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【スワップSS】右手から10まんボルトが出る男の話

 ▼ 1 l9DL6WM00c 23/04/19 02:08:08 ID:7RqsjMMo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
対戦相手「バンギラス!かみくだく!」

少年「ピカチュウ!10まんボルト!!」

ピカチュウ「ピカァ……ピカ?」

少年「……え?」バチバチ

少年「なんか、お、俺の右手から……でんげきが!?」ビリビリ

少年「うおおおおおおお!!これが俺のッ、10まんボルトだ!!!!」ババババ

ピカチュウ「ビガー」ビリビリ

少年「よーし、特性ひらいしんで特攻アッブだ!!そのまま10ま」

審判「ピピーッ!反則です」


ㅤこうして、俺は公式戦の参加資格を剥奪された──。


「いっけープリン!ころがる!」

「まけるなジガルデ!グランドフォース!」

青年「……はは、ガキどもは元気が良くて羨ましいなあ……」


ㅤあれから数年。
ㅤ幼くしてチャンピオンになるという夢を失った少年は、その喪失感からやさぐれてしまった。
ㅤ今は学校もまともに通わずに、昼間から近所の公園のブランコに腰掛け、ただゆらゆらと時間を浪費している。


青年「俺らにもあんな頃があったんだよなあ……眩しくて見てらんないぜ、なあピカチュウ?」

ピカチュウ「ギェエエアァ」


ㅤ一方ピカチュウはというと、『この見た目からは想像もつかないおぞましい声で鳴くことによりアイデンティティの確立を狙う』という、青年以上にひねくれた成長を遂げていた。
ㅤ近所の人達からは"ギアッチョ"という渾名で親しまれている。


青年「今の俺には……夢も希望も、何も無い……俺にはあるのはこの、ただ10まんボルトが出るだけの役に立たない右手だけだ……」

ピカチュウ「ギエッ……ゥグオオァ!?」

青年「こんな右手さえなきゃ……ん、どうした?ピカチュウ」

ピカチュウ「ウゴォオオオオ!ウゴォォオ!」


ㅤ突如として鳴き出したピカチュウが、指を差した先にあったもの。
ㅤそこにいたのは──。


少女「えっ、な、なに!?なんなのッ!?なんで道路がひび割れてんの!?」


──隆起する大地、舞い上がる砂塵の真ん中に立ち尽くし、グランドフォースを放つ謎の少女であった。
 ▼ 2 l9DL6WM00c 23/04/19 02:09:32 ID:7RqsjMMo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
このSSはこちらのスレの企画用です。

【SS企画】スワップSS祭2023 企画本スレ【エントリー締切:4/22】

https://pokemonbbs.com/sp/post/read.cgi?no=1930216
 ▼ 3 ックウザ@いじっぱりミント 23/04/19 08:08:56 ID:jacEWpNM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ギアッチョかわいいwこれは気になる
 ▼ 4 ラルギャロップ@ハートアメざいく 23/04/19 09:43:27 ID:jacEWpNM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
そこのお前!スワップ企画に参加するための最終ステップは企画本スレにURLと参加表明のレスを行うことだぜ!
 ▼ 5 l9DL6WM00c 23/04/19 18:38:04 ID:I40kpE2s NGネーム登録 NGID登録 報告
>>4
書いてすぐ寝落ちしてしまったのですっかりさっぱり忘れておりました
ありがとうございます
 ▼ 6 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/22 22:26:06 ID:tfvg/LgI NGネーム登録 NGID登録 報告
続きを書くことになりました
よろしくお願いします
 ▼ 7 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/23 00:50:48 ID:5B9UJ.DM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
ゴゴゴゴゴ…


青年「あれは…!?」

ピカチュウ「ゴァ…」


少女「い、いやあああああ!!止めてえええええ!!!」ギュンッ


青年「…!まずいピカチュウ、伏せろ!!」

ピカチュウ「ギエァ!」フセッ


少女の対戦相手「な、なんだなんだ!?止まれプリン!」

プリン「ぷ?」ゴロゴロゴロ



カ ッ




ド ガァァァァァン……

 ▼ 8 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/23 00:59:08 ID:5B9UJ.DM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
シュウウウ……



