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SS

【SS】ボーマンダ「こんな生活……」

 ▼ 1 1◆v1GnTfaqxg 17/08/20 01:20:27 ID:y2RzWaGQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


季節は夏……

生暖かい風が吹く、深い深い夜……

とある町の片隅に、寂れたコンビニがあった……





深夜にもかかわらず、店の自動ドアが開き、大学生と思われるポケモン達が数匹入ってきた……


ボーマンダ「いらっしゃいませー」


深夜バイトのボーマンダはレジ周りの掃除をしながらいつも通り、機械のように気持ちのこもっていない挨拶をする……

 ▼ 71 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:14:30 ID:3FD9NsoE [1/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「っ!?」


ワルビル「ど、どうした? 早くしろって言ってるだろ! うぐっ!?」


突然、ワルビルはナイフを落として自分の首を掴んだ。


ボーマンダ「な、何が……っ!!」


ワルビルの影から飛び出したゲンガーがワルビルの背後から彼の首を締め上げている……


ワルビル「げほぉ! や、やめろぉ!! 助けてくれぇっ!!」


ワルビルはかすれた声で助けを求め続ける……


ゲンガーはニヤニヤしながらボーマンダに目で合図を送った……
 ▼ 72 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:18:21 ID:3FD9NsoE [2/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「や、やめろっ! やり過ぎだぞ!!」


ゲンガー「やり過ぎだぁ? こうでもしないとお前が死ぬ事になるぞぉ?」


ボーマンダ「いいから! もう許してやれ!」


ゲンガー「……けっ……甘すぎるぜぇ……お前はよぉ……」


ゲンガーはつまらなそうにボーマンダの陰の中に飛び込んだ……

 ▼ 73 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:22:34 ID:3FD9NsoE [3/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ワルビル「げほっ! がはっ!」


ワルビルはその場に倒れて苦しそうに咳き込んでいる……


ボーマンダ「お、おい……大丈夫か?」


ボーマンダはレジから出て、ワルビルに手を差し伸べた。


ワルビル「さ、触るなっ!!」


ワルビルは苦しそうにヨロヨロと立ち上がると、後ずさりをした。

 ▼ 74 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:26:00 ID:3FD9NsoE [4/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「何もしないから! とりあえず落ち着け!」


ワルビルは酷く怯えた顔をしてガタガタと震えている……


ワルビル「っ!!」




その時、ワルビルは見てしまった……


ボーマンダの影がグニャリと形を変え……その中から得体の知れない何かがこちらを見てニヤニヤしているのを……




ワルビル「ひ、ひぇっ! ひぇえええええぇぇっ!?」


ワルビルは一目散にコンビニを出て行ってしまった。

 ▼ 75 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:30:12 ID:3FD9NsoE [5/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「あっ! 待てよっ!!……あーあ、行っちまった……」


影からゲンガーが飛び出した。


ゲンガー「げへへ! 骨のない奴だな!」


ボーマンダはそんなゲンガーに呆れた。


ボーマンダ「はぁ……お前やり過ぎな……殺す気でやってたろ?」


ゲンガー「いいじゃねぇか! げへへ! ところであいつ、何か落としてったぜ?」


ボーマンダ「ん?」


見れば、自動ドア付近に何か紙切れが落ちていた……



 ▼ 76 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:33:20 ID:3FD9NsoE [6/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダはその紙切れを拾い上げた。


ボーマンダ「これは……宝くじだな」


ゲンガー「げへへ! もしやそれ、当たってるんじゃねーか? 調べてみろよ!」


ボーマンダ「あっそうか……これがチャンスだな?」


ボーマンダはスマホを取り出し、インターネットアプリを開いた。


ボーマンダ「えっと……宝くじ……当選番号……最新……」


 ▼ 77 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:39:29 ID:3FD9NsoE [7/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ゲンガー「どうだぁ? 当たってたかぁ?」


ボーマンダ「……」


ゲンガー「どうした?」


ボーマンダの額からぼとぼとと汗が落ちる……


ボーマンダ「う、嘘だろ? や、やべぇ……」


ボーマンダは宝くじとスマホの画面を何度も交互に見比べる……


ボーマンダ「さ、さささ三億円……当選だってよ……」


ゲンガー「おお! そりゃよかったな! げへへ!」


 ▼ 78 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:43:29 ID:3FD9NsoE [8/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダは息を大きく吸い……そして…… 


ボーマンダ「やったあああああああああああああっ!!」


ボーマンダはレジを飛び越えるとくるくる回りながらスキップして、あちらこちらへ店内を駆け回る……


ゲンガー「おいおい、はしゃぎすぎだろ……」


呆れた顔したゲンガーとは比べ物にならない程にボーマンダは飛んだり跳ねたり嬉しそうだ。


ボーマンダ「だってよ! 三億!! これから一生働かなくても大丈夫!! 遊びまくるぞっ!!」


ゲンガー「ま、良かったじゃねぇか……げへへ!」

 ▼ 79 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:48:29 ID:3FD9NsoE [9/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、自動ドアが開いて客が一匹入ってきた。


ボーマンダ「あっ、やべっ!!」


ボーマンダは走ってレジに戻ると、いつもの様に気持ちのこもっていない挨拶……ではなく、満面の笑みで深く頭を下げ……


ボーマンダ「いらっしゃいませーっ!!」


客としてコンビニにやって来た常連のザングースは、そんなボーマンダの挨拶に少し驚いた。


ザングース「お、どないしたんや? バイトのにーちゃん。なんかええ事あったんか?」


ボーマンダ「ま、まぁ……へへっ!」


ザングース「ほーん……良かったな! いっつもにーちゃんつまんなそうに仕事しとるからな……ま、それは置いといて……いつものタバコ一箱くれや!」


ボーマンダ「はい!」


 ▼ 80 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:51:49 ID:3FD9NsoE [10/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告







その日のボーマンダは、これまでの彼とは比べ物にならない程に気持ちのよい仕事っぷりだった……


ボーマンダはその日、店にやってきたお客の一匹一匹に全力の接客をした……







そんなこんなで時は流れ、朝日が街を照らし始める頃……
 ▼ 81 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 13:58:36 ID:3FD9NsoE [11/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



バイトを終えたボーマンダは疲れ一つ無い顔で、家に向かってスキップしていた……


ボーマンダ「三億円っ! 三億円!」


上機嫌のボーマンダの影からゲンガーが顔を覗かせた。


ゲンガー「めちゃくちゃご機嫌だな……バイトも今日付けで辞めちまって……本当に良かったのかぁ?」


ボーマンダ「だってよ! 三億だぜ!? わざわざ働く必要があるかよ! っと危ねぇ! あまりでかい声で話してるとこのくじを盗まれるかもだな……」


ゲンガー「ま、その時は俺がどうにかしてやるから安心しなぁ! げへへ!」


ボーマンダ「よしっ! 今日はさっさと帰って寝る! 昼になったら換金しに行くか!」


ゲンガー「お前が嬉しそうで俺も嬉しいぜぇ! げへへ!」


ゲンガーは再び影の中に溶け込んだ。


ボーマンダ「今日から俺は大富豪! これまでとは違うんだ! へへっ!」 



朝日が照らすポケモンの通りが少ない町……ボーマンダはスキップしながら家に向かった……


 ▼ 82 キジカ@モーモーミルク 17/08/21 15:11:27 ID:OuDM6up. NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 83 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 16:53:00 ID:3FD9NsoE [12/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

町がオレンジ色に染まる頃…… 


ボーマンダの部屋にて……



ベッドの上でスマホをいじるボーマンダの周りには、無数のリンゴマークのカードが散らばっている……


ボーマンダ「しゃっ! やっと最強キャラ来たっ!」


ボーマンダのスマホをゲンガーが不思議そうに覗いた。


ゲンガー「そんなゲームごときに何万円も費やして……よかったのか?」


ボーマンダ「んー……金はまだまだ余るほどあるから別に後悔はしてないぜ? でも、欲しいキャラが出たらこのゲームもどうでもよくなってきたな……」


ボーマンダは近くに転がっている無数の札束のうち一つを掴んだ。


ボーマンダ「課金したうえに奨学金を全額返済しても全く減りそうにないな! へへっ!」


ゲンガーは呆れた表情でボーマンダを見つめた。


ゲンガー「もっとましな使い方をしろよ……」


ボーマンダ「そうだな……じゃ、とりあえず外に出てみるか!」


ボーマンダは札束を一つ、カバンに突っ込んで家を飛び出した。


ゲンガー「お、おいっ! 待てよっ!」


ゲンガーは短い足でボーマンダを追いかけた。

 ▼ 84 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 16:56:24 ID:3FD9NsoE [13/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




