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【速報】マッシブーンさん、あまりにもハードボイルド【SS】

 ▼ 1 キノ◆zBLfAqPIVA 17/05/14 20:57:26 ID:P3uV/AlQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺の名前はマッシブーン。
知ってるだろ? あのマッシブーンさ。

俺はとにかくハァドボイルドォ(かなりネイティブな発音)な男なんだが、こないだ、俺があまりにもハァァァドボイルドォゥ(さっきよりもネイティブな発音)すぎるせいで、妙な事件に巻き込まれてしまってな。

そう、今日は皆に聞いてもらいたい話があるんだ。
ちょいと長いかもしれねぇが、聞いて欲しい。

あれは先月のこと。俺が鏡の前でポーズの練習をしてた時だった……。

マッシブーン「ふんっ……ふんっ!」

フェローチェ「……何やってんの」

マッシブーン「あ?決まってるだろ、日課だよ」


俺の一日は、朝の日課にもなっている30分間のポーズ練習から始まる……。


フェローチェ「あーストップストップ。ナレーション風にしなくてもいいから」

マッシブーン「……それくらい、俺の自由にさせてくれたっていいだろ。まぁいい、何の用だ」
 ▼ 162 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/01 23:08:49 ID:V0tOPhL2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ラグラージ「すまんな……カモネギ。貴殿が攻撃してることにすら気づかなかった」

カモネギ「ば、ば……化け物がぁぁぁぁ!!」

ラグラージ「アームハンマー」ブンッ!!

カモネギ「ごぶっ……!?」


カモネギ「糞が……なんて野郎だァァァ……」


カイリキー「……弱いな。もう終わりか」

ラグラージ「……やれやれ、今日はやけに絡んでくる不良が多くないか? ここの治安は元から悪かったが、無闇に突っ込んでくる馬鹿が増えた気がする」

カイリキー「……マシャラタウンの情勢のバランスが崩れたからなぁ」
 ▼ 163 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/01 23:18:15 ID:V0tOPhL2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カイリキー「『喧嘩屋ワルビアル』がやられ、この街の一大勢力でもあった『ダスト金融』までもが壊滅したことで────これを機に名乗りを上げようという輩が増えたことに違いはない」

ラグラージ「何?……あのワルビアルが負けたのか!? それは何時のことだ?」

カイリキー「……お前さ、普段、俺の話とかちゃんと聞いてる? ワルビアルの事は、前に説明した覚えがあるんだけど」

ラグラージ「……うーむ、お前の話長いから、普段は聞き流してるなぁ」

カイリキー「もう……何というか、呆れて怒りすら湧かないな」

 ▼ 164 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/01 23:31:04 ID:V0tOPhL2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ラグラージ「それで、ワルビアルを倒したというのはどんな奴なんだ」

カイリキー「詳しくは知らん。だが、筋骨隆々の巨大な男であるとは聞いている。────それと、これは風の噂だが、キリキザン一家がそいつを倒しに動いているらしい」


ラグラージ「勘だが……その男、この街の者ではないな?」

カイリキー「ああ、恐らく外の街から来たイレギュラーな存在だろう。何にせよ、厄介なことになった」

ラグラージ「?」

カイリキー「このマシャラタウンは、幾つかの巨大な勢力が拮抗しながら、奇跡的なバランスを保つことで、仮初めの平和を作り上げている」

カイリキー「だが、その勢力の一つであるダスト金融が消えたことで、この街は相当不安定な状態になってしまった。まるで、少し振動を与えるだけで爆発してしまう爆弾みたいなもんさ」

ラグラージ「……ああ、そうなんだ(よく分かってない)」

カイリキー「ま、とにかくだ。こういう状況だからこそ、俺たちはすぐにボスに会いに行かなきゃならねぇ。そして、指示を仰がねぇとな」

ラグラージ「で、そのボスはどこに?」

カイリキー「数週間前から行方不明。『ちょっと遊んでくる』と言ったっきり、何処に行ったのかすら分からん」

ラグラージ「……ボスらしいな」
 ▼ 165 カイロス@ふたのカセキ 17/06/01 23:35:02 ID:a.dt0FTg NGネーム登録 NGID登録 報告
キャラの作り方が本当に上手い
支援
 ▼ 166 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/01 23:41:48 ID:V0tOPhL2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カイリキー「だから今、こうやってボスがいそうな心当たりの有る場所を、しらみつぶしに探してるわけだ」

ラグラージ「あ、そうだったんだ。何で俺たち、ここらへんを歩いてんのかなって、さっきから不思議に思ってたんだ」

カイリキー「……お前の神経の図太さには逞しさすら覚えるよ」

ラグラージ「フフ、そう褒めるな」

カイリキー「褒めてねぇ。肥溜めに沈んでもう二度と帰ってくるな馬鹿」




カモネギ「ゲホ……ハァ、ハァ」

カモネギ(あいつらが『真闘衆』の一員か……。か、敵うわけねぇよ……あんな化け物集団なんかに。完敗だ……チクショウ)
 ▼ 167 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/01 23:51:07 ID:V0tOPhL2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
舞台は再び、マッシブーンの下へ──。

キリキザン「はぁ……はぁ。まだ反撃しねぇのかよてめぇ!!」

マッシブーン「痛ぇなぁ……女の力とは思えないぜ」

コマタナ(馬鹿な、攻撃してるキリキザン様の方が疲れてきてるだと……!? なんてタフな野郎だ!!)




キリキザン「俺が女だから攻撃しねぇだと? ざけんな!! 侮辱しやがって……!!」

マッシブーン「なぁ、お前」

キリキザン「あぁん!?」

マッシブーン「もしかして、無理して戦ってないか? 本当は……戦いたくないとか」

キリキザン「──────!!」

マッシブーン「お前が俺を攻撃する度、お前の眼に怖れとか不安が見えるんだよ。……何でか知らねぇけど……無理して戦うなんてこと、良くねぇんじゃ────」


キリキザン「黙れぇぇぇぇぇっ!!」
 ▼ 168 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/01 23:59:32 ID:V0tOPhL2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「はぁっ……はぁっ……俺は、俺は!! 戦わなきゃいけねぇんだ……!! それが俺の存在価値なんだからっ!!」

マッシブーン「……?」

キリキザン「はぁ……駄目だ。こんな精神状態じゃ戦いに集中できねぇや。……おい貴様!」

マッシブーン「貴様ではない。俺はマッシブーンという名前だ」

キリキザン「あぁ、あぁ、分かったよマッシブーン!! てめぇとの勝負は別の日に持ち越しだ!! 今日はもう俺は帰る!!」

マッシブーン「いや、持ち越しって勝手に決められてもだな────」


キリキザン「うるせぇ持ち越しだバカ野郎! さぁ帰るぞコマタナとエアームド!!」

コマタナ「あ、お待ちを!」

エアームド「キリキザン様〜!」
 ▼ 169 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/02 00:01:01 ID:zJpjPkbg [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで
次回、キリキザンの闇に迫る
 ▼ 170 RIVER◆zFLCCAWaiw 17/06/02 00:42:18 ID:Tv3l1Ea6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 171 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/02 23:03:57 ID:zJpjPkbg [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「何だったんだあいつら……ゲホ、くそっ! やられ過ぎたな……ダメージがでけぇ」

マッシブーン(どっかで身体を休めねぇと……)




ビーダル(うっひゃあ〜……)

ビーダル「こ、こりゃあすげぇ光景を覗き見てしまったでげす〜……」

ピピピピ、ピピピピ……!!

