【スワップSS】ラティアス「バレンタインにチョコレートを添えて」

〜カイナシティ〜

ミニスカート「ねぇねぇ、明後日のバレンタインはどんな感じ？」

エリートトレーナー「うーん、今年も友チョコオンリーかなー？」

カガリ「リーダーマツブサ……チョコレート……ァハ♡」ｿﾞｸｿﾞｸｯ

オカルトマニア「これは父さんので……こっちは母さんと食べるやつ……」

ラティアス「わぁ……！とっても甘い匂いがするね！何かのお祭りかな？」

ラティオス「祭りというより記念日だな。確かバレンタインデーと言ったか……地域によって異なるそうだが、この辺りでは女性が意中の男性にチョコレートを贈るらしい」

ラティアス「へぇ、だから女の人ばっかなんだ……さすがラティオス、何でも知ってるね！」

ラティオス「お前が無知過ぎるだけだ。まあ……俺とお前とじゃ生きてきた長さが違うからな。知識に差が出るのも当然か」

ラティアス「も、もう！子供扱いしないでよ。私だってもう大人なんだから！」

ラティオス「ふふっ……それより早く行くぞ。これ以上近付けばニンゲンに見つかる」

ラティアス「う、うん」

ラティアス「…………」

ラティアス(バレンタインデー……告白……チョコレート……)

ラティオス「…………」

ラティアス(……チョコレートを渡したら、少しは大人扱いしてもらえるかな？)

このSSは、【SS企画】スワップSS祭《http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=897810》に参加しております。
企画のレギュレーションに従い、続きは指定された別の参加者が執筆します。暫くお待ち下さい。

続きを書かせて頂くことになりました
精一杯やらせていただきます

支援です

引き継ぎありがとうございます。二週間とない企画ですが、お互い楽しみましょう

このSSとても楽しみですね！
支援

ラティアス「…………」

ラティオス「……どうしたんだ、ボーッとして」

ラティアス「あっ、ううん！ なんでもない！！」

ラティオス「……そうか」


ラティアス(……私は、ラティオスのことが好き)

ラティアス(でもこの通り彼は鈍感……もう嫌になっちゃう)

ラティアス(年だってちょっとしか離れてないのに子供扱いして〜っ！！)ﾌﾟﾝｽｺ


ラティオス「ほら、遅いぞ。どうかしたか？」

ラティアス「な、なんでもないって！」

ラティオス「そうなのか……？」

ラティアス「う、うん！ 大丈夫だから！」

ラティオス「…………」

ラティオス(やっぱりラティアスはほうっておけないな……)

ラティオス(危なっかしいというかなんというか……)

ラティオス(やっぱり俺がいないといかんな)


ラティアス「ちょっと！ ラティオスも遅いじゃん！」

ラティオス「あぁ、すまん。……お前のことを言えないな」

ラティアス「もう……っ！」

〜みなみのことう〜


ラティアス「ただいまー！」

ラティオス「……誰もいないぞ」

ラティアス「そ、そうだけど！」

ラティオス「まあいい。飯にするか」

ラティアス「うん！」

ラティオス「…………」ﾓｷﾞｯ

ラティオス「ほら、お前の分のきのみだ」ｽｯ

ラティアス「あ、ありがとう！」

ラティオス「では……」

ラティ二匹「「いただきます！」」

ラティアス「やっぱり安定しておいしいね！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ラティオス「そうだな」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