夕闇が空を覆い始めた頃……



ボーマンダの住む辺りから少し離れた所に騒がしい街があった……


街には、帰宅途中のサラリーマンやOL……数匹で集まり騒ぐ学生達……


街の隅にはダンボールの上に座る、薄汚いポケモンもちらほら……



ボーマンダとゲンガーはそんな街を歩く……



 ▼ 85 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 17:05:26 ID:3FD9NsoE [14/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「でっけーテレビとかノートパソコンも欲しいけど……この辺り、電気屋が無いんだよな……」


ゲンガー「げへへ、お前の欲望は底無しだな!」


ボーマンダ「そういやお前ってさ、俺以外のポケモンに見えてるのか?」


ゲンガー「基本見えてるはずだぜ?」


ボーマンダ「おいおい……色々と大丈夫なのか? 腐ってもお前、悪魔なんだろ?」


ゲンガー「まぁ、あれだ。いくら俺の姿が見えようと、俺の事を悪魔だってわかる奴はそうそういねぇよ……げへへ!」


ボーマンダ「ふーん……それならいいんだけどよ……じゃあ、お前はこれから俺の友達って事にしといてくれ」


ゲンガー「友達だと?」


ボーマンダ「そのほうが色々と都合が良さそうだし、ごまかしもききそうだからな」


ゲンガー「そうか……わかったぜぇ、ボーマンダ君っ!」


ボーマンダ「うげっ!? やめろっ! その言い方っ! なんか気持ち悪いっ!!」


ゲンガー「げへへ!!」
 ▼ 86 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 17:09:33 ID:3FD9NsoE [15/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹がそんな話をしていると、一匹のポケモンが駆けてきた。


ニューラ「ちょいとそこのおにーさん達っ! うちの店で遊んでかない?」


ボーマンダ「店?」


ニューラ「可愛い子がいっぱいいますよっ! はいっ!」


ゲンガー「いわゆるキャバクラか? げへ」


ニューラ「ま、簡単に言えば……で、おにーさん達どうします?」


ボーマンダ「そうだな……別に金も時間もあるし、行ってみようぜ?」


ニューラ「ありがとうございまぁす! こちらになりまぁす!」


二匹はニューラの後についていった……

 ▼ 87 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 17:14:03 ID:3FD9NsoE [16/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

二匹がやってきたのは、薄暗く……そして、様々な香水の混じったなんとも言えない香りが漂う怪しげな雰囲気の店…… 



二匹が店に足を踏み入れると、すぐさま沢山のメスのポケモンが出迎えてくれた。


メス達「いらっしゃいませー!」


ニューラ「ではお客様、こちらへ!」


二匹はニューラの後について行く……



ボーマンダはゲンガーに小声で話した。


ボーマンダ「こんな店、初めてなんだけど……なんか緊張するな」


ゲンガー「俺だって来たことねぇよ。ってか悪魔がこんな所に来ると思うか?」


ボーマンダ「さすがに悪魔は来ないか……そりゃそうだな」


 ▼ 88 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 17:22:41 ID:3FD9NsoE [17/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ニューラ「こちらの席へどうぞ!」


ボーマンダ「お、おう」


二匹はニューラに促されて豪華なソファにかけた。


ニューラ「こちら、失礼しますね」


ボーマンダ「ん?」


ニューラがメニューのような物を差し出した。


ボーマンダ「これは何だ?」


ニューラ「当店は指名制のクラブになっております! そちらからお好みのポケモンを選んでください!」


ゲンガー「だってよ。げへへ、どうするんだぁ?」


ボーマンダは黙ってニューラにメニューを突き返した。


ニューラ「へ?」


ボーマンダ「この店で一番人気の子を頼んだ。あと、一番高い酒もな? 金はあるから安心しろよ」


ボーマンダはカバンから札束をちらつかせた。


ニューラ「へ? は、はい! か、かしこまりましたぁ!!」


ニューラは走っていった……


ゲンガー「げへへ、お前ならそう言うと思ったぜ」


ボーマンダ「せっかく金があるんだからな……楽しまないとだぜ!」


ボーマンダはニヤリとした……

 ▼ 89 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 17:31:33 ID:3FD9NsoE [18/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


しばらくすると、ニューラが再びやってきた。


ニューラ「こちらのお客様です!」


?「はいはい、今行くから……」


暗闇から気だるそうな声が聞こえた……


ボーマンダ「さて、どんな可愛い子が来るのか……」


ゲンガー「げへへ!」


ニューラの後に続き、暗闇から一匹のポケモンが現れた……


ミミロップ「ご指名ありがとうございまーす……ってあなたは!?」


ボーマンダ「っ!? うちのコンビニの常連さん!?」


ゲンガー「あー、昨日も来たあの客だなぁ?」
 ▼ 90 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:00:32 ID:3FD9NsoE [19/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




昨日、コンビニにて……



ちょっと! 店内さん?


ボーマンダ「!」


気がつくと、レジの前に何匹かポケモンが並んでいた。


ミミロップ「早くしてよねっ! あたし急いでるんだからっ!」


ミミロップは菓子パンと千円札を乱暴に突き出した。


ボーマンダ「あ、す、すみません!」




 ▼ 91 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:04:22 ID:3FD9NsoE [20/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




ゲンガー「あの気の強そうなメス……まさか、こんな所で会うとはなぁ! げへへ!」


ミミロップ「し、失礼な事言うわねっ!」


ボーマンダ「ま、今回は俺が客だ。楽しませてくれよな!」


その言葉にミミロップは馬鹿にした様な目を向けた……


ミミロップ「そんな事より……あなた達、私を指名出来ると思ってるの? 私の指名料、コンビニバイト君なんかに払える額じゃないんだけど?」


ボーマンダはその言葉に顔を引きつらせた……


ボーマンダ「ほ、ほぉ……言ってくれるじゃねぇか……」


ニューラ「ま、まぁまぁ……お客様もミミちゃんもその辺で……」

 ▼ 92 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:08:46 ID:3FD9NsoE [21/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




ゲンガー「おい、見せてやりなぁ……」


ボーマンダ「わかってるって」


ボーマンダはカバンから札束を取り出して机に叩きつけた。


バンっ!


ボーマンダ「ほら、こんだけあれば足りるだろ?」


ミミロップ「!」

 ▼ 93 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:13:18 ID:3FD9NsoE [22/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ミミロップは突然の事に激しく動揺したが……やがて、落ち着きを取り戻すと、ボーマンダの隣に座った。


ミミロップ「バイト君……いえ、お客様……さっきはごめんなさい……あたし達はどんなお客様でも同じ様に接客しなきゃなのに……」


ボーマンダはニヤっと笑い、ミミロップの肩にゆっくりと手を回した……


ボーマンダ「別に気にしてねぇよ……わかってくれりゃあいいんだ……」


ボーマンダは札束をミミロップに渡そうとしたが……ミミロップはそれを押し返した。


ボーマンダ「?」


ミミロップ「でも、ごめんなさい……あたし、あなたの接客だけは出来ない……」


ゲンガー「……?」

 ▼ 94 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:18:00 ID:3FD9NsoE [23/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「ど、どうしてだよ!?」


ミミロップは立ち上がると、ボーマンダを見つめた……


ミミロップ「そのお金、どこで手に入れたのかわからないけど……アルバイトでコツコツ貯めたお金なのかな……もしそうだとしたら、こんな事なんかに使ったら絶対ダメだよ」


ボーマンダ「こ、この金は……」


ミミロップ「どんな形であれ、こんな大金……若いあなたがこんな事に……私のためなんかに使うなんてもったいないよ……」


ボーマンダ「……」


ミミロップ「今日はもう、帰ってくれないかな……1日でもいいから、もう一回考え直して?」


ミミロップの少し潤んだその瞳に、ボーマンダは返す言葉が見つからなかった……



そして……




ボーマンダ「……ちっ……わかったよ……」


ボーマンダはカバンに札束を突っ込むと、気だるそうに立ち上がった。


ゲンガー「お、おう……」


ニューラ「お、お客様!?」


二匹は店を出て行った……
 ▼ 95 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:23:28 ID:3FD9NsoE [24/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




