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【ポケダン風味SS】天と地の旅物語

 ▼ 1 去ログのSSを修正します 17/03/21 15:43:55 ID:C7fs05E2 [1/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


太陽と月は輝きを増す


偽りの世界においても、天地は開ける──

 ▼ 2 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:44:36 ID:C7fs05E2 [2/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜イッシュ地方 とある民家〜


「おーい、ご飯だよ〜。いい加減降りて来れば〜?」


「うん、今いくよ。今行くから……ホントにさ」


と言いながらも母の呼びかけを無視し続ける俺は、実のところ、食事を摂る気にはなれなかった。



……理由は二つ。

とある事情でポケモントレーナーの道を諦めたことと、それがきっかけで友人とケンカ別れしたことだ。


俺「……ハァ」

俺の名前は……いや、名前なんてどうでもいいだろう。
しばらくは俺で通すことにする。

俺(ポカブ……なんで、なんで死んでしまったんだ……)


そう。相棒のポケモンが病死したのだ。
これではトレーナーの夢もへったくれもない。
 ▼ 3 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:45:34 ID:C7fs05E2 [3/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イッシュ地方は実にトレーナーが多い。俺自身、トレーナーであることを誇りに思っていた。

そんな中でトレーナーじゃない俺は、これから、どう生きていけばいいのだろうか。

周りをトレーナーたちに囲まれながらも、今までの軌跡を完全に閉ざし、別の道を歩むことなどできるのだろうか?


……そりゃあこんな倦怠感にも、悩まされる。


俺(ホントに、どうすればいいんだ)



──その時、だった。



『『おい……おい……そこの、お前』』



俺「……!?」


自分に呼びかける、不穏な声が一つ。
 ▼ 4 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:46:10 ID:C7fs05E2 [4/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『『現実が、そこまで嫌か……? “そちら”の世界では、生きづらいのか……?』』


俺「だから……誰だ!
おいっ、どこから喋ってるっ!?」

俺は、警戒心を剥き出しにさせていた。


『『私のことは気にするな。それより、今からいいところへと連れて行ってやる』』


俺「……は?」


『『お前はポケモンが大好きなようだ。だからこそ、そのように苦悩しているのだろう? とてもいいところだぞ……。何しろ……煩わしいトレーナーなど一人もいないのだからなっ!!』』


俺「だから……どういうことだっ、お前は誰なんだっ! おいっ、答えろぉっ!!」
 ▼ 5 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:46:47 ID:C7fs05E2 [5/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



シュン──



次の瞬間、部屋から俺の姿は……完全に消え去った。


………
……
 ▼ 6 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:47:31 ID:C7fs05E2 [6/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜???〜


ド ス ン ッ ! ! !


俺「あいてて……」

どうやら、遥か空中から落下したようだ。

俺(ここは……?)


見たこともない景色だ。ここはどこなんだ。
ここが、あいつの言っていた『いいところ』なのか?
そもそも、あいつは誰なんだ?

色々な疑問が沸き立つのだが。


俺(おや……)

近くに池がある。ちょうど、喉が乾いていたところだ。
とりあえず喉を潤し、これからのことを考えよう。

ゴクゴク。

俺(……ふぅ、旨い水だ)

ん…池に何かが映ってる。黄色いぞ、何だこれは。
 ▼ 7 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:48:03 ID:C7fs05E2 [7/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺「!」

俺が屈みこむとあろうことか、同時にその黄色い“なにか”も、俺と同じ動きを見せたのだ。

俺「!」

その時、見知らぬ影が二つばかり、俺の元に近づいてきた。

それは……。

俺「えっ、な、何だぁ……お前たちっ!?」


……俺の前に立ち塞がったのは、人間ではない。

俺が良く知っていて、そしてだからこそ、目の前で発語することなど有り得ぬ筈である……。


ズキズキン「何を驚いている? 貴様も我々と同じく、ポケモンではないか!!」


──ポケモンたちの姿であったのだ。


俺「えっ、俺もポケモン!?」

ウソッキー「ククク……全くもってその通り。なぁ……ピカチュウさんよぉっ!!」

俺「な、なにっ? 俺が、ピカチュウッ!?」
 ▼ 8 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:48:38 ID:C7fs05E2 [8/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺(……ホントだ、ピカチュウの姿になってる!)

……思い返せばあの黄色い影は確かにピカチュウのそれだ。しかし、どうして、なんでっ!?


──その時、だ。


「「な、なにやってるの君っ! は……早く逃げるのよぉっ!!」」ガシッ


俺改めピカチュウ「うわっ、な……何するんだよ!!」


……ダダッ。


突如、とあるポケモンが俺の元に駆け出し、俺の身体を掴み、その場より逃げ出したのだ。

ウソッキー「チッ、逃がすかっ! 獲物に逃げられたとなっちゃ、我ら“ATZ”の恥だ!! ズキズキン、奴等を追うぞっ!!」

ズキズキン「おうっ!!」
 ▼ 9 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 15:49:18 ID:C7fs05E2 [9/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜草原の地下道付近〜

ピカチュウ「ハァ、ハァ……お、お前…なんで俺を……。そ、それに……お前もポケモン、イーブイだ……。ど、どうなっているんだ……この世界は……」

イーブイ「えへへ、あなたも人間の世界からこっちに来たんでしょ? わかってるんだから!!」

ピカチュウ「……! ……よ、よかった、仲間がいたぁ……」

イーブイ「そう、私も人間。あなたもね。そしてこの世界は……あなたと同じように、ポケモンとなった人間が住むところなのよ」

ピカチュウ「な……なんだとぉっ!?」

イーブイ「ひとまずあの地下道へ隠れましょう。私が知っている限りの情報を……あなたに話すから」

………
……
 ▼ 10 ストダス@こうかくレンズ 17/03/21 15:50:26 ID:C7fs05E2 [10/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イーブイも、俺と同じように不思議な声に導かれ、この世界へとやってきたのだと語った。

あの声の主が何者なのかはわからないが、この世界には同じようにポケモンへと変貌を遂げた人間たちが大勢やって来て、何もなかったこの世界に、独自の文化を築き上げた。


先程の輩は『ATZ』。
彼らもまた人間たちであるが、ほとんどがかつて人間世界で悪行の限りを尽くしていた、悪人の集団でもある。

あまり関わり合いになりたくない集団だということは、わかる。


…ハァ、関わり合いどころか、要らぬ因縁をつけられそうなのだが。
 ▼ 11 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 18:32:35 ID:duye2o82 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
ウソッキー「待てぇっ、逃さんぞボケェッ!!」ダダッ

ズキズキン「そうだっ、ハラワタ喰ってやるわぁっ! 俺はモツが大好きでねぇっ!!」ダダッ

イーブイ「ぎゃあっ、話してたら来ちゃったじゃない!! は、早く逃げよっ!?」

ピカチュウ「……10分前ぐらいは、ダラダラできていたのになぁ……」


そして俺とイーブイは、地下道へと駆け込んだ。
 ▼ 12 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 18:33:12 ID:duye2o82 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜地下道内部〜

ピカチュウ(……なんで、こんなことに)

