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SS

【SS】サトシ「太陽も、月も、ポケモンも、あの娘も……振り向いちゃうような冒険!」

 ▼ 1 dX3IS9Elqo 17/11/12 21:07:28 ID:ZH12LCas [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

アローラ!みんな元気?

俺、マサラタウンのサトシ!世界一のポケモンマスターを目指して、旅をしてるんだ!!

コイツは俺の相棒のピカチュウ!

ピカチュウ「ピカピーカ!」

……え?俺たちが今、どこを旅しているかって?

――フッフッフッ、よくぞ聞いてくれました!実は俺さ、これから友達と一緒に、アローラ地方伝統の『島巡り』ってのに出発するところなんだ!!

どうしてこうなったかっていうと――

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 ▼ 2 dX3IS9Elqo 17/11/12 21:20:39 ID:ZH12LCas [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜三ヶ月前 カントー地方 とある町〜

サトシ「――たまにはカントーをブラブラ歩いてみるのも良いもんだなー。だろ?ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカ!」

サトシ「……お!この町にはポケモンジムがあるのか!!

    もしかしたらジムバトルが見られるかもしれない……行ってみようぜ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカピーカ!」コクッ

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〜ポケモンジム〜

サトシ「……スッゲー!始めて見るポケモンだーー!!」キラキラ

ピカチュウ「ピカチュピー!!」キラキラ

****

サトシ「……あのポケモンが!?俺が知ってんのと違うぞ!!」

ピカチュウ「ピーカ!?」

****

サトシ「……なんだ今の技……!スッゲー!とにかくスッゲェーー!!!!」

ピカチュウ「ピカピーカ……!!」

****

審判「――このバトル、挑戦者の勝利です!」

サトシ「……あの人に話を聞きに行ってみようぜ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

タッタッタッ……

サトシ「――あの!すみません!!」
 ▼ 3 ガミミロップ@ぐんぐんこやし 17/11/12 21:22:04 ID:XVVkWYok NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 4 dX3IS9Elqo 17/11/12 21:37:54 ID:ZH12LCas [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ん――?(クルッ

 ……アローラ!キミは――?」

サトシ「ア、アローラ……?

    ……あ、始めまして!俺、マサラタウンのサトシっていいます!!(ペコッ

    コイツは俺の相棒のピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピーカ!」

「ゴメンゴメン!……今のは、僕の住んでいる地方の挨拶なんだ!!

 ――僕の名前はククイ。一応、ポケモン博士をやらせてもらってるよ!

 それで……サトシは僕になにか用事かい?」

サトシ「あ、俺……さっきのバトルを見てスッゲー感動しちゃって、それであなたに……ククイ博士に話を聞いてみたいなって思って!!」

ククイ「そういうことか……良いぜ!何でも聞いてくれ!!」ニカッ

サトシ「ありがとうございます!じゃあ――」

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 ▼ 5 dX3IS9Elqo 17/11/12 22:19:21 ID:ZH12LCas [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

……それから俺は、その人――ククイ博士に、アローラ地方のことを色々教えてもらったんだ!

さっきの挨拶のこと。アローラにはポケモンジムはないこと。アローラ特有の文化、島巡りのこと。アローラの気候で育った、俺の知ってる……けど、違った姿をもったポケモンたち――リージョンフォームのこと。そして――

ポケモンとトレーナーの絆が生み出す、ゼンリョクのZワザのこと!

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ククイ「――サトシ!どうやらキミは、ポケモンバトルが好きみたいだね?」

サトシ「はい!ポケモンマスターを目指してます!!」

ククイ「へぇ……!

    ――実は、今日僕がここでジムバトルに挑戦してたのは、アローラ地方にポケモンリーグを創る僕の夢……その、視察のためなんだ!!」

「「ポケモンリーグを!!?
   ピカピーカ!!?」」

ククイ「……興味をもってくれたみたいだね!(ニカッ

    サトシ!キミみたいな意欲のある若者がいてくれれば、これからできるアローラのポケモンリーグは、もっと素晴らしいモノになるだろう!!

    どうだい!アローラでの島巡り……挑戦してみたいとは思わないかい?」

サトシ「やってみたい……俺、アローラを冒険してみたいです!ククイ博士!!」

ククイ「良い返事だね!」

ペラッ

ククイ「――キミにこれを渡しておこう!」

サトシ「……これは?」

ククイ「僕の連絡先さ!サトシ……キミがもし本気でアローラを冒険する気になったら、その時はそこに連絡して来てくれ!!

    僕もキミの力になれるよう、ゼンリョクでサポートするよ!」

サトシ「博士……ありがとうございます!!」ペコッ

ククイ「ああ!それじゃ、キミとアローラで再会できる日を……楽しみにしているよ!!」

ククイは笑顔で手を振りながら、その場を後にした……。

サトシ「――アローラ地方……か……!」

ピカチュウ「ピカピカ……!」

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 ▼ 6 dX3IS9Elqo 17/11/12 23:00:11 ID:ZH12LCas [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――それから俺、大急ぎでウチに帰って、その日あったことをママに話して、翌日、アローラ地方に出発して……で、こうなったってワケ!

え?翌日はいくらなんでも早すぎるって?

……仕方ないだろ。あんな話聞かされたら、誰だってすぐにアローラを冒険してみたい!って思うじゃん!!

それで、アローラに着いてから早速、ククイ博士の研究所を訪ねたんだけど……

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〜1番道路 ハウオリシティ外れ ククイの研究所〜

サトシ「……ポケモンスクール……ですか?」

ククイ「ああ!……すぐにでも冒険に出かけたいキミの気持ち、よ〜〜〜〜く……!わかるぜ!!

    ……だが!――アローラ地方は今までにキミが冒険した地方と違って、独自の文化が多い。そこでどうだろう?まずは3ヶ月の間、この近くにあるポケモンスクールに通って、それから島巡りに出発する……

    そうすれば、アローラ地方の文化を色々知ることができるし、それに……ここ、メレメレ島で新しいポケモンをゲットするチャンスだって、きっとあると思うぜ!」

サトシ「ポケモンスクール……面白そうだな!だろ?ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」

サトシ「……はい!俺、ポケモンスクール……行ってみたいです!!」

ククイ「良い返事だね!……それじゃ、体験入学ということで、僕の方で手続きは済ませておくから……明日からのスクールライフ、楽しんでおいで!!」ニカッ

サトシ「ありがとうございます!」ペコッ

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 ▼ 7 dX3IS9Elqo 17/11/12 23:27:14 ID:ZH12LCas [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――それから俺、ポケモンスクールに通った。毎日が新しいことの連続で、スッゲェワクワクして……博士の言ってた通り、新しいポケモンもゲット出来たんだ!出てこい、ニャビー!!

