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SS

【初笑いSS】 サカキ「ん?あれはまさか……ムサシ!?」 【リメイク】

 ▼ 1 hC/EIQESNs 18/01/06 20:35:44 ID:RVSTS79M [1/6] NGネーム登録 NGID登録 報告



『トライポカロンマスタークラス・グロリオ大会』


『…………開幕です!』




仕事が一段落し、サカキは何気なくテレビを付けた。

目の前の大画面に映し出されたのは、鍵の形をした見知らぬポケモン。

カントー地方では見かけないポケモンだった。


『早速ご登場いただきましょう。選ばれしビューティフルな乙女たちです!』


その言葉通り、画面に次々と可愛い乙女たちが現れる。


サカキ「カロス地方にはこんな大会があったのか。」


サカキの部屋のテレビは、カントー地方放送はもちろん、 コジロウ達が出向いているカロス地方の放送も受信しているのだ。

サカキがつい乙女たちに見とれていると、明らかに乙女とは言い難い一人の女性が目に入った。

他の人とは違う怪しいオーラを漂わせている。

カロスクイーンが登場した後、画面が切り替わりトーナメント表へと移った。

その女性は 「ムサヴィ」と呼ばれた。


サカキ「ん?あれはまさか……ムサシ!?」

サカキ「この髪の色、そして名前。間違いない、ムサシだ !!」

サカキ「こ、これは見に行かねば!」


彼の行動は速かった。

受話器を取り、一言「ヘリを出せ」と発する。

3分後にはすでにグロリオシティへと空を移動していた。

 ▼ 2 クタス@たつじんのおび 18/01/06 20:39:20 ID:pYjkeIYk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
声はブライドだよなあ?
 ▼ 3 ガレックウザ@うみなりのスズ 18/01/06 20:39:42 ID:iQIdvxvo [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
読みにくい
 ▼ 4 hC/EIQESNs 18/01/06 20:42:49 ID:RVSTS79M [2/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
当SSはこちら(http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=721326
の企画に参加しております。

また、このSSは
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=280805
のリメイクとなっております。
 ▼ 5 hC/EIQESNs 18/01/06 20:43:32 ID:RVSTS79M [3/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

サカキ「それにしても、エルさん……美しい人だった。」

団員「サカキ様、何か言いましたか?」

サカキ「い、いや、大丈夫だ。」


ヘリコプターの中にもテレビが設置されており、サカキはそれを見ながら移動時間を過ごしていた。

運転は男のしたっぱに任せている。

その団員含めてたった二人で、サカキはカロス地方へと向かっている。


『第1グループ出場者は、パフォーマームサヴィ、ネネ、キャルです!』


サカキ「……いきなりか。」

サカキ「なんとしてでもムサシ、いやムサヴィには頑張ってもらおう。」


そう言うサカキの目にはキャルが映っている。

ムサヴィはパンプジンとのパフォーマンス。


サカキ「ほう……相手の邪魔をしつつ自分を魅せる。やるではないか。」


『審査に移ります!今回は会場の皆さんだけではありません。』

『テレビをご覧の皆様も審査員です。お手もとの端末のボタンをプッシュ!』


サカキ「むっ、端末を持っていないのが残念だな。」

サカキ「……よし、ムサヴィが勝ったな。当然だ。」

サカキ(キャルちゃん可愛いかったなあ。)


その後も、次々とステージを彩る乙女たちにサカキは魅了された。


団員「サカキ様、もうすぐカロス地方でございます。」


そう団員が告げたのは、3ステージ目が終わったところだった。

 ▼ 6 hC/EIQESNs 18/01/06 20:44:01 ID:RVSTS79M [4/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

会場に着くと一番後ろの席に座る。


団員「サカキ様、前でなくて良いのですか?」

サカキ「良い。ここはすぐ出る。それにあまり目立つのは良くない。」


『続く第4組目は……パフォーマーシン・ リー、セレナ、ミルフィだ!』


サカキ「!!」

サカキ(セレナたん……可愛すぎる!)