イーブイ「ところでさ、ピカチュウ。“不思議のダンジョン”って、知ってる?」

ピカチュウ「……だんじょん?」

イーブイ「私たちだって生きている。お腹は空くし、怪我だってする。“不思議のダンジョン”には資源が至るところに落ちていて、ポケモンたちはそれぞれグループを作り、その資源を回収して生活しているの」

ピカチュウ「この地下道も、そうだって訳か?」

イーブイ「うん、話早いね。この世界には、その不思議のダンジョンがいたる所に存在しているの!」

ピカチュウ(……テンション、高いなぁ)

イーブイ「……でも」

ピカチュウ「でも?」

イーブイ「あのATZが資源を独占しようとしている。いたる所の不思議のダンジョンで、私たちのような弱いポケモンをカモにしているの。そして、来たばかりの私はまだグループを作れていない。だから……」

ピカチュウ(まさか)



イーブイ「「なにかの縁だと思って……お願い、ピカチュウ。私と……一緒にグループを作ってっ!!」」



ピカチュウ「!!?」
 ▼ 13 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 19:03:53 ID:duye2o82 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
イーブイ「お願いっ!!」

ピカチュウ「いや、ちょっと待って! 俺はこの世界に来たばかりで、まだ右も左もわかっちゃいない。いきなりそんなことを言われても……」

イーブイ「……無理なのは、百も承知だからっ!」

イーブイ「それに、お前は女だろう!? 出会ったばかりのこんな男を……信用できるのかっ!?」

イーブイ「……大丈夫だよ。今話してみた感じでも、あなた、悪い人じゃない。心の優しい人。それはわかるよ」

ピカチュウ「!」

イーブイ「……やっぱごめんね、いきなりホントに、こんな話持ちかけたら。そりゃ……」


ピカチュウ(……)
 ▼ 14 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 19:04:23 ID:duye2o82 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜数ヶ月前 トレーナーズスクール〜

友だち「元気出しなよ。そんなんじゃ、ポカブちゃんだって、浮かばれないよ……」

俺「うるさいな、ほっとけよ。お前はポケモンが死んでないから、そんなことが言えるんだ」

友だち「ち、違うよ! 私そんなこと、別に思って」

俺「……じゃあ黙れよ! 女の癖に、しゃしゃり出るなよ! 俺はお前のそういうところが、嫌いなんだよっ!!」


友だち「……!!」


------------------------

数ヶ月後、その友だちはとある街へと転校して行った。
後悔したところで、あんなことを言った時点で、遅かった。

……あの時の俺は、どうかしていた。
そして今また、俺は女子に冷たく当たっているんだと痛感した。


…………もう、繰り返したくない。
 ▼ 15 陰のあしゃま◆fAKf5EtjRk 17/03/21 19:06:13 ID:Mzk6ZUMI NGネーム登録 NGID登録 報告
なんか読んだことあると思ったら
支援
 ▼ 16 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 22:58:12 ID:C7fs05E2 [11/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ(……)

イーブイ「え、どうしたの……?」

俺「……別に、なんでもない。よし、わかった、イーブイ。お前とグループを作る。そうすることにするよ」

イーブイ「……! やったあっ、ありがとう!!」

ピカチュウ「名前は、そうだな……。ま、あとから決めればいいか」

イーブイ(遂に、私も……グループをっ……!!)ウキウキ

ピカチュウ「……まぁ、詳しい話は後でな。それに、もうすぐ出口のようだし……」

イーブイ「あぁ、なんか、ドキドキしてきたよ!」ワクワク

ピカチュウ(……わかりやすい)
 ▼ 17 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 22:59:00 ID:C7fs05E2 [12/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜草原の地下道 出口〜

ピカチュウ「!」

ウソッキー「クックク……」

しかしそこには、ウソッキーが待ち構えていた。

ズキズキン「へへへ……」

そして背後からは、ズキズキンが迫る。

ウソッキー「うへへへ。挟み撃ち作戦、大成功だ」

ズキズキン「冥土の土産に教えといてやろう。俺様の異名は“悪司”。弱っちいポケモンをボコボコにするのが生きがいなのさ。ククク……この瞬間がたまらねぇぜ」

イーブイ「いきなり、万事休す!?」

ピカチュウ(……悪司……?)


──その時で、あった。
 ▼ 18 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 22:59:36 ID:C7fs05E2 [13/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ド ガ ッ ! !

ウソッキー「グ……グウゥ……」

ズキズキン「い…痛ってえっ! 貴様……何者だっ!!」


先程の方角からやって来たとあるポケモンが、二匹に奇襲を仕掛けたのだ。


「とにかく、そこを通してもらおう」

ウソッキー「ふ……ふざけるなよっ!! こんなことをして……ATZに歯向かって!!!」

イーブイ「こ、このポケモン……サザンドラだ。だけど、サザンドラっていかにも悪役っぽいポケモン……」

サザンドラ「見た目で判断するな。お前も殺されたいか?」

イーブイ「ひ……ひぇっ……」

ズキズキン「よ……よくもやってくれたなぁっ! これでも喰らえやぁっ!!」ビュッ

ズキズキンは、サザンドラに“とびひさげり”を見舞うが。

サザンドラ「……くだらない」ガシッ

ズキズキン「!!?」


サザンドラは飛びかかったズキズキンの脚を掴み、そのまま身体を地面に叩きつけた。
 ▼ 19 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 23:00:27 ID:C7fs05E2 [14/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウソッキー「くそぉ……痛え……」

ズキズキン「ひとまず俺たちは逃げ去るが……お前らっ、覚えとけよっ!!」ダダッ

二匹は、そのまま反対方面へと逃げ去ってしまった。

ピカチュウ「てか俺、何もしてないんだけど……」

イーブイ「あ、ありがとう、サザンドラさん……」

サザンドラ「礼には及ばない。私もこの先に進みたかったからな。それに、ATZ……あの下らない存在を容認しているあやつを、私はなによりも許せないのだよ」

イーブイ「あやつ……?」

サザンドラ「……おっと、……つい、口が滑った。それでは、私は先に行く。もう、会うこともないだろうが……」

サザンドラ(……)

イーブイ「……?」

イーブイ(私のことを、チラッと見たような……?)

