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SS

>>5が書けと言ったポケダンSSを書きます

 ▼ 1 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 19:17:52 ID:jfoYyk1o [1/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
エログロ、クロスオーバーは無しでお願いします
 ▼ 7 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 21:03:22 ID:jfoYyk1o [2/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>5
了解しました!
暫し時間を頂きます、尚リアルの都合上短編になりますのでご了承ください…!
 ▼ 8 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:21:41 ID:jfoYyk1o [3/16] NGネーム登録 NGID登録 報告

『そこから何が見えるのか』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

360度、どこを見ても白くそびえた銀世界。

降り止むことのない雪化粧はその日も、辺りを染め、上書きしていた。

周りに樹氷は何本も立ち続け、城壁として来る者を拒んでいる様に思えた。

『……!』

そこを越えた先に見えたのは、純白の断崖絶壁。

そこから見渡す世界は、まだ不鮮明で。
雲が晴れた場所には、どんな場所が見えるのだろう。



そう、思い馳せていた少女の目の前に吹雪が吹き荒れた。






全てを凍てつかせる程の威力を持った嵐は、徐々にその勢いを弱める。

『えっ……!?』

そうして、中央にいたその”核”が神々しいと言うに足りる姿を、現した。



『お前は、何を望むのか?』



―――――その日、少女は冬の化身に出会った。






 ▼ 9 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:23:34 ID:jfoYyk1o [4/16] NGネーム登録 NGID登録 報告



「うーん、どっちの道だろ……?」

首をかしげながら複数ある道を模索する茶色くて長いポケモン。
そんな私の名前は、オオタチ。
探検隊『チームスペース』のリーダー役。

私”達”はいつもの通りに、とある森のダンジョンでの依頼をこなして、帰る途中だったけれど……道に迷ってしまった。

「どうしよう……」






「―――――やれやれ、相変わらずそそっかしいな」

私のすぐ後ろから、声が聞こえる。
純氷のように澄んで、芯の通った美しい声が、敏感な鼓膜を揺さぶった。

氷で出来ていると謳われる水色の翼に、立派に棚引く三対の鶏冠。冬を連れて舞い降りる伝説を所持する凍らせる者。

「……フリーザーさん!」

伝説の三鳥の一角、れいとうポケモンのフリーザー。

彼女こそが、(私を含めて)2名しかいないチームスペースのメンバーだった。


 ▼ 10 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:24:00 ID:jfoYyk1o [5/16] NGネーム登録 NGID登録 報告



「オオタチ、いつも言っているだろう。さん付けで呼ばないでくれと、照れくさいにも程がある」

「ご、ごめん……フリーザー」

「まさか、リンゴを拾おうとした駆け出した先にワープの罠があるとは思わなかったぞ。……1年前と、大きく変わったようだな」



そう、私と彼女が出会ったのは丁度、去年の今日だった。雪や氷に包まれた森の中から、広がっているであろう世界を密かに切望していた臆病者。

そんな私の前に姿を見せたのが、森の守護者であったフリーザー。

その時は何が何だか、さっぱり理解出来なくて、気がついたら一緒に探検隊を始めようという話になっていたのは驚いた。更に言うと、リーダーも私名義になっていたのもまた、とても信じられなかった。

 ▼ 11 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:24:29 ID:jfoYyk1o [6/16] NGネーム登録 NGID登録 報告



だけど、それが嘘ではないことを証明するかのように、彼女に色んなことを教わった。

苦手だったバトルに野宿のノウハウ、ダンジョンの歩き方、見たことの無い植物や現象の事まで……

それでも、失敗する事、知らない事が沢山あるのは変わらない。

もっと色んなものを、世界を見てみたくて全力で進み続けた今、私はここに居る。


 ▼ 12 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:24:51 ID:jfoYyk1o [7/16] NGネーム登録 NGID登録 報告



「もちろんっ! 私はまだまだ成長途中だからね!」

「ふふっ、それでこそだ」

そんな風に笑顔を返して、私達は先に進む。
行きよりかは弾んだ足取りで、元きた道を辿っていく。

ある時、フリーザーは、不意にその場に留まった。その姿も優雅という概念を表しているが、その表情は普段よりも険しい。その場の気温は少しずつ低下を始める。これは彼女が戦闘する前に行う、場作り―――ルーティン。



