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【SS】ポケットモンスター外伝X

 ▼ 1 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 15:32:28 ID:600JhI0Y [1/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
没にして長い間放置してた話がやっとこさ完成したので一応書いていきます。

これまでの話との関連は読んでたらわかる……はずです……

と、言うわけで……グダグダ更新になると思いますがよろしくお願いします。


↓過去作URL

外伝
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=425114
外伝2
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=430226
外伝3
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=435716
外伝3,5
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=437371
外伝4
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=441121
外伝4+
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=469635
おーちゃんと俺
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=475033
外伝R
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=510291
外伝F
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=510291
 ▼ 4 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 15:44:36 ID:600JhI0Y [2/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

屋敷のとある一室……


扉を開けて医者のラッキーが隣の部屋から出てくると、サンダースはラッキーに涙声で尋ねた。

サンダース「せ、先生……エーフィは……エーフィは助かるんか?」


ラッキーは持ち込んだ医療器具を手際よく片付け始めた。

ラッキー「エーフィさんのかかった病は特殊なものです……この病はあなた達イーブイ一族にしか見られていないと言う特殊なものでして……業界でもあまり研究がすすんでいないのです……」


ラッキーはカバンを閉じた。

ラッキー「簡潔に申し上げますと……非力な私には治せません……」


サンダースの目から大粒の涙が落ちた……


サンダース「そ、そんな……こんなの不公平や……なんでエーフィがこんな事にならなあかんねん!」


サンダースは床に頭を叩きつけた。


ラッキー「……」
 ▼ 5 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 15:50:32 ID:600JhI0Y [3/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


それは数日前の出来事だった……


ドリ村はずれの草原にて……


エーフィとサンダースはいつも通り、日課の散歩をしていた……


サンダース「今日もいい天気やな!」

エーフィ「そうね!」


サンダースは伸びをすると走り出して、広い草原に寝転がった。


サンダース「ああー! おひさんの光が気持ちええわ! エーフィもこっちきいや!」

エーフィ「ほーんとサンダースって可愛いんだから! 今行くわよ!」


 ▼ 6 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 15:52:59 ID:600JhI0Y [4/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

エーフィが一歩踏み出そうとしたその瞬間……


エーフィの瞳から光が消えて……そのままゆっくりと草原に倒れ込んだ……



ドサッ……



サンダース「どないした? エーフィ?」


サンダースがエーフィの顔をのぞき込むとエーフィは気を失っていた……


サンダース「え、エーフィ!? エーフィ!!」






 ▼ 7 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 15:57:53 ID:600JhI0Y [5/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





サンダース「なんでや! こんなの嫌や!!」


泣きじゃくるサンダースにラッキーが無言で一枚の写真を差し出した。


サンダース「なんや! 治せんのなら出てけや!!」


ラッキーは小さくため息をついた。


ラッキー「話は最後まで聞くものですよ……私には治せませんが、この薬草さえあれば治ると言われています」

サンダース「え……」


サンダースが涙を拭って写真を見ると……写真には見たことのない植物が写っていた……
 ▼ 8 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 16:02:54 ID:600JhI0Y [6/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダース「これがあったら……エーフィは……」


ラッキー「きっと助かります」

サンダース「な、なんではよ教えてくれへんねん!先生!!」


サンダースはラッキーに抱きついた。

ラッキー「やめてください」


ラッキーはすぐさまサンダースを押しのけた。



サンダース「なんや、助かるんか……よかったで……」
 ▼ 9 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 16:11:49 ID:600JhI0Y [7/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ラッキー「この薬草はあなた達、イーブイ一族の間で代々使われてきたもので……これさえあればあなた達一族ならば、どんな病気でも治す事が出来ると言われています」


ラッキーはカバンを持ち上げた。


ラッキー「しかし、この薬草は切り立った崖や高山など、他の植物がまともに育たない厳しい環境でしか発見例がなく……しかも近年では全く発見されていないのです……」


サンダース「え……?」


ラッキー「絶滅している可能性も考えられます……それでもあなたは探しますか?」


サンダース「決まってるやろ!! 何が絶滅や!! エーフィ助けられるならなんだってしたるわ!!」

 ▼ 10 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 16:19:57 ID:600JhI0Y [8/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ラッキー「……そうですか……先に言っておきます……落ち着いて聞いてください」


サンダース「?」


ラッキー「エーフィさんの病は末期です……もういつ亡くなってもおかしくはありません……」


サンダース「!!」


ラッキー「残された時間でエーフィさんのそばにいてあげるか……最後まで助かる道を求めるかはあなた次第です」


ラッキーはそう言い残して部屋を出て行った……


サンダースはラッキーの残した写真をしばらく見つめていたが……すぐに隣の部屋へと向かった……
 ▼ 11 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 16:25:36 ID:600JhI0Y [9/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エーフィの部屋……



サンダース「エーフィ?」


窓から差し込む日差しがエーフィを照らしている……


エーフィ「すぅ……すぅ……」


エーフィはベッドで気持ちよさそうに眠っている……


エーフィの寝顔を見つめていると……また涙がこみ上げてきた。


サンダース「うぅ……エーフィ……必ずわいが助けたるからな……!」


サンダースは机の上にあった紙に何かを書き込むと黙って部屋を出て行った……
 ▼ 12 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 16:28:42 ID:600JhI0Y [10/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


屋敷の外……



サンダース「エーフィ……」


サンダースは振り返って屋敷を見た……


サンダース「必ず……助けるから……」


サンダースは手のひらを見つめて呟いた……


サンダース「山崎さん……わいの事、見ててくれや!」



サンダースは屋敷に背を向けると地面を一蹴りして走り出した……






 ▼ 13 オタマロ@ヨクアタール 17/02/16 16:37:52 ID:XT1BEjPY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
来たァァァァァァァァァァo(^o^)o
支援支援支援!!!
 ▼ 14 エンテイ@りゅうのプレート 17/02/16 16:48:12 ID:UdG9w7Hc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
最初から見てる自分にとっては
めちゃくちゃ嬉しい
支援!
 ▼ 15 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:04:57 ID:600JhI0Y [11/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



いつかの時代、どこかの場所、ポケモン達が住む小さな村があった……


そう、ここはドリ村……

ドリ村の自然は美しく、その村で育つポケモン達の心もまた、美しいと言われる……


ここはニンフィアカフェ……ではなく、今ではブラッキーカフェ。


ニンフィアは既に引退し、娘のブラッキーに店を譲っている。


しかし、そんなカフェも今は休業中だった……

 ▼ 16 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:10:16 ID:600JhI0Y [12/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ブラッキーカフェ二階寝室にて……