少女「はぁっ…はぁっ……」ゼェゼェ


少女の対戦相手「プ、プリン…?」

プリン「」プシュー…

少女の対戦相手「ああっ、こんなに空気が抜けて……」

少女の対戦相手「うわーんこんな勝負めちゃくちゃだ!」ダッ

少女「ちょ、ちょっと…!」


青年「あ、あぶね〜…巻き込まれるところだった」ガサッ

ピカチュウ「ギェアグォ」ヤレヤレ


 身の危険を感じた青年とピカチュウはすぐさま近くにあるベンチの下に隠れて事なきを得た。
 少女の対戦相手はプリンを抱えてポケモンセンターに走り去ったようである。


少女「…」

ジガルデ「……」オドオド


 一方少女はその対戦相手の背中をただ見つめる事しかできなかった。
 何が起こったか解らず呆然と立ち尽くしているらしい…。
 ▼ 9 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/23 23:21:50 ID:8/FMxiSw NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「……」

少女「…ジガルデ、帰ろっか」

ジガルデ「…!」コクリ


 暫くして、少女とジガルデはトボトボと帰路につき始めた…。


青年「……どうやらあのガキ、さっきのは意図的に発動させたわけではないっぽいな」

ピカチュウ「グゲェガ」

青年「そんでも末恐ろしい奴だぜ、ポケモンに頼らずとも自分で技を出せるなんて…」

青年「なんて……」スッ

ピカチュウ「ギァ?」

青年「……」ジッ…


 青年は自分の右手をまじまじと見つめた…。
 少女を見て、おぼろげな記憶……まだ夢を追いかけていた頃の自分を思い出したようである。


青年「あのガキ…女の子も俺みたいな運命を辿っちまうのかな」ボソッ

ピカチュウ「……」

青年「…行ってみるか、ピカチュウ」スック

ピカチュウ「ゴゥ!」


ザッザッザッ…



 青年とピカチュウは、重い足取りで歩く少女を追いかけていった……。
 ▼ 10 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/24 00:14:41 ID:yvjcbYOo [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
少女「はぁ……」スタスタ

ジガルデ「……」ウネウネ


青年「おーい、キミ!」ザッザッ

ピカチュウ「ゥグェアゴグ」


少女「……? なんですか?」

青年「はぁはぁ…さっき、公園でポケモンバトルしてただろ?」

少女「え?あ、はい…貴方は先程ブランコに座っていた…」

青年「あ、気づいてたんだ」

ピカチュウ「ギェア」

少女「でも…見ましたよね? なんか私の足元から急に大地が割れて…それで……」

青年「…ああ、見たさ」

少女「一体何が起こったのか解らなくて…怖くて……」

ジガルデ「……」オロオロ

少女「私にこんな能力があるって知られたら…友達にも引かれちゃうよ……」グスッ


青年「……まぁ、最初はビビるよな」

少女「…?」

青年「けど…実は俺も似たような境遇でさ」

少女「???」

青年(なんだろう、上手く通じてないっぽいな……)

青年(このままじゃなんか急に声かけてきた変人みてーだし……そうだ)

青年「…まぁ実際に見せてやるよ、試しにあそこの木を狙うか」

少女「い、一体何を…」

青年「嫌な記憶が蘇るからなるべく使いたくはないんだが……」スッ

青年「…ふんッ!」


ビリビリビリィ!!!
 ▼ 11 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/24 00:20:06 ID:yvjcbYOo [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
バババリバリッシュ!!!


少女「わわっ!?」


シュウウウ…


青年「……どうだい、俺の10まんボルトは」

ピカチュウ「ギェゴギィア」

少女「な、何が起きたんですか…?」

青年「…出せるんだよ、俺も右手から技を」

少女「えぇっ…!? そんな事が……」

青年「さっきのキミだってそうだろ?」

少女「……」

青年「…なぁキミ、さっきどんな感じで技が出たんだ?」

少女「ええっと…張り切ってジガルデにグランドフォースを指示したら……なんか出て」

青年「……同じだ、俺も昔、バトル中に熱くなってピカチュウに10まんボルトを指示したところで右手からでんげきが流れたんだったか」

少女「へぇ〜なんか似てますね」

少女「でも……何が原因なんだろう」

青年「さぁ…俺も今まであんまり疑問に思った事はなかったなぁ」

青年(まあ自分でもおかしいとは思うけど)
 ▼ 12 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/24 00:33:01 ID:yvjcbYOo [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
ピカチュウ「ウゴェッフェ!」

