▼  |  全表示45   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |   ▼   
                  スレ一覧                  
SS

【1レス目企画】スリーパー「はじめに前提として言っておくが、俺はロリコンじゃない」

 ▼ 1 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:12:29 ID:RdUQMEQk [1/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
──ここはどこだろうか?

肌寒い感覚が意識を浮上させる

抉れた地面、無造作に投げ捨てられたもう使えないであろうモンスターボール……

どれも全て、見覚えがない

──自分は誰なのか?どうしてここにいる?

必死に思い出そうとしたが、何も思い出せない

記憶の糸はどこかで途切れてしまっていた……


ふと、何かの気配がした

荒れ果てた景色の中で存在感を示す、蕾をつけた桜の木

そのそばに、誰かが倒れているのだ──
 ▼ 6 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:17:03 ID:RdUQMEQk [2/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
***

そのこえはないていた。

「ごめん、ほんとうにごめん、おまえはわるくない、おれをうらんでいい、ゆるさないでいてくれ、だから、すこしだけ」

──夢を見させてくれないか。

そうして、わたしは、わたしになった。

***
 ▼ 7 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:17:47 ID:RdUQMEQk [3/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
翌朝。
寝床を少し分けてくれたクリムガンに例を言い、まだ朝の涼しさが残る前に俺たちは出発した。

少女「──今日中に、あの海岸近くに行くわ」

スリーパー「はあ……まあ行けるんじゃねえの、そう険しい道でもねえし」

少女「ええ!だからお喋りでもしながら歩いてきましょ、恋バナとか」

スリーパー「失言したわ」
 ▼ 8 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:18:15 ID:RdUQMEQk [4/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリーパー「……何かあったか?」

少女「え?」

スリーパー「いや、目が」

少女「目がどうしたの?」

スリーパー「赤いだろ。花粉症か?」

少女「いいえ!あの冒険譚が完結したの。我ながら感動しちゃって……」

スリーパー「夢小説な。てか自分で泣くとか相当だぞお前……そろそろどこかに診てもらったらどうだ」

少女「もうあなたったらドSなんだから……」

スリーパー「やめろ」
 ▼ 9 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:18:57 ID:RdUQMEQk [5/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
そんなこんなで、俺たちはその日の夕方には海岸にたどり着くことができた。

……俺は、この旅の目的を知らない。

一ヶ月くらい前、こいつが急に言い出したのだ。

『桜の名所に行きたいの』

桜なら庭にいいのがあるだろ。そう言ったがあいつは聞かない。
この海岸の向こうに、知る人ぞ知る名所があるのだと。

旅の途中にも何度か聞いたが、頑なにあいつはそれ以上語ろうとしなかった。

まあどうせたいした目的でもないのだろうと思うが……
 ▼ 10 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:19:43 ID:RdUQMEQk [6/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
青白い海上の夜空を見ながら、俺たちは岩場にテントを張った。

少女「ねえ」

スリーパー「あ?何?」

少女「私、あなたが好きよ」

スリーパー「ああ……まあそうだろうな……」

少女「あなたはどう?」

スリーパー「好きだぜ。ラブじゃなくてライクでな」

少女「そう……」

スリーパー「?」
 ▼ 11 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:20:23 ID:RdUQMEQk [7/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリーパー「……なあ、お前本当にどうした?」

少女「どうもしないわ」

スリーパー「んなわけあるか。様子おかしいぞ。俺に相談できないタイプの悩みか?」

少女「いいえ」

少女「大丈夫よ。明日にはね……もう大丈夫になってるわ」

スリーパー「なんだそれ……」
 ▼ 12 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:21:12 ID:RdUQMEQk [8/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
***

──ここはどこだろうか?

肌寒い感覚が意識を浮上させる

抉れた地面、無造作に投げ捨てられたもう使えないであろうモンスターボール……

どれも全て、見覚えがない

──自分は誰なのか?どうしてここにいる?