ニンフィアのベッドを皆が囲んでいた……


ブラッキー「……母さん、大丈夫?」


ベッドに寝転がっているニンフィアは苦しそうに咳き込んだ後、笑って返した。


ニンフィア「大丈夫だよ……心配してくれてありがとね」


オコリザル「大丈夫って言われてもやっぱり心配だ……」

ライチュウ「無理するな、俺がそばにいてやるからもう寝ろ」


ライチュウはニンフィアのベッドの近くの壁にもたれた。


ニンフィア「ありがと、やっぱりライチュウは優しいね」

ライチュウ「う、うるせぇよ……」

 ▼ 17 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:15:22 ID:600JhI0Y [13/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ブラッキー「先生……母さんは……」


医者として来ていたタブンネは医療器具を片付けながら言った。


タブンネ「とりあえず今はどうとも言えませんね……経過を見ましょう」


そう言いながらタブンネは他のポケモンにばれぬ様に小さな紙切れをブラッキーに向けてちらつかせた。

ブラッキーがその紙切れを見るとそこには……



後で話があります。



と、書いてあった……


ブラッキーは息を飲んだが平静を装って黙って頷いた。
 ▼ 18 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:17:32 ID:600JhI0Y [14/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




タブンネ「それでは、私はこれで」


タブンネは部屋を出た。

ブラッキー「じゃあ私、先生を見送ってくるね」


ライチュウ「おう」


ブラッキーはタブンネの後を追って部屋を出た……


 ▼ 19 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:24:37 ID:600JhI0Y [15/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



部屋の外、廊下にて……



ブラッキー「せ、先生……何かあったんですか?」


タブンネはしばらく黙っていたが……やがて口を開いた。


タブンネ「……残念ですがニンフィアさんは助かりません」

ブラッキー「ど、どう言う事ですか!?」


タブンネ「……ニンフィアさんのかかった病気は……もう治せないのです」

ブラッキー「どうして……」


タブンネ「ニンフィアさんはまだかかってまもないのですが……この病はだんだんとニンフィアさんの生命に関わる機能を停止させていきます。」

タブンネ「昔はこの病を治す事が出来る、この様な薬草があったのですが……もう絶滅してしまったようで……」


タブンネの持つ写真には見たことのない植物が写っていた……
 ▼ 20 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:31:13 ID:600JhI0Y [16/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ブラッキー「そんな……」


その時、ブラッキーの背後から声がした……

?「嘘だ……」


ブラッキー「!?」

ブラッキーが振り返ると……そこにいたのはイーブイだった。


ブラッキー「イーブイ! 遊びに行ってたんじゃ……」

イーブイ「おばあちゃんが助からないなんて絶対嘘だっ!!」

タブンネ「……」

イーブイ「そうやっておとなはすぐに嘘をつくんだ!!」

ブラッキー「イーブイ! なに言ってるの!!」

イーブイ「嘘つきなんて大嫌いだぁ!!」


イーブイはタブンネの持っていた写真をひったくると何処かへかけていった……


ブラッキー「イーブイ!! イーブイ!!」
 ▼ 21 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:41:49 ID:600JhI0Y [17/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


イーブイはカフェを飛び出すと近所の森に向かった……



イーブイ「こんな草なんてどこにでもあるはずっ!!」


イーブイは写真を片手に薬草を探し始めた……


しかし、絶滅しているのだから見つかるはずもなかった……

 ▼ 22 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:47:06 ID:600JhI0Y [18/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

そして数時間が過ぎた……



イーブイ「うぇっぐ……なんでだよう……僕が……僕が助けないと……おばあちゃんが……」


もう日も沈み、辺りは薄暗くなってきた……


イーブイ「暗いよぉ……怖いよぉ……」


その時、森の木々がざわめきだした……


ひょぉぉぉおお……

ざわざわ……ざわ……


イーブイ「ひぃっ!!」


イーブイは草むらに飛び込んだ。
 ▼ 23 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 17:50:51 ID:600JhI0Y [19/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

しばらくして森のざわめきが落ち着くと……そこに一匹のポケモンが現れた。


それはピンクのセレビィだった……


セレビィ「……」


セレビィはイーブイの隠れている草むらにゆっくりと近づいた。


イーブイ「!!」


セレビィ「ねぇ」

イーブイ「だ、誰もいないよ!!」

セレビィ「ねぇってば……」

イーブイ「誰も隠れてないんだってば!! あっちいってぇ!!」



 ▼ 24 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 18:02:03 ID:600JhI0Y [20/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
セレビィは頭をかいた……


セレビィ「尻尾見えてるわよ……」

イーブイ「だから誰もいないんだってばぁ!!」

セレビィ「助けたいんでしょ? あなたのおばあちゃん」

イーブイ「!」


イーブイは草むらから顔を出した。


イーブイ「どうして知ってるの……?」

セレビィ「私は森の神様だから……それくらいわかって当然よ」


イーブイ「……本当に神様なの? 嘘じゃない?」

セレビィ「うん」

イーブイ「じゃ、じゃあ……僕のおばあちゃんを助けて!!」


セレビィ「そ、それは……出来ないけど……」

イーブイ「なんだよう!! 出来ないなら神様じゃないじゃん!! 嘘つき! あっちいってよ!!」
 ▼ 25 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 18:08:06 ID:600JhI0Y [21/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイはまた薬草を探し始めた……


セレビィ「言っとくけど……その写真の薬草は……もうこの世界には存在しないのよ?」

イーブイ「……」


イーブイはセレビィを無視して薬草を探し続ける……


セレビィ「ねぇ、聞いて……」

イーブイ「知ってるよ!! 知ってる……よ……うぅ……」


イーブイは目に涙を浮かべた。


セレビィ「はぁ……本当、面倒な子ね……」

イーブイ「うわぁぁぁん!!」
 ▼ 26 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 18:11:02 ID:600JhI0Y [22/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

セレビィは飛び上がった……


また木々がざわめき始める……


セレビィ「本当に……世話が焼ける……」


すると、イーブイの体も浮かび上がった!

イーブイ「え!? ええええ!?」


イーブイは不思議な光の中に吸い込まれて消えた……


セレビィ「……頑張ってね」


そう呟くとセレビィも姿を消した……



 ▼ 27 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 18:11:42 ID:600JhI0Y [23/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告












イーブイ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」











 ▼ 28 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 18:16:36 ID:600JhI0Y [24/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
その頃、サンダースは森を歩いていた……


サンダース「早くせなあかんのに……疲れて力がでぇへん……」

サンダースは地面に寝そべった。

サンダース「年は取りたくないもんやな……体が動かへん……」


サンダースは再び薬草の写っている写真を見た……

その時、どこからか声がした……


うわぁぁぁあ!!!


サンダース「ん?」

サンダースが見上げると……空からイーブイが降ってきた!

サンダース「ええええええええええ!?」


どごぉ!!

