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キョウヘイ「ねえルリちゃん、ジューンブライドって何?」 ルリ「ジューンブライド?」

 ▼ 1 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/06/17 23:53:59 ID:vGGw5ChE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリ(ジューンブライドって確か6月に結婚するといいっていう……幸せな結婚生活が送れる、だったかな?)

ルリ(……どうしてそんな話をわたしに?も、もしかして……)


キョウヘイ「……あの、大丈夫?」

ルリ「えっ?う、うん!大丈夫……ジューンブライドって言うのは6月の結婚とか6月の花嫁とかそういう意味で、6月に結婚すると幸せな結婚生活を送れる……そういう意味だったと思うよ。」

キョウヘイ「なるほどね。」

ルリ「ほら、あそことか結婚式場の広告が出てるでしょ?」

キョウヘイ「お、ほんとだ。確かに最近こういうのちょっと増えた気がしてたんだよね。」


ルリ(……そうだよね、キョウヘイくんはただ言葉の意味を知りたかっただけだもんね。うん。)

キョウヘイ「ウェディングドレス……ルリちゃんも似合うんだろうなあ……」ボソッ

ルリ「……え?」

ルリ(い、今……ウェディングドレスが似合うんじゃないかって……そんな……もしかしてやっぱりプロポーズ……!?///)

ルリ(ど、どうしよう……!?確かにキョウヘイくんのことはちょ、ちょっとその……ちょっとじゃなくて結構とっても……でもまだわたしたち友達だしやっぱり……///)ドキドキ

ルリ「きょ、キョウヘイくん!気持ちは嬉しいけどやっぱりまだ早……///」

キョウヘイ「教えてくれてありがとう!」

ルリ「……うん。」

キョウヘイ「ご、ごめん!遮っちゃって……」

ルリ「き、気のせいじゃないかな?わたしは何も言ってないし……じゃ、じゃあまたね!」

キョウヘイ「そう?またね!」




ルリ(あ、危なかったぁ……)
 ▼ 21 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/06/30 23:22:55 ID:DrsMke3o [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリ「ご、ごめんねキョウヘイくん!嫌だったらいいの!」

キョウヘイ「え、嫌とかじゃなくて俺は……」

キョウヘイ(こんな都合のいいことがあるわけない、って思ったんだけど……え、本当に?本当にいいの?)


キョウヘイ「……。」

キョウヘイ「る、ルリちゃん……やっぱりウェディングドレス、着てみたい……?」

ルリ「う、うん……」

ルリ(正しくはそれを着てキョウヘイくんと一緒にいたい、だけど……)

キョウヘイ「そっかぁ……」


キョウヘイ「……///」

ルリ「……///」




キョウヘイ(大人)「……意見がまとまったなら着れる場所に行かない?ジョインアベニューのバックヤードとかさ。それとも家の方がいい?」

キョウヘイ「ど、どうする?」

ルリ「ど、どっちでも……」

キョウヘイ「ど、どうしようかな……」

キョウヘイ(大人)「それならとりあえずジョインアベニューに行こう。家よりは多分俺が怪しまれないだろうしね。」



キョウヘイ(大人)「……ほら、君たちいつまでもじもじしてるのさ。気持ちはわかるけどさっさと行くよ。」
 ▼ 22 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/06/30 23:38:01 ID:DrsMke3o [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ジョインアベニュー〜


キョウヘイ(大人)「おー懐かしい。割と似合ってるじゃん。」

キョウヘイ「そりゃどうも。自分用の正装があってよかったですよほんと。」

キョウヘイ「……あの、未来の俺もルリちゃんのことって……その」

キョウヘイ(大人)「好きだよ。もちろん。」

キョウヘイ「でも振られたんですよね?」

キョウヘイ(大人)「いや?それどころか……おっと」

キョウヘイ「それどころか?」

キョウヘイ(大人)「さあ何でしょうねえ。」

キョウヘイ「も、もうちょっと詳しく……」


ルリ「きょ、キョウヘイくーん!」

キョウヘイ「ん?まだ着替え中のはずだけど……ちょっと外します。」

キョウヘイ(大人)「はいはい。」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

キョウヘイ「はーいどうしたの?」

ルリ「な、何かサイズが合わなくって……このドレスわたしより大きいの。」

キョウヘイ「え?」

ルリ「ちょ、ちょっと1回出るね。……わ、キョウヘイくんかっこいい……」

キョウヘイ「あ、ありがとう……/// ドレスのサイズが合わないって……これ、未来の俺が持ってきたんだっけ?」

ルリ「そのはずだよ。荷物にはキョウヘイくん……あ、キョウヘイさんだ。キョウヘイさんからの手紙が入ってて……」

キョウヘイ「どんな?」

ルリ「そ、それは……///」

ルリ「と、とにかくキョウヘイさんが持ってきたっていうのは合ってると思うの。どうしよう、このままじゃドレス姿見せられないよね……」

キョウヘイ「サイズ合わないの持ってきた方が悪いんだし……相談してみようか。」

ルリ「そうだね。」
 ▼ 23 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/06/30 23:51:05 ID:DrsMke3o [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「あれ?結局着替えなかったの?」

ルリ「そういうわけじゃなくて……ドレスが大きくてうまく着られないんです。」

キョウヘイ「ちゃんとしたサイズのとかないの?」

キョウヘイ(大人)「ほう。昔の俺よ、ルリちゃんのウェディング姿がそんなに見たいか。」

キョウヘイ「ちょっ……ま、まあ似合うとは思うけどさ……///」

ルリ「う、うふふ……///」

キョウヘイ(大人)「……だけど残念、あのサイズ以外はないんだ。やっぱり15歳じゃ無理だったか。」

キョウヘイ(大人)「無理言ってごめんな2人とも。……ご飯でも食べて帰るといい。また奢るからさ。」


ルリ「……や、やっぱりサイズが合わなくても頑張ってみます。」

キョウヘイ(大人)「いや、もういいんだ。大丈夫だから。……着替えてきなよ昔の俺。」

キョウヘイ「う、うん……」


ルリ(キョウヘイさん……悲しそう。やっぱりすごく見たかったのかな……)
 ▼ 24 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/01 00:00:24 ID:pzLwRDL. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリ「……キョウヘイさんっていつまでこの時代にいるんですか?あ、その、なんとなく気になっただけなんですけど。」

キョウヘイ(大人)「俺は多分今夜には戻ることになるんじゃないかなあ。あんまり自由なものでもなくってね。」

ルリ「そうなんですか。……もう1ついいですか?」

キョウヘイ(大人)「うん。」

ルリ「て、手紙の内容って……あ、あれは一体……///」

キョウヘイ(大人)「手紙?」

ルリ「……結婚してくださいって書いてあったんですけど……///」

キョウヘイ(大人)「あー……」

キョウヘイ「……結婚ってどういうことですか」

ルリ「あ、キョウヘイくん……」

キョウヘイ「やっぱり未来で振られたからこっちの時代のルリちゃんに手を出しに来たってことなんですか……!」

ルリ(キョウヘイくん、怒ってる……?)