パカーン!

ニャビー「にゃぶ!」

コイツは火猫ポケモンのニャビー!スッゲー気難しいヤツで、最初は全然心を開いてくれなかったんだけど……スクールに通いながら何度も出会う内に段々仲良くなって、それで仲間になれたんだ!!

……そうそう!もちろん、トレーナーの友達だって出来たぜ!……二人とも!ちょっとこっちに来てくれよ!!

ハウ「俺ねー、ハウ。島キングの孫!でねー、モクローがパートナー!」

コイツはハウ!スクールに入って最初に出来た友達!スッゲー気の良いヤツでさ、ポケモンも、ポケモンバトルも大好きで……すぐに意気投合して、それで友達になれたんだ!!

ミヅキ「私ミヅキです。よろしくね、みんな!」

コイツはミヅキ!ミヅキはスッゲー頭が良くてさ、スクールでは試験の成績もいつも一番で……アシマリってポケモンがパートナーなんだ!!

……俺、これからこの二人と、いよいよ念願の島巡りに出発するんだ!どんな出会いが待ってるのかな?今からワクワクしっぱなし!!

それじゃ……夢と冒険とポケットモンスターの世界に……レッツゴー!!

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 ▼ 8 ロンダ@やみのいし 17/11/12 23:31:59 ID:ZH12LCas [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
……導入部分のお話はここでおしまいです。サトシがゲーム版のアローラ地方を、ハウ、ミヅキと一緒に冒険する――というお話です。
本格的な始まりはUSUM発売以降になるかも……
 ▼ 9 ガディアンシー@シーヤのみ 17/11/12 23:33:05 ID:mb3D5zrk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
楽しませてもらうよ
 ▼ 10 マワリ@ライブドレス 17/11/12 23:38:09 ID:.NagHb7M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
おもしろそう
支援
 ▼ 11 ガジュペッタ@トウガのみ 17/11/13 00:04:01 ID:bvWv4crg NGネーム登録 NGID登録 報告
全力の支援
 ▼ 12 ンメン@やすらぎのすず 17/11/13 00:29:46 ID:9s.x90jY NGネーム登録 NGID登録 報告
面白そう
支援
 ▼ 13 dX3IS9Elqo 17/11/13 21:27:58 ID:OmgJUHPc [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ここはメレメレ島、リリィタウン。今日島巡りに出発する三人は、島キング・ハラへの報告のため、この村を訪れていた……。

〜リリィタウン〜

ハラ「…………………………………………!」←島巡りの歴史に関するありがたーいお話中

サトシ「ふぁ〜〜……」ムニャムニャ

ミヅキ「(……ちょっとサトシくん!ちゃんとハラさんのお話、聞かなくちゃ駄目だよ!!)」ヒソヒソ

ハウ「(そうだよー!島巡りに出発する子どもは、必ずじーちゃんの話を聞く決まりなんだからさー!!)」ヒソヒソ

サトシ「(だってさぁ、退屈なんだもん。あーあ、早く終わって、出発の時間にならないかな〜……。)」ヒソヒソ

ハラ「――サトシ。」

サトシ「は、はひ!?」

ハラ「……聞こえていますぞ。」

サトシ「す、すみません……。」

「「ハハハ……」」

****

ハラ「――それでは、三人の旅路に、守り神の加護がありますように……!」

サトシ「よーし……終わった!二人とも、早速「ちょっと待って!!」

    ……なんだよミヅキ!?これから良いとこなのに!!」

ミヅキ「私、忘れ物しちゃった!お家に取りに帰るから、二人ともちょっと待ってて!!」

ハウ「あー!そういえば俺もー!!」

サトシ「……えー!?ハウまで〜〜!!?」

「「そういうワケだから、ゴメンね!サトシくん!!
  ゴメンねー、サトシ。ちょっと待っててー!」」

タッタッタッ……

「「……二人とも、行っちまった……。
     ピカピーカ……。」」

サトシ「ちぇー!なんだよ二人とも!!せっかく……ん――?」
 ▼ 14 dX3IS9Elqo 17/11/13 21:55:05 ID:OmgJUHPc [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「ピカピ?」

サトシ「なあピカチュウ、あの娘――」

……サトシの目線の先、そこには――淡い金の長髪、透き通るような白い肌……白いつば広帽子にノースリーブのワンピース、お嬢様然としたその服装には不釣り合いなドラムバッグを身につけた、同年代くらいの少女が立っていた。

「遺跡になにがあるというのですか?」

――パタン

サトシ「……まただ……!やっぱりあのバッグ、動いてるぞ!?」

ピカチュウ「ピカピカ!?」

サトシたちが話をしている間に、少女は村の奥へと足を踏み入れて行く――

サトシ「!!……追っかけて話を聞いてみようぜ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

タッタッタッ

サトシ「――ん?」

『この先 戦の遺跡』

サトシ「(戦の遺跡……博士やハラさんが話てた、島の守り神を祀ってるっていう……!)」

****
 ▼ 15 dX3IS9Elqo 17/11/13 22:21:11 ID:OmgJUHPc [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜マハロ山道〜

タッタッタッ……

サトシ「……どこだ〜?」キョロキョロ

ピカチュウ「ピカピ〜カ?」キョロキョロ

タッタッタッ……

「「!」」

「――バッグから出ないで……

 誰かに見られたら、困ります。」

「「 いたーー!!
  ピカピーカ!!」」

テクテク……

サトシ「……って、また行っちまった!追うぞ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

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サトシ「――やっと追いついた……!(テクテク

    ……アローラ!!」

「!」

クルッ

「……」ジーー……!

