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背後から怒ったような声が聞こえ、三人の子供たちはビクッと肩を震わせる。アルセアは怯えたようにバジリコの手を握り、アキニレは「ゲッ」と声を上げた。
三人が恐る恐る振り向くと、そこにはアキニレの父親が怖い顔をして仁王立ちしていた。
「また夜遅くに抜け出して……」
父親が呆れたように言う。それから、子供たちと一緒になって縮こまっているまよなかのすがたのルガルガンを見て溜息をついた。
「お前ももっとしっかりしてくれないと」
「ガル……」
普段の好戦的な瞳はどこへやら、ルガルガンはすっかり小さくなって申し訳なさそうに鳴き声を上げた。
もう日付が変わりそうだという時間に、アキニレは父親のルガルガンをこっそり外に連れ出して、友達のアルセアとバジリコと共に夜の一番道路で遊びまわっていたのだ。
三人はまだ自分のポケモンを持っていない。けれど、ポケモンのことは大好きだった。
「アキニレ、お前はもう少しでお兄ちゃんになるんだぞ?いい加減にしなさい」
「……はーい」
アキニレの父親の厳しい声に、アキニレは暗く返した。父親は困ったように笑って、子供たちと目線が合うようにその場にしゃがみこむ。
「……お前たちの気持ちは分かる。早くポケモンと一緒に草むらを走り回って、いろんなポケモンと出会って冒険してみたいよな」
三人はその言葉に目を輝かせて頷いた。
「でも、バジリコくん。何か怖いことがあった時に、今の君じゃ自分の身をきちんと守れないだろ?だから危ないことはしちゃだめだ」
バジリコは真剣な表情で聞いている。
「それに、アルセアちゃん。たとえポケモンと一緒にいたって無敵になれるわけじゃないんだ。それは僕だってそうさ」
アルセアは彼の言ったことがよく分からなかったのか、なんだか微妙な表情を浮かべている。
「いつか必ず、ポケモンと一緒にいろんなことができるようになる。だからもう少し大きくなるまで我慢だ。分かったか?」
「……はぁい」
「もうしません……多分」
「ごめんなさい」
三人は口々に謝った。アキニレの父親は一瞬眉をつり上げたが、やがて満足げに微笑んだ。
「反省したならよし!それじゃ、バジリコくん、アルセアちゃん。家まで送るよ。行こう」
そう言って、アキニレの手を繋ぐ。アキニレは反対の手でアルセアの空いている手を握った。アルセアは変わらずバジリコの手を握りしめている。
ルガルガンが小さく吠える。四人と一匹は、月が優しく見下ろす中、ノグレータウンへと向かって歩いていった。
※この物語は
ママ「ほら、早く起きなさい!」
http://pokemonbbs.com/sp/poke/read.cgi?no=656366
の前日譚となっております