピカチュウ 「ぴぃぃかぁぁぁぁぁちゅううぅぅぅぅぅ!」

 ティエルノ 「ライチュウ“かみなり”で……」

 サトシ 「遅いぜ!」


ライチュウに反撃する隙を与えない。

地上に引きずり出されたライチュウは隙だらけ。当然だ。穴の中はある意味 安全なんだから。

まさか こんな形で隙が生まれるなんて、ティエルノもライチュウも思ってなかったはずだ。だから反応が遅れた――。

そしてその一瞬の隙が、バトルの流れを大きく変えることになる。


 ティエルノ 「あぁっ……ライチュウ!」
 ▼ 61 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/30 01:32:20 ID:kllQLrAI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
“10万ボルト”がライチュウを直撃。

効果は今一つかもしれないけど、流れを作る意味では、決して無駄じゃ無い。


 サトシ 「良いぞピカチュウ! そのまま“アイアンテール”!」


ピカチュウは素早くライチュウに接近して、“アイアンテール”を打ち付けた。

ライチュウの腹に、クリーンヒットだ。


 ティエルノ 「クッ!」

 トロバ 「サトシが上手でしたね。一瞬の隙をついて一気に攻め込む……、流石です」 パシャッ! パシャッ!


後方に弾き飛ばされたライチュウだけど、まだ倒れない。

立ち上がって、キッとピカチュウを睨みつけている。


 サトシ 「ピカチュウ! “10万ボルト”!」

 ピカチュウ 「ぴか!」
 ▼ 62 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/30 01:33:20 ID:kllQLrAI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
攻め込める時は攻め込まないと。

ピカチュウの“10万ボルト”は、再びライチュウに直撃した。効果は今一つだけど、ダメージを蓄積させれば、確実に こっちが有利になる。


 ティエルノ 「頑張れライチュウ! “10万ボルト”なんて振り払うんだ!」

 ライチュウ 「らぃっ……ちゅう!」


ティエルノの声を聞いて、ライチュウは“10万ボルト”を振りほどく。

やっぱり一筋縄じゃ行かないか。流石ティエルノだぜ。


 ティエルノ 「距離を取って“きあいだま”!」

 サトシ 「かわせ!」


ライチュウは“きあいだま”を撃ち出した。さっきと同じように、低空滑空するように。

ピカチュウは大きくジャンプしてそれを回避――、したのがマズかった。


 ティエルノ 「飛ぶ方向に“チャージビーム”!」

 サトシ 「なにっ!?」
 ▼ 63 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/01/30 01:34:20 ID:kllQLrAI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ティエルノは、あえてさっきと同じコース取りで“きあいだま”を撃たせたのか。ピカチュウがジャンプして回避することを予測して。

ライチュウが繰り出した“チャージビーム”は、まさしくピカチュウが回避する方向、タイミング。

これだけジャストで攻撃を出されたら、いくらピカチュウでも連続回避は無理だった。


 ピカチュウ 「ぴかっ……」

 サトシ 「大丈夫かピカチュウ!?」

 ティエルノ 「良いよ良いよライチュウ! 一気に反撃だ! “かみなり”!」

 ライチュウ 「らぁぁぁぁい!」


ライチュウは大きくジャンプして、電気を作り出し、それを放出した。

“かみなり”。効果は今一つだけど、“チャージビーム”で特攻が上がってるし、何より攻撃を受けたばかりのピカチュウは隙だらけ、このまま直撃はマズい!

かと言って避ける先は……。


 サトシ 「……そうだ! ピカチュウ、ライチュウの穴に隠れるんだ!」

 ピカチュウ 「ぴっ!」

 ティエルノ 「えっ……なんだって!?」
 ▼ 64 タフリー@ドラゴンZ 17/01/30 01:36:50 ID:9/CvZWP. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ライチュウの穴…
 ▼ 65 ゴラス@ヤチェのみ 17/01/30 06:51:28 ID:n4lAOgtc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>64
おいw
 ▼ 66 カリオ@だっしゅつボタン 17/01/30 07:20:09 ID:XicopLTw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 67 ックウザ@ミクルのみ 17/02/02 07:57:26 ID:wIl2lVgY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 68 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/02 23:40:00 ID:AMR1hxnI [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウは すぐに動く。

まるで、オレがその指示を出すことを予想してたかのように。

ピカチュウは、さっきライチュウが掘った穴に入って、身を潜めた。


 ティエルノ 「クッ……! まさか僕とライチュウの攻撃を利用されるなんて」

 サトシ 「へへっ」


“かみなり”は電気ワザ。地面の中に逃げ込めば、当然、効果を受けることは無い。

さっきティエルノが“10万ボルト”を回避した方法を、そのまま お返しした訳だ。


 ティエルノ 「だったらサトシ! こっちだってサトシの戦法そのままお返しするよ! ライチュウ、地面に向かって“きあいだま”だ!」

 サトシ 「ピカチュウ穴から出ろ! “アイアンテール”で打ち返せ!」


ピカチュウは すぐさま穴から出る。

そして、直前まで迫っていた“きあいだま”に、“アイアンテール”を ぶつけて、思いきり打ち返した。

ピカチュウへのダメージは実質ゼロだ。
 ▼ 69 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/02 23:40:30 ID:AMR1hxnI [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ティエルノ 「やるねぇサトシ!」

 サトシ 「ティエルノもな!」

 トロバ 「2人とも凄いです! ここまで熱いバトルは撮影のし甲斐がありますよ!」 パシャッ! パシャッ!