サトシ「(うっ……!) ――あの、さ……!」

「助けて……ください……」

サトシ「え?」
 ▼ 16 ニャット@はっかのみ 17/11/13 22:48:38 ID:Nx.uZoqQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 17 dX3IS9Elqo 17/11/13 22:55:08 ID:OmgJUHPc [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ほしぐもちゃんを!」

サトシ「ほしぐも……?」

……そう口走ると、少女は横へと移動する。少女の体に遮られて見えなかった後ろの橋、その光景が、サトシの目に飛び込んでくる――

「ピュ……」

サトシ「!」

――橋の中心部でうずくまって震える、紫の体色に雲のような体をした、見たこともないポケモン。そして……その頭上を円を描くように飛び回る、三匹のオニスズメの姿。

……どうやら、未知のポケモンがオニスズメに襲われているようだ。

「オニスズメさんに襲われ……

 でも……私、恐くて……足が、すくんじゃって……」

サトシ「アイツら……!」

「……え?」

サトシ「――おい!!お前たち!!!!」

「!?」

「「「……オニ?」」」

サトシ「一体相手によってたかって三体で!……卑怯だぞ!!」

「「「……オニ!」」」プイッ

サトシ「……言ってもわからないなら――!」

――サトシが左手で帽子のつばを掴み、180度回転させる。そのまま右腕を、前方へと突き出す。

サトシ「ピカチュウ!キミに決めた!!」

ピカチュウ「ピカピーカ!!」
 ▼ 18 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/13 23:34:09 ID:OmgJUHPc [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシの右肩に乗っていたピカチュウが、前方に突き出されたサトシの右腕……その上を、歩いて行く。そのまま指の先端から飛び降り、サトシの前へと着地する。

サトシ「――ピカチュウ!"電光石火"だ!!」

ピカチュウ「……ピカ!」バッ

サトシからの攻撃の指示を受け、ピカチュウが走り出す。少し老朽化した木造の吊り橋……その上を、眼にも止まらぬ速さで駆け抜ける。オニスズメたちの数メートル手前で、小さくジャンプするピカチュウ……そのまま上空のオニスズメたちの間を、高速で通過する。

オニスズメ「……オニ!?」

……一拍遅れ、ピカチュウからの体当たりの衝撃が、オニスズメたちを襲う。三匹は大きくよろめく。

サトシ「よし!今だピカチュウ!!

    そのポケモンを連れてこっちに……」

「ピュ……」

ピカチュウ「……ピカ?」

「ピュイーー!!!!」ピカー!

「「「!!?」」」

ほしぐもと呼ばれていたポケモン……そのポケモンが、眩い光と共に、全身から凄まじい衝撃波を放つ。

――直後、崩落し始める吊り橋。橋上のピカチュウとほしぐもが、崖下の川へと落下する……。

「……ピューー!!」

ピカチュウ「ピカ!?……ピカ〜〜!!」

「危ない!!」

ダッ

「え……!?」

サトシ「ほしぐも!!ピカチュウーー!!!!」

「!!」
 ▼ 19 ャタピー@イアのみ 17/11/14 12:30:20 ID:LfjonB4w NGネーム登録 NGID登録 報告
超絶支援 
 ▼ 20 レキッド@ミュウZ 17/11/14 12:34:13 ID:fyB580Kc NGネーム登録 NGID登録 報告
これは神スレ
 ▼ 21 リマロン@ラグラージナイト 17/11/14 17:18:40 ID:S.2su28A NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
お前ただサトリエss書きたかっただけだろ(迷推理)
 ▼ 22 dX3IS9Elqo 17/11/14 19:51:35 ID:0pde0t8I [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

崖下に向けて落下して行くピカチュウとほしぐも――その光景を目の当たりにしたサトシが、すぐさま駆け出す。崩れゆく橋の上を走り抜け、そのまま前方へと大きく跳躍する。2体のポケモンを、空中で抱きしめる……!

ピカチュウ「ピカピ……ッ!」

「ピュイーー!!!」

サトシ「……大丈夫だ、お前たち……!俺が守ってやる……!!」

「「……ピカ!  ニコッ
   ピュ……」」

キラーン!

ピカチュウ「……ピカ!!?」

サトシたちの上空に、突如謎の影が飛来する。黄を基調とした体色にオレンジ色の鶏冠……殻のような、羽根のようなモノを携えた、未知のポケモン――

サトシ「……なんだ……!?」

「――コケェーー!!!!」

――そのポケモンは咆哮をあげると、電撃を身に纏い、真下に向け高速で飛び始める。途中、進路を遮るオニスズメたちを蹴散らし、そのままサトシたちを拾い上げる。

「「……!」」

サトシ「!!……うわぁ〜……俺、飛んでるーー!!?」

ピカチュウ「ピカピーカ!!?」

「……………………。」

ポケモンは無言のまま、少女の待つ崖へとサトシたちを運ぶ……。

「「……よっと!!  スタッ
  ……ピッカ!!」」スタッ

サトシ「――助けてくれてサンキューな!!」ニカッ

「……………………。」

バッ

ズギューーン!!

……

サトシ「……行っちまった。なんだったんだろうな〜、ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピーカ……?」
 ▼ 23 dX3IS9Elqo 17/11/14 20:31:55 ID:0pde0t8I [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ピュイ……!」

「よかった……です……

 あなた……また力を使おうとして……あの後動けなくなったでしょ……あんな姿、見たくないのです……。」




「――ううん。ごめんなさい……

 あの時、あなたは私を助けてくれた……なのに、あなたを守れなくて……」

「ピュウ!」

「どう……したのですか!?」

「ピュピュウ!!」

ほしぐもが地面を指し示す。なにやら、不思議な石が落ちている。――少女はそれを拾い上げ、手に取る。

「光輝く石……なんだか、暖かい感じです。」

「「あのー……
  ピカー……」」

「!」

クルッ

「――申し訳ありません……

 危ないところを助けてくださり、心より感謝しております。」ペコッ

サトシ「そんなに畏まらなくてもいいって!俺たちだって、さっきのポケモンに助けてもらっただけだしさ!!

    ……俺、マサラタウンのサトシ!コイツは相棒のピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカピーカ!」

サトシ「キミは――?」
 ▼ 24 dX3IS9Elqo 17/11/14 21:21:23 ID:0pde0t8I [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシの問いに対し、少女は苦笑し、首を横に振る。

「これ……あなたの石ですよね。」スッ……

サトシ「え――?

    (……なあピカチュウ。俺、こんな石持ってたっけ?)」ヒソヒソ

ピカチュウ「(ピカピカ?)」ヒソヒソ

「――このコのこと……」

「「!!」」

「誰にも言わないで……ください。

 秘密で……秘密でお願いします。」

サトシ「……わかった!約束する!!

