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【お仕事SS】街の外れのケーキ屋さん

 ▼ 1 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/02 19:34:09 ID:MqCoQW8Q [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここは、ポケモンたちが暮らす街。

その外れにある、とあるケーキ屋さんでは、様々なポケモンの店員さんが働いています。


ペロリーム「アママイコ、こっちよろしく!」

アママイコ「はーい!」


このペロリームはこのお店の店長さんです。

ペロリームの鼻はとても優れていて、わずかな匂いでも嗅ぎ分けることができます。

その鼻のおかげで、このお店のたくさんのスイーツは作られてきました。


たくさん働いているポケモンたちの中には、一匹、見習いさんがいます。


マホミル「…………」


マホミルです。
 ▼ 2 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/02 19:34:35 ID:MqCoQW8Q [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホミルは、最近このお店に来たポケモンです。

まだ身体が小さいので、他のポケモンたちが働いているのを眺めているのです。


マホミルは、早く進化してこのお店で働くことを夢見ていました。

そして。


ペロリーム「お待たせいたしました、フルーツミックスケーキです!」


店長さんのペロリームに、とても憧れていました。
 ▼ 3 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/02 19:34:59 ID:MqCoQW8Q [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホミルが進化したマホイップは、クリームを出すことのできるポケモンです。

そして、マホイップには様々な姿があります。

その中でもマホミルは、甘いクリームを出すことのできる、ミルキィバニラになりたいようです。

甘いクリームを出すことができたら、お店の役にも立てるでしょう。

そして何より。


マホミル(立派なマホイップになって、ペロリームさんに認められたい……!)


憧れているペロリームに認められたかったのです。

だから、マホミルは早くマホイップに進化したいと思っているのでした。
 ▼ 4 イレーツ@ひかりごけ 20/08/02 19:48:07 ID:H/KkjIzM NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
支援
 ▼ 5 フレシア@こだいのせきぞう 20/08/02 23:06:32 ID:mRecIBW6 NGネーム登録 NGID登録 報告
絵とはこれまた豪華な
 ▼ 6 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/03 20:16:00 ID:6Sfw6.JU [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
今日も、マホミルは憧れのペロリームを眺めています。

視線に気がついたのか、ペロリームがちらりとこっちを見ました。

そして、こちらに向かってきます。


ペロリーム「マホミル、どうしたの?」

マホミル「な、なんでもないですっ……!」


ずっと見ていたことがバレたくなかったマホミルはこう返しました。


ペロリーム「どう? このケーキ屋さんに来て」

マホミル「みなさん凄いです! 私も早くここで働きたいって思ってます……!」

ペロリーム「おぉ〜! そうかそうかぁ!」


にこにこしながらペロリームは言いました。
 ▼ 7 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/03 20:16:22 ID:6Sfw6.JU [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペロリーム「マホミル、ちょっといいかな」

マホミル「はい、なんでしょう?」


時は経ち、営業時間終了後、ペロリームはマホミルの元に来てこう持ちかけます。


ペロリーム「実はね、このお店に看板商品を作りたいと思っていて」

マホミル「看板商品……?」

ペロリーム「うん、他のお店にはないような、インパクトのある看板商品が欲しいんだ」

マホミル「なるほど……」

ペロリーム「それでさ、マホミルもちょっと考えてみてくれないかなぁって」

マホミル「…………!」


看板商品を考えること。

それは身体が小さいマホミルでもできることでした。


ペロリーム「昼に、早く働きたいって言ってたからさ。マホミルにもこれならできるんじゃないかって思って」

マホミル「はい……! 精一杯考えてみます!」

ペロリーム「ありがとう! 助かるよ!」


マホミルは、憧れのペロリームに頼ってもらえたことが嬉しいようです。

ペロリームに向かって、元気よく返事をしました。
 ▼ 8 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/03 20:16:41 ID:6Sfw6.JU [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ということで、何か看板商品のテーマの手がかりになるものはないかと、マホミルは街のお店を見て回ることにしました。

街も日が暮れ、もう夜になっていました。

その中でアクセサリーショップを見つけたマホミルは、何かいいものがないかとそのお店に入ります。


様々なアクセサリーが並ぶ中、マホミルはある物に目を留めます。

それは、紫色のリボンでした。


マホミル「わぁっ、かわいい!」


マホミルは、思わずそのリボンを手に取ります。

そして、それを身につけて、鏡の前でくるりくるりと回転しました。

すると……。

なんと、突然マホミルの身体が光り出したのです。


マホミル「えぇっ!?」


そう。

なんと、そのリボンはただのリボンではなくリボンアメざいくだったのです……!
 ▼ 9 ノクラゲ@6ごうしつのカギ 20/08/03 21:05:26 ID:rXUAIC/A NGネーム登録 NGID登録 報告
ぴかちうさんの文かわいいすき
 ▼ 10 ォーグル@ポイントアップ 20/08/03 22:05:11 ID:.0tcAdIQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 11 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/04 20:08:49 ID:8u4U.DUQ [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホイップ「…………」