リーグでティエルノと当たらなかった分、今ここで全力でバトル出来て、本当に良かったと思う。

やっぱり相手を知ってると、バトルは一層 楽しくなるからな。



   サナ 「わはっ、やってるやってる!」

   セレナ 「サトシもティエルノも頑張れー!」


ここで、セレナとサナがポケモンセンターから出てきて、観戦を始めた。

こりゃあますます負けられなくなってきたぜ。


 ティエルノ 「セレナも応援してくれてる……。さぁサトシ、ここからが本番だYO!」

 サトシ 「あぁ!」




 ▼ 70 ビワラー@あかいかけら 17/02/03 00:02:45 ID:n0KWJRc6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 71 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 00:35:00 ID:vfM4SM4s [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-5 】


夕飯を終えたオレたちは、セレナたちと別れて、ティエルノとトロバの男部屋に戻った。

各々シャワーを浴びて、明日の準備をして、ベッドに潜り込む。

ティエルノたちは明日は朝早くから調査を始めるみたいだから、夜更かし厳禁だ。


 トロバ 「ふぅ。それにしても、さっきのバトル凄かったですね。お陰で良い写真がたくさん撮れましたよ」

 ティエルノ 「絶対に勝つつもりでいたんだけど……、やっぱりサトシのピカチュウは手強いね」

 サトシ 「へへっ。でもライチュウも強かったぜ? オレが勝てたのも、けっこうギリギリだったからな」


ティエルノとのバトルは、オレが なんとか勝利した。

ライチュウ相手に不利なバトルだったけど、ピカチュウが頑張ってくれたお陰だ。

そんなピカチュウは、今はポケモンセンター側で ゆっくり休んでいる。今日ばっかりは一緒に寝れないか。
 ▼ 72 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 00:37:00 ID:vfM4SM4s [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ティエルノ 「それにしても悔しいなぁ。サトシとの最後のバトル、負け試合になっちゃって」

 サトシ 「なに言ってんだよ。またバトル出来るさ」

 ティエルノ 「そうだけどさ……、やっぱりセレナが見てる前だから、ビシッと勝っておきたかったんだよ」

 サトシ 「ん?」

 トロバ 「ふふっ。ティエルノはセレナに夢中ですからね」

 ティエルノ 「そうさ。セレナみたいな可愛い女の子、滅多に会えないよ」

 トロバ 「確かに。セレナって、髪切ってから すっごく可愛くなりましたよね」

 ティエルノ 「サトシが羨ましいよ。そんなセレナと一緒に旅が出来て」

 サトシ 「羨ましい……のか?」

 ティエルノ 「サトシは……、どうしてセレナと一緒に旅することになったんだい?」

 サトシ 「あぁ、セレナとの旅は、オレから誘ったんだけど……」

 ティエルノ 「サトシから!?」

 トロバ 「わぁ、サトシやりますね!」

 サトシ 「セレナ、オレのジム戦のアドバイスとかくれてさ。目的が無いみたいだったから、思い切って一緒に行かないか誘ってみたんだ。そしたらセレナ、すぐOKくれたんだ」

 トロバ 「ふむふむ。セレナもサトシとの旅に乗り気だったんですね」

 ティエルノ 「そうか……」
 ▼ 73 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 00:38:00 ID:vfM4SM4s [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「でさ。その後に思いだしたんだけど、オレとセレナって、前に会ってたんだよ」

 ティエルノ 「そうなのかい?」

 サトシ 「オーキド博士のサマーキャンプでさ。セレナの方がオレのこと覚えててくれたみたいで、話を聞いた感じ、セレナ、オレに会いに来てくれたらしいんだ」


あの時セレナは、サマーキャンプでオレが貸したハンカチを返しに来てくれた。

でもそのキッカケは、プラターヌ博士のガブリアスが暴れた事件が、テレビ中継されたこと。それを見てセレナは、“懐かしくて、会いたくなった”って言ってくれたっけ。


 トロバ 「セレナの方から……なるほどなるほど」

 ティエルノ 「じゃあ実質、セレナからサトシの旅に同行したいと……」

 サトシ 「う〜ん……、誘ったのはオレからだけど」

 ティエルノ 「話の流れで行くと、セレナの方からってことになるよ。そっか……、サトシとセレナは……」

 サトシ 「ん?」

 ティエルノ 「サトシ……、一つ聞いていいかい?」

 サトシ 「なんだ?」



 ティエルノ 「サトシはセレナのこと……、好きなのかい?」
 ▼ 74 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 00:39:00 ID:vfM4SM4s [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 サトシ 「あぁ、好きだぜ」

