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SS

【SS】The sequel to a dream

 ▼ 1 lFKrUBJvsg 18/12/05 02:42:03 ID:luc.Tkk6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「だからさぁ、何回も言ってるじゃん、シーツが汚れてんだって」


いつからだろう、世界が灰色になったのは


「申し訳ありません、直ちに代わりのシーツを持ってきます」

「チッ......早く持ってこいよ」


いつからだろう、毎日が楽しくなくなったのは



僕の夢ってなんだったかな
 ▼ 45 lFKrUBJvsg 18/12/08 00:00:11 ID:PkFkcj42 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヨウ(いきなり波乗りは流石に無理か......)

ヨウ(でもこの対面なら勝てる)


自信満々なヨウ。

もちろん、それには理由がある。


ヨウ「スターミー、サイコキネシス!」

ハプウ「フライゴン、とんぼがえり!」


スターミーの中心にあるコアが輝く。

フライゴンは猛スピードで接近し、とんぼ返りを仕掛ける。

しかし、フライゴンがスターミーに触れるよりも先に強力な念力がフライゴンを捕獲した。


フライゴン「ふりゃあ......」


サイコキネシスを食らい、その場に落ちるフライゴン。


ヨウ「そこだ、冷凍ビーム!」

ハプウ「避けろフライゴン!」


フライゴンが起き上がり冷凍ビームから逃げようとするも、飛び上がるより先に氷がフライゴンを捕らえた。

そして、フライゴンが一瞬氷で固まった後、目を回し倒れた。
 ▼ 46 lFKrUBJvsg 18/12/09 20:42:21 ID:BjuYtcc6 NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ハプウ「......やるのう」


倒れたフライゴンをボールに戻しながらハプウが言う。

相性有利とはいえ上手く倒せた事を褒めていた。


ハプウ「ちょっと不安じゃが......ゆけ、ワルビアル」


ボールから出てきた大きいポケモンがスターミーを威嚇する。

しかし、スターミーは物理攻撃技を持っていない......故に威嚇は無駄である。
 ▼ 47 lFKrUBJvsg 18/12/09 20:57:38 ID:76as677w [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウ(ワルビアル......波乗りはまず当たる......)

ヨウ(倒すまでは行かなくても大ダメージは与えられるだろう)


ヨウ「スターミー! 波乗り!」


スターミーの背後から、またしても大量の水が押し寄せる。

フライゴンと違い、空を飛び空中に逃げる事が出来ない。

波乗りがワルビアルに当たり、ダメージを与えられるとヨウは思っていたが────


ハプウ「ワルビアル、あなをほるで逃げろ!」


────今度は地中に潜り回避された。

と、同時にワルビアルの姿が視界から外れる。


ヨウ「スターミー、落ち着いて地面を観察しろ!」


その指示を聞き、やや混乱気味にあったスターミーが地面に視線を移す。

しかし、ワルビアルが出てきたのは元の位置でも、離れた場所でも無く......

スターミーの真下だった。


ワルビアルの地中からのあなをほる攻撃でスターミーが吹き飛ばされる。


ハプウ「今だ、噛み砕く!」


スターミーが吹き飛ばされ、地に落ちる前にワルビアルがスターミーを噛み砕く。

このコンボをスターミーは耐えきれず、地面に倒れたまま戦闘不能となった。
 ▼ 48 lFKrUBJvsg 18/12/09 21:04:25 ID:76as677w [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヨウ「これで2対2......」

ハプウ「同点、じゃな」


ヨウ「お疲れスターミー、ゆっくり休め」


スターミーをボールに戻し、次のボールに手をかける。


ヨウ「行け、ルガルガン!」


地面タイプ使いのハプウに対し、岩タイプのルガルガン。

相性が悪く、地面タイプ特有の物理耐久の高さもあり、不利なポケモン。


しかし、ヨウは迷わずルガルガンを選出した────
 ▼ 49 ょっと遅れ気味◆lFKrUBJvsg 18/12/11 22:21:35 ID:u5cktPwU [1/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ハプウ「......ほう、ルガルガンか......」


