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【SS】ラティアス「明日は何があるのかな?」

 ▼ 1 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/03/15 00:58:15 ID:lbxeu0qM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私はラティアスです。

趣味は、私のベットの近くの窓から、あの子達の様子を見ること。


毎日毎日集まってはお喋りとか、一通りやりたいこととかやって解散。

いつもこの繰り返しですが、見ていて和やかになります。


雨の日になっちゃったら、本を読むことくらいしかやることもなくてつまんないでしょう。

ですが本日も、思わず目を閉じそうなほど眩しい晴れの日です。
というか、昨日にも増して空が青いです。
 ▼ 80 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/25 21:22:33 ID:93NHlXBU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



















風が、吹いてくれました。



すっと、空気に重さがなくなったのです。





全部、肌に感じ取れました。
 ▼ 81 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/25 21:30:46 ID:93NHlXBU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
斬撃が、取り巻きに突っ込みました。

目が、紅く光っていました。


視覚では追いつかない速さで、ニューラ君は村の中央に立ちました。


背をピンと伸ばして、腕はまだ空気を纏っているようです。

睨みつけると、一直線にタツベイ君に切りかかります。


刹那の事象、辻斬りのような早業です。



ばたり、という音で、その場を括り付けていた鎖が壊れました。


バタバタと取り巻きが逃げ回り、霧散しました。



……あれ、峰打ち……ですよね……?

シリアスな場面でしたが、なんだかシャレにならないことが目の前で起きている気がしてついそっちに意識が向かいますが……
 ▼ 82 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/25 21:35:30 ID:93NHlXBU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ニューラ『もう大丈夫だ』

そんな風に話をしているのでしょうか。

ヌメラちゃんは、ニューラ君にくっついて泣いていました。




今日は遅れた様子のリオル君、事の顛末を聞く前にタツベイ君を起こしました。

意識はありました。よかったぁ……


ニューラ君を見て血相を変えて逃げていきます。割と面白い背中姿を見てしまいました。


それから、ニューラ君から話を受けて、
ヌメラちゃんも巻き込んでワイワイ盛り上がって、
また同じように遊んで、
それから、それから……



それで夕方、日のかげりに気づきました。

今日もどうやら、やりたいこと一通りやって解散、したみたいです。
 ▼ 83 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/25 21:41:49 ID:93NHlXBU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
よかったね、ヌメラちゃん

笑えるから、今日が早く終わって、楽しいから早く日が沈んでしまう。

毎日が毎日、こんな風に忙しく、せわしなく、幸せだったら……



だったら



私の見てきたこの星も、キラキラキラキラ輝いていたのかな……なんて。

少なくとも、あの子たちはキラキラと輝いていました。

ずっと、
ずっと、
私がここに、初めてきた時から。


地平線と呼ばれる一本の線の下に、太陽が全て収まり切ろうとして、夕方が終わりを迎え始めました。

今日も1日、充実しました。

明日は何が、あるのかな……?

〜〜
 ▼ 84 レッグル@まんたんのくすり 17/05/26 16:10:33 ID:77/n7C8Q NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バットエンドじゃないといいな…
少し不穏になってきてる気が…
支援
 ▼ 85 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:13:46 ID:VcQN1k66 [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私の人生の最大の失敗は、私にありました。


世界とは、すなわち理不尽なのです。




特に、失敗して生まれた私に吹く向かい風は、非常に厳しいものだったのです。




私は最大限どうにかしたつもりなのです。

おそらく逃れ得ない運命だろうとは思いつつも、『ポケモンの一生』というのをまっとうに生きようと尽くしたのです。


それは、たかだか電車に轢かれたくらいで壊れるものなのです。

本当に一瞬、本当に一秒にも満たないその刹那の時間に、私の一生は焼かれるのです。
 ▼ 86 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:19:41 ID:VcQN1k66 [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
病弱でした。心臓的な病を抱えていました。

