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ミヅキ「マツリカさんのヒモになりたすぎて困る」 マオ「ヒモ?」

 ▼ 1 退宣言 ◆Bt64IWMOO2 18/09/18 22:55:53 ID:ox9ApJHU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ここは強者が集うポニ島はバトルツリー、その近辺にあるカフェテリア。
一見するとただのカフェですけれども、バトルに疲れた強者たちがゆったり休むだけに十分な広さのホールに、充実したメニューが備わっていてなかなか繁盛しています。そんなお店に、バトルを終えたとおぼしきトレーナーたちが二人……。


「っかぁ〜〜〜マジしんどい! バトルとかもう引退する!」

「ミヅキ、あそこ空いてるよ♪ なに飲む?」


一人はボブカットの髪型で帽子をかぶったキュートな女の子。もう一人は長い後ろ髪を二房にきゅっと結わえたフレッシュな女の子。
にぎわうお店の中で空白席を見つけた彼女たちは、一人はとぼとぼと、もう一人は軽い足取りで席に向かうのでした。


「今日も戦っちゃった……。私この年でバトルジャンキーになっちゃったよ……しくしく」

「おにーさん、モーモーミルク1つ、ミックスオレのハーフミルク1つ、あとアマサダ2つお願いしまーっす!」


他のお客にも応対する中で、カウンターの向こうにいる店員が明るく返事をしました。何人かの店員さんはみんな忙しそうですけれど、どこか楽し気な表情でドリンクや料理を作っているようです。
 ▼ 32 力は正義 ◆Bt64IWMOO2 18/09/21 19:42:31 ID:.KEEesow [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ぶっちゃけ結構共感するかも〜。私の会った悪い人って、大体はしょぼいかヤバすぎるかで魅力感じませんでしたけど」

「へぇー。スカル団はしょぼい方なんだ?」

「うん。あいつら、小金稼ぎといやがらせばっかやってて遊びにしても全然楽しくないじゃん? リーリエがさらわれたときなんか最高にイラついたし、あのとき私がカイリキーだったら、グズマたちを直接ボコボコにしてたよ! 絶対!」

「今日のミヅキはバイオレンスだね〜」

「あのときの私は本気だったよ! ボコボコだよ、ボコボコ! スカル団にいたくせに私やハウを責めてきたグラジオなんか、もう、顔の形が変わるまでれんぞくパンチだよ!」

「すっごいバイオレンス〜〜〜〜〜〜!」


ミヅキはシッシッとボクサー風の声を上げながらシャドーボクシングをしています。心はカイリキーなので、2本しかない腕を補うためにパンチの速度もいつもの2倍(のつもり)です。
 ▼ 33 調 ◆Bt64IWMOO2 18/09/21 19:54:53 ID:.KEEesow [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「エーテル財団……は、一番上の人がヤバすぎたけど……あそこみたく、伝説のポケモンを追うくらいスケールでっかいワルなら、私もちょっぴり『いいかも?』って思ってたかも」

「え? ミヅキって、スケールの大きさとか気にするタイプ?」

「……い、いやいや! そんな気にするわけでもないよ。恋人とか、世界じゃなくてアローラをまたにかけるくらいで丁度いいと思ってるし……」


マオは、ミヅキの様子に微かな違和感を覚えました。なんとなくではありましたけれど、何気ない振りに対して彼女が少し慌てすぎているな、歯切れが悪いな、そう思ったのでした。


「まあ……あれだよ。…………アローラの中だけ、とか、自分の近くの人たちだけ、とかさ。……そういうの、視野が狭いっていうの? うまく言えないけど……そんな感じ」

「ねえミヅキ。あなた、今スカル団のことを言っているの?」


マオの声にミヅキは言葉を返しません。少し間をおいてから頷いた彼女が、目を合わせてくれなかったことがマオには気がかりでした。
 ▼ 34 クラップアンドビルド ◆Bt64IWMOO2 18/09/21 20:02:32 ID:.KEEesow [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ね〜もうスカル団の奴らってのはね! 八つ当たりが趣味みたいな迷惑集団で、スケールも小さいしありえない! 今思い出すだけでもグラジオにビンタしたくなる!」