ニューラ「み、ミミちゃん! 今日はどうしたんだい!?」


ミミロップはニューラに背を向けた……


ミミロップ「あの子……あたしがいつも通ってるコンビニのバイトさんなの……」


ニューラ「は、はぁ……」


ミミロップ「あたし、よくここの仕事で溜まったストレスをあの子や他のバイトさんにぶつけちゃうのよね……でも、あの子だけはこんなあたしにもしっかりした接客をしてくれる……根は真面目な子なのよ? あの子……」


ミミロップは別のテーブルに向かって歩き出した……


ミミロップ「そんなあの子だからこそ、間違った道に進んで欲しくないって心から思えるのかな……ここの店に通い詰めて破産したポケモンも沢山いるからね……あたし、あの子には幸せになってほしいの……」


ニューラはため息をついた。


ニューラ「ま、一応営業妨害になりかねないから、こんな事はこれっきりにして頂戴ね、ミミちゃん……」


ミミロップ「はいはい、わかってる」


ミミロップは笑った。




 ▼ 96 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:27:42 ID:3FD9NsoE [25/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




いつの間にか、空には大きな月が輝いている……


そんな夜空の下……街の大通りをボーマンダとゲンガーは歩いていた……




ボーマンダ「くそっ……なんだよ……」


ボーマンダは先程からずっと、イライラした様子である。


ゲンガー「ま、そんな気にするなよ。金の使い道なんていくらでもあるぜ?」


その時、突然ボーマンダが立ち止まった……


ゲンガー「げへ? どうした?」 


ボーマンダはゲンガーを見つめた……


ボーマンダ「なぁ、悪魔……」


ゲンガー「なんだぁ?」


ボーマンダ「金って一体何なんだろうな……」


ゲンガー「?」 


 ▼ 97 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:32:03 ID:3FD9NsoE [26/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダは夜空を見上げた……


ボーマンダ「俺はこれまでずっと、金のために働いてきた……奨学金の返済や、生活の為の金を稼ぐ為に……」


ボーマンダ「今のバイトじゃ生活もギリギリ……金がもっと欲しいってずーっと考えて生きて来たのによぉ……」


ボーマンダはカバンから札束を取り出して、それを見つめた……


ボーマンダ「いざ、手に入れてみたら……どうだ? 欲しかった物は手には入ったか? 俺が目指してたのはこんなにつまらない世界だったのか?」


ゲンガー「……」


ボーマンダ「もうよぉ……どうでもいいわ……」


ボーマンダは札を束ねていた紙を破り、札束を空へと放り投げた……


ゲンガー「げ、げぇっ!?」

 ▼ 98 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 19:35:01 ID:3FD9NsoE [27/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


無数の札がひらひらと宙を舞い……ボーマンダを包んだ……




な、なんだ!? あれは!!


お金よ!!


まじかよ!! 拾え拾え!!



気がつけば、ボーマンダの周りには金を拾いにきたポケモン達が群がっていた……


ゲンガー「おい! こんな事して……」


ボーマンダは悲しげな目で彼らを見つめ……やがて、彼らを押しのけて歩き出した……



ボーマンダ「行くぞ……」


ゲンガー「っ!……お、おう……」

 ▼ 99 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:00:33 ID:3FD9NsoE [28/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ボーマンダが群がるポケモン達の波から外へと踏み出したその時……聞き覚えのある声がボーマンダを呼び止めた……




ボーちゃん……




ボーマンダ「!」


ふと前を見ると……目の前にカイリューが立っていた……


ボーマンダ「カイリュー……お前、なんでここに……」


カイリューは泣きそうな顔をしていた……そしてまた、昨日と同じ言葉を放った……



ボーマンダ「ボーちゃん、変わったな」


ボーマンダはその言葉に怒りがこみ上げた。


ボーマンダ「昨日も……一体俺がどう変わったってんだよ!!」

 ▼ 100 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:02:43 ID:3FD9NsoE [29/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
>>99
下三行目ミスったので書き直します。



カイリュー「ボーちゃん、変わったな」


ボーマンダはその言葉に怒りがこみ上げた。


ボーマンダ「昨日も……一体俺がどう変わったってんだよ!」


 ▼ 101 エルコ@チャーレムナイト 17/08/21 20:09:26 ID:ASi1ADDk NGネーム登録 NGID登録 報告
相変わらずガオガエンがいいキャラ

支援
 ▼ 102 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:10:59 ID:3FD9NsoE [30/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



カイリューがボーマンダにゆっくりと歩み寄った……


カイリュー「おらは……子どもの頃からずっとボーちゃんに助けられてきただ……田舎もんだから学校でもいじめられて……そんなおらをいじめっ子から助けてくれたボーちゃんは、おらのヒーローだっただよ」


カイリュー「でも、大学に行った頃からボーちゃんはどんどん変わっていっただ……これまで以上によく遊んで、学校にもあまり来なくなっただね……」


ボーマンダ「……」


カイリュー「昨日、おらはボーちゃんの事がなんだか急に心配になってコンビニに会いに行っただ……」


カイリュー「そしたら、ボーちゃんはやっぱり疲れた顔して働いていただね……奨学金もやっぱりまだ返済出来てなかっただ……あの時、おらを救ってくれたボーちゃんの面影は無かっただ……」


ボーマンダ「俺はどうせ落ちぶれたんだ……ごめんな、お前の事を助けてやれる様な余裕はもうねぇよ……」


ボーマンダが歩き出そうとしたその時……カイリューが呟いた……



カイリュー「別に、変わることは何にも悪くないだよ」

 ▼ 103 ンゲラー@クイックボール 17/08/21 20:12:29 ID:oh9KNRpc NGネーム登録 NGID登録 報告
フライゴンとアローラ御三家のSSの方?
 ▼ 104 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:17:38 ID:3FD9NsoE [31/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


カイリュー「おらはそんなボーちゃんを見て、助けてあげたいって思っただ……恩返しがしたくなっただ……だから……」


カイリューの手には、札束が入った封筒があった。


ボーマンダ「!!」


カイリュー「せめて……せめて少しでも力になりたかったから、貯金を下ろして来た帰りだっただよ……でも……」


カイリューが見ると、先程までボーマンダが投げた札に群がっていたポケモン達はいつの間にかいなくなっていた……


カイリュー「なぁ! ボーちゃん! お金じゃないなら何をしたらいいだ!? おらは! おらは何をしたら……ボーちゃんを助けられるだ……?」


カイリューはその場に泣き崩れた……

 
 ▼ 105 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:23:11 ID:3FD9NsoE [32/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダはそんなカイリューを見つめている事しか出来なかった……


ボーマンダ「俺は最低だ……」


ゲンガー「……」


ボーマンダ「……なぁ、悪魔……」


ゲンガー「……なんだ?」
 

ボーマンダ「金が欲しいって願った事、無かった事にしてくれ……」


ゲンガー「っ!? いいのか!? お前の家にある金も、あのゲームの欲しかったキャラも、奨学金を返済した事も、全部全部全部無かった事になるんだぞ!?」


ボーマンダは遠い夜空を見上げた……


ボーマンダ「いいんだ……俺はカイリューの思いが聞けただけで腹一杯だ……」



ボーマンダの瞳から一筋の涙が流れた……


ゲンガーは溜め息を一つつくと……



ゲンガー「仕方ねぇな……」





ゲンガーが手をポンと叩くと……ボーマンダの目の前は真っ白になった……
 ▼ 106 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:28:16 ID:3FD9NsoE [33/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告








ん……ああ…………



ボーマンダが目を覚ますと、そこは自分の部屋……


隣を見れば、ゲンガーがいる……


ゲンガー「げへへ……取り消したぜぇ……これで全部無かった事になった……」


スマホの時計を見れば、午後の7時前……

日付も昨日の日付に戻っていた……



机の上に置かれたあの紙切れには、はっきりと『大金持ちになりたい』と、書かれている……


ボーマンダは微笑んだ……


ボーマンダ「……これでいいんだ……」


ゲンガー「本当、次の願いは慎重に決めろよな……」


ゲンガーはボーマンダの影に溶け込んだ……


ボーマンダ「わかってる! それよりバイトの時間だ!」



ボーマンダは菓子パンを一つ咥えると、家を飛び出した……
 ▼ 107 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:32:42 ID:3FD9NsoE [34/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


午後8時、あのコンビニ……


ボーマンダはいつも通り、レジについていた……



ボーマンダ「……」


影がグニャリと動き、ゲンガーの声が聞こえた……


ゲンガー「本当に良かったのか? こんなバイトしてても、入ってくる給料なんてオニスズメの涙だぜ?」


ボーマンダ「いいんだよ、少し位不便な方が俺にはお似合いだからな!」


そんな話をしていると……



ちょっと! 店員さん?