    そのポケモンを見たこと、誰にも言わないよ!」

「……バッグに入ってください。」

「ピュウ……」

サトシ「そろそろ、二人とも戻ってるかも……ピカチュウ!お「あのう……」れたち……も……

    ――だから、秘密ならちゃ〜んと……」

「このコ、もしかしたらまた襲われるかもしれません。

 身勝手で申し訳ありませんが、広場までご一緒ください。」

「「……。」」

サトシとピカチュウ……一人と一匹が顔を見合わせる。

サトシ「……わかった!広場まで一緒に行こうぜ!!」ニカッ

****
 ▼ 25 dX3IS9Elqo 17/11/14 22:03:16 ID:0pde0t8I [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

肩から下げたドラムバッグを大事そうに抱え、山道を歩く少女。……その少し後ろを、サトシとピカチュウが並んで歩く。

サトシ「……変わった娘だよなー。」テクテク……

ピカチュウ「ピカピーカ?」チョコチョコ……

サトシ「妙に畏まってるっていうか、オドオドしてるっていうか……それに、名前だって教えてくれないしさー。」テクテク……

ピカチュウ「ピーカ……」チョコチョコ……

サトシ「それに、あのほしぐもってポケモン!……橋を壊しちゃうくらいスッゲーパワーを持ってるのに、オニスズメに囲まれたくらいで動けなくなっちゃったりさー。」テクテク……

ピカチュウ「ピーカ……」チョコチョコ……

サトシ「ポケモンといえば、俺たちを助けてくれたあのポケモン!……アイツも気になるよなー。」テクテク……

ピカチュウ「……ピカ!」コクッ

……タッタッタッ

サトシ「……それにあのポケモン……どこかで見たことがあるような……」テクテク……

ピカチュウ「……ピカ?」チョコチョコ……

サトシ「う〜〜〜〜ん……!」テクテク……

ピカチュウ「ピ〜カ……!」チョコチョコ……

サトシ「――あ!」テクテク……

ピカチュウ「ピカ!?」チョコチョコ……

サトシ「ほら、スクールの授業で習った――!」テクテク……

ピカチュウ「ピカ?ピ〜〜〜〜……ピカ!」チョコチョコ……

「「メレメレ島の守り神、カプ・コケコ!!
   ピカピカピカ、ピカ、ピッカ!!」」

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 ▼ 26 dX3IS9Elqo 17/11/14 22:33:38 ID:0pde0t8I [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜リリィタウン〜

ミヅキ「――ハウくーん!サトシくん、いた!?」タッタッタッ……

ハウ「……いないよー!」タッタッタッ……

ミヅキ「どこに行っちゃったんだろう。……まさか、私たちを置いて一人で先に……」

ハウ「ありそうー。」

ミヅキ「今頃、『試練の一番乗り、ゲットだぜ!』――なーんて言ったりなんかしちゃってたりして!」

ハウ「楽しそう。」

「ぉーぃ。」

ミヅキ「!!この声……」

ハウ「サトシー!」
 ▼ 27 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/14 23:25:16 ID:0pde0t8I [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――二人とも、ゴメンゴメン!」タッタッタッ……

ミヅキ「ゴメンじゃないよ!どこに……って――」

「……。」テクテク……

ミヅキ「……どうしてサトシくんがリーリエちゃんと一緒に?」

ハウ「そうだよー!いつの間に仲良くなったのー?」

サトシ「リーリエ?……もしかして……この娘のこと?」

ピカチュウ「ピカピーカ?」

「えっ、あっ、はい……リーリエと申します。」

****

「「えー!?メレメレ島の守り神、カプ・コケコにーー!!?」」

サトシ「あ、ああ……」タジタジ

「「スゴいよサトシくん!実物のカプ・コケコはどうだった!?やっぱり強そうだった!?あの羽根?みたいなのは硬かった!?それともフワフワ!!?
      ズルいよー!サトシ!俺だってカプ・コケコに会ったことないのにー!やっぱりカッコ良かった!?カッコ良かったよねー!!?」」

サトシ「ストップ!ストーーップ!!

    ……二人いっぺんに言われてもわかんないよ!!」

「「ごめん……」」

サトシ「それより――」

「「?」」

サトシ「――あのリーリエって娘のことだよ!二人の友達なの?俺、会ったことないんだけど……」

ハウ「リーリエはねー、3ヶ月前にアーカラ島の浜辺に倒れてたのを博士の奥さんが見つけてー、それ以来、俺のウチに住んでたんだー!」

サトシ「へぇー。博士の奥さんが見つけて……

    って、ええええええええ!!?」

「「!!?」」

ピカチュウ「……ピカピーカ?」


 ▼ 28 チエナ@こだわりメガネ 17/11/14 23:57:07 ID:qufXvSXU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ン
 ▼ 29 ダツボミ@インドメタシン 17/11/15 18:39:24 ID:pup8mYus NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
超絶支援激烈拳
 ▼ 30 バルドン@レッドカード 17/11/15 20:37:58 ID:X.Winpwk NGネーム登録 NGID登録 報告
支援ネ
 ▼ 31 dX3IS9Elqo 17/11/15 20:43:20 ID:DEQe0.BI [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……ククイ博士って奥さんいるのーー!!?」

「「  なんで知らないのよ……
  えー!?知らないのーー!!?
     ……ピカ?」」

サトシ「だ、だって博士、そんな話、全然してなかったし……研究所には、俺と博士とポケモンたちしかいないし……!」

ミヅキ「博士の奥さんはね、博士とおんなじ研究者で……その関係で、アーカラ島に住んでるんだよ。」

サトシ「それで見たことなかったのか……」

ハウ「――話を戻すねー。」

サトシ「お、おう……」

ハウ「最初は博士の奥さんが見つけたってことで、博士の研究所に住むハズだったんだけどー……」

サトシ「じゃあ、どうしてハウんちに?」

ミヅキ「……思い当たらない?三ヶ月前、研究所――」

サトシ「う〜ん……!」

ピカチュウ「ピ〜カ……!」








「「 ……俺か!!
  ……ピカピ!!」」

ミヅキ「そう!ちょうど三ヶ月前、サトシくんがカントーから引っ越して来て、博士の研究所に住むようになったから……」

ハウ「代わりに、俺のウチに住むことになったんだよー。」

サトシ「なるほど……」

ハウ「あのほしぐもってポケモンー……なんだか特別なポケモンみたいで、人目に付くのを嫌ってたからねー、リーリエ。」

ミヅキ「その点、ハウくんのお家……島キングのハラさんのお家なら、安心だからね。」

サトシ「そういうことだったのか……」

ミヅキ「納得してくれた?」

サトシ「事情はわかったよ……けど――」
 ▼ 32 dX3IS9Elqo 17/11/15 21:28:30 ID:DEQe0.BI [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「じゃあ、なんでミヅキはその事知ってんだ?……ハウんちに内緒で匿ってんだろ?」

ミヅキ「私は……」

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ミヅキ『――ふっふーん!前から気になってたお洋服……ついに買っちゃった!!