ビーダル「……! 連絡でげすか」

ガチゴラス『────こちらガチゴラス。おいビーダル、キリキザン一家の偵察はどうだった? 何か目立つ動きはあったか?』

ビーダル「あぁ、ガチゴラス組長──今から帰って全部報告するでげす。なかなか見応えがあったでげすよ!」
 ▼ 172 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/02 23:20:06 ID:zJpjPkbg [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
───
─────
────────
──────────



──ガチゴラス組総本山──

ガチゴラス「なるほどなぁ。キリキザンが実は女やったと……ほんで、そのマッシブーンっちゅうんは女を殴れない性格やったってことか……」

ビーダル「あの鬼武者の異名を持つキリキザンが女の子だったとは驚いたでげすね〜。あれだけの気迫は強者の男でもなかなか出せるものじゃないでげすよ」

ガチゴラス「ふぅむ……キリキザン一家は昔から、強さが全ての完全実力主義やで。そんな環境の中で女が生きていくのは、さぞ至難の業だったに違いないわなぁ」

ガチゴラス「実は女のキリキザン……ほんで女を殴れないマッシブーンか……。せや、ビーダル!! 今な、ごっつええ作戦思い付いたわ……!!」

ビーダル「はぁ、なんでげしょ?」

ガチゴラス「ワイの優秀な部下の出番やで……ビーダル、騙し討ちのゾロアを今すぐ呼んでこいや!!」
 ▼ 173 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/02 23:31:09 ID:zJpjPkbg [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──キリキザン一家アジト──

コマタナ「……キリキザン様どうしたんだろうなぁ」

エアームド「マッシブーンと戦って以来、ずっとあの塞ぎこんだ状態だ。もう半日以上自分の部屋に籠ってるんじゃないか?」

レアコイル「キリキザン様がどうかしたのか?」

コマタナ「あぁ、レアコイル相談役。実はですね────」





キリキザン「はぁ……はぁ……糞が糞がっ!! 俺は男らしくなきゃいけないんだ! 忘れろ忘れろ……あんな男の言うこと忘れろキリキザン!」

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マッシブーン「お前、無理してないか?」
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キリキザン「俺は……俺は……無理なんかしてないんだ!!」

キリキザン(戦うことが俺の生きる意味なんだ……)
 ▼ 174 マッシブーン@デボンボンベ 17/06/02 23:35:05 ID:.fyZvIT. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
適当に作ったもんだけど良かったら

支援
 ▼ 175 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/02 23:43:21 ID:zJpjPkbg [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
========

時間は今から十数年前。
子マタナ(現キリキザン)が産まれた日に遡る────。

子マタナ「オギャーオギャー!」

コイル「卵が孵りました……!! 組長、お子さんが産まれましたよ!!」

父キザン「……そうか、それで? 産まれた子は強く育ちそうか?」

コイル「……え? そ、そこまでは現時点では分かりませんが」

父キザン「俺様の子なのだ。強く育たねば、産まれた意味がないだろう」

コイル「……そ、そうでございますか」ゾクッ

子マタナは、余りにも厳格な父親の下に産まれた。それゆえに彼女は、ただひたすら強さのみを追い求める狂気に晒されることになるのだ。
 ▼ 176 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/02 23:44:50 ID:zJpjPkbg [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
短いですが今はここまで。
次回、がんばれキリキザン
 ▼ 177 バリヤード@やわらかいすな 17/06/03 10:11:57 ID:oq0BJ6eI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 178 ルガルガン@たんけんセット 17/06/03 14:02:14 ID:jeWcueus NGネーム登録 NGID登録 報告
>>174
すごいなお前
 ▼ 179 ニョロゾ@エレキシード 17/06/03 16:20:28 ID:GZiU./Hw NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 180 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/03 23:55:30 ID:Cbf1/wsk NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>174
おお、カッコいい……ありがとうございます!
 ▼ 181 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/04 00:01:37 ID:DNRHxXmg [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
子マタナ8歳頃────


子マタナ「……」キョロキョロ

コイル「子マタナ様、こちらでございます──ブティックアマージョから取り寄せたフリル付きのお洋服……」

子マタナ「わぁ……あ、ありがとう! コイル!」

コイル「いえいえこの程度、御安い御用でございます。ですが……くれぐれもお父上には見つからぬよう気を付け────」

父キザン「何を見つからぬよう気を付けるのだ?」

コイル「……く、組長」

父キザン「全く油断するとすぐこれだ。可愛いお洋服でも着て、オシャレ気分か? くだらん!」

ビリッ……ビリッ!!

子マタナ「あ、ああっ……お洋服破かないでぇ!」
 ▼ 182 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/04 00:04:49 ID:DNRHxXmg [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
父キザン「黙れ子マタナァ!」

バキッ!!

子マタナ「キャア……!!」

父キザン「貴様はこのキリキザン一家に産まれた俺様の正当な後継者なのだ……!! 女らしさなど棄てろ!! 貴様は男として生きていく運命なのだ!!」

コイル「お、お待ち下さい。まだ子マタナ様は年端もゆかない女子でありますゆえ────」

父キザン「……俺に逆らうのか? 愚かなコイルよ」

コイル「……そ、それは」
 ▼ 183 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/04 00:11:00 ID:DNRHxXmg [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
父キザン「キリキザン一家の掲げる家訓はただ一つ! 『力こそ全て』だ! 貴様のような弱者は要らぬ! ただ朽ち果てよ!! コイル!!」

コイル「お、お待ちを組長────!?」


子マタナ「待って、お父様!」

父キザン「……!」

子マタナ「私、いや……俺、言うとおりにする。男らしくするから……強くなるから! お洋服だって我慢するし特訓もする……。だから、コイルに暴力を奮わないで……」

コイル「……子マタナ様」

父キザン「分かれば良い……だが、二度と誰にも女らしさを見せるな。俺様が求めるのは────それとは反対にあるものなのだからな」

子マタナ「はい……お父様」ポロポロ……

コイル「本当に……申し訳ありません。子マタナ様……」
 ▼ 184 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/04 00:12:55 ID:DNRHxXmg [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ちょっとすみません。短いですがここまで。
また少ししたら書く予定です。
 ▼ 185 スピンロトム@かくとうジュエル 17/06/04 00:15:14 ID:yQDKsZJE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>178
>>180
ありがとうございます。>>174の者です。
本当に適当に作成したもので、リアクションいただけて嬉しい限りです。