なんて話ししてんだ、あいつら。
耳に届いてくる嬌声に、プルメリは思わずグズマの方を見やります。彼は無言のまま身動き一つしませんでしたが、プルメリの傍に座っているのにミヅキたちの声が聞こえていないはずがありません。
「グズマ……」、プルメリがそう呼びかけようとした矢先に、グズマが声を発しました。


「こっからだよ。オレたち、こっから何もかもぶっ壊してくんだよ。分かってっか?」

「今までのオレたちさえも、だ。なあ、分かってっか、プルメリ」


最初と変わらず力のない恰好で座っているグズマでしたが、彼の言葉には確かな力が込められています。
癇癪を起こさなかった彼に驚いたプルメリでしたが、それすらも長い付き合いで慣れているのでしょうか。グズマを見くびっていた自分を鼻で笑いながら、すかさず返す言葉を投げかけました。
 ▼ 35 めん忘れてた ◆Bt64IWMOO2 18/09/21 20:14:31 ID:.KEEesow [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「バカ。そこまで言っておきながら、『今まで』とかこだわってんじゃないよ」


グズマは相変わらず気だるそうな格好のままでしたが、プルメリの言葉に、確かに笑みを浮かべました。プルメリも、つられるように口角を上げます。
カフェのお兄さんも、空気を読んで二人にぎこちなく微笑みました。


「……あの、お客様? ご注文は…………」

「シブサダ1、カラサダ2、ミックスオレとモーモーミルク1つずつ」

「エネココアつったろうがプルメリィィィィィィィ!!!!」
 ▼ 36 けば出る ◆Bt64IWMOO2 18/09/21 20:32:32 ID:.KEEesow [5/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
書いても書いてもマツリカのマの字までしか出てこない。ヤバい。スレタイ詐欺になってしまう
次に続き投稿するときは頑張ってマツリカの名前くらいは出したい。いや出す。出るまで書く。うっかり出さないまま投稿することがないようにここに戒めておく
 ▼ 37 ッシブーン@やみのいし 18/09/22 13:55:25 ID:WdvwOZ6s NGネーム登録 NGID登録 報告
>>36
いくら遅くても完結すればいいから焦らない方がいい
支援
 ▼ 38 ークイン@しらたま 18/09/25 17:31:06 ID:XW0Ur6xc NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 39 じゃないもん ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:08:27 ID:8Lq2nidI [1/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「エネココアつったろうがプルメリィィィィィィィ!!!!」


店内に響き渡るグズマの声。それを聞いて、ミヅキたちの胸に小さな罪悪感が芽生えます。


「ちょっとミヅキ、やばいよ。絶対さっきの聞こえてたって〜」

「…………全部博士からの受け売りってことにするから大丈夫。あの二人って因縁あるし、イケるって……多分」

「無辜の人に濡れ衣を着せるのは、どんな罪よりも重いものですよ」


リラの忠告に、ミヅキはまたも何かに気付いたような表情を見せます。このさりげない言葉が、ミヅキに大きな衝撃を与えるものでした。
 ▼ 40 界一位です ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:09:41 ID:8Lq2nidI [2/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「……今、思ったんだけどさ。『この世で最も重い罪を背負った女』って肩書きさぁ……めちゃくちゃカッコよくない?」

「かっこよくない」

「いやいや冷静に考えようよ! 世界最重の女だよ? 鬼のようにカッコいいじゃん!?」

「背負っている罪、鬼のようにしょうもないですよ」

「あんたが私を大罪人にしたくせにー!」


わーん、と泣き出すふりをするミヅキ。内心では、やっぱりリラさんじゃ彼氏は無理だな、と考えています。彼女は裏切りに対して厳しい女の子でした。


「ちきしょー。どっかに理想の彼ピッピ落ちてないかな〜」


不満を紛らわすために口に運んだミルクオレが、ミヅキが頼んだドリンクの最後の一口でした。短い間ながら、うだうだと恋愛話に付き合ってくれた戦友を失った心地がしてミヅキは悲しくなりました。
 ▼ 41 みたいな口しやがって ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:11:37 ID:8Lq2nidI [3/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「今までありがとう。おいしかったよ、ごちそうさま♪」