ヨウはルガルガンの事を信頼している。

モクローの次に手持ちにしたポケモンであり、強さもジュナイパーと肩を並べる強さ。

なので、相性不利な地面タイプにも安心して選出したのだ。


ヨウ「ルガルガン、アクセルロック!」

ハプウ「避けろ!」


しかし、あまりの速さにワルビアルの体が動くよりも先にルガルガンの体が当たった。

そして、体当たりをして、後ろに飛び退く。

地面タイプなので大したダメージは無い。


ヨウ「ルガルガン、つるぎのまい!」

ハプウ「つるぎのまい......? 構わん、ワルビアル、地震!」


ワルビアルが地面に手を付き衝撃を与え、地面を揺らして攻撃する。


ハプウ「? はて......ルガルガンはどこじゃ?」


さっきからルガルガンの姿が見当たらない。

ハプウはフィールド全体を見渡すも、ルガルガンを見つける事は出来なかった。
 ▼ 50 く完結させないと◆lFKrUBJvsg 18/12/11 22:26:47 ID:u5cktPwU [2/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
数秒、ワルビアルが地面を揺らし続けて、1回で揺らせる時間を超えた。

そのため、ワルビアルは手を離して攻撃に備える。


だが、フィールドにはボロボロになったぬいぐるみ────


────『身代わり人形』が置いてあるだけであった。
 ▼ 51 lFKrUBJvsg 18/12/11 22:38:17 ID:u5cktPwU [3/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ハプウ「......なるほど、アクセルロックで怯んだ隙に身代わりを置き」

ハプウ「無傷のまま、つるぎのまいをした......と」

ハプウ「流石じゃ」

ハプウ「だが、負ける訳にはいかない」


その頃、フィールドでは身代わり人形が消え、側からルガルガンが現れていた。

また、ルガルガンとワルビアルが向かい合う。


ヨウ「ルガルガン、ストーンエッジ!」

ハプウ「避けながら噛み砕く!」


ルガルガンが、地面に手を叩きつける。

そして、ルガルガンからワルビアルまでの直線上に高さ2メートル程の巨石が現れる。

それを、ワルビアルは体を反らしたり岩を壊しながら進んでいく。


ワルビアルがルガルガンまであと3メートル程まで接近した時......

最後の岩がワルビアルに命中した。
 ▼ 52 lFKrUBJvsg 18/12/11 22:49:10 ID:u5cktPwU [4/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ハプウ「くっ......頑張ってくれワルビアル!」


突然出てきた岩が当たり、岩の上に吹き飛ばされる。

しかし、ワルビアルの目はルガルガンを捉えていた。


ワルビアルが地に落ちるのと同時に、ルガルガンの首を噛み砕いた。


両者その場に倒れ、フィールドを砂煙が覆う。


ヨウ「耐えてくれ、ルガルガン!」

ハプウ「立ち上がってくれ、ワルビアル!」


砂煙が消えて、視界が回復すると、肩で息をしながらもお互いに立ち上がり戦闘準備をしていた2匹がいた────
 ▼ 53 lFKrUBJvsg 18/12/11 23:00:38 ID:u5cktPwU [5/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
どちらもあと一撃も耐えられそうにない。

つまり、先に攻撃を受けた方が負けにつながる。


ヨウ「ルガルガン、アクセルロック!」

ハプウ「噛み砕くで迎え撃て!」


ルガルガンがワルビアルに接近する。

最初のアクセルロック程のスピードは無いものの、かなりのスピードで突っ込んでいく。

ワルビアルはアクセルロックを噛み砕くで迎え撃つために、姿勢を低くして口を開ける。


ルガルガンがワルビアルに衝突し、ワルビアルが口を閉じて顎に力を入れる。


元々、両者共に体力が僅かだった事もあり、攻撃を終えて力尽きた────

 ▼ 54 lFKrUBJvsg 18/12/11 23:10:02 ID:u5cktPwU [6/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウ「お疲れ様、ルガルガン」

ハプウ「良くやったぞ、ワルビアル」


二人共にポケモンをボールに戻して労いの言葉を掛ける。

そして、ボールを手に取りポケモンを繰り出す。


ヨウ「行け、ジュナイパー!」

ハプウ「ゆけ、バンバドロ!」
 ▼ 55 lFKrUBJvsg 18/12/11 23:22:39 ID:u5cktPwU [7/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウ(かなりの有利対面とはいえ、油断は出来ない)