お兄ちゃんには、ずっと心配されて生きてきたのです。


それが、成長する上でそれとなく申し訳なくなって、明るく、楽しく生きてる、って見せてあげたくなったのです。



例えば、映画のオーディションにダメ元で応募してみました。

例えば、友達、と呼んでいた子と無理を承知でタッグバトルのお祭りに出てみました。

例えば、麦わら帽子を深く被り込んで、海まで、敢えて翼は使わずに電車で行こうとしてみたのです。


私も、みんなと一緒に楽しく過ごしてみたかったのです。

本を読むことくらいしか楽しみがない毎日が、とてもとても、つまらなくて、ほんの少しでも刺激が欲しい、なんて、ふわふわと考えていたのです。
 ▼ 87 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:23:45 ID:VcQN1k66 [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
多分、そのままパタリと倒れて、ずっと眠っていれば一番楽だったのでしょう。

何も分からないまま終われたなら、それこそ本望だったのでしょう。


私は、じれったくも生き延びたのです。生き延びてしまったのです。あの瞬間に死ぬことはなく、生き延びてしまったのです。


始め、それは凄いことだと思っていました。

奇跡だとも思っていました。

私にはまだ生きる権利があると、そう感じたのでした。



ならば何故、お兄ちゃんが嬉しさではない涙を流しながら抱きかかえてくれているのか、辻褄が合わないのです。
 ▼ 88 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:30:46 ID:VcQN1k66 [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
じわじわと、実感はやってきていました。


肩から先にあるべき感覚のない右翼。存在すべきと考えて手を伸ばしても、そこには何もないのです。


お兄ちゃんとお医者さんのタブンネさんは、何かを話しているのに、その何かは全然分からないのでした。

情報を脳に送り届ける耳には、何かを聞いている、という反応が何もないのです。

お兄ちゃんは、今まで優しく私に『語りかけて』くれていたのに、急に紙とペンを使って文字で話を始めたのです。

そこに書かれていたのは、


『俺の出来る限りなら、何でもしてあげよう。お兄ちゃんは、いつでもラティアスの味方だ』

何故、泣きながらそんなことを書くのでしょうか。


ゆっくりと、ゆっくりと、気づき始めていたのです。

私は、生まれてからこの日まで、ずっと失敗していたのだと。
 ▼ 89 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:36:50 ID:VcQN1k66 [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『お医者さんに止められるようなことでも、お兄ちゃんが頑張ってこっそりとやってあげよう。好きなことを何でも言うといい。』


こんな内容も書いていました。溺愛というか、偏愛というか、だから、とても苦しいです。


お兄ちゃんは、仕事さえやめてでも私のそばにいてくれようとしました。だから、とても苦しいのです。


私は、紙に、これだけ書きました。



『ひとりにして』


不器用に、乱雑に、無機質にそう書いたせいか、お兄ちゃんはとても悲しい顔をしていました。
 ▼ 90 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:44:52 ID:VcQN1k66 [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとりになった病室で、その日の夜を迎えました。

ベッドの上はとても冷たく寒い気がしました。

まだ、意識が追いついていないような不思議な感覚を味わっていて、現実を思うたびにそれから流れるような妄想を始めるのです。

月の光はほんのわずかしか差し込まず、病室はすぐに真っ暗闇になりました。




その中で、キラッ、と反射光で光るものを一つ見つけたのです。

その物体にサイコキネシスをかけ、手近に寄せました。

ガタッ、という音ともに、バスケットが落ちました。中にはリンゴやオレンの実が入っていたようです。


それは、果物ナイフ、木の実やリンゴを適切な大きさに切り分ける用具でした。



意図されてない使い方が、一つ存在します。
 ▼ 91 ニャット@とんでもこやし 17/05/27 21:46:34 ID:UM/ydRfY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
え…?

支援
 ▼ 92 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:49:55 ID:VcQN1k66 [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
動悸が少しずつ早くなっていきます。

サイコキネシスをかけたまま、クルッと回転させて、刃をこちらへ向けます。

この時、淡い光が一番強く反射されました。




突き刺すならば、どこでしょうか?



そうして、ゆっくりゆっくり……

まじまじと見つめて、静かに近づけていくのです。




あと、20センチ足らず?