「ミヅキ、誰と話してるの? ……もしかして霊能力目覚めちゃった?」

「誰がアセロラよ。あんな栗みたいな口、私にマネする力量ないし私にキャプテンは務まらないよ」

「口の形がキャプテンの資格なの……?」

「あぁ、二次被害が! ミヅキ、誤解を解いてあげなよ」

「リラさん、信じられないかもしれないけど、ウラウラ島の島キング、クチナシさんはロリコンでアセロラって名前の栗みたいな口してる女の子キャプテンにメロメロなんです」

「え……!? い、いやいや流石に嘘でしょ」

「そーです、ミヅキの嘘です! どうしてまたそんなこと言うのっ」

「嘘じゃなくてギャグだから。私とリラさんの仲だし、今みたいな反応も含めて私たちのコミュニケーションです、ね?」

 ▼ 42 ッ友 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:15:36 ID:8Lq2nidI [4/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミヅキは笑顔。リラは真顔。
数秒間の空白の後、リラも笑顔になって言いました。


「ふっ、ふふふ、当然です。あのクチナシさんが小児性愛者なんて……まさか……ね」

「これ心のどこかで本気にしてたやつだ! ミヅキが変なこと言うからだよ」

「ぐぬぬ。おのれリラさん、私に二重の罪を背負わせて〜〜〜……」

「ていうかミヅキさー。冗談でも他人の悪口なんて言ってると友達減っちゃうよ? やめなよ、真面目に」

「ごめんごめん。でもさ、マオならそれでもずっと友達でいてくれるでしょ?」


わざとらしく頭をぽりぽりと掻きながら、ミヅキはマオに目を合わせます。


「…………」

「ちょっ、なんで目ぇそらすん?」
 ▼ 43 ッ友 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:17:10 ID:8Lq2nidI [5/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「とりあえず、マオは私と違って『生まれた日は違えども死する日は同じく』と誓う無二の親友と思ってなさそうなことが分かったわけだけど」

「三国志?」

「これはつまり、私と恋人になることを諦めてないから今の段階で『一生ともだち』とは言えないってことだよね。それなら仕方ないや」

「ポジティブが過ぎる!」

「ミヅキさんの愛は重いですね……」

「そりゃもう、世界最重の女ですから」

「重いというより、今のミヅキはめんどくさい子だよ」

「えぇー?」


マオの指摘に、ミヅキは頬を膨らませて反論を試みます。
 ▼ 44 け舟は来ない ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:20:53 ID:8Lq2nidI [6/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「私さぁ〜、自分がきまぐれな性格だってのは自覚してるよ?」

「!」

「!?」


驚きの表情を示すマオとリラ。ミヅキは、内面について自覚のない女だと思われていたのでしょうか。
そんな評価を知って、なんだか泣きたい気持ちになってしまいます。


「でもね、自分で言うのもなんだけど、私って結構シンプルで分かりやすい子だとも思うんだ。ねぇ、リラさんもそう思うでしょ?」


わざとらしく小首を傾げながら、ミヅキはリラに目を合わせます。


「…………」

「ブルータス、お前もか!」
 ▼ 45 エルーワ ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:22:08 ID:8Lq2nidI [7/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「裏切りが連続して、本気で恋人見つけないとさみしくって死んじゃうよ私」

「ウサギかなにか?」

「リラさーん。理想の彼ピッピが群生している集落とか知りませんー?」


ミヅキはうー、と唸って両手と体をテーブルに投げだします。マラサダ3つにドリンクも飲んだ彼女は、お腹がいっぱいで普通の座り方さえ億劫に感じていました。


「うーん。教えてもいいんですけどね」

「は? そんな集落実在するんかよ燃えるわ〜」
 ▼ 46 海賊時代 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:23:56 ID:8Lq2nidI [8/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「その前に、ミヅキさんが恋人に求める理想像を聞かないと。私の知っている場所の中に、ミヅキさんの理想の子がいればいいんですが」