必死に思い出そうとしたが、何も思い出せない

記憶の糸はどこかで途切れてしまっていた……


ふと、何かの気配がした

荒れ果てた景色の中で存在感を示す、蕾をつけた桜の木

そのそばに、誰かが倒れているのだ──

***
 ▼ 13 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:22:12 ID:RdUQMEQk [9/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「着いたわ」

スリーパー「なんだここ……本当に桜の名所か?」

少女「もちろん!」


あいつがそう言い張って俺を連れてきたのは、どこからどう見てもただの廃墟だった。

海が見えるように崖の上に建てられたらしい豪華な屋敷。だが崖が崩れ、無残にも屋敷ごと崖下で潰れている。


少女「中入るわよー」

スリーパー「待てって……お前人ん家なのに遠慮ねえなー」
 ▼ 14 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:22:50 ID:RdUQMEQk [10/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
崖下に崩れたと言えど、屋敷自体は意外と元の型を保っていた。ちゃんと部屋もある。

少女「……」

スリーパー「どうした?そのドアノブになんかあんのか」

少女「……いいえ、開けるわ」

歪んだ音をたてて開くドア。
奥には広間があった。中庭だったのか、ここだけ地面。ほとんどの植物は瓦礫でダメになっているが、中央の桜だけは無事のよう──ん?
 ▼ 15 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:23:45 ID:RdUQMEQk [11/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


待て。

ちょっと待て。

なんでだ?

俺はここに……


スリーパー「来たことが……ある?」

少女「……思い出した?」


思い出したって何をだ?

お前は何を知ってる?

どうしてそんな……泣きそうな顔をしてるんだよ。


少女「──あなたは」
 ▼ 16 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:24:36 ID:RdUQMEQk [12/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



その瞬間だ。



スリーパー「危ねえ!」
少女「きゃっ!?」

殺気を感じた瞬間、こいつを抱えて飛び退いた。

さっきまでこいつがいた足元に刺さる、骨の棍棒。
投げやがった主が現れる──やっぱりな。

ガラガラだ。
 ▼ 17 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:25:33 ID:RdUQMEQk [13/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガラガラ「チッ……外したか」

スリーパー「いきなり攻撃か?何のつもりだよ」

ガラガラ「お前こそ何のつもりだ?人間のペットに成り下がった恥さらしが」

スリーパー「話が通じねえ奴みたいだな。ぶちのめすか」

少女「……穏便に済みそうにないわね……ええ、そうしましょう」
 ▼ 18 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:27:18 ID:RdUQMEQk [14/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ガラガラと対峙する。
距離はだいたい10メートル。瓦礫の上からこっちを見下して骨を構えている。

お互いに相手の出方を伺いながら、じりじりと少しずつ距離を詰める。
戦いの合図は。

少女「サイコキネシス!」
スリーパー「応!」

念動力で周囲に散らばる瓦礫を浮かせ……撃ち込む。

ガラガラ「らァ!」

手に持った骨でそれらを捌いていくガラガラ。ならばと、瓦礫弾の撃つタイミングを微妙にズラす。

ガラガラ「舐めんな!」
スリーパー「な……ッ」

ガラガラは瓦礫を叩き落とそうとしていた骨をそのままこちらに投げた。咄嗟に対応が遅れる。
が。
 ▼ 19 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:28:00 ID:RdUQMEQk [15/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「かわらわり!」

スリーパー「ッ!」

何も考えず従う。
痛みの後、腕に弾かれて落ちた骨がカランと音を立てる。
どうにか骨の直撃は免れたようだ。
トレーナーがいるとこういうところで便利だ。

ガラガラ「……チッ」

スリーパー「言っておくがこっちは回復もできるからな。野生のプライドをへし折られたくなけりゃ今のうちに出ていけよ」

ガラガラ「はァ?寝言は──」

少女「スリーパー!上!」
スリーパー「……!」

ガラガラ「──寝て言え」

いわなだれ。
 ▼ 20 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:28:57 ID:RdUQMEQk [16/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリーパー「お前もっと下がれ!」