 ティエルノ 「……そっか」


なに言ってんだよティエルノ。当たり前じゃんか。

オレはセレナのこと好きだし、一緒に旅したシトロンもユリーカも好きだ。勿論、ティエルノやトロバ、サナだって。


 ティエルノ 「………」

 トロバ 「ティエルノ……」

 ティエルノ 「……きっと、セレナもサトシのこと、好きなんだろうね」

 サトシ 「えっ……いや、好きじゃないって言われたら悲しいけど」

 ティエルノ 「いや、分かってたさ」


分かってた……?

どうしたんだよティエルノ?
 ▼ 75 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 00:40:00 ID:vfM4SM4s [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ティエルノ 「だから僕は……、最後の望みをかけたんだ。さっきのサトシとのバトルで僕が勝ったら、セレナに告ろうと思ってたんだ」

 トロバ 「そうだったんですか」


コクロウ……?

新しいポケモンか?


 ティエルノ 「けど、そう言う訳にはいかないよね。サトシとセレナは互いに好きで……、大切な友達の仲を乱すようなこと、僕には出来ないよ」

 トロバ 「ティエルノ……、その心意気、尊敬します」

 ティエルノ 「考えてみると、セレナの家に招待されるような相手に、敵いっこなかったのさ、初めから」


敵いっこないって……、確かにオレ、ティエルノとのバトルには絶対負けたくないって思ってたけど、ティエルノだって凄ぇ良いバトルしたじゃん。

ライチュウの動きとか前より良くなってたし、リズム戦法も磨きがかかってたし。そんな最初から諦めるようなこと無かったのに。


 ティエルノ 「だからサトシ! この先も、セレナのこと……、よろしく頼んだよ!」

 トロバ 「ティエルノ……」
 ▼ 76 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 00:40:30 ID:vfM4SM4s [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この先もセレナのこと……か。

確かに、セレナの家に招待された以上、家に着くまで、オレがセレナのこと守らなくちゃいけないよな。

アサメまで近いって言っても、何が起きるか分からない。野生ポケモンに襲われるかもしれないし、ロケット団が仕掛けてくるかもしれない。

最後まで気を抜くな、ってことだよな。


 サトシ 「任せとけティエルノ。セレナのことは、ちゃんとオレが守るからさ」

 ティエルノ 「あぁ。約束だよ、サトシ」 スッ


ティエルノはオレに手を差し出した。

オレも手を差し出す。そして、しっかりと握手する。


 ティエルノ 「サトシは僕が認めたトレーナー、僕が認めた男だ」

 サトシ 「サンキュー、ティエルノ。ティエルノも、オレの最高のライバルだぜ」

 ティエルノ 「……オーライ。嬉しいよ、サトシ」
 ▼ 77 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 00:41:00 ID:vfM4SM4s [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 トロバ 「さぁ、夜も更けてきましたし、こういう話題は終わりにしましょう。最後に、ポケモンについて語り合いませんか?」

 サトシ 「おっ、良いな!」

 ティエルノ 「そうだね。それじゃあボクのカメックスのスポーティーな生い立ちを……」

 トロバ 「ティエルノの話は いつでも聞けるので、サトシのポケモンのこと、聞いてみたいです。サトシもリザードン、ゲットしてたんですよね?」

 サトシ 「あぁ。ヒトカゲの時にゲットしてさ」

 ティエルノ 「トロバと同じだね」

 トロバ 「はい! それでそれで、進化に至った経緯とか教えて下さい! 同じリザードン使いとして、前から気になってたんです!」

 サトシ 「あぁ良いぜ。実はヒトカゲ、リザードに進化してからオレの言うこと聞かなくなっちまってさ………」



それからオレたちは、各自のポケモンについて語り合った。

寝る時間も考えずに、いつまでも、笑いながら。


ティエルノとトロバとの最後の時は、こうして楽しく、あっという間に過ぎて行った。





 ▼ 78 ンタロス@きょうせいギプス 17/02/04 06:16:52 ID:f07xv2oo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 79 エルコ@そうこのかぎ 17/02/04 08:04:27 ID:2XH1uOt. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 80 クーン@くろおび 17/02/04 11:28:51 ID:VPsX67QI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 81 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:05:00 ID:vfM4SM4s [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


