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SS

エンニュート「食えないお方」

 ▼ 1 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:31:21 ID:1OAI4ucs [1/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とある山
エンニュートたちの住み処


ヤトウモリA「エンニュートさま〜!夕食の準備が出来ましたよ〜!」


エンニュート「……はあ」


ヤトウモリA「エンニュートさま?」


エンニュート「……食欲がないの。お前たちで食べな」


ヤトウモリA「そ、そんないけませんよ!ここ数日間、なにも食べていないじゃないですか!」


ヤトウモリA「部下たちやコックのモーリ・ヤットゥーも心配しています!どうか無理にでもお食事を……」


エンニュート「……ごめん」フルフル


ヤトウモリ「エンニュートさま……。失礼します……」スタスタ


エンニュート「……はあ」
 ▼ 4 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:34:39 ID:1OAI4ucs [2/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリA「はい。僕たちもエンニュートさまから教わりました」


ヤトウモリB「そういえば数日前もエンニュートさまは狩りを教えに……」


モーリさん「そうだ。数日前、エンニュートさまと若いヤトウモリ数匹、そして私で狩りに向かったんだ」


ヤトウモリB「モーリさんも同行したんですか?珍しいですね」


モーリさん「若いヤトウモリたちの中に、群れの料理担当になりたいとほざく輩がいてな。どんな大口叩きか見てやろうと同行した」


ヤトウモリA「そのヤトウモリって今は……」


モーリさん「見習いとして、まあ頑張っているんじゃないか?素直でいい子なだけで、腕はからっきしだがな」


ヤトウモリA(狩りに同行するぐらい、後輩が出来るのが嬉しかったのね……)


ヤトウモリB(言葉の節々に優しさが垣間見えてる……)
 ▼ 5 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:36:04 ID:1OAI4ucs [3/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モーリさん「おっと、話を戻そう。……若者たちのやる気もあってか、狩りも無事に成功して皆で談笑しながら帰っていたところだ」


エンニュート『……危ないっ!!』ドンッ


ドドドシャァァァ!!!


モーリさん『え、エンニュートさまあっ!』



モーリさん「……突然、落石が発生した。異変に気付いたエンニュートさまが、私と若者たちを突き飛ばしてくれたおかげで私たちは助かった。しかし……」


モーリさん「エンニュートさまが大岩の下敷きになってしまったんだ」


ヤトウモリA「うわ……」


ヤトウモリB「もしやその事故のせいでエンニュートさまは……」


モーリさん「いや恐らく違う。……話を続けてもいいか?」


2匹「……はい」
 ▼ 6 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:37:27 ID:1OAI4ucs [4/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モーリさん「エンニュートさまを助けるため、私と若者たちは大岩に腐食性の毒を吹き掛けていった」


エンニュート『馬鹿……どもが。はぁ……また落石が発生したら……どうするんだ……』


若ヤトウモリ『このままエンニュートさまを置いていけません!』


若ヤトウモリ『俺たちのリーダーは貴女しかいないんですよ!?』


若ヤトウモリ『必ず助けます!』


モーリさん『みんなその意気だ!頑張れぇ!!』


モーリさん「大岩は少しずつ溶けていく……だがエンニュートさまの体力も限界が近づいていた。このままでは間に合わない……その時だった」
 ▼ 7 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:38:56 ID:1OAI4ucs [5/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンニュート『はぁ……はぁ……うぐっ……』


若ヤトウモリ『エンニュートさま!目を閉じては駄目です!』


若ヤトウモリ『はやく溶けろよデカ岩がぁ!!』


若ヤトウモリ『頼む!間に合ってくれぇ!!』


モーリさん(このままではエンニュートさまは……!!)


ブゥゥゥゥゥン……


モーリさん「……羽音?何者だっ!?」


『……アンシンシテ。モウダイジョウブダカラ』ズダッ


モーリさん「お、お前は……」


『……ヌッ!』ゴッ


ドゴォォォォォォォ!!!



