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自分で言うのもなんだけど、私はポケモンに関しては天才らしい。
チャンピオンになるまでに一度も負けなかったし元チャンピオンのグリーンさんにだってほとんど苦戦することなく勝ってみせた。
なんとなく何をどうすれば勝ちに繋がるのかを理解していたから頑張って強くなろうと思う必要もない。世間には十数年もポケモンマスター目指して旅する人もいるらしいけど。
だから負けることが無くてお金に困らなかったので祈祷士や船乗りはコスプレでもしてるんだと思っていた。
当然努力しようとしたことも無いし逆にポケモンへの意欲も失せる日もあったり。
そんな私を負かせた人は山のてっぺんで独り、空を仰いでいた。なんとなく空が好きらしいことは分かる。
赤い帽子を深く被ったその人は何も言わずにポケモンを出してきて、あっさり私を倒した。初めて負けた後の記憶はあまり無くていつの間にかポケモンセンターのベッドに横たわっていたっけ。
貸し出し用に量産されたであろうペラペラな毛布にうずくまる私はこの時ようやく自分が負けたことに気が付いた。何故か涙が止まらなくて、けど抱いたことのない感情に動悸が収まらなかったってのは覚えてる。
そして今も。