これからも楽しく読ませていただきます<m(__)m>
 ▼ 186 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/04 23:35:55 ID:DNRHxXmg [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこから始まった日々は、とても辛かった。とても苦しかった。
それでも、私……俺は成し遂げなければならない。

これが、キリキザン一家に産まれた者の宿命なのだから。

父キザン「先ずは腕立て1000回ィ! 決して鍛練を怠ってはならぬ! 弱者は俺様の子とは認めんからな!」

子マタナ「はぁ……はぁっ……!」

───
──────
────────
──────────

父キザン「人形……洋服……全て燃やせ! 女子らしさなど、貴様には要らぬ!!」

メラメラメラ……

子マタナ(俺の……今まで集めた物が……)
 ▼ 187 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/06 22:53:42 ID:ZsfOW5Qk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
父キザン「……何だこれは?」

父キザンが部屋の奥から何かを見つける。それは子マタナの形を模した古い人形だった。
子マタナは思わずハッとなり、震えた声で父に話しかける。

子マタナ「あっ……そ、そのお人形は誕生日にお母様からいただいたもので────」

父キザン「これも不要だな……燃やそう」

子マタナ「ま、待ってお父様────!!?」

メラメラメラ……

子マタナ「……っ!!」

父キザン「過去の思い出も全て断ち切れ。余計な感情を抱くな。もう数年も前に死んだ母親の形見など要らんだろう────そうだよな?」

子マタナ「……はい、お父様」プルプル……

無情なことばかりが続いた。
それでも彼女は戦い続けた。
自分はキリキザン一家の跡継ぎになるのだから──多少の辛いことは乗り越えなければならない。

その強迫観念に似た思いだけが、彼女をこの世に生き永らえさせていたのである。
 ▼ 188 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/07 23:37:02 ID:ZB5XYNSM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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ガチャ……

レアコイル「キリキザン様、入りますぞ」

キリキザン「……あぁ、レアコイルか」

レアコイル「何やら先程から塞ぎこんでる御様子……一体、何にお悩みなのですか」

キリキザン「たった今、昔のことを思い出していた。お父様がまだ現役だった頃を……」

レアコイル「……!!」

キリキザン「最低の記憶だよ。俺は……お父様の指導のおかげで強くなれた……。でも、代わりに何か大事なものを無くしちまった気がすんだ」

レアコイル「……キリキザン様」

キリキザン「……なぁ、レアコイル。俺は……何で産まれてきたんだ?」
 ▼ 189 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/07 23:46:43 ID:ZB5XYNSM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
レアコイル「……キリキザン様。貴女は……もっと、自分のやりたいように生きていいのですよ」

キリキザン「……」

レアコイル「先代の組長は既にご隠居の身。今の組長は貴女なのです。────我々部下は全員、貴女が自由に生きることを望んでいます」


キリキザン「……ハハ、そりゃ出来ねぇよ。俺は……この一家を責任もって率いなきゃなんねぇンだ」

キリキザン「……レアコイル、すまねぇな。俺ってば、つい愚痴っぽくなっちまったみてぇだ」ニカッ



レアコイル(悲しげな笑顔……。キリキザン様……)
 ▼ 190 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/07 23:55:43 ID:ZB5XYNSM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────

その頃……。


マッシブーン「なぁ、アンタ……ここ、宿屋だろ? 一人分……部屋空いてねぇか」

イワパレス「はい! こちら、宿泊処ヤドキング1号店でございます! お一人様でしたら───って、うわわっ!?」

イワパレス「お客様、そ、そちらの怪我は……」

マッシブーン「ゲホッ……あ? こんな掠り傷大したことねぇよ。それよか部屋空いてんなら案内してくれねぇか……金なら一応あっからよ」

イワパレス「し、しかし」

マッシブーン「とにかく一睡させてくれや……寝たら治るからよ……」
 ▼ 191 シビシラス@オレンジメール 17/06/08 00:10:22 ID:Dw6bACn. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 192 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/08 00:14:09 ID:AaGE7Lsc [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン一家の奇襲により、マッシブーンが傷を負い、身体を休めているその最中……。
マシャラタウン東に位置する老翁会本社ビルでは、新たな騒動の種が芽吹こうとしていた──────


ローブシン「いやはや、この様な物騒な街まで来ていただけるとは────恐悦至極に存じます……ネクロズマ殿」

ネクロズマ「いえいえ、商売のためでしたら何処へでも向かいますとも。ええ、ええ。それで? この度は我がコスモッグ商会をご指名いただいたのはどの様な御用件からでしょうか!?」

ローブシン「……いやはや、早口でいらっしゃる。これがあらゆる世界を股に駆けるコスモッグ商会ですか。素晴らしいですな」

ネクロズマ「そうお褒めにならないで」

ローブシン「────ああ、このような雑談よりも──そうですな──用件を先に言わないといけませんな」


ローブシン「実は、ワシらは今、ある商品を欲しておりまして」

ネクロズマ「へぇ、何でございましょ?」


ローブシン「……モンスターボール」

ネクロズマ「……!」ピクッ

ローブシン「ワシらは、モンスターボールという不思議な道具の技術を手に入れたいのですよ」
 ▼ 193 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/08 00:28:29 ID:AaGE7Lsc [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネクロズマ「……ハハ、老翁会は情報通でいらっしゃいますね」

ローブシン「貴殿方コスモッグ商会のことも、よーく調べておりますぞ。────確か、数多のパラレルワールドを行き来する商業団体ですか。羨ましいですなぁ……様々な世界に自由に行けるというのは」

テッカグヤ(何か生意気だな〜このローブシンって奴。どうする? 僕、暴れてもいい?)ヒソヒソ

ウツロイド(まだネクロズマ様から何の指示も出てないわ。大人しくしてなさい)ヒソヒソ



ネクロズマ「それで? 何故、いきなりモンスターボールなどというものを欲するのですか」

ローブシン「それは勿論アレでございますよ。この世の支配……それ以外にないでしょう。噂に聞いた話では、モンスターボールを使えば、あらゆるポケモンを強制捕獲し、オマケに洗脳までしてしまうと聞きますが」

ネクロズマ「……まぁ、大体合ってますね」

ローブシン「どうでしょうか? モンスターボールを売っていただけるのであれば────そうですな、数十億程度の金でしたら出せますが」




ネクロズマ「……お断りですね、残念ながら」

ローブシン「……そりゃ残念です。ならば……実力行使に出るまで────!!」

ネクロズマ「!!」
 ▼ 194 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/08 00:37:29 ID:AaGE7Lsc [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マグカルゴ「よし、野郎ども!! 出番だ!!」