空から降ってきたイーブイがサンダースの頭に直撃した。

続く
 ▼ 29 1◆v1GnTfaqxg 17/02/16 18:19:22 ID:600JhI0Y [25/25] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第一話おわり

最初に張ったURL間違ってた……多分これであってるはず……


外伝F
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=514751


URLが多すぎてどれがどれかわからないんです……すみません
 ▼ 30 チラチーノ@レンブのみ 17/02/16 20:08:53 ID:XT1BEjPY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
最後までついてくぜ
 ▼ 31 ラグラージ@でんきだま 17/02/16 20:11:26 ID:YNslr1R. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
うらるは10個までしか貼れないやで
これ以上増えた時のためにあらかじめ言っとくけど

支援
 ▼ 32 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 09:21:45 ID:CtgzoR4Y [1/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第二話  出会い×出会い



サンダースの頭に直撃したイーブイは頭を抱えながら起き上がった。


イーブイ「い、いてて……」


そこにセレビィがやってきた。

セレビィ「ご、ごめん! 転送に失敗しちゃった!!……大丈夫?」


イーブイ「僕は大丈夫……だけど……」


イーブイは振り返った…… 

イーブイ「このポケモンは大丈夫かな……?」


サンダースの頭は地面にめり込み、お尻だけ地上に出ている……


セレビィ「あれ? 前にもこんな事があったような……」

 ▼ 33 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 09:30:10 ID:CtgzoR4Y [2/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイ「それよりここはどこなの?」


セレビィ「ここはあなたのいた時代から数年前の世界よ」

イーブイ「え!? 数年前!? そんな嘘は信じないよ!!」

イーブイは自分の顔をつねった。


イーブイ「……いてて……あれ? 夢じゃない……?」


セレビィ「神様だって言ったでしょ? 私、病気は治せなくてもタイムスリップはできるわ……だからあなたの探してる薬草がまだはえていた頃にとばしてあげたのよ」

イーブイ「っ!……じゃあ……」

セレビィは微笑んだ。


セレビィ「薬草を早く探しておばあちゃんを助けてあげなさい」


イーブイ「あ、ありがとう! 神様!!」

イーブイは目を輝かせて言った。


 ▼ 34 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 09:37:49 ID:CtgzoR4Y [3/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

セレビィ「あと、さっき言い忘れたけど……ここら辺にはあなたの探してる薬草はないわよ? それはたしか山や崖にはえる変な種類のでね……ここらならあっちの崖の方にありそうね」


セレビィは遠くにそびえ立つ岩壁を指差した。


イーブイ「わかった!」

セレビィ「私の助けはここまでよ。あとはあなたの頑張り次第! それじゃ、見つかったらこの辺に帰ってきてね。元の時代に返してあげるから」


イーブイ「うん!」

セレビィ「頑張ってね!」


そう言ってセレビィは消えた……


イーブイ「よしっ! 早く探しに行こうってうわっ!」


バイン!!


イーブイは地面からはえているサンダースのお尻にぶつかった。


イーブイ「いてて……このポケモンの事忘れてた……生きてる……かな……」
 ▼ 35 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 09:43:57 ID:CtgzoR4Y [4/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイは恐る恐るサンダースの後ろ脚を引っ張ってみた……


イーブイ「うぐぐ……」


痛い痛い痛いって!!


イーブイ「?……声がした?」

イーブイはさらに強く引っ張ってみた……


痛いゆうとるやろ!!

地面から勢いよくサンダースが飛び出した!


イーブイは驚き尻餅をついた。

イーブイ「うわっ!!」

 ▼ 36 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 09:59:58 ID:CtgzoR4Y [5/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダース「もうちょっと丁寧に扱ってーや……」

イーブイ「ご、ごめんなさい……」


サンダース「せっかく気持ちよく寝とったのに……無理やり起こされたこっちの身にもなってーや……」

サンダースは大きくあくびをした……


イーブイ「(ね、寝てた?)」

 ▼ 37 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 10:05:52 ID:CtgzoR4Y [6/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

いきなりサンダースがぐっとイーブイに顔を近づけた。


サンダース「ん? そう言えばここらでイーブイ族はうちくらいやったはずなんやけど……ぼうずはどこから来たんや?」

イーブイ「え? 僕はみ……っ!(未来から来たって言っても信じてもらえないに決まってるな……)」


サンダース「み?」

イーブイ「いや……えっと……実は僕、どこで生まれたのか知らなくて……ずっと一匹で生きてきたんだ(し、しまった……とっさに嘘を……)」


サンダース「そうなんか……良かったらうちにこーへんか?」

イーブイ「え?」

サンダース「うちなら家もおっきいし……一匹増えたとこで変わらんから!」

イーブイ「い、いや……僕は……」

サンダース「遠慮せんでええって! ほな行こか!」


サンダースはイーブイの首もとをくわえると全力で走り出した!

イーブイ「うわあぁぁぁあ!!」

 ▼ 38 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 10:08:28 ID:CtgzoR4Y [7/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


屋敷前……



サンダース「ぼうず! 着いたで!」


イーブイは酷く目を回していた……


イーブイ「う、うぅ……酔っちゃった……気持ち悪い……」


サンダース「なんか悪いことしたな……まぁ、ゆっくり休んでき?」

サンダースはまたイーブイの首もとをくわえると屋敷の階段を上がっていった……



 ▼ 39 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 10:18:20 ID:CtgzoR4Y [8/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


サンダースは屋敷のとある一室にイーブイをおろした。


サンダース「ここで休んでき?……あっ!! せや! 忘れてたっ!! はよせなあかんのに!!」

サンダースはいきなり走り出して何処かへ行ってしまった……


イーブイ「えっ!? ちょっと! おじさん!!……行っちゃった……」


イーブイは静かになった部屋を見渡した……


イーブイ「どうすればいいんだろう……嘘ついたからこんな事に……なんで嘘なんてついちゃったんだろう……」


イーブイが途方に暮れていると……何処からか声が聞こえた……


?「自分から探しに行くって言ったのにもう忘れちゃうなんて……本当、サンダースってかわいいんだから……」
 ▼ 40 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 10:20:50 ID:CtgzoR4Y [9/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイ「だ、誰?」


イーブイが声のした方に目をやると……カーテンの向こう側にポケモンの影が見えた……


イーブイはその影に恐る恐る近づいた……


?「そんなに怯えなくてもいいのよ?」


イーブイ「ぼ、僕の気持ちがわかるの?」


?「なんとなくよ……」


イーブイ「……」



 ▼ 41 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 10:27:08 ID:CtgzoR4Y [10/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイはカーテンの下から顔をのぞかせた……


カーテンの向こう側にいたポケモンは……上品な出で立ちをしたポケモンで、窓から差し込む日の光が彼女の体毛に反射してきらびやかに輝いていた……


イーブイはあまりの美しさに言葉を漏らした……


イーブイ「き、綺麗……」

?「ありがと」


イーブイ「あなたは……?」

エーフィ「私はエーフィよ……あなたはどうしてこんな所に来たの?」

イーブイ「ぼ、僕はイーブイって言うの……っ!」


エーフィ「どうかしたの?」

イーブイ「(未来から来たって言っても無駄だよね……どうしよう……)」


戸惑うイーブイにエーフィが笑いかけた。


エーフィ「どうしたの? なにか困り事でもあるなら聞いてあげるわよ?」
 ▼ 42 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 11:53:50 ID:CtgzoR4Y [11/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイ「困り事って言うか……その……あの……」