ヨウ「ジュナイパー、リーフブレード!」

ハプウ「バンバドロ、がんせきふうじ!」


ジュナイパーが羽を羽ばたかせバンバドロに接近し、草の剣を振りかざす。

接近したジュナイパーに合わせ、バンバドロが大きな岩を投げる。


バンバドロにリーフブレードは効果抜群......だが────


────大きなダメージは受けておらず、それどころかバンバドロの筋肉が活性化しているように見られた。
 ▼ 56 lFKrUBJvsg 18/12/11 23:32:12 ID:u5cktPwU [8/9] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウ(『じきゅうりょく』......技を受けると防御が上がってしまう......)

ヨウ(すっかり忘れていた......ならば)


ヨウがZリングに触れ、Zワザのポーズを取る。

膝を曲げ、両手を合わした後、両手を大きく開き背伸びのポーズを取る。

ジュナイパーがオーラを纏い、砂のフィールドに草花が生え始めた。

バンバドロの素早さはかなり遅く、Zワザを避けるだけの素早さは無い────


バンバドロに草タイプのZワザ、「ブルームシャインエクストラ」が炸裂した。
 ▼ 57 lFKrUBJvsg 18/12/11 23:39:44 ID:u5cktPwU [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




ハプウ「......おめでとう、ポニ島の大試練突破......」

ハプウ「......そして、ポケモンリーグの挑戦権を君は得た」


ジュナイパーのゼンリョクのZワザをバンバドロは耐えられずに、戦闘不能。

これと同時にポニ島の島クイーン、ハプウに勝利した。


ハプウ「もちろん、ポケモンリーグに挑戦するのじゃろう?」

ヨウ「ええ、どうしても勝ちたい相手がいますから」

ハプウ「......頑張るのじゃぞ」


ポニ島の大試練突破によりリーグへの挑戦権を得たヨウ。

リーグには、ヨウがどうしても勝ちたいと言う相手がいる。


その相手に勝てるように願いながらポケモンリーグ、ラナキラマウンテンへ向かう────
 ▼ 58 lFKrUBJvsg 18/12/12 15:22:35 ID:v2U2J91A [1/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ラナキラマウンテン入り口────


ヨウ「ここがラナキラマウンテン......やっぱり大きい」


ラナキラマウンテンに足を踏み入れる。

ラナキラマウンテンはアローラ地方で一番大きい山で、頂上にポケモンリーグがある。

およそ10年前に出来た、比較的新しいリーグ。

チャンピオンは未だに初代チャンピオンのミヅキのままだ。
 ▼ 59 lFKrUBJvsg 18/12/12 15:28:22 ID:v2U2J91A [2/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



地面に落ちて間も無い新雪を踏みながら頂上を目指す。

幸い、トレーナーは少なく、数戦するだけで良さそうだ。

トレーナーの腕もヨウにとっては大して高くない。


特に何もなく、頂上付近......リフトの前まで来た。
 ▼ 60 lFKrUBJvsg 18/12/12 15:35:39 ID:v2U2J91A [3/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



と、そこに黒いポケモンが横切った。

アブソル────わざわいポケモンと言われ、人にあまり寄り付かない。

野生のアブソルは珍しく、ヨウ自身も見た事が無かった。


ヨウ「アブソル......やっぱり簡単には行けないか」


アブソルは攻撃力が高く、不意討ち等も覚える悪タイプのポケモン。


ヨウ「悪タイプのポケモンには......行け、クワガノン!」
 ▼ 61 lFKrUBJvsg 18/12/12 15:49:30 ID:v2U2J91A [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アブソルとクワガノンの戦い。レベルは互角と思われる。