モーリさん「不気味な羽音とともに現れた巨大なポケモンは、パンチ1つで大岩を粉々にした。エンニュートさまを助けてくれたんだ」
 ▼ 8 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:41:27 ID:1OAI4ucs [6/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
2匹「す、すげえ〜……」


モーリさん「その後、エンニュートさまにオボンのみを与えてくれた巨大なポケモンは、私たちの前から立ち去ろうとした」


エンニュート『ま、待って!貴方の名前を教えて欲しい!』


『ナマエ?…………アブリー。サヨナラ』サムズアップ!


ブゥゥゥゥゥン……


エンニュート『ああっ……あの方は、アブリー……』


モーリさん「そうして巨大なポケモンは飛び去っていった。……エンニュートさまは惚れているんだ。アブリーと名乗った巨大なポケモンに」

ヤトウモリB「何てことを……」

ヤトウモリA「ほ、惚れている?……惚れるとは何ですか?」
 ▼ 9 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:43:16 ID:1OAI4ucs [7/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
モーリさん「ああ、Aは生まれてからずっとエンニュートさまの群れにいたから分からないのも無理はないか。Bは何となく知っているようだが」


ヤトウモリB「まあ多少は……モリーさん少し聞きたいことが」


モーリさん「何だ?」


ヤトウモリA「ぼ、僕も惚れるとは何のことか聞きたいです」


ヤトウモリ「あとで俺が教えてやるから少し黙ってろ。……モリーさんはどうして、エンニュートさまを助けたアブリーとかいう輩をポケモンだと断定したんですか?」


モーリさん「狩りの際に用いる毒ガスだ。当時、エンニュートさまと若者たちが出していた毒ガスは、むしタイプのポケモンのみが好む匂いだった」


モーリさん「恐らくアブリーも毒ガスの残り香に誘われたのだろう。私はそう睨んでいる」
 ▼ 10 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:44:33 ID:1OAI4ucs [8/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリB「なるほど。……むしタイプか……」


モーリさん「気付いたか?エンニュートさまの食欲が無くなってしまったその原因が何か……」


ヤトウモリB「……もうひとつ聞いてもいいですか?」


モーリさん「ああ」


ヤトウモリB「ここ最近の、エンニュートさまの食事の材料は何ですか?」


モーリさん「むしタイプだ。彼らの肉は栄養価が高く、体液は精力増大に素晴らしい効果がある。
……是非、エンニュートさまには残さず食べて貰いたいのだがな……」


ヤトウモリB「……お話ありがとうございました。A、行くぞ」
 ▼ 11 ーナノ@スピードボール 17/11/04 14:44:37 ID:y4vWw.cs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
絶対アブリーじゃねぇだろwww
 ▼ 12 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:45:27 ID:1OAI4ucs [9/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリA「んえっ?ど、どこに?」


ヤトウモリB「いいから来い。……モーリさん」


モーリさん「エンニュートさまには別のお食事を作る。後のことは上手くやるさ。……だから任せたぞ」


ヤトウモリB「……必ず」スタスタ


ヤトウモリA「ま、待ってくれよ〜!あ、モーリさんありがとうございました!」タッタッタッ


モーリさん(頼んだぞ2匹とも……)
 ▼ 13 ーブル@ヨロギのみ 17/11/04 14:45:56 ID:QmmKZGiI NGネーム登録 NGID登録 報告
あっ……ブーン
 ▼ 14 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:46:50 ID:1OAI4ucs [10/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンニュートたちの住み処から離れた場所


ヤトウモリA「ぼ、僕たちでアブリーを探すの!?」


ヤトウモリB「声がデカイんだよお前は。……むしタイプの奴らだけを片っ端から誘き出してお前はアブリーかと聞くだけ……簡単だろ?」


ヤトウモリA「そんなホイホイ教えてくれるのかな?」


ヤトウモリB「なに、食わねえから名前だけ教えろって脅せば簡単に吐くさ。違えばアブリーに関する情報を聞き出せばいい」


ヤトウモリA「で、でも何でそんなことを……」


ヤトウモリB「エンニュートさまはアブリーを心から慕ってる。むしタイプを食おうとするとき、アブリーの姿がちらつくんだろう……つまり」


ヤトウモリA「つ、つまり……?」
 ▼ 15 カマル@シャラサブレ 17/11/04 14:47:57 ID:V1pfX/ic NGネーム登録 NGID登録 報告
マッ〇ブーンか
 ▼ 16 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:48:16 ID:1OAI4ucs [11/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリB「エンニュートさまはむしタイプを食えなくなってしまった。……十分な栄養と精力が不足しているエンニュートさまが、このまま繁殖に望んだら……」