キョウヘイ(大人)「そうじゃなくて……うん、理由は説明できるんだけど……できるけどね。」

キョウヘイ「じゃあしてくださいよ。あなたっていう人間が結局胡散臭いままだし。」

キョウヘイ(大人)「説明できるけど本当にいいの?君たちのためを思って未来のことをあまり言わないようにしてたんだけど。」

ルリ「……わたしからもお願いします。色々気になっているんです。」

キョウヘイ(大人)「……そう。ならそうしようか。絶対に後悔しないと約束してくれ。」

キョウヘイ「するわけないですよ。」

ルリ「……た、たぶん。」
 ▼ 25 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/01 01:53:16 ID:pzLwRDL. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「何から話そうか……ここに来た理由は本当にただウェディング姿を見たかっただけだからなぁ……」

ルリ「それなら最初はドレスのサイズが合ってないことの理由はどうですか?」

キョウヘイ(大人)「……いきなりそれ話しちゃうかあ。」

ルリ「えっ」

キョウヘイ「ドレスのサイズが合ってないことがそんなにとんでもないことなんですか?」

キョウヘイ(大人)「まあね。じゃあ話すとしようか。そのウェディングドレスは俺の元いた時代のルリちゃんに渡すはずだったものなんだ。」

キョウヘイ(大人)「手紙に『結婚してください』って書いてあったのはドレスを渡してプロポーズにするつもりだったけど途中でやめたんだよね。その名残さ。」

キョウヘイ(大人)「……これでいい?」

キョウヘイ「……つまり未来の俺はルリちゃんにドレスを渡してプロポーズしようとして振られたってこと?」

キョウヘイ(大人)「いや違うって。どんだけ振られたことにしたいんだよ……2人の間で婚約はもうしてたんだ。改めてプロポーズするついでにドレスを渡そうとしてたんだよ。」


ルリ「こ、婚約!?わたしと……キョウヘイくんが婚約……///」

キョウヘイ「でっデタラメなこと言うなよ!///」

キョウヘイ(大人)「事実だよ。といってもまあ君たちはまだ付き合ってもないわけだからその反応はわかるけどね。」



キョウヘイ「る、ルリちゃん、その……こ、こんなの信じなくていいからね!大丈夫だから!まだ多分未来も決まってない……と思うし……///」

ルリ「そ、そうなの?……決まってない、のかな……///」


ルリ(わたしとしては決まっててもいいかなって思うんだけど……)
 ▼ 26 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/01 11:24:32 ID:pzLwRDL. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ「じゃ、じゃあ……そのルリちゃん……と同じ名前の婚約者の人のドレスを何でわざわざタイムスリップして持ってきたんですか。そんなこと必要あります?」

キョウヘイ(大人)「全然ないね。それを使って何かする趣味でもなければ。というか意地でもルリちゃんとの婚約を認めたくないんだね……悪いことじゃないはずだけど」

キョウヘイ「それはもういいでしょう!/// ……とにかく結婚できるならそれでいいのに何でこっちに来たんです?」

キョウヘイ(大人)「まあそりゃ結婚できなかったからだよね。うん。」

ルリ「……未来のわたし、結婚詐欺師とかなのかな……」

キョウヘイ(大人)「大丈夫、詐欺師じゃない。事故で来れなくなってね。……その後目を醒ましてない。それだけなんだ。」



キョウヘイ「目を醒ましてない……それって」

キョウヘイ(大人)「死んではいないけどね。ま、半分同じようなものかもしれないけど。それで落ち込んでる時に迷いの森で傷ついたセレビィに出会って時渡りの力を手にしたというわけなんだ。」

キョウヘイ(大人)「でもこの力はあまり制御が効かなくてね……このドレスももうちょっと大きくなった君たちに着せるのがいいはずってのはわかるでしょ?ましてや付き合ってすらない時になんてねえ……」


ルリ「……事故でそんなことになるなら事故をなかったことにしたりできなかったんですか?」

キョウヘイ(大人)「できなかった。何をやっても俺のいる未来に影響はかったからね。……俺が時渡りをするたびに何故かセレビィは回復していったからそれが目的だったのかもしれないけど。」

ルリ「そんな……」

キョウヘイ「……それでせめて思い出を残したくて……ってわけかぁ。」
 ▼ 27 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/02 02:32:51 ID:Htnccw/Q [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「しかしだね。まだ俺も試してないことがある。その1つが結婚の時期を早めるってことなんだけどさ。ジューンブライド……は知ってるよね。ルリちゃんに教えてもらったんだから。」

キョウヘイ「……未来でもそんなこと覚えてるんだ」

キョウヘイ(大人)「そりゃまあね。結婚するならできる限り幸せでありたいなって思ったからそれ以降結婚の時期は6月がいいなって思うようになったんだからさ。」

ルリ「そうなのキョウヘイくん?」

キョウヘイ「ど、どうだろうね……」

キョウヘイ(大人)「……結局そうはならなかったんだけどね。事故とかの前にプロポーズは延期になったわけだからさ。」

ルリ「もしかして未来のわたしのお仕事が忙しくて……?あ、それともキョウヘイさんの方が?」

キョウヘイ(大人)「あー……結婚の話自体は6月に出たんだよね。普通に話してるときにぽろっと。」

キョウヘイ「断られたんですか?」

キョウヘイ(大人)「いや……ちゃんとプロポーズしたいからって俺が途中で話をやめた。もっとロマンチックにしたいからって。」

キョウヘイ「なんだそりゃ」

キョウヘイ(大人)「だってさぁ、出逢いがあんなにロマンチックだったんだからプロポーズもロマンチックにしたいと思うじゃん?というかずっとそう思ってきたんだよ。」

キョウヘイ「……なるほど」

ルリ「た、たしかに……」

 ▼ 28 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/02 02:45:43 ID:Htnccw/Q [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「だけど俺は後悔しているんだ。あの話が出た時にそのまま結婚してればルリちゃんは事故に遭わなかったんじゃないかって。ジューンブライドは幸せな結婚生活になるっていうからさ……」

ルリ「さ、流石にそこまでは……おまじないというかある意味迷信みたいなものというか……あはは……」

キョウヘイ(大人)「だとしてもだ。可能性があるならそれでもいいんだよ。というわけで君たちは今すぐ結婚してくれ。」

キョウヘイ「いや年齢的に無理ですよ。ルリちゃんに迷惑ですし。」

ルリ「……わ、わたしはその、迷惑じゃないっていうか……///」(小声)

キョウヘイ「うん?」

ルリ「なっなんでもないよ!///」

キョウヘイ「というか過去を変えても未来が変わらないなら尚更そんな必要……もしかして未来に影響がないから過去で好き放題やってるとか。」


キョウヘイ(大人)「……。」






キョウヘイ(大人)「……じゃあ、俺、未来に帰るから……」

キョウヘイ「あっちょっと!逃げたこの人!」

ルリ「あ、あの、もうちょっと未来のわたしとキョウヘイくんについての話を……」

キョウヘイ(大人)「ではさらば。達者でね。」

キョウヘイ「待て〜!」




角を曲がった未来のキョウヘイを追いかけた2人だったが、そこで完全に見失ってしまった。


というよりはその場にいたはずの人間が消えたのだ。



キョウヘイ「……本当に未来人だったのかな。そうじゃなかったら変な忍者とかじゃないと今の消え方は説明できないし……」

ルリ「……そういえばドレスもなくなってる。さっきまでキョウヘイさんは持ってなかったはずなのに。」

キョウヘイ「本当、何だったんだろうね。」
 ▼ 29 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/02 03:21:38 ID:Htnccw/Q [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ「もしも……あの人が本当に未来の俺だったとしてさ。」