【 2-6 】


翌朝、7時。

オレたちは朝食を済ませて、ポケモンセンターのエントランスに集まった。

ティエルノたちとは、ここで お別れだ。


 サナ 「それじゃあセレナ、ホウエンの旅、頑張ってね!」

 トロバ 「応援してますよ」

 セレナ 「うん。ありがとう!」

 ティエルノ 「セレナぁぁぁ寂しくなるけど……、僕のハートに火を点けた君のこと、一生忘れないよ!」

 セレナ 「あはは……、私もティエルノのこと、忘れないわね」

 ティエルノ 「セレナみたいなキュートな女の子に出会えて、友達になれて、僕は本当に幸せさ!」

 サナ 「またティエルノったら!」

 ティエルノ 「……だからサトシ! セレナのこと、よろしく頼むよ」

 サナ 「えっ?」

 セレナ 「ティエルノ……?」
 ▼ 82 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:05:30 ID:vfM4SM4s [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ティエルノは珍しく真剣な眼差しで、オレに告げた。

分かってるさティエルノ。セレナの家に着くまで、オレがちゃんとセレナを守るから心配するなって。


 サトシ 「あぁ! ティエルノたちも、調査の仕事、頑張れよ!」

 ティエルノ 「オーライ! またバトルしようぜサトシ!」

 トロバ 「その時は、是非リザードン同士で!」

 サトシ 「臨むところだぜ!」

 サナ 「ふふっ。サトシとは、これでお別れね。気を付けてカントーに帰ってね」

 サトシ 「サンキュー、サナ」

 サナ 「それと……、私からも、セレナのこと、よろしくねっ」

 セレナ 「ちょっとサナ……」

 サトシ 「任せとけって!」

 サナ 「ふふっ」

 セレナ 「もぉ〜」
 ▼ 83 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:06:00 ID:vfM4SM4s [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サナ 「それじゃあね。セレナ。サトシ」

 ティエルノ 「また会う日まで!」

 トロバ 「お元気で」

 セレナ 「みんなも元気でね」

 サトシ 「カントーにも遊びに来てくれよな!」


オレたちは、調査地へと向かうティエルノたちを見送った。

プラターヌ博士の研究の手伝いを任されるなんて、誇れることだと思う。

ティエルノたちは、フレア団の事件の時、裏方で頑張ったって聞いている。そういう所が ちゃんと評価されたんだろうな。



 サトシ 「それじゃあオレたちも行くか」

 セレナ 「うん」


3人の背中を見送って、オレたちはアサメタウンへと歩き出す。

天気は良いし、風も気持ち良い。絶好の旅日和。セレナの家までもう少しだ。

 ▼ 84 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:06:30 ID:vfM4SM4s [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 サトシ 「……あれ何だ?」

 セレナ 「えっ?」


メイスイタウンを出ようとしたところで、思わずオレは声を上げた。

アサメタウンへと続く道に、パトカーが停まっていたからだ。事件じゃなければいいけど……。


 サトシ 「何かあったのか?」

 セレナ 「事件、なのかな。あんまり騒がしくは無いけど……」


確かに、事件特有のざわざわ感は無いから、おおごとでは なさそうだ。

じゃあ何かの警戒かな。野生ポケモンが暴れてる――とか、ポケモンハンターが出た――とか。

そこを通らないとアサメタウンには行けないし、ひとまず近付いて、様子を見ることにした。



 ジュンサー 「……あ、君たち、ちょっと待って」


すると、パトカーからジュンサーさんが下りて来て、オレたちを呼び止めた。
 ▼ 85 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:07:00 ID:vfM4SM4s [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「あっ、はい」

 サトシ 「ジュンサーさん、何かあったんですか?」

 ジュンサー 「実はね、この辺で、ポケモンハンターが活動してるって情報を受けたのよ」

 サトシ 「ポケモンハンターが!?」


予感が的中してしまった。

ポケモンハンター、ポケモンを無理矢理捕まえる悪い奴等だ。

捕まえたポケモンはコレクターに売られたり、変な実験の材料にされるって聞いたこともある。

オレは今まで何人ものポケモンハンターと戦ってるけど、ポケモンの気持ちを考えない あいつらは、絶対に許せない。


 ジュンサー 「それで、ここを通る人たちに注意喚起してたのよ」

 セレナ 「そうだったんですか」

 ジュンサー 「……けど、あなた達なら心配いらないかしら? カロスリーグ準優勝のサトシ君?」

 サトシ 「えっ……オレのこと知ってるんですか?」

 ジュンサー 「勿論よ。カロスリーグは一大イベントだもん。ほとんどの人が中継を見てたでしょうし、あのゲッコウガは注目の的だったからね」
 ▼ 86 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:07:30 ID:vfM4SM4s [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「へへっ。なんか照れるよな、ピカチュウ」