サザンドラ「……では、な」スタ、スタ


サザンドラは、先へと行ってしまった。


ピカチュウ「……不思議な奴だなぁ」

イーブイ「そうね。……それよりピカチュウ、見て。この先には、ポケモンたちのタウンが広がっているんだよっ!!」
 ▼ 20 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 23:01:10 ID:C7fs05E2 [15/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ポケモンたちの町 アロガントタウン〜


草原が広がり、清き水が湧き出ている。
雲一つとてなき大空。立ち並ぶ露店。
中央の広場では、ポケモンたちが談笑を交わしている。


この世界は山脈に囲まれ、五つのエリアに分かれている。


中央には草木溢れ、タウンの存在するフレアグリン。
北西には砂漠広がるデザートサン。
北東には氷河に閉ざされたアイスロック。
南西には火山帯のマグマランド。

どのエリアも、不思議のダンジョン化が進んでいる。


そして、南東のアンホワイトにはATZのアジト……。『ブラックタワー』がそびえ立つのだ。
 ▼ 21 日はここまでです 17/03/21 23:02:02 ID:C7fs05E2 [16/17] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
肉屋「へいっ、らっしゃい! 名物のゴッド・ビフテキはいらんか〜?」

飴屋「金太郎飴はいらんかね〜。どこを切っても同じ顔の美味しい飴だよぉ〜」

クレープ屋「クレープだけじゃないよ〜。飲み物もセットでリーズナブルな価格だよ〜」

どの露店も、実に美味しそうな食べ物を揃えている。

ピカチュウ「……なんか、腹減ってきちゃったよ」

イーブイ「あ、だったら、知り合いの店があるんだ。そこに行こう。とっても美味しいんだ! 『ハリテヤマのちゃんこ鍋』って言うお店なんだけど……」

ピカチュウ「適材適所っていうが、その通りだな」
 ▼ 22 シマリ@でんきだま 17/03/21 23:24:04 ID:u/.I2OTg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です(=゚ω゚)ノ
 ▼ 23 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/21 23:30:40 ID:C7fs05E2 [17/17] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
今度は過去ログ落ちしないように頑張ります
 ▼ 24 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:04:41 ID:u9ZdYRK. [1/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ハリテヤマのちゃんこ鍋〜

オクタン「あらぁぁん、いらっしゃいん……イーブイィ」

出てきたのはこの店の従業員、オクタンである。

イーブイ「あれ、おばさん。店の主人は今日はいらっしゃらないんですか?」

オクタン「あぁん、マスターは今ん、不思議のダンジョンにぃ資源を回収しに行っててねぇぇ……」

イーブイ「アハハ、マスターですか。なんかカフェみたいな感じですね。ちゃんこ屋なのに」

オクタン「ちゃんこだけじゃないんぅ。キムチ鍋、もつ鍋、すき焼き、しゃぶしゃぶ、何だってあるさぁぁん、好きなものを言っとくれぇん。あと……その子は誰なんだいぃぃ?」

ピカチュウ「あぁ、俺は最近、いや最近過ぎるな。ここに来た、まぁ新入りだよ」

イーブイ「ふ〜んぅぅ。あなたもあの声に導かれぇ、この世界にやってきたという訳ねぇぇん」

ピカチュウ「そういう訳だ。よろしく頼むぜ、ねっとり声のタコさんや」

イーブイ「ここの主人のハリテヤマはアロガントタウン一の実力者。彼がいるからこの町にはATZがうかつには近寄れなかったんだけど……いないと、不安だね」
 ▼ 25 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:05:31 ID:u9ZdYRK. [2/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──しばらくして。


オクタン「はいっ、できたわぁぁんっ!!」ドドンッ

出されたのは、一食分に小分けされた鍋物。
煮込み具合、味付けもピカチュウ好みの味であった。

ピカチュウ「……アンタも、料理旨いんだな。俺もこんな料理の上手いお母さんが良かったよ」

イーブイ「ピカチュウのお母さん……ライチュウとか? アハハハ!」

ピカチュウ「バカに、するなよな」

オクタン「そうよ坊や、お母さんを馬鹿に馬鹿にするもんじゃないわぁぁぁぁんうぅぅぅぅ」

ピカチュウ「あ、あぁ……えぇ」

ピカチュウ(お母さん……今どうしてるんだろう。あの時のご飯、どんな味だったんだろう)
 ▼ 26 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:06:04 ID:u9ZdYRK. [3/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウたちは食べ終わる。主人がいないにも関わらず、今日は客の入りが良いようだ。

フタチマル「フタフタ〜!」ジャババ

ピカチュウ「うわっ、なんだコイツっ!?」

オクタン「あぁ、その子はうちの清掃員のフタチマルよぉ」

フタチマル「よろしくでフタ!」

ガチャ。

ラフレシア「あれ、今日は主人は休みなのか? まぁいい、オクタン……今日も美味しい鍋を食べに来たよ」

ピカチュウ「うわっ、鼻が曲がる!!」

オクタン「その子はラフレシア。まぁ臭いけど、その中に熱い感情を秘めた子よぉぉぉん」

イーブイ「色々なポケモンたちがいるの、この世界にはね。ほとんど顔見せ程度の扱いになるかもしれないけど」

ピカチュウ「はえ〜……」

オクタン「しかし、それにしても遅いねぇ、あの人ん。もう帰って来ても良い頃合いなんだけどねぇぇん?」

フタチマル「フタフタ〜!」ジャババ

ラフレシア「あぁ……君の出す水は、やっぱり最高さ……」

フタチマルは、ラフレシアに水をあげている。

ピカチュウ「傍から見ると、なんか……凄いアレな光景だな、おい」
 ▼ 27 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:06:36 ID:u9ZdYRK. [4/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜宿屋 『DE☆素・カ〜ン』〜

ピカチュウ「……なんか凄え宿名だぞ、なぁ」

イーブイ「だ、大丈夫よ! ここの女将のデスカーンは少し変わり者で知られてるけど、悪くはないポケモンだし……あと格安だしね、ここは。それにピカチュウ、あなた、他に行くところもないんでしょう?」

ピカチュウ「それを言われると、辛いけどさぁ」

すると、女将のデスカーンが彼らを迎えてくれた。

デスカーン「アゲェェチス♪ ようこそ、お客人っ!!」

ピカチュウ「へっ……?」

イーブイ「あぁ、今のは『いらっしゃいませ』という挨拶だよ、ピカチュウ」

デスカーン「へぃっ、丁度部屋があいてやす! 大浴場にでも浸かり、今日の疲れをじっくり癒やしてくれよな! ゲーチス様に祝福あれっ!!」

ピカチュウ「おい、関わっちゃいけないタイプじゃないのかコイツは」

イーブイ「あ、安心して、本当に悪いポケモンじゃないんだから!! ただ、言動や行動とかが少し怪しいってだけで……」
 ▼ 28 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:07:06 ID:u9ZdYRK. [5/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しばらく経ち、することのないピカチュウは、宿内をうろうろと彷徨き回っていた。

------------------------

〜漫画部屋〜

ピカチュウ「うぉっ、この世界にも漫画があるのか。しかも、人間の世界と同じものまであるぞ」

???「うん、どうした……兄ちゃん?」

ピカチュウに呼びかけたポケモンは、ゴーリキーだ。

ピカチュウ「いや、なんでもないさ。うん、アンタの読んでるものは……そうか、アンタもその漫画が好きなのか」

その漫画とは、キ○肉マンである。

ゴーリキー「ハハ。兄ちゃんも読んでるのか。今も尚ネットで連載しているってのに、その知名度は意外なまでに低い。世代もあるだろうが…哀しいことだ。だが、今やってるシリーズはとても面白いぞ。俺はリアルの世代じゃないが」

ピカチュウ「同じ漫画を愛する者がいて、嬉しいよ」


ピカチュウ(……おや、この本は)


漫画本の中に一つ、ATZに関する文献が混じっていた。
 ▼ 29 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:07:38 ID:u9ZdYRK. [6/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Word:【ATZ】