ヤトウモリA「望んだら……?」


ヤトウモリB「俺たちとの交尾に耐えきれず……最悪の場合、死ぬ」


ヤトウモリA「し、死ぬぅ!?……本当に?」


ヤトウモリB「本当に本当だ。いいか、A。俺たちにはな群れの未来がかかってんだ……腹をくくってやるしかねえ」


ヤトウモリA「……頑張る!……けど」


ヤトウモリB「何だよ?」


ヤトウモリA「アブリーとエンニュートさまを巡り会わせたとして、エンニュートさまの食欲は戻るのかな……」


ヤトウモリB「……分からない。だが、今はやるしかねえんだよ」
 ▼ 17 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:50:21 ID:1OAI4ucs [12/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうして僕たちは、アブリーの情報をかき集めた。


誘き寄せたむしタイプたちの大半は、そんなポケモンは知らないと言い、僕たちより強いむしタイプにはボコボコにされることもあった。


それでも僕たちは諦めない。
群れの繁栄のため、心酔するエンニュートさまのため、僕たちは毒ガスを出し続けた。


そして、1週間。ついに僕たちはアブリーの情報を掴むことが出来た。


教えてくれたのは、とてもキレイなむしタイプだった。


「仲間にアブリーと仲良しなヤツがいるわ」


ヤトウモリB「それは本当か!?是非とも紹介してくれ!」


ヤトウモリA「お願いしますっ!」


「……いいよ。でも貴方たちは不思議な子。ワタシの近くにいても平気だなんて……」


2匹「?」
 ▼ 18 バコイル@パークボール 17/11/04 14:51:27 ID:gTMWrO.Y NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 19 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:51:55 ID:1OAI4ucs [13/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「……ついてきて。多分、いまはアブリーたちと一緒にいると思うから……」


ヤトウモリA「あ、ちょ、ちょっと待っててもらえませんか!?」


ヤトウモリB「一緒に連れていきたい方がいるんだ!」


「……不思議で面白い子ね。……早くしなさいな」



エンニュートたちの住み処


エンニュート「はあ……」


大好物だったむしタイプ……。食べようとする度に貴方が思い起こされる。


私を押し潰していた岩を、パンチ1つで砕き助け出してくれた貴方の勇姿。


傷ついた私にオボンのみをくれた貴方の優しさ。


そして、アブリーという貴方の名前と立ち去る貴方のたくましい背中。


エンニュート(会いたい。今すぐにでも……)
 ▼ 20 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:53:09 ID:1OAI4ucs [14/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「エンニュートさまあぁ!!」


エンニュート「……AとB、そんなに慌てて何があったの?」


ヤトウモリA「交尾しましょう!!」


エンニュート「は?」


ヤトウモリB「はえーよバカ!……アブリーさんに会いにいきましょう」


エンニュート「……あの方に会えるの?」


ヤトウモリB「恐らく……いや必ず。絶対に!」


ヤトウモリA「さあ早く行きましょう!」


エンニュート「……ありがとう。2匹ともそんなにボロボロになるまで……」
 ▼ 21 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:54:32 ID:1OAI4ucs [15/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリB「いやそんな、俺たちは部下の役目を果たしただけですから」


ヤトウモリA「これで交尾出来ますね!」


ヤトウモリB「黙れ!お前が喋ると台無しなんだよ!」バシッ


ヤトウモリA「イデっ!だからって叩くことないじゃないか!!」


エンニュート「……ふっ。お前たち、さあ早く案内してくれないか?私からの命令だ」


2匹「よろこんで!」
 ▼ 22 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:56:14 ID:1OAI4ucs [16/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とある花畑


アブリボンC「……」ゴクリ


マッシブーン「……」ゴキュゴキュ……ボコン!