ルリ「うん。」

キョウヘイ「あ、あの人が来た未来ではたまたま……たまたまルリちゃんとけ、結婚してたみたいだけど……///」

ルリ「うん……///」

キョウヘイ「過去のことが未来の世界に影響してないってことはさ、未来はいくらでも変わるってことだから……だからその、今日のことはあまり気にしなくていい……と思うよ。」

キョウヘイ「……俺が将来あんな変なのになるとか考えたくないしさ。」

ルリ「ふふっ……でもわたしは未来のキョウヘイくんも悪くないって思ったけどな。」

キョウヘイ「えぇっ!?」

ルリ「だって……その、結婚相手の人のことはすごく大好きで大切にしてるっていうのはわかったから。そんな人と一緒になるっていうのはきっと幸せなんじゃないかなって。」

ルリ「……ってああっあのねキョウヘイくん!わたしの方こそなんかごめんねっ!/// キョウヘイくんにだって相手を選ぶ自由があるのに……」



キョウヘイ「もし俺が相手を選べるならルリちゃんみたいな人ってすごくいいと思うけどな。だって……」

キョウヘイ「……何でもない、ごめん……///」

ルリ「だ、だったら……わたしたちが結婚できる歳になったら最初に2人でお見合いしてみる、とか……なんちゃって、あはは……///」

キョウヘイ「そ、そういうのもいいかもしれないね……///」
 ▼ 30 クラブ@ちりょくのハネ 23/07/02 03:25:27 ID:IXGoDPpQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ネ
 ▼ 31 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/02 20:11:59 ID:Htnccw/Q [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ「な、なんだったら今結婚しちゃっても……///」

ルリ「そ、それは流石にまだ早いんじゃないかな……あはは……///」

キョウヘイ「だっだよね!ごめん変なこと言っちゃって!またね!」

ルリ「うん!またね!」







ルリ(そっかぁ……未来のわたし、キョウヘイくんと結婚するところまでいったんだね。事故がどうとかでまだ一歩手前……みたいだけど)

ルリ(未来が変えられるなら……プロポーズの日に気をつけていれば大丈夫ってことなのかな。そうすればわたしも、キョウヘイくんも幸せに……)
 ▼ 32 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/03 03:39:49 ID:qyqY/Z6c [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
未来のキョウヘイが帰ってから数日。

ルリの身の回りで奇妙なことがが起きるようになった。それも命に関わるような……

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ルリ「今日はお月見山に来ていまーす……え、後ろ?」

ルリ「い、岩ーっ!?」


ガッシャーン!



ルリ「あ、危なかったぁ……もう少し教えられるのが遅かったら……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ルリ(日々のトレーニングとしてランニングは欠かせないから今日も頑張らないと。)

ルリ「いくよチラーミィ!今日も頑張ろう!」

チラーミィ「ミィ!……チャーミ」チョイチョイ

ルリ「え、どうしたの?こっちに来てってこと?一体何が……」


チラーミィに目線を合わせようとしゃがんだ次の瞬間、頭上を何かが飛んでいった。


男の子「ごっごめんなさい!僕のヒトモシのだいもんじ、練習中で……」

ルリ「だ、大丈夫大丈夫……あはははは……」


ルリ「……ありがとうねチラーミィ。」

チラーミィ「ミィ。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ルリ「あ、キョウヘイくーん!今日はずいぶん早……」

キョウヘイ「ストーップ!」

ルリ「え?」

男の人「おわっ!?」キキーッ!!

ルリ「あ、駐輪場から出る人……す、すみません!」

男の人「ああいやこちらこそ、直前まで確認はしてたはずなんですけどなぜか……」


キョウヘイ「ルリちゃん大丈夫?」

ルリ「うん……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ▼ 33 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/03 23:01:30 ID:qyqY/Z6c [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリ(そういえばプロポーズの日に事故に遭ったとは言ってたけどそれまでどうだったとか聞いてなかった……もしかして未来のわたしもこんな感じのハプニング続きで疲れて……)

ルリ(それで未来のキョウヘイくんが6月に結婚すればジューンブライドで幸せにとか……)

ルリ(……。)



〜ヒオウギシティ〜

ヒュウ「……何考え込んでるんだ、珍しいな。」

キョウヘイ「ああ……その、色々あってそろそろ告白しようかなと……ルリちゃんに。」

ヒュウ「そうか。頑張れよ。」


ティロリロリンティロリロリン♪ ティロリロリンティロリロリン♪

ヒュウ「お、愛しのルリちゃんからだぜ。早く出てやれよな!」

キョウヘイ「はーいもしもし……」

ルリ『あっあのキョウヘイくん!?この前の結婚の話……オッケーだったってことにできないかな!?///』

キョウヘイ「……へ?」

キョウヘイ「と、とりあえず落ち着きなよ。深呼吸してさ。ほら……」

ルリ『スー……ハー……スー……ハー……』

キョウヘイ「ど、どう?落ち着いた?」

ルリ『うん。落ち着いたよ。それでやっぱり前の話はオッケーってことにしてほしいんだけど……』

キョウヘイ「」

ルリ『あっ仕事が始まっちゃう!じゃあまたあとでね!』

ピッ


ヒュウ「……おい、これから告白するんじゃなかったのか?結婚?どういうことだ?」

キョウヘイ「いやぁそれはその……半分冗談というか……」

ヒュウ「いやオマエが女の子たぶらかしたらダメだろ……結構色々すごいことやってるんだから本気にされてもおかしくないぞ。」

キョウヘイ「でもたぶらかしてるわけでもないっていうか……」
 ▼ 34 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/03 23:20:19 ID:qyqY/Z6c [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
─────────────────
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─────────

キョウヘイ「一応いつも通りの時間なんだけど……ルリちゃんが来てないなんて珍しいな。」

ルリ「おっおまたせキョウヘイくん!ごめんなさい!」

キョウヘイ「いやいや別に……どうしたのその絆創膏。」

ルリ「あ、これ?仕事の途中で機材が落ちてきてケガしちゃって……かすり傷だけどね。」

キョウヘイ「……大丈夫なの?」

ルリ「それがあんまり……最近こういうことが多くて。この前キョウヘイくんといたときもあったでしょ?」

キョウヘイ「うん。」

ルリ「それで……命に関わる事故もあるからさ、もしかすると未来のキョウヘイくんが言ってたことは本当なのかも……って思ったの。それなら6月の間に結婚しておけばよかったんじゃないかなって。でも……」

キョウヘイ「もう6月終わっちゃったんだよね。」

ルリ「そう!そうなの!後出しで返事を変えるっていうのアリなのかな……?」

キョウヘイ「そもそも俺たちは年齢的に……それにそれだけのために結婚するのも……」

キョウヘイ「……そうだ。ちょっと思い出したからついてきてよ。」

ルリ「え?うん。」
 ▼ 35 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/03 23:31:37 ID:qyqY/Z6c [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリ「……ほ、本当にこの怪しそうなお店に……あ、ううん、キョウヘイくんの紹介なら……」