    私に似合うかな?派手すぎないかな?……明日、スクールに着て行ってみようかな?

    ……みんな、カワイイって言ってくれるかなー……ん――?』

『……。』キョロキョロ

ミヅキ『な、ななななにあの娘!カ、カワイイ〜〜……!!

    見たことないけど……この辺りの娘かな?どこに住んでるんだろう?普段どんな生活をしてるんだろう?何を食べてたらあんなにカワイくなれるのかしら……?

    ……こっそり着いて行っちゃおう。』

『……。』テクテク……

ミヅキ『――あ!行っちゃう!……よ〜し、尾行開始!!

    あの娘のカワイさの秘密、ゲットだぜ!――な〜〜んて……』

コソコソ

タッタッタッ……
 ▼ 33 dX3IS9Elqo 17/11/15 22:18:21 ID:DEQe0.BI [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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ミヅキ「――ってことがあって、そしたら、ハウくんのお家に入って行くじゃない?もー、びっくりしちゃって!

    それで、ハウくんを問い詰めた……ってワケ!!」

サトシ「(後をつけたって方がよっぽどびっくりだよ……) ――そ、そっかー。なるほどな!」アハハ

ミヅキ「……今度こそ、納得してくれた?」

サトシ「わかったけどさー……なーんかなぁ……」

「「?」」

サトシ「そういう事情ならさ、俺にだって教えてくれても良くない?二人とも、俺が秘密を言いふらすって思ってたのかよ?」

「「(サトシくんなら、ついうっかりもあるかなって……
        言いそうー。)」」

サトシ「ちぇー!俺だけ仲間ハズレかよー……」

ミヅキ「もー!そんなことで拗ねないでよ!!」

ハウ「そうだよー!サトシー!!」

サトシ「……。」ツーン

「あ、あの……」

「「「!」」」

リーリエ「そろそろよろしいでしょうか……?」
 ▼ 34 dX3IS9Elqo 17/11/15 22:43:50 ID:DEQe0.BI [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「あ……ごめんね、リーリエちゃん。待たせちゃって……」

リーリエ「いえ……

     ――あの。」

サトシ「……ん?」

リーリエ「サトシさん……でしたよね……。」

サトシ「ああ!カントー地方のマサラタウンから来たんだ!!」

ピカチュウ「……ピカ!」

リーリエ「あなたは、ピカチュウさん……

     ククイ博士やハウさんたちのお知り合いなのですね。……よろしくお願いします。」

「「よろしくな! ニカッ
  ピッカー♪」」

****
 ▼ 35 dX3IS9Elqo 17/11/15 23:13:45 ID:DEQe0.BI [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……。」ジー……

サトシが一点を、ただ一心に見つめる。その目線の先――そこでは、ハウとリーリエが会話している。

サトシ「(事情があって匿われてる……それで始めて会った時、あんなにオドオドしてたのか。

     名前を教えてくれなかったのも、俺がほしぐもを狙う悪い連中の仲間かもしれないって、警戒してたからなんだな……)」

ミヅキ「……サトシくんもやっぱり、ああいう娘が好き……なの?」

サトシ「え、好き――?」

ミヅキ「うん……」

サトシ「どうかなー。俺はどっちかっていうと、ミヅキの方が好きだぜ?」

ミヅキ「な――!」

サトシ「……どうした?」

ミヅキ「ふえぇぇぇぇぇぇ!!!??///」

サトシ「!?な、なんだよ、急に大きな声出して……」

ミヅキ「……………………///」パクパク

サトシ「――もちろん、ハウや博士、ピカチュウたちのことも大好きだけどな!」ニカッ

ミヅキ「……………………。」

サトシ「なあ、さっきからどうしたんだよ?」

ミヅキ「……………………(ムスッ

    ――別に?」ギロッ

サトシ「な、なんだよ急に……なんで怒ってんだよ!?」

ミヅキ「怒ってなんかないけど?私のことなんかほうっておいて、向こうでだ〜〜……い好きなハウくんたちの、お話にでも混ざって来れば?」

サトシ「やっぱり怒ってんじゃん!」

ミヅキ「……知らない!!」プイッ!

テクテク……

サトシ「――なあ、ピカチュウ。俺、なんか変なこと言ったかな?」

ピカチュウ「ピーカ……」ハァ……
 ▼ 36 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/15 23:43:50 ID:DEQe0.BI [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ぉーぃ。」

サトシ「この声……」

ピカチュウ「ピカカピッカ?」

****

ククイ「――やあサトシ!みんなも!!

    ……サトシ!どうやら、リーリエに会ったみたいだね!!」

リーリエ「ククイ博士、お久しぶりです。」ペコッ

サトシ「うん!……博士はどうしてここに?」

「……わしもいますぞ!」テクテク……

ハウ「じーちゃん!」

ククイ「僕は――サトシ、キミに出発の前に渡したいモノがあるから、研究所によってほしいと伝えに……」

ハラ「そしてわしは、キミたち3人に渡すモノがあったので、村の入口でククイと待っておったのですが……」

ククイ「……なかなか来ないから、迎えに来たってワケさ!」

「「「……ごめんなさい。」」」

ミヅキ「……色々ありすぎて、すっかり忘れてたね……出発。」

サトシ「うん……」

ハラ「ほう、ほうほう!他の二人はともかく、わしの話を退屈だと言う「うぐ……!」ほどに楽しみにしておった、サトシが出発を忘れるとは……!

   ――何があったのか、お聞かせ願えますかな?」

ククイ「僕も聞いてみたいね!」

「「「実は……」」」

****
 ▼ 37 ンベ@ポイントマックス 17/11/15 23:44:30 ID:GeZZvAfM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援してる
 ▼ 38 dX3IS9Elqo 17/11/16 20:39:30 ID:5lAiAhBQ [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ククイ「……おお!そいつはスゴいぜ!」

ハラ「ほう!守り神といわれるも気まぐれなカプ・コケコの心を動かしたのですな!

   ククイよ。素晴らしいことではないか!」

サトシ「い、いやぁ〜〜……」

ハラ「これから行くサトシたちの島巡り……どうなるか楽しみですな!」

サトシ「――はい!頑張ります!!

    それじゃ、二人とも!今度こそし「なーなー」ゅっぱつ……し……

    今度はハウか……なんだよ?」

ハウ「ポケモンバトルしよーよー。」

サトシ「……って、え!?ポケモンバトル!!?」キラキラ

ミヅキ「また、唐突だね……」

ハウ「俺ねー、決めてたんだー。出発前にはサトシとバトルしようって!」

サトシ「うおおおお!やったぜ、ポケモンバトルだ!!

