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SS

【SS】雪山の黒い粘体

 ▼ 1 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 18:56:47 ID:Jg8PyQPY [1/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
『お久しぶりです、皆は元気にしてますか?僕は元気にやってます。
最近、テンガン山の上に新しく住居を作りました。眺めも良くて食料にも困りません。
折角なので明日、家でパーティーでもしませんか?
待ってます、メタモンより』
 ▼ 22 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 19:45:00 ID:Jg8PyQPY [2/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんな二匹に堪らず仲裁に入るリーフィア。かくいう彼女は未だに現実を受け入れられてはいない。


リーフィア「ほ、ほら、メタモンのドッキリだったりは……」

キリンリキ「それは無いんだ。そもそも……メタモンは目の前にいるポケモンにしか化けられない。そして、……目を変えられないんだ。あれは……あの目は、メタモンじゃない」


キリンリキは言った。顔はやっぱり青ざめていて、苦悶の表情が張り付いていた。
 ▼ 23 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:34:12 ID:Jg8PyQPY [3/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネイティオ「……食事にしようか」

バネブー「うん、そうだね」


ネイティオはそう言った。そして彼らはキリンリキと話した玄関口から、廊下の奥の広間へと集まった。昨日の賑やかな宴会とはうってかわり、今の状況は正しく葬式であった。
棚にあったブリーのみや、ナナのみを黙々と食べる面々。
だが食欲も沸かず、直ぐに食事は切り上げた。
 ▼ 24 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:34:51 ID:Jg8PyQPY [4/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
キリンリキ「……寝ようか」

バネブー「……うん、そうだね」

コノハナ「チッ……ああ。外に出られない以上無駄に消耗出来ないしな」

ネイティオ「ああ。今は体温も大切だ、固まって寝ようか」

コノハナ「……」

キリンリキ「仕方無いな……」

リーフィア「……おやすみ」


そして、彼らは黒い化け物に怯えながら眠りについた。
寒さは巣の中を占め、怯える五匹は悪夢にうなされた。
 ▼ 25 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:35:12 ID:Jg8PyQPY [5/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


そして、長い時間が経って、日が登り、朝になった。
先に目覚めたリーフィアは、少し逡巡した後に、全員を起こす事にした。


リーフィア「……起きて」チョンチョン

バネブー「ん? ……ああ、おはよう」

リーフィア「おはよう……皆、無事?」

ネイティオ「……私はここにいる」

コノハナ「……キリンリキが居ないぞ?」


彼らは辺りを見回した。寝る前にはいたはずのキリンリキは、跡形もなく消えていた。
 ▼ 26 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:35:46 ID:Jg8PyQPY [6/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼らはキリンリキを探して家の中を歩いていた。もしかするとあの、彼の言っていた黒い粘体状の化け物に襲われたのではないかと、どこか恐々としていた。
そして、暫くすると、整った廊下にへばりついた、青黒い染みがあるのを発見した。


ネイティオ「何だ……?」

バネブー「……足、跡?」

コノハナ「あの、あいつが粘体とか言っていた奴の?」

リーフィア「きっと、きっとそうよ!!」
 ▼ 27 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:38:13 ID:Jg8PyQPY [7/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
黒く太く乱雑に引かれたその不気味な線は、黒い粘体の化け物の足跡なのではないかと、彼らは推測した。
足跡をさらに見つめ、辿っていくバネブー。


ネイティオ「なんと言うことだ……」ガタガタ

コノハナ「あ……ああ……、まさか、本当だったのか……!?」ブルブル

リーフィア「」ピクピク
 ▼ 28 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:39:27 ID:Jg8PyQPY [8/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
これらはメタモンを食らった粘体状の化け物の足跡であり、つまり、化け物がキリンリキを襲って引きずり出したのだと、三匹は考え、震えていた。
しかしバネブーは、尚も足跡を見つめていた。