ボーマンダ「!」


気が付くと、レジの前に何匹かポケモンが並んでいた。



 ▼ 108 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:38:45 ID:3FD9NsoE [35/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ミミロップ「早くしてよねっ! あたし急いでるんだからっ!」


ミミロップは菓子パンと千円札を乱暴に突き出した。


ボーマンダ「うわっ! す、すみません!」


更にその後ろに並ぶポケモンが怒鳴った。


エモンガ「俺だって暇じゃねーんだよ! バイトはバイトらしく機械みたいに働け!」


ボーマンダ「すみません! ほんとすみません!!」
 


ボーマンダはレジを打ち、ミミロップに釣りとレシートを渡した。



ボーマンダ「お釣りとレシートです! ありがとうございました!」


ミミロップ「……」


ミミロップはお釣りを受け取ると、ボーマンダをじっと見つめた……


ボーマンダ「な、何か?」


強ばっていたミミロップの表情が優しくなった……


ミミロップ「さっきはきつく怒っちゃってごめんね、アルバイト、頑張ってね」


ミミロップはそういい残すと、菓子パンをかじりながら店の外へと歩いて行った……



ボーマンダ「あ、ありがとうございますっ!」

 ▼ 109 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:40:44 ID:3FD9NsoE [36/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



そんなこんなでレジに並んでいたポケモンはどんどん減って行き……最後にいたのはやはり、カイリューだった……



カイリュー「ボーちゃん、久しぶりー!」


ボーマンダ「やっぱり最後はお前か、カイリュー」


カイリュー「へ? ど、どう言う事だ? ボーちゃん?」


ボーマンダ「いや、なんでもねーよ」


 ▼ 110 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:45:05 ID:3FD9NsoE [37/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダはカイリューの持っていたお菓子を受け取ると、手際よくレジを打った。


ボーマンダ「合計850円な」


カイリューはお金を払い、商品を受け取ると……じっとボーマンダを見つめた……


カイリュー「……」


ボーマンダ「なんだ?」


カイリュー「ボーちゃん、最近どう?」


ボーマンダ「どうって……別に何も? いつも通り、夜勤のバイトを頑張ってるだけだぜ?」


カイリュー「ボーちゃん、すごく疲れて見えるだよ? たまには休んだら……」


ボーマンダは笑った。


ボーマンダ「そうだな! それじゃ、また今度、ガブを誘って三匹で飲みに行かねーか?」

 ▼ 111 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:49:52 ID:3FD9NsoE [38/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


カイリュー「……」


カイリューはまた、ボーマンダを見つめた……


ボーマンダ「な、なんだよ……そんなに見つめるな! なんか照れるだろ!」


カイリューはニッコリと笑った。


カイリュー「ボーちゃん、変わってなくて安心しただ!」


ボーマンダ「へ?」


カイリューはレジ袋から先程買った紅茶を取り出して一口飲んだ。


カイリュー「それじゃ、その時はおらが奢るだよ!」


ボーマンダ「おっ! いいのか?」


カイリュー「ボーちゃんもたまにはおらを頼って欲しいだ!」


カイリューは照れくさそうに笑った。



ボーマンダ「それじゃ、お言葉に甘えるとするかな!」



二匹は顔を見合わせ笑った。
       

 ▼ 112 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:52:06 ID:3FD9NsoE [39/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


カイリューは歩き出した……


カイリュー「今日はボーちゃんに会えて良かっただ! ボーちゃん、バイト頑張るだよ!」


ボーマンダ「おう!」



カイリューは手を振りながら、自動ドアの向こうの暗闇に消えた…… 






 ▼ 113 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 20:56:59 ID:3FD9NsoE [40/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


コンビニはボーマンダ一匹っきりになった……



ボーマンダの影からゲンガーが飛び出した。


ゲンガー「今度は変わってない……か……」


ボーマンダ「変わってない……いいじゃねぇか! それで!」


ゲンガー「俺にはよくわかんねぇな……っと、それよりお前、あいつの事を忘れてるんじゃないのか?」


ボーマンダ「あいつ?」


ゲンガー「ほら、お出ましだぁ」



ゲンガーが影に飛び込むと同時に自動ドアが開いた……


ボーマンダ「いらっしゃ……」


ボーマンダがそう言い終わるより速く、そのポケモンはボーマンダに駆け寄るとナイフを突きつけた……


ボーマンダ「っ!」


ワルビル「か、金を出せ……!」
 ▼ 114 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 21:03:27 ID:3FD9NsoE [41/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダは溜め息をついた……


ボーマンダ「まぁ落ち着け……お前、宝くじ持ってるだろ?」


ワルビル「っ!? な、なんでそれを!?」


ワルビルはナイフを下ろした。


ボーマンダ「こんな事しなくてもいいんだぜ? ほらよ」


ボーマンダはスマホで宝くじの当選番号をワルビルに見せた……


ワルビル「え……」


ワルビルは宝くじを取り出すと、画面と何度も何度も交互に見つめ……やがて……


ワルビル「やったぁああああ!! マジで!? マジでか!?」


ボーマンダ「よかったな、これで強盗なんてしなくて済んだろ?」


ワルビルはボーマンダの前脚をぎゅっと握った。


ワルビル「ありがとうございます! ありがとうございます! これで母さんの入院費が払えますっ!!」


ボーマンダ「っ!……そっか、母さんの為だったのか……良かったな、母さんを大切にな!」


ワルビル「はいっ!」

 ▼ 115 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 21:06:21 ID:3FD9NsoE [42/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「ま、店長には俺からうまく言っといてやるから……ほら、さっさと帰りな」


ワルビル「本当にありがとうございましたっ!!」


ワルビルは自動ドアの向こうの闇に消えた……



ボーマンダはそれを見送ると微笑んだ……



ボーマンダ「これで全部丸く収まったな……良かった良かった!」


ゲンガー「ま、これでお前が満足するなら……げへへ!」





 ▼ 116 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 21:10:52 ID:3FD9NsoE [43/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


そんなこんなで、朝日が町を照らし始める頃……



バイトを終えたボーマンダとゲンガーはポケモンの通りの少ない朝の町を歩いていた……



ボーマンダは歩きながら財布を覗いたが……財布にはたいした額は入っていなかった……


ボーマンダ「あー……今月もやべぇな……でも……」


ボーマンダは近くの自販機に千円札を突っ込むと、コーラを二本買った。


ボーマンダ「こう言うちょっとしたご褒美って奴がまた、最高なんだよな!!」


ボーマンダはコーラを一本ゲンガーに投げて渡した。


ゲンガー「お、いいのか?」


ボーマンダ「おう! 飲め飲め!」

 ▼ 117 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 21:16:17 ID:3FD9NsoE [44/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダはコーラを一瞬で飲み干すと……


ボーマンダ「ぐえぇぇぇっぷ!! あーっ! スッキリしたぜっ!」


ゲンガー「おまっ! きったねぇなぁ!」


ボーマンダ「うるせぇ! これが好きで俺はコーラを飲むんだよ!」


ゲンガー「はぁ……」


ボーマンダはコーラの空き缶を握りつぶすと朝日を見つめた……


ボーマンダ「これくらいのちっさい幸せが俺には丁度いいんだ……そうと決まりゃ、次のちっさい幸せに向かって頑張るかっ!」


ボーマンダは潰れた空き缶をゴミ箱に投げ捨てると走り出した。


ゲンガー「っておい! 走るな! 俺は走るのが遅いんだよ! 足が短いの知ってるだろ!!」 


ボーマンダ「へへっ! そんな事知らねーよっ!」


二匹は朝日が照らす町を真っ直ぐに走って行った……




続く


 ▼ 118 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 21:23:14 ID:3FD9NsoE [45/46] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
第三話おしまい。
長かった……