ロケット団のボスらしからぬニヤケた顔でステージを見つめる。

会場の入口で貰った投票機能付きのライトで、会場を盛り上げる一人の観客と化す。

いざ投票の時となると、サカキは迷わずライトをピンクにして掲げる。


『ネクストステージに進出したのは……。』

『パフォーマーセレナ!コングラッチュレーション!! 』


サカキ「……よし。」


サカキは第5組目のステージを見ようとそのまま座っていた。


団員「すぐに出るのではなかったのですか?」


見かねた団員がサカキに声を掛ける。

ようやくサカキは立ち上がり、名残惜しそうにステージを見ながら客席から離れた。

 ▼ 7 ーロット@あやしいおこう 18/01/06 20:44:03 ID:P6sjSarM NGネーム登録 NGID登録 報告
>>3
失礼だと思わないのかよ
 ▼ 8 hC/EIQESNs 18/01/06 20:44:26 ID:RVSTS79M [5/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

団員「で、どこへ行くのですか?」

サカキ「楽屋の方だ。裏へ回るんだ。」


サカキには考えがあった。ここでムサヴィを優勝させれば 、ロケット団の名を世に広められるのではないかと。


団員「なるほど、集計システムに細工をするんですね!?」

サカキ「ほう、中々鋭いではないか。」


受付に戻り、客席と反対の方にある舞台裏に続く廊下へと進む。

幸い受付の人は他の人の対応で追われ、サカキたちには気付かなかった。


団員「……サカキ様、係の人がいますが。」

サカキ「捕らえろ、邪魔だ。」


パフォーマーに順番を伝える進行係が廊下で待機していた。

ボスとしての威厳を取り戻し、団員に命令をする。

団員は直ちに係員を用意していた紐で縛ると、近くの物置部屋に放置した。


サカキ「よし、これでいい。後はお前が女装するだけだな 。」

団員「!?」

 ▼ 9 こまで◆UZmQFeyRkU 18/01/06 20:45:34 ID:RVSTS79M [6/6] NGネーム登録 NGID登録 報告

団員「え、そ、それはつまり……?」

サカキ「我々が居ることが知られてはまずい。かと言ってこのまま縛っていてはトライポカロンは進まない。後は分かるな?」

団員「……自分が係員に扮装するのですね。」

サカキ「そうだ。……ここが衣装部屋か、行くぞ。」


衣装は持ち込み自由だが、衣装部屋も設けられており、パフォーマーは自由に使うことができる。

派手なものから質素なもの、付け髪も多数用意されていた。

サカキは無難なズボンや、ショートヘアーのかつらを見つけてはどんどん団員に着させていく。

付けまつ毛、チークなどの化粧品も使い、団員を盛っていく。


サカキ「可愛いではないか。君は声も男にしては高い、良いぞ。」

サカキ(何気に私好みだ。)

団員(何故女の団員ではなく自分だったのでしょうか……)


団員は上手く係員に扮装した。

 ▼ 10 グマラシ@ドクZ 18/01/06 20:45:46 ID:iQIdvxvo [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>7
思わない
笑う笑えない以前に、ダラダラな文章が読む気を削ぐわ


と、個人の感想
 ▼ 11 ナップ@トレジャーメール 18/01/06 20:59:06 ID:fUAMI1IA NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 12 ァイアロー@いんせきのかけら 18/01/06 20:59:31 ID:DXNkaW1E NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
まあ、リメイクするほどの作品か?とは思う
 ▼ 13 グマッグ@ミュウツナイトX 18/01/06 21:03:51 ID:PsgpxRKU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
普通に笑うけどなぁ
サカキ様のイメージを崩すまいと頑張ってる
サカキに笑うわwww
支援
 ▼ 15 モルー@みどりのプレート 18/01/06 23:36:48 ID:6P8UymFc NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 16 hC/EIQESNs 18/01/07 23:39:05 ID:wBHloiv. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
申し訳ないのですが、しばらく更進できそうにありません。
企画期間内には必ず完結できますので、他の方のSSでも読んでお待ちください
 ▼ 17 hC/EIQESNs 18/01/29 18:42:58 ID:j2f2KEO2 [1/21] NGネーム登録 NGID登録 報告

団員「で、サカキ様は女装しなくて大丈夫なのですか?」

サカキ「上手く立ち回るから心配はいらない。これが係員が持っていた台本だ。頑張りたまえ。」


サカキは団員と分かれ廊下を進む。

開きかけたドアから光が漏れている。


サカキ(ここは何の部屋だ?)


