【SS】High Kalos Homos

カロス地方のあるところに、一組の男女がいました。

彼らはその二人ともが優れたポケモントレーナーで家はお隣同士、誰もがうらやむ理想のカップル……そんなふうに思われていました。



カルム「………ん？ この足音は……」


ｺﾂｺﾂｺﾂ……ｶﾞﾁｬｯ!


セレナ「くそったれぇ！」ﾊﾞｧﾝ!

カルム「こんばんは、お隣さん」

セレナ「何があったか聞きなさいよ！ もう最悪なの！！」

カルム「どうしたんだ？」

セレナ「サナが『カルムとはどこまで進んだの？』とか聞いてくるの！ あの子ったらアタシとカルムをくっつけようとしてるのよ！！ ありえないわ！！」

カルム「まあ落ち着けって……オレたちははたから見ればすごくお似合いのカップルらしいんだしさ」

セレナ「アタシは女の子にしか興味ないの！！ 男なんかクソだわ！！」

カルム「それはさすがに言いすぎじゃないかなぁ……特にプラターヌ博士なんてかっこいいじゃないか」

セレナ「あ〜ごめん、そういうつもりで言ったんじゃないの。アナタは男にしか興味ないんだったわね」

カルム「それで、サナとは進展あったのか？」

セレナ「えーっと……その、サナがアタシの前で無防備に寝てるもんだから、こっそりキスしちゃった……///」ｷｬｯ♡

カルム「しちゃったじゃないよ……同意のないキスなんて法的には暴力行為だよ」

セレナ「そういうアナタだって博士のシャツとか盗んでコレクションしてるじゃない」

カルム「これは預かってるだけさ。十分堪能したら返すつもりだよ」

セレナ「あっそう」

セレサナかセレコルか期待

タイトルからして不穏

なんか草
支援

カルム「もういっそオレたち付き合うってのはどうだ？」

セレナ「はぁ？ そんなのイヤに決まってるじゃない」

カルム「オレも嫌だけどさ、そうすりゃいいカモフラージュになってサナや博士に大胆な接触ができるぞ」

セレナ「なるほど、つまり偽装交際ね」

カルム「ああ、お互いにメリットがあるだろう」

セレナ「乗った！ どうせサナは振り向いてくれないしこれからは堂々とセクハラしまくってやるわ！」

カルム「決まりだな。じゃあ今からオレたちは恋人同士ということでよろしく頼むぜハニー」ｽｯ

セレナ「誰がハニーよ！！（ﾄﾞｺﾞｯ」

カルム「おうふっ……（ﾋﾟｸﾋﾟｸ」

こうして二人は偽装カップルになりました。

明くる日、セレナは喜び勇んでこのことをサナに報告しました。



セレナ「というわけで、アタシとカルムはついに付き合ったのよ！」

サナ「！！？」

セレナ「サナの応援のおかげよ！ 本当にありがとうね！」

サナ「そう………」

セレナ「あれ、どうしたの？」

サナ「ううん、何でもないの！ 二人とも、ほんとにおめでとうね♪」

セレナ「えへへ〜、ありがとっ♡」ﾀﾞｷｯ

サナ「きゃっ！？///」

セレナ「ん〜、サナの匂いって最高〜♡」ｸﾝｶｸﾝｶ

サナ「ちょっ、ちょっと離してよぉ〜！」

セレナ「あら、照れてるの？」

サナ「てっ、照れるっていうか……いきなり抱き着かれるとびっくりするじゃん……」

セレナ「親友どうしなら普通だもんね〜」ｽﾘｽﾘ

サナ「い、いいから離してっ！」ﾄﾞﾝｯ

セレナ「ご、ごめん……」

サナ「それじゃああたしはもう帰るから……」

セレナ「えっ！？ 待ってよ！！」


ﾀｯﾀｯﾀｯ……


サナ（セレナのバカ……！ 眠ってるあたしにキスしたくせに……！）

サナ（あたしの心を弄んでおいて自分は男の子と付き合うなんて……ひどいよ……）

一方カルムはセレナと交際を始めたことをプラターヌ博士に報告しました。



プラターヌ「な、なんだってぇ〜〜〜〜〜〜！！！！！」ｶﾞﾋﾞｰﾝ

カルム「博士、落ち着いてください」

プラターヌ「これが落ち着いてられるかい！？ キミたち二人がそんな仲だったなんて……まったく気づかなかったよ……」

カルム「実はそういう仲だったんです」

プラターヌ「サナちゃんはこのことを知っているのかい……？」

カルム「ええ、今セレナが報告に行ってると思います」

プラターヌ「なんということだ……！」

カルム「どうかしたんですか？」

プラターヌ「いや、こっちの話さ……」

カルム「洗濯物が溜まってますね、コインランドリーまで運びますよ。オレのと一緒に洗濯しましょう」


プラターヌ（サナちゃんとセレナちゃんは見るからに両思いだと思っていたんだけどなぁ……まさかこっちがくっつくとは）