コジョンド「アチョーーーーーッ!!」
ハリテヤマ「ドスコーーイッ!!」
ダゲキ「オッシャーーッ!!」
ナゲキ「コイヨオラーーーッ!!」


テッカグヤ(敵に囲まれちゃったね)ヒソヒソ

ウツロイド(ホントに野蛮……困ったものだわ)ヒソヒソ



ネクロズマ「……物騒なことは止めません? ローブシンさん」

ローブシン「止めてほしいのであれば────大人しくモンスターボールとやらを出すことですな」

ネクロズマ「……この世界はポケモンしか存在しない世界だ。そんな世界でモンスターボールなんてものが普及したら……とんでもないことになりますよ?」

ローブシン「ワシら老翁会はその『とんでもないこと』が起きることを望んでいる」

ネクロズマ(話、全然通じねぇぇぇっ……)
 ▼ 195 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/08 00:55:07 ID:AaGE7Lsc [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
────モンスターボールとはそもそも、第一世界と呼ばれるパラレルワールドに存在する道具だ。

第一世界では、人間と呼ばれる生物がポケモンを使役するために、そのモンスターボールを使用しているという。





ネクロズマは以前から、この道具についてこう考えていた。

このモンスターボールという品が成り立つのは────人間という生き物がいるから、なのだと。人間とポケモンが極めて理想的な共存関係を築いているから、なのだと。


だからこそ、現在いるこの第三世界のような「ポケモン」のみしか存在しないパラレルワールドで、決してモンスターボールの存在を広めてはいけない。

もし、この兵器とも言うべき道具が認知されるようになれば、それは第三世界自体を崩壊させる戦争を起こす結果に為りかねないのである。
 ▼ 196 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/08 01:17:40 ID:AaGE7Lsc [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ローブシン「コスモッグ商会社長ネクロズマ殿よ。貴殿、今どこかにモンスターボールを隠し持っているのでしょう……? さぁさぁ、殺される前に大人しく出しなされ!!」


ネクロズマ「……」

ネクロズマ(……参ったなぁ、確かに荷物の中にモンスターボール数個持ってるけどさぁ。あれを売るわけにはいかないでしょ。下手したらこの世界滅んじゃうよ? 大体、モンスターボール自体をこの世界に持ってこなきゃ良かったなー。そしたらこんな騒動にならなかったかもしれないのに。んー困ったな、ウンコもしたいんだけど、このタイミングでそんなこと言えないからなぁ。……いやいや、ウンコよりも今はこの状況をどうにかするってことを考えなくちゃ。いやそれにしても老翁会ってとこがこんなに過激派だとは思わなかったよね。こんなことになるなら、商談なんて組むんじゃなかったよ。商談どころか脅迫みたいなことされてるし。てかどうしよう、こいつら全員と戦うか? いや多勢に無勢だ。ここは敵の本拠地内部だし返り討ちにされる可能性もある。そうなるとどうだ? どの手段が最善なんだろうか。今はウツロイドとテッカグヤもいる。彼女らの安全も確保しつつ何とかして逃げられないだろうか。だが、窓は案の定敵に塞がれてるし、ドアなんて尚更だ。────そうなると、最終手段だな)



ネクロズマ「テッカグヤ、ウツロイド。今から『アレ』撃つぞ。……一応床に伏せてろ」

テッカグヤ「えっ!?」

ウツロイド「アレってもしかして……ま、マズイですわ────!!」

ローブシン「?」



ネクロズマ「……プリズムレーザーッ!!」

────カッ!!!────
 ▼ 197 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/08 01:18:01 ID:AaGE7Lsc [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまで
 ▼ 198 クサイハナ@ゼニガメじょうろ 17/06/08 01:23:59 ID:c/r0dgaY NGネーム登録 NGID登録 報告
乙
頑張って下さい
 ▼ 199 モロバレル@おうごんのみ 17/06/08 15:18:30 ID:TRbjVX0c NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 200 シロデスナ@なぞのすいしょう 17/06/09 17:17:57 ID:i.rlw4H. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援です!!
 ▼ 201 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/10 22:01:37 ID:aJbr89Qk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
他スレでの仕事も大体終わったので、明日から更新頻度上げていく予定です
 ▼ 202 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/11 23:29:40 ID:8aCilV2U [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
突如、ネクロズマは叫ぶ。
すると、彼の漆黒の身体から、光が飛び出し瞬いた。

その直後である。

高熱がその場にいる全員を覆い、轟音が鼓膜を支配し、突風がいくつかのポケモンたちを、紙っきれのようにあらぬ方向に飛ばし、壁に叩きつけた。

これは間違いない────爆発が起きたのだ。
あのネクロズマが攻撃をしたのだ。



ローブシンは塵芥舞う視界不良の中でも、混乱することなく冷静に状況を把握する。

ローブシン「ネクロズマァァァ……!!」

ローブシンは獣の如き殺気を放ち、唸った。

だが、その時には既に遅かった。
次第に煙が晴れていくと──ネクロズマたちはその姿を消していたのである。

ローブシン(逃げられただと……!?)
 ▼ 203 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/11 23:37:35 ID:8aCilV2U [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マグカルゴ「うぐ……しまったァ! ネクロズマたちは一体、何処に消え────」

その答えは明白である。
マグカルゴは思わず閉口してしまった。

目の前の壁に、巨大な穴が開いていたのだ。
間違いなく、今のネクロズマの攻撃によるものだ。

ダゲキ「この本社ビルに風穴を開けるだと……? あ、あり得ん!! このビルの壁は特殊な合金が練られた特別製だぞ!!」

マグカルゴ(バグオング三体のはかいこうせんですら壊せなかった壁をこうも容易く……!?)



ローブシン「〜〜〜〜っ!!」

ローブシン「追え! 今逃げたネクロズマたちを必ず捕まえろ!! モンスターボールを我々の手に収めるのだ……!!」

ローブシン(そうでなければ……ワシらは会長に殺される……!!)
 ▼ 204 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/11 23:45:11 ID:8aCilV2U [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────
────────

ネクロズマ「いやぁ〜っ、間一髪だったなぁ」

テッカグヤ「ネクロズマさんは行き当たりばったり過ぎるよ、もっと計画的に生きようよぉ」

ネクロズマ「ウハハハ! 何が起きるか分からないその日暮らしの生き方だからこそ、楽しいのだ! あまり文句を言うな!」

ウツロイド「そうだとしても、私たちをトラブルに巻き込まないで下さい、社長」


ネクロズマ「────いや、確かに今回はまあまあ危険だったな。流石に肝を冷やした」


ウツロイド「……ところで、ネクロズマ様。先程のローブシンたちでございますが……」

ネクロズマ「……あぁ、あいつら何故か、モンスターボールの存在を知っていたな」
 ▼ 205 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/11 23:55:38 ID:8aCilV2U [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ウツロイド「何故、彼らはモンスターボールの情報を得ることが出来たのでしょう? 異世界の情報を得ることが出来る生物は、数が限られておりますが」