>>101
>>103
前のSS読んでくれた方ですねありがとね
今回もグダグダな更新になるだろうけど、良かったら最後まで見てってくれたら嬉しいです。
 ▼ 119 1◆v1GnTfaqxg 17/08/21 21:27:50 ID:3FD9NsoE [46/46] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
一応前作のURLはるだけはっときますね(はれてなかったらごめんね)
このSSの続きのイメージで書いてますので、良かったら見てってくださいな。(別に読まなくても話はわかるから大丈夫ですよ。)
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=538560

こっちのSSより前の時系列のつもりです。はっきりしたつながりはないけど登場キャラがいくつかかぶってます。
http://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=597512


では、続きはまた明日ですね
 ▼ 120 ズゴロウ@うしおのおこう 17/08/21 21:28:35 ID:0hXLE1PU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 121 ースター@ザロクのみ 17/08/21 22:18:21 ID:rCfKMNLc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 122 テトプス@しんかのきせき 17/08/21 22:56:54 ID:4LlWA0DI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しーえん
 ▼ 123 ロピウス@くろいてっきゅう 17/08/21 23:31:20 ID:RtvKRYkw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
よきかな
 ▼ 124 ャロップ@プレシャスボール 17/08/21 23:44:19 ID:tcE8mMgc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いいね
続きが気になる
支援
 ▼ 125 タチマル@オボンのみ 17/08/22 00:59:03 ID:Jat1gLUY [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おもしろい 支援
 ▼ 126 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 10:15:28 ID:bIoZgByc [1/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダの部屋……


窓の外をみれば、真っ青な昼空が広がっている……



ボーマンダ「はぁ……頭痛ぇ……」


ボーマンダは溜め息をつくと、カップ麺のスープを飲み干した。


ゲンガー「おいおい、体に悪いぜ?」


ボーマンダ「うるせー! そんな事より今の生活リズムの方がよっぽど体に悪いわ!」


ゲンガー「確かにな! 昼夜逆転だからな! げへへ!」


ボーマンダは窓の外を眺めた……


ボーマンダ「俺だってちゃんとした会社に就職したかったんだけどよ……就活失敗して……あっ! そうか!」


ゲンガー「?」


ボーマンダは机の上のあの紙切れに何かを書き込んだ。


ゲンガー「おっ! 次は何を願うんだ?」


ゲンガーが覗き込むと……そこには……






まともな仕事が欲しい!





 ▼ 127 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 10:17:33 ID:bIoZgByc [2/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告










四、新入社員俺×どうしようもない社会









 ▼ 128 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 10:20:24 ID:bIoZgByc [3/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「これで俺も普通のポケモンになれるはず!」


ゲンガー「なるほどな……仕事を変えりゃ、生活リズムも元通りってか?」


ボーマンダ「その通りだ!」


その時、ボーマンダのスマホが鳴った。


ボーマンダ「ん? 誰だ?」


ボーマンダが電話に出ると……聞き覚えのある、懐かしい声が聞こえた……



?「おーい! ボーマンダ? 起きてたか?」

 ▼ 129 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 10:27:46 ID:bIoZgByc [4/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「お前……もしかしてガブか?」


ガブリアス「お! 覚えててくれたか! 嬉しいな!」


ボーマンダ「忘れる訳ねーだろ? 懐かしいな! 大学卒業して以来会ってなかったからな!……そんな事より今日は突然何の用だ?」


ガブリアス「お前、まだ深夜バイトやってるって? カイリューに聞いたぞ?」


ボーマンダ「うっ……ま、まぁな……」


ガブリアス「それについてなんだけどさ……お前、うちの会社で働かないか?」


ボーマンダ「え?」


ガブリアス「うちの会社、丁度社員が一気に定年退職しちゃって社員が足りないんだよ……お前、パソコンとか結構得意だろ? 今ならパソコン出来るなら即採用って社長も言ってたからさ……どうだ?」


ボーマンダ「行く! もちろん行くぜっ!!」


ガブリアス「そうか! 良かった! それじゃあ明日、うちの会社のビルに来てくれ! 時間は……」













 ▼ 130 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 10:32:31 ID:bIoZgByc [5/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「おう! 今日はありがとな!」


ガブリアス「ま、気にするなよ! 困った時はお互い様だろ? じゃな!」


ブチっ!


ボーマンダはスマホを置いた……そして……



ボーマンダ「いよっしゃああああああああ!!!!」



ゲンガー「っ! おい! そんなでけぇ声出すと……」



ドンドンっ!ドンドンドンっ!!



隣の部屋から鈍い音がした……


ボーマンダ「あ……俺とした事が取り乱しちまったぜ……へへっ!」



ボーマンダは座り直した。


ボーマンダ「とりあえず、明日に向けて準備だ! バイトも辞めなきゃだし……他にもどんな会社なのかも調べとかなきゃな!」


ゲンガー「ま、せいぜい頑張れよ! ぐへへ!」


 ▼ 131 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 10:49:47 ID:bIoZgByc [6/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



そんなこんなで次の日の朝……



街の真ん中を貫く大通り……


その大通り沿いに大きなビルがあった……




ボーマンダは大きなビルを見上げた……



ボーマンダ「や、やべぇ……緊張してきた……」


影からゲンガーが顔を覗かせた。


ゲンガー「げへへ! そんなに緊張するなよ!」


ボーマンダ「おい! お前は出てこない約束だろ!? お前が出てくると色々とまずい事になりそうだからな! 今日はおとなしく影に入っててくれ!」


ゲンガー「すまんすまん! げへへ!」


ゲンガーはボーマンダの影に飛び込んだ。


ボーマンダ「ほんっとにお前は……」



 ▼ 132 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 11:12:20 ID:bIoZgByc [7/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その時、ガブリアスがやってきた。


ガブリアス「ごめんごめん! 待ったか?」


ボーマンダ「いや、俺も今来たばっかりだぜ?」


ガブリアス「そっか、良かった! それにしてもラッキーだな! 面接とか全部すっ飛ばせるなんてなかなかないぞ?」


ボーマンダ「マジでありがとな! 助かったぜ!」


ガブリアス「それより早く行こうぜ!」


ボーマンダ「おう!」


ボーマンダは歩き出したガブリアスについて行った……




 ▼ 133 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 11:15:48 ID:bIoZgByc [8/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ビルに入り、エレベーターに乗る……

エレベーターはどんどん上がっていく……



ボーマンダ「なんだか昨日は緊張しちまってよ……どんな仕事をすりゃいいのかわかんねぇし……初めての事だらけだからよ……俺、うまくやってけるかな…」


ガブリアスはそんな弱気なボーマンダを笑い飛ばした。


ガブリアス「なんだよボーマンダ! 柄にもない事言うな!」


ボーマンダ「お、俺だってこんなナイーブな一面があるんだぜ?」


ガブリアス「ま、お前ならうまくやってけると思うぜ! それに、あそこの奴らはいい奴ばっかだって噂だしな!」

 ▼ 134 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 11:21:52 ID:bIoZgByc [9/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その時、エレベーターが止まり、ドアが開いた。


開いたドアの向こうには、デスクに向かいコンピューターを使って各々の仕事に取り組むポケモン達が見られた……


ボーマンダ「ここか?」


ガブリアス「おう! 20階がお前の所属する階だ!」


ボーマンダ「え? ガブと一緒じゃねぇのか?」


ガブリアス「俺は別の階! 仕事は主に外回り中心だからな! それじゃ、せいぜい頑張れよ! じゃな!」


ガブリアスは笑いながらエレベーターに乗り、そのまま上の階へ行ってしまった……



 ▼ 135 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 11:27:09 ID:bIoZgByc [10/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ボーマンダ「え、えっと……いきなりこんな所に……うぅ……」


ボーマンダは誰かに声を掛けようとしたが、皆、自分の仕事に必死でボーマンダに気が付かない……


ボーマンダ「ど、どうすりゃいいんだよ! ガブぅ!」


ボーマンダがあたふたしていると、そこに一匹の細身で美しいポケモンが通りかかった。



?「あら? あなた……もしかして、今日からうちに入るって言う新入りさん?」


ボーマンダ「え? あ、はい!」


?「あらあら、元気な子ね! うふふ! 私はエーフィ! 今日からよろしくね!」


ボーマンダ「お、俺はボーマンダです! よろしくお願いします!……ところで俺、何をすればいいんですかね……」


エーフィ「とりあえずこっちに来てくれる?」  


ボーマンダ「は、はい!」


ボーマンダはエーフィについて行った……


 ▼ 136 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 11:32:45 ID:bIoZgByc [11/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