アブリボンA「右腕が大きくなったわ!」


アブリボンB「てことは……80点!すごいわC!腕をまた上げたのね!」


アブリボンC「やったわ!!妖精さんも美味しい?」


マッシブーン「……オイシイ」サムズアップ


アブリボンC「本当!?ありがとう妖精さん!」


アブリボンB「妖精さん次はアタイのお団子を食べて!」


アブリボンA「私もたくさん作ったの!食べて食べて〜!」


マッシブーン「コレハタイヘンダ……」アタマカキカキ
 ▼ 23 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:57:32 ID:1OAI4ucs [17/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブリー「いいなあお姉さんたちは……ボクも早くお団子を作って、妖精さんに食べさせてあげたい……」


アブリボン「アブリーもすぐに大きくなりますよ。だから今はしっかりお勉強しましょう?」


アブリー「べ、勉強は苦手なんだよね……」


アブリボン「あら、妖精さんは言ってましたよ?頑張らない子は嫌いだって……」


アブリー「うぅ〜……やるよ、やりますよ!」


アブリボン「うふふ、いい子ね。……あら、フェローチェさん。いらっしゃいな」


フェローチェ「……元気してた?……アブリーに会いたいってポケモンを連れてきた……」
 ▼ 24 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 14:58:35 ID:1OAI4ucs [18/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブリー「ボ、ボク?何で?」


アブリボン「それって後ろの方たちのこと?」


フェローチェ「……そうよ。とっても面白い子たちなの……あら2匹とも大丈夫?」


ヤトウモリA「はぁ……はぁ……は、速すぎぃ……」ゼェゼェ


ヤトウモリB「も、もう走れない……ヴォエ……」ゼェゼェ


アブリー「ひっ……や、ヤトウモリ!」


アブリボン「それにエンニュートさんまでいらっしゃるなんて。……アブリーに何かご用?」
 ▼ 25 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:00:13 ID:1OAI4ucs [19/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンニュート「……」ボウゼン


アブリボン「……エンニュートさん?」


フェローチェ「……マッシブーンのほうをじっと見てる。……気になるの?」


ヤトウモリA「ま、マッシブーン?
花畑の中心でポケモンたちと遊んでいるデカイやつが?」


ヤトウモリB「ちょっと待ってくれ。
モーリさんの話通りなら、あいつがアブリーの筈だ。
エンニュートさまもあいつに釘付けになっているし……」


アブリボン「あら?アブリーは私の後ろにいますよ?」


アブリー「うう……」ビクビク
 ▼ 26 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:01:43 ID:1OAI4ucs [20/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリA「……ど、どうなってるの?」


ヤトウモリB「俺が聞きてえよ……」


エンニュート「……うぅ」ポロポロ


ヤトウモリA「え、エンニュートさま!?何で泣いてるんですか〜!?」アセアセ


ヤトウモリB「意中の方とお会いして感情が爆発してしまったんだ!
エンニュートさま、お腹が空いたのであれば何か獲ってきます!走り疲れたのであれば俺は椅子になります!」アセアセ


ヤトウモリA「僕も何でもしますから!どうか泣き止んでください〜!」アセアセ


エンニュート「う……うぅ……」ポロポロ


2匹「ひえ〜!!」アセアセ
 ▼ 27 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:03:16 ID:1OAI4ucs [21/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブリボン「あらあら大変……」


フェローチェ「……ね?面白いでしょう」


アブリボン「いいえ全く。アブリー、飲み物と花粉団子をあるだけ持ってきて。フェローチェさんは私と準備よ」


アブリー「は、は〜い!」


フェローチェ「……ワタシも?」


アブリボン「勿論。二言目は聞きませんよ?」ニッコリ


フェローチェ「……はあい」



数十分後



ヤトウモリA「旨い!この花粉団子サイコー!」モグモグ


ヤトウモリB「そういやロクなもん食ってなかったもんな!助かったよアブリー!」モグモグ


アブリー「えへへ、喜んでくれて良かったです。まだまだあるので沢山食べてくださいね!」


フェローチェ「……ウマウマ」モグモグ
 ▼ 28 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:05:05 ID:1OAI4ucs [22/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その頃、ヤトウモリたちから少し離れた場所では……