ネクロズマ「……誰かがローブシンたちにモンスターボールの情報を漏らしたのだ。さて、誰だろうな? もしかすると──我々ウルトラビーストの中に、裏切り者がいるのでは……?」

テッカグヤ「!!」

ウツロイド「……っ」


ネクロズマ「……いや、仲間を疑うようなことをするべきではないな。俺の失言だ……。それに、他にも様々な可能性があるしな」


ウツロイド「……これからどうします? 恐らく我々は今後、老翁会に狙われる羽目になるでしょう。下手に捕まる前に、この第三世界から脱出した方が────」


ネクロズマ「いや、俺はそんなことはしないつもりだ。老翁会か……ちと興味が湧いたよ。俺はこれから、この件について少し調査をしたいんだが……お前らはどうしたい?」

ウツロイド「……ハァ、分かりましたよ。社長がそう言うのであれば、お付き合いします。ただし特別手当てを付けてくださいね」

テッカグヤ「何だか楽しそうだから、僕もこの世界に残るー!」


ネクロズマ「……良い返事だ」ニヤッ
 ▼ 206 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 00:04:26 ID:TDI1aDdQ [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
─────
───────

そして、翌日。
場所は変わって、ここはキリキザン一家のアジトである。

空は未だ白んでいる早朝の時間帯に、キリキザンは目を覚ました。


キリキザン「朝か……いつの間にか寝てしまったのだな」


キリキザンは昨日のことを思いだし、首を素早く横に振った。

キリキザン(昨日のことなど忘れろ……!! 俺にはウジウジ悩んでいる暇などないのだ)

キリキザンは思いを新たに、自室を出た。
そして、アジトの外に出ると……。


キリキザン「え……」

驚くべき光景がそこにはあった。
レアコイルと、エアームドとコマタナが────傷だらけの姿で地に伏していたのである……。
 ▼ 207 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 00:10:49 ID:TDI1aDdQ [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「おい、おい……お前ら!? どうした!? 一体、何があった!?」

キリキザンは、息のないレアコイルの身体を必死に揺らし、懸命な形相で話しかけた。
すると、息も絶え絶えのコマタナが、重たそうに身体を起こし、しゃがれた声で言った。


コマタナ「アイツです……キリキザン様。アイツにやられたんです……!!」

キリキザン「コマタナ! だ、誰にだ……誰にやられた!?」

コマタナ「マッシブーン……あの野郎が、卑劣にも我々に不意討ちをしたのです……!!」

キリキザン「……!!」


キリキザンの瞳に──怒りの炎が灯る。


キリキザン「ゆ、許さねぇ。あの野郎……」

キリキザン「……絶対に、絶対にぶっ殺してやるぅぅぅ!!」
 ▼ 208 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 00:11:11 ID:TDI1aDdQ [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次回、マッシブーンVSキリキザン 再び
 ▼ 209 ケッキング@マグマブースター 17/06/12 21:30:35 ID:pXAXy4qk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 210 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 22:47:05 ID:TDI1aDdQ [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「マッシブーンは何処に消えたか分かるか……コマタナ!」

コマタナ「あ、あの野郎はここから西に逃げました。『早く宿屋に戻らねぇと』と言っていたので恐らく……」

キリキザン「宿屋? 西にある宿屋と言えば……『宿キング』か!」

コマタナ「もしかして……キリキザン様、マッシブーンに報復しに行くつもりですか?」


キリキザン「……そうに決まってんだろ。俺は仲間を傷付ける輩が一番許せねぇんだよ……!!」


コマタナ「……」

キリキザン「コマタナ、お前動けんなら早くレアコイルとエアームドを病院に連れてやってくれ……。俺は、マッシブーンをぶちのめしに行く……!!」

コマタナ「りょ、了解しました!!」


キリキザン「待ってろよ……マッシブーン!!」
 ▼ 211 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 23:00:23 ID:TDI1aDdQ [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コマタナ「……」

キリキザンが全速力で西に向かう。
コマタナはその背中をジッと見つめたその後、眼に愉快な色を浮かべた。

コマタナ「簡単に騙されやがってェ……チョロい女だぜ」

ガチゴラス「……ウワハハハハ!! 想像以上に上手くいったわな!!」ノソッ

コマタナ「……ガチゴラス組長ゥ! ずっと建物の陰に隠れてたんですかいィ」

ガチゴラス「もし失敗でもしたら、どないしよかずっと陰で心配しとったさかい。せやけど、そりゃ杞憂やったみたいやな──流石プロの演技やで、ゾロア」

ガチゴラスがそう呟いたその瞬間、コマタナの周囲を突如、白煙が覆いだす。
気づくとそこには、コマタナではなくゾロアと呼ばれるポケモンが立っていた。

ゾロア「俺ッチは様々なポケモンに化けて、何千もの詐欺事件に関わってきたんですぜェ。この程度の仕事、どうってことないやァ」

 ▼ 212 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 23:09:52 ID:TDI1aDdQ [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
=========
ガチゴラスの作戦が始まったのは、今から数時間も前。
キリキザンが眠りに就いた、その少し後のことであった────。




レアコイル「……」

コマタナ「あ! レアコイル相談役、キリキザン様はどう致されましたか」

レアコイル「グッスリ眠ったわい。キリキザン様も最近、お疲れなのだろう。今はゆっくり眠らせてやらにゃ」

エアームド「良かった……急に思い詰めたような表情になるものですから、何かご病気にでもなったのかと」

レアコイル「……ある意味、キリキザン様は病気なのかもしれんな。それも、なかなか癒せない心の病気……」ボソッ

コマタナ「え?」

レアコイル「何でもない。それよりお前ら、何か食いにでも行かぬか。たまには一緒に食事に行くのも一興だろう」

コマタナ「ほ、本当ですかい」

エアームド「当然、行きますとも!」
 ▼ 213 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 23:20:27 ID:TDI1aDdQ [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そうして、彼らは外に出た。
そこに、周到に仕掛けられた卑劣な罠があるとも知らずに。


レアコイル「さて、何処に行こうか。最近新しく出来たテッシードの廃材料理店でも良いし、でなきゃボスゴドラの鋼鉄料理でも構わんが────」

ガチゴラス「────おいおいレアコイルさんよォ! 美味そうな料理もええけどな。その前にワイらに少し付き合ってもらえへんやろか?」


レアコイル「……!」

コマタナ「お前は……」

エアームド「……ガ、ガチゴラス組!?」


ガチゴラス「ウハハハ……揃いも揃って何や、そないに驚いて……。ワイは亡霊とちゃうねんぞ?」
 ▼ 214 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 23:27:24 ID:TDI1aDdQ [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
総勢16匹。
レアコイル達の周りを、ガチゴラスとその部下が取り囲んだ。
明らかな臨戦態勢を整えている。