エーフィ「なぁに?」

イーブイ「(ええい……隠してても仕方ない!)」


イーブイは大きく息を吸った……



イーブイ「じ、実は僕! 未来から来たんです!」


エーフィ「……そう」


イーブイ「え? 驚かないの……?」


エーフィ「ええ……だって私、これまで色んな事を見てきたわ……だから相当な事じゃないと驚かないわよ。正直に話してくれてありがと……ところでどうしてこの時代に来たの?」


イーブイ「えっと……」

 ▼ 43 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 11:55:23 ID:CtgzoR4Y [12/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告








イーブイはこれまでの事を話した……






 ▼ 44 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 11:59:40 ID:CtgzoR4Y [13/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

エーフィ「大変ね……じゃあ頑張っておばあちゃんを助けないとね」


イーブイ「うん! 僕がおばあちゃんを助けるんだ!」


エーフィはイーブイを見て微笑んだ。

エーフィ「うふふ……頑張ってる男の子ってかわいいわね!」

 ▼ 45 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 12:03:29 ID:CtgzoR4Y [14/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
エーフィはベッドの上に飛び乗った……


エーフィ「イーブイ君、薬草を探したいのならサンダースを追いかけるといいわ」

イーブイ「サンダース……さっきのおじさん?」


エーフィ「ええ、実はサンダースもあなたと同じ物を探してるの」

イーブイ「そうなの?……なんで僕と同じ薬草を……?」

エーフィ「色々あってね……それよりあなたにお願いがあるの」

イーブイ「なぁに?」


エーフィ「サンダースをここに呼び戻して欲しいの」


イーブイ「うん、わかったよ」

エーフィ「ごめんね……こんな事頼んで」

イーブイ「いいよ、それくらい! それじゃあ僕、行ってくるね!」

エーフィ「うん、お願いね! 気をつけてね!」


イーブイは走って部屋を出て行った……
 ▼ 46 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 12:05:53 ID:CtgzoR4Y [15/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


イーブイが出て行くと……部屋はまた静かになった……



エーフィはサンダースの残した置き手紙を見た……


エーフィ「……」



 ▼ 47 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 12:07:41 ID:CtgzoR4Y [16/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エーフィへ


エーフィの病気はそんなにひどいもんやないんやって


けど、薬草が必要らしいから……わいが今からひとっ走りしてとってくるからちょっとまっとってくれ


すぐに帰るから


サンダース
 ▼ 48 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 12:10:19 ID:CtgzoR4Y [17/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エーフィ「さっきの子は……昔の私が見た未来の今日の日にはいないはずのポケモン……あの子ならこの運命を変えれるかしら……?」



エーフィの涙が手紙の上に落ちた……



エーフィ「でも……まだ見える……私が一匹で死ぬ未来が……」




 ▼ 49 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 12:13:44 ID:CtgzoR4Y [18/19] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その頃、イーブイは屋敷を後にし、あの岩壁目指して森に入っていこうとしていた……



イーブイ「はぁ……はぁ……急がないとおじさんに追いつけない……」


必死に走りつづけていたその時……


バイン!!


イーブイ「うわぁ!!」

イーブイは誰かに思いっきりぶつかった。


?「おいおい……そんなに急いでどうした?」


イーブイがぶつかったのは……イーブイのよく知っているポケモンだった……


イーブイ「おじいちゃん?」


続く
 ▼ 50 1◆v1GnTfaqxg 17/02/17 12:16:53 ID:CtgzoR4Y [19/19] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第二話おわり

URL十個までなんですか……知らなかった

まぁ、ここまで読んでくれてる方には不必要だと思いますし、それに多分これ以上このシリーズは増えないと思いますし……大丈夫だと思います……多分

 ▼ 51 けもリー◆woBJ.2LDUY 17/02/17 12:33:41 ID:Af9OxoNI NGネーム登録 NGID登録 報告
支援です
 ▼ 52 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 21:53:10 ID:isGW1YBM [1/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第三話 嘘×嘘


イーブイ「おじいちゃん?」 

?「はぁ? 誰かと間違ってるんじゃないのか?……まだおじいちゃんって年齢じゃないと思うんだけど……」


イーブイはまじまじとそのポケモンを見つめた……


イーブイ「んー……そうだね、僕のおじいちゃんより若いや」

?「そ、そうだよな! 若いよな! 知らないうちに老けたかと思ったぜ!!」

イーブイ「……おじさんは名前、なんて言うの?」

?「俺の名前?……あぁ、ライチュウってんだ(お、おじさん!?……やっぱり俺、老けたのか?)」


イーブイ「ふーん……」

ライチュウ「お前は?」

イーブイ「僕はイーブイって言うの」
 ▼ 53 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 21:56:15 ID:isGW1YBM [2/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウ「それより話を戻すけど……なんで急いでたんだ?」

イーブイ「あっ! そうだ! 急がなきゃいけないんだった!」


ライチュウ「だから何をそんな……いっぺん話してみろよ。少しは力になってやるからよ」

イーブイ「……」


イーブイはまた考えていた……

「このライチュウと言うポケモンはタイムスリップを信じてくれるだろうか?」と……

 ▼ 54 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:04:53 ID:isGW1YBM [3/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウは肩にかけたカバンからリンゴを取り出すとそれをかじりながら笑った。


ライチュウ「何をそんなに思いつめた顔してんだよ! そんな顔しても幸せが逃げてくだけだぜ?」


イーブイ「……全部信じてくれる?」

ライチュウ「なんだ? 俺が信じないとでも?」

イーブイ「いや……そうじゃないけど……僕も信じられないような事が起こったから……」

ライチュウ「まぁ、なんでもいいから話してみろって!」



イーブイ「……嘘つきなんて言わないでね……」


 ▼ 55 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:05:28 ID:isGW1YBM [4/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告











イーブイはこれまで起きたことを全て話した……









 ▼ 56 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:10:52 ID:isGW1YBM [5/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウ「ほーん……じゃあお前は未来から来たポケモンか……」


イーブイ「……うん」

ライチュウ「そっか!」

イーブイ「え!? そんなに簡単に信じてくれるの!?」

ライチュウ「まあな! 昔、俺の友達にもタイムスリップしたことある奴がいたしな……逆に聞くけどなんでそんなに信じてもらえないと思うんだよ?」


イーブイ「……だって……嘘かもしれないじゃん……嘘は嫌いなんだ……」

ライチュウ「嘘が嫌い? なんでだ?」


イーブイ「だって……」




イーブイの頭の中にいつかの記憶がよぎった……



 ▼ 57 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:15:23 ID:isGW1YBM [6/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
あの日……僕は友達に囲まれて自慢話をしてたんだ……