バネブー「……?」


そして、気づいた。


バネブー「……待って」

三匹「?」

バネブー「この足跡……途切れてる」


バネブーは玄関口を示した。黒い染みは入口付近で途切れていた。
 ▼ 29 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:40:20 ID:Jg8PyQPY [9/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「もし粘体の化け物が襲ってきたなら……途切れるなんて、おかしくない?」

リーフィア「!!」


そうだ。もしも粘体状の化け物が侵入してきたなら、その体は重力に引かれ、途切れる事はまず有り得ない。現に、粘体状のポケモンであるマグカルゴもマルノームも、地に足をいつもつけている。普通跳ねたりはしないし、跳ねても遠くへは跳べないだろう。
 ▼ 30 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:40:42 ID:Jg8PyQPY [10/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コノハナ「つ、つまり此れは誰かがやったって事か!?」

バネブー「まだそうとは言ってない。でも、あまり怯え過ぎないd

リーフィア「コノハナ、貴方が殺ったのね!?」


突然リーフィアはそう言った。その顔には怒りと、少しの優越感が入っていた。
疑いを向けられたコノハナは、顔色を変えて、黒い乳首を震わせながらリーフィアに怒鳴り返す。
 ▼ 31 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:41:57 ID:Jg8PyQPY [11/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コノハナ「あ!? どうしてそうなった!!」

リーフィア「貴方昨日キリンリキに土下座させてたじゃない!! その勢いで、貴方がキリンリキを……!!」

コノハナ「はーあ!? だったらお前が殺ったかも知れねえだろ!?」

リーフィア「何でそうなるのよ!!」

ネイティオ「まあまあ落ち着けよ……」

コノハナ「いや、この状況で落ち着いてられるか!!」


コノハナはそう叫んだ。ここにいる全員、死ぬかもしれないストレスでピリピリしていた。
コノハナはさらに、こう喚いた。
 ▼ 32 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:42:17 ID:Jg8PyQPY [12/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
コノハナ「こんな、殺しを行うような奴がいる部屋に居られるか!! 俺は部屋に戻る!!」

バネブー「!?」

コノハナ「リーフィア、お前が殺ったんだろ? そして俺に罪を擦り付ける積もりなんだよな!? そうは行かない!!」


そして足音を立てながら、コノハナは広間から立ち去った。リーフィアはその反応に慌てて、何をすることも出来ず、ただおろおろとしていた。
 ▼ 33 ャース@がんせきプレート 16/09/10 20:55:25 ID:Bfp8ugN2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 34 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:56:09 ID:Jg8PyQPY [13/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーフィア「え、これ……私、私は……そんな……」

バネブー「リーフィア……」

リーフィア「わ、私も部屋に戻る!!」ダッ


その雰囲気に耐えきれなくなったのか、リーフィアも広間から逃げ出した。無駄に広い空間に、ネイティオとバネブーのみが残された。
 ▼ 35 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:56:34 ID:Jg8PyQPY [14/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネイティオ「……取り合えず、ここから、この巣のある雪山から逃げる必要があるな……犯人とか化け物とかはその次だ」

バネブー「分かってるさ……でも、どうやって逃げようって言うんだい? 少なくとも、外がまだ吹雪いている以上、リーフィア、コノハナ、そして君は外に出られない。そして僕は雪の上だと跳ねられない」

ネイティオ「……すると、吹雪が止むまでもう数日ここで待て、と? ……流石に無茶だ。食料も無いと言うのに」


そんな会話が暫く続いた。話題は堂々巡りを続け、解決の糸口は見つかりそうに無かった。
ネイティオの顔に、幾つもの深い皺が寄る。
 ▼ 36 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:57:18 ID:Jg8PyQPY [15/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネイティオ「……トイレ行ってくる」

バネブー「……分かった、気を付けて」


ネイティオはその場を離れた。広い部屋にバネブーはただ一人残された。


バネブー「うう……」


バネブーは暫く震えていた。何時襲いかかって来るか分からない化け物に、怯えていたのだ。
彼は小刻みに跳びながら、ネイティオが無事に帰ってくることを祈っていた。
リーフィアもコノハナも、まだ出てこない。