 ピカチュウ 「ぴぃっかぁ」

 セレナ 「ふふっ。流石サトシね」


ジュンサーさんにオレの名前を憶えて貰えたってのは、嬉しい反面、なんとなく照れくさい。

昨日のハルキたちもオレの名前を知ってたし、やっぱりカロスリーグってみんな見てたんだな。

準優勝のオレで これだけ有名になっちまったんだから、優勝したアランは凄いことになってそうだな……。


 ジュンサー 「でも、もし何かあったら、迷わず連絡してね」

 サトシ 「はい。 ちなみに、そのポケモンハンターって……」

 ジュンサー 「30代くらいの男1人って情報よ。年齢からすると、恐らくベテランのハンターね」

 サトシ 「30代くらいの男……、分かりました」

 セレナ 「気を付けます」

 ジュンサー 「えぇ。 それじゃあ、良い旅を!」

 ▼ 87 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:08:00 ID:vfM4SM4s [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ジュンサーさんに別れを告げて、オレたちはアサメに続く道へと進んだ。

こんなに気持ちの良い陽気なのに、ポケモンハンターが出るって聞いて、どうも気持ちが晴れない。


 サトシ 「まったく。ポケモンハンターって 何処にでも居るんだな」

 ピカチュウ 「ぴぃか!」

 セレナ 「うん。ポケモンを無理矢理 捕まえるなんて最低よ」

 サトシ 「出来ればオレたちで捕まえたいけど……」

 セレナ 「ジュンサーさんがチェックしてるから大丈夫じゃないかな?」

 サトシ 「そうなんだよな。……オレ、ポケモンはさ、絶対に無理矢理ゲットしちゃダメだと思うんだ」

 セレナ 「うん」

 サトシ 「心が通じ合って……って言うか、同じ目標に向かって一緒に頑張れてこそ、ポケモンと信頼し合えると思うんだ」


オレたちトレーナーは、ポケモンのことを第一に考えて行動しなくちゃいけない。そのためには、ポケモンとの信頼関係を築くのが絶対だ。

ポケモンハンターは、そんなオレの信念、モットーを、全否定する存在。

無理矢理ゲットして、酷いことして、そんな奴等、許される訳が無いんだ!


もしポケモンハンターと対峙したら戦うつもりだけど、ジュンサーさんが警戒してるんじゃ、確かにオレたちの出る幕は無いか。
 ▼ 88 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:08:30 ID:vfM4SM4s [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「ふふっ。サトシのポケモンたちを見れば、よ〜く分かるよ。みんなサトシのために一生懸命だもんねっ」

 サトシ 「あぁ! けどセレナだってそうだろ。テールナーも、ヤンチャムも、ニンフィアも。セレナの夢に共感して、セレナのために頑張ってくれてるじゃん」

 セレナ 「うん。みんな心強いパートナーだもん」


セレナは眩しいくらいの笑顔をオレに見せてくれた。

夢について悩んでた あの頃が嘘みたいに、今のセレナは輝いて見えた。


 サトシ 「へへっ。その意気だぜセレナ。……って言ってみたけどさ、実はピカチュウ、最初はオレに懐いてくれなかったんだ」

 ピカチュウ 「ぴ〜か〜」

 セレナ 「えっ……そうなの!?」

 サトシ 「あぁ。旅だった日なんて、何回も電撃浴びたもんな〜」

 ピカチュウ 「ちゃぁ」


懐かしいな、旅立ちの日。

ピカチュウを貰ったのはいいけど、全然オレのこと認めてくれなくて。

けど、オニスズメに襲われたあの時をキッカケに、ピカチュウはオレに心を開いてくれた。ピカチュウとの信頼関係は、そこから始まったんだと思う。

だからオレは、ポケモンとの信頼を大切にする――。絶対に譲れないオレの信念だ。
 ▼ 89 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:09:00 ID:vfM4SM4s [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「ねぇサトシ、私、サトシとピカチュウが初めて会った時のこと、もっと知りたいな」


改まって、セレナが言った。

そう言えばオレ、みんなにピカチュウとの出会いとか話してなかったっけ。

進化したくないって話は どっかでした記憶があるけど……、そっか、ピカチュウのこと、そんなに詳しく話す機会なかったもんな。


 サトシ 「良いぜ。あの時はオレ、旅立ちの日に寝坊しちゃってさ〜」

 セレナ 「えっ……寝坊しちゃったの?」

 サトシ 「あぁ。そのせいで初心者用ポケモンが全部 貰われちゃっててさ。それで特別に、オーキド博士がコイツを紹介してくれたんだよ」

 ピカチュウ 「ぴかっちゅ」


オーキド博士は“問題あり”とか何とか言ってたような気がするけど、そんなの最初だけだった。

今となっては、長い間 苦楽を共にした、オレの最高のパートナーだ。


 セレナ 「そうだったんだ」

 サトシ 「でさ、コイツいきなりオレに電撃だぜ。旅立ってからも電撃電撃で、仕方なくビニール手袋はめてたんだよ」

 セレナ 「ふ〜ん。信じられないなぁ。今のピカチュウ、こんなに大人っぽいのに」

 ピカチュウ 「ぴか」
 ▼ 90 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/04 23:09:30 ID:vfM4SM4s [17/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「それでさ、転機があったのは、オニスズメに襲われた時なんだ」

