【SS】マオ「最近のリーリエ……なんだか、ちょっとサトシに似てきてない？」　リーリエ「そ、そうでしょうか……？」

　――ポケモンスクール、休み時間。


マーマネ「ねえねえ！　みんな、知ってる？」

カキ「……なんのことだ？」

マーマネ「最近、街でウワサになってる――」

ｻﾄ/ﾘｴ「「！」」ｶﾞﾀｯ

シロン「　　　　　　　　　　こ　ぉ　ぉ　ぉ　ぉ　ぉ　ぉ　ぉ　る　！！！　　　　　　　　　　」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パ

　　　　　　　　　パ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　パ
　　　　　　　　　　　キ　　　　　　　　　　　　キ　　　　　　　　　　　キ

　　　　　　　　　　イ　　　　　　　　　　　 イ　　　　　　　　　　　　　イ

　　　　　　　　　　　　　　ィ　　　　　　　　 ｲ　　　　　　　　ィ

　　　　　　　　　　　　　　 ｨ　　　　　　　　ｨ　　　　　　　　ｨ

　　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　　　　　 ｲ　　　　　　ｲ
　　　　　　パ　　　　　　　　　 　 ﾑ/ｺ/ﾆｬ『『『……は？』』』　　　　　　　　　　　パ
　　　　　キ　　　イ　ィ　　　　　　ｨ　　　　ｨ　　　　ｨ　　　　　　　　ィ　　イ　　　キ
　　　　　　　　　　ｨ　ィ　　ィ　　　　　ｲ　　　ｲ　　　　　ィ　　ィ　　　　ｨ
　　　　　　　　　　　　　　　　ｲ　 　 ｨ　　　 ﾝ　　　ｨ　　ｲ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　！！！



サトシ「！　ロ、ロケット団がデッカい氷の結晶に閉じ込められて……！？　すっげぇ……これがリーリエとシロンの、ゼンリョク……！！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ピカチュウ「ピカピィカ……！！」

　　　　　　　　　　　　ﾊﾟ　ﾘ　ｨ　ｨ　ｨ　ｨ　ｨ　ｨ　ﾝ…　！！！

ﾑ/ｺ/ﾆｬ「「「や　　　　ーー　　　　な　　　カ　　　ン　　ジ　　ィ　ィ　ｨｨｨｨｨｨｨｨｨｨ！！！？？」」」


ソーナンス「ソォーー！　ナンスッ！！？」


　……ｷﾗｰﾝ！

＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿



リーリエ「『Zリング』……ありがとうございました、サトシ。ふたりのおかげで、無事ロケット団を退けることができました」

サトシ「ううん。『俺たちのおかげ』じゃない……ロケット団を追っ払ったのはリーリエたちの力だよ」

サトシ「リーリエとシロンの勇気がZワザを成功させて、それであいつらをやっつけたんだ！」


サトシ「だから……」

サトシ「俺たちのこと、守ってくれてありがとな！　リーリエ、シロン！」ﾆｶｯ

ピカチュウ「ピカピーカ♪」


リーリエ「！　サトシ……ピカチュウ……」


サトシ「……だから言ったろ！？　『リーリエはもっと自分に自信を持ったほうがいい』ってさ！」

リーリエ「…………はいっ！！///」ﾆｺｯ

リーリエ「……それで、あの……」

サトシ「ん……？」

リーリエ「バトルのまえにサトシが言っていたこと、なのですが……」

サトシ「『バトルのまえ』……？」


『だから俺、今日はリーリエにそのときのお礼をしようって――』


サトシ「……あっ！」

サトシ「ちぇっ……！　せっかく、最後に渡してサプライズにしようって思ってたのに……」
　　　　　　　　　ｼﾞｬﾏ
サトシ「とんだ ロケット団 が入っちゃったな」

リーリエ「……？」


サトシ「はい、これ。俺からリーリエに、感謝の気持ちを込めて」ｽｯ


リーリエ「！」

リーリエ「この箱を、わたくしに……？」

サトシ「うん！」ﾆｶｯ


リーリエ「開けても、いい……です、か……？」

サトシ「もちろん！」

サトシ「あっ……け、けどさ！　気にいらなかったらゴメンな！？」ｱﾀﾌﾀ


リーリエ「……」ｸｽｯ


　ｼｭﾙｯ…　ﾊﾟｶｯ

リーリエ「わあぁ……！　ステキなスカーフ……！！」ｷﾗｷﾗ

リーリエ「これ……サトシが選んでくださったのですか！？」

サトシ「うん！！」


サトシ「って、言いたいところなんだけど……ホントはさ、ほとんどバーネット博士に選んでもらったんだ」

サトシ「あっ……けどけど！　色は俺が選んだんだぜ！？」


サトシ「やっぱり、リーリエに似合う色っていったら『白』かなって！」


リーリエ「け、けど、"プレゼント"だなんて大袈裟な……わたくし、そんなに大したことは――」

サトシ「ううん」ﾌﾙﾌﾙ

サトシ「このまえ、ロトムとケンカしちまったとき……」

リーリエ「…………」


サトシ「俺、ロトムが俺たちと別れることをちっとも悲しんでないって勝手に思い込んでさ、それで意地になって、あいつの気持ちも考えず、売り言葉に買い言葉で『ゲットしてやる！』なんて言っちまって……」