イーブイ「僕のおばあちゃんは何でも願い事を叶えてくれるポケモンにあったんだよ!」

ピジョン「本当!?」

イーブイ「本当だよ! おばあちゃんから聞いたんだ!」

フシデ「でもよ……証拠がないじゃん」

バオップ「そうだ! 証拠だせよ!」

イーブイ「し、証拠……は……」

バオップ「はやくしろ!」


イーブイ「……」


フシデ「証拠がないって事は嘘って事だ! イーブイは嘘つきだ!」

イーブイ「そ、そんな!」

バオップ「嘘つき! 嘘つき!」

イーブイ「信じて……! 信じてよぉ……うぅ……」
 ▼ 58 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:24:31 ID:isGW1YBM [7/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




イーブイ「嘘は誰かを傷つけるよ? 嘘は怖いし……辛いよ……だから僕は嘘が嫌いなんだ! 嘘もつかないよ!」


ライチュウ「……そっか……でもな? 嘘にもいい嘘と悪い嘘があるんだぜ?」

イーブイ「えっ!? い、いい嘘なんて無いよ!!」


ライチュウ「例えば……お前が聞いたエーフィさんの言葉がそれだな」


イーブイ「え?」


ライチュウ「多分エーフィさんはお前のばあちゃんと同じ病気だ」

イーブイ「うそっ!?」

ライチュウ「俺もエーフィさんとは付き合い長いからな……なんとなくわかる……」

イーブイ「なんでそんな嘘を……」

ライチュウ「これが『いい嘘』だ」

 ▼ 59 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:32:48 ID:isGW1YBM [8/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイ「なんでそれが『いい嘘』になるの?」

ライチュウ「もし同じ病気だってお前が知ったら……お前はきっとエーフィさんを助けようとする……そう思ったんだろう……」


イーブイ「……」


ライチュウ「エーフィさんはきっとお前に心置きなく薬草を探してほしかったんだ……だからこれは『いい嘘』になる」

ライチュウ「俺や家族にも病気の事を隠してたみたいだが……それもみんなに心配かけないためのエーフィさんなりの『いい嘘』だ」

イーブイ「そう……だね」


ライチュウ「でも全部が全部嘘じゃないみたいだ……エーフィさんはおっちゃんを……サンダースのおっちゃんを待ってる」

イーブイ「……サンダースのおじさん?」


ライチュウ「俺達が今出来る事は……おっちゃんを見つけてエーフィさんの言葉を伝える事……そしてお前のばあちゃんを助ける事だ……」




 ▼ 60 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:50:14 ID:isGW1YBM [9/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その頃、サンダースは……



サンダースは一匹森を走っていた……


サンダース「はぁ……はぁ…………あかん……」

サンダースは立ち止まった……

サンダースにはもう、昔のような体力は残っていなかった……


空は綺麗なオレンジ色……もう夕方だ……   



サンダース「わいが……わいがやらなあかんのに……! なんで動かんのや! 動け! わいの脚!!」


サンダースはふらふらと走り出し……なんとか森を抜けた……



 ▼ 61 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 22:58:34 ID:isGW1YBM [10/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

再び森……


ライチュウ「じゃあ、俺も探すの手伝うから一緒に行こうぜ!」

イーブイ「うん!」


二匹は遠くに見える岩壁に向かって走り出した……



イーブイ「ねぇ、おじさんはエーフィさんの知り合いなの?」

ライチュウ「おう……俺はちっさい頃からたくさん世話になってるからな……」

イーブイ「それならおじさんもエーフィさんに会いに行かないといけないんじゃ……」


ライチュウは黙って首を振った。


ライチュウ「いや……俺の今やるべき事はサンダースのおっちゃんを連れ戻す事だ……」

イーブイ「なんで!?」

ライチュウ「エーフィさん、俺がまだガキの頃にこう言ったんだ……」
 ▼ 62 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 23:02:32 ID:isGW1YBM [11/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告









未来を知っても楽しくはないわよ?


便利だけど……楽しくないな……


私もそうだもん……見たくないものも見えちゃうの




 ▼ 63 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 23:07:29 ID:isGW1YBM [12/13] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ライチュウ「あの日の……あの言葉の意味、やっとわかった。エーフィさんはきっとあの時既に自分が一匹寂しく死ぬ未来を見通していたんだ……」


二匹は立ち止まった。


ライチュウ「だから……少しでも未来を変えようと……最後はサンダースのおっちゃんにそばにいて欲しいからお前に頼んだんだ……」
 
イーブイ「そんな……」


ライチュウ「エーフィさん……最後に一目会いたかったけど……ごめんな……俺もエーフィさんの未来を変えるために頑張るから……!」


ライチュウの目から一筋の涙がこぼれた……



ライチュウ「……行こうぜ」

イーブイ「……うん」


二匹はまた走り出した……


続く
 ▼ 64 1◆v1GnTfaqxg 17/02/18 23:09:29 ID:isGW1YBM [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第三話 おしまい

短い話なので一応折り返し……かな?
 ▼ 65 ビリリダマ@あかいバンダナ 17/02/19 00:25:43 ID:op1jhBXU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 66 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 21:23:53 ID:onrzCjbI [1/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第四話 意志×意志


ライチュウとイーブイは遠くに見える岩壁目指して森の中を走っていた……


ライチュウ「はぁ……はぁ……なかなか追っつかないな……さすがおっちゃん……」

イーブイ「ぼ、僕もうだめ……疲れたよ……」


イーブイは息を切らせて座り込んだ。


ライチュウ「仕方ないな、少し休んで出発するか」

 ▼ 67 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 21:32:56 ID:onrzCjbI [2/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その頃サンダース……


サンダースはそびえ立つ岩壁を見上げた……


サンダース「あ、あれは!!」


岩壁の遥上の方に不思議な形の植物が見える……

サンダースは写真と何度も見比べたが……その植物の特徴は完全に写真の薬草と一致していた。


サンダース「や、やった!! これでエーフィが助かる!!」
 ▼ 68 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 21:42:03 ID:onrzCjbI [3/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダースは薬草を取るため、岩壁に前脚を掛けた……


しかし、ほぼ垂直な岩壁をその老体で登る事など不可能に等しかった……

何度登ろうとしても滑り落ちてしまう……


サンダース「ど、どうすればええんや……登られへん……ここまで来たのに……このままやとエーフィが……」


何度前脚を掛けても岩壁を登る事は出来ず……サンダースの心には焦りと悔しさに苛立ち……そして悲しみと絶望……色んな感情がごった返した……


サンダース「わいは……わいはどうすればええんや!!」


 ▼ 69 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 21:51:07 ID:onrzCjbI [4/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その頃、イーブイとライチュウは木陰で休んでいた……