あいつに忠告して上を見上げる。
大丈夫だ、これくらいなら躱せ──

***

轟音。悲鳴。轟音。轟音。悲鳴。

「たすけて……たすけてぇ」

「大丈夫だ!今助けてやる、だから──」

***

スリーパー「────!?」


なんだ?今のイメージは。

いや、これは……待て、おかしいだろ。


少女「スリーパー!」
スリーパー「!」


まずい、考え事をしていた。躱しきれない。


スリーパー「ぐッ……!」
 ▼ 21 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:29:50 ID:RdUQMEQk [17/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「大丈夫!?」

スリーパー「ああ……」

ガラガラ「まだ生きてたか……まあいい、もう一度……」

少女「決めるわよ、いいわね?」

スリーパー「任せな」

両の手の平で、エネルギーが渦巻く。
渦巻くそれはだんだん大きくなっていき、やがて二つの直径1メートルほどの刃になる。手裏剣の如し。

少女「サイコカッター!」
 ▼ 22 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:31:11 ID:RdUQMEQk [18/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
連続して投げられるエネルギーの双刃。
ガラガラは骨を構えて──
一閃。もう一閃。

弾かれた刃は天井と壁を削る。破片が舞い上がり、ガラガラの輪郭が隠れた。


ガラガラ「外れたが……」

スリーパー「そうだな……まあ予定通りだ」
ガラガラ「!」


煙に隠れて近づく俺に気づいて振り返るが、もう遅い。

──おんがえし。

 ▼ 23 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:32:41 ID:RdUQMEQk [19/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「3年前の事故でこの屋敷が崩れて……ここに住んでたポケモンにも影響が出たかもしれないわね」


ガラガラを追い払って、誰もいなくなった広間でこいつはそう呟いた。


スリーパー「ああ、人間憎んでるタイプの奴か……いや、それより3年前の事故?」

少女「……思い出したの?」

スリーパー「いや、断片的にだが……やっぱり何か知ってるんだな?お前」

少女「ええ……だって、死んでいたでしょ?私」
 ▼ 24 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:33:26 ID:RdUQMEQk [20/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリーパー「……お前は……」

少女「幽霊じゃないわよ。もうあなたが全然思い出さないから説明してあげましょうか」

少女「あなたがかけた……暗示のことを」


──暗示?


スリーパー「…………!!」

全て……思い出した。
 ▼ 25 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:34:32 ID:RdUQMEQk [21/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺を拾ったお嬢様は、少し変わり者だった。


見た目や能力のいいポケモンではなく、初期にゲットしたポケモンをずっと大事にするトレーナーだった。


俺は(親愛的に)彼女を愛していた。



そうして、彼女は海岸の別荘で行われるパーティに俺を連れて行ったのだ。

そこで事故は起こった。


建築に問題があったのか、災害的な要因があったのか、今ではもうわからない。

ともかく、俺たちは崩れる瓦礫に巻き込まれた……
 ▼ 26 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:35:26 ID:RdUQMEQk [22/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



「痛い……痛いよ……」

スリーパー「大丈夫だ!今病院に連れて行ってやるからな、もう少しの辛抱だから!」

「……」

スリーパー「しっかりしろ、おいッ!行くな!」


俺は主人を看取った。そして意識を失い……誰かに起こされた。
親戚の同い年ぐらいの少女だった。
 ▼ 27 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:36:33 ID:RdUQMEQk [23/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「人間の生存者は私だけだったけど……私は頭を強く打って、記憶やら感情やらが抜け落ちてしまっていたみたいでね」

スリーパー「そうだ──だから俺は、お前に暗示をかけたんだ……」


──ごめん、ほんとうにごめん、おまえはわるくない、おれをうらんでいい、ゆるさないでいてくれ、だから、すこしだけ……

──夢を見させてくれないか。


『お前は、あいつだ』
 ▼ 28 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:37:10 ID:RdUQMEQk [24/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「そうして私は自分をあの子だと思い込んだ」