「ねぇ、どうし―――――」

「ッ!!!」

 ▼ 13 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:25:18 ID:jfoYyk1o [8/16] NGネーム登録 NGID登録 報告


弓矢に似た水色の光線が、私のすぐ横を掠める。もふもふとした自慢の毛皮に包まれても、身が震えたその冷気はいつの間にか背後に近づいていた禍々しい毒蛇、アーボックに突き刺さり、瞬く間に氷の彫刻と変えた。




「フシュゥゥゥゥゥゥゥ………」
「シャァアアアッッッ!!!」

それを皮切りとして、次々と草むらから飛び出てきた理性をなくした獣達。
その目はどれも、目の前にいる物を食らいつくさんとする程の敵意に満ち満ちていた。



「ほう、不意打ちに人海戦術とは…挨拶じゃないか?」

「こんなにたくさん現れるなんて……!?」

無力化した個体とは別に三体のアーボック、二体のダーテングとリングマ、ニドキングとニドクインが一匹ずつ。どれも凶暴かつ強力な能力を持つ種族が揃っている。それらに私達は囲まれてしまって、逃げ道などは見当たらない。



それでも、不思議と負ける気はしなかった。


 ▼ 14 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:25:54 ID:jfoYyk1o [9/16] NGネーム登録 NGID登録 報告

「少しの間、時間を稼いでくれ」

「……うん!」

短い言葉を交わし、もう一度周りを見渡す。
そして、私は予備動作をできるだけ抑え、足に力を込める。それを最大限に使って一直線に、包囲網目がけて突進を始めた。

 ▼ 15 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:26:20 ID:jfoYyk1o [10/16] NGネーム登録 NGID登録 報告

「ガァッ!?」

縦横無尽に、足を止めることはせず、ひたすらに移動し続ける。この柔軟な体を利用して、間と間をスルスルと高速で抜けて、撹乱していくのだ。

そうして、殆どのヘイトは私だけに向けられ、総攻撃を仕掛ける起爆剤となる。
それでもまだ、停止はせずにギリギリで中距離技や牙、爪による攻撃を躱して行った。

 ▼ 16 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:28:04 ID:jfoYyk1o [11/16] NGネーム登録 NGID登録 報告


(ここだっ!!!)

ある程度、向こう側に疲労が溜まり、距離が少し遠ざかる。追いかける足は最初の猪突猛進ぶりからは遠く及ばない。私は即座に振り返り、空気を思いっきり取り込む。

限界まで溜め込んだそれを、突風のように声帯を通し、倍増させる。小さな口から放たれた豪快な爆音が、敵陣を数歩ほど後退させた。

しかし、それでは撃退には程遠い。


それは、彼女がいなければの話だが。

 ▼ 17 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:28:38 ID:jfoYyk1o [12/16] NGネーム登録 NGID登録 報告

「終わりだ」

音の大波は、突如出現した純白の嵐に飲み込まれ、その存在を消失させた。しかも、野生の襲撃者たちをも巻き込んで、最大出力でうねり………空中で盛大に破裂した。

効果発動に時間がかかるが、次の一撃を必中の物とする『こころのめ』

命中精度こそは心もとないが、当たれば広範囲を対象として凍てつかせる『ふぶき』


この重ねがけの為に、オオタチが時間を稼ぎ、一撃で決着を着ける。これが、チームスペースの対集団戦法だった。

 ▼ 18 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:29:01 ID:jfoYyk1o [13/16] NGネーム登録 NGID登録 報告





―――――なんと、弱々しいものだ。


初めて、我が領域であった凍てついた森の中で、空を見上げていた一人の少女を見た時、そう思った。

なんと臆病で、なんと小さい命なのだろうか。小さな世界しか見ていないその姿から伝わってくる、広い”未知の世界”への渇望。その思いは、臆病心とは正反対と言える位の強すぎる願い。




それを感じ取ってしまったが故に………




『お前は、何を望むのか?』




私は、この娘の事を放ってはおけなかった。


 ▼ 19 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:30:28 ID:jfoYyk1o [14/16] NGネーム登録 NGID登録 報告


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・

「先程の”ハイパーボイス”、かなり威力も上がっていたな。大型の奴をも下がらせたのだ、誇っていいと思うぞ」

「えへへ……そうかな?」

「―――――だがな、あまり油断はするな。本来なら、お前もあの位の気配は感じ取れたはずだ」

それを言われてしまえば、思わずうっ、と唸ってしまう。ぐうの音も出ないとはこの事を言うんだろうな、と考える私。確かに、あの時は少し浮き足立ってたかな、と反省する私が混在していた。