ライチュウ「そういやさ……お前が助けようとしてるばあちゃんってどんなポケモンなんだ? 教えてくれよ」


イーブイ「……おばあちゃんはね、優しくて……僕に沢山お話をしてくれるんだ!」


ライチュウ「どんな話なんだ?」


イーブイ「おばあちゃんが若かった頃のお話だよ。おばあちゃんは昔、おじいちゃんと一緒にすごい冒険をしたんだって!」


ライチュウ「ほーん……」


イーブイ「僕、どんな願い事でも叶えてくれるポケモンに会いに行ったお話が大好きなんだ!」


ライチュウ「!!」


 ▼ 70 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 21:54:27 ID:onrzCjbI [5/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


イーブイ「僕もそのポケモンに会いたいな……」


イーブイは夕焼け空を見上げた……


ライチュウ「そっか……会えるといいな」

イーブイ「うん!」


ライチュウは首を鳴らして立ち上がった。


ライチュウ「そろそろ行こうぜ」

イーブイ「そうだね」



二匹は再び走り出した……
 ▼ 71 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 22:00:49 ID:onrzCjbI [6/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


夕闇が森を包みだした頃……

やっとイーブイ達も森を抜け出した……


ライチュウ「やっとここまで来たか……」

イーブイ「すごい高いね……」


二匹の前には……どこまでも続くような岩壁が立ちふさがっていた……


ライチュウ「その薬草ってのはこう言う所にあるんだっけ?」

イーブイ「そう聞いたけど……あっ!」


岩壁の前でサンダースがウロウロしてる……


ライチュウ「おっちゃん!」


 ▼ 72 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 22:04:04 ID:onrzCjbI [7/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダース「!?」

サンダースも二匹の存在に気がついた。


サンダース「えっ!? なんでぼうずらがこんなとこに!?」


ライチュウはイーブイの頭を撫でた。

ライチュウ「ここからは俺が説得するから……イーブイはここらでちょっと待っててくれ」

イーブイ「う、うん……」


イーブイは近くの木の下に座った。


 ▼ 73 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 22:10:09 ID:onrzCjbI [8/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ライチュウは小さく深呼吸すると……一歩前に踏み出した……


ライチュウ「おっちゃん……こんな事言うのは悪いと思うけど……帰ってくれ」

サンダース「な!? 何を言っとんねんぼうず!! せっかく薬草見つけたのに!!」


サンダースの見た先には不思議な形をした植物が風に吹かれて揺れている……


ライチュウ「おっちゃんが早く帰らないと……おっちゃんが後悔する事になっちまうんだよ……だから……頼む」


 ▼ 74 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 22:19:54 ID:onrzCjbI [9/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
サンダースはライチュウを鋭く睨みつけた。

サンダース「……た、例えぼうずの頼みでも……これだけは聞かれへん!!」


サンダースの身体からバチバチと豪快な音と共に凄まじい電撃が放たれた!!


サンダース「わいはエーフィを助けるんやぁ!!!」



サンダースの放った電撃がライチュウに向かってくる!


ライチュウ「実力行使しかないのか……仕方ねぇ……許せよ、おっちゃん」


ライチュウは息を大きく吸うと……左手をサンダースの放った電撃に向けた。


ライチュウ「くらえっ!!」


ライチュウの左手から真っ直ぐに電撃が打ち出されてサンダースの電撃とぶつかった!


二つの電撃は真っ正面からぶつかり合い、行き場を無くして辺りの木々に飛んで次々と火をつけた……

岩壁の前は一瞬で火の海と化した……
 ▼ 75 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 22:26:46 ID:onrzCjbI [10/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイ「ど、どうすればいいの……? 僕……」


イーブイは火のついた木の下で怯えて動けずにいた……


サンダース「わかってくれ、ぼうず……わいはエーフィを助けなあかんねん!!」

ライチュウ「おっちゃんこそわかってくれよ!! このままじゃ一生かけて後悔する事になるんだぞ!!」


二匹は再び構えた……


その時……


メキメキ……


イーブイ目掛けて火のついた大木が倒れてきた!!

イーブイ「!」


イーブイは逃げようとしたが、脚がもつれてその場で転んでしまった。


イーブイ「う、うわぁぁぁあ!!」 
 ▼ 76 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 22:32:01 ID:onrzCjbI [11/12] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ライチュウ「っ!!」

サンダース「あ、あかんっ!!」

ライチュウは走り出すと倒れていたイーブイの首もとを掴んでサンダース目掛けてぶん投げた!

イーブイ「!?」


ライチュウ「おっちゃん!!」

サンダース「おう! まかしとき!」


サンダースは飛び上がってイーブイを空中でキャッチした。


ライチュウはその姿を見て微笑んだ。


着地したライチュウの上に火を纏った大木が倒れくる……

イーブイ「!!」  

サンダース「ぼ、ぼうず!!」


ずどぉぉぉぉおおおん!!

続く
 ▼ 77 1◆v1GnTfaqxg 17/02/19 22:43:17 ID:onrzCjbI [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
4話おしまい

設定上決めてはいたけど殆ど描写が無かった設定


サンダースとエーフィは夢特性

サンダースの特性は『はやあし』で『ちくでん』ではないです。ですので>>74の攻防で「あれ? サンダースって電気技きかなくね?」とか思った人がいるかもしれません……すみません、描写不足ですね。
外伝3.5の家事の中から走り抜けるってシーンで火傷しながら走るって事でこんな設定が出来ました。


ついでに娘のニンフィアや孫のブラッキーも夢特性になります。
外伝4のハイパーボイスはフェアリースキン効果でガブリアスを倒した……って事です
ブラッキーは裏設定でほぼ意味は無いです。
エーフィもマジックミラーなんて描写しようがないから上に同じです。

では



 ▼ 78 ヒマナッツ@あかいいと 17/02/20 09:27:43 ID:sa/6f4TU NGネーム登録 NGID登録 報告
支援じゃあ
 ▼ 79 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 12:23:47 ID:vkiqTrYk [1/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

第五話 支え×支え



サンダース「ぼうず!!」

イーブイ「おじさん!!」


ライチュウは燃え盛る大木の下敷きになった……


ライチュウ「へ、へへっ……大丈夫だ……この程度……それよりおっちゃん……」

サンダース「ぼ、ぼうず! 今助けたるからな!!」


サンダースは大木を押しのけようとした。

ライチュウ「おっちゃん……俺は大丈夫だから……早くエーフィさんの所に……」

 ▼ 80 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 12:33:31 ID:vkiqTrYk [2/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダースが何度押しても大木はびくともしない……


サンダース「(前にもこんな事が……! そ、そうや!)」
 

辺りの火の海……そして倒れてきた大木に押しつぶされているライチュウを見て、遠い昔の記憶がよみがえった……


サンダース「(こ、これは……あの時と……山崎さんに教わったあの日と同じや……)」


ライチュウの姿と山崎の姿が重なって見えた……


サンダース「(わいは……こんなにも非力なんか……? みんなに助けて貰ってばっかりで……やのに誰も助けられへん……わいのわがまま通したばっかりに、エーフィは助けられへんし……ぼうずがこんな事になってまうし……)」