コマタナから一筋の汗が流れ落ちる。

コマタナ「急に何の用だガチゴラス組……俺らに戦争でも仕掛けようってのか!」


ガチゴラス「いや、正面から戦争なんぞ仕掛けたら、両陣営大勢のポケモンが殺られるのは一目瞭然やで」

ガチゴラス「ワイは、そないな命が勿体無いことはせぇへん。お前らをもっと楽に潰せる賢いやり方を考えてきたんや……!!」


レアコイル「……!」


ガチゴラス「マッシブーンの野郎を利用して、キリキザン共々潰すっちゅう最高のアイデアをな……」

ゾロア「クックック……」
 ▼ 215 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/12 23:41:33 ID:TDI1aDdQ [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日中にキリキザンVSマッシブーンやりたかったけど、予定通り進まなかったなァ
今日はここまで
 ▼ 216 ルガルガン@チーゴのみ 17/06/13 14:38:05 ID:hK5R2S6o NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援た
 ▼ 217 キテルグマ@ヒウンアイス 17/06/14 14:00:16 ID:G/CtiVuo NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 218 サーナイト@ガオガエンZ 17/06/16 02:43:57 ID:G/eQ1wpI NGネーム登録 NGID登録 報告
面白い 支援
 ▼ 219 ヌオー@あかいいと 17/06/19 18:09:04 ID:/2.zoR3s NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一週間更新なし
早くしてー支援
 ▼ 220 アカギしげる◆2S0HoPohpA 17/06/20 22:03:25 ID:TezP8rTY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あげ
 ▼ 221 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/23 23:55:35 ID:Q1RlPnUs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それから十数分が経過し……。

レアコイル「はあ"っ……あ"ぁっ……!!」

エアームド「ゲホッ、ウグ……」

コマタナ「はぁ……はぁ……」



ゴローン「い、痛ぇよぉ……」

ゴロンダ「し、痺れる……」



ガチゴラス「……こりゃ驚いたわ。流石は武闘派集団キリキザン一家っちゅうとこか……」

ガチゴラス「お前らたった三匹だけで、ワイの部下を半分も倒しちまうたぁなぁ……!?」
 ▼ 222 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/24 00:01:11 ID:dJIBJ3to [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガチゴラス「だが、お前らはここで終わりや。これ以上、抵抗するんやないで? ますます苦しゅうなるだけやからなぁ」

レアコイル「バカを言うな……我々は、決して負けん!!」

ガチゴラス「ハッ!! 現実を知れや老いぼれレアコイルゥゥゥ!!」

チャーレム「ハイヤーッ!!」


バキッ!!


鈍い音が静寂の中に響き渡る。
ガチゴラスの部下であるチャーレムの攻撃が、レアコイルの脳天を直撃した。
それを境に──レアコイルはピクリとも動かなくなってしまった……。

コマタナ「レアコイル相談役っっ!?」

ガチゴラス「ハッハァ、これが調子に乗った愚か者の末路やでぇぇぇぇ!!」
 ▼ 223 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/24 00:08:32 ID:dJIBJ3to [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
───────

コマタナ「……」

エアームド「……」

レアコイル「……」

レアコイルたちは無惨にもやられてしまった。
痙攣すらせず、地面に伏した三匹をじっと見つめ、ガチゴラスはゾロアに指示した。

ガチゴラス「さて、作戦第二段階に移るで。ゾロア、そこのコマタナに化けぇや」

ゾロア「御意」ボンッ!!

ガチゴラス「ええか? これからキリキザンは息もせんでぶっ倒れるレアコイルたちを目にするはずや。ほんで、お前はコマタナのフリをしてキリキザンの野郎をマッシブーンの下へ誘導するんやで」

ゾロア「誘導ですか?」
 ▼ 224 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/24 00:21:16 ID:dJIBJ3to [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガチゴラス「せや。マッシブーンが今、どこにおるかはビーダルがキチンと調べてくれたわ。まだまだ新人やが、ビーダルはよう働く男やで」

ビーダル「恐縮でげす!」

偽コマタナ(ゾロア)「それで、マッシブーンは今どこに?」

ビーダル「宿キングという名前の宿でげす!」

偽コマタナ「あぁ、ここから西にある……」


ガチゴラス「ゾロア、お前はキリキザンに向かってこう言うんや。『僕たちはマッシブーンにやられましたぁ! マッシブーンは宿キングっちゅう宿屋にいますぅ! 僕たちの代わりに倒してきてくださぁい』ってな!!」


偽コマタナ「なるほど、そういう作戦ですか」


ガチゴラス「ほんだら、キリキザンは『マッシブーンの野郎が悪いんや』って勘違いするはずや。 ほんであの二匹を上手いこと戦わせて、二匹が弱ったところをワイらが叩き潰して、漁夫の利を得るっちゅうのがこの絵図の結末! どや、ええ作戦やろ!」

偽コマタナ「えぇ……あぁ、ガチゴラス様がそう仰るのであれば、そうなんでしょうね」

ガチゴラス「ゾロア、お前の演技力が要になる作戦や……失敗は許されへんでぇ……!!」

偽コマタナ「了解です……」

ビーダル「…………」
 ▼ 225 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/24 00:31:58 ID:dJIBJ3to [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一見、ガチゴラスの計画は杜撰に思えるものであった。
しかし、周囲の予想とは裏腹に、彼の思惑は都合が良すぎるほど、上手くいってしまうのである。


ー宿屋 宿キングー

マッシブーン「昨日は押し掛けた感じになってすまねぇな。怪我も治ったから、俺はそろそろ出発することにしたよ」

イワパレス「いえいえ、本店はいつでもお客様のまたのご来店をお待ちしておりますとも〜」

マッシブーン「そんじゃ、これお代な。よし、出掛けるか────」

イワパレス「ああそうだ、お客様ァ!」

マッシブーン「?」

イワパレス「そういえば、数十分前より……お客様のことをお待ちしていらっしゃる方がおられるのですが」

マッシブーン「……俺のことを待ってる奴だと?」



マッシブーン「……!!」

マッシブーンは、宿の前に立つキリキザンの姿を目のあたりにした。

キリキザン「面貸しな……マッシブーン!!」

マッシブーン(やれやれ、懲りないお嬢さんだ……)
 ▼ 226 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/24 00:37:28 ID:dJIBJ3to [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「今度は何の用だ? じゃじゃ馬姉ちゃん?」