アブソル「ソォル!」


先に動き出したのはアブソル。クワガノンに接近して不意討ちをする。


ヨウ「クワガノン、10万ボルト!」


とてつもない電撃が接近してきたアブソルに命中する。

レベルは高くとも、野生のポケモンなので動きに無駄がある。


そしてヨウはバッグから空のモンスターボールを取りだし、アブソルに投げる。

アブソルは逃げずにボールに吸い込まれた。

逃げる事が出来ないと、今の一撃で察したのだろう。

ボールは3回揺れた後、カチッと音がして止まった。


ポケモンリーグ挑戦間近、ヨウはアブソルを捕まえ、手持ちを6体にした。


ヨウ(......戦力にもなりそうだし......頼んだよ、アブソル)
 ▼ 62 ウマージ@ボイスチェッカー 18/12/12 18:54:19 ID:ONmUCLHo NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 63 lFKrUBJvsg 18/12/15 06:15:01 ID:yScw4ZFE [1/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウ「......着いた」


ラナキラマウンテン山頂、真っ白な世界にポツンとあるポケモンセンター。

屋根に雪が積もっていて、赤い屋根が見えづらくなっている。


ヨウは暖を取るためと、リーグ挑戦の準備のためにポケモンセンターへと入る。


中に入ると、この環境に慣れるために暖房はついていなかったが、屋内なので寒さは凌げた。

周りには、いかにも強者の風格を持ったベテラントレーナーがいた、彼らもリーグに挑戦するのだろう。
 ▼ 64 lFKrUBJvsg 18/12/15 06:24:55 ID:yScw4ZFE [2/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
まず、ここまでの道のりで疲れたポケモンの回復をした。

アブソルを含めたリーグに挑戦する6匹を預ける。


センターの部屋を借り、ポケモンの回復を待っている間にシミュレーションをする、不安材料はアブソル。

ポテンシャルはかなり高いが、捕まえてすぐのポケモンにまともに指示が出せるのか。


その他にも、エースであるジュナイパーのタイプ相性があまり良くない。


どうにか解決策が無いかと思案していると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
 ▼ 65 lFKrUBJvsg 18/12/15 06:40:22 ID:yScw4ZFE [3/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ノックが聞こえた扉に向かって返事をする。


「入るよ〜」


ついこの間、聞いた声が聞こえ、扉が開く。

そこには、これから挑戦するリーグのチャンピオン──ミヅキがいた。


ヨウ「......チャンピオンの仕事は?」

ミヅキ「今日の挑戦者はヨウ君だけだよ」

ヨウ「なんでここに?」

ミヅキ「いや〜ちょっと渡したい物があって」


ミヅキがそう言ってポケットから布にくるまれた物を出す。

布を取り、中にある黒いひし形の物を差し出した。


ヨウ「Zクリスタル......?」

ミヅキ「そう、ジュナイパーZ......ククイ博士に貰ったの」

ミヅキ「私はジュナイパー持ってないから......どうせならヨウ君に」

ミヅキ「君ならすぐに使えると思うよ、昔、カプ・コケコに選ばれたんだから」


戸惑いながらもZクリスタルを受け取る。

このタイミングで渡したのにはどういう意図があるのだろう。
 ▼ 66 lFKrUBJvsg 18/12/15 06:47:56 ID:yScw4ZFE [4/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ミヅキ「そのZクリスタルを使って、私のところまできてね、待ってるから」


ミヅキがヨウに背中を向け、部屋を出ていこうとする。

その背中に、言葉を放った。


ヨウ「分かった、頑張るよ」


その言葉を聞き、ミヅキが振り返る。


ミヅキ「負けないからね」

ヨウ「負けても何度でも挑戦するよ」


ミヅキは微笑み、また背中を向け部屋から出ていった。


ヨウ(四天王に......あの人に勝たなくちゃ)

 ▼ 67 lFKrUBJvsg 18/12/15 07:00:40 ID:LTAISdaA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
「ポケモン達の治療が終わりましたよ〜」