エンニュート「……」


アブリボン「そんなことがあったんですか。……もう、妖精さんたら何てドジなんでしょう」


エンニュート「……まさか、自分の知っている名前を教えてくれるとは思わなかった。アブリーに怖い思いをさせてしまったな。申し訳ない……」


アブリボン「あの子もヤトウモリさんたちと仲良くなってますし、すぐに忘れてしまいますよ。ところで、妖精さんとはお話しなくてもいいんですか?」


エンニュート「えーとな……ところで!マッシブーンさんと貴女たちは随分と仲がいいな。どういう関係なんだ?」
 ▼ 29 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:06:39 ID:1OAI4ucs [23/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブリボン「ふむ……妖精さんは私の祖母がまだ小さかったころ、この花畑にやってきたんです」


アブリボン「当時の妖精さんはひんし寸前の状態だったらしく、あの風貌ですから祖先たちも怖がって近付きませんでした」


アブリボン「そんな妖精さんを助けたのが私の祖母なんです。いまエンニュートさんたちが食べている花粉団子で」


エンニュート「これで……」


アブリボン「この団子、美味しいだけじゃなくて傷や病気にも効果があるんです。祖母は安心して、もう大丈夫と妖精さんを手厚く看病して……」


アブリボン「いつしか祖先たち皆で看病していたそうです。そして妖精さんの傷もだいぶ癒えてきたころ……この花畑に嵐が訪れました」
 ▼ 30 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:08:02 ID:1OAI4ucs [24/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブリボン「私たちは羽が濡れてしまうと上手く飛べなくなってしまうんです。この花畑も雨風を遮るものが何もないので、祖先たちが地面に這いつくばって死を覚悟した……その時でした」


アブリボン『よ、妖精さん……?い、いけません!まだ傷が癒えていないのに……』


マッシブーン『……アンシンシテ。モウダイジョウブダカラ!』ゴキュゴキュゴキュゴキュ


ボコボボコボコボボコボボコボコ……


アブリボン『よ、妖精さんの体が……大きくなっていく……』


アブリボン「妖精さんは食べたもののエネルギーで体を膨らませることが出来るんです。ほら、あんな感じに」


マッシブーン「……」ゴキュゴキュ……ボコン!


アブリボンC「今度は肩!スゴイ!また高得点よ!!」
 ▼ 31 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:09:46 ID:1OAI4ucs [25/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブリボン「花粉団子をあるだけ食べた妖精さんはとても大きくて、でも私たちを優しく抱き締めてくれた……祖母が言っていました」


エンニュート「マッシブーンさんのおかげで、花畑や貴女たちの祖先は生き残れたのか……まるで救世主だなあの方は……」


アブリボン「うふふ、今ではああやって花粉団子を食べに来るお客様になりましたけどね。アブリボンたちの遊び相手にもなってくれますし」


エンニュート「ふふっ、食べる……か。そうだね……よしっ」


アブリボン「あら、もうお帰りになるのですか?マッシブーンさんともお話を……」
 ▼ 32 ンブオー@ダートじてんしゃ 17/11/04 15:15:31 ID:1OAI4ucs [26/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
エンニュート「所詮、私とあの方は食うか食われるかだ。……住む世界が違う、どうしようもない運命さ。それにね……」


エンニュート「あの方と同じように、私を必要としてくれる奴らが待ってるからね。……色々ありがとう」


アブリボン「いいんですよ。私もお話しできて楽しかったもの」


エンニュート「そうか……お願いがあるんだが」


アブリボン「なんなりと」
 ▼ 33 チュール@つきのふえ 17/11/04 15:16:46 ID:1OAI4ucs [27/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして夕方
エンニュートたちの住み処付近


エンニュート「えらく世話になった。本当にありがとう」


2匹「ありがとうございました!」


フェローチェ「……いいの。……エンニュートだったかしら?」


エンニュート「うん?」


フェローチェ「……失っちゃダメよ?こんなにキレイなもの。……じゃあね」ヒュッ


ヤトウモリA「……き、消えた?」


ヤトウモリB「全く見えなかったな……」


エンニュート(言われずとも……失うものか)