そんな姿をみて、思わずフッと微笑んだフリーザーは声を少し和らげて、言った。
 ▼ 20 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:30:51 ID:jfoYyk1o [15/16] NGネーム登録 NGID登録 報告




「……まあ、次に注意すればいい。まずは、早く拠点に戻るのが先だ」

「了解っ!」






ひとまず、今日も何事なく一日が過ぎていく。

強く、美しい彼女から学ぶ事も、
自身の目で見て、確かめる事も、

全てが私を形作ると知った今、立ち止まることも無いのだろう。

そう思いながら、私達はやっと二回目の帰路についたのだった。



〜完〜
 ▼ 21 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/06 23:31:48 ID:jfoYyk1o [16/16] NGネーム登録 NGID登録 報告
これで終わりです、お付き合い下さりありがとうございました!

ちなみに、チームスペースの意はラテン語で『希望』でした
 ▼ 22 ピナス@ながねぎ 18/10/07 00:34:23 ID:4PhA2Nmw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やべーマジの人だ
お疲れ様です
 ▼ 23 ビルドン@すいせいのかけら 18/10/07 00:38:25 ID:HHoofhpc NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
乙!
 ▼ 24 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/07 19:37:58 ID:ii8M2aUU [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
少し余裕が出来たので、もう1枠募集します
>>30
 ▼ 25 トカゲ@やすうりポン 18/10/07 19:38:39 ID:08Hksyn2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
Ksk
 ▼ 26 ンシグラードン@ひかりのこな 18/10/07 19:39:21 ID:eITs1SOo NGネーム登録 NGID登録 報告
オオタチ×フリーザーっていいよね
 ▼ 27 ラッタ@アイスメモリ 18/10/07 20:05:05 ID:hG5MJkR6 NGネーム登録 NGID登録 報告
 ▼ 28 イチュウ@いでんしのくさび 18/10/07 20:07:49 ID:upxwh.uk NGネーム登録 NGID登録 報告
そういえばフリーザーの居るじゅひょうのもりてオオタチ出てきたな
 ▼ 29 コロモリ@フェアリーZ 18/10/07 20:20:08 ID:08Hksyn2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もういっちょ
 ▼ 30 ガラティアス@びっくりこやし 18/10/07 20:20:55 ID:ZZTgYEm. [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ライチュウが主役のSS
パートナーとかはお任せ
 ▼ 31 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/07 20:21:49 ID:ii8M2aUU [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
>>30
了解しました、暫し時間を頂きます…!
 ▼ 32 イコウ@けいけんポン 18/10/07 20:24:06 ID:ZZTgYEm. [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あ、性別も任せます

最近はポケダンSS減ったから需要ありまくりなんですわ
 ▼ 33 チュル@コイン 18/10/08 00:10:42 ID:YPFsLKd. NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
前にピカチュウとフォッコのSS書いてた人だよね
 ▼ 34 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:46:25 ID:DPCA2FII [1/12] NGネーム登録 NGID登録 報告



「ふぅん、中々やりごたえのありそうな依頼だ」

嫌気が差すほど、憎いほどに活気に溢れたとある宿場町。気温は温暖、商人達は商品を売り捌き、客はそれを品定めする。色んな意味で”アツい”町の広場には、大きな掲示板が立てられていた。

多くの探検隊、救助隊が内容を確認し、思い思いに互いの情報を交わすその中に、コッペパン色のポケモンが一人。
その名は、ライチュウ。

彼は貼り付けられた依頼書の一つを覗き込み、さも面白そうに口角を上げた。
気分は緩やかに昂っていき、闘志がこれでもかと湧き出る。その表情は、むしろ傍からしたら心配のひとつでもされそうな程だ。

恐ろしい形相をしているライチュウの後ろに、ふわふわと寄るもう一人が唐突に話しかけた。



「そんなにいい依頼を見つけたの?」
「うわぁっ!? い、いきなり話しかけるなよな、ケーキ!」

 ▼ 35 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:46:43 ID:DPCA2FII [2/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