それぞれの属性を司る18名のポケモンにより構成される過激派グループである。


先程のウソッキーは“岩”、ズキズキンは“悪”を司る。


最近急激にこの世界の各地に蔓延り、勢力を拡大しているのだが、その行動の裏には資源確保の他に……もっと大きな何かがあるのではないのかと疑われている。
 ▼ 30 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:08:14 ID:u9ZdYRK. [7/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴーリキー「なに、俺だって同士に会えたような気分で嬉しいよ。兄ちゃんとはまたいつか会いたいもんだな」

ピカチュウ「ハハハ、まぁ、ありがとう」

ピカチュウ(そろそろ夜も更けてきたな。風呂に入って、さっぱりするかな)

ピカチュウはカイリキーと別れ、大浴場へと向かう。

------------------------

〜大浴場〜

ピカチュウ(……あぁ〜……良い湯だ。てか俺以外誰もいないのな。貸し切りのようでなんだか気分が良い)


──その時である。


「「キャァ〜〜〜ッ!!?」」


ピカチュウ「!!?」


宿内に、悲鳴が響き渡った。


ピカチュウ(い、今のは……女湯の方向からだっ! そしてこの声は、イーブイのもの……い、一体何がっ!?)
 ▼ 31 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:08:44 ID:u9ZdYRK. [8/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜女湯〜

ピカチュウが駆けつけると、そこでは、イーブイがとあるポケモンに襲われていたのだ。

イーブイ「あっ、ピカチュウ…! た、助けて……!!」

ピカチュウ「お、おい……お前は誰だっ!?」

ブニャット「ケケケ。アタイはATZのメンバー。ノーマルタイプを冠する“無司”ブニャット様よ! 我が同胞が襲われたと聞いてなぁ。お礼参りに来てやったという訳さっ!!」

ピカチュウ「なんだと……? 言いがかりは大概にしろよ、俺たちが襲われた立場なんだぞっ!!」

ブニャット「そもそもお前、女湯に入ることになんの躊躇もなかったのか!? このド変態めっ!!」

ピカチュウ「そもそもポケモンは服を着ないだろっ!!」

ブニャット「じゃあダゲキとかお着替えピカチュウは一体何なんだっていうのさ!!」

イーブイ「あの、話を脱線させないで……」

ブニャット「とにかく覚悟するんだな! このノーマルタイプを司るブニャット様が……貴様を冥界へと送ってやるよっ!!」

ピカチュウ(くそっ、なんだってこんなことにぃっ……)


かくして、ピカチュウとブニャットの闘いが、少々締まらない形ではあるが幕を開いたのだ。
 ▼ 32 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:09:14 ID:u9ZdYRK. [9/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「え、えっと……そうだ、ピカチュウと言えば……“10万ボルト”ォッ!!」

ブニャット「ほぅ……」

しかし、ピカチュウの攻撃は、イーブイの方へと向かってしまった。

イーブイ「き、きゃんっ!!」ビリビリッ

ピカチュウ「あ……ごめんっ、イーブイ!?」

ブニャット「ハーハハハッ! アンタ、戦いはど素人のようだ。そんなんでこのアタシを倒せるとでも思ったのかい? 
この……ド下等がぁっ!!」

ピカチュウ「な、なんだとぉっ!?」

イーブイ「い、いけないっ、ピカチュウ。それは敵の“ちょうはつ”…罠よっ! 素直に受け止めては駄目だっ!!」

ブニャット「そうさっ、アンタはこの高貴なるアタシには決して敵わないのさ! 例えアンタが何十匹いたとしてもねぇっ!!」

ピカチュウ「テメェッ、その言葉そっくり返してやる! さっきから無性に力も湧いてくるしなぁっ!!」

そして、ピカチュウはブニャットに攻撃を仕掛けるのだが……。

ピカチュウ「グ、グへェッ!?」ドガッ

ブニャットに攻撃は届かず、逆に自滅する破目となってしまう。

イーブイ「だから、それがアイツの狙い……“いばる”なのよぉっ!!」

ピカチュウ「グ……グウゥ……そうだったのか……。どおりで……頭が混乱してる訳だ……」
 ▼ 33 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 00:09:49 ID:u9ZdYRK. [10/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブニャット「さて、そろそろ止めを刺すとするかねぇ……」

ピカチュウ「…! ま、待て……」

ブニャット「坊や、冥界への土産に覚えておくんだね。戦いに、待ったもクソもないんだよ……」


「「いや、待ってもらおうか、アンタ」」


ブニャット「!!?」


… ド ガ ッ ! !


ブニャット「グハラァッ……」

次の瞬間、素早い拳がブニャットに炸裂したのである。

イーブイ「え、な、なんなの?」

そしてピカチュウたちの前に、とあるポケモンが現れた。

ゴーリキー「やれやれ。悲鳴の元に駆けつけたら……。これはちと、厄介なことになってしまったかな」

ブニャット「き、貴様は……“闘司”カイリキー! よもや、我らATZを裏切るのかぁっ!?」

ピカチュウ「アンタ……」

イーブイ「え、こ……この人も敵なのおっ!? も……もうやだぁっ!!」
 ▼ 34 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 09:22:14 ID:u9ZdYRK. [11/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴーリキー「いや、心配するな譲ちゃん。俺は確かにATZだが、何となく暇で入っただけだし……それにもう、脱退を余儀なくされるだろう。コイツをやっつけてしまうことになるからな」

ブニャット「自惚れるなよ、闘司っ! 裏切り者は……排除するのみだっ!!」ガキガキィッ

イーブイ(……“みだれひっかき”っ!!)

だが。


……ワッシャ。


ブニャット「……!!」

イーブイ「す、凄い! アイツの攻撃を……素手で受け止めたっ!!」

ゴーリキー「いや、早まったと後悔してる。だって痛いもん……まぁ、これでお前に攻撃ができるがね」

ブニャット「あっ……あぁ……!!」



「「……リキリキリキリキリキリキィッ!!」」ドカドカ



彼は怒涛のパンチラッシュを、ブニャットに見舞ったのだ。
 ▼ 35 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 09:23:05 ID:u9ZdYRK. [12/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ブニャット「うげぇ〜っ!!」バッゴオ~ン

彼女の身体は宙に舞い壁に激突し、そのまま、気絶してしまったようだ。

イーブイ「あ、ありがとう……ゴーリキーさん」

ゴーリキー「礼には及ばない。それより、これからが大変だぞ。コイツをぶっ倒したことにより……これからATZは本気で俺たちを抹殺しに掛かるだろう」

ピカチュウ「おっ……おい! 俺『たち』って、もしかして、俺も入っているんじゃないだろうなぁっ!! な、何てことしてくれたんだぁっ、お前ッ!?」

ゴーリキー「助けてやっといてその言い草も酷いな。だから罪滅ぼしとして俺もお前たちと行動する。戦力が増えて困ることもないだろう?」

ピカチュウ「あ、あのさぁ……」


──その時。


オクタン「ちょっといいかしらぁん、各々がたぁん」

ピカチュウ「あ、オクタン……なんでここに?」

オクタン「ひとまず休業ってところでねぇん、ここで骨休み……私骨ないんだけどぉん……オホホホホホホホォン!!」

ピカチュウ「……」

オクタン「それで、皆さぁん、旅をするっていうのならぁん……『オルゴール』って、ご存知かしらぁぁんぅ?」

イーブイ「……オルゴール?」
 ▼ 36 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 09:24:29 ID:u9ZdYRK. [13/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゴーリキー「ぁーぁ……ああ、知っている。最近なぜATZがここまで勢力を伸ばしているのか、お前たちは不思議に思わないのか?」