サンダース「全部……全部わいのせいや……!!」

 ▼ 81 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 13:41:04 ID:vkiqTrYk [3/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウ「……」

ライチュウは悲しげな目でサンダースを見た……


ライチュウ「(やっぱり俺なんかじゃエーフィさんの未来を変えることなんて……)」


ライチュウが諦めかけたその時だった……


イーブイ「さ、サンダースさん!!」


サンダース「……?」

イーブイ「サンダースさん、今エーフィさんからテレパシーが届いたよ……」

サンダース「!?」

ライチュウ「なにっ!?」


サンダース「え、エーフィは……なんて……」


イーブイ「最後に一目だけでも会いたかったって……」

 ▼ 82 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 13:45:42 ID:vkiqTrYk [4/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダース「っ!!」

ライチュウ「って事は……エーフィさんは……もう」


イーブイ「……」

イーブイはサンダースを見た……


イーブイ「サンダースのおじさん……早く行ってあげて……おじさんの脚ならまだ間に合うかもしれないから……」


サンダースの目から涙が落ちた……


ライチュウ「……行けよ、おっちゃん。俺は大丈夫だから」


サンダース「わいは……わいは間違ってた……長く生きることが全てと違うんや……どれだけ……生きてる間にどれだけ充実してたかが大事やのに……」

ライチュウ「そうだ、おっちゃん……エーフィさんの充実した世界にはあんたが必要なんだ……せめて今すぐにでもエーフィさんの所に行ってやれ……まだ間に合うかもわからねぇ……」



サンダースは燃える森を走り出した……
 ▼ 83 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 13:54:40 ID:vkiqTrYk [5/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ライチュウは走り出したサンダースの背を見て呟いた。


ライチュウ「……そうだ、おっちゃん……それでいい」

イーブイ「きっと間に合うよ」


ライチュウ「……だといいんだけどな」

イーブイ「おじさんの言った通りだったね」

ライチュウ「ん? 何の事だ?」


イーブイは笑った。


イーブイ「おじさん、テレパシーが来たって言ったの……嘘だよ」


ライチュウ「え?」
 ▼ 84 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 13:57:32 ID:vkiqTrYk [6/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

イーブイ「おじさん言ったでしょ? いい嘘もあるって……こうでも言わないとサンダースのおじさんは帰ってくれないと思ったから」


イーブイは暗くなり始めている空を見上げた。


イーブイ「エーフィさん、約束は守ったからね!」


ライチュウはニヤリとした。


ライチュウ「やるじゃん……お前」


 ▼ 85 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 14:02:57 ID:vkiqTrYk [7/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ライチュウ「それより火事……広がる前にどうにかしないとな……」

イーブイ「そうだね……」


二匹の周りは火に包まれている……


ライチュウ「まぁ、まずは『あれ』だな」


ライチュウが目をつぶり、意識を集中させると……強い雨が降ってきた。


イーブイ「あまごい? これで火が消えるね」


ライチュウ「ああ……でも今回は火を消すためだけじゃねぇ……」


ライチュウは岩壁を見上げた……


ライチュウ「あの薬草を取るためでもある……」
 ▼ 86 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 14:09:03 ID:vkiqTrYk [8/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
イーブイ「え? どうやって?」

ライチュウ「こうするんだよ」


ライチュウはカバンから青い石を取り出してイーブイに向かって放り投げた。


イーブイ「いてっ!」

その石がイーブイにぶつかると……イーブイは光を放ち……そして姿が変わった。


シャワーズ「え? し、進化??」

ライチュウ「そうだ。今朝の依頼のお礼で貰った石がここで役にたつとはな……」


 ▼ 87 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 14:15:27 ID:vkiqTrYk [9/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

シャワーズ「で? 僕、どうすればいいの?」

ライチュウ「とりあえず岩壁をさわってみろ」

シャワーズ「?」


シャワーズが恐る恐る岩壁を触ると……シャワーズの前脚が岩壁を伝って流れ落ちる雨水の中に溶け込んだ。


シャワーズ「!?」


シャワーズは驚いて前脚を引っ込めた。


ライチュウ「どこかで聞いた事があるんだ……お前達の種族が水タイプに進化した時……水の中に自由に溶け込む力を得る事が出来るってな……」


シャワーズ「じゃあ……この力を使えば……」

ライチュウ「そうだ。垂直な岩壁だって雨水を伝って登れる訳だ……行けっ! シャワーズ!」


シャワーズ「うん!」

 ▼ 88 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 14:21:55 ID:vkiqTrYk [10/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
シャワーズは再び岩壁に前脚をつけた。

シャワーズの体がどんどん雨水に溶け込んでいく……


ライチュウ「へへっ……うまくいったか……ところでこの大木、どうすっかな……体が痺れてきやがった……」


ライチュウが大木をどけようとしているうちに……いつの間にかシャワーズは薬草のはえている辺りまで登っていた。


シャワーズ「やった! 届いた!!」

シャワーズは薬草をくわえると、再び雨水に溶け込んでライチュウのもとまで降りてきた。


シャワーズ「とれたよっ! おじさん、ありがとう!」

ライチュウ「おう! それじゃ、お前は早く帰りな! そろそろ夜になっちまうし……ばあちゃんを安心させてやれ!」

シャワーズ「で、でも……おじさんは……」

 ▼ 89 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 14:29:01 ID:vkiqTrYk [11/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、どこからか声がした……


ここらで 火事の通報があったけど……酷い有り様だな……


火は殆ど消えてるけど……一応、怪我したポケモンがいないか確認とるぞ!


ライチュウ「へへっ……騒ぎを聞きつけてどっかの救助隊が来たみたいだな……俺はそいつらに助けてもらうから大丈夫だ」

シャワーズ「そっか……じゃあね、おじさん……今日はありがとう!」

ライチュウ「おう、どういたしまして……だな」


ライチュウは笑った。

シャワーズも笑って返すと雨の降る森を走り出した……




ライチュウはシャワーズの後ろ姿を見て微笑んだ。


ライチュウ「あいつが俺の孫なのか……へへっ……なかなか可愛いじゃねぇか……」

 ▼ 90 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:04:45 ID:vkiqTrYk [12/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

一方その頃……


サンダースはその年齢に見合わないような速度で森を走っていた……


サンダース「間に合え! 間に合え! 間に合え!!」

サンダースはそう自分に言い聞かせながら走りつづける……


しかし、その老体には若い頃のように走りつづける事など不可能だった……


サンダースの走る速度はどんどん落ちて……とうとう立ち止まると、サンダースは地面を殴りつけた。


ガッ!!