 セレナ 「オニスズメに……?」


オレはセレナに、例のオニスズメの事件を話した。

……まぁ、発端はオレがオニスズメに石を ぶつけたせいだから、あんまり格好良く言えたもんじゃないし、少し恥ずかしさもある。

けど、オレの話を相槌打ちながら真剣に聞いてくれているのを見ると、全部ありのままに話したくなってくる。

今までもそうだ。セレナと話してると、なんとなく落ち着けるんだよな。


アサメまでの道中、オレはセレナに、今までのピカチュウとの出来事を たくさん話した。

オニスズメのことの他にも、進化を拒否する理由、ケチャップ好きなこと、カメラが嫌いなこと、別れようとした時のこと――。


セレナは ずっと、オレの話に耳を傾けてくれた。時々質問や感想を挟みながら。時々ピカチュウにも話しかけながら。

オレたちの話ばっかで退屈だったかもしれないけど、そんなセレナの素振りを見ると、無用な心配のようだ。




そうしているうちに、オレたちは、セレナの故郷、アサメタウンに到着した。



 ▼ 91 シレーヌ@どくのジュエル 17/02/04 23:12:14 ID:f07xv2oo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 92 ンギラス@むげんのチケット 17/02/04 23:18:27 ID:lNE4/FS2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 93 ーピッグ@ライブドレス 17/02/05 12:31:06 ID:tzzZcPV. NGネーム登録 NGID登録 報告
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セレナのとつながってるのか
 ▼ 94 ルケニオン@スピーダー 17/02/05 18:14:08 ID:UT9niyDE NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 95 ルシアン@ダークメモリ 17/02/05 19:55:14 ID:61Z9.v7Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 96 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:35:00 ID:wgcGefrM [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
【 2-7 】


 セレナ 「到着〜。ここが私の家よ」


セレナの家に着いたのは、12時少し前。

どことなくマサラタウンに似ている街並みに、セレナの家は溶け込んでいた。


 サトシ 「おぉ〜。デカい家じゃん!」

 セレナ 「そんなこと無いよ」

 サトシ 「いや、オレん家より全然デカいよ。……お、サイホーンだ!」

 セレナ 「ママのサイホーンよ。ただいまサイホーン」

 サイホーン 「さぁい!」

 サトシ 「そっか。サイホーンレーサーだから」

 セレナ 「えぇ。こう見えて この子、すっごく早いんだから」

 サトシ 「へぇ〜。よろしくなサイホーン」

 サイホーン 「さい!」

 セレナ 「ふふっ」
 ▼ 97 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:35:30 ID:wgcGefrM [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
流石サイホーンレーサーの家。セレナは旅に出る前、このサイホーンに乗って特訓してたのか。

サイホーンを撫でていると、セレナの家のドアが開いた。


 サキ 「あらセレナ、帰って来たのね」

 セレナ 「ママ!」

 サキ 「いらっしゃいサトシ君」


出てきたのはサキさん……、なんだけど、何故か大きなバッグを持っている。


 サトシ 「こんにちは! 招待して貰っちゃって、ありがとうございます」

 サキ 「えぇ、そのことなんだけど……」


サキさんが申し訳なさそうに口ごもる。これ……、急用が入ったパターンかな?

 
 セレナ 「ママ、教室に行くの?」

 サキ 「実はね……、セレナ覚えてる? サイホーンレーサー教室の、合宿授業」

 セレナ 「あっ、うん。泊りがけでサイホーンの乗り方とかをマスターする授業だよね?」

 サキ 「えぇ。それでね、その合宿を担当する先生が風邪でダウンしちゃって……、私が代わりに行くことになっちゃったのよ」
 ▼ 98 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:36:00 ID:wgcGefrM [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 セレナ 「えっ……そうなの!?」

 サキ 「ごめんなさいねサトシ君。おもてなしの準備は してたんだけど、ほんの1時間くらい前に その連絡が来ちゃって……」

 サトシ 「いえ。その先生が風邪なら仕方ないですよ」

 サキ 「明日の午前中には帰って来るから、遠慮しないで寛いでてね。帰ってきたら、おいしいご馳走、振る舞っちゃうから」

 サトシ 「はい。ありがとうございます!」

 サキ 「それじゃあセレナ、悪いんだけど、サトシ君を おもてなししてね。冷蔵庫の中の食材、自由に使っていいから」

 セレナ 「うん、分かったわ。ママ、気を付けてね」

 サキ 「えぇ。それじゃあ行くわよサイホーン」

 サイホーン 「ささぁい!」


サキさんはサイホーンに跨ると、電光石火のようなスピードで家から飛び出して行った。

そんなに急いでたのか。大変なんだな、サイホーンレーサー教室って。


 サトシ 「サキさん忙しそうだな。じゃあ今夜は、オレとセレナだけか」

 セレナ 「ぁっ……」
 ▼ 99 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:36:30 ID:wgcGefrM [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「なんか悪いなぁ。サキさんが留守なのに、セレナの家に泊まっちゃって」

