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【SS】から紅の九尾狐

 ▼ 1 イガニ@ドラゴンメモリ 18/12/06 19:12:00 ID:fbycdTto [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
澄んだ空気が身を清めるように包み込む秋の古都──エンジュシティ
スズの塔の関所を通り抜けて、大きな塔のある“スズねのこみち”へと向かう。
隅の方には最近設置されたであろう真新しいベンチがある。
コトネはそっと腰を下ろして買ったばかりの熱いココアの缶の蓋を開けた

「きれい…」

はらり落ちる紅葉に感嘆のため息を漏らしてココアを1口飲む。あつ、と舌を軽く火傷してしまったようだ

「温くしてから飲むんだった…」
冷めないうちに飲もうと思い取った軽率な行動に後悔の念を覚える。
すると、何処からか歌が聞こえた。
 ▼ 2 イプ:ヌル@あついいわ 18/12/06 19:23:00 ID:fbycdTto [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
から紅の紅葉達さえ


熱い思いを告げては


ゆらり揺れて歌っています…



聞きなれたこの声は…声の主は彼女の存在に気がついたのか彼女の名前を確認するかのように問う。

???「コトネちゃん?」

紫色のマフラーを首に巻いたよく聞いた声に見知った姿正しくそれは──

「マツバさん!」


マツバ「コトネ、久しぶり。いつみてもここは綺麗だね」

「はい!もみじもイチョウの葉も綺麗です!」

マツバ「隣、いいかい?」

コトネの隣にマツバが座ると秋の昼下がり、2人は他愛もない談笑で盛り上がる。

幼なじみのヒビキのこと、そして今は何をしているか、などを。
マツバ「ヒビキくんは変わらないようだね」

「はい、相変わらず先輩達とバトルを楽しんでいますよ」

コトネはマツバに語るマツバが話を聞いてくれるお陰か楽しくなり自分ばかり盛り上がっていたことに気がついてハッとした表情を浮かべる。
 ▼ 3 ミラミ@ドクZ 18/12/06 19:28:20 ID:UcsUD9/w NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
から紅……
コナンの映画か
 ▼ 4 ガバクーダ@ふしぎなおきもの 18/12/06 19:29:07 ID:SfrsM1qw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
カラナクシと読んだ俺にめざましビンタしてくれ…
 ▼ 5 ートロトム@きいろいかけら 18/12/07 10:30:49 ID:ycTAcnl6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 6 イノーズ@サファリボール 18/12/08 18:42:36 ID:r2IwiTLI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ごめんなさい、あたしばかり話しすぎちゃって…」

マツバ「いいんだよ、そうやって話すことを楽しめるのはいい事さ」

隣にいるマツバは優しく微笑む。

「ありがとうございます…あ、ところでマツバさんはどうなんですか?」

マツバ「僕はここで四季の移ろい、人間を観察しているよ楽しんでいるよ、ああ、あとは…」

そう言うとマツバは胸ポケットを探るような仕草で五芒星の描かれた栞をコトネに手渡す。

マツバ「これを君に渡すために待っていたんだよ」

「そんな!用があるなら呼んでくれれば…」

マツバ「そういう訳にはいかないよ、君だって人間だし都合もあるでしょ」

「確かにそうですけどもしあたしがここに来なかったら…」

マツバ「いや、君はきっとここに来るって確信してたんだ」

「それってどういうこと……きゃっ!?」

一陣の旋風。地に落ちた紅葉と銀杏の葉を竜巻のように巻き上げマツバを覆い隠す。コトネは舞い上がる塵が目に入らぬよう右腕で覆い隠す。





──────刹那の出来事であった。
 ▼ 7 ークライ@みどりのプレート 18/12/09 23:01:29 ID:FRbg/icQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼はもうそこにいなかった。



するとそこへ…



マツバ「コトネちゃん!」
なんとそこには先程消えたはずのマツバがいたのだ。コトネはその事実に驚きを隠せなかった。が…
彼が自分に一泡吹かすために考え抜いたイタズラだとコトネは思い…

マツバさん!手品の練習をするなら先に言ってくださいよ


マツバ「…手品?なんの事?」


だってさっきまでここにいて突然消えたんですよあれは手品じゃなかったんですか?

マツバ「──僕はずっとジムにいて、そしたら塔の方から歌と風の音が聞こえたから…」


嘘…じゃあ、あれは一体…?

コトネが先程まで話していたマツバという人物は姿形がそっくりな“別の何者か”だということをこの時理解したのだ
 ▼ 8 トライク@ネクロプラスソル 18/12/10 21:31:25 ID:zALIBTRM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マツバ曰く、エンジュシティは数千年前から“不思議なもの”との関わりがあったと言う。

人間を助けるもの
人間に仇なすもの


それぞれの“不思議なもの”が人間と共存していた。

そして、不思議な能力を持つポケモンがいることも彼は教えてくれた。
 ▼ 9 ツボット@ドリームボール 18/12/12 23:57:04 ID:BWycrhmk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
人間を揶揄うつもりで化けたキュウコンが人間と夫婦になった話し

千年前から伝わる昔話を教えてくれた。

マツバ「もしかしたら君は“不思議なもの”にあったのかもしれないね。昔はキュウコンも“不思議なもの”と呼ばれていたポケモンの1種なんだ」

マツバ「……僕の家はそういうのを見分けることが出来たし意思疎通も出来たみたい。けれど迂闊だったよ。僕に化けるなんて予想していなかったから」
 ▼ 10 ガボスゴドラ@カイスのみ 18/12/14 12:57:33 ID:Ns0wicsQ NGネーム登録 NGID登録 報告
コトネ「マツバさんに化けてたって…じゃあ、あの人は…」