エーフィは一番端にあった机の前で立ち止まった。


エーフィ「今日からここがあなたのデスクね!」


ボーマンダ「ここが俺の……」



机の上には書類入れとブックスタンド……そして、ノートパソコンが置いてあった。


なぜかその光景は、長年眠っていたボーマンダのやる気を刺激した。



ボーマンダ「うう……今日から俺も会社員だ! なんかやる気出てきたぜぇ!!」


エーフィはかわいらしく笑った。


エーフィ「あなた、なかなか可愛いわね! 仕事は隣のデスクの子に聞いてね! それじや、頑張りましょうね!」


ボーマンダ「は、はいっ!」

 ▼ 137 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 11:37:14 ID:bIoZgByc [12/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エーフィが歩いていくと……隣のデスクからポケモンが顔を覗かせた。


?「新入りの分際でエーフィの事狙っとるとはええ度胸やな……」


そのポケモンの鋭い視線がボーマンダに突き刺さった。


ボーマンダ「えっ!? べ、別に俺は!!」


?「ほんまか? ほんまにエーフィの事は……」


ボーマンダ「別に狙ってませんってば!」


その言葉を聞いた瞬間、そのポケモンの表情は明るくなった。


?「なんや! ならええねん! わいはサンダースや! よろしくやで!」 


ボーマンダ「お、俺はボーマンダです……よ、よろしくお願いします……(な、なんだよ……このポケモン……)」

 ▼ 138 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 11:46:57 ID:bIoZgByc [13/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

サンダース「わからん事はなんでも聞いてな!……って言いたいとこやけど、ちょっと今わい手が離せんくてな……」


すると、ボーマンダの後ろの席のポケモンが寄ってきた。


?「あなたが新入りさん? 私ニンフィアって言うの! 良かったら私が色々教えてあげようか?」


ボーマンダ「あ、俺はボーマンダって言います。よろしくお願いします!」


サンダース「お! ニンフィア、ええんか?」


ニンフィア「いいよいいよ! 私も新入りさんと仲良くなりたいから! まかせて!」


サンダース「そんじゃ、ニンフィアに任せるな! わいは仕事が山ほど残っとるからなー……さっさと片付けるでー!」


サンダースはデスクに向き直ると仕事を再開した。



ニンフィア「それじゃ、まずはそこにあるパソコンをつけて!」

ボーマンダ「はい!」


 ▼ 139 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 13:43:46 ID:bIoZgByc [14/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


十分後……



ニンフィアは驚きを隠せなかった。


ニンフィア「すごーい……ボーマンダ君ってパソコン得意なんだね!」


ボーマンダ「ま、俺は機械物にはある程度は強い方だからな! これくらいなら余裕だぜっ! へへっ!」


ニンフィア「サンダースさん! ボーマンダ君何でも出来ちゃうよ! 即戦力だよ!」


ニンフィアがサンダースの肩を叩くと……


サンダース「だぁーっ! うるさいなぁ! さっきからうまい事資料が出来んくてイライラしとんねん! 話しかけんといてーな!」


ニンフィア「あっ、ごめんね……サンダースさん……」
 

ボーマンダはサンダースの後ろからパソコンを覗いた。


ボーマンダ「サンダースさん、ちょっといいっすか?」


サンダース「な、なんや!」




ボーマンダはサンダースのパソコンをカタカタ動かして……




ボーマンダ「これでどっすかね?」


サンダース「お、おお!!」


画面にはほぼ完成された書類が……


サンダース「ありがとさん! 助かったわ! ほんまにパソコン得意やな! あんた!」


ボーマンダ「へへっ! どうも! (なんとかやってけそうだな……この仕事……)」



 ▼ 140 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 13:47:02 ID:bIoZgByc [15/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


そんなこんなで昼休み……



ボーマンダ「ふぃー……疲れた……ってあれ?」


気が付くと他のポケモン達は皆、何処かへ消えていた……


ボーマンダ「うわっ、マジかよ……仕事に集中し過ぎて全然気付かなかった……どうりで静かだと思ったぜ……」


影からゲンガーが顔を覗かせた。


ゲンガー「他の奴らは十分前には全員どっかに行っちまったぜぇ?」

 ▼ 141 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 13:51:11 ID:bIoZgByc [16/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

掛け時計の秒針の音がはっきりと聞こえる程に静まり返った部屋の中、ボーマンダの腹が鳴った……


ぐうぅぅ……


ボーマンダ「うぅ……腹減ったなぁ……ところでこの会社、社員食堂とかあるのかな……」


ゲンガー「さぁな? あいつにでも聞いてみりゃいいじゃねぇか?」


ボーマンダ「あいつ?」


ゲンガーの指す先、遠くのデスクにもう一匹ポケモンがいた。


ボーマンダ「おっ! 俺一匹だけじゃなかったのな!」


ボーマンダはそのポケモンのもとに向かった。


ゲンガー「げへへ!」


ゲンガーはボーマンダの影に引っ込んだ。


 ▼ 142 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 13:57:27 ID:bIoZgByc [17/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ボーマンダ「どうも! 今日からここで働く事になったボーマンダです! 良かったら飯食べに行きません?」


そのポケモンは手を止めると、少しだけボーマンダと目を合わせた……


?「あたしはブラッキー」


そしてすぐにパソコンに向き直った。


ボーマンダ「あの……飯食べに行きません?」


ブラッキーはカタカタとキーボードをうちながらボソッと呟いた……


ブラッキー「早く他の誰かとお昼食べに行けば?」


ボーマンダ「ま、まぁまぁ……そんな事言わずにさ! 食べに行きましょうよぉ! 俺、食堂の場所知りませんし!」


ブラッキーは立ち上がるとエレベーターに向かって歩き出した……


ボーマンダ「おっ! その気になりましたか?」


ブラッキー「別に? 一匹で食べるだけ」


ボーマンダ「またまたぁ!」


ブラッキーがエレベーターに乗ると、追ってボーマンダもエレベーターに乗った……







遠くのデスクから一匹のポケモンがそんな二匹を見ていた……


?「……」
 ▼ 143 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 14:02:57 ID:bIoZgByc [18/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


エレベーターが向かった先は食堂……ではなく、屋上……



ブラッキーは錆び付いたドアを開けて、屋上へと出た…… 

屋上は広く、他に誰もいなかった。



ボーマンダ「あれ? 食堂行くんじゃ……」


ブラッキー「ねぇ、どこまでついて来るつもりなの? 君……」


ブラッキーは少しイライラした様子でどんどん歩いていく……


ボーマンダ「いやー、ブラッキー先輩について行ったら食堂につくかなー……って」

 ▼ 144 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 14:05:21 ID:bIoZgByc [19/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



ブラッキーはため息をついた。


ブラッキー「食堂はここのビルの二階にあるからさっさと行ってきなよ」


ボーマンダ「そっすか! これで明日は食堂に行けるぜ! 先輩どうもっす!」


ブラッキー「明日? 今から行かないの?」


ボーマンダ「せっかくなんで今日はブラッキー先輩と二匹で食べようかなって……へへっ!」


ブラッキー「……」
 ▼ 145 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 14:11:34 ID:bIoZgByc [20/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ブラッキーはカバンからカロリーメイトを取り出して一口かじった。


ブラッキー「……」


ブラッキーが屋上の手すりにもたれて空を見上げていると、ボーマンダが隣によって来た。


ボーマンダ「あのー……」


ブラッキー「何? まだ何か?」


ボーマンダ「それ、半分下さい」


ブラッキーは突然の事に吹き出した。


ブラッキー「ぶっ!? げほっ! な、何なの!? あなた!」


ボーマンダ「えーっと……俺、食べ物持ってないから……」


ブラッキー「仕方ないな……」


ブラッキーは箱に入っていたもう一本のカロリーメイトをボーマンダに渡した。


ボーマンダ「ざっす!」


ブラッキー「君、食べ物も持ってない癖に私と一緒に食べようとしてたの?」


ボーマンダ「いやー……今月お金がヤバくて……分けてもらえるかな……って」


そんなボーマンダを見ているブラッキーの表情が緩んだ……


ブラッキー「ほんとにもう……ふふっ!」

 ▼ 146 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 14:18:28 ID:bIoZgByc [21/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ボーマンダ「あっ、先輩笑った!」