気がついたら、マホミルはマホイップへと進化していました。

念願のマホイップに偶然なってしまったマホミル。

偶然とはいえ、ずっと進化をしたかったマホミルにとっては嬉しいことのはずです。

ですが。


マホイップ「あ……」


マホイップの顔は、青ざめていました。

一体、どうしてでしょう……?
 ▼ 12 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/04 20:09:13 ID:8u4U.DUQ [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホイップ「ど、どうしよう……ミルキィソルトになっちゃった……」


そう。

マホミルがなってしまったのは、なりたかったミルキィバニラではなく、よりにもよってしょっぱいクリームしか出せない、ミルキィソルトでした。


本当は、マホミルはもっと慎重に進化する予定でした。

というのも、マホイップへの進化方法は特定のアメざいくを持ってくるくる回るというもの。

しかし、その条件が絶妙で、くるくる回る加減や時間帯次第でフレーバーが変わってくるのです。
 ▼ 13 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/04 20:09:34 ID:8u4U.DUQ [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
フレフワン「どうしましたか、お客様?」

マホイップ「り、リボンの中にアメざいくが混じってて……」

フレフワン「アメざいくは当店では扱っていないですね……おそらく違うお店から紛れ込んだものでしょう」

マホイップ「そうですか……」


お店のものではないので代金はいらない、と言われ、マホイップはお店から出ていきます。

その顔には絶望の色が浮かんでいました。

これじゃあ、スイーツに活かせない……!

しゅん、とうなだれながら、マホイップはお店へと帰ります。
 ▼ 14 ジキング◆0pp51GOg6o 20/08/04 23:55:37 ID:TSWkipyY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 15 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/05 21:23:59 ID:/.aggBeo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホイップはお店のドアを開けて、入ります。

それに出迎えてくれたのはペロリームでした。


ペロリーム「ま、マホイップ……! もしかしなくても、進化したの?」


暗い表情のまま、マホイップは頷きます。


ペロリーム「……どうしたの? せっかく進化できたのに暗い顔して」


ペロリームの顔を見た瞬間、マホイップの目には涙が溢れてきました。


マホイップ「う、うわぁぁぁぁぁん……」

ペロリーム「ちょっ、どうしたの……!?」
 ▼ 16 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/05 21:24:14 ID:/.aggBeo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペロリームは、なにか訳があるのだろうと、奥の部屋に通して話を聞いてみることにしました。


ペロリーム「一体、どうしたの……?」


ペロリームに尋ねられ、ひっくひっくと泣きながらもマホイップは話します。


マホイップ「み、ミルキィソルトになっちゃったぁ……」


なるほど、とペロリームは察します。

そして、少し考えてから、ペロリームはマホイップに提案をしました。


ペロリーム「ねぇ、クリーム出してみてくれないかな?」

マホイップ「えっ……」


マホイップは驚きます。

しょっぱいクリームしか出せないのに……。
 ▼ 17 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/05 21:24:30 ID:/.aggBeo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
それでも、いいからいいから、とペロリームは言います。

しぶしぶ、マホイップはクリームを出すことにしました。


マホイップ「はい……」


そのクリームを、ペロリームはぺろり、ひと舐めします。

すると……。


ペロリーム「うん、美味しい! ただしょっぱいだけじゃなくて、その中にミルキィな味わいもあって……!」

マホイップ「えっ……!」


マホイップは目を見開きます。

鼻が優れているペロリームにそう言ってもらえて、とても驚き、喜びを感じているのです。

そして、ペロリームは言いました。


ペロリーム「これ、いけるよ! いける!」

マホイップ「いけるって……?」

ペロリーム「看板商品!!」

マホイップ「あっ……!!」


確かに、しょっぱいクリームを使ったスイーツなんて、見たことがありません。

それを上手く使えば、このお店の看板商品になる! とペロリームは考えたのです。
 ▼ 18 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/06 20:20:34 ID:X9VgMRPM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そこからは、試行錯誤の毎日でした。

マホイップのクリームに合ったスポンジ、トッピング……などなどを色々と厳選しました。


ペロリーム「うーん、ここはもうちょっとこうした方がいいかなぁ……」


そして、毎度毎度ペロリームの優れた鼻で味を確認します。


マホイップ「とぉっ!」


マホイップもクリームをたくさん出したりで大忙しでした。

そして、ついに……!
 ▼ 19 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/06 20:20:49 ID:X9VgMRPM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ペロリーム「うん、見た目も香りも、そして味も最高!!」

マホイップ「わぁっ……!」


この店の看板商品となる、『ミルキィソルトケーキ』が誕生しました!