ラティオス「このオボンのみは、体力回復に特に良いとされているんだ」

ラティアス「へー、そうなんだ！ さすがラティオス！」

ラティオス「……まあな」


ラティ二匹「「ごちそうさまでした！」」

ラティオス「今日はカイナシティまで行ったからな……明日はどこへ行こうか」

ラティアス「あっ！ それなんだけど……。明日は私だけで行動していい？」

ラティオス「……お前だけで？」

ラティアス「うん！」

ラティオス「…………」

ラティオス「……なんで一匹だけで行く必要があるんだ？」

ラティアス「……逆になんで二匹で行かなきゃ行けないの？」

ラティオス「お前一匹で行ったら迷子になって帰って来られなくなるかもしれないだろ！？」

ラティオス「……お前が心配だから言ってるんだっ……！」

ラティアス「……心配心配って、ラティオスは心配しすぎ！」

ラティアス「もう大人なんだから一匹で行動くらいできるよ！！」

ラティアス「ラティオス、毎回毎回そう言って、私一匹で行動させてくれないじゃん！！」

ラティアス「過保護なんだよ！ 子供扱いしないでよっ！！」

ラティオス「…………」

ラティアス(あっ……)

ラティアス「〜〜っ！！ もう知らないっ！！」ﾋﾞｭﾝｯ

ラティオス「お、おいっ！！」

ラティオス「…………」

ラティオス(少し言い過ぎたな……)

ラティオス(それに、そうだな。俺はラティアスを子供扱いし過ぎていたかもしれない)

ラティオス(……謝らないと)


ラティアス「…………」

ラティアス(どうしよう……勢いで飛び出してきちゃった)

ラティアス(ついカッとなって言い過ぎちゃった……)

ラティアス(どうしよう……)

ポケモンブリーダー「──今、こちらではバレンタインイベントを開催しておりまーす！！」

ラティアス(あ、バレンタイン……)

ラティアス(そうだ、ラティアスにチョコレートを渡すためにここまで来たんだ……！)

ラティアス(チョコレートを渡して、仲直りしたい……)

ポケモンブリーダー「今なら、手作りチョコレートを作ることができますよー！！」

ラティアス(手作りチョコレート！？ 参加したい……！)

ラティアス(そうだ！ 人間の姿に変身すれば……！)ｼｭﾊﾞｯ

ラティアス(……よし)


ラティアス「すみません！ イベントに参加したいのですが……」

ポケモンブリーダー「はい！ 大歓迎ですよー！」

ポケモンブリーダー「お名前を伺っても？」

ラティアス「あっ……えっと……『ティア』です！」

ポケモンブリーダー「ティアさん！ では、どうぞこちらに！」

ティア「は、はい……！」

ティア(……変身が解けないように気をつけよう……)

ポケモンブリーダー「こちらの教室へどうぞ！」

ティア「は、はい！ ……わぁ！ たくさんの人……！」

ポケモンブリーダー「いよいよ明日がバレンタインデーですからね！」

ポケモンブリーダー「では、あそこのテーブルについてください」

ティア「はい！」


ポケモンブリーダー「今日、皆さんに作ってもらうのは"ハートスイーツ"です！」

ティア(ハートスイーツ！ ポケモンも食べられるし良かったぁ)

ポケモンブリーダー「それでは、料理教室を開始します！」

ポケモンブリーダー「まずは、テーブルにある板チョコを刻みましょう」

ティア「板チョコ……これか」

ティア「こんな感じかな……？」ﾊﾟｷｯﾊﾟｷｯ

ポケモンブリーダー「それをボウルに入れます」

ティア「よいしょと」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

ポケモンブリーダー「次に、鍋に水を入れ、熱します」

ポケモンブリーダー「このとき、沸騰させてはいけません。約50〜55℃くらいになるまで熱しましょう」

ティア「難しっ！？ まあ、やってみよう……」ｼﾞｬｰ

ティア「…………」

ティア「これくらいかな……？」ﾁｮﾝｯ

ティア「……まあ、大丈夫でしょ！」

ポケモンブリーダー「お湯が適温になったら、ボウルに移します」

ポケモンブリーダー「チョコレートの入ったボウルを、お湯の入ったボウルの上に置き、チョコレートを溶かします」

ポケモンブリーダー「このとき、チョコレートにまんべんなく熱が通るように大きくかき混ぜてください」

ティア「っと……これでいいのかな？」ｸﾞﾙｸﾞﾙ

ポケモンブリーダー「チョコレートが溶けたら、次は型に入れます」

ティア「はーい！」ｸﾞﾙｸﾞﾙ

ポケモンブリーダー「型は、このハートの型を使います」

ティア「かわいい……！」

ポケモンブリーダー「型にチョコレートを入れるときは、ぜひ好きな人への想いを込めて……！」

ティア「す、好きな人への……」

ティア「…………」

ティア(ラティオス……好き……！)