キョウヘイ「まあ見た目はあれだけどさ。一応大丈夫なはずだよ。」

占い師「おー!チャンピオンじゃないっすか!」

キョウヘイ「お久しぶりです。お店の調子はどうですか?」

占い師「それが全然で。ヒウンアイスはチャンピオンが買ってたからって大盛況なのになーんでウチは……」

キョウヘイ「腕は確かなんですけどねぇ。」

ルリ「……ライモンの暗がりでお店の見た目が怪しすぎるのが原因だと思います……」

キョウヘイ「俺もそう思う。だからジョインアベニューに来ない?って言ってるんだけど……」

占い師「ウチはこの雰囲気じゃないとつまらないんですよ。さ、占うとしますかね!どちらから?」

キョウヘイ「とりあえずルリちゃんの方をお願いします。」

ルリ「よ、よろしくお願いします……」

占い師「はいはーい!それじゃあむむむむむ〜っと……」

占い師「あー……こりゃ今月辺りの運勢サイアクですねー。下手したら死にますよ。」

キョウヘイ「やっぱりか。」

ルリ「えぇっ!?や、やっぱりって……」

キョウヘイ「流石に結婚してないことと不運が関係してるのはおかしいと思ってさ……そんな歳でもないのに理不尽すぎるし。」

ルリ「そ、そうなんだ……あの、その不運ってどうにかならないんですか?」

占い師「基本的にないですね。1つあるにはあるんですが……」

ルリ「その方法って……?」ゴクリ

占い師「結婚することですね。でもあなた……ルリさんでしたね。まだ子供でしょ?」

ルリ「は、はい。」



ルリ「……ねぇキョウヘイくん、関係あるみたいなんだけど」ゴニョゴニョ

キョウヘイ「えぇ……嘘ぉ……」
 ▼ 36 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/03 23:47:35 ID:qyqY/Z6c [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ「じゃ、じゃあ俺もお願いします……」

占い師「ではむむむむむ〜っと……まーそうですね、今月はフツーですね。でも……」

キョウヘイ「でも?」

占い師「今月中に結婚してないと将来ヤバい縁談を吹っ掛けられて心がボロボロになるらしいですね。」

キョウヘイ「いや何それ……」

占い師「なんだかすみませんね。今日は変な結果ばかりでちゃって……」

キョウヘイ「だ、大丈夫ですよ。はい、お代です。ありがとうございました。」

占い師「まいどありー!」

ルリ「ありがとうございました。あ、わたしも……」

キョウヘイ「払ったから大丈夫。俺が勝手に連れてきたんだしさ。」

ルリ「あ、ありがとう……」

占い師「はーいまたお越しくださーい!」
 ▼ 37 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/04 01:59:04 ID:D6zIaunY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ「……それで、どうしようか……」

ルリ「うん……占いではああ言われたけど変な結果って言ってたし、もしかすると違うってことも……」


ポトッ

ルリ「……何か今目の前に落ちたような」

キョウヘイ「マメパトの糞だね。危なかった。」

ルリ「やっぱり結婚した方がいいのかな……でもできないし……」

キョウヘイ「それだと絶対解決できないし……それっぽきことならオッケーだったりしないかな?」

ルリ「それっぽいことかぁ。例えば誓いのキス……とか?」

キョウヘイ「そ、それもあるけど指輪とか……いやそれもそれで……///」

ルリ「きょ、キョウヘイくんはどっちの方がいい?」

キョウヘイ「お、俺!?俺はどっちも……嫌っていうのとは違うけど……」

ルリ「そ、そうだよね……それなら簡単に約束しておくのはどうかな?今日から1ヶ月わたし達は夫婦です、って。」

キョウヘイ「それで大丈夫なら……あの、俺でいいの……?」

ルリ「キョウヘイくんだって結婚しないと大変なことになるんでしょ?それに……お見合いしようって言ったし。キョウヘイくんこそわたしと……仮にではあるけど、いいの?」

キョウヘイ「……仮でも正直ちょっと嬉しい。」

ルリ「そ、そうなんだ……わたしもキョウヘイくんでよかったよ……あはは……///」

ルリ「じゃあ……今日から1ヶ月よろしくね、キョウヘイ。」

キョウヘイ「んぇ?あ、うん……」

ルリ「お父さんもお母さんも名前だけで呼んでたから……いつかこうなるのかなって。えへへ……///」

キョウヘイ「じゃ、じゃあ……よろしく、ルリ。うぅ、やっぱなんか恥ずかしい……///」

ルリ「……///」




こうして2人は1ヶ月夫婦(?)になった。

といっても生活を共にするわけでもなく、自称しているだけの関係なのだが……
 ▼ 38 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/11 01:34:07 ID:pLYcyVc6 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
1週間後……


キョウヘイ「……お、ルリちゃんから連絡だ。はいはい俺だよ、あれから大丈夫?」

ルリ『うん!事故は全然起こらなくなったみたい。あのときも驚いたけど今も別の意味で驚いてるよ。』

キョウヘイ「それならよかった。俺の方はどうなるのかまだわからないけどその調子なら期待できそうだね、はは。」

ルリ『凄いなあ。今度わたしも自分で占ってもらいに行こうかな?』

キョウヘイ「腕は確かだからね。」

ルリ『……それにしても夫婦って名乗るだけでなれちゃうものなんだね。あ、実際にはそうじゃないっていうの、わかってはいるんだけど。』

キョウヘイ「とはいえ婚姻届が受理されれば成立して、後はこれといって縛りもないだろうし……案外そういうものなのかもね。」

ルリ『でも……それって少し寂しいな、なんて思ったりして……あはは……』

キョウヘイ「寂しい?」

ルリ『わたしの知ってる夫婦はやっぱりお父さんとお母さんだったから……結婚するのって書類の提出じゃなくて愛の先にあるものだと思ってたっていうか……いっ!?』

キョウヘイ「ど、どうしたのルリちゃん!?今何か落ちてこなかった!?」

ルリ『あ、あはは……本が落ちてきたみたい。お、おかしいね、事故は起きなくなったはずなのに……いたっ……』

ルリ『えーっと……それじゃあまたね。明日は観覧車乗ろうね!』

キョウヘイ「うん。またね。」

ルリ『……バイbうわっ!?』

キョウヘイ「えっ!?あ、あれ?どこいったのルリちゃん!?大丈夫!?」

ルリ『う……椅子が壊れちゃって……』

キョウヘイ「怪我はない?」

ルリ『な、なんとか……心配かけてごめんね。バイバイ。』

ピッ


キョウヘイ(実は弱めるだけで完全には無くなってないのか……?それとも……)
 ▼ 39 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/11 01:55:54 ID:pLYcyVc6 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ライモンシティ〜