 セレナ 「あっ……そっ、ううん大丈夫! ママも良いって言ってたし!」

 サトシ 「そうか?」

 セレナ 「大丈夫大丈夫! とっ、とにかく上がってよサトシ」

 サトシ 「それじゃあ、お邪魔しまーす」

 セレナ 「はい、どうぞ……」


セレナに言われて、オレはセレナの家に上がった。

サキさんが居ないのに上がり込むのは申し訳ないけど、事情が事情だし仕方ないか。


リビングに通されて、オレたちは荷物を下ろす。

家の中は綺麗に掃除されていて、パッと見て棚の上とかには、埃一つない。サキさんの性格が何となく分かる。


ソファに向かい合って腰掛けたけど、セレナは何となく落ち着かない様子だ。


 サトシ 「そう言えば……」
 ▼ 100 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:37:00 ID:wgcGefrM [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今まで ずっと歩いてきたこともあるし、時間も時間だ。

オレの腹の虫が密かに音を上げている。


 サトシ 「そろそろ腹減ったな」

 セレナ 「……ふふっ。そうね。もう お昼だもんね」


セレナは立ち上がると、台所へと向かった。


 セレナ 「待ってて。何か作るから」


そう言って、冷蔵庫の中や、棚の中などを確認している。

そして、作るものを決めたのか、手を洗って、食器を準備し始めた。

その時間は僅か。手際よく料理の準備を進められる当たり、やっぱりセレナは女の子だ。オレには出来ない芸当だから、感心してしまう。


けど、最後まで ご飯を任せっぱなしってのも申し訳ない。
 ▼ 101 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:37:30 ID:wgcGefrM [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「なぁセレナ。オレも手伝うぜ?」

 セレナ 「えっ? 大丈夫だよ。サトシは お客さんなんだから」

 サトシ 「いや、それじゃ悪いって。泊めて貰うんだし、これくらい手伝わせてくれよ。な?」

 セレナ 「じゃあ……、お願い。そこの棚からボウルを出して、牛乳を入れて貰える?」

 サトシ 「分かった」


オレは言われた通り、ボウルを取り出して、そこに牛乳を注いだ。

するとセレナが隣に来て、卵と何かの粉を入れると、手際よく、なめらかに かき混ぜ始めた。


 セレナ 「サトシ、バターの封を切って」

 サトシ 「分かった。 それにしてもセレナ、料理上手いな」

 セレナ 「そうかな?」

 サトシ 「あぁ。その泡立てるやつ、見てて、すげぇ手際いいもん」


オレはセレナの手元を覗き込む。

やっぱり手際が良い。粉を こぼすことも無ければ、変に泡立ち過ぎることも無い。しゃわしゃわと一定のリズム。セレナの手つきは、実に繊細だった。


 セレナ 「あっ……/// ふふっ。ありがとサトシ」
 ▼ 102 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:38:01 ID:wgcGefrM [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告





 サトシ 「ごちそうさまでした」

 セレナ 「お粗末さま」

 サトシ 「美味いホットケーキだったよ。さすがセレナだなっ」

 セレナ 「ふふっ、ありがとう。シトロンのを見てたおかげかな」


セレナのホットケーキは、本当に美味しかった。

しっとりふんわりで、フライパンで生地を ひっくり返すアレも、セレナは見事に決めていた。


やっぱりセレナは凄いな。

料理も、身だしなみも、性格も、本当に女の子らしい。

ある意味オレとは正反対。でも、だからこそオレは、セレナに興味が湧いてくる。

セレナはオレに無いものを沢山持っているし、だからこそセレナは、今までの旅で、何度もオレに助言をくれたんだと思う。

本当に、セレナは最高の仲間だ。
 ▼ 103 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:38:40 ID:wgcGefrM [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ 「13時か……。これからどうする?」