サンダースの前脚が小さく切れて血が流れた……


サンダース「なんでや!! 動いてくれや! わいの脚!! こんなお別れなんて嫌や!! 嫌なんや!!」
 ▼ 91 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:08:15 ID:vkiqTrYk [13/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダースの目からボロボロと涙が落ちる……


久しぶりに走り回ったせいもあり、老いたその脚は走る事はおろか、立つ事すらままならなかった……


ついにサンダースはその場にふらりと倒れ込んでしまった……


サンダース「……なんでや……」



サンダースは目をつむった……



既に空には月が登り始めようとしている……


サンダース「わいは……もうあかんのか……?」
 ▼ 92 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:14:01 ID:vkiqTrYk [14/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダースが弱々しく呟いたその時、聞き覚えのある声が聞こえた……



そんな簡単に諦めるなや!!



サンダース「え……?」



こんなとこで諦めて……それでええんか?



サンダース「この声……まさか」


サンダースが目を開くと……彼の目の前に見覚えのある一匹の白いポケモンが立っていた……


サンダース「っ!? や、山崎さん!?」

 ▼ 93 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:21:10 ID:vkiqTrYk [15/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

山崎「おう、久しぶりやな!」

サンダース「な、なんで……?」

山崎「親友が困ってるって聞いてすっ飛んできたんや!!」


サンダース「山崎さん……」


山崎はサンダースの体についた土や泥の汚れを払うとサンダースの体を起こした。


山崎「サンダース、お前はわいの自慢の親友や……そんな簡単に挫けるようなポケモンとは違うはずや」

サンダース「でも……わいはもう走られへん……」


山崎「無理な事なんてないんやで? 自分で勝手に決め手たらあかん……それに……ここで諦めたらお前はきっと死ぬまで後悔するやろ? それでええんか?」


山崎はサンダースの頭を優しく撫でると首に巻いていた青いスカーフをサンダースの首に巻いた……


山崎「走る事ならお前の右に出る奴なんておらんはずや。ほら、わいにあの日のかっこええ走りをもう一度見せてくれや」

山崎は笑った……

久しぶりに見た彼のその笑顔にサンダースは大きな力をもらえた気がした……
 ▼ 94 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:32:59 ID:vkiqTrYk [16/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダースはヨロヨロと立ち上がった。


サンダース「ありがとう山崎さん……わい、忘れてた……大事なのは諦めへん事やって……あの日、山崎さんが教えてくれた事や……」


サンダースは地面を踏みしめると鋭く前を見据えた……


山崎「せや……それでええねん」

サンダース「山崎さん……ありがとう……それじゃ、行ってくるわ」

山崎「おう、大切な嫁さんとこにはよ行ってき?」


山崎に優しく背を押されると……サンダースは再び走り出した……


その姿は……まるであの日、火事で崩れ落ちる屋敷を走り抜けた『神速の雷』……

 ▼ 95 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:41:26 ID:vkiqTrYk [17/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
サンダースの姿はすぐに見えなくなった……


山崎「久しぶりに会えて……もう少し話したかったけど仕方ないな……」


?「今日は忙しいとこありがとね」


山崎「おう、気にせんでええって!」


山崎の背後にピンクのセレビィが現れた。


セレビィ「やっぱりあの子にはあなたが必要なのね……」

山崎「ま、誰にも頼る事なく一匹で生きてける人間もポケモンもおらんからな……みんな誰かに支えられとるねん。わいかてそうや」


 ▼ 96 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:45:35 ID:vkiqTrYk [18/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

セレビィ「そうね……私だってそうだもん……」

山崎「ん? 神様はさすがにそんな事ないんちゃうの?」


セレビィ「神様だって誰かの支えの上に生きてるのよ……」

山崎「例えば?」


セレビィ「た、例えば……? え、えっと……」


セレビィは山崎をチラッと見た。


セレビィ「って別にそんな事どうだっていいじゃない///」

山崎「なんやそれ」

 ▼ 97 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 15:48:33 ID:vkiqTrYk [19/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

セレビィ「それじゃ、今日は本当にありがとね」


山崎「おう、また困った時は呼んでや!」


山崎の足元が白く光輝いて……山崎は消えた。



セレビィ「よしっ! 次はあの子を元の時代に戻さなきゃ!!」




セレビィは姿を消した……





 ▼ 98 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 16:01:47 ID:vkiqTrYk [20/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その頃、シャワーズは森の奥深くを歩いていた……



シャワーズ「……たしかこの辺りだと思うんだけど……」


空には既に月が登り、辺りは闇に包まれている……


シャワーズ「神様ー! 森の神様ー!!」


シャワーズが叫んでいると突然ピンクのセレビィが目の前に現れた。


シャワーズ「うわっ!? びっくりした……」

セレビィ「ごめんごめん! お待たせ!ってあなた進化したの?」

シャワーズ「うん! 今日から僕はシャワーズって言うんだ! それより神様ありがとう! 神様のおかげで……ほら!」


シャワーズはセレビィに薬草を見せた。


セレビィ「うん! ちゃんとゲット出来たみたいね! それじゃ、あなたのいた時代に帰るわよ!」

シャワーズ「うん!」
 ▼ 99 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 16:07:37 ID:vkiqTrYk [21/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

セレビィが目をつむり、両手を広げると……木々がざわめきだした……


そして、シャワーズの体が宙に浮かび上がる……


セレビィ「じゃあね! おばあちゃんを大切にね!」


シャワーズ「うん! 今日は本当に本当に本当にありがとう!!」


シャワーズは白い光に飲み込まれて消えた……

 ▼ 100 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 16:10:20 ID:vkiqTrYk [22/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



セレビィ「ふぅ……行っちゃった……」



再び静けさを取り戻した森の木の枝にピンクのセレビィは腰掛けた。


セレビィ「それにしても、こうして誰かの運命を変えていくのってなかなか楽しいわね……」


ピンクのセレビィは空に登った月を見上げた……



セレビィ「さーてと……次はどの時代に行ってみようかしら……」


 ▼ 101 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 16:12:13 ID:vkiqTrYk [23/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告











うわぁぁぁぁぁぁ!!!








 ▼ 102 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 16:14:59 ID:vkiqTrYk [24/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

……あれ?









シャワーズ「ここは……?」


シャワーズが体を起こすと……そこは見覚えのある森の中だった……


空には月がのぼっていて……辺りは真っ暗だ……



暗い森の中を風が吹き抜け、草木が揺れると不気味な音をたてた……


シャワーズ「えっと……帰り道ってどっちだろう……」

 ▼ 103 1◆v1GnTfaqxg 17/02/20 16:22:21 ID:vkiqTrYk [25/25] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

シャワーズが途方に暮れていると……遠くから声が聞こえた。


イーブイ! どこだ!! イーブイ!!


イーブイ! 返事をして!!



シャワーズ「あっ! お父さんとお母さんの声だ!!」


シャワーズは真っ暗な森の中を声のする方へと走り出した。



シャワーズ「お父さーん!! お母さーん!!」



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