イーブイ「え、だから資源を独占しようとしているだけじゃないの?」

ゴーリキー「いや、奴らの目的……それを俺は知っている。そこのご婦人もご存知のようだが」

オクタン「ええ、ATZの真の目的、それは……元の世界へと、帰還することよぉぉぉんぅぅぅぅ」


ピカチュウ&イーブイ「!!?」


ーーー

ピカチュウ「どうして、そんなことを知ってるんだ?」

オクタン「その人は元ATZだからともかくとして、私が知っている訳は、まぁ……趣味が高じて、とある探偵に調査してもらったからだけどぉん……」

イーブイ「ガバガバなんだねATZ」

ゴーリキー「……ただ逃げるだけで、そんなつもりはなかったんだけどなぁ。言われたら仕方ない。『オルゴール』について、俺の知っていることを、お前たちに話すよ」

………
……
 ▼ 37 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 09:25:52 ID:u9ZdYRK. [14/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ATZはとあるダンジョンにて、古びた石碑を発見した。そこに示されていた文は次の通りだ。


《この世界に眠る5つのオルゴールを集めし者よ、暗黒の地にこれを捧げるべき。
さすれば、閉ざされし世界は再び開かれん》


ピカチュウ「なんかありきたりだなぁ〜……。いかにも『これ集めたら次進めますよ』っていうRPGのお約束みたいな」

ゴーリキー「あまり気にするな。それより、次のATZがどこから襲ってくるかわからない。それも気にしなければ、な」

イーブイ「なんか、大変な旅になりそうだね……。それ以外に、クリスタルの手がかりもなさそうだし」

ピカチュウ「まぁでも、元の世界には……帰りたいしなぁ、ゴーリキーに乗っかるしかない」

ゴーリキー「……とりあえず、今日は寝よう。さすがに連続で襲って来ることはないと願いたい」
 ▼ 38 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 11:29:27 ID:mZTLZoW2 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゴーリキー「……“腹が減っては何とやら”と言うしな。腹ごしらえをしてから、旅に出掛けるとするか」

------------------------

〜翌日 ハリテヤマのちゃんこ屋〜

イーブイ「えぇっ!? ハリテヤマさん、まだ帰って来てないんですかぁっ!?」

オクタンは、浮かない顔をしていた。

オクタン「えぇ、近くの森に行ったっきり、まだ戻って来ないのぉん。あそこもダンジョン化しているしねぇん。ホント心配。危険だけど、私も向かおうかしらぁぁん」

イーブイ「なにか、あったのかなぁ……」


ガチャ。


フタチマル「こんにちはー、おばさん。今日はねぇ、凄いポケモンを連れてきたんだ!!」

ピカチュウ「唐突だな、おい」

オクタン「凄いポケモンぅん?」
 ▼ 39 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 12:05:28 ID:mZTLZoW2 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ドーブル「どうもです」

イーブイ「ん、このポケモンは……」

フタチマル「この人はドーブル。イラストレーターのドーブルだよ! 最近結構絵を描いててさ、ほら、僕の似顔絵も描いてもらったんだー!!」

ドーブル「大体は生活費のためですが」

ピカチュウ「なんか、掴みどころのない野郎だな」

ドーブル「私は女です」

------------------------

イーブイ「じゃあおばさん、私たちもその森へと行きます。ハリテヤマさんが心配ですからね」

オクタン「そうかいぃん? 助かるよ。よろしく頼むねぇ」

ゴーリキー「おいおい、今から旅立つってのに勝手に……まぁ、身体をほぐすには良いかもしれんな」

ドーブル(……彼らが行こうとしているのは、ネーミドリのダンジョン……大丈夫なのかしら)

出ていく三匹の姿を、ドーブルはどこか心配そうに見送っていた。
 ▼ 40 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 12:10:01 ID:mZTLZoW2 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
〜ネーリドミの森〜

ゴーリキー「結局、なにも食べずに来ちゃったな」

ピカチュウ「あぁ。腹が減った……」


──しばらくして……。


イーブイ「ん? あ、あれっ、ハリテヤマさんじゃないっ?」

どうやらイーブイが、ハリテヤマを見つけたようだ。

ハリテヤマ「ん、んん……お、お前は……イーブイか……」

イーブイ「だ、大丈夫、ハリテヤマさん? しっかりして!!」

ハリテヤマは木片に足を挟まれてしまい、見動きが取れなかったのだ。

ハリテヤマ「いてて、俺としたことが……こんなドジを踏んでしまうとはな。周りのきのみで食いつないではいたが……とにかく助かった、ありがとう」

ピカチュウ「自然の恵みに感謝しなきゃな、おっさん」


ザッ……。


ゴーリキー「ん、なんだ……?」
 ▼ 41 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 17:39:30 ID:8sR2bjq. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
シャンデラ「……」ザッ

一同「!」

ピカチュウたちの元へ、物陰より一匹のポケモンが現れた。

ピカチュウ「なっ、もしやATZっ!?」

シャンデラ「フフフ、その通り。私はゴーストを司る、“霊司”シャンデラよ。さて、弱りきったあなたたちは私に対抗する力など残ってはいない。そこで、私がこの森に火を放てば……あなたたちは、どうなると思う?」

イーブイ「え、ま、まさか……!!」ギュルル~

イーブイ「あ」

ゴーリキー「なにをぉ……腹が減っていようとも、女一匹に負ける俺ではないわっ! リキィッ!!」ドゴドゴ

ゴーリキーはシャンデラに対し、拳のラッシュを喰らわさんとするが……。


──スカッ。


ゴーリキー「!」

シャンデラ「空腹で思考能力も鈍っているようね。私はゴーストタイプ、あなたの格闘タイプの攻撃を無効化する!!」

ピカチュウ「……だったら、これでどうだっ!!」バババ


ピカチュウは、お得意の“10万ボルト”を放つのだが……。
 ▼ 42 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 17:41:15 ID:8sR2bjq. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
シャンデラ「フン……」サッ

しかしシャンデラは、攻撃を容易く避ける。

シャンデラ「そんな弱りきっていて鈍っちい攻撃など、恐るるに足りない。容易に避けれる。さあ、喰らいなさい……シャドーボールッ!!」ビュウゥ

ピカチュウ「し、しまっ…!」


「危ないっ!!」ガシィッ


ピカチュウ「……!?」

突如、ピカチュウたちの前にとあるポケモンが立ち塞がる。

そのポケモンは、ピカチュウを掴み放り投げ、シャドーボールをまともに喰らってしまった。

ピカチュウ「イテテ……」

しかし、そのポケモンには……ダメージはない。

シャンデラ「お、お前は……?」


ドーブル「ノーマルタイプにゴーストタイプの攻撃は無効。もう奴を倒す算段は付きました。後は……私に任せて下さい!!」


イーブイ「ド、ドーブル!!?」
 ▼ 43 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 17:41:47 ID:8sR2bjq. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ドーブル「食べるものも食べずに出ていった皆さんのことが心配になり、私も後を追ってきたと言う訳です。そして……私もATZには、少なからず因縁がありますから」