バネブー「どうして、こうなっちゃったのかな……」
 ▼ 37 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 20:58:01 ID:Jg8PyQPY [16/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼は思いを巡らせた。ここに来たときの事、メタモンが消えたこと、キリンリキの話、キリンリキの失踪、謎の足跡、リーフィアの疑い、コノハナの怒り、そしてネイティオとの会話。
どうしてこうなって、どうすれば良いのか、バネブーは必死に考えていた。
小一時間程しただろうか。


ネイティオ「……今戻った」

バネブー「遅かったね……大丈夫だった?」

ネイティオ「私はな……だが、さっきコノハナの部屋に声をかけてみたんだが、返事が無かったんだ」

バネブー「……!!」
 ▼ 38 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:06:27 ID:Jg8PyQPY [17/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
トイレから戻ってきたネイティオは、コノハナの返事が無いことを伝えた。そして、彼の部屋に入ろうとしたら扉が歪んでいて、中に入れないとも伝えた。
それはつまり……バネブーの脳裏に最悪のビジョンが浮かぶ。


バネブー「……まさか、コノハナも……」

ネイティオ「……」


二人は黙りこくってしまった。バネブーの体が、そしてネイティオの乳首がピクピクと震える。
 ▼ 39 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:06:48 ID:Jg8PyQPY [18/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
   タッタッタッ

リーフィア「二人とも!!」

バネブー「リーフィア!! どうした!?」

リーフィア「いや……一匹でいるのが怖くなって」


リーフィアが部屋から出てきた。彼女の姿が確認できて、一応の安心を得るバネブー。
そしてネイティオは、リーフィアにもコノハナが返事しない事を伝えた。
 ▼ 40 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:13:24 ID:Jg8PyQPY [19/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
リーフィア「……そう……」


三匹はもう、動けなかった。粘体状の化け物の恐怖に巻き取られてしまったのかも知れない。
互いに身を寄せあい、体力を消耗しまいと眠りにつく。


リーフィア「zzz……うう……」

ネイティオ「……っ……zzz」

バネブー「……うっ……zzz」
 ▼ 41 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:13:50 ID:Jg8PyQPY [20/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……そして、夜が明けた。不安で良く眠ることも儘ならなかったバネブーは、一足早く目を覚ました。そして、隣で眠っていたはずの二匹を探した。
そして、ネイティオとリーフィアの存在を確認する。幸いにも、どちらも消えてはいなかった。


バネブー「良かった……?」

リーフィア「zzz……」

ネイティオ「……おはよう」

バネブー「ああ、おはよう……無事だったんだね」


ネイティオが目を覚ました。彼の顔も窶れて歪んでいて、酷く深い皺が刻まれていた。
 ▼ 42 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:14:11 ID:Jg8PyQPY [21/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ネイティオ「そうだな……おい、起きろ」

リーフィア「ふぇ?」


起きたその日も、三匹は動けなかった。食料ももう底を突き、これからの激しい運動は、後で自分を苦しめる事になるからだ。
一時間、また一時間と、恐怖の中で時は過ぎていく。
バネブーはずっと、考えていた。
 ▼ 43 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:14:49 ID:Jg8PyQPY [22/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……それから何時間たっただろうか。バネブーは二匹から離れた。


バネブー「……お腹痛い。ちょっと外のトイレ行ってくる」

リーフィア「大丈夫なの?」

ネイティオ「……ああ、着いていこうか?」

バネブー「いや、大丈夫だ。リーフィアに着いていてやってくれ」

ネイティオ「……分かった」


そしてバネブーは広間を後にし、今は家主の居ない巣の外にあるトイレに行った。大便をしようと、跳ねながら踏ん張る。
 ▼ 44 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:15:17 ID:Jg8PyQPY [23/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「……どうすれば、良いんだ? 何をすれば……いや、あれは……」


大便をしながら、やはりバネブーは必死に考えていた。黒い化け物は何だったのか、ここから出るにはどうするか。
そして、考えながら踏ん張った彼の元に、ある閃きが舞い降りた……!!