いや、10センチ程でしょう

そして5センチ

4、3、2、1、

そして…………………
 ▼ 93 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:52:59 ID:VcQN1k66 [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




















主にそれは、子供の声でした。

聞こえるはずがないのに鼓膜が拾ったようなので、反応せざるを得なかったのです。


あと少しのところだったものの、窓の外を眺めました。


こんな夜遅くに、何故かは分かりませんが、子供が、1、2、……3匹います。
 ▼ 94 レシー@ポフィンケース 17/05/27 21:54:55 ID:FctFn4Yg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ん?ガタッという音は聞こえてるのか?
なんか混乱して来た
 ▼ 95 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:58:46 ID:VcQN1k66 [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やや薄暗いながらも、リオル、チュリネ、そしてヌメラの3匹と分かります。


子供と一緒に大人もいるのもはっきりと見えます。


どこからどう見ても、それはズルズキンでした。


この状況において、一番重要なのは、ズルズキンがチュリネを抱え、そこにリオルが食らいついている、という点です。


ズルズキンは、鬱陶しそうにリオルを蹴って、さっさと立ち去ろうとし、それを何度も立ち上がって、足にしがみついて止めているのです。

頭を蹴られ、土まみれになっても、無謀な突進を繰り返して、止めているのです。
 ▼ 96 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 21:59:20 ID:VcQN1k66 [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>94
あっ、しまっ……
 ▼ 97 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 22:06:40 ID:VcQN1k66 [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>94
すみません、こちらのミスです。脳内補完をよろしくお願いします。

咄嗟にできることといえば、何でしょうか?

手のそばには、果物ナイフがありました。


少し躊躇しまたものの、私は、何故かその時、サイコキネシスで投げたのです。



抱え込んでいる腕に当たりました。

狙いはしたものの、チュリネちゃんに当たらなくてホッとしました。


悲鳴……は聞こえないとしても、それっぽいのを上げているのは分かります。


技を放てば確実に巻き添えにしてしまいます。

私からできるのは、せいぜいこれくらいでした。
 ▼ 98 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 22:13:10 ID:VcQN1k66 [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
腕の力が緩んで、チュリネちゃんは逃げ出しました。

リオル君が私を見上げていました。



それと同じくらいに、急に右から強い光で辺りが照らされました。



子供のケーシィ、そして、警察と思しき集団を、ボルトロスが束ねてやってきました。





それから、トントン拍子で事態は収束しました。


ズルズキンはすぐに連れて行かれ、子供全員も、連れて行かれました。事情聴取か何かでしょう。


リオル君が、私を見上げて、にんまりと笑って、

「________!」

何かを叫びました。

何を叫んだかは、何となく分かりました。
 ▼ 99 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/27 22:20:27 ID:VcQN1k66 [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
よくよく考えると傷害罪……いやいや、正当防衛というやつですよね、あれ。

とにかく、辺りが本当に月の光だけになった頃、私は改めて自分の状況を考えました。



……未遂にさせられたです。

道具も使わされました。

それに、……理不尽と戦っているポケモンを、私以外にも見つけました。


少しだけ、でしょうが、生きていても……いいのでしょうか?

明日も、この窓の外で何かが起こるのかは別としても、もしかしたらあの子達が集合しているかもしれません。

えっと、リオル、チュリネ、ヌメラ……そして……あのケーシィは子供のグループに入ってるのでしょうか?
無駄に大人びていたのですが……


まぁ、そこら辺は明日にはぼんやりとした記憶になっていることでしょう。


とにもかくにも、明日も生きていなければならないようです。

どうせ生きていなければならないのですから、少し期待してみることとしましょう。


……明日は何か、あるのかな……?
 ▼ 100 ワムラー@フォトアルバム 17/05/27 22:25:12 ID:ccoWXz2g NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
なるほど
耳が聞こえない、か
これは読めなかった

支援
 ▼ 101 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 22:06:06 ID:yt30U8z2 [1/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜



あれから、一週間……です。

私は生きていました。

早朝、雲の狭間から少しずつ陽の光が差し込み始める刻限。


目を閉じるのです。

たった一週間。
人生の分母のうちのたった7日は非常に小さいものです。


ですがその7日は、他のどの7日間よりも、希望と、好奇と、それから楽しみに満ちていました。

細く、目を開けます。

天井は、ここにきた時よりも、ぐんと高くなりました。
 ▼ 102 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 22:14:00 ID:yt30U8z2 [2/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……っ!うぐっ……!


まだ、この痛みには慣れません。

キリキリと、胸を引き裂くような痛覚。


同時に少しずつ、恐怖を感じます。



仮に、もしも……もしも奇跡という巡り合わせで、今の私が生を勝ち得たとして、私はこれから、誰かに助けられなければ生きていけない、とても悲しいポケモンに成り下がるのです。

例え回復したとして、そもそもに動くことすら不自由です。
サイコキネシスを使えば……うーん、ギリ……かな?