シャンデラ「私も甘く見られたものね。貴方の見るからして貧弱極まりないその身体……肉弾戦はあまり得意ではなさそうだけれども?」

ピカチュウ「そ、そうだ! お前になにができるって言うんだっ!!」

ドーブル「だから口が悪いですね、あなた。確かに私は殴るだの蹴るだのそういった粗暴な戦闘は得意とはしませんが……。だったら、それはそれでまた相応の闘い方があるというものです。」

シャンデラ「粗暴で悪うございました。まぁいい……これでも喰らいなさぃっ!!」ボオォ

ドーブル「……危ない」ヒョイ

ドーブルはシャンデラの攻撃を避けつつ、間合いを取っていくのだが、それを、シャンデラはじわりじわりと追い詰めていく。

ピカチュウ「や、やっぱり駄目じゃないかっ、アイツ! 逃げることが策とでも言うのかぁっ!?」

ハリテヤマ「いや、アイツ……。逃げているというか、ATZをどこかに誘導しているような気がするぞ」

ピカチュウ「え?」

ゴーリキー(……言われてみれば、そうだ。なにか考えがあるというのか? アイツは)
 ▼ 44 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 21:08:20 ID:u9ZdYRK. [15/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ハリテヤマ「見ろ、アイツとATZが……どんどん森の離れへと遠下がっていくぞ」

------------------------

シャンデラ「フン。あいつらから引き離そうとし、わざわざこんな所まで私を誘き寄せたのかしら? まぁ良いわ。この先は行き止まり。つまり、貴女にもう逃げ場は無いと思いなさい」

ドーブル「……逃げ場がない? フフ…本当に追い詰められたのは、果たしてどちらなのか。それがわからぬようで、良くぞまぁ、“霊司”なぞ大層な異名を名乗っていたものです」

シャンデラ「なんだと? ……えぇぃ、なんだかわからんが喰らいなさいっ! かえん……ほうしゃあぁっ!!」ボオォ

ドーブル「……」

しかしドーブルは、その攻撃を避けようともしなかった。

シャンデラ「フッ……ようやく観念しおったかっ!!」

そして、かえんほうしゃがドーブルの身体にヒットした…。


ハズが。


ボシュウッ……。


シャンデラ「な……なんだぁっ!?」

ドーブルの身体に炎が届いたその刹那。
たちまちの内に、炎が消し飛んでしまったのだ。
 ▼ 45 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 21:08:58 ID:u9ZdYRK. [16/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャンデラ「ど、どう言うことだっ……!? ……! き、貴様、その……身に纏っているものはなんだっ!?」

ドーブル「……」スッ

シャンデラ「ふ、筆……!?」

ドーブルの画才は凄まじいものがある。
そう……描いたものを“具現化”する程度には。

炎が身に届く瞬間、彼女は“水”を描きそれを身に纏うことで、攻撃を無効化したのだ。


そして、彼女の作戦はここからである。


ドーブル「貴方の敗因は、周りを注意深く観察しなかったことに直結します。さあ、良く見てみなさい……」

シャンデラ「な……なんだこれは!?」

木の葉の露。それが次第に一箇所に集まっていく。
その場所とは……ドーブルの居る場所だ。

そう、露も彼女が事前に描いたものである。

ドーブル「貴様のような雑魚には端から用などありません。私の目指すのは、“アイツ”だけです」


シャンデラ「う、うおぉぉぉぉ〜っ!!?」ドドドドド


──怒涛の露の大群が、シャンデラに向かった。
 ▼ 46 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:50:53 ID:u9ZdYRK. [17/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
シャンデラ「……」ピクピク


“霊司”シャンデラ 〜撃破〜


------------------------

ドーブル「と、いう訳で倒してきました」

ピカチュウ「……あぁ。馬鹿にして、その……済まなかったな」

ドーブル「ウフフ。素直になればいいんですよ、素直に」

ピカチュウ(……なんか、ムカつく)

イーブイ「ひとまず、ハリテヤマさんを運んでタウンに帰ろう。私たちも、おなか……空いてるしね」ギュルル~


こうして腹ペコの一同は、一度、アロガントタウンへと帰還するのであった。
 ▼ 47 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:51:26 ID:u9ZdYRK. [18/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ブラックタワー〜

ウソッキー「なんだと、霊司がやられた? ムムム……よし、じゃあ次はアイツらを差し向けろ。しかし、なんだって上は俺を参謀に置くのだ。こんな雑魚キャラっぽい俺より他がいるだろう……」

超司「まだ出すキャラが固まっていないからではありませんか?」

ウソッキー「メタ発言はやめろ、超司」

超司「いえいえ、フフフ……」

ウソッキー「お前には出動は発令されていない。おとなしく業務に当たれよ」

超司「はいはい……」ササッ

超司は、自部屋へと戻ったようだ。

ウソッキー(超司。あいつに限らず、ATZの面々はなにを考えているのかイマイチ良くわからない。……が、アイツはどこか俺たちATZのことも客観的に傍観しているような……。そんな、薄気味悪い感じすら受けるぜ)
 ▼ 48 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:53:14 ID:u9ZdYRK. [19/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜アロガントタウン〜

ゴーリキー「じゃあ、今までの話をまとめよう」

イーブイ「うん、前に話してた五つのオルゴール。そして、この世界のエリアもちょうど五つ。ATZは元の世界へと帰還するために、虱潰しにオルゴールを探していたという訳ね」

ゴーリキー「あんな悪人共を、再び元の世界に解き放つ訳にはいかない。……言っておくが、俺は悪人じゃないぞ」

ピカチュウ「そして、俺たちはまずデザートサンで、『砂のオルゴール』を探し出そうということだ。ATZに見つけ出されるその前に全てのオルゴールを回収し、人間世界へと帰還する。しかし、そう上手く行くのか……?」

ゴーリキー「わからないが、もうATZは俺たちを殺しにかかっているんだ。旅先でもいつどこから襲って来るか……。だから一刻も早く、オルゴールを見つけ出すんだ」

ピカチュウ「まぁ、どっち道イッシュには帰りたかったから、通りかかった船だが、仕方ないよな。よし……じゃあ」

サーナイト「うん」

ゴーリキー「では……」



一同「「「「行くぞ!!!!」」」」バァァン



こうして彼らの果てしない旅が、正に今、始まろうとしていた。
 ▼ 49 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:54:47 ID:u9ZdYRK. [20/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>48サーナイト→ドーブルの間違いです