足音を立てないように近付き、聞き耳を立てていると、女の子達の声が聴こえてきた。


『おめでとう、セレナ!私の分まで頑張ってよね!』

『………絶対カロスクイーンになりなさい よ!』


サカキ(あれはたしか、ミルフィーだな。)


『私の分もね!』


サカキ(ん?あの子は一回戦でムサシと戦った……確かネネとか言ったか? )


『うん!絶対!!』


サカキ(あぁ……あれはセレナたん)


このトライポカロンで、サカキはセレナというムサシとは別に推しを見つけてしまっていた。

実際セレナはステージを次々と勝ち進む強者であり、サカキが惚れても何もおかしくはない。

 ▼ 18 hC/EIQESNs 18/01/29 18:43:30 ID:j2f2KEO2 [2/21] NGネーム登録 NGID登録 報告

『それとセレナ。トライポカロンでは負けたけど、サトシに関しては負けないからね!』


サカキ(!?)

サカキ(ミルフィ……あいつ今サトシと言ったか?)

サカキ(あの我々ロケット団を何度も邪魔してくるあいつか?)


『え……//』

『なに照れてんのよ。普段ずっとサトシといるくせに、ずるいわよ。』

『そんな、ずるいって言われても……。」


サカキ(ずっと一緒?セレナたんはカロスでの砂利ガールなのか!?)


『え、何々?セレナってやっぱりサトシくんのこと好きだったの?』

『ちょっとネネ! やっぱりってどういうことよ!』

『突っ込むトコそこ?否定しないんだあ〜。』

『うぅ……そ、そうよ。サトシが、好き。』


サカキ(嘘だろ……。セレナたんが我々の敵?)

 ▼ 19 hC/EIQESNs 18/01/29 18:44:06 ID:j2f2KEO2 [3/21] NGネーム登録 NGID登録 報告



団員「あれ、サカキ様?」

サカキ「!?」

サカキ「な、何故ここにいる?」

団員「出番の子たちがいるので呼びに来たんで すよ。」

サカキ「そ、そうか。」


サカキはドアの影に隠れ、出ていくパフォーマーにばれないよう上 手くやり過ごす。


サカキ「……よし。そろそろ集計の所へ行くとするか。じゃあな。 」

団員「は、はい!お気をつけて!」


その返事に、サカキは片手を上げて答える。その後ろ姿だけを見れば、サカキの勇姿は団員にとっては普段通りのサカキ様だったが、


団員(まさかサカキ様が控え室まで覗いてるなんて…… )


団員にとってこの日は、サカキのイメージが少し変わってしまう日となった。


 ▼ 20 hC/EIQESNs 18/01/29 18:44:36 ID:j2f2KEO2 [4/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