青年「ん?どうした」

ピカチュウ「ゥゴォ!ドゥエドゥエ」

青年「あ、わりぃわりぃお前の紹介もしないとな」

青年「こいつはピカチュウ、俺の大切なパートナーだ」

ピカチュウ「ギェアッチョ」

少女「へ、へぇ〜」(何この鳴き声)

ジガルデ「……」

少女「あっ…この子はジガルデ!昔ペットショップで一目惚れしてからずっと一緒なの!」

青年「ふーん…よろしくな!」

ピカチュウ「グギュグバァッ」

ジガルデ「……💦」コクコクッ

少女「ごめんなさい、この子ちょっと人見知りで…」

青年「あ、そう…」

少女「……なんだろう、やっぱり私達…似てますね」

青年「う〜ん、そうかなぁ」

少女「これからどうしようかと思ってたけど……貴方のお陰で少し気持ちが楽になりました」

少女「今日はなんか…ありがとうございました」ペコッ

青年「いや、俺は別に何も…」

少女「また機会があったらぜひ……じゃあ行こっか、ジガルデ」

ジガルデ「……!」ウネウネ

青年「おう、またな〜」

ピカチュウ「オゥ ホゥヴァア」バイバイ


 青年とピカチュウは少女とジガルデの姿が見えなくなるまで見送った……。


青年「……さて、そろそろ俺達も帰るか」

ピカチュウ「ウゴゥ」コクッ
 ▼ 13 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/27 00:46:31 ID:U/RcvTXI [1/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
その夜


ピカチュウ「グゴー…グゴー……」

青年「……」

青年「なんか寝つけねえな」

青年「昼間のあの女の子、元気にしてっかなぁ」

ピカチュウ「グゴー…ガガゴガゴ」

青年「まさかあの時から数年経って似たような人間に出会うなんて思ってもなかったぜ」

ピカチュウ「グギィ…ギリギリギリ」

青年「…なぁ、ピカチュウ」

ピカチュウ「ガガガガガ」

青年「起きてんだろ?」

ピカチュウ「……」

青年「これが俺の、10まんボルトだ…なんてな」スッ

青年「こんなクソの役にも立たねえ能力のせいで……これさえ無ければ今もお前とチャンピオンになる夢を追いかけていたはずなのに」

青年「ごめんな、ピカチュウ」

ピカチュウ「ピ……ギェアアア」フルフル

青年「……明日もまた、あてもなくブラブラするか」

ピカチュウ「………」
 ▼ 14 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/27 00:56:48 ID:U/RcvTXI [2/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
翌日



ガコンッ!

青年「ふぃ〜しんどい時はやっぱ自販機のサイコソーダに限るぜ」

ピカチュウ「ギェエエエイ」

青年「まぁ小遣いも減らされてるし一本買うのにやっとなんだけどな…」

青年「いつものように代わりばんこで飲もうぜ、ほらピカチュウ」スッ

ピカチュウ「グラッツェ」グビグビ

青年「さて…どこへ行こうか」

青年「今日はなるべく人の気配がなさそうな……あっちの方でのんびりするか」

 ▼ 15 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/27 01:04:25 ID:U/RcvTXI [3/3] NGネーム登録 NGID登録 報告
静かな森〜



青年「……よし、ここなら邪魔されずまったりできそうだな」

青年「んじゃピカチュウ、そろそろサイコソーダを」

ピカチュウ「ゲゲロ」ゲプッ

青年「全部飲んでんじゃねぇか」

ピカチュウ「イズヴィニーチェ」ペコリ

青年「…まぁいいや、この辺で昼寝でも__」


ゴゴゴゴゴグラグラグラグラグラ


青年「わっ、地震か!?」シャガミッ

ピカチュウ「ゴガガ」フセッ


シーン…


青年「……収まった」

青年「待てよ、昨日もこんな事があった気が………まさかな」

青年「確かあっちの方から揺れて……ちょっと行ってみようぜ」ザッザッ

ピカチュウ「ゥグオオ」
 ▼ 16 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/27 22:03:11 ID:MRxUhKmc NGネーム登録 NGID登録 報告
青年「えーとこの辺から…」