バネブー「……まさかっ!!」
 ▼ 45 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:16:04 ID:Jg8PyQPY [24/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブーの頭を、様々な出来事が駆け巡る。黒い粘体、崩された道、奴の足跡、震える乳首、コノハナの部屋、皺を寄せるネイティオ、消えていく旧友、。そして、それは一つとなって、答えを導きだした!!


バネブー「そうか……この謎、飛び越えた!!」
 ▼ 46 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:16:32 ID:Jg8PyQPY [25/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


リーフィア「あ、バネブー君!! 無事だったのね!!」

ネイティオ「遅かったじゃないか……心配したんだぞ」

バネブー「ごめん、ちょっと考え事してた」

リーフィア「それならこの中でやっていれば良いのに!! いつあの不気味な怪物が来るかと思うと……!!」
 ▼ 47 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:16:55 ID:Jg8PyQPY [26/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
その言葉には返事をせず、バネブーは二人を交互に見た。ネイティオが不思議そうな視線を返す。
そして、言った。


バネブー「……もう、怯える事は無いよ。 ……元々、怪物なんていなかったんだ」

リーフィア「え!? どういうこと……!?」

ネイティオ「まさか、そんな!?」

バネブー「ああ、道も崩れていない、黒い怪物もいない。 ……そうだろう、メタモン?」


バネブーは、そう言った。ネイティオの乳首……いや、目を見ながら。
 ▼ 48 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:19:47 ID:Jg8PyQPY [27/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネイティオ「……何を言ってるんだ?」

リーフィア「メタモン!? バネブー、もしかして」

バネブー「いや、ネイティオ、君はメタモンなんだ。それが真実なんだろ?」


相変わらず巣の中は冷えていた。
バネブーは二人に話を続ける。
 ▼ 49 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:20:51 ID:Jg8PyQPY [28/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「メタモン……そもそも君は死んでいない。君はまず、僕らの寝込みを狙って起き、キリンリキに変身した。そして催眠術か何かを使い、キ僕らを起こさないようにしてリンリキを運び出し、元々裏にあった崖に捨てた」

リーフィア「だから何を言って……

バネブー「そして君はキリンリキに成り済まして部屋に戻り、キリンリキとして振る舞った。僕らが外に出られなかったから、それを良いことに自分で外に出て、黒い粘体の化け物や、塞がれた道をでっち上げた」

ネイティオ「いやいや、まさか……


ネイティオは否定するが、それを無視してバネブーは続ける。
 ▼ 50 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:21:33 ID:Jg8PyQPY [29/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「その上で、今度はまた僕らを纏めて催眠にかけてから、コノハナを担ぎ出した。再び崖に赴き、キリンリキからコノハナに変身して、オリジナルのコノハナを投げ捨てた。そして戻ってきて、テーブル上のブリーのみを使って黒い化け物の存在を演出、それによってキリンリキが居なくなった事にした」


バネブーは尚も話し続ける。リーフィアはもう何も言えず、ネイティオも黙っていた。
 ▼ 51 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:22:15 ID:Jg8PyQPY [30/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「さらに、難癖をつけて部屋に閉じ籠り、ネイティオがトイレに行ったタイミングを見計らって彼を部屋に引きずり込んだ。そして、殺した。遺体は部屋に放置してあるんだろうね……そしてネイティオに変身して君は扉の外へ出た。そして扉を歪め、開けられなくしたんだ」

リーフィア「……」

バネブー「……合ってるかい?」


ネイティオはバネブーの目を見た。そして問った。
 ▼ 52 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:22:46 ID:Jg8PyQPY [31/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ネイティオ「成程ね、それなら確かに私はメタモンと言えるかも知れない。でも君は忘れている。メタモンは……目を変えられない」