少女「あなたは自己防衛として、その記憶を無意識に封印した……無意識に自分自身に暗示をかけていた……」

少女「思い出した?……『彼女』はもういないのよ、スリーパー」

スリーパー「あ……ああ…………ああああ」


『スリーパー!見て、桜の木。もうすぐ咲くのかしら……綺麗ね』

『そうだな』


少女「だから、私は──」

スリーパー「待て」

少女「え?」

みし。

スリーパー「この音は……」

少女「天井……?」

スリーパー「ッマズい、逃げろ!」


直後、辺りは轟音に包まれた。
 ▼ 29 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:38:21 ID:RdUQMEQk [25/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリーパー「は……」

スリーパー「何があった……?さっきの戦闘で崩れたのか……天井ごと」

スリーパー「お前は無事──」

スリーパー「ッおい!大丈夫か!?」


少女「スリーパー……?よかった……大怪我は、してないのね……」

スリーパー「馬鹿かお前!ポケモンを庇うトレーナーがいるかッ!」

スリーパー「ああクソ、頭打ったな?あと足か……病院まで運ぶしか……」

少女「スリーパー」

スリーパー「あ!?」
 ▼ 30 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:39:42 ID:RdUQMEQk [26/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「1年くらい、前からね……夢を、見るように、なったの」

少女「記憶を失って目覚めたこの場所で、あなたに初めて会った夢。私に暗示をかけるあなたの夢」

少女「暗示を、かけたこと自体を、あなたが、忘れたから……わたしにかかった、暗示は、だんだんとけていって……」

少女「ぜんぶ、思いだしたのが、1ヶ月くらいまえ……」

スリーパー「……」


少女「だからね……わたしもう、あのこじゃないの」

少女「ねえスリーパー、わたし……あなたが、すきになったの」

少女「あのこをあいする、あなたがすきなの」

少女「わたしじゃなくて、あのこをすきで、いてほしくて……だから……おもいだして、ほしくて……」

少女「もういいのよ、スリーパー。もうわたしは……あのままわたしでいるより、まちがいなく、しあわせ、だったから、ここで、しんでも」

スリーパー「……もう喋るな」
 ▼ 31 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:40:22 ID:RdUQMEQk [27/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
主人を看取った時のことがよぎる。はっきり言ってこいつの容態はマズい。病院まで急いで担いで行くとして、もつかどうか……

スリーパー「おい……」

少女「……?」

スリーパー「今からお前に、暗示をかける」
 ▼ 32 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:41:16 ID:RdUQMEQk [28/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ▼ 33 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:41:32 ID:RdUQMEQk [29/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
あれから1ヶ月後。病院にて。


スリーパー「あいつと面会できるか?」

医者「あっ手持ちの……はい、大丈夫ですよ。今までどうされてたんですか?」

スリーパー「こいつの実家やら諸々と連絡取ったり謝ったりな。やっと来れた。あいつはどうだ?」

医者「そろそろ退院できそうですね……運ばれてきたときはどうなるかと思いましたが」

スリーパー「暗示をかけたんだよ……『自分は軽傷だ』ってな。自分が重篤だって思えば思うほど、状況は悪くなるもんだからな」

医者「仰る通りです。退院が近いと、本人にお伝えしてもらってもいいですか?」

スリーパー「ああ」
 ▼ 34 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:42:28 ID:RdUQMEQk [30/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
少女「あっ……」

スリーパー「久しぶりだな……なんで布団被る?」

少女「……治療のときに髪切ったの……あんまり似合ってないから……」

スリーパー「どれ」

少女「あー!ちょっと!」

スリーパー「……やっぱお前、あいつとは顔違うんだな」

少女「やっと気づいたの?」
 ▼ 35 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:43:35 ID:RdUQMEQk [31/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
スリーパー「……いや、似合ってるぞ。前までの髪型はな、むしろ似合ってなかった。そりゃそうだ」