ピカチュウ「ゥゴォ!」ユビサシ

青年「ん、あそこ?」ガサッ


少女「はぁ…はぁ…いい感じかも…!」

ジガルデ「……!」


青年「あれは…やっぱり昨日の女の子とジガルデか」

ピカチュウ「ギェエエア」

青年「でもなんでこんなところに…」


少女「よし、もう一度……」

少女「“グランドフォース”!!」


ゴゴゴゴゴ


青年「うおっとと、また地面が揺れ……」グラ…

青年「わっ!」ドサッ


少女「ん?今何か…」

少女「ってあれ、そこにいるのは昨日の……」

青年「はは…見つかっちまったか」
 ▼ 17 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/28 00:04:25 ID:ktVUd3aY [1/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
青年「それよりさ、こんなとこで何やってたんだ?」

少女「あの…私、あれから一晩考えたんです」

少女「最初は困惑してたけど……でも」

青年「でも?」

少女「でも…でも……」


少女「グランドフォースを放てる人間なんて世界中で私くらいじゃないですか!?」バーン


青年「………え?」

ピカチュウ「ゴァ?」

少女「だから、ちょっとここで練習を…」

青年「いやキミ…昨日あんなに落ち込んでたよね?なんで急に……」

少女「あの、よく考えてみたらこの力は上手く利用できるんじゃないかな…って」

青年「利用?」

少女「ジガルデと一緒にグランドフォースを放つ動画とか撮ればSNSでバズりそうですし」

少女「ゆくゆくはテレビに出演して有名人になったり…えへへ」

青年「へ、へぇ〜そうか」

青年(……なんだろう、この子思ったより性格掴めねえぞ)
 ▼ 18 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/28 00:08:27 ID:ktVUd3aY [2/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
少女「けど…何より」

青年「?」

少女「こういう経験もポジティブに捉えるのが大事だと気づいたんです」

青年「どういうこと?」

少女「この力はきっと…私とジガルデの絆の証」

少女「せっかく自分もジガルデと同じことを出来るようになったのに……それを生かさないのはなんだか勿体ないかなって」

青年「……」

少女「おっと、今日はこの辺にして…そろそろ帰ろうと思います。お腹も空きましたし」

少女「ではまた会いましょう、さよなら〜」タッタッ

ジガルデ「……!」フリフリ

青年「お、おう!また今度な〜!」

ピカチュウ「ギェア〜」
 ▼ 19 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/28 00:17:16 ID:ktVUd3aY [3/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
青年「……」

青年「…ポジティブ、か」

ピカチュウ「?」

青年「あんな年下の子が一晩で立ち直ってんのに……俺は数年間何やってたんだろうな」

青年「全く…諭すつもりが逆に学ばせてもらってやんの。ダッサいな、俺」


青年「…………」


ピカチュウ「ゴェ?」

青年「…チャンピオンになる夢が消えたからっていつまでもウジウジしてもどうしようもない、人生はこれからだ」

青年「俺もこれからはポジティブ精神、だな…!」

ピカチュウ「ギィア!」

青年「うおお!10まんボルト!!」ビリビリビリィ

青年「この右手はきっと…これから何かの役に立つ、お前との絆の証」ギュッ

青年「さぁ、俺達も帰ろうぜ!」

ピカチュウ「………ピカァ!」



おしまい
 ▼ 20 ふとん◆Xhw31vzT1M 23/04/28 00:20:43 ID:ktVUd3aY [4/4] NGネーム登録 NGID登録 報告
正直「こんなんでいいのか…?」という気持ちが強いですが完結です
ありがとうございました
 ▼ 21 イリュー@まんたんのくすり 23/04/28 01:31:58 ID:3v26Cv2A NGネーム登録 NGID登録 報告
ガッシュ?ゼオン?
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