振り向いた先でニコニコと笑っていたのは、ライチュウ唯一のチームメイトの姿。
丸みを帯びた尻尾に乗って、空中サーフィンしている褐色のポケモンの名も……ライチュウ。依頼を物色していた方と違い、こっちは電気の他にエスパータイプを備えていた。

姿は違えども、同じ種族である事には変わりない。その為に、それぞれによく似た食べ物の名前をニックネームとしているらしい。

電気単体の方は、コッペパンに似ている事から”コッペ”。
エスパー複合の方はパンケーキに似ているので”ケーキ”。
と言った具合に、普段から呼び分けていた。


 ▼ 36 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:47:04 ID:DPCA2FII [3/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


「いや、キミがあまりにも気味の悪い顔をしてるからどうしたのかなーって」
「辛辣だなオイ」

流れる様に軽口を叩くケーキに、一周まわって冷静になってしまった。だが、こんな事はいつもの流れ。朝の挨拶のような物なのでさっさと本題に移った。

「………なあ、ちょっとこれ見てみろよ」
「へぇ、面白そうだね。やってみる?」
「当然だろ」

そんなやり取りから、依頼の指定場所に着いたのはおよそ二時間後の事だった。

 ▼ 37 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:48:26 ID:DPCA2FII [4/12] NGネーム登録 NGID登録 報告







暗い森を抜け、深くへと進んでいく。
右も左も分からない道なき道を掻き分けて行った先に、開けた場所が見えてきた。
そこだけが太陽の光に照らされて、心なしか植物たちが生き生きとしている様に見えた。

その奥に待ち構えていたのは、強固な岩の鎧に強靭な四肢を携えたきょうぼうポケモン、お尋ね者として指名手配されていたバンギラス。その表情には、ほんの僅かながら焦りが見えた。

それを追い詰めていたのは、とある二人組の探検隊。

「さぁて、どうやら年貢の納め時のようだな!」

そう言って大胆不敵な笑みを貼り付け、電気袋をバチバチと放電させているライチュウ、コッペ。

「そろそろお縄についたらどう?」

腕には枝を装備し、自慢の尻尾で浮遊しながら相手を見据えるライチュウ、ケーキ。

この二人、チームスパークが逃げ込んだバンギラスを開けた小部屋に追い込んだ。周りは高密度の草木で覆われ、抜けることは勿論、なぎ倒すのも容易ではなかった。
 ▼ 38 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:49:12 ID:DPCA2FII [5/12] NGネーム登録 NGID登録 報告



「チィッ!だったら、ここでまとめて始末してやるぜェェェ!!」

そう叫びながら、足音を盛大に鳴らして突撃してくる尋ね者。パワーこそはあるが、速度は簡単に見切れるものだった。二人同時にひらりと左右へと避ける。

「それじゃ、サポート任せたぜ。相棒!」
「オーケー、任されたよ。マイバディ!」

しなやかな体捌きで、九十度右に回転。丁度、急ブレーキをかけ、停止したバンギラスを二人で挟み込むような場所に位置していた。

 ▼ 39 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:51:09 ID:DPCA2FII [6/12] NGネーム登録 NGID登録 報告

最初に動きがあったのは、ライチュウの片割れであるケーキ。

彼女の周囲に、突如出現した複数の物体。
それらの全てが自立しているかのように、空中でバンギラスに狙いを定め、牙を剥く。

その正体は、不思議な能力を秘めた枝の数々。
それをサイコキネシスで浮かび上がらせ、遠隔操作しているのだ。

「……集中砲火!」

その一言を合図にして、宙に浮かぶ枝達は一斉にその先端を振った。そこから放たれる光の弾幕が、バンギラスの視界を埋め尽くす。
しかし、地面からそびえ立った岩の剣に全てが阻まれ、爆散した。

 ▼ 40 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:51:50 ID:DPCA2FII [7/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


「オラァッ!」

そこから時間を与えること無く、コッペが右拳を構え、持ち前の速度で懐まで入り込む。
左足で地面を強く蹴りだし、驚愕の顔つきで振り向いたバンギラスの頬を気合い込めて殴り飛ばした。

「ぐうッ、舐めるなァ!」

ギリギリで持ちこたえた尋ね者。そのままコッペの腕を鷲掴み、空へと放り投げた。追撃とばかりに、大木の如き足で大地を強く揺らすと、先程弾幕を防いだ物とは比べ物にならない長さを誇った鋭岩が、地面から構えられる。