キリキザン「黙れ下郎が……俺はお前のことだけは絶対に許さねぇからな……!!」


マッシブーンの野生がある違和感を察知する。
昨日のキリキザンとは違う、本気の殺気が空気を通じてビリビリと伝わってくるのだ────。


マッシブーン「お前さん、一体何があって────」

キリキザン「しらばっくれるのもいい加減にしな!! 俺はお前みてぇな卑怯もンだけは必ず成敗してやる!!」


マッシブーン「…………!」
 ▼ 227 ブリガロン@ギネマのみ 17/06/24 10:44:37 ID:iReNeUVU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!!
 ▼ 228 テッカニン@エレキブースター 17/06/25 00:05:52 ID:9K2QdStY [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「とりあえず場所だけ移そうぜ……ほれ、あそこのイワパレスにも迷惑だろう」

イワパレス「……!」ビクッ

キリキザン「……良いだろう、俺もカタギを面倒には巻き込みたくねぇしな」



──
────
──────


マッシブーンとキリキザンは、お互いが無言のまま、移動を開始した。
キリキザンを先行に、やがて二匹はある廃墟の前に立ち止まる。

キリキザン「ここならいいだろう。どれだけ暴れてもカタギの迷惑にゃならねぇ」

マッシブーン「俺も異論はねぇが……そもそも何でお前、そんなにキレてん────」


キリキザン「うるせぇ」

ミシミシッ……!!

マッシブーン「……っ!?」
 ▼ 229 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 00:13:33 ID:9K2QdStY [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザンの蹴りが、マッシブーンの横腹に直撃。
マッシブーンは全身に筋を立て、廃墟の壁を二枚突き破って撥ね飛ばされてしまう。

暫く沈黙が続いた後、砂塵が舞い上がる中、瓦礫の下からマッシブーンはヨロヨロと揺れながら立ち上がった。


マッシブーン「ったく、いきなり攻撃かよ……!!」

キリキザン「お前のような卑怯者に対して、最早手段を選ぶわけにはいかん。不意討ちでも何でもござれだ」


マッシブーン「……痛ぇなぁオイ」

 ▼ 230 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 00:21:04 ID:9K2QdStY [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガチゴラス「さぁさぁ、とうとう闘いが始まったようやぞ、ゾロア……!!」

ゾロア「キリキザンの攻撃力にもビビりますが、あのマッシブーンって野郎もトンデモナイ耐久力だ……。あんな蹴り喰らったら、誰だって意識失いますぜ?」

ビーダル「こんなに離れたところから観察するんでげすか?」

ガチゴラス「ハッ、下手に近づいて、あないな化け物の戦闘に巻き込まれるわけにはいかんやろ。ところで、本物のコマタナ達はどないしたんや」

ビーダル「ガチゴラス組長の指示通り、ロープで縛って、ゴミ捨てばに捨ててきたでげすが」


ガチゴラス「ほならええんや……。おっ、キリキザンがまた動き出したようやぞ!!」

 ▼ 231 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 00:23:11 ID:9K2QdStY [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
短いですけど、一応ここまで。
また後で更新!
 ▼ 232 アゴジムシ@かわらのかけら 17/06/25 00:36:48 ID:QTNeJf0g [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 233 ミネズミ@カチャのみ 17/06/25 05:26:41 ID:n0mODtKs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
白色支援
 ▼ 234 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 23:08:41 ID:9K2QdStY [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「うおりゃぁぁぁぁぁっ!!」

マッシブーン「……っぐぁ!!」

キリキザンの攻撃は止まらない。
爆発したような音が一瞬だけ広がると、マッシブーンはまたも弾き飛ばされ、瓦礫の中にその身を埋めた。

激昂したキリキザンに対し、女子を殴れないマッシブーンは防戦一方。

圧倒的不利な状況である、と言わざるを得ない。

キリキザン「レアコイル達の仇は必ず取るぞ……おい、マッシブーン!! お前、この程度でくたばっちゃいないだろうな!?」

マッシブーン「……ぁあ? 当たり前だろ、女の怒りは真正面から受け止めるのが男だぜ?」


キリキザン「そんな軽口をいつまで叩けるかな……?」


マッシブーン(レアコイル達の仇か……多分、何か勘違いしてやがるな? ……参ったぜこりゃあ)
 ▼ 235 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 23:14:25 ID:9K2QdStY [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しかとて、マッシブーンも指を加えてやられっぱなしでいる訳にもいかない。
彼は徐々に、キリキザンの猛攻に対し順応しつつあった。

マッシブーン(右、左……この女、一定のリズムを刻みながら攻撃してるわけか)


キリキザン(攻撃が当たらなくなってきた……!? だったら……)

キリキザン「アイアンヘッド!!」

キリキザンが次に攻撃したのはマッシブーンではない────床である。
床がひび割れ粉々に砕けると、マッシブーンは思わずバランスを崩してしまった。

マッシブーン「!?」

キリキザン「隙アリ!!」

メキョッ……メキョメキョッ!!

マッシブーンの骨の折れる鈍い音が、鼓膜を容赦なく揺らした……。



マッシブーン「ガハッ……!!」
 ▼ 236 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 23:18:09 ID:9K2QdStY [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マッシブーン「ハァ、ァア……」

キリキザン「まだ立つのかお前……!!」

マッシブーン「……なぁキリキザンよ、まだ俺に攻撃したいならすればいいさ、思う存分な。だが……俺を殺したところで、お前の渇いた心が潤う訳じゃねぇぞ?」

キリキザン「……お、俺に……」



キリキザン「……俺に説教してんじゃねぇぞ!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


マッシブーン(さて……これからどうしよっか……な!?)
 ▼ 237 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 23:25:03 ID:9K2QdStY [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────


同時刻、とある路地裏にて──。

レアコイル「う、うぐ……」

コマタナ「レアコイルさん……起きてたんすか……?」

エアームド「ハァ、ハァ……俺もまだ生きてるぜ……」

レアコイル「確か……ビ、ビーダルの奴にここまで運ばれてきたのは覚えてるんだが」

コマタナ「全身が軋むように痛ぇや……チクショウ、ガチゴラス組め……!!」

エアームド「なぁ、それよりも……」


コマタナ「あぁ、早くキリキザン様のところに行かねぇと……このままじゃ、ガチゴラスの思惑通りになっちまう……!!」
 ▼ 238 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 23:30:45 ID:9K2QdStY [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──
────
──────

ガチゴラス「……さて、キリキザンにも疲労が見えてきた頃やな。そろそろ動くかいな」

ゾロア「……それで、どのようにして奴等二匹を片付けます?」


ガチゴラス「ウハハハ、ワイの最大技で一気に片を付けるんや」


ゾロア「ま、まさか……流星群!?」


ガチゴラス「せや……ワイ直々に全てを終わらせる。これでワイの時代がついに訪れるんやで……!?」
 ▼ 239 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 23:37:03 ID:9K2QdStY [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「はぁ……はぁ」

マッシブーン「……ふぅ」

キリキザン(化け物かこいつ……何で、何で倒れないんだ!?)