「聞いた、マオ? 世の中には私たちの理想の彼ピッピが山のようにいるみたいだよ。こりゃ七つの海をまたにかけてでも行くしかねぇ」

「お土産楽しみにしてるね♪」

「ついてこないんかーい! ……ってそうだ、理想の彼氏像ですけどね」


ミヅキは体をテーブルに投げだしたまま、ひ、ふ、み……と指で数をかぞえるように理想の彼氏像を語り始めました。


「優しくって、甘えさせてくれてー……」
 ▼ 47 海賊時代 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:27:19 ID:8Lq2nidI [9/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「でも、無条件に優しいんじゃなく私を思いやってくれてて、趣味がそこそこ合って、私にできない特技とか持ってて、ポケモンの話もできて、ちょっとくらいブラブラしてても大事なときに傍にいてくれる人。以上」

「お金は?」

「あ、忘れてた。私がチャンピオン引退してものんびり暮らせるくらいはお金持ってて、そんで私を大切にしてくれる!」

「ふぅむ。見た目や雰囲気にはこだわりはないの?」

「あんまりないですね。そりゃ、カッコいい方がいいに決まってますけど」


心理テストのようなやりとりにマオは微笑ましくなります。と、同時にミヅキが恋愛相手に求めるものをしっかり考えていたことが分かって、複雑な気持ちになりました。

ミヅキって、恋愛のことでここまで色々考える子だったっけ…………?

奥歯に魚の小骨が引っかかるような感覚とでも言いましょうか。マオの心にまたしても何かの違和感が芽生えるのでした。
 ▼ 48 先順位 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:31:19 ID:8Lq2nidI [10/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミヅキの理想を聞いたリラは、手元のシブサダをひとかじり。甘い中に広がる渋味になんともいえない表情を窺わせた後、それを飲み込みます。


「そんでリラさん、私の理想の彼氏が住まう楽園はどちらにあるんでしょうか!」

「マオちゃんは何かないの? 恋人になってほしい人の条件♪」

「えぇっ、あたし!?」 

「おーい、無視ですかー!?」


無視されたことに怒るミヅキ。ですが、それよりもマオの理想像が気になるミヅキはリラと一緒にマオへ視線を向けました。
催促する二人の瞳に、マオは少したじろぎながら答えます。


「っぇ〜、いきなり訊かれると困っちゃうんだけど……」


そうして、頬をほんのり赤らめてから、マオはひとこと。


 ▼ 49 子力の発現 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:32:35 ID:8Lq2nidI [11/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


「……ベタだけど、あたしと一緒に、作った料理を笑顔で食べてくれる人……みたいな、」

「かわいいかよ〜!!!」


マオの言葉に、ミヅキは悶絶。リラはいかにも上機嫌という風に微笑んでいました。
 ▼ 50 は肉 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:41:54 ID:8Lq2nidI [12/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ってマオはさておき、リラさん! 私の彼氏くんがひしめき合う夢の場所の在り処を早く教えてください!」

「残念ですけど、ミヅキさんの言っていた条件にあたる人がいる場所は心当たりがありませんね」

「はぁ……。さらば酒池肉林…………」


テーブルに投げ出した体を動かしこそしませんが、ミヅキの返事からは更なる気怠さが伝わってきます。


「にしてもさぁ、ミヅキにしてはすごく具体的な条件だったね」

「私だって、たまには色々考えますぅ〜」

「……何かあったの?」


 ▼ 51 色 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:45:13 ID:8Lq2nidI [13/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「何かって?」

「ミヅキをそんなに考えさせるような、何か」

「…………」


あ、これさっきと同じ『間』だと。マオは直感します。
ミヅキがスカル団のスケール感について文句を言い、その口調にマオが突っ込んだときと同じものだと。


「うん。近ごろバトルに疲れちゃったから、私を大事にしてくれる人が欲しいなって、それで考えてたの」


その言葉が嘘か、真実か、両者を孕む灰色の答えなのか、マオにはいずれも分かりません。
ミヅキの表情は、本心から言っているようでもあり、渾身のポーカーフェイスを決めているようにも見えました。
 ▼ 52 け舟来たる ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:47:14 ID:8Lq2nidI [14/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
マオも、ミヅキも何も話しません。話せません。
緊張が走りかける場面で、リラが二人に問いを投げかけました。