サカキ「ここか?」


控え室という類いの紙が貼られていない質素なドア。前に立つと中から小さくだが声が聞こえる。人が居るのは確かだ。


サカキ「……開かない。中から鍵がしてあるな。」


この事を想定していたサカキは、モンスターボールから彼のお気に入りを出す。


ペルシアン「にゃ〜お。」

サカキ「鍵を開けてくれ。」


指示を受けると自慢の爪を出し、慣れた手つきで鍵穴をいじ る。

カチャリ、と鍵が開く音がした。


サカキ「よくやった。……行くぞ。」


サカキは思いっきりドアを開けた。

 ▼ 21 hC/EIQESNs 18/01/29 18:45:03 ID:j2f2KEO2 [5/21] NGネーム登録 NGID登録 報告

照明係「な、なんだお前は!?」

音響係「鍵をしていたはずだぞ!!」


急にドアが開いた驚きで、職員室達は一時仕事を忘れ、目を見開いてサカキの方を見ている。

サカキがモニターに目を移すと、幸いにもパフォーマンスとパフォーマンスの間の時間で、舞台上に人は居なかった。


サカキ「ペルシアン、威嚇だ。……お前たち、私に歯向かったらどうなるか分かるな?」

ペルシアン「グルルル……!」

集計係「ヒッ……。」


ペルシアンの威嚇でそこに居る人達の動きが固まった。完全には固まらず、恐怖で体が震えている者もいた。


サカキ「とりあえず普通に仕事をしろ。私は集計にしか用はない。」

集計係「は、はい……。」


他の人が画面に向かい仕事を始めたのを確認した後、サカキが集計係の耳元でそっと言い放った。


サカキ「ムサヴィとセレナたんが2位以下なら、操作して1位にするんだ。分かったな?」

集計係「そ、そんなことは出来n……分かりました。」


最初の予定ではムサシだけを勝たせるつもりだったが、セレナの魅力に圧倒されてしまったサカキは、つい彼女の名前も一緒に口にしてしまっていた。

 ▼ 22 hC/EIQESNs 18/01/29 18:46:15 ID:j2f2KEO2 [6/21] NGネーム登録 NGID登録 報告

しかし実際に操作をする必要はなかった。 ムサシもセレナも実力で勝ち抜いて来たのだ。


サカキ「ムサシ、よくやった。今度褒美をやらねばな。」

サカキ「……やはりセレナたんは可愛い。サトシの仲間というのが残念だが。」


ムサシ達だけでなく、サカキの読み通りサナもまた順調に勝ち進んでいた。


そして……


『トライポカロンマスタークラス、ついに準決勝!エルと同じステージに立てるのは誰なのか!?』


準決勝が始まった。 ステージに立つ乙女たちは、セレナ、サナ、ムサヴィの3人 だ。

会場が興奮に包まれる中、サカキは暗い顔をしていた。

 ▼ 23 hC/EIQESNs 18/01/29 18:46:39 ID:j2f2KEO2 [7/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


ここにきてサカキの心に迷いが生じてしまった。

ムサシを優勝させることでロケット団の名を広めたい。ただそれがサカキの今回の望みのはずであった。

だがセレナも捨てがたい。女性としてはセレナの方が好みだ。

しかしセレナはロケット団を邪魔するサトシの仲間で、ロケット団の立場としては潰すべき存在。


サカキ「ムサシか……セレナたんか……。」


集計係も自分がどう行動すべきか分からず、おどおどした目付きでサカキを見つめる。


ワアアアアアアアア!!


第1パフォーマー、ムサヴィのステージが始まった。

 ▼ 24 hC/EIQESNs 18/01/29 18:47:12 ID:j2f2KEO2 [8/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


ムサヴィ「パンプジン、ヤドリギの種!」


ムサヴィの掛け声と共にステージに4つほど巨木が現れる 。


サカキ「なんて凄いヤドリギなんだ。あんなに大きいのは初めてだな。」


ムサヴィ「勝つのは……私!」


その思いに応えるかのように、巨木が一本に集まり、さらに大きくなった。

その頂点にはムサヴィ。

最後に、ニャースが巨木を一瞬にして切り裂いき、光がちらつく中でポーズを決めた。

観客から盛大な声援と拍手が飛び交う。


サカキ「前々からコンテストとやらに出ていたとは聞いたが、その成果が出ているのかもしれぬな。」



舞台が暗くなった。次のパフォーマーが舞台へ上がる。

 ▼ 25 hC/EIQESNs 18/01/29 18:47:43 ID:j2f2KEO2 [9/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


『さあお次は、パフォーマーサナ!』



サナ「フシギソウ、つるのムチ!」

サナ「フラべべ、妖精の風よ!」


サナの腰につるが巻かれ空へ。妖精の風と合わさって華麗に宙を舞う。


サナ「つるのムチ!」

サナ「ソーラービーム!ムーンフォース!」


サナの掛け声と同時に、舞台上に桃色の大きな竜巻が巻き起こる。

その竜巻が大きな風を巻き起こして消えた時、舞台にはサナとポケモン達が笑顔でポーズをしていた。

その彼女たちに、観客に、桃色の優しい光が降りかかる。


サカキ「やはりやるな……。」


サカキはまだ決断出来ない。ムサヴィか、セレナか。

 ▼ 26 hC/EIQESNs 18/01/29 18:48:05 ID:j2f2KEO2 [10/21] NGネーム登録 NGID登録 報告



『決勝進出を決めるこのステージも残り一組!』

『舞ってもらいましょう! パフォーマーセレナ!』



セレナ「ニンフィア!スピードスター!」


その言葉で、舞台をキラキラと輝いた星々が彩る。


セレナ「ヤンチャム、ストーンエッジ!」


続いて、何本もの岩塊。


3人が1度にジャンプする。ニンフィアがセレナの体を持ち上げる。

ピンク色の風に乗り、手を繋いだヤンチャムとセレナがくるくると宙を舞う。

華麗にジャンプを決めてから、片手倒立、からの前転着地。




サカキ「………悪かったな。」



ボソッと集計係に呟くと、サカキは黙って部屋を後にした 。

 ▼ 27 hC/EIQESNs 18/01/29 18:48:38 ID:j2f2KEO2 [11/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


廊下を渡る。

舞台からだろうか、微かに進行役の声が聞こえる。


『それでは、準決勝の投票を行います。』

『会場の皆様はポケリウムを。テレビをご覧の皆様はボタンを、パフォーマーの色に合わせ投票してください。』

『それではどうぞ!』


その声と同時に、サカキはとある部屋へ入る。

そこには、少し前に捕らえていた係員が力なく座り込んでいた。

この部屋ではアナウンスは聞こえてこなかった。

サカキはすぐに職員を解放し、頃合いをみて部屋から出た。

廊下は静まり返っていた。


 ▼ 28 hC/EIQESNs 18/01/29 18:49:00 ID:j2f2KEO2 [12/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