 セレナ 「うん……」


サキさんが帰って来るのは、明日の午前中。

セレナと2人の時間は、まだ余るほどある。


 セレナ 「じゃあ、出かけようよ。すっごく景色の良い場所があるの」

 サトシ 「昨日言ってた所か?」

 セレナ 「うん。ちょっと歩くけど、ポケモンもいっぱい居るし、サトシも気に入ると思うな」

 サトシ 「へぇ〜。じゃあ行こうぜ!」

 セレナ 「うん。けど……ちょっと着替えて来ても良い?」

 サトシ 「着替える?」

 セレナ 「うん。あの……えっと、ホットケーキ作る時に、ちょっと粉が飛んじゃって……」

 サトシ 「そっか。じゃあオレここで待ってるから着替えて来いよ」

 セレナ 「うん。じゃあ、すぐ来るね」
 ▼ 104 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:39:20 ID:wgcGefrM [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そう言うと、セレナは2階へと駆けて行った。セレナの部屋は2階なのか。

オレは改めて、リビングを見回してみる。やっぱり綺麗に整理されている。


 サトシ (……お、写真だ)


ふと、棚の上に飾られてる写真を見つけた。

そこに写ってたのは、小さい頃のセレナ。ツナギを着て、サイホーンに乗って笑っている。


 サトシ (そう言えばセレナ、小さい頃からサイホーンレーサーの特訓してたって言ってたな)


でも、こんなに小さい頃からとは思っていなかった。

だってこの写真のセレナ、3歳くらいじゃないかな。


 サトシ (けどセレナは、練習が嫌だって言ってたっけ……)


セレナが自分の夢に焦ってた理由が、なんとなく分かった気がする。

早く夢を見つけないと、サイホーンレーサーに ならざるを得ない――、セレナは、そう思ったんだ。
 ▼ 105 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/09 00:40:00 ID:wgcGefrM [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 サトシ (でもサキさんとしては、セレナをサイホーンレーサーにしたかったんだろうな)


それは当然の話だ。

自分の職業(?)を、娘に継がせたいって気持ちは、オレから見ても分かる。


 サトシ (なんだか複雑だよな……)


そんなサキさんの希望に反して、セレナはポケモンパフォーマーになった。

勿論、あのメェークルレースの時、サキさんは それを認めているし、その後のことを見ても、サキさんはセレナを応援している。

でも内心、どこか残念だったのかもしれないな……。


 サトシ 「……やめたやめた。こんなこと、オレが考えることじゃない」

 ピカチュウ 「ぴか?」

 サトシ 「セレナとの最後の時間、ちゃんと楽しまないと。……セレナ、どんな服に着替えるんだろうな」

 ピカチュウ 「ぴぃかちゅ」


セレナの家の事情に、オレが首を突っ込むのは野暮だ。それより今は、セレナとの時間を大切にしないと。

オレはソファに座り直して、セレナが戻ってくるのを待った。
 ▼ 106 ラス@こおったきのみ 17/02/09 05:33:32 ID:jn1hcgXQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 107 ンテール@こだいのせきぞう 17/02/13 07:29:59 ID:dEsapA.k NGネーム登録 NGID登録 報告
支部
 ▼ 108 レキブル@ファイトメモリ 17/02/14 08:56:11 ID:Su26QPpk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 109 レイシア@タラプのみ 17/02/16 20:12:29 ID:IuF8FmsA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 110 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/19 03:24:20 ID:rFO387P2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 セレナ 「お待たせ、サトシ」


しばらくしてオレの前に現れたセレナは、普段とは だいぶ雰囲気が変わっていた。

桜の花びらの模様が入ったピンク色のワンピース。それは、女の子らしいセレナを より一層 女の子らしく仕立てていた。

けれど、胸元の青いリボンは変わらず付けてくれている。オレには それが嬉しかった。


 サトシ 「おぉ」

 セレナ 「どうかな、サトシ?」

 サトシ 「似合ってるよ。それに……リボン、付けてくれてるんだな」

 セレナ 「あっ、うん。サトシからの大切なプレゼントだもん」

 サトシ 「そっか。サンキューな」

 ピカチュウ 「ぴかちゅ」

 セレナ 「ふふっ。じゃあ行こうよサトシっ」
 ▼ 111 州街道◆IVIG1YNTZ6 17/02/19 03:24:55 ID:rFO387P2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレナに連れられ、オレは外に出る。

良い天気だ。吹き抜ける風が、セレナのワンピースを揺らす。


 セレナ 「これから行くところね、すっごく景色の良い所なの。私のお気に入りの場所」

 サトシ 「ポケモンも いっぱいいるんだろ? 楽しみだな」

 ピカチュウ 「ぴっか」

 セレナ 「ふふっ。ちょっと歩くけど、サトシ、絶対 気に入ると思うな」


ポケモンが いっぱいいる所は、やっぱりワクワクする。

しかも初めて行く所となれば、期待感も自然と大きくなるってものだ。


 サトシ 「……お、自転車あるじゃん」

 セレナ 「えっ?」


ふと庭の隅を見ると、古そうな自転車が無造作に置かれていた。

そう言えば、カロスに来てから自転車に乗ってなかったっけ。ちょうど良いや。
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