「ミヅキさん。先ほどの妙に具体的かつ多岐にわたる理想像、本当にただ『考えていただけ』なのでしょうか?」


軽く握った拳を口元に当て、二人へ交互に視線を配るリラ。芝居がかった口調といい、ミステリードラマの探偵さんのような趣です。
やけにかっこつけてるなと、ミヅキもマオも思いました。


「まず、年不相応に金銭面を気にしていたことが第一。続いて、『一緒にいてほしい』にも関わらず『アローラ内なら好きに移動されていても構わない』という旨の発言……。あなたの発言は具体性のみならず、詳細にわたった要素分析まで組み込まれています」

「いうほど細かいですかね?」

「ミヅキ、空気読んであげなよ」


リラは考え込むようなポーズのまま、わざとらしく視線を逸らしてみたりして自論を展開し続けます。なかなか堂に入った演技でした。
二人が、先ほどの微妙な空気を忘れてしまうくらいには。
 ▼ 53 ネ明かし ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:49:49 ID:8Lq2nidI [15/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「……しかし、要求が細かいわりに、話しのレベルだとか趣味の範囲といった、日常を共にする上で不可欠な部分については『そこそこ』や『〜くらいの』といったアバウトさも見受けられました。細心と大雑把が両立しているというのは、恐らく、ミヅキさんの中で曖昧ながらも一定の基準が設けられている証拠でしょう」

「……な、なによ、他人の考えを決めつけて! あんたの言うことが正しいとしたって、私がどうだってのさ!?」


あまりにも空気を読んだミヅキの返しに、マオは感嘆を禁じえませんでした。


「つまり、ミヅキさん。あなたは『理想の彼氏像』が存在しているかのような物言いをしていましたが」

「あなた、本当は既に好きな人がいて、その人を『理想像』に当てはめて私に答えたのでしょう?」
 ▼ 54 事リラさん ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:51:31 ID:8Lq2nidI [16/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「……ふ、ふふふ……」

「違いますか?」


それまでの考え込む仕草から一転、リラはミヅキへ視線を向けて笑いかけます。挑発的に、まるで己の勝ちを確信しているかのように。
彼女の笑みに対し、どこか投げやりに笑っていたミヅキは下を向いて言いました。


「……参ったな刑事さん。全部、アンタの言う通りよ」


負けを認めたのか、薄い笑みを浮かべながらうつむくミヅキ。そんな彼女の言葉を聞いたマオは、リラが探偵ではなく刑事という設定であったことに気付くのでした。
 ▼ 55 金こそパワー ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:53:25 ID:8Lq2nidI [17/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「で、ミヅキの好きな人って誰なの?」

「マツリカさん」

「即答だ!」


驚きはしましたが、マオもリラも慌てはしません。なぜなら、二人ともミヅキ・マツリカの両名と面識があるからです。
キャプテンという立場上、ミヅキともマツリカとも絡む機会が多いマオはなおさらでした。


「マツリカさんはいいよぉ〜。バトル強いし、絵が上手いし、性格も顔も可愛いし、優しいし、ポケモン好きだし、収入があるの」

「最後で台無しね……」


即答するほど好きなのに、お金ですかとリラはため息をつきます。呆れるというより、一貫しているミヅキの考え方に感心さえ覚えていました。
 ▼ 56 ヒな困 ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:55:38 ID:8Lq2nidI [18/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「私、彼氏でも彼女扱いでも構わないからマツリカさんの恋人になりたい! それで養ってもらう!」

「真剣な顔で言うことじゃないですよ」

「ほんと、マツリカさんのヒモになりたすぎて困る」

「ヒモ?」


聞きなれない単語に、マオが問い返します。一方で、リラは、悪い遊びを覚えた子どもへ優しく諭すように、次の言葉を慎重に考えなければなりませんでした。


「……ミヅキさん。『ヒモ』という言葉の意味、ご存じなのですか?」

「…………」


そのとき、ミヅキの脳裏にとある日の光景が思い浮かんでくるのでした……。
 ▼ 57 夫とは違うのよ ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:57:30 ID:8Lq2nidI [19/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ある日の昼下がりです。暇を持て余したミヅキは、タイトルすら知らないままの恋愛ドラマの再放送を目的もなく見ていました。