今度はジョーイさんに呼ばれた、ポケモンの治療が終わったようだ。

といっても、大した怪我は無くただの回復なのでそこまで時間はかからなかった。


ジョーイ「皆、元気になりましたよ〜」


ジュナイパー達がジョーイに連れられヨウの元へ。

緊張しているようだが、表情は引き締まっていた。


ポケモンの中からアブソルを呼び、ポケマメをあげた。虹色の高級ポケマメである。


ヨウ「アブソル......急で悪いけど、よろしくね」

アブソル「そぉる!」


アブソルは頷き、既に臨戦態勢。


他のポケモンが羨ましそうにアブソルを見ていたので、虹色ポケマメをそれぞれにあげた。

調子を上げる為と、リーグ挑戦を祝うために。
 ▼ 68 lFKrUBJvsg 18/12/17 00:25:44 ID:jWFYlK0I [1/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告





ポケモンセンターから数十メートル。

山に埋まるようにして大きな扉が見えてくる。

この扉が、アローラのポケモンリーグの入り口である。


その扉に向かい、歩みを進めて近付く。


男「ポケモンリーグは待ち構える四天王全員に勝つか、負けるまで外にでられない!」

男「それでも挑むのか!?」


扉の前に立つ男に聞かれ、ヨウは一切迷わずに頷く。


男「通るのだ! おまえたちの強さ示すのだ!」


厳重な扉が、プシュという音をたてて開く。

そこから見える、ポケモンリーグ内部に向かって歩き始めた────
 ▼ 69 lFKrUBJvsg 18/12/17 00:31:12 ID:jWFYlK0I [2/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ポケモンリーグの中......ようやく、ここまで来れたのだと思うと感慨深い。

しかし、感傷に浸っている暇は無い。


ヨウは四つある扉の中から一番左────


────黒いオーラが描かれた扉を開けた。
 ▼ 70 lFKrUBJvsg 18/12/17 00:40:42 ID:jWFYlK0I [3/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告



「よう、久しぶりだな」


扉の奥、四天王の部屋にいたのはヨウがかつて敗れ、島巡りをやめたバトルの相手────


────クチナシがいた。


クチナシ「本当はやりたくないんだが、カプ......守り神さまに指名されちゃってよ」

クチナシ「『お前は四天王で挑戦者を倒す方が似合ってる』ってよ」

クチナシ「という事で......お前さんと戦わなきゃいけないのよ」

クチナシ「準備は出来てる......よな、さっさと始めるかい」


数年ぶりの、クチナシとのバトル。


ヨウ「ええ、もちろんです」

ヨウ「今度は......負けません」


バトル開始のホイッスルが鳴り響いた。
 ▼ 71 lFKrUBJvsg 18/12/17 00:59:02 ID:jWFYlK0I [4/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウ「行け、ドデカバシ!」

クチナシ「いけ、ヤミラミ」


1体目はドデカバシとヤミラミ。

ドデカバシは高い攻撃を持つが、ヤミラミは耐久の高さが自慢だ。


バトル開始直後、ヨウが動く。


ヨウ「ドデカバシ、くちばしキャノン!」


ドデカバシのくちばしが赤くなっていく。

くちばしを熱し、相手に突進する高威力技だ。


クチナシ「ヤミラミ、イカサマ」


ヤミラミがドデカバシに近付き、懐を狙う。

ドデカバシも十分にくちばしを熱した後、ヤミラミに迫る。


ヤミラミ「ヤミ〜!」


ドデカバシのくちばしがヤミラミに当たり、ヤミラミが仰け反る。

しかし、くちばしが当たる瞬間、ヤミラミはしっかりと胸元への攻撃をいていた。

その攻撃のおかげで、ドデカバシにも多少のダメージを与えた。
 ▼ 72 lFKrUBJvsg 18/12/17 01:11:20 ID:jWFYlK0I [5/6] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ヨウ(次上手く当たれば倒せる、ここはもう一回......)

ヨウ「ドデカバシ、くちばしキャノン!」


ドデカバシがまたしてもくちばしを熱し始める。


クチナシ(さっきの攻撃で火傷しちったし......)