Word:【菱山】

この世界は、菱山(ダイヤード・マウンテン)と呼ばれる山脈により、五つのエリアに区切られている。

デザートサンへ行くためには、菱山のトンネル内を進まなければならないのだ。

------------------------

〜菱山付近の休憩所 北西部〜

ピカチュウ「ちょっと……高くないか、ここの飲み物っ!?」

ゴーリキー「なんだお前、知らないのか? こういう所だからこその値段なんだ。足元を見てやがるからな」

菱山のトンネル内も、巨大な不思議のダンジョンである。


毒司「ククク、呑気なものよのぉ。この毒司があいつらを始末してやるからに。頼むぞ、地司」


地司「……」


 ▼ 50 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:55:32 ID:u9ZdYRK. [21/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「ところでさ、お前。お前の言ってた因縁ってのは、一体何なんだ?」

ドーブル「ああ、まだ話してなかったですね。私と因縁があるのは“炎司”。“大炎の魔狐”の異名を持つ老獪な女です」

ピカチュウ「……どんな因縁があったんだ?」

ドーブル「……それはまだ言わないでおきましょう。とにかく私はソイツを討伐すべく、此度の旅へ参加致すことにしたのです」

ピカチュウ「……そうかい」

ゴーリキー「ま、何度も言ってるが、俺はあんまり帰りたくもなかったが。仕方ねぇしな」

イーブイ「わ、私はあんまり皆と違って力はないけど……足手まといにならないように、頑張るよ!!」キリッ

ピカチュウ(……)

イーブイ「ん。ピカチュウ、どうしたの?」
 ▼ 51 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:56:15 ID:u9ZdYRK. [22/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜数年前 イッシュ地方〜

俺「ポカブ、どうしたんだよ……! なんで……!!」

???「……フン、弱いから……そこのポケモンは苦しんでるんだ。今すぐポケモンセンターに運べば……あるいは助かるかもしれないな」

俺(くそっ……どうして……こんなことに……)


──俺は一人のポケモントレーナーに、敗北を期したのだ。


???「自分に負けはない……と思っていたのだろうが。現実はゲームのように、快進撃などありえぬのだ。覚えておけ、小僧……」

俺「ああ、覚えておくよっ! 絶対にお前のことなんて、忘れるもんかっ!!」

ポカブ『……』ゼェゼェ

………
……
 ▼ 52 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:56:46 ID:u9ZdYRK. [23/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「いや……」

ピカチュウ(……アイツも、この世界に来ているのか? だとしたら……正直、怖い)

ゴーリキー「どうしたんだ? ピカチュウ」

ピカチュウ「あのさ、ゴーリキー。ATZ内で一番強いポケモンって……誰かいるか?」

ピカチュウ(あの強さなら、ATZに。もしかしたら、ボス格にも?)

ゴーリキー「……。俺は、もしかしたら“創蛙”。一番強いと言われている“水司”が、そうなのだろうと睨んでいる」

イーブイ「……そうあ?」

------------------------

Word:【創蛙】

ポケモンとなった住民の中でも、名実共に最強と謳われる一匹。しかし実際には彼のポケモン名も不明であり、創蛙も誰かが知れずに呼び始めた呼称でしかない。

実際に活動していたところを誰も見たことはなく、もはや出来の良い創作話とされている。
 ▼ 53 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/22 22:57:18 ID:u9ZdYRK. [24/24] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ピカチュウ「そんなポケモンが……」

ゴーリキー「まぁ、本当に奴がそうなのかはわからないからな。ただ水司がカエルのポケモンってだけだし」

イーブイ(水タイプのカエルポケモンっていったら……。いや、いっぱいいるしなぁ)

ドーブル「では、菱山トンネルを進みましょう。敵さんが出てこなければいいのですが……まぁ、来るでしょうね」

ピカチュウ「あれから結構特訓したからな。前のような体らくにはならないよ」

イーブイ「うん、頼りにしてるからねっ!!」

ピカチュウ(調子、いいなぁ)

ピカチュウ「あぁ、そうだ。チーム名なんだけど……。前ドーブルが言ってた、『E-4』にすることにしたよ」

ドーブル「えぇ、地(“E”arth)に降り立った四人のポケモンたち。ネーミング、安易でしょうか……?」

イーブイ「いや、うん、E-4! すごくいい名前だよ!! 覚えやすいし、ゴロがいいし!!」

ピカチュウ「……まぁ、イーブイがこの通り気に入ってるから、それも理由なんだけど……」

ゴーリキー「せっかく探検隊として赴くのに、名前がないとしっくり来ないしな。ワハハッ! ……じゃあ、皆さん方」

ピカチュウ「……行こうっ!!」


こうして一同は、菱山トンネルを突き進むのだ。
 ▼ 54 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 19:40:35 ID:KVlK4ohc [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜菱山トンネル 内部〜

イーブイ「私も実際に来るのは初めてなの。なにせ、皆と違って戦いも強くなかったしね……」

ドーブル「……やたら薄暗いですが……いえ、イーブイ。別に弱くたって、大丈夫なんですよ。それ相応の対応を、見いだせれば」パッ

ドーブルは発光剤を具現化し、身体に塗りたくった。

ピカチュウ「おおっ、これなら明るいし、先に進める!!」


ドーブル「ん……?」


ピカチュウ「おい、どうしたんだ?」

ドーブル「いえ、なにかチクッと痛みが……。虫でもなにかいたのでしょうか?」

イーブイ「私も。マッシブーンとかかな……?」

ピカチュウ「だったら死ぬぞそれ」

ゴーリキー「え、俺は特に気付かなかったが」

ピカチュウ「そうだよな……俺も、何にも感じなかったぞ」

毒司(フン。一匹鈍感な筋肉バカがいたようだな。そしてアイツは電気タイプ。“せいでんき”の特性があるから、触れるこの作戦は通じない。おい、地司、お前は先に行ってて例の事、やっててくれ)

地司(あぁ……)ザクッ

地司と呼ばれたポケモンは、地面へと潜り進んでいった。
 ▼ 55 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 19:41:57 ID:KVlK4ohc [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──やがて

ピカチュウ「お、光が見える。出口だな。……しかし」


ヒュウゥ…。


砂、砂、砂。
一面に広がる砂景色。吹きすざむ砂嵐。

ゴーリキー「うおっ、砂嵐が強いな。ここを抜けると、町が見えるのか?」

ドーブル「いえ、まだです。ほら、目の前に海原が広がっているでしょう? この海を超えてこそ、デザートサンへと辿り着くのです」

ピカチュウ「かあぁ〜、まだ先に進むってのかぁ。でも、どうすんだ……船もないのに」

イーブイ「……なんか私。ちょっと、気分が悪くなってきたみたい……」

ピカチュウ「ん、大丈夫か?」

……しかし、他の面前も。

ゴーリキー「……ハァ、ハァ……」

ドーブル「……うぅぅ」

ピカチュウ「……おい、どうしたっていうんだ、皆! 俺は……なんともないってのにぃっ!!」
 ▼ 56 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 19:42:49 ID:KVlK4ohc [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──ボコッ。