キョウヘイ「……ルリちゃん遅いなぁ。まさかまた事故に遭ってたりして。……おっ」

ルリ「ご、ごめんね遅くなって……はぁ……」

キョウヘイ「いや別に……絆創膏、多いね。」

ルリ「う、うん……アザとか擦り傷とかやたらできちゃって。仕事をする上でかなり支障が出るから困ってるの。せっかくキョウヘイくんに結婚してもらったのに……」

キョウヘイ「……そのことなんだけどさ。ちょっと考えたことがあるんだ。」

ルリ「?」

キョウヘイ「1つは結婚しても完全には不運を無くせなかったっていうこと。でもこれだと月初めが平和だったのにいきなり逆戻りってのは何かおかしいと思ったんだよね。」

ルリ「占いを信じるならそうなるよね……」

キョウヘイ「それでもう1つ思いついたのが……ルリちゃん、結婚の形がちょっと寂しいって言ってたよね?」

ルリ「……そんなこと言ったかも。」

キョウヘイ「つまりルリちゃんの中の夫婦の認識だと俺たちの関係は夫婦じゃなくなっちゃったとも言える。だから効果が無くなったんじゃないかって思ったんだ。」

ルリ「そ、そういう仕組みなのかな……?」

キョウヘイ「逆に言えばルリちゃんの考える『夫婦っぽいこと』を実践すれば戻るかもしれないわけで……何かある?」

ルリ「う、うーん……色々あるけど一緒に住んでないとできないこととかばっかりだね……」


ルリ「……1ついいのがあったかも。」

キョウヘイ「おお。」

ルリ「い、行ってきますのキス……とか?///」

キョウヘイ「ん?」

ルリ「あっっあの別にキスがしたいとかそういうことじゃなくてそもそもわたしの仕事の時間的に行く前に会えないしそもそもわたしたち付き合ってないし……///」

ルリ「や、やっぱり指輪!指輪だと思う……かな!あはは……///」

キョウヘイ「あ、うん、指輪、ね……」


キョウヘイ「そ、それはそれでなんかすごくない……?///」

ルリ「だ、だよね……///」



キョウヘイ「……一応さ、嫌じゃなければだけど……方法、あるにはあるんだよね。行ってきますのキス。」

ルリ「……?」
 ▼ 40 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/11 02:34:39 ID:pLYcyVc6 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
─────────────────
─────────────
─────────



ルリ「じゃ、じゃあ時間だから……そろそろ出発するね……///」

キョウヘイ「う、うん……それじゃ……///」

ルリ「行ってきます……///」

キョウヘイ「行ってらっしゃい……///」


お互いが言葉を発し終えたところで画面に向かって投げキッス。

それが終わったら2人とも顔を真っ赤にしながらすぐさま通話を切るのだった。


キョウヘイ(自分で提案したことだけど……全っ然慣れない……!///)

ルリ(うぅ……恥ずかしくて思わず目を瞑っちゃうなぁ……///)


キョウヘイ(けど……)

ルリ(だけど……)

キョウヘイ・ルリ(履歴のこの映像だけですごく頑張れる気がする……!)
 ▼ 41 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/11 02:39:44 ID:pLYcyVc6 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ライモンシティ〜


キョウヘイ「……最近どう?」

ルリ「お陰様で絶好調……かな。でも……」

キョウヘイ「……?」

ルリ「け、結婚の効果をより確実にするために……他のこともやってみたいな……なんて思ったりして。あはは……」

ルリ「あはは……///」


キョウヘイ「……実は俺もそう思っててさ。ちょっと考えてみたりしたんだけど……」

キョウヘイ「やってみようか、色々。1つづつ。」

ルリ「……うん!やろう!」
 ▼ 42 シビルドン@とつげきチョッキ 23/07/11 07:20:16 ID:o4zYW0No [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
そもそもルリが意識不明になるのはもっと未来の話なのに何故いま不幸が連続してるのか。とか、セレビィが時渡りする度に回復してる設定結局なんやったん。とか、ごっこ遊びで呪い回避出来るなら占い外れてんじゃねぇか。とか、結局キョウヘイは何しに過去に来たんですか?とか、任意のタイミングで過去に来られるのに何故タキシードは置いて来たんですか?そもそもドレスとキョウヘイの到着のタイムラグ何だったんですか?とか、なんで未来キョウヘイはルリに手荒な真似したんですか?とか。これから回収されるであろう謎要素が山積みだ。期待
 ▼ 43 ミカルゲ@みっけポン 23/07/11 07:28:25 ID:o4zYW0No [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>42
あと未来キョウヘイが言ってた「まだ試してないいくつかの方法」の内容か。マジで盛りだくさんだな

嫌味とか皮肉じゃなく本当に期待してます。念の為
 ▼ 44 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/12 02:08:30 ID:b9lgCPSo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜ヒオウギシティ〜

ヒュウ「なあキョウヘイ……オマエもうルリちゃんと付き合ってたのか?」

キョウヘイ「え?付き合ってないけど」

ヒュウ「は?」

キョウヘイ「そもそもなんでいきなりそんな話が出てくるのさ。」

ヒュウ「なんでも何もこの前2人で弁当食べてただろ。『あ〜ん』とか言いながら食べさせ合ったりさ。あれが恋人じゃなかったら何なんだ?」

キョウヘイ「うーん……夫婦?」

ヒュウ「……流石に意味わかってて言ってるんだよな?」

キョウヘイ「うん。」

ヒュウ「まあ……オマエって色々すげーからさ。恋愛方面もすごいってことにしておくぜ……」

キョウヘイ「そりゃどうも」
 ▼ 45 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/13 03:13:54 ID:0OF.I8Ug NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
数日後……



占い師「いらっしゃ……お、この前の人。」

ルリ「は、はい。また来ちゃいました……あはは」

ルリ「お仕事と恋愛について占ってほしいんですけど……2回分出すので。」

占い師「……ぼったくってるつもりもないですけど安くもないのに躊躇ないっすね。ともかく了解です。期間指定はありますか?」

ルリ「いえ、特に……」

占い師「それじゃあ仕事の方から……むむむ……ライバルに注意すべし。アイドルとしての技量を更に磨いて……ってお客さんアイドルだったんですね。」

ルリ「あ、まあ、はは……あはは……」

占い師「それで恋愛の方は……身近な人間の呪いに注意せよ?」

ルリ「のっ呪い!?しかも身近って一体誰が……」

占い師「……あ、えっとこれはその……」




???「うわぁぁぁぁっ!?」ドシーン‼


ルリ・占い師「!?」


後方で突然の大きな音。

慌てて振り返るとルリにはどうも見覚えのある青年が居た。


キョウヘイ(大人)「あー……初めまして?」

ルリ「いえ、初めてではないですけど……」

キョウヘイ(大人)「え?」

占い師「な、なな何が……というか誰ですかっ!?」

ルリ「ちょ、ちょっと知り合いなので話してきますね!お題置いておくので!ありがとうございましたー!」

バタン



占い師「ほへぇ……」
 ▼ 46 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/17 01:17:24 ID:I97kthSo [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「初めましてじゃないって……それはつまり、俺はこの世界に一度来てるってことなんだよね。」

ルリ「はい。ほんの数週間前です。」

キョウヘイ(大人)「前に俺が来たとき何したかって覚えてる?」

ルリ「え、えっと……ウェディングドレスを持ってきて、写真を撮るって言ってて……」

キョウヘイ(大人)「なるほどあのときの……だけどどうしてまたここに来たんだろう。ただの偶然か、それともまだ何かやるべきことでもあるのか……?」

ルリ「やるべきこと……?」

キョウヘイ(大人)「まあ……もしかすると、ってだけだけどね。何か最近困ってない?」

ルリ「そうですね、最近ちょっと不運と言ったらいいのかな……危ない目に遭うことが多かったんです。だけど結婚すれば大丈夫って占いで言われて、本当にしたわけじゃないですけどキョウヘイくんとしたら収まって……」