マッシブーン「……女には女の苦しみがある。それは、男には絶対分からねぇもんなんだろうな」

マッシブーン「……だったら、男が出来ることはたった一つだけだ。……俺はお前が持つその苦しみに────限界が来るまで付き合ってやろう」


キリキザン「何なんだよ……お前……?」ガタガタ…
 ▼ 240 キノ◆zBLfAqPIVA 17/06/25 23:37:31 ID:9K2QdStY [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ひとまずここまでまた明日
 ▼ 241 アーマルド@しんぴのしずく 17/06/25 23:41:59 ID:QTNeJf0g [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらず熱い展開書くの上手いな
支援
 ▼ 242 カイオーガ@アンノーンノート 17/06/26 23:19:12 ID:9yFtM0io NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 243 ウォーグル@いのちのたま 17/06/27 20:39:22 ID:tI5W4MAQ NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
しえ
 ▼ 244 ニダンギル@アイテムコール 17/07/01 22:56:13 ID:1sCIuTnU NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
支援
 ▼ 245 キノ◆zBLfAqPIVA 17/07/04 22:41:04 ID:W99F5rlA [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「ふざけるなぁ……ふざけるなぁ……!!」

何故か、涙が止まらなくなってきた。
どれだけ暴れようが、どれだけ力を奮おうが、心が癒えることは決してない。

むしろ、目の前にいるマッシブーンという存在に対し、微かな劣等感を抱いてしまうまである。

キリキザンはその苦しみに耐えきれず、とうとう心の声を漏らすかのように吼え始めた。

キリキザン「……何で、何で反撃しないんだよ!? これじゃあ私が……ば、馬鹿みたいじゃないか!!」




マッシブーン「────さっきから、何を怖がってんだお前さんは」

マッシブーンがボソリとそう呟いた。
それをきっかけにかは知らないが、キリキザンはついに、ピクリとも動かなくなってしまった。

キリキザン「……な、何を怖がってるかって? ……俺は、ハハ、何も怖がっちゃいねーよ……俺に、俺に!! 怖いもんなんか無いん────」


ドガァァァァァァァァン!!!



その時、突然の爆発音が鼓膜を大きく震わせた。
 ▼ 246 キノ◆zBLfAqPIVA 17/07/04 22:54:40 ID:W99F5rlA [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリキザン「え……」

爆発音と共に、強い熱風が全身の皮膚を撫で上げた。
それと同時に、廃墟の天井が崩れ落ち、いくつかの瓦礫がキリキザンの頭上に降り注ぐ。

キリキザン「キャッ──!!」

だが、その時には既に、マッシブーンは動き出していた。
突如キリキザンを抱え、走り、彼は瓦礫の脅威から彼女を救ったのである。


キリキザン「アンタ、何で!?」

マッシブーン「女を救うのが男の仕事だろうがよ……そうは思わねぇか、じゃじゃ馬娘さんよ」

キリキザン「……えっ」ドキッ



マッシブーン「しかし今の爆発は、一体何が起きて────」

ドゴォォォォォン……!!

また爆発。先程のものより威力が強まっているようだ。廃墟全体が、悲鳴の如き軋みを上げながら左右に揺れた。

マッシブーン「こりゃただ事じゃねぇな……?」
 ▼ 247 キノ◆zBLfAqPIVA 17/07/04 23:04:57 ID:W99F5rlA [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして、この爆発の正体は──今や語るまでもなかろう。
ガチゴラスの攻撃によるものであった。

ドゴォォォォン……!!

ガチゴラス「クハハ……ワイの流星群は相変わらず惚れ惚れする威力やな?」

ゾロア「あのまま廃墟ごと彼らを葬るつもりですか」

ガチゴラス「そうなってくれたら嬉しいわなぁ? ま、仮に生きとったらワイら全員で包囲してリンチしたったらええねん」

ドガァァァァン……!!


ビーダル「ほぇぇ、それにしても凄い爆発でげすなぁ」

ガチゴラス「……いや、ここまでの爆発は想定してへんかったわ……何で、こないに爆発が連鎖しとるん?」


ドォォォォン……!

ゾロア「もしかすると……地下にあるガス管か何かに引火した可能性が……」


ドゴォォォォォン!!


ガチゴラス「う、うおっ……マジかいな。こ、ここまで大事にするつもりは無かったんやけど」

ビーダル「……」
 ▼ 248 キノ◆zBLfAqPIVA 17/07/04 23:12:23 ID:W99F5rlA [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メラメラメラ……

やがて、廃墟の至るところから炎が立ち昇り、それはまるで獣のように猛威を奮い始めた。
当然マッシブーンたちは身動きが出来ない。

キリキザンは眼に不安げな色を浮かべた。

マッシブーン「いきなり危機的状況かよ……くそっ、熱いな」

キリキザン「……な、なぁ」

マッシブーン「どうした?」

キリキザン「そ、そろそろ俺を降ろしてくれねぇか……///」

マッシブーン「む、すまんな」

キリキザン「……」
 ▼ 249 ブーピッグ@メガリング 17/07/05 15:36:50 ID:So4jgetk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お、恋の予感?w
 ▼ 250 マメパト@ピントレンズ 17/07/14 20:45:41 ID:mA5a58H6 NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 251 メガオニゴーリ@ホロキャスター 17/07/14 21:41:50 ID:mw9t6yS2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンペルト「私の庭で何をしてくれてるんでしょうかねぇ?」
勝手にマフィアエンペルトを作って見ました。

支援\(^^)/
 ▼ 252 ドクケイル@ヒールボール 17/07/17 04:11:07 ID://DMViMI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
烈火のage
 ▼ 253 サワムラー@せいしんのハネ 17/07/18 00:13:49 ID:6XUoyHRs NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
期待
 ▼ 254 ニョロゾ@じゃくてんほけん 17/07/19 13:47:27 ID:dIlkK3ME NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 255 キモリ@こだいのどうか 17/07/19 17:34:03 ID:4Uuf42I. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
最終更新から長いですのう
 ▼ 256 メガカイロス@シルバースプレー 17/07/19 19:42:26 ID:bC30AKc6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援
 ▼ 257 ガーメイル@TMVパス 17/08/01 12:55:05 ID:qNJrndKc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アゲて待ってます
 ▼ 258 ジャランゴ@たからぶくろ 17/08/01 13:41:09 ID:3zxOQa66 NGネーム登録 NGID登録 報告
いぇーいあがってるぅ
 ▼ 259 アメモース@たんけんセット 17/08/23 09:34:08 ID:SKHUW..c NGネーム登録 NGID登録 報告
あげ
 ▼ 260 コイル@マックスアップ 17/08/24 21:17:45 ID:23gyQZjE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
(・大・)
 ▼ 261 アグノム@スピードボール 17/09/02 04:06:03 ID:rWbvQKX. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
し え ん
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