ペロリーム「やったね、マホイップ!」

マホイップ「はい……!」


マホイップは本当に嬉しそうです。


ペロリーム「よし、じゃあ早速販売しよう!」

マホイップ「やったぁっ……!!」
 ▼ 20 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/06 20:21:05 ID:X9VgMRPM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
こうしてミルキィソルトケーキは売り出されました。

すると……。


キルリア「何このケーキ! とっても美味しい!」

テブリム「しょっぱいのに甘い……不思議な感じ……!」


今までになかった珍しい味が評判となり、瞬く間に街のポケモンたちに広まりました。

そして……。

ずらっとケーキ屋さんに行列が並ぶほどの人気商品となりました!


ペロリーム「大成功だね!」

マホイップ「本当に……!」


マホイップは、役に立たないと思っていたしょっぱいクリームが、みんなに美味しいと食べてもらえて、とっても幸せな気持ちになりました。
 ▼ 21 プ・ブルル@けいけんアメM 20/08/06 20:22:36 ID:fDl6jZGQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 22 リッパー@ポイントカード 20/08/06 23:36:13 ID:vpO20JgQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 23 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/07 19:46:39 ID:ISE22Lkg [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とある日のケーキ屋さんの営業時間終了後、マホイップはペロリームに声をかけます。


マホイップ「ペロリームさん!」

ペロリーム「マホイップ。どうしたの?」

マホイップ「本当にありがとうございました!」

ペロリーム「ちょちょ、どうしたの!? 辞めちゃうの!?」

マホイップ「いえいえとんでもない! 日頃の感謝を伝えたかったんです!」

ペロリーム「よ、よかったぁ……マホイップがいないとあのケーキは成り立たないから……」


マホイップは、ペロリームに対して想っている気持ちを伝えることにしました。
 ▼ 24 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/07 19:46:59 ID:ISE22Lkg [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホイップ「私、ペロリームさんがずっと憧れで。私が空腹だったのを助けてもらった時からあなたに憧れてて……!」

ペロリーム「…………!」


マホイップ、もといマホミルがお腹を空かせていた時、ケーキを差し出してくれたのがペロリームだったのです。

そのケーキを食べて、マホミルは衝撃を受けました。

こんな美味しいケーキ食べたことない、と。

そうして、マホミルはこのケーキ屋さんで働くことに、ペロリームに憧れ始めたのです。
 ▼ 25 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/07 19:48:06 ID:ISE22Lkg [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホイップ「今、私のクリームのおかげでお店が繁盛しているのが、とってもとっても嬉しいんです!」


満面の笑みでマホイップが言います。


マホイップ「誰かの役に立てるってこんなに嬉しい事だったなんて……」


マホイップがペロリームに向き合って、言います。


マホイップ「ペロリームさん、本当にありがとうございます!」

ペロリーム「こちらこそ! 本当にありがとね、マホイップ」

マホイップ「はい! これからもよろしくお願いします……!!」


こうして、街外れのケーキ屋さんはマホイップのクリームによって有名なお店になったそうです。

そして、マホイップは憧れのペロリームに認められ、毎日幸せにお仕事をするのでしたとさ。





おしまい
 ▼ 26 かちう◆Xq21k6pIJA 20/08/07 19:48:23 ID:ISE22Lkg [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これにて完結です。
このSSはこちらの企画
(https://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=1256846)
に参加しています。
 ▼ 27 ザリガー@ポイズンメモリ 20/08/07 23:01:33 ID:t2FUcDkY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です!!
面白かった!!!
 ▼ 28 ジキング◆0pp51GOg6o 20/08/08 00:09:22 ID:7VaINwaU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マホイップイラストも行動もかわいい
 ▼ 29 ダツボミ@スペシャルガード 20/08/08 00:11:01 ID:ELPIf12k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙です!
 ▼ 30 ラカラ@じめんのジュエル 20/08/30 21:48:26 ID:wigQW5/o NGネーム登録 NGID登録 報告
2位おめでとう!
 ▼ 31 ニゴーリ@わすれもの 20/08/30 21:52:44 ID:4hPYjalg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ぴかちうさん2位おめでとうございます!
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https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=1261690
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