そして、もう二度と音を拾うことのない耳。
誰からも私の名前を呼んでもらえず、誰ともまともに会話ができない。


それでも、死ぬのが今は、とても怖い気がします。
 ▼ 103 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 22:18:20 ID:yt30U8z2 [3/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょうど一週間前の私が見たら、笑うでしょうか?

……ふっ、やっぱりあの頃の非リアな私の思考では、今のリア充な私の思考は疎ましく思うことでしょう。


勝った気分です。

自分を乗り越えるとは、いつの世も、何歳になっても、あと何年生きられるかも関係なく、常に大切なことです。


そうしてその朝は過ぎていきます。


一匹目が集まるのにも、少し時間がかかりました。

けれど、今日は全員、ほぼ同時に集まったのです。


何か打ち合わせでもしていたのでしょうか?

怪しいですね……これは今日も観察が必要です
 ▼ 104 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 22:23:47 ID:yt30U8z2 [4/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おのおの、紙と、ペンや色鉛筆といった筆記用具を持ち寄っています。何かを描き出しました。

……こらこらー、ケーシィ君。それは反則というやつですよー。

とはいえ、みんな、せっかくお外に出ているのですから、ワーワー遊べばいいのに……

お得意の『オー!』もありません。

ここに来る前に先にやっちゃったとか?



あれ、リオル君が、私の視線に気づいて腕をバタバタ振って何かを口にして訴えてます。

こういう時に便利なのが、そう!『読唇術』!

えーと……なになに?

リオル君『見ちゃダメ!見ちゃダメだよ!』


どうやら企業的秘密事項だったようです。

ますます怪しい……
 ▼ 105 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 22:32:47 ID:yt30U8z2 [5/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
まぁ、「見るな」と言われて見たくなる本能はあれど、さすがに意に反してまでぐいぐい首を突っ込む気もありません。

今日の午前中は、読書をしながらまったりと過ごすとしましょう。


そう、文学少女のようにッ!!

……文学少女のようにッ!!



……なんかこう、憧れてて……てへへ……


本のタイトルは……これは秘密です。


推理もの、かつSFで、さらにシティ系、剰えはサンタが登場する、とだけ答えさせてもらいます

……あれ、今考えると色々と無茶苦茶?
 ▼ 106 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 22:38:11 ID:yt30U8z2 [6/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……わあっ!?

お、お兄ちゃん……

『ごめんな驚かしちまったな』


いや、それはいいのですけど、ノックとかを……あ、そうでしたー。


『気分はどうだ』

気分は……まぁ、悪い方ではありません。最低限、一週間前よりは格段にいいことはわかります。

『そうか』

ここで少し、考え込むような仕草をします。

お兄ちゃん……理系だからって……三点リーダーはいいとしても、クエスチョンマークはおろか句読点すら使わないのはちょっと看過できないよ?
 ▼ 107 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 22:52:38 ID:yt30U8z2 [7/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
この名義を伝えたところ、

『済まない……何分……こういうの……慣れて……なくてな……』

多い!!それは一周回って多すぎ!まったく……

でも、こういうのには少し癒されました。

ふふふっ、と笑うと、お兄ちゃんは少し涙をこぼしたようです。


『ここまで(、)ちゃんと生きててくれてありがとう』

いえいえ、お兄ちゃんこそ、私のために、ずっと頑張ってくれてましたもんね。

『最初は本当に不安だったんだ(。)もう(、)いつ死ぬかわからないような(、)そんな雰囲気でな』

……そんなに酷かったのですか……うむ、非リア私パワー、恐るべし……


『それがこんなにも快活的になってくれるなんて(……)何かあったのか(?)』


……はい。

私は、それから窓の外を見やったのです
 ▼ 108 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:03:18 ID:yt30U8z2 [8/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お兄ちゃんは外を見ました。