???「コトネ!」

遠方からコトネの名を呼ぶ声が聞こえる。

「ヒビキくん!」
自転車を漕ぐ音を響かせ、コトネとマツバの近くに足を止める。
 ▼ 11 ガデンリュウ@クロスメール 18/12/15 22:34:34 ID:D39spQHI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヒビキ「コトネ!ここにいたのか、今日はうちとコトネの家で一緒に鍋やるから早く帰るぞ」

「やった!最近寒いから鍋食べたいって思ってたんだ」

鍋、という言葉にコトネは浮き足立つ。

「じゃあ、そろそろ帰ります!さよならマツバさん!」

コトネはマツバに手を振ると駐輪場に止めた自転車に乗りヒビキの後ろから漕いでいく。
 ▼ 12 スカーン@きあいのハチマキ 18/12/17 04:02:08 ID:PiN.DiUE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 13 ズレイド@ミストシード 18/12/17 20:41:10 ID:tne.CZ3M [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マツバ「じゃあね2人とも」
途中までコトネとヒビキを見送ると僅かな風の流れがした方──夕焼けに染まる37番道路の叢に視線を向けて質問をする。


マツバ「君なのかい?僕の姿を騙ったのは」


 ▼ 14 リル@スターのみ 18/12/17 20:41:44 ID:tne.CZ3M [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告












???「さぁ、なんのことで御座いましょう?」













 ▼ 15 タフリー@とつげきチョッキ 18/12/18 18:31:17 ID:jF7.wRG6 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


マツバ「………ねぇ、キュウコン」










キュウコン「…慧眼恐れ入ります」
叢の中から姿を現したのはキュウコンであった。
 ▼ 16 ドシシ@イアのみ 18/12/18 22:15:16 ID:vXg.VuyQ NGネーム登録 NGID登録 報告
>>15
マツブサ…?
本当にそうなら草
 ▼ 17 ロバット@ポフィンケース 18/12/18 22:46:31 ID:jF7.wRG6 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>16
タイプミスだ…
「マツバ」です
 ▼ 18 コロモリ@こだいのおうかん 18/12/20 18:15:14 ID:fBcE8llk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マツバ「エンジュには不思議な昔話が存在するとは祖父から言い聞かされては来たけどまさか君が僕の姿を騙るとは思っていなかったよ…それで目的は?」

キュウコン「あの、おなごはきっと覚えてはおらぬがわっちはあの子に助けてもらった恩があるんじゃ。つまりは恩返しじゃ」
 ▼ 19 ントラー@ねっこのカセキ 18/12/22 17:00:21 ID:R.pw4wA. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュウコンが幼き日の昔話─
エンジュシティ。1匹のロコンが叢の隅の方に痛めた足を庇い縮こまっていた。罠に引っかかり無理矢理抜け出したきた為足に軽い怪我をしてしまったのだ

ロコン「いたくて、うごけない…」


するとそこに…

幼コトネ「たいへん!けがしてる!」

幼い女の子は傷ついたロコンを抱き抱え両親の元へと向かう

幼コトネ「この子ね、けがしてるの!」

両親「大変!早く治療しないと…」

両親と共にポケモンセンターへ駆け込み速やかに適切な治療がされたおかげで大事には至らなかった。

幼コトネ「じゃあネ、ロコンちゃん!気をつけて」

ロコンをそっと離すと、ロコンはコトネにお礼をするように頭を下げて叢へと消えていった
 ▼ 20 イル@まんたんのくすり 18/12/25 18:58:31 ID:/MqQuHUk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マツバ「なるほどね」

彼女の昔話を聞き終えて1つ、納得したように頷いた。

キュウコン「幼い頃のわっちにはあの幼子の優しさが身に染みたので御座いまする」

キュウコンにとっては刹那ではあるがその出来事は人間の優しさを鮮烈に感じ取れる出来事であったようだ。
 ▼ 21 ュカイン@ディフェンダー 18/12/27 18:39:30 ID:jK0U3dq6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュウコン「それにしても何故、わっちがあんさんに変化したのがわかったので御座いましょう?」

マツバ「それはね…これだよ」

マツバはキュウコンの頭に乗った一葉の紅葉を手に取った。

マツバ「あそこは紅葉がよく舞っているからねたまにくっつけたまま帰る人たちがいるんだよ」
 ▼ 22 ンドロス@みどりのはなびら 18/12/30 18:40:05 ID:AsjcJ4Wo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キュウコン「盲点で御座いました…わっちはあんさんの姿を騙りました。どのような処罰を受けるので御座いましょう?」

マツバ「今回は悪さをしてないようだから見逃してあげるけど…今度は僕に化けたりせず素で会ってみたら?」

キュウコン「信じてくれるでしょうか…?」

マツバ「きっと大丈夫」
彼は彼女の頭をひとなでするとじゃあね、と手をひらひらと振ってジムの方向へ歩を進めた。
 ▼ 23 レユータン@ポケモンのふえ 18/12/30 18:41:51 ID:AsjcJ4Wo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今度は本当の姿で会いに行こう。


そして彼女にもう一度お礼を言おう。


…きっとまた会える。


キュウコンは夕暮れに誓を立てた。

──完───
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