プラターヌ（まあいいや……これからカルムくんの服とボクの服が洗濯機の中で混ざり合う……考えただけで興奮してきたぞ！）ﾊｧﾊｧ

もうめちゃくちゃやんけwww

セレナとカルムは両者の想い人への報告を終え、二人でデートに出かけることにしました。

デートといってもそこは偽装交際……二人は手をつなぐことさえしませんでした。



カルム「サナの様子がおかしい？」

セレナ「そうなのよ、てっきりもっと喜んでくれるものだと思ってたんだけど」

カルム「なんでだろうな……まったく見当がつかないよ」

セレナ「あの子……もしかしたらカルムのことが好きだったんじゃ……」

カルム「サナがオレを？ まさかなぁ、友達としか見られてないよ」

セレナ「わからないわよ。女心って秋の空のように移ろいやすいから……」


ﾋﾞｭｵｵｵｵｵｵ!!（強風）


セレナ「きゃっ！！///」ﾌﾜﾘ…

ビオラ「キターーー！！ いいんじゃない、いいんじゃないの！！」ﾊﾟｼｬﾘ♪ ﾊﾟｼｬﾘ♪

セレナ「ビオラさん！？ いい加減パンチラ写真撮るのやめてください！！」

ビオラ「やめるわけにはいかないわ！ これはあたしの生き甲斐なんだもの！」

カルム「やれやれ……この人はいつもこうなのか？」

セレナ「ええ……もう諦めてるわ」

ビオラ「それよりあなたたち、もしかして今デート？」

セレナ「ええ、一応……」

カルム「それが何か？」

ビオラ「いいわねぇ、青春してるわね！ 若いって素晴らしいわ！」

セレナ「そう思うならアタシたちに構わずさっさとどっかに消えてくれないですか」

カルム「おいセレナ、そんな言い方はないだろう」


パンジー「こらーーー！ ビオラ、何してるの！？」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ビオラ「げげっ！！ お姉ちゃん！？」

パンジー「盗撮は犯罪だっていつも言ってるでしょ！ 今夜はベッドの上でお仕置きだからね！」ｸﾞｲｯ

ビオラ「ひぇ〜〜〜〜っ！///」ｽﾞﾙｽﾞﾙ……


セレナ「お仕置き……ベッドの上で？」

カルム「わからないけどおしりペンペンとかじゃないか？」

セレナ「アタシのパンチラ写真……売られたりとかしてないわよね」

カルム「そういえばトロバとティエルノにも報告した方がいいんじゃないか？」

セレナ「あ、そういえばそうね。眼中に無さ過ぎて忘れてたわ」

カルム「親友なのに酷いな……性的興味は無くても友情はあるだろ？」

セレナ「もちろんよ、当たり前じゃない」

カルム「ほんとかよ……」

二人はトロバの家に報告に行きました。

しかし彼らの反応は意外なモノでした。



セレナ「というわけで、アタシとカルムは付き合うことになったから」

トロバ「おめでとうございます！」ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

ティエルノ「良かったね！ これでぼくらの中でカップルは二組目かぁ」

カルム「ちょっと待てよ、二組目？ お前らのどっちかがサナと付き合ってるのか？」

トロバ「ティエルノさん！ それは内緒だって言ったじゃないですかっ！///」

ティエルノ「げげっ！ ついうっかり……二人とも、今のは忘れてもらえるかい？」

セレナ「嫌ぁぁぁぁあああ！！ サナがっ！？」ﾊﾞｰﾝ!

カルム「おいおいマジかよ……」

セレナ「ぁ……ぁ……」ｸﾗｸﾗ…

トロバ「わっ！？ セレナさん、大丈夫ですか！？」

カルム「しっかりしろ！ セレナ！！」

セレナ「うぅ……サナが取られちゃったよぉ……ぐすん……うぇぇ〜〜〜〜〜〜ん！！」

ティエルノ「いや、そうじゃなくて付き合ってるのは……」

トロバ「ティエルノさんっ！///」

カルム「ショックで錯乱状態に陥っている……今日はこのまま帰らせてもらうよ。行くぞセレナ」ｸﾞｲｯ

セレナ「サナぁ〜〜〜〜！！」ﾖﾛﾖﾛ…



ティエルノ「あの慌てよう……大丈夫かな」

トロバ「さ、ぼくらは愛を確かめ合いますか」

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草

いい感じに狂ってていいね支援

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どいつもこいつも狂ってる！

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