サトシ「きっとあいつのこと、すっげー傷つけちまったと思う。あのままだとホントにお別れすることになってたかもしれない」

サトシ「けど……」


サトシ「リーリエの言葉が、俺に勇気をくれた！」

リーリエ「！」

サトシ「リーリエの言葉があったから、俺、あいつも大事な仲間だって改めて気づけて……それで、あいつと話しようって思えた！」

サトシ「"すなお"に謝ることもできた！」

サトシ「だから……」

サトシ「だから、リーリエにはホント感謝してる！　俺に勇気を分けてくれてありがとな！」ﾆｶｯ


リーリエ「…………」


サトシ「……あいつの前でこの話すんの恥ずかしかったからさ、今日は頼んで、先に帰ってもらって――」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ


リーリエ（何度も助けていただいて、そしてたくさん勇気をいただいたのはわたくしの方なのに……）

リーリエ「はい。どう、いたしまして……」ﾍﾟｺｯ

サトシ「へへっ♪」


サトシ「あっ……その"プレゼント"、どうだった？　前にみんなでショッピングモールにいったときさ、リーリエ……『シロンのスカーフとバンダナが見たい』って言ってただろ？」

サトシ「それで、ひょっとしたらリーリエもそういうのが好きなんじゃないかって思って、バーネット博士に頼んで一緒に選んでもらったんだけど……」

リーリエ（！　サトシ……そんなに前のことも覚えていてくれて……？）


サトシ「まさか……もう、おんなじもの持ってたとか！？　だったらゴメ――」

リーリエ「いいえ」

リーリエ「これ、わたくしの宝物……大切にしますね……♪」ｷﾞｭｯ

サトシ「へっ……？」ﾎﾟｶｰﾝ


リーリエ「〜♪」


サトシ「ははっ……リーリエの方こそ、大袈裟だなぁ……」

＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿



サトシ「あっ……そういやさ！　リーリエ！」


リーリエ「……？　なんでしょう？」

サトシ「さっきのリーリエとシロンのZワザ！……あれ、俺すっげー『ドキドキ』した！」

リーリエ「！」


サトシ「やっぱ全力って最高だよ！……なっ？　ピカチュウ！」

ピカチュウ「ピカチュウ！」


リーリエ「…………」

　　　　　"ズルいです。わたくしばっかり"



　　　　　　　　　　　　　　　　　"今度はわたくしがサトシのことをドキドキさせる番！"



　　　　　　　　　　"振り向かせられるだけの魅力がないのかな……"


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・

　……どうして、こんなに簡単なことに気がつかなかったのでしょうか？


　論理的結論として、サトシのことをドキドキさせたいのなら答えは―――。

リーリエ「……」ﾌﾌｯ

サトシ「……？　リーリエ？」

リーリエ「わたくしも……大試練に挑戦してみようかしら？」

サトシ「……えっ！！？」

リーリエ「それで『Zリング』をゲットして、今度は『本当の』自分たちの力でZワザを成功させるんです！」ｸﾞｯ


リーリエ「……その方が、サトシも もっともっとドキドキしてくれますよね？」ﾆｺｯ

サトシ「おおおお！！？」ｷﾗｷﾗ


サトシ「うん、うん！　しちゃうしちゃう！　ドキドキしちゃうよ！」ﾆｶｯ


サトシ「あっ……じゃあさ！　さっき約束した『二人のバトル』！……あれも、そのあとにしようぜ！？」

サトシ「そんで、そのときはZワザで勝負だ！！」


リーリエ「はいっ！……負けませんよ！」

　わたくし……もっともっと頑張って、サトシのことをドキドキさせられるトレーナーになってみせます。


　ですからあなたも、その純粋さと優しさで、これからもわたくしのことを――

リーリエ「……ドキドキさせてくださいね♪///」ﾎﾞｿｯ

サトシ「へっ？　リーリエ……いま、なんか言った？」

リーリエ「……言ってません♪」


サトシ「えー！？　確かに聞こえたよー！」

リーリエ「気のせいです♪」


サトシ「ぜったい聞こえたって！　なあ……教えてよ！」

リーリエ「ヒミツです♪」


サトシ「ほらー！　『ヒミツ』ってことは、やっぱ言ったんだろ！？」

サトシ「よーし……！　どうしても教えてくんないなら――


　ﾜｲﾜｲ　ｶﾞﾔｶﾞﾔ…

　――翌朝、ポケモンスクール。

「アローラ！」


マオ「あっ……リーリエ、アロ――」


　ｸﾙｯ


マオ「！」

マオ「リーリエ、またイメチェン？……その髪飾りとスカーフ、とってもカワイイね！」

スイレン「キマってる」ﾌﾞｲｯ

リーリエ「ありがとうございます♪　マオ、スイレン！」ﾆｺｯ


カキ「しかし、珍しいな。……リーリエがスクールにそういうものを着けてくるとは」

マーマネ「ホント、ホント！　それ、どうしたのさ？」


リーリエ「……これですか？　ふふっ♪　これは――」

　いえ……これだけではありません。

　サトシ……


　あなたがくれた言葉、想い、そのすべてが――

リーリエ「わたくしの、宝物です♪」ﾆｺｯ

おわりです

乙
本当にいいssをありがとう

乙！

乙です

久しぶりに完結したサトリエSSを見た(^^)
アニメちゃんと見ててすごく好感が持てたし面白かった。
乙です( ^ω^ )

乙

実に良いSSだった、乙