そう、それはメタモンの変身の欠点、目の形は変えられない。それのせいで、メタモンは何時も見破られていた。
バネブーはそれを聞いて、尚も自信を見せていた。
 ▼ 53 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:23:10 ID:Jg8PyQPY [32/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「だから今、僕は君の目を見て話している。確かに目は変えられないだろう。だが、……目の位置は変えられるだろう?」

リーフィア「それは、つまり……!?」

バネブー「そうだよ、このネイティオの目は、胸元の乳首に有るんだ。コノハナのときはあの黒乳首に目をおいて、キリンリキの時には尻尾の方の顔に目を動かしていたんだよ」

ネイティオ「そんな、馬鹿げてる!!」


少し焦りを見せ出すネイティオ、それを見たバネブーは、ネイティオの胸元に息を吹き掛けた。
 ▼ 54 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:23:34 ID:Jg8PyQPY [33/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「……白状してよ」フッ

ネイティオ?「!!」ビクッ


ネイティオの胸元がぐにっと歪んだ。まるで目をつぶるように……いや、目をつぶったのだ。
それはつまり、ネイティオがメタモンであることの動かぬ証拠だった。
ネイティオの体がグニグニと歪み、体色はピンクになる。
 ▼ 55 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:23:55 ID:Jg8PyQPY [34/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「……ね?」

メタモン「……はは、よく気づいたね、僕の負けだよ」

リーフィア「そんな……なんで、そんな」

メタモン「特に理由は無いね、強いて言うなら君を怯えさせたかった」


メタモンは飄々とした風に、何事もなく言った。リーフィアは崩れ落ちる。
 ▼ 56 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:24:32 ID:Jg8PyQPY [35/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メタモン「やれやれ、まさか君にバレるとは……今晩で仕上げに君を消してから種明かししようと思ってたのに、意外だったよ。どうして気付いたんだい?」

バネブー「初めて疑いを持ったのは、今朝だよ。君がネイティオだった時だ。……顔が、酷く歪んでたろ?」

メタモン「あー……」

バネブー「普通はあんなにはならないからね、そこから疑問を抱いたんだ。そう考えると、震えていた乳首とか、こっち向いていた尻尾だとか、あまりに現実離れした怪物だとかにも説明が着いてきて、その説明が、君が殺ったんだって事だった……それだけさ」

メタモン「へぇ……僕のミスって訳だ……うん。 で、どうする? 僕を捕まえるかい?」


そう言いながら、メタモンは此方を見つめた。どこかにやけているようにも見えた。
バネブーは睨む事も出来ず、答えた。
 ▼ 57 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:25:16 ID:Jg8PyQPY [36/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
バネブー「捕まえるって、言ったら?」

メタモン「言ったら? 僕だって無駄な時間を過ごしたくは無い。その時は、抵抗させてもらうよ」

バネブー「そうか……そうだよね、そりゃそうだ」

メタモン「でもまあ僕は君に負けた。何もせずに出ていくなら、襲いはしないさ」


メタモンはそう言った。外の天気は、何時の間にやら晴れていた。
バネブーは、後方にいるリーフィアをちらとみた。彼女は未だに崩れ落ちていて、到底捕り物なんて出来そうには無かった。
 ▼ 58 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:25:48 ID:Jg8PyQPY [37/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
メタモン「うん、捕まえる気は無さそうだね。じゃあ僕は去らせて貰うよ。じゃあね、また縁が有ったら会おうじゃないか」

バネブー「!!」


バネブーが振り向いた時には、メタモンの姿は忽然と消えていた。
 ▼ 59 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:26:16 ID:Jg8PyQPY [38/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
彼らは下山した。あの雪山での事件は、バネブーの脳裏にこびりついて離れることは無かった。
粘体状の化け物を捕まえるまで、彼に真の安寧は無い。


【SS】雪山の黒い粘体 未完
 ▼ 60 イックサレンダー◆ZSQq537Gzc 16/09/10 21:27:21 ID:Jg8PyQPY [39/39] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

どうしてこうなった
気が向いたら続きます
 ▼ 61 エトル@ナモのみ 16/09/10 21:38:01 ID:aOeLOUjA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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