キョウヘイ(大人)「……え?うん?何それ?」

ルリ「……わたしたちもよくわかってないんです、あはは……でも本当に危なかったのでキョウヘイくんには助けられちゃったかな。」

キョウヘイ(大人)「うーん……でも解決は一応してるわけか。」

ルリ「それなんですけど……さっきまた占ってもらったら呪いに気をつけたほうがいいって言われたんです。……信じすぎるのもよくないかもしれないですけど。」

キョウヘイ(大人)「呪いか。それなら……出てきてくれルカリオ。」

ルカリオ「わん」

キョウヘイ(大人)「少しじっとしててくれルリちゃん。そんなに時間はかからないと思う。」


ルカリオはルリの額に手を当て、何やら集中し始めた……


ルリ「……これは何をしているんですか?」

キョウヘイ(大人)「ルカリオは誰かの思念を読み取れる。もし呪われているなら多分その相手も……」

ルカリオ「くわん!」

キョウヘイ(大人)「……見つけたみたいだ。どうやらあの方向らしい。」

ルリ「でもあれって占いのお店ですよね?」

キョウヘイ(大人)「直線上の別の場所なんだと思う。少し移動すれば……」

ルカリオ「わん!わん!」

キョウヘイ(大人)「……この建物なのか?本当に?」

ルリ「な、何かの間違いだと思うんですけど……」

キョウヘイ(大人)「まあ、あれだ……他に誰か忍び込んでるとかかもしれないし……」

ルリ「そ、そうですよね……」
 ▼ 47 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/17 01:28:34 ID:I97kthSo [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
占い師「あ、あれ?忘れ物ですか?」

ルリ「そういうわけではないんですけど……ごめんなさい、少し失礼しますね。」

キョウヘイ(大人)「どうだルカリオ。」

ルカリオ「くわんぬ!」ビシッ

キョウヘイ(大人)「……この人らしいんだけど」

ルリ「そ、そんな……!だけどこの人は普通に占いをしてるだけだし、わたしも恨まれるようなこと……」

ルリ(……もしかして、ルッコとしてのわたしが何か……?知らない間に誰かを傷つけてしまったなんて、そんな……)


キョウヘイ(大人)「あのー……お姉さん、あなたルリちゃんに何か恨みでもあります?」

占い師「えっ!?」

ルリ「ちょ、ちょっとキョウヘイさん!?いきなりそんな聞き方は……」

キョウヘイ(大人)「悪いけど俺は俺のポケモンを信じてるからさ。今は任せて欲しい。」

ルリ「……。」

占い師「う、恨んでるなんてそんなこと……このお客さんとは最近会ったばかりですし」

キョウヘイ(大人)「なるほどさっき話してたのはあなたのことか。占いはどうだったのルリちゃん。」

ルリ「え……前に占ってもらったときはその通りだったし、キョウヘイくんも腕はいいって言ってました。」

キョウヘイ(大人)「ふむ……占い師さん、ちょっといいですか。」

占い師「はっはい!?何でしょう!?」

キョウヘイ(大人)「この人の波動も見てくれルカリオ。……痛い思いはさせないので失礼しますね」

ルカリオ「……。」


ルカリオが占い師の手に触れ、しばらく経つとルリと占い師を結ぶ光の糸が現れた。

結ぶ、といっても体を縛るように巻き付いているそれはどうにも嫌なものを感じさせる。


キョウヘイ(大人)「ルカリオ、断ち切れ!」

ルカリオ「くわんぬ!」ズバッ


占い師「糸が……こ、これは一体……?」

ルリ「……なんだか体が軽くなったような……」
 ▼ 48 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/17 01:41:14 ID:I97kthSo [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「とりあえずやれることはやったよ。これで多分大丈夫。」

ルリ「あ、ありがとうございます。結局呪いだったんですか?」

キョウヘイ(大人)「一応ね。でも無自覚だったと思うよ。」

ルリ「無自覚の呪い?」

キョウヘイ(大人)「うん。占い師さん、何か心当たりない?」

占い師「こ、心当たりっすか……?うーん……」

キョウヘイ(大人)「ルリちゃん本人のことでないならキョウヘイのこととか、テレビのアイドルのこととか。」

占い師「……キョウヘイ……キョウヘイさんのことなら……まあ」

ルリ「!」

占い師「ウチ……初めてあの人占ったとき、すっごい未来を見たというか。あの人大成するっていうの知ったんです。能力だけじゃなくて男としても魅力的に……」

占い師「でも……あの人はどうやっても他の人と結婚するみたいで。それがちょっと気に入らないと思って適当な恨み言を吐いたような気がするんです。」

ルリ「……どんな?」

占い師「どうせ他の女と結婚するならそれまで苦労しやがれー!……って……」

キョウヘイ(大人)「それがどういうわけか相手の方に行って……簡易的なものだからなのかそれっぽいことだけでもどうにかなった、とかなのかな。よくわかんないけど。」

占い師「……お客さん、キョウヘイさんの未来のおヨメさんだったんですか。」

ルリ「え!?ど、どうなんでしょうか……?あ、あはは……///」

占い師「とにかく、ウチが無意識のうちにひどいことしてたんですね。本当にごめんなさい。」

ルリ「い、いえ。別に悪気があったわけではないんですし。」

キョウヘイ(大人)「……無自覚の恨み言だけで人を呪えるってある意味すごくない?占いも当たりまくるってそれもう超能力者だったりしませんか……?」

占い師「さあ?めっちゃ占い当たるな〜としか思ったことなかったんですよね。」
 ▼ 49 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/17 01:48:41 ID:I97kthSo [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
占い師「そうだったんですね。それならこれからマジシャンやるのも……あ、とりあえずのお詫びとして占いましょうか?それぐらいしかできることがないだけですけど……」

ルリ「そ、そこまでしていただかなくても……」

キョウヘイ(大人)「……1つルリちゃんのことで占って欲しいんですけど、いいですか?」

占い師「もちろん。」

キョウヘイ(大人)「ルリちゃんが18歳のときの7月……大きな事故が起きるかもしれなくてね。今のでその未来は変わったんでしょうか?」

占い師「……むむむむむ……元がその未来なら……多分、変わってないみたいですね。」

キョウヘイ(大人)「呪いとか関係なく最初から起きるってことか……」

ルリ「……事故を避けることはできないんですか?」

占い師「大丈夫っす。よーく気をつけていれば大事にはならないみたいですよ。」

キョウヘイ(大人)「……そうですか。ありがとうございます。」

ルリ「ありがとうございました。」

占い師「……よければまた来てくださいね。無理にとは言わないというかウチが悪いんですけど……」

ルリ「いえ……また来ます。お仕事、お互い頑張りましょうね!」
 ▼ 50 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/17 02:31:40 ID:I97kthSo [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「……これで一件落着、かな。まったくこの時代の俺は何やってるんだか。」

ルリ「キョウヘイくんも色々忙しい時があるんです。……自分のことですし、覚えてたりしないんですか?」

キョウヘイ(大人)「俺の生きてきた世界だとあんな占い師に会った覚えはなかったからなぁ。俺が未来から来たことで変わったものの1つなんじゃないかな。」

ルリ「そういえばまたこの世界とか言ってましたよね。……ええっと、うまく言葉にしづらいんですけど、何と言ったらいいのか……」

キョウヘイ(大人)「ああ……なんとなくはわかるよ。何度もタイムスリップしてきたけど前にも俺と会ったなんて言われたことはなかったからさ。毎回0からやり直し?うーん……俺も全部わかってるわけじゃないから説明難しいや。」