クチナシ「ヤミラミ、鬼火」


ヤミラミが姿勢を前にして、紫色の炎を出す。

すると、普段のヤミラミからは想像出来ない猛スピードでドデカバシに接近し、鬼火を命中させた────


クチナシ「『いたずらごころ』......確かに珍しい特性かもしれんがそのくらいは覚えとけ」


いたずらごころは知っていた。

だが、ヤミラミが持っている事があるというのは初めて聞いた。


この場に来ても、まだまだ知らない事がある。

その事実にヨウは興奮が抑えられない。
 ▼ 73 lFKrUBJvsg 18/12/17 01:25:00 ID:jWFYlK0I [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ヨウ(両方とも火傷状態......これは長期戦にしたい)

ヨウ「とりあえず、はがねのつばさ!」


ドデカバシが大きな羽を広げて極限まで力を入れて擬似的な鋼の固さを手に入れる。

そして、高速でヤミラミに当て防御を上げようとするが......


クチナシ「あわせてパワージェム」


ドデカバシが攻撃のために接近した所にパワージェムを合わせられる。

ヤミラミが小さめの岩を作り出し、ドデカバシの羽に当てた。


効果は抜群。火傷で物理攻撃は下がるが、パワージェムのような特殊技は下がらない。

イカサマで体力が削れていたのもあり、ドデカバシは耐える事が出来なかった。

てっきり物理技だけと勘違いしていたヨウの負け。

この体面はヤミラミに軍配が上がる。


だが、この体面に限らず、ややクチナシが有利のまま試合が進んでいく。
 ▼ 74 lFKrUBJvsg 18/12/17 17:11:56 ID:NTxQW7iM [1/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告








ヨウ「くっ......ルガルガン、アクセルロック!」

クチナシ「ドンカラス、最後に不意討ちだ」


お互い手持ちは3体ずつ、そして今戦っている2匹は両方とも消耗している。

両者とも、体力が残り少ない相手を倒す為に先制技を繰り出す。


ルガルガンが決死の思いでドンカラスに突撃し、それをドンカラスが蹴り飛ばそうとする。

しかし、思いの外ルガルガンが早くドンカラスに追突し、上手く蹴りを入れられなかった。


クチナシ「ちっ......まあ仕方ねえか」


ルガルガンの最後の攻撃はドンカラスに当たり、両者ノックダウン......

ここで、共に手持ちは2体となった。
 ▼ 75 lFKrUBJvsg 18/12/17 17:23:00 ID:NTxQW7iM [2/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
クチナシ「いけ、アブソル」


クチナシが、白い体に黒の角のようなものを持ったポケモンを繰り出す。


ヨウ「頼んだぞ......」


それに合わせて、ヨウも同じポケモン......アブソルを繰り出した。


クチナシ「へえ、お前さんもアブソルを捕まえたのかい......」

ヨウ「同じポケモン同士、正々堂々と勝負と行きましょう」


クチナシの口角が少し上がり、ニヤリ、とした表情を見せる。


クチナシ「......力の差ってもんを見せてやるよ」


すると、クチナシがZリングとは反対の手......右手首にあるリングに触れる。

それと同時にフィールド上のアブソルが雄叫びを上げて、白いオーラに包まれた。

そして、オーラが散って中のポケモンが露になる、姿が変わって────


────メガシンカしたアブソル、『メガアブソル』が現れた。
 ▼ 76 lFKrUBJvsg 18/12/17 17:31:10 ID:NTxQW7iM [3/3] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
メガシンカ────

カロス地方に伝わる独自の物で、普通それ以上進化出来ないポケモンをバトル中だけ進化させる。

聞いた事はあるが、実際に見るのは初めてだ。


ヨウ「これがメガシンカ......」


動揺するも、それより興奮が大きい。

それを感じてか、ヨウのアブソルも興奮状態にあるようだ。


クチナシ「むかーし、仕事でカロスまで行った事があってな」


2匹のアブソルが睨み合う。


クチナシ「......こいつらも待ちきれないようだし、バトル再開といこうか」
 ▼ 77 lFKrUBJvsg 18/12/17 17:49:29 ID:z8SkzJNg [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
クチナシ「アブソル、辻斬り」


一回り体の大きなアブソルがもう片方のアブソルに向かって迫り、体を反らして攻撃の体勢を取る。


ヨウ「上に避けながら辻斬り!」


攻撃をジャンプする事でかわして、叩き付ける形で辻斬りを行う。

しかし、メガアブソルが体勢を反らしていとも簡単に防御されてしまう。


ヨウ(正面からの攻撃だと無理か......なら)