    ……早速始めようぜ、ハウ!!」

ミヅキ「二人とも、ホントにバトル好きだよね……」

サトシ「ミヅキだって好きだろ?ポケモンバトル!」

ミヅキ「そりゃあ好きだけどさ、私はどっちかといえば……ポケモンと一緒にお散歩したり、お昼寝したりする方が、もーっと好きかなー!」

サトシ「なんだよ……そんなのんびりでこれからの島巡り、大丈夫なのかよ?」

ミヅキ「そ、そこはちゃんと頑張るもん!」

リーリエ「私……ポケモンさんが傷つくバトルはちょっと苦手ですが……

     応援しますね。」

ハウ「孫の相手をお願いしますな。がっぷり四つの勝負を期待しますな!」

サトシ「はい!」
 ▼ 39 dX3IS9Elqo 17/11/16 21:16:32 ID:5lAiAhBQ [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「 サトシ vs ハウ 」

ハウ「よーし!楽しんじゃうもんねー!!

   ――モクロー、よろしくー!」

モクロー「……もふぅ!」

ハウの頭に乗っていたモクローが、飛び立つ。広場に設置されたバトルフィールド中央付近の上空で、対戦相手の登場を待つ。

サトシ「ニャビー!キミに決めた!!」

サトシが腰に着けたボールホルダーの中から、モンスターボールを一つ選び出し、構える。サトシの手の中で、モンスターボールが肥大化する。

……そのまま勢いよく前方に放り投げるサトシ。赤い光と共に、一匹のポケモンが姿を現す。

ニャビー「……にゃぶ!」

二匹のポケモンが、バトルフィールド中央を挟んで向かい合う……!

ハラ「ではポケモンバトル……始めませいっ!!」

ハウ「……モクロー!"木の葉"ー!!」

モクロー「クロ!クローー!!」

上空のモクローが羽根を大きく広げ、その場でクルクルと回転する。モクローの体から無数の葉っぱが生み出され、渦を巻きながらニャビーへ向かう――

サトシ「ニャビー!"ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「……にゃぶっ!!」

――対するニャビーは、左右に素早くステップを踏み、迫り来る"木の葉"を回避する。回避してもなお追い縋る葉っぱを、その鋭い爪で切り払う。

サトシ「よし、反撃だニャビー!"火の粉"――!!?」

ニャビー「……にゃ!?」
 ▼ 40 dX3IS9Elqo 17/11/16 21:49:44 ID:5lAiAhBQ [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

上空のモクローを討とうと、口内に炎を溜め、構えるニャビー。しかし、そこにモクローの姿はなく――

ミヅキ「モクロー、消えちゃった……!?」

「クロ……!」

サトシ「!!ニャビー、後ろ「"体当たり"ー!!」だ……

    ――――っ!」

ニャビー「にゃ……!」

モクロー「……クローー!!」

――突如として、ニャビーの後ろに姿を現す。咄嗟に振り返ろうとするニャビーの横っ腹を、強烈な蹴りの衝撃が襲う。

ニャビー「がっ……!!」

サトシ「……ニャビー!」

ニャビー「……………………うにゃ!」

地面に打ち付けられる寸前、くるりと一回転――体勢を立て直し、ニャビーが着地する。

サトシ「ニャビー、大丈夫か?」

ニャビー「にゃーぶ!」コクッ

サトシ「よし――!」

ハウ「モクローはねー、相手の背後に、音もなく忍び寄ることが出来るんだよー。後ねー、足の力がとっても強いんだー!」

サトシ「へぇー!だから"体当たり"をキックで……やるな、ハウ!!」

ハウ「へへー!」

サトシ「よーし!今度は俺たちの力を見せてやろうぜ、ニャビー!!」

ニャビー「……にゃー!!」
 ▼ 41 dX3IS9Elqo 17/11/16 22:36:38 ID:5lAiAhBQ [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「モクロー!もっかい"木の葉"ー!!」

サトシ「……距離をとれ、ニャビー!そのまま"火の粉"!!」

モクロー「クロ!クローー!!」

ニャビー「にゃぶっ!!」

再び無数の葉っぱを生み出し、ニャビーに向け飛ばすモクロー。一方、ニャビーはモクローから後退しつつ、口から炎を吐き出す。

"木の葉"と"火の粉"――二匹の放った技が中央でぶつかり合い、相殺する。

ミヅキ「……上手い!距離をとることで、モクローから後ろに回り込まれるのを防いだ!!」

ハウ「(さすがにおんなじ手は通じないよねー。) ……ならモクロー、ニャビーの周りを飛び回ってー!」

モクロー「……クロ!」

モクローがニャビーの周囲を旋回し始める……。

ニャビー「にゃ……!?」

サトシ「くそ……飛び回られると、厄介だな……!

    撃ち落とせ、ニャビー!もう一度"火の粉"!!」

ニャビー「にゃぶっ!!」

ハウ「……今だよー、モクロー!"火の粉"を撃った直後の隙を狙ってーー!!」

サトシ「なに!?」

上空のモクローに向けて、再び炎を吐き出すニャビー。対するモクローはその炎を回避し、ニャビーの方へと向き直る。

ハウ「"つつく"ー!!」

モクロー「クローー!!」

……そのまま嘴を前方に突き出し、ニャビーに向けて突撃する――

ニャビー「うにゃ……」

――ニャビーの体を、再び衝撃が襲う。大きく吹き飛ばされ、地面に打ち付けられる……。

サトシ「ニャビー!!」

ニャビー「……うにゃ〜〜……」

ミヅキ「スゴい……ハウくんとモクロー、サトシくんたちを押してる……!」
 ▼ 42 dX3IS9Elqo 17/11/16 23:04:46 ID:5lAiAhBQ [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「へへー!サトシー……今回のバトルは、俺がもらっちゃうかもー!!」

サトシ「まだまだ!――バトルは最後までどうなるかわからないぜ?

    ……まだ行けるか?ニャビー!!」

ニャビー「……………………うにゃ!」コクッ

サトシ「よし――!」

サトシが左手で帽子のつばを掴み、180度回転させる……!