キョウヘイ「おーいルリちゃ……ん?」

ルリ「あっキョウヘイくん!どうしたの?」

キョウヘイ「偶然見かけたからお昼を一緒にと思ったんだけど……また来たんですね、未来の俺。」

キョウヘイ(大人)「また来ちゃったよ。大丈夫、そろそろ帰ると思うからさ。やるべきことは終わった。」

キョウヘイ「……?」

キョウヘイ(大人)「なあキョウヘイ。」

キョウヘイ「……。」

キョウヘイ(大人)「ルリちゃんが18歳になった年の7月はルリちゃんのこと死ぬ気で守れ。そうすれば未来は変わる。」

キョウヘイ「嫌だ。死んだらルリちゃんのこと守れないし。」

キョウヘイ(大人)「……そうだな、それで頼む。」

ルリ「あ、あの!」

キョウヘイ(大人)「うん?」

ルリ「未来のわたし……まだ目を醒ましませんか?」

キョウヘイ(大人)「……残念ながら相変わらずだ。」

ルリ「占いで言ってましたけど……事故は結婚のせいとかじゃなく起きるものみたいですし、その……キョ、キョウヘイさんは悪くないっていうか」

ルリ「わたしはキョウヘイさんが来たお陰で未来が変わるかもしれなくって……だ、だから!いつか……いつかはきっと、未来のわたしも同じように……」


ポン、と音を立てながら大人のキョウヘイが手をルリの帽子に乗せる。

帽子越しに軽く撫でるような動作をしながら呟いた。


キョウヘイ(大人)「大丈夫。……ありがとう。俺も君たちと同じぐらい幸せになってみせるよ。」

ルリ「こちらこそ、ありがとうございます。」

キョウヘイ(大人)「じゃあね。2人共元気で。」


2人が瞬きをしたその次の瞬間、目の前の人間はいなくなっていた。
 ▼ 51 フワンテ@しっぽのくんせい 23/07/17 02:38:26 ID:d0f2l.ik NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 52 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/17 02:58:37 ID:I97kthSo [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリ「……また未来に帰ったのかな。」

キョウヘイ「そうなんじゃない?二度と来なくていいけど。」

ルリ「ちょっと、そんな言い方……キョウヘイくん、怒ってる?」

キョウヘイ「怒ってない。」

ルリ「そ、それならいいんだけど……」

ルリ(声の感じはどう聞いても……でもこれ以上しつこくするのもよくないよね。)

キョウヘイ「……あのさ」

ルリ「?」

キョウヘイ「頭撫でていい?」

ルリ「へっ……!?///」

キョウヘイ「……夫婦ならそれぐらいすると思うしさ」

ルリ「ちょっちょっと待って!いきなりどうしたのキョウヘイくん!?///」

キョウヘイ「別に、何も……」


ルリ「な、撫でるのは……いいけど……///」
 ▼ 53 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/19 01:32:07 ID:TYlUOR3. [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その言葉に応えるように近づき、手を伸ばしてルリの帽子を撫でるキョウヘイ。

しばしの間至福の時間を味わうルリだったが、想像より早く手が止まってしまった。



ルリ「……お、終わり?」

キョウヘイ「えっ?あ、その……目が合うとちょっと恥ずかしいっていうか、もっとさっきの奴みたいにというか……」

キョウヘイ「へ、変なこと頼んでごめん。」

ルリ「謝ることじゃないよ。わたしは……う、嬉しかったし……/// それよりご飯食べに行こうよ。あんまり外にいると暑いし。」

キョウヘイ「そうだね。」




キョウヘイ「……もっと背が高くなったらなぁ」

ルリ「どうして?」

キョウヘイ「どうしてっていうか高かったらその分いいと思うんだよね。」

ルリ「まだ気にしてるの?……あ、それとも」

キョウヘイ「……どうしたの、その顔。なんか変なのついてる?」

ルリ「未来の自分に嫉妬したのかな〜って。」

キョウヘイ「ま、まさかぁ。あんなダサいのに嫉妬とか……背が高くなったらモテるなって思っただけだよ。」

ルリ「……そうかな、そんな必要ないと思うけど……」

キョウヘイ「必要ないってどういうことさ……確かに俺がモテてもルリちゃんには関係ないけどさ……」

ルリ「か、関係あるよ!」


ルリ「……み、未来のお嫁さんがいるのにこれ以上モテる必要なんてないと思うんだけどなぁ……///」(小声)

キョウヘイ「何か言った?」

ルリ「な、なにも!独り言だよ、あはは……///」
 ▼ 54 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/19 02:10:03 ID:TYlUOR3. [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ルリ「そ、それにしても……未来のキョウヘイくん……わたしたちを助けに来てくれたキョウヘイさん、大丈夫なのかな。」

キョウヘイ「大丈夫なんじゃない?というか助けに来たわけじゃなかったと思うしさ。」

ルリ「あはは……そういえばそうだったね」

キョウヘイ「それにルリちゃんが応援してくれたんだ。俺なら頑張れるよ。」

ルリ「それならいいんだけど……でも、もしも……どんなに頑張ってもダメだとしたら?わたしたちだってキョウヘイさんが来なかったら事故のことなんて知らなかったし。」

キョウヘイ「それは……」

ルリ「だからわたし……できることならキョウヘイさんを助けたいな〜って。あ、だけどそれだとわたしを助けないと……そもそも時間を移動できないとだよね。」

ルリ「……うん。ごめんね、変なこと言って。」

キョウヘイ「……新婚旅行はジョウトでセレビィ探しでもしようか。」

ルリ「あはは。確かに助けにいくにはそれが1番……」

ルリ「……えっ?」




ルリ「い、今新婚旅行って言ったよね……?///」

キョウヘイ「……ルリちゃんにその気がなかったのなら……ごめん。でも俺は……///」

ルリ「ちょ、ちょっと待って!まだ心の準備が……///」

キョウヘイ「準備も何も未来の俺が来たせいで色々順番目茶苦茶なんだよもう!だから……そうなっちゃったならさ、もう流れに身を任せちゃえばいいんじゃないかなって。」

キョウヘイ「……でもこう、ぬるっとしたまま関係が進むのもやっぱり納得いかないしさ。けじめはつけたいんだ。……いい?」

ルリ「……うん」
 ▼ 55 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/19 02:27:03 ID:TYlUOR3. [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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キョウヘイ(大人)「うぅ……ん……?」


目を開けて飛び込んできたのは青空。

おまけに体のあちこちが痛い。


キョウヘイ(大人)(帰りの転送位置が悪かったのか……)

キョウヘイ(大人)「ったく……痛いな……」


セレビィ「やぁお目覚めかい?」

キョウヘイ(大人)「……まあね。なるほどテレパシーか。」

セレビィ「……驚かないのかい?」

キョウヘイ(大人)「頻繁でもないけど珍しくもないからね。わざわざ話しかけてきたってことは何かあるんだよね?」

セレビィ「そうだ。僕は完全に力を取り戻せた。君のおかげだ。」

キョウヘイ(大人)「そりゃどうも。やっぱり回復してたのか。力を使ってるのに回復するなんて不思議な整体してるんだね。」

セレビィ「君の思念や記憶から適当な時間に飛んでもらった。制御を考えなければ楽だからね。時渡りは飛ぶときにエネルギーが発生するから適当に何か飛ばし続けるのが楽なんだ。」