ブラッキー「なによ、いいじゃない」


ボーマンダ「先輩もっと笑ったらいいのに……可愛いんだからさぁ……」


ブラッキー「な、なによっ! 変な事言わないでよっ!///」


ボーマンダ「へへっ! そーやって照れてるところもまた……」


ブラッキー「もう! なんなのよぉ!」






そんな二匹を遠くの影から眺めているポケモンがいた……


?「あいつ……僕のブラッキー先輩に……許さない……」


そのポケモンはUSBメモリを握りしめて走り出した……





二匹は気付いていなかったが、ボーマンダの影からゲンガーが顔を覗かせ、そのポケモンを見ていた……



ゲンガー「(げへへ、あいつ……何をする気だぁ?)」



ゲンガーはボーマンダの影から飛び出すと、屋上の鉄柵の影を経由し、そのポケモンの影に飛び込んだ……

 ▼ 147 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 18:49:10 ID:bIoZgByc [22/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


二匹で話をしていると、いつの間にか昼休み終了の時間が来た……



ブラッキー「あ、そろそろ戻らなきゃ……」


ボーマンダ「もう仕事っすかぁ? だりーなぁ……」


ブラッキー「ほら、帰るよ」



二匹は屋上を後にし、エレベーターに乗った。


 ▼ 148 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 18:53:33 ID:bIoZgByc [23/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



エレベーターはどんどん降りて行き……そして、20階についた。



エレベーターが開き、二匹が降りると……なんだか辺りが騒がしい……


ボーマンダ「な、なんだ?」


ブラッキー「何があったんだろ……」




部屋にポケモン達の叫びが響く……


サンダース「わ、わいのデータが!?」

ニンフィア「なんで!? パソコンが起動しないよ!?」

ブースター「一体なんなのよぉ!!」




二匹が立ち尽くしていたその時、一匹のポケモンがボーマンダに駆け寄って来た……


?「おい! 新入りってのはお前か!!」

 ▼ 149 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 18:59:33 ID:bIoZgByc [24/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「へ?」


ブラッキー「グレイシア部長! 何があったんですか!?」


グレイシア「お前の使っていたパソコンにウイルスが入ってそこから会社のパソコン全体が攻撃をくらっているんだ!」


ボーマンダ「はぁ!?」


ブラッキー「なっ!? あなたそんな事したの!?」


ボーマンダ「いや、俺はさっきからグラフ作成しかしてねぇよ! ウイルスが入り込む隙なんて無かったはずだ!」


ボーマンダは自分のデスクに向かい、パソコンを立ち上げた……


パソコンは起動したものの、画面いっぱいにウインドウが広がり続け、まともに使える状態じゃない……


ボーマンダ「げぇ!? なんだこれ!?」

 ▼ 150 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:02:55 ID:bIoZgByc [25/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


グレイシアがボーマンダに怒鳴りつけた。


グレイシア「お前! どう責任をとってくれるんだ!」


ブラッキー「ちょっと待って! なんでボーマンダ君のせいなの? 断言する証拠は?」


グレイシア「っ! そ、それは……誰が言い出したのかわからないが……でも! こう言う時、一番怪しいのは新入りに決まっているだろ!! それに、私達は腐っても技術者集団だ! ウイルスに対する知識もそれなりにある!」


ブラッキー「だからってそんなのおかしいよっ!」


 ▼ 151 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:08:54 ID:bIoZgByc [26/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その時、デスクやポケモンの影を経由して、ボーマンダの影にゲンガーが飛び込んできた……


ボーマンダ「(っ! お、お前どこに行ってたんだよ!)」


ゲンガー「(げへへ、気になる事があってな!)」


ボーマンダ「(今それどころじゃねぇんだよ! この状況見ろよ!)」


ゲンガー「(ま、俺がどうにかしてやる! 安心しろよ! げへへ!)」


ボーマンダ「(安心? 何するんだ?)」

 ▼ 152 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:12:58 ID:bIoZgByc [27/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

グレイシア「さっきから何をこそこそ話しているんだ!」


ボーマンダ「な、何でもないです!」


グレイシア「やっぱりお前……怪しいな……」


グレイシアがボーマンダを睨みつけた……その時




おい、お前らぁ……聞こえるかぁ?




ボーマンダ「っ!」


グレイシア「だ、誰だ!?」


ブラッキー「何なの? この声……」


 ▼ 153 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:22:43 ID:bIoZgByc [28/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

影の中のゲンガーは続ける……



俺、誰がやったのか見てたぜ?



ボーマンダ「なにぃっ!?」


グレイシア「なんだと!?」


ブラッキー「誰がこんな事……」



ゲンガーが不気味に笑った……



俺が見たのはよぉ……げへへ……そこのデスクに座ってる青色……お前だぁ……



グレイシア「!?」 


ブラッキー「それって……シャワーズ君!?」



 ▼ 154 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:27:11 ID:bIoZgByc [29/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


グレイシアがシャワーズに駆け寄った。


グレイシア「おい! シャワーズ! お前がこんな事をしたのか!?」


シャワーズは飛び上がった。


シャワーズ「なっ!? ななななんで僕がそんな事をしなくちゃいけないのっ!? そ、そんな事してもいい事なんて何にもなな無いじゃな、ないですかぁ!?」


ボーマンダ「えらくわかりやすい奴だな……」


グレイシア「ってそれより……さっきから誰が話してるんだ? 新入りの声でもないし、ここにはそんな不気味な声のポケモンはいないぞ?」



げへへ……仕方ねぇな……
  


ボーマンダ「っ!? お、おいっ! 出てくるなよ! 約束したろ!?」


ボーマンダの願い虚しく、ゲンガーが影から飛び出した。


 ▼ 155 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:35:23 ID:bIoZgByc [30/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


グレイシア「!?」


ブラッキー「なにこれっ!?」


ゲンガー「げへへ……俺はこいつの影の中から全部見ていた……屋上でボーマンダとそこの黒色が話している所を嫉妬しながらこいつが見ていたのをなぁ……」


シャワーズ「!!」


ブラッキー「嫉妬って……」


シャワーズ「で、でも証拠が無いよっ! 証拠も無いのに疑わないでよ!」


ゲンガー「証拠はお前の机の上にある、そのUSBメモリだ」


シャワーズ「っ!」


シャワーズは咄嗟に机にのっていたUSBメモリを手にとり握りしめた。


ゲンガー「さあ、そいつの中身を調べさせなぁ……それが証拠だぁ……」


シャワーズ「そ、それは……うぅ……」


ゲンガーがあとずさりするシャワーズに顔をぬっと近づけて睨んだ。


ゲンガー「ウジウジうるせぇ!! お前がやったんだろぉ!?」


シャワーズ「ひええっ!! や、やりましたぁ! 僕が作ったウイルスを新入りさんのパソコンに入れたんだよぉ!」


 ▼ 156 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:44:41 ID:bIoZgByc [31/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ブラッキー「本当にシャワーズ君だったのね……」


グレイシア「わからん……こんな訳のわからん事が……あぶぶ……」


グレイシアは泡を吹いて倒れた。


ボーマンダ「おい! 大丈夫か!?」


ボーマンダはグレイシアを揺すったが、グレイシアはすっかり意識を失っている……


ブラッキーは悲しげな目でシャワーズを見つめた……


ブラッキー「シャワーズ君……どうしてこんな事……」


シャワーズ「だって! 大好きなブラッキー先輩を取られて悔しくて! 悔しくて……うぅ……」


ブラッキー「!」


シャワーズはすすり泣く……


震えるシャワーズの隣にブラッキーが寄り添った……


ブラッキー「ねぇ、シャワーズ君……」


シャワーズ「ひっぐ……えっぐ……」


ブラッキー「ありがと……」


シャワーズ「?」


ブラッキー「そんなに大好きでいてくれてありがと……私、嬉しかったよ……」


シャワーズ「!!」


 ▼ 157 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 19:49:26 ID:bIoZgByc [32/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ブラッキー「でもね、こんな事したらダメだよ……シャワーズ君のせいでみんなが迷惑したんだよ? すごい損失がでたんだよ?」