『なによ、この変態! あんた、どうせあの女にたぶらかされて堕落した生活送ってるんでしょ。言い返してみなさいよ!』

『ちがっ……お前、誤解してるって!』

『何が違うのよ、クズ! ヒモ野郎!』


好奇心を刺激されたミヅキは、テレビの音を背中で聞きながらキッチンで作業中のママへ振り返って問いかけます。


「ねーママ。今ドラマで言ってた『ヒモ』ってどういう意味?」

「恋人にだらだら甘えて、食べ物や住む場所のお世話してもらっている男の人のことよ」

「主婦(夫)とは違うの?」

「ヒモっていうのはね、主婦と違って家事やおうちの切り盛りはしないダメな人がほとんどなの」

「ふーん」


私もヒモになりたいな、と思ったけれどもママには言ったらお説教されそうなので言えなかったことを、ミヅキは今でも覚えているのでした……。
 ▼ 58 生虫ミヅキ ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 11:59:49 ID:8Lq2nidI [20/21] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ヒモっていうのは、恋人に寄生して毎日ダラダラしながら遊んで暮らす、夢……じゃなくて、クズみたいな人間のことですよね?」

「予想外に完璧な答えだわ……!」


おののくリラを尻目に、マオはミヅキを見つめました。


「じゃあ、ミヅキはダメ人間になりたいの? マツリカさんを犠牲にして」

「人聞き悪いなぁ。恋人になれば、私はマツリカさんに好きで養ってもらえるし、マツリカさんは私を好きで養いたい気持ちを叶えられてwin-winでしょ?」

「ダメ人間だ〜〜〜〜〜〜〜〜!」


ヒモの意味を知らなかったマオでしたが、ミヅキのお陰で「ヒモは許してはいけない存在である」という認識を固くすることができたのでした。
 ▼ 59 いたら出た ◆Bt64IWMOO2 18/09/26 12:05:01 ID:8Lq2nidI [21/21] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
アニメマツリカは画集をいっぱい出しているゲーム版と違って収入が少なそうな気はします。とりあえず名前だけでも登場させられてホッとした
 ▼ 60 ノハナ@たわわこやし 18/09/30 16:52:10 ID:qLF6dshU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 61 ョロネコ@メガリング 18/10/05 11:51:30 ID:TGvsZFbY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 62 ポエラー@オッカのみ 18/10/10 23:29:03 ID:LFQUXPWQ NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
いつスレ落ちるか分からないから保守として自己支援
すっごくペース落ちたけどのんびり書いてる
 ▼ 63 インディ@ナモのみ 18/10/11 17:03:43 ID:JWXIUQAY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
3週間くらいはほっといても落ちないよ
支援
 ▼ 64 ルリル@こおりなおし 18/10/22 01:23:30 ID:2nN2EtvU NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
忘れないうちに自己支援〜
 ▼ 65 キカブリ@アロライZ 18/10/22 12:53:22 ID:jn6UPQaU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
続き待ってるよ
 ▼ 66 オッキー@バクーダナイト 18/11/05 18:32:03 ID:C.6wMiX. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 67 ルセウス@プレシャスボール 18/11/22 16:28:31 ID:vmgElvf2 NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
いいとこだったのになぁ……
 ▼ 68 グマッグ@エレキブースター 18/11/22 19:54:55 ID:OHvwQJ7Q NGネーム登録 NGID登録 報告
楽しみに待ってます
 ▼ 69 ーナノ@あさせのかいがら 18/12/09 21:09:44 ID:Y9JQCLcs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 70 ドキング@タブンネナイト 19/01/13 09:38:19 ID:636M4R5k NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 71 ーパ@メタルパウダー 19/01/13 09:53:38 ID:tDlkpM7w NGネーム登録 NGID登録 報告
このマオとミヅキは超美少女
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