キョウヘイ(大人)「だったら俺を選ぶ必要あった?」

セレビィ「大アリさ!未来はより良い方向に変えなくちゃならないからね。石ころ送るより君を送ったほうが有益だろ?」

キョウヘイ(大人)「……俺の周りは何も変わらないのに?」

セレビィ「そりゃ君、君の周りを大きく変えたら今の時間軸の君が消えることになるからね。そういうことしようとすると別の世界になるんじゃないかい。」

キョウヘイ(大人)「たとえ俺が消えても、ルリちゃんが無事なら……」

セレビィ「はぁ〜……だからさ、そういうことするとそもそも事故に遭ってない世界ができるだけで君と一緒にいたその子は結局何も変わらないんだよ。」

セレビィ「過去の君の運命は未来の君自身じゃ改変出来ないんだ。そういうきまりなの!」

キョウヘイ(大人)「……なら結局全部無意味だったんだね」

セレビィ「そんなことないさ。君はたくさんの他の世界の君を救ったじゃないか。」




キョウヘイ(大人)「だから何さ。俺のルリちゃんを救えないなら何の意味もないってのに……!」
 ▼ 56 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/19 02:41:45 ID:TYlUOR3. [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
セレビィ「……そうかい。それは残念だったね。」

セレビィ「では僕はまた別の時代に行くよ。バイバイ。」




キョウヘイ(大人)「……消えたか」


いつものように病院へと向かう。今日は怪我のせいで一段と足取りが重い。


キョウヘイ(大人)(他の世界の俺を救った、ね……どうだか。確かにさっきの世界なんかはそうかもしれないけど、無理矢理別れさせようとしたり出会わなかったことにしようとしたりしてぶん殴られたこととかもあったし……)

キョウヘイ(大人)(それでも……言ったからには頑張らないとな。幸せになってみせるって言ったんだから。)


ドンッ


キョウヘイ(大人)「あ、すみません。」

???「いえ、わたしこそ……」



ぶつかった相手から聞こえてきたのは聞き慣れた声。

よく見ると髪の色も、顔立ちもよく見たことがある。

しかし見慣れない点が1つ。タイムスリップするたび何度もその人を見てきたけれど、その見た目で出会ったことはなかった。



キョウヘイ(大人)「……そんな、まさか。夢をみているんじゃないか……はは」

ルリ「……半分そうかもしれないね。」
 ▼ 57 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/19 02:59:36 ID:TYlUOR3. [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キョウヘイ(大人)「……半分夢ってどういうこと?」

ルリ「そ、そうだった、説明しないと……ええっと、キョウヘイとわたしは一緒にセレビィの力でタイムスリップしたの。キョウヘイさんを助けたいって言ったらわたしたちに協力してくれて……」

ルリ「キョウヘイはあなたの過去に飛びました。この世界のわたしを助けるために。と言ってもあまり大きく変えるわけにはいかなかったんだけど。」

キョウヘイ(大人)「……それで、ルリちゃんは」

ルリ「わたしは……ただそのことを伝えに来ただけで。それと、お礼を言いたくて。改めて……わたしたちのことを助けてくれてありがとうございました。」

ルリ「あ、それともう1つ。昔にジューンブライドについて説明したと思ったんだけど、訂正があって。」

キョウヘイ(大人)「はぁ」

ルリ「あれってブライダル業界が6月にあまりお客さんが来ないから打ち出したって話もあって……で、でもちゃんとした話もあるんだよ?……じゃなくて」


ルリ「わたしたち、結局6月に結婚はしなかったけど幸せです。わたしたちにとってのジューンブライドは……実際にするものじゃなく、わたしたちの距離を縮めてくれた言葉だと思う……かな。」

ルリ「あなたにとってもきっと……そうなると思う。目覚めたらすぐプロポーズしてあげてくださいね。きっと待ってるから。」


そう言うと彼女は走り出し、そのままどこかへ消えてしまった。


キョウヘイ(大人)(……半分夢っていうか、全部夢みたいだったな)

キョウヘイ(大人)(そもそも半分夢みたいなものってわざわざ自分で言うかなあ……?俺がタイムスリップしてたのは知ってたみたいだし、信じがたいことではあるけどさ……)

キョウヘイ(大人)(そういえば……左手薬指、指輪着けてた気がする。)


キョウヘイ(大人)「半分が夢なら……つまり残り半分は……なんてね。」




ティロリロリンティロリロリン♪ティロリロリンティロリロリン♪


キョウヘイ(大人)「は、はい。キョウヘイで……」

『きょ、キョウヘイ兄さん!姉さんが……姉さんが目を醒ましたんです!目覚めないだろうって言われてたのに……あ、できることならすぐ病院に……』

キョウヘイ(大人)「わ、わかった!すぐ行く!」

ピッ





キョウヘイ(大人)「……感謝しないとな、色々……」
 ▼ 58 まちっど◆.jJQDDIcAM 23/07/19 03:39:20 ID:TYlUOR3. [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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ルリ「ふぅ……キョウヘイもお疲れ様、付き合ってくれてありがとうね。」

キョウヘイ「どういたしまして。これでどうにかなったならいいんだけど。……それにしても不思議なんだけどさ。」

ルリ「何?」

キョウヘイ「どうして新婚旅行でも結婚記念日でもないタイミングでジョウトに来たいなんて言ったんだい?理由は後で教えるって言ってたけど。」

ルリ「それは今日がジューンブライド記念日だからだよ。」

キョウヘイ「ジューンブライド記念日?」

ルリ「そう。わたしとキョウヘイくんのながーいお付き合いのきっかけになるジューンブライドの話が出た日だから。」

キョウヘイ「……落とし物記念日と観覧車記念日はまだ納得できたけどそれも記念日なの?」

ルリ「当たり前だよ!もう……わたしにとっては今でも大切な言葉なのに。」

キョウヘイ「ごめんごめん。」

ルリ「罰としてキョウヘイにはまたプロポーズ10回やってもらうからね。……最近は恥じらいが足りてないからそれも頑張ってね。」

キョウヘイ「そ、そこまでジューンブライドに思い入れが……!?」




ルリ(……ごめんねキョウヘイ。ちょっとやりすぎかな、とわたしも思うけど)

ルリ(だけど……あの質問がなかったら、って時々思って……愛おしくなったり、怖くなったり。だから大切にしたいの。)



ルリ「ジューンブライドって言葉はわたしにとって宝物なんだから。来年からはよく覚えとかないとダメだよ?あはは……」



【SS】キョウヘイ「ねえルリちゃん、ジューンブライドって何?」 ルリ「ジューンブライド?」
完
 ▼ 59 タマタマ@ねばりだま 23/07/19 03:54:44 ID:iQVM5Cxw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白かったです!
乙
 ▼ 60 ナマケロ@ドラメシヤのこな 23/07/19 04:00:10 ID:Brwkm3Qk NGネーム登録 NGID登録 報告
乙 
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