ポケモンブリーダー「……あとは、これを冷蔵庫で固めて完成です！」

ポケモンブリーダー「こちらに入れてください！」

ティア「はいっ！」

──数十分後


ポケモンブリーダー「はい！ 皆さんのハートスイーツは固まりましたよ！」

ティア「やった……！ チョコレート、作れた……！！」

ポケモンブリーダー「これにて料理教室は終了です！」

ポケモンブリーダー「お疲れ様でした！」

ティア「ありがとうございました！！」ﾍﾟｺｯ


ラティアス「ふぅ……疲れた」

ラティアス「でも、これでラティオスにチョコレートを渡せる……！！」

〜みなみのことう〜

ラティアス(うぅ、会うの気まずいなぁ……)

ラティアス「た、ただいまー……」

ｼｰﾝ

ラティアス「あれ？」

ラティアス「いないのかな……？」

ラティアス「まさか……怒って出て行っちゃったの……？」

ラティアス「そんなの……嫌だよ……」ｳﾙｳﾙ

ラティアス「う、うぅ……」

ラティアス「うわぁぁぁああああんっ！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ラティオス(何も言わずに出てきてしまったが……)

ラティオス(ラティアスに何か渡すものを探さないとな……)


マグマ団したっぱ♂「この辺りにレアポケモンの反応が……」

マグマ団したっぱ♀「！！ あそこにラティオスが！！」

ラティオス(まずいっ……！)

マグマ団したっぱ♂「捕らえろっ！」

マグマ団したっぱ♀「ラジャー！」ﾊﾞｼｭｯ

ラティオス「そう簡単には捕まらない！」

マグマ団したっぱ♀「うーん、流石伝説のポケモンね」

マグマ団したっぱ♀「でもこの機械の前ではどうかしら？」ｳｨｨｨﾝ

ラティオス「っ！？」

ラティオス(う、動けない……)

マグマ団したっぱ♀「今よっ！」

マグマ団したっぱ♂「とりゃっ！」ﾊﾞｼｭｯ

ラティオス(くそっ……)

──翌日


ラティアス「結局帰ってこない……」

ラティアス「……嫌な予感がする」

ラティアス「探しに行こう」


ラティアス「ラティオスー！ ラティオスー！！」

ラティアス「どこーっ！？」

ラティアス「……うぅ……」

ラティオス(ボールの中に入れられてしまった……)

ラティオス(どうすれば……)


ﾋｭｱ-ﾝ! ﾋｭｱｰﾝ!


ラティオス(！！ ラティアスの鳴き声っ……！)

マグマ団したっぱ♀「ねぇ、何かポケモンの声が聞こえない？」

マグマ団したっぱ♂「あれは……ラティアス！」

マグマ団したっぱ♀「2日連続で伝説のポケモンに出会えるとは……！！」

ラティオス（俺を探しに来たのか……クソッ……）

ラティアス「まずいっ、人間っ……！！」

マグマ団したっぱ♀「同じように捕まえてあげるわ！」

ラティオス「おーい！！ おぉぉおおい！！」

ラティアス「！！」

ラティアス(あの人間が持っているボールの中……まさかラティオスが……！！)

ラティオス(気付いた……っ！ でも、ボールの中の声は聞こえないか……なら)