サトシ「……こっからもっともっと、アゲて行こうぜ!ニャビー!!」

ニャビー「にゃーーぶ!!!!」

ハウ「……なら、行くよー!モクロー、もっかい"木の葉"ー!!」

サトシ「ならこっちも!――ニャビー、もう一度"火の粉"!!」

モクロー「クロ!クローー!!」

ニャビー「にゃぶっ!!」

ミヅキ「さっきと同じ展開――」

サトシ「……そのままモクローに向かって走れ!!」

「「!!?」」

ニャビー「……にゃ!」バッ

三度、ニャビーに向け葉っぱを飛ばすモクロー。対するニャビーも、再び炎を吐いて応戦する。……直後、ニャビーがモクローに向けて走り出す。

ハウ「なら――!」

モクロー「……クロ!?」

ハウ「え……?」
 ▼ 43 トライク@がんせきプレート 17/11/16 23:17:50 ID:BEc9dzCk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
面白いぞ!!
 ▼ 44 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/16 23:37:11 ID:5lAiAhBQ [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

……ニャビーの吐いた炎は、先程よりその威力を増し、"木の葉"を打ち消しながらモクローへと迫る――

ハウ「……!か、かわしてー!!」

モクロー「ク、クロッ!」

――寸でのところで、慌てて"火の粉"を回避するモクロー。

サトシ「――飛び上がれ!!」

ニャビー「……にゃっ!!」バッ

「「!!」」

そのモクローの眼前に、ニャビーが迫る……!

ハウ「ど、どうしてー……?」

サトシ「――ニャビーの特性"猛火"で、ピンチの時に炎の威力が上がるんだ!……"炎の牙"!!」

ニャビー「うにゃーー!!」

ニャビーの背中が、赤く燃え上がる。口内に、溢れんばかりの炎を溜める――

モクロー「クロ……!」

ニャビー「にゃぁぶっ!!!」

――その状態で、モクローへと噛み付く。溜められた炎が爆ぜ、モクローを大きく吹き飛ばす。

モクロー「……クロッ……」

力なく落下するモクロー。そのまま地面へと打ち付けられる……。

ニャビー「……にゃ!」スタッ

モクロー「……もふぅ〜〜……」グルグル

ハラ「……モクロー、戦闘不能!この勝負、サトシの勝利ですな!!」

ハウ「うっ、わー!」

サトシ「……やったぜ!よく頑張ったな!ニャビー!!」

ニャビー「――にゃぶ♪」
 ▼ 45 スゴドラ@ムシZ 17/11/17 03:30:50 ID:UrvI6NgM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ダ!
 ▼ 46 グノム@ライトストーン 17/11/17 04:42:28 ID:Cl97Q1.U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>8
題材は非常に斬新で面白い
サトシにゲームのシナリオを冒険させるってありそうで無かったからな
応援してる
 ▼ 47 dX3IS9Elqo 17/11/17 22:04:48 ID:1.R/9Lnk [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ゆっくり休んでいてくれ。」ポヒュン

ハウ「お疲れさまー、モクロー!(ポヒュン

   ……スゲー、サトシにニャビー!今回は勝ったと思ったのになー!!」

サトシ「ハウたちこそ、前にバトルした時よりもスッゲー強くなってたから驚いたぜ!」

ミヅキ「……そうだよハウくん!いつの間にあんなに強くなったの!?」

ハウ「へへー!二人を驚かせようと、モクローと一緒に内緒で特訓したんだー!!

   ……よーし!もっとバトルを楽しむために、島巡りでも頑張っちゃうもんねー!!」

……キラーン!

サトシ「その意気だぜハウ!……よーし!今度こそし「ぬお?サトシ……」ゅっぱつ……し……

    ……ハラさんまで!?」

ハラ「……お持ちの輝く石を見せていただけるかな。」

サトシ「輝く石……?」

リーリエ「サトシさん。さっきの石のことだと思います。」

「「 ……あ!
  ……ピカ!」」

ゴソゴソ……

サトシ「――これのことですか?けど、その石は俺のじゃ……」

ハラ「なんと……!」

ハウ「じーちゃん。それって、もしかして……」

ハラ「そういえば、サトシはカプ・コケコに助けられたと……」

サトシ「そうです!その時それが落ちてて、それをほしぐもが拾って……」

ハラ「なるほど。石まで貰うとはなあ……!」

「「……んん?
  ……ピカ?」」

リーリエ「カプ・コケコさんからサトシさんに授けられた――ということではないでしょうか。」

サトシ「……なるほど。サンキュー、リーリエ!」

ハラ「キミはアローラに来るべくして来たのかもな。――サトシ!石はちょいと預からせてもらいます。

   なあに、明日返しますから。」

サトシ「はい!

    ……………………え?」
 ▼ 48 dX3IS9Elqo 17/11/17 22:33:30 ID:1.R/9Lnk [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ええええええ!!?あ、明日ぁ〜〜〜〜!!!??

    ……ってことは、出発は……!」

ミヅキ「延期……だね……。」

サトシ「そ、そんなぁ〜〜……」

ハウ「……俺ねー、決めてたんだー。『出発前』にはサトシとバトルしようって!」

サトシ「……ゴメン、ハウ!……ミヅキも!!」

ミヅキ「私は全然構わないけど……」

ハウ「……冗談だよー!けどねー、明日になったら、サトシスッゲー驚くと思う!!」

サトシ「……さっきの石って、そんなにスゴいの?」

「「うんー!
  ですぞ!」」

サトシ「おおお!なんかそれ聞いたらワクワクしてきた!!

    ……あ〜、早く明日にならないかなー!な!ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカ!」

ククイ「……話は纏まったみたいだね!」

サトシ「そういえば、博士の用事って?」

ククイ「そのことで、今度は僕からキミへの"プレゼント"だ!……早速、研究所に"高速移動"だぜ!!」

サトシ「プレゼント!?やったぜ!!

    ハウ、ミヅキ、リーリエ……みんなも来るよな?」

「「「 うんー!
    ええ!
   ……はい!」」」

________
____
__
_
 ▼ 49 dX3IS9Elqo 17/11/17 23:12:49 ID:1.R/9Lnk [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜1番道路 ハウオリシティ外れ ククイの研究所〜

ククイ「僕からの"プレゼント"……それは!コレだぜ!!」

ババーン!

ミヅキ「これは……」

サトシ「ポケモン図鑑?」

ククイ「普通の図鑑じゃないぜ!図鑑の中には――ロトムがいるんだ!」

「「「ええー!?図鑑の中にーー!!?
      ロトムー?
    ……ロトムが!?」」」

リーリエ「……ロトムさんはですね、電気のような体で、機械に入り込むことが出来る能力を持つポケモンさんなんです。」

ハウ「へぇ〜〜!」

ククイ「――そう!ロトムの不思議な力を最大限に活かすため開発された専用のボディに、ロトムが入ることで完成する、新時代のポケモン図鑑!(カチャカチャ

    ポケモンと人との新しいコミュニケーションの形!(カチャカチャ

    ロトム図鑑は、世間的にもまだ数が少ない、レアモノだぜ!」カチャカチャ

……ウィーン、ピコピコ!