サカキ「おい、お前。帰るぞ。」


控え室付近で待機していた団員に声を掛ける。驚いたように目を見開いた。


団員「えぇ!?まだトライポカロンは終わってませんよ? 」

サカキ「良いんだ、いくぞ。捕らえていた係員も自由にした。」

団員「……はい、分かりました。ヘリを出して来ます。」

サカキ「それはまだいい。他に行くところがあるからな。」

サカキ「衣装部屋で着替えてから出てこい。ヘリの場所で待ち合わせだ。夜には向かう。」


サカキはそう言い残し、会場を後にした。


 ▼ 29 hC/EIQESNs 18/01/29 18:49:27 ID:j2f2KEO2 [13/21] NGネーム登録 NGID登録 報告



『トライポカロン速報!ダイジェストでお送りします!』


ある場所の帰り、街頭のスクリーンでそれは始まった。

サカキは思わず立ち止まり、眺める。



準決勝はセレナがエルへの挑戦権を手に入れた。

準決勝よりも洗練されたパフォーマンスをエルに見せつけた。

だがエルはそれよりも凄かった。

彼女のパフォーマンスは観客は魅了し、思わず笑顔にさせるほどであった。

結果はエルの勝利。 クイーンの座を守りきった。


サカキが直接見ることの出来なかった1部始終を、目をそらすことなく見届けた。


サカキ「そうか。セレナたん、駄目だったのか。」


そしてぽつりと一言だけ呟き、また歩きだした。

 ▼ 30 hC/EIQESNs 18/01/29 18:49:52 ID:j2f2KEO2 [14/21] NGネーム登録 NGID登録 報告




コジロウ「……あぁ、大丈夫かなぁ。」

ニャース「ムサシきっと落ち込んでるのニャ……。」


トライポカロンが終わり、会場を後にしてあてもなく道を歩いていた。


ムサシ「あんたたち。」

コジ・ニャ「は、はい!!」

ムサシ「……ありがとうね。」

コジ・ニャ「!?」

ムサシ「さて、今日は美味しいもん食べるわよ!」

ムサシ「……ここまで来れたのも、あんた達のおかげだし。」

コジ・ニャ「ム、ムサシ……!」

コジロウ「どこまでも付いていきます!ムサシ様!」

ムサシ「財布はコジロウよ!」

コジロウ「出す!すげえ出すから!」


レストランに向かうため角を曲がると、よく知る人物が目の前に居た。

 ▼ 31 hC/EIQESNs 18/01/29 18:50:56 ID:j2f2KEO2 [15/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


サカキ「ほう、コジロウにそんな金があったとはなあ。」


ムサ・コジ・ニャ「サ、サカキ様!!!」


突然の登場にも関わらずしっかりと敬礼をする。


コジロウ「あの、サカキ様がどうしてカロス地方に……?」

ニャース「ま、まさか……。い、いや、我々決して仕事をサボって浮かれてるわけじゃ!」

ムサシ「そ、そうなんです〜。今日もしっかりとロケット団の任務を……。」

サカキ「ムサシ。」

ムサシ「は、はい!申し訳ございません!」

サカキ「よく頑張ったな。」

ムサシ「へ?」

サカキ「今日のトライポカロンを拝見させて貰った。実に良かった。」

ムサシ「サ、サカキ様……。」

サカキ「今日はたくさん食べるのだろ?店はもう予約してある 、行くぞ。」

3人「はい!!」


4人は今日のトライポカロンの話をしながら店へと向かった。

 ▼ 32 hC/EIQESNs 18/01/29 18:51:25 ID:j2f2KEO2 [16/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