ヨウ「アブソル、不意討ち!」


防御された後、メガアブソルから距離取っていたアブソルは指示を聞きメガアブソルに高速で近付いていく。


クチナシ「普通にやっても勝てねえよ、アブソルに向かってじゃれつく」


近付いてきたアブソルを攻撃しようと可愛らしい仕草で近付く。


ヨウ「そこでジャンプしつつターンしてシザークロス!」


その瞬間、アブソルはメガアブソルの攻撃をジャンプして避けながら反対を向いてメガアブソルを捉えた。

地面に着地した時に地面を蹴りあげて、メガアブソルにシザークロスを叩き込んだ。
 ▼ 78 lFKrUBJvsg 18/12/17 18:01:42 ID:z8SkzJNg [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
クチナシ「......やるな」


メガアブソルの背後からの攻撃だったため、高いダメージが入り、メガアブソルは足元がフラフラしている。

畳み掛けるように攻撃をしていきたいが、そうはいかない。


クチナシ「アブソル、かえんほうしゃで相手を囲め」


メガアブソルがアブソルに近付いて火炎を浴びせる。

広範囲に火炎が渡る事でアブソルは避けられず、ダメージを受けてしまう。


ヨウ「一旦離れろ、アブソル!」


アブソルが引き、フィールドの後ろギリギリに追い詰められる。

それを逃さずにアブソルの周りを炎で覆い尽くす。


クチナシ「これで体力の差は無くなったな」
 ▼ 79 lFKrUBJvsg 18/12/17 18:21:49 ID:0f/UEZig [1/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
炎に囲まれたアブソルと、メガアブソル。

どちらも体力は少なく、炎に囲まれているアブソルが不利である。


ヨウ(アブソル......仕方ない)


アブソルが、ヨウの事を見て指示を待つ。

どんな指示でもこなして見せる、という意思が感じられた。


ヨウ「......アブソル、炎に突っ込んで抜け出せ!」


無茶苦茶な指示をアブソルは聞き、炎に突っ込んでいく。

そして、炎から抜け出した。体に火がついて、所々燃えている。

メガアブソルは攻撃を恐れて少し後退りする。


ヨウ「ばかぢから!」

クチナシ「避けろ、メガアブソル!」


炎を纏ったまま、アブソルはメガアブソルに近付いて渾身の蹴りを入れてメガアブソルを蹴り上げる。

後退りしたが、かえって瞬時に攻撃を避ける事が出来なかった。


メガアブソルは馬鹿力を受けて宙に舞った後、地面に叩き付けられた。


メガアブソル、戦闘不能。
 ▼ 80 lFKrUBJvsg 18/12/17 18:35:28 ID:0f/UEZig [2/2] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
クチナシ「ちっ......よくやった、アブソル」


メガシンカをする前の、アブソルの姿に戻って倒れているアブソルをボールに戻す。

クチナシが最後のボールに手をかけて、ポケモンを出した。


クチナシ「いけ、ペルシアン」

ペルシアン「ニャーオ!」


クチナシのエース、ペルシアンを繰り出した。


クチナシ「ペルシアン、あくのはどう」


アブソルに止めを差そうとペルシアンが体から邪悪な波動を出して攻撃を試みる。


ヨウ「最後に不意討ち!」


だが、アブソルが先にペルシアンに接近して攻撃し、ペルシアンにダメージを入れる。

ペルシアンは不意討ちに一瞬怯んだが、波動をアブソルに叩き込んだ。


ヨウ「ありがとう、アブソル」


アブソルを戻して、こちらも最後のボールを出す。


ヨウ「行け! ジュナイパー!」
 ▼ 81 lFKrUBJvsg 18/12/17 19:00:19 ID:ggTkLWPk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ジュナイパーとペルシアンの対面。