それは丁度落下しているコッペの真下に配置されており、このままで串刺しコース必至な状況だ。




「おっと、危ないじゃない」

実際には、そんな残酷な光景などは目に映すこともなかった。ケーキが念じると数メートルを残して静止したコッペの体は、薄い水色の何かに包まれながら地上へと降り立った。
 ▼ 41 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:52:20 ID:DPCA2FII [8/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


「助かったぜ、ありがとな!」
「……コッペ、もしかして太った?」
「失礼だなオイ!」

こんな状況でも軽口を叩くケーキに、場の空気とは程遠いツッコミをしてしまう。しかし、そんな事などお構い無しに襲い来る尋ね者の姿を視界に捉えた瞬間、突如その巨体が不自然に前のめった。




「なッ…!?」

足元には、頑丈に結ばれた雑草のトラップ。200キロはあろうバンギラスが引っかかってもなお、切れないそれは間違いなくポケモンの技としての物だった。
 ▼ 42 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:54:02 ID:DPCA2FII [9/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


その好機を逃すことなく、再び数多の枝から光弾が放たれる。今度こそ、弾幕はその殆どが尋ね者の全身に命中し、勢いよく吹き飛ばした。

「これで、終いだッ!」

ヨロヨロと起き上がろうとしたバンギラスの面前に、黄金に輝く弾丸が迫る。辺り一面を巻き込む規模の電撃をその身にまとったコッペの突撃は、疾風迅雷というに相応しいものだった。渾身の一撃は、鉄壁とも例えられる岩の鎧をも貫通し、盛大に打ち飛ばす。


そして、立ち上がる体力すらも尽きたバンギラスは再び足に力を込めようとして敢なく森のマットに沈んだ。

 ▼ 43 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:54:26 ID:DPCA2FII [10/12] NGネーム登録 NGID登録 報告








「―――――――はい、カットッ! お疲れ様でしたニャ!」


その言葉を皮切りとして、本来ぶっ倒れたままのバンギラスがむくりと起き上がる。更に、まだ警戒をしていたライチュウ二人も、スイッチが切り替わったかのように表情が緩む。

「御二方、お疲れ様でした」
「あ、どうも」

先程までの乱雑な言葉使いからは、想像もできない丁寧語、柔らかな物腰で話しかけてくるバンギラス。

加えて、先程の声の主……ニャースが満足そうに確認しているのは、大掛かりなカメラだった。


 ▼ 44 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:54:49 ID:DPCA2FII [11/12] NGネーム登録 NGID登録 報告


『けど、映画俳優の募集なんて依頼もあるんだね』

『ああ、なんでも本来の奴らが急用で参加出来ないらしいから、電気タイプ二人を主役として探してるらしいぜ』

『ちなみに依頼主は…ニャースシアター!? よし、コッペ早く行くよほら!』

『ちょ、お前尻尾を掴むなよイテテテテ!』






撮影現場であったとある森のダンジョンの帰り。
普段のようにお喋りしながら歩いていくコッペと時に寝そべりなから尻尾を乗りこなすケーキ。

「ふぅ、俳優ってのも大変なもんだな」
「コッペの場合、何も考えないで戦ってただけでしょ」
「う、うるせぇな。結果オーライだろ!」

こんなやり取りは挨拶のような物で、日常の証。ちょっと珍しい今日の体験も過ぎ去り、また元の日常へと戻っていくのだった。




なお、例の映画はそこそこの人気を博したらしい。

〜完〜
 ▼ 45 メガ◆jnO9hG2JaU 18/10/11 18:57:47 ID:DPCA2FII [12/12] NGネーム登録 NGID登録 報告
2作目もこれで終わりです、お付き合い下さりありがとうございました!

>>33さんの仰る通り、夜ご飯SS等を書いていた者です。ここ暫くは、あるポケモン二次創作サイトさんで連載活動をしていました。

ポケダン二次創作がこれからも増える事を祈っています。仮に質問があれば受け付けます。
ありがとうございました!
 ▼ 46 ルホッグ@ピッピにんぎょう 18/10/11 22:29:49 ID:rYI2Jm8U NGネーム登録 NGID登録 [s] 報告
>>45
乙!
このページは検索エンジン向けの機能制限版の旧ページです。
下URLから閲覧下さい。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=891401
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