ピカチュウ「!?」

そしてピカチュウの前に、とある二匹のポケモンが現れる。

ピカチュウ「つっ……なんだぁ、お前らっ!!」

……スコルピと、サンドパンだ。

スコルピ「砂漠の蠍には気をつけな。俺は“毒司”スコルピ。光に出で刺し、闇に潜み好機を待つのよ」

サンドパン「……」

スコルピ「ああ、そいつは“地司”サンドパン。おっと、地司と呼ばれるのをコイツは嫌がってたな」

サンドパン「……俺は、人様に呼ばれることは嫌いなんだ。それが肩書であれ、なんであれでな……」

ピカチュウ「!」

ピカチュウ(……もしやとは、思うが)


ーーー数年前ーーー


俺『お前っ、バトルするんならよぉ、名前ぐらい聞かせろやっ!!』

???『……俺の名前など、これから負ける奴に名乗ってなんとなる。それに俺は、人様に名前を呼ばれることは嫌いなんだ……』
 ▼ 57 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 19:43:22 ID:KVlK4ohc [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あの時負けたトレーナーに、言われたことと。
ポカブが死ぬ要因になった……トレーナーに──


ドーブル「……ピカチュウ」

その時、声も絶え絶えに、ドーブルが語りかける。

ドーブル「免疫を具現化し身体に取り込み難を逃れたのですが、満身創痍です。それより、こいつらから逃げましょう……1vs2は分が悪い……」

ピカチュウ「えっ、ど、どうやって……?」

ドーブル「こうするのです……えいっ!!」ボワン


ドーブルは、自身の背中に巨大な翼を具現化させた。


ピカチュウ「なぁ、おい……まさか……?」

ドーブル「そのまさかです。しっかり捕まっていて下さい」

ピカチュウ「だから、心の準備ってもんが……!」

ドーブル「知っちゃこっちゃありません」バサッ


ピカチュウ「「う、うわあぁ〜っ!!?」」


彼女はピカチュウたちを掴み、空中へと舞ったのだ。さ
 ▼ 58 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 19:43:59 ID:KVlK4ohc [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ドーブル「では、このままデザートサンへと向かいますっ!!」ビュウゥッ

ドーブルは、大きく翼を羽ばたかせ、更に加速した。

スコルピ「くそっ、あいつら、ここまで追い詰めたんだ。……逃がしてたまるかっ!!」

サンドパン「……待て」

スコルピ「地司!?」

サンドパン「現状奴等を追う術を我々は持たぬ。こうなったら、我々もデザートサンまで追うしかあるまいよ」

スコルピ「……地司、今日は珍しく良く喋るなぁ」

サンドパン「……」

サンドパン(あの、ピカチュウ……もしかして)


──ボコッ。


サンドパンたちもまた、デザートサンへと向かうのだ。
 ▼ 59 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 21:17:01 ID:KVlK4ohc [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Word:【世界構成】


中央の島、フレアグリンには『菱山(ダイヤード・マウンテン)』が連なる。そして海を大きく四つに分断するのは『渦の十字(クロス・メイルシュトローム)』と呼ばれる渦潮地帯であり、これらの存在のため、五つの大陸は自由に交易ができない状態である。

フレアグリンの菱山からはみ出したエリア(角端地)に広がる海を渡り、砂漠、寒冷地、火山帯、荒地と、各々の大陸へと渡るのだ。


しかし現状、菱山から荒地のアンブラックへと渡ることは困難を極める。ATZにより封鎖されており、ATZ以外のポケモンは赴くことができないからだ。
 ▼ 60 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 21:17:46 ID:KVlK4ohc [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜デザートサン サンドバァの町〜


……ドサッ!!


ピカチュウ「…痛ってぇ! おい、お前、もう少し優しくおろせないのか!?」

ドーブル「そんなことを言っても……いられません。……グフッ!!」

ピカチュウ「お、おい、大丈夫か?」

ドーブル「私の具現化能力にも、限界があるのです……」

イーブイ(……)

ゴーリキー「ハァ、ハァ……」

ピカチュウ「大丈夫か、お前ら……。と、とりあえず、最寄りの診療所かなにかに、行こうか……」


ピカチュウたちは付近の診療所で治療を受け、一夜を過ごすことにした。

また聞き込みによると、この辺りにはとある遺跡があり、そこには誰一人立ち寄ったことはないのだという。


もしかしたらその場所に、『砂のオルゴール』が存在するのかもしれない。
 ▼ 61 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 22:37:15 ID:KVlK4ohc [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜翌日〜

ドーブル「もう私は大丈夫ですが、イーブイは衰弱しています。彼女は安静にさせて置いた方が良いと思います」

ピカチュウ「そうだな。その方がいい」

ゴーリキー「ちょっと、俺便所に行ってくるよ。少し待っててくれ」

------------------------

ゴーリキー「ふぅ……」

用を済ませたゴーリキーは、水を流そうとするのだが……。

ゴーリキー「あれ、流れねぇ。よく見たら、紙もないし……どうすればいいんだ」

これでは、外に出ることができない。


「ククク……」


その時、どこからともなく、ポケモンの声が響いた。

ゴーリキー「なっ、もしや……新手のATZかっ!? くそっ、こんな時に……」


「『こんな時』を狙ったのだ。裏切り者の格司よ、貴様は強い。だからこそ、一人になる機会を伺っていたのだよ」


ゴーリキー「まさか、お前は……鋼司!!」
 ▼ 62 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 22:37:50 ID:KVlK4ohc [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒードラン「ごぼぼっ、ごぼっ! 久しぶりだな、我は鋼を司る……ヒードランだっ!! 貴様の命、貰い受けるっ!!!」カサカサ

ゴーリキー「尻も拭かせてくれないか……。だが、トイレにお前か。お似合いじゃねぇか」

ヒードラン「ごぼぼっ、ごぼっ! 貴様の減らず口もここまでだっ!!」

ゴーリキー「……なんだと?」

ゴーリキーが、ふと疑問に感じたその刹那。

ヒードラン「さあ我の子どもたちよ……あいつを倒すのだっ!!」

……ポポポポッ!

ゴーリキー「うぉっ、なんだこれはっ!?」

ヒードランは、口から白い球体の“何か”を連射した。

ゴーリキー「ふん、その程度の攻撃が俺に通じるとでも……」


パ カ ッ 。


ゴーリキー「なっ……!?」


それは……卵であったのだ。
 ▼ 63 石の森◆Y0TXrTESFs 17/03/23 22:39:14 ID:KVlK4ohc [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
子ども1「こぽぽっ!」パカッ

子ども2「こぽぽぽっ!!」パカッ

子ども3「……こぽぽぽぉっ!!!」パカッ

ヒードラン「さあ、やれいっ!」

ゴーリキー「くっ、これはまずいぞ……。これでは、仲間を呼びにいけねぇっ!!」


ゴーリキー「「……だったら、俺が倒すっ!!」」ビシィッ


密室内での闘いが、幕を開けた。


ゴーリキー「リキィッ!」バコン

子ども「ごぼおぉっ!?」グチャア

ヒードラン「ごぼほぼっ、愚か者めぇっ! いくらそいつらを潰そうとも、親である我を倒さぬ限り……いくらでも増え続けるっ!!」ポポポポ

ゴーリキー「なるほど、親不孝ならず子不幸者だ」

ゴーリキー(『1匹居たら30匹いると思え』だったか? なんとやらは。くそっ、厄介だなおい……)
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