普通であれば相性が有利なペルシアンに軍配が上がる。

しかし、ヨウはまだ諦めていない。


ヨウ「ジュナイパー、かげぬい!」


迂闊に近付いて攻撃が出来ない為、遠距離からの攻撃を狙う。


クチナシ「気にするな、あくのはどうで一撃で落とせ」


かげぬいがペルシアンに当たるも、効果はいまひとつ。

ペルシアンは気にせず、手元の黒い波動を大きくしていく。


ヨウ「よし、ジュナイパー!」


ヨウが左手のリングに触れてZワザの構えを取る。

両手を大きく下げた後、顔の前で手首を下げたポーズをした。


クチナシ(ゴーストZ......? まあいい、耐えて隙をついてあくのはどうを当てる)


ジュナイパーが眩しい光に包まれて、上空に移動する。

数メートルまで羽ばたいた所で、一本大きな矢をペルシアンに放つ。

ペルシアンに矢が当たり、ペルシアンが動けなくなる。

そこを目掛けて、無数の矢をペルシアンに当てる────


────ジュナイパー専用のZワザ『シャドーアローズストライク』


ミヅキから貰ったZクリスタルから出来る技。

一か八かの賭けであったが、本番で成功した────
 ▼ 82 lFKrUBJvsg 18/12/17 19:18:26 ID:ggTkLWPk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告
ペルシアンはZワザをくらってもまだ倒れていなかった。


クチナシ(ジュナイパーZだったか......)

クチナシ「ペルシアン、あくのはど──」


すると、その瞬間ジュナイパーがペルシアンに近付いて、葉で出来た羽をペルシアンに当てていた。

あくのはどうを当てる事を考えていたペルシアンは攻撃を避けられず、その場に倒れた────


クチナシ「なっ......」


ヨウ「Zワザは打たれた相手を少しだけ拘束する」

ヨウ「追撃がしやすい......でしたよね」

クチナシ「......あの時のか」


クチナシが倒れたペルシアンの頭をなででからボールに戻す。


クチナシ「良く覚えてるよ、若いっていいねえ」

ヨウ「忘れませんよ」

クチナシ「はっ、まあいいや、お前ならこの先の四天王にも勝てるだろうよ」

クチナシ「おじさんが一番強いからな」


ヨウが、部屋の奥にあるワープ装置に向かう。


ヨウ「......対戦ありがとうございました」


ワープ装置に足を入れて、元の部屋に戻る。


クチナシ「............ああ、ありがとな」




クチナシの言う通り、ヨウは四天王を突破していく。

一番、戦いたくて、強いと思っている相手に勝ったからだろう。
 ▼ 83 lFKrUBJvsg 18/12/17 19:34:11 ID:ggTkLWPk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告




四天王を全員倒し、ポケモンを元気の塊とまんたんのくすりで回復させる。

最初の部屋の、真ん中のリフトに乗り、着いた部屋の階段を上っていく。


「おっ、やっぱり来たね」


アローラリーグ初代チャンピオンのミヅキ────


ミヅキ「ちゃんとジュナイパーZも使ってくれたんだね」


ミヅキ「昔、まだ島巡りを始めたばっかりの頃、ここでヨウとバトルするのが夢だった」

ミヅキ「長い年月が経って、その夢も叶った」

ミヅキ「嬉しいね、やっぱり」

ミヅキ「さて......と、長話もなんだし、バトルしちゃうかな!」

ミヅキ「いけ、ミミッキュ!」


ヨウ「そうだね......いけ、ルガルガン!」




今こうして、夢を追ってリーグの最高峰でチャンピオンとバトルをしている。

諦めなければ夢は叶う......とは言わないけど、諦めたら夢は叶わない。


諦めなければ希望はあるけど、諦めたら、夢が叶う確率は0%になってしまう。

そして、夢を叶える為には、努力と情熱が必要。


こんな簡単な事を、10年近く島巡りして、やっと再確認した。



僕はこれからも夢を追って、ポケモンバトルをするんだ。





 ▼ 84 lFKrUBJvsg 18/12/17 19:42:52 ID:ggTkLWPk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
このSSはこちらの企画に参加しています

http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=911303


なんとか完結しました、最後のヨウとミヅキの勝敗は想像にお任せします。
企画の期限を1週間間違えていたり、風邪をひいたりしましたが、完結出来たのでほっとしています。

努力すれば夢が叶う訳じゃないが、夢が叶った人は皆努力している。
この言葉個人的に好きです。
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