〜夜〜


ムサシ「はぁー美味しかったわね♪」

コジロウ「最高だったな!」

ニャース「もう幸せなのニャー。」


食事を終えた3人は、サカキと分かれ野宿する処を探すため道を歩いていた。


コジロウ「でも、サカキ様どこ行ったんだろうな。」

ムサシ「何か行く所があるって言ってたわね。」

ニャース「もしかしたら、カロス地方で何か企んでるのかもしれないニャ!」

コジロウ「おぉそうか!さすがサカキ様だ!」

ムサシ「一体何かしらね?私のムサヴィ姿、結構気に入ってたみたいだし、私をロケット団の看板娘にして宣伝とかー!?」

ニャース「いいやそれよりも!ここはトライポカロンで活躍したニャーが看板になるのニャ!」

ムサシ「なによー、あんたより私の可愛くて美しいんだからねー!」

コジロウ「まあまあ、サカキ様が何をお考えなのかは分からないが、その日のためにも今日はぐっすり寝るとしないか?」

ムサシ「そうね!さんせーい!」

ニャース「ニャーも賛成ニャ!今日は疲れたのニャ。」

コジロウ「よし、じゃあさっさと寝床探すぞー!」

ムサ・ニャ「おぉー!!」


 ▼ 33 hC/EIQESNs 18/01/29 18:51:52 ID:j2f2KEO2 [17/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


セレナ「はぁ……。」


夜も深まり1度はベットに入ったセレナだったが、中々眠れず外に涼みに来ていた。


セレナ「………。」


セレナは考え事をしていた。トライポカロンが終わった後、 ヤシオさんに一緒に来ないかと誘われたのだ。


セレナ「はぁ……。」


もう一度大きなタメ息をつくと、ようやく少し前に人が立っているのに気がついた。


サカキ「セレナt……さん、ですね。」

セレナ「は、はい!」


サカキはセレナに近づき、彼女の左側に腰かけた。

 ▼ 34 hC/EIQESNs 18/01/29 18:52:23 ID:j2f2KEO2 [18/21] NGネーム登録 NGID登録 報告

サカキ「トライポカロン、拝見しました。」

セレナ「あ、ありがとうございます!エルさんには負けてしまいましたけど……。」

サカキ「その様ですね。……あぁいや、最後まで見れ なかったもので。」

セレナ「そうなんですね。……はぁ。」

サカキ「どうかされましたか?」


サカキには特別、セレナに用があったわけではない。ただ 、話がしたかっただけだ。

ロケット団の敵など関係ない。一人の女性として、話してみたかったのだ。


セレナ「実は……迷ってるんです。このまま旅を続けるか 、トライポカロンに専念するか。」


旅の仲間には出来ない相談を、見ず知らずの男にする。サトシにでも相談したら、きっと、自分の夢を掴むチャンスじゃんっと背中を押してくれるだろうから。


サカキ「……なるほど。」


具体的なアドバイスをするつもりは無い。大好きなセレナたんには好きな道を選んでほしい。たとえ一緒にいるのがサトシでも。

 ▼ 35 hC/EIQESNs 18/01/29 18:52:42 ID:j2f2KEO2 [19/21] NGネーム登録 NGID登録 報告


サカキ「あまりタメになることは言えないが、自分に正直になることだな。」

セレナ「自分に、正直……。」

サカキ「嘘をつくと後から後悔するぞ。」

セレナ「……はい!ありがとうございます。すいません、 急に変なこと言ってしまって。」

サカキ「いやいや。こちらこそ急に話掛けてしまい申し訳なかった。」

セレナ「いや、大丈夫です。ありがとうございました。」

サカキ「では、私はこれで。」


サカキは立ち上がった。軽く会釈をして前へ歩き出す。

通信機に一言「今から向かう。」と告げ、暗闇の中へと消えていった。

 ▼ 36 hC/EIQESNs 18/01/29 18:53:07 ID:j2f2KEO2 [20/21] NGネーム登録 NGID登録 報告



〜後日〜


サカキ「むむっ……。」


サカキは自室で、届いたばかりの段ボールを開封し、中を点検していた。

その中には、女物のきらびやかな衣装がたくさん入っている。


コンコン。


サカキ「ああ、入りたまえ。」

マトリ「失礼します。」


マトリは部屋に入るとすぐに、サカキの異常行動に気付き、表情こそ変えないものの、思わず立ち尽くす。


マトリ「サカキ様、何をしておられるのですか!?」

サカキ「ああ、君を呼んだのはこの件なんだ。」

サカキ「マトリ、トライポカロンには興味がお有りかな?」

マトリ「なっ……!?」

サカキ「君は良く見ると綺麗だ、どうだ、やってみないか?」


マトリは、サカキの人懐っこそうな笑顔を初めて見た。

そして、言いようもない不安が自分を襲うことをひしひしと感じていた。





〜完〜

 ▼ 37 hC/EIQESNs 18/01/29 18:55:08 ID:j2f2KEO2 [21/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
これにて完結です
最初の投稿以降、しばらす更新できずすみませんでした。

読んでくださった方、ありがとうございました。
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