ラティオス『おい、聞こえるか？』

ラティアス『ラティオス！？』

ラティオス『あぁ。テレパシーで会話してる』

ラティアス『ラティオス……』

ラティオス『色々話したいことはあるが、今は後回しだ』

ラティアス『う、うん』

ラティオス『あの女が持っている機械を壊せ！ あれは厄介だ！』

ラティアス『なるほど、機械ね。わかった！！』


ラティアス「サイコキネシス！！」ﾐｮﾜﾜ

マグマ団したっぱ♀「ちょっ！ 何するの！？」

ラティアス「それっ！」ｸﾞｼｬｯ

マグマ団したっぱ♂「あぁ……機械が……」

マグマ団したっぱ♀「クソッ、こうなったら……」ﾁｬｯ

ラティアス「させない！ サイコキネシス！！」ﾐｮﾜﾜﾜﾜﾜﾜ

マグマ団したっぱ達「「うわあぁぁぁあああっ！！」」ｷﾗｰﾝ

ラティアス「ふぅ……」

ラティアス「っと、これを押せばラティオスが出てくるのかな？」ﾎﾟﾁｯ

ﾎﾞﾝｯ

ラティオス「…………」

ラティアス「ラティオス……！」

ラティオス「……すまない」

ラティアス「そ、そうだよ！ 心配したんだからね……！」

ラティオス「……とりあえず、帰って色々話そうか……」

ラティアス「……うん」

〜みなみのことう〜

ラティオス「まず……お前に言っておいて、人間に捕まってしまい、すまなかった」

ラティオス「勝手に出ておいて、迷惑をかけた……」

ラティオス「そして、子供扱いしすぎていたな……悪かった」ﾍﾟｺﾘ

ラティアス「……すっごく心配したけど……私も、ごめんなさい……」

ラティアス「あの時強く言いすぎた……」

ラティアス「そして、勝手に出ていってごめん……」

ラティアス「心配になるよね……ラティオスがいなくなって、実感したよ」

ラティアス「それでね、ラティオスになんだけど……」

ラティオス「……？」

ラティアス「これっ……受け取ってください！」ｽｯ

ラティオス「これは……チョコレート？」

ラティアス「今までのごめんなさいの気持ちと……」


ラティアス「私の……"好き"の気持ちです……っ！！」


ラティオス「……っ！！」

ラティアス「私は……なんでも知ってて優しいラティオスのことが、ずっと前から好きでしたっ！！」

ラティアス「付き合ってくださいっ……！！」ﾍﾟｺｯ

ラティオス「……っ！！///」

ラティオス「…………」

ラティオス「……俺も、お前のことが好きだ」

ラティアス「えっ……！！///」

ラティオス「お前のことが好きだから……心配で放っておけなかったんだ」

ラティオス「でも、お前は俺を助けてくれた。お前は強い……」

ラティアス「えへへ……」

ラティオス「……こちらこそ、よろしくお願いします……！！」

ラティアス「……うんっ！！」ﾆｺｯ


ラティアス「……それでね、今までずっと気になってたんだけど」

ラティアス「なんで私のこと名前で呼んでくれないのって」

ラティオス「えっ？ あぁ……」

ラティアス「いっつも"お前"ばっかり……」

ラティオス「…………」

ラティオス「……名前で呼ぶのが恥ずかしかった、はダメか……？」

ラティアス「っ！！ ……許す……」

ラティオス「……でも、もう恋人だもんな……」

ラティオス「…………」


ラティオス「これから、一生大切にする……ラティアス」

ラティアス「……こちらこそ、ラティオス」ﾆｺｯ


おしまい

これにて完結です。
ラティ二匹の恋愛を書くのは楽しかったです。
◆WZienuer1kさん、素敵な一レス目をありがとうございました！

お疲れ様です！
とても感動しました……こういうの好き

乙です！
ラティアスの心情がかわいい
雑ですが挿絵(？)描かせてもらったので上げます
２回もチョコを作ってる絵を描くことになるとは思わなかった

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ご挨拶が遅れてしまい大変申し訳ございません。

ぴかちう◆Xq21k6pIJA様、素敵なバレンタインSSをありがとう御座います。

テトラポット◆Pcf6Vw29GM様も、可愛らしい挿絵を描いていただきありがとう御座いました。

>>34
かわいい……！！
とても素敵な挿絵を描いて下さり、ありがとうございます……！！