エンニュート「さあ、2匹とも狩りに出掛けるよ。今日は騒ぎたい気分なんだ」


ヤトウモリA「い、今からですかあ〜!?」


ヤトウモリB「さ、流石に休みたいな〜なんて……」


エンニュート「私の命令だ。つべこべ言わずに来いホイ!」ダッ


ヤトウモリB「……分かりました!どこまでもついていきますとも!」ダッ


ヤトウモリA「ま、待ってください!置いていかないで〜!!」タッタッタッ
 ▼ 34 イル@ノーマルジュエル 17/11/04 15:18:17 ID:1OAI4ucs [28/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そして数日後……


ヤトウモリA「最近のエンニュートさま……セクシーだよね〜!エロいよね〜!」


ヤトウモリB「あのなお前……同感だ。同胞たちも絶賛していたよ。締まるところが締まったボディは見ているだけでよだれが出ると……」


モーリさん「よう。相変わらずだな」


ヤトウモリB「モーリさん、エンニュートさまの食欲は……聞くまでもないか」


モーリさん「おうともよ。毎日、むしタイプと花粉団子だっけか?ガツガツ食ってるよ」
 ▼ 35 バット@ウルトラボール 17/11/04 15:20:03 ID:1OAI4ucs [29/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリB「花粉団子?」


ヤトウモリA「アブリボンさんに貰ったのかな?」


モーリさん「その花粉団子、実は例の見習いが作ってるんだよ。おーい、見習い!」


見習い「こんにちは!いつも狩りの方をお疲れ様です!」


ヤトウモリB「へえ、君が見習いくんか」


ヤトウモリA「花粉団子を作っているんだってね?」
 ▼ 36 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:21:43 ID:1OAI4ucs [30/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
見習い「はい!エンニュートさまの精力増強の手助けになればと思いまして」


モーリさん「エンニュートさまがいつにも増してキレイなのはコイツの手柄って訳だ!
まだまだアチャモっ子の割に頑張っているし、教えたことはどんどん吸収するからな。私も鼻が高いのだ」


見習い「料理長!やめてくださいよ恥ずかしい……」


ヤトウモリA(べた褒めしてる)


ヤトウモリB(やっぱり可愛い後輩が出来て嬉しいんだなあ)


モーリさん「っと、そろそろ夕食の準備だ。私たちもお互いに頑張ろうな!行くぞ見習い!」タッタッタッ


見習い「はいっ!では失礼します!」タッタッタッ
 ▼ 37 ラエッテ@カロスエンブレム 17/11/04 15:27:20 ID:NV9YQWjs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 38 北沢◆duvPb9P/Xk 17/11/04 15:31:40 ID:1OAI4ucs [31/31] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヤトウモリB「活気づいてきたな」


ヤトウモリA「何たって繁殖期だからね。僕らも頑張らないとだよ〜!」


ヤトウモリB「忙しくなるぜ……」



あの日、貴方とお会いしなかったのは私の想いを振り切るため。


例え貴方が命の恩人であったとしても、私の匂いにまんまと誘き寄せられてしまったら……


容赦はしない。餌となって貰おうか。


エンニュート「さあ、子孫のために愛し合おうじゃないか……」ジュル


〜fin〜
 ▼ 39 ガガルーラ@しろいハーブ 17/11/04 15:33:13 ID:Y554Bt9. NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 40 リンク@キーのみ 17/11/04 16:05:48 ID:S8HSnTeU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
感動した
 ▼ 41 ャオブー@トロピカルメール 17/11/04 21:49:52 ID:F373N.ek NGネーム登録 NGID登録 報告
おつ
 ▼ 42 ザードン@ぎんのはっぱ 17/11/04 22:32:51 ID:bs.BzLSE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
 ▼ 43 レキブル@ふしぎのプレート 17/11/05 02:02:16 ID:qwe4RgDU NGネーム登録 NGID登録 報告
面白かった。乙
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