少女「そ、そう……」

スリーパー「……で、種明かしは?」

少女「種明かし?何の?」

スリーパー「何で俺を好きになったんだ?みんな気になってるぞ。特別なエピソードでもあったんじゃないかって」

少女「……もう、ロマンがないわね」


少女「誰かを好きになるのに、理由がいるとでも?」
 ▼ 36 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:45:07 ID:RdUQMEQk [32/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
俺たちは、過去には戻れない。

一度失ったものを取り戻そうとしたって、結局はうまくいかないものだ。

だから──思い出というものは存在するんだろう。



スリーパー「じゃあそろそろ教えてもらおうか」

少女「何のこと?」

スリーパー「記録ぐらいは知ってるだろ」


スリーパー「──『お前』の、名前だよ」


                完
 ▼ 37 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/21 21:46:07 ID:RdUQMEQk [33/33] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
完全遅刻ですね。企画者さんすいません。最終日の夕方に思いついたもんで……
読んでくれた人ありがとう
 ▼ 38 つばん@ラッカのみ 19/03/21 21:46:48 ID:2uPYn6OE NGネーム登録 NGID登録 報告
めちゃめちゃよかった
おつかれさまー
 ▼ 39 ャスパー@おだんごしんじゅ 19/03/21 21:50:40 ID:324wYC0. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
乙ー面白かった
 ▼ 40 サイハナ@シーヤのみ 19/03/21 21:56:53 ID:bYIkg6VA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
素敵な話をありがとう
 ▼ 41 SS主催者◆nkH/UxNEwQ 19/03/22 08:11:23 ID:dqG248vE [1/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
スレタイのスリーパーで貴方だとわかりましたよ
最初は1レス目からの流れを絶ちきるような楽しい雰囲気のSSかと思いました
スリーパーと少女の悲しい過去
倒れていたのはスリーパーではなく、彼の本当の主だったのですね
最後の少女の一言
少女「誰かを好きになるのに、理由がいるとでも?」
胸にグッと来るようで感動致しました
最後の終わり方、気になりますね
お疲れ様でした!

 ▼ 42 SS主催者◆nkH/UxNEwQ 19/03/22 08:14:12 ID:dqG248vE [2/2] NGネーム登録 NGID登録 報告
やっぱり押し絵、上手いですね
 ▼ 43 トラポット◆Pcf6Vw29GM 19/03/22 09:06:26 ID:j2rADcIA NGネーム登録 NGID登録 報告
>>41
ありがとうございます!
やっぱスリーパーでわかるもんなんですかね……
企画運営、お疲れ様でした
 ▼ 44 ルビート@わざマシンケース 19/03/22 13:19:26 ID:pV9oG2n2 NGネーム登録 NGID登録 報告
いいじゃん……
 ▼ 45 ュナイパー@やすらぎのすず 19/03/23 00:39:52 ID:qmYk9mXE NGネーム登録 NGID登録 報告
乙!
このページは検索エンジン向けページです。
閲覧&書き込みは下URLよりお願いします。
https://pokemonbbs.com/post/read.cgi?no=962002
(ブックマークはこちらのページをお願いします)
  ▲  |  全表示45   | << 前100 | 次  |  履歴   |   スレを履歴ページに追加  | 個人設定 |  ▲      
                  スレ一覧                  
荒らしや削除されたレスには反応しないでください。

. 書き込み前に、利用規約を確認して下さい。
レス番のリンクをクリックで返信が出来ます。
その他にも色々な機能があるので詳しくは、掲示板の機能を確認して下さい。
荒らしや煽りはスルーして下さい。荒らしに反応している人も荒らし同様対処します。




面白いスレはネタ投稿お願いします!

(消えた画像の復旧依頼は、お問い合わせからお願いします。)
スレ名とURLをコピー(クリックした時点でコピーされます。)
新着レス▼