頷きました。

そこから見える風景に、納得したようなのです。


再びペンをとりました。

『本当に(、)お前は幸せ者だったんだな(……。)とてもとても(、)愛されてるようじゃないか(……)』

ええ。きっと、そうなのでしょう。あの子達が、私に教えてくれたのです。

それは喜びでした。
こんなにも、嬉しいことは初めてだったのです。

それは協調でした。
私は一人で戦ってたわけではなかったのです。

それは愛情でした。
いつの間にか、離れられない存在になっていたのです。

それは希望でした。
未来的展望は、まだまだこれから広がる自信があります。
 ▼ 109 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:08:01 ID:yt30U8z2 [9/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
私も、窓の外を眺めたのです。少しずつ太陽が正午の位置に昇り始めています。




あるポケモンは両手に持って掲げ、


あるポケモンは手がないために体自体で支え、


あるポケモンは念力でフワフワと浮かせ、


あるポケモンは持ち手つきにして口にくわえて、


あるポケモンは恥らしそうに目を背けつつ、


私に見せてくれていたのでした。
拙い文字で、

【早く、良くなってね】

と。
 ▼ 110 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:13:54 ID:yt30U8z2 [10/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>109
細かいですが、【】内の文字は全てひらがなでお考えください。よろしくお願いします。


その文字は本当に下手くそで、周りを彩るために描かれたであろう私を模した絵も、それはそれは下手くそでした。





だから私は、涙が一つ、二つとこぼれたのです。

息がつまるような、胸が詰まるような、こんな感覚は何でしょう。


保証もないのに、何度も頷きました。

嘘をついていることになるかもしれないのに、どうしてこんなにも確信を持って頷きたくなるのでしょう。




私はどうやら、もう寂しさもなかったのです。

私はとっくに、失敗を乗り越えていました。
 ▼ 111 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:19:59 ID:yt30U8z2 [11/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ふっくらとしたベッドに、また横たわりました。

そして、目を閉じました。

深く息を吸って、深く吐いたのです。



頬を伝う雫が、感触で分かるのです。


起き上がって私は、お兄ちゃんの持っていた紙とペンを借りました。

そして、その真昼の空の景色を見たのです。




『もっと……もっと、長く生きていたかった……かも』




こんなところで終わってしまうなんて、あまりに切なく悲しいもの。

でも、最後にはちゃんと、ドラマをも超える素敵なお見送りがありました。

きっと、私に来世があるならば、願わくば………………
 ▼ 112 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:27:02 ID:yt30U8z2 [12/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


















〜〜


 とある日、とあるポケモンの病院のある病室に、柔らかな日差しが差し込んでいた。その日差しは病室のベッドを暖かく照らし、その空間を橙色に染め上げていた。
その室内で、1匹のラティアスが静かに息を引き取った。

その顔は最後まで安らかで、幸せに満ち溢れていた。
その笑顔は、まったくひきつっておらず、むしろ、これから先の世界に希望を持つかのような、未来を見通したような優しさを持っていた。
 ▼ 113 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:31:11 ID:yt30U8z2 [13/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告










〜〜

私はラティアスです。

趣味は、お空のとても高いところから、あの子達の様子を見守ること。

毎日毎日集まってはお喋りとか、一通りやりたいこととかやって解散。

いつもこの繰り返しですが、見ていて和やかになります。


きっとみんなには、私よりも長く素晴らしき道が続いていることでしょう。

その道を、大切に大切に、ちゃんと踏みしめていってもらえたなら、私はとても嬉しいのです。


……ふふっ♪

明日は何があるのかな?
 ▼ 114 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:31:45 ID:yt30U8z2 [14/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






_______fin



 ▼ 115 りゃブレイク◆vGr61AkWYY 17/05/28 23:33:56 ID:yt30U8z2 [15/15] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ラティアスは可愛い、それを伝えるために考えたSSでした。

色々と失敗した部分もあり、至らない点多くあるかと思われますが、楽しんでいただけたなら何よりです

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

機会があれば、またどこかで
 ▼ 116 ライゴン@ミュウZ 17/05/28 23:50:53 ID:aBori7vQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です
ラティアスはかわいい
 ▼ 117 チミル@こだわりメガネ 17/05/29 06:01:56 ID:L5t.A1mg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 118 ッカニン@ラッキーパンチ 17/05/29 15:43:04 ID:aHBA3lTo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハッピーエンド…なのかな…
 ▼ 119 クレー@マトマのみ 17/05/29 16:56:07 ID:iwmT9JLI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ラティアスはカワ(・∀・)イイ!!
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