ゲンガー「そうだぜぇ? お前はこれから刑務所行き確定! 裁判にかけられるだろうなぁ! げへへ!」


その言葉にシャワーズは不意に我に帰った。


シャワーズ「そうだ……僕はとんでもない事を……もうおしまいだぁ! うわぁぁあん!」


ゲンガー「げへへ! ざまぁねぇなぁ!」



そんなやり取りを見て、ボーマンダはため息をついた……


ボーマンダ「……はぁ……めんどくせーなぁ……わかったよ……」


ゲンガー「何がわかったんだぁ?」


ボーマンダは小さく呟いた……


ボーマンダ「悪魔、俺の願いを取り消せ」


 ▼ 158 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:03:42 ID:bIoZgByc [33/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ゲンガー「はぁ!?」

ブラッキー「悪魔!?」

シャワーズ「願い?」


ボーマンダ「全部話す……俺がこの悪魔に願ったんだ……仕事が欲しいってよ……そしたら、なんだかんだでここに来た……そんなこんなで今に至るって訳だ……」


ボーマンダ「正直よぉ……ここは悪い職場じゃねぇと思うぜ? でも、俺が一匹来たせいで、ここまでぐちゃぐちゃに壊れちまった……みんなごめんな……」


ブラッキー「……」


ボーマンダ「それに、悪魔の存在がばれちまったからな……」


ボーマンダはゲンガーに目を向けた……


ゲンガー「で、でもよぉ……俺があの時出てこなけりゃお前は……」


ボーマンダ「その事については感謝してる。ありがとな」

 ▼ 159 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:07:40 ID:bIoZgByc [34/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


ボーマンダ「他の奴の幸せを奪ってまで自分の幸せを追求する事なんて俺には出来ねぇよ……俺はそこまでグズじゃねぇよ……引き際もわきまえてるつもりだ……」


ブラッキー「ボーマンダ君……」


ボーマンダ「さぁ、悪魔……願いを取り消せ……そうすりゃ全部元通りだ……今日の出来事も全部無かった事になるからな……」


ゲンガーはため息をついた……


ゲンガー「はぁ……わかったよ……」


ゲンガーがポンと手をたたくと……また、ボーマンダの目の前は真っ白になった……

















 ▼ 160 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:14:53 ID:bIoZgByc [35/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告







ボーマンダ「……んぁ…………」


ボーマンダが目を覚ますと、そこは自分の部屋……


ボーマンダ「……ま、仕方ねぇよな」


ベッドの上に寝転がっていたゲンガーは不服そうな表情を見せた。


ゲンガー「なんで取り消すんだよぉ……はぁ……」


ボーマンダ「あんなの取り消すしかないだろ?」


ゲンガー「なんでだよぉ……お前だってあの仕事、気に入ってたじゃねぇか……」


ボーマンダ「でも、俺はやっぱりあいつを貶めてまで自分の幸せの追求は出来ねぇ! ま、仕事なんて世界にはいくらでもある! ゆっくり自分にあう仕事を探して行けばいいだろ?」


ボーマンダは玄関に向かった……


ゲンガー「おい、どこ行くんだ?」


ボーマンダ「ハロワだ! たまには自分から行動起こさねーとな!」


ゲンガー「本当、お前って奴は……げへへ!」


 ▼ 161 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:22:21 ID:bIoZgByc [36/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


街の空には眩しい太陽が昇っている……




ハロワ帰りのボーマンダは街の大通りを歩いていた……


ボーマンダ「なかなかいい仕事、見つからねぇな……」


ゲンガー「お前が決めたんだろぉ? ゆっくり探して行くってよぉ」


影から顔を覗かせたゲンガーを見て、ボーマンダは笑った。


ボーマンダ「次はもっと楽しくて、やりやすい……自分の天職を見つけてやるぜっ!」


ゲンガー「ま、それまでは夜勤バイト、せいぜい頑張れよ!」


ボーマンダ「うっ……夜勤の事は言うな……気が滅入る……」


 ▼ 162 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:24:55 ID:bIoZgByc [37/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゲンガー「げへへ! お? あれ見ろよ!」


ボーマンダ「ん?」


ゲンガーの指す先……あのビルの屋上にブラッキーが見えた……


ボーマンダ「ブラッキー先輩……」


その時、ブラッキーの隣にシャワーズがやってきた。


二匹は楽しそうに何か話している……


ボーマンダはそれを見て微笑んだ……


ボーマンダ「先輩……仕事、頑張れよ……」




 ▼ 163 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:27:32 ID:bIoZgByc [38/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

その時、ブラッキーと目があった……


ボーマンダ「……」


ボーマンダはなんとなく、屋上のブラッキーに手を振った……


しばらくブラッキーはボーマンダを見つめていたが……手を振り返してくれた。


ボーマンダ「あれ? 俺の事わかるのか?」
 

ゲンガー「そんなはずはねぇよ、気のせいだ」


ボーマンダ「だよなー……じゃ、帰るか!」


ゲンガー「おう!」



二匹は街の大通りを歩いていった……
 ▼ 164 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:31:46 ID:bIoZgByc [39/40] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告


その頃、ビルの屋上では……


二匹は屋上から大通りを見下ろしていた……



シャワーズ「先輩、さっきのポケモン、知り合いですか?」


ブラッキーは遠ざかるボーマンダを見つめた……


ブラッキー「いや、知らないポケモン……だけど、知ってる気がする……」


シャワーズ「どう言う事?」


ブラッキー「さぁね、私もよくわからない……けど、なんだか懐かしいような気がするんだ……」


シャワーズ「?」


ブラッキーは歩き出した……


ブラッキー「ほら、もう時間だよ? 仕事に戻ろ?」


シャワーズ「はい!」


二匹は屋上を後にした……







とある街の昼下がり……少し不思議な出来事であった……



続く

 ▼ 165 1◆v1GnTfaqxg 17/08/22 20:33:25 ID:bIoZgByc [40/40] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
第四話おしまい


五話の下書きがまだ完成してない……早く書かないと明日に間に合わなくなる……

とりあえず今から書きます。

明日更新出来なかったらごめんね。

では
 ▼ 166 タマロ@ボスゴドラナイト 17/08/22 22:09:15 ID:Jat1gLUY [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続きが気になる支援
 ▼ 167 ドリーノ@トウガのみ 17/08/22 22:42:33 ID:1/LahKcY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 168 1◆v1GnTfaqxg 17/08/23 11:47:50 ID:P0CJzuB6 [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


その日の夕方……


ボーマンダの部屋にて……



ゲンガーはベッドに座ると紙切れを見つめてため息をついた……


ゲンガー「はぁ……それにしてももったいねぇな……あと2つだぞ?」


ボーマンダは疲れきった表情で座布団に座ると、机に顎をのせた。


ボーマンダ「だって仕方ないだろ? ラーメンはまずいし……金もなんだか俺には似合わないし……仕事はゆっくり探してく事にしたし……」

 ▼ 169 1◆v1GnTfaqxg 17/08/23 11:51:23 ID:P0CJzuB6 [2/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



しばらく二匹の間に沈黙が流れた……


突然、ゲンガーが手をポンと叩いて立ち上がった。


ゲンガー「あっ! そういやお前、可愛いメスが欲しいって言ってなかったか? げへへ!」


ボーマンダ「!」


ゲンガーはボーマンダに歩み寄ると、机の上に転がっていたリモコンを手にとり、テレビを付けた。


テレビに映ったバラエティー番組には、可愛らしいモデルのポケモンが出演している……


ボーマンダはテレビを見ると、静かにため息をついた……


ボーマンダ「……いや、可愛いメスなんていらねぇや」

 ▼ 170 1◆v1GnTfaqxg 17/08/23 11:58:39 ID:P0CJzuB6 [3/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ゲンガー「おいおい、どうしてだよ? 可愛いメスが欲しいって言ってなかったっけかぁ?」


ボーマンダは俯き、小さな声で語り出した……


ボーマンダ「お前はずっと俺の事を見てたからわかるだろ……? 俺は数年前、オノノクスってメスのポケモンとつき合ってたんだ……」


ゲンガー「あー……あの不細工なメスか……」


ボーマンダ「そうだな、あいつはお世辞にも可愛いとは言えなかった……けどよ……優しかった……」


ゲンガー「確かに、性格はまずまずってとこだったな」


ボーマンダ「でも、あの時の俺は不細工と一緒にいるってのが恥ずかしくては……オノノクスはなんにも悪くないのに別れよう……なんて言って逃げ出しちまった……」


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