ククイ「……サトシたちの"手助け"、よろしく頼むぜ!!」

「アの……こ、これからよロトしく!」

「「「スッゲー!図鑑が喋ってるーー!!?
     わぁー、喋ったーー!?
    カ、カワイイ〜〜!!」」」

ククイ「……サトシ!どうやらキミは、好かれたみたいだね!!」ニカッ

リーリエ「あの、博士……どうしてロトムさんを……?」

ククイ「ロトム図鑑に、サトシのナビを頼みたくてね!

    ……じゃあサトシ、ロトム図鑑を頼んだぜ!ロトムも、サトシをよろしく!」

サトシ「はい!……よろしくな、ロトム!!」ニカッ

ロトム「よロトしく!」

________
____
__
_
 ▼ 50 dX3IS9Elqo 17/11/17 23:37:00 ID:1.R/9Lnk [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜1番道路〜

ミヅキ「――今日はこれからどうしようか?……なにか案がある人!」

ハウ「俺ねー、マラ「はい!はい!はーーい!!!」

ミヅキ「……はい!サトシくん!!」ビシッ!

サトシ「俺はねー!新しいポケモンをゲットしに行くのが良いと思いまーす!!」

ミヅキ「よし、採用!――とりあえず、この辺りで探してみよっか?」

サトシ「やったぜ!早速、あっちから探してみようぜ!……行くぞ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

タッタッタッ……

ミヅキ「ち、ちょっと待ってよー!」

ハウ「(マラサダ食べに行きたかったなー……。)」

リーリエ「……追いかけましょう!」

****
 ▼ 51 ダツボミ@でかいきんのたま 17/11/17 23:55:41 ID:1.R/9Lnk [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
USUM発売以降に本格的に始まると言ったな。あれは嘘だ。……プロローグ?すら終わらなかった。すみません……
Zパワーリングを貰って島巡りに出発するまで、もうちょっとかかります……
 ▼ 52 ッサム@こおりなおし 17/11/18 17:53:14 ID:Q.nZ.NCs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 53 トベトン@ガオガエンZ 17/11/18 19:13:47 ID:BrJbHYsQ NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
イイネ!
 ▼ 54 dX3IS9Elqo 17/11/18 21:28:06 ID:IHka5JjI [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……ポケモンいたか?ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピーカ……」

サトシ「そっちもか……。うーん、なかなか見つからないなぁ。」

****

「――ジャリボーイとピカチュウなのニャ!?」

「ソーナンス!?」

「……どーしてジャリボーイたちがアローラにいるのよ!」

「なんでだろうな……けど、これってもしかして、チャンスじゃないか?」

「……そうなのニャ!今度こそあのピカチュウをいただき、我らがボス、サカキ様へと献上するのニャ!!」

「ソーナンス!」

「よし!――そうと決まれば、このままジャリボーイたちを尾行して隙を狙うわよ!!」

「「おおーー!」」

「……ソーナンス!!」

________
____
__
_
 ▼ 55 dX3IS9Elqo 17/11/18 21:46:24 ID:IHka5JjI [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「――サトシくーーん!!」タッタッタッ……

サトシ「お!ミヅキ!!」

「(……また誰か来たみたいなのニャ。)」ヒソヒソ

「(また新しいジャリガールがいるのね。)」ヒソヒソ

「(ソーナンス!)」ヒソヒソ

ミヅキ「サトシくん、速すぎるよ!研究所に行く時も思ったけど……いったい、どんな脚力してるの!!?」

サトシ「へへ!――"高速移動"には自信あるんだ!!」ニカッ

ミヅキ「なにそれ……」

ハウ「――サートシーー!!」タッタッタッ……

「(……そして、新しいジャリボーイ2号――っと。)」ヒソヒソ

メモメモ

「(ジャリボーイズにジャリガール……なんだか、代わり映えがしないのニャー……)」ヒソヒソ

リーリエ「――サトシさん!皆さん!!」タッタッタッ……

「(……ニャニャ!?また新しいジャリガールが来たのにゃ!!)」ヒソヒソ

――パタン

「(――ニャ!?)」

「(……白ジャリガールね。)」ヒソヒソ

「(ソーナンス?)」ヒソヒソ
 ▼ 56 dX3IS9Elqo 17/11/18 22:21:26 ID:IHka5JjI [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ロトム「――サトシ!近くに野生のポケモンの反応があるんだロ!!」

サトシ「ホントか!?ロトム!!」

「(おい!今度は喋る箱みたいなのが出てきたぞ!!)」ヒソヒソ

「(ロトム?……あれが?)」ヒソヒソ

「「……どこだ〜〜?  キョロキョロ
  ……ピカピーカ?」」キョロキョロ

……ポケモンを探して辺りを見回すサトシたちの目に、頭部の尖った耳、ギザギザの尻尾のような物……ピカチュウによく似た後ろ姿が飛び込んでくる――

ハウ「……あれって、ピカチュウー?」

ピカチュウ「……ピカ?」

「…………」クルッ

ロトム「――あれはミミッキュなんだロ!」

ミヅキ「あれ?けど確か、ミミッキュの生息地ってウラウラ島のハズじゃ?」

ロトム「確かに……変なんだロ。」

サトシ「――ってことは、ここで会えたのはラッキーってことじゃん!……よーし、アイツをゲットしてやるぜ!!

    頼んだぞ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」

「(――どうやら、あのポケモンとバトルするみたいなんだニャ。)」ヒソヒソ

「(チャンスよ!バトルの隙を突いて……)」ヒソヒソ

「(……ピカチュウをいただきだ!!)」ヒソヒソ

「(ソーナンス!)」ヒソヒソ
 ▼ 57 dX3IS9Elqo 17/11/18 23:01:25 ID:IHka5JjI [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ロトム「ミミッキュ――化けの皮ポケモン。ゴースト・フェアリータイプ。

    正体不明。ボロ布の中身を見たとある学者は、恐怖のあまりショック死した。」

ミヅキ「ひぇ……」

サトシ「ゴースト・フェアリータイプか……。よし――行くぞ、ピカチュウ!"アイアンテール"!!」

ピカチュウ「……ピカ!」

……ピカチュウが高く飛び上がる。尻尾を硬質化し、身体を横に向けた状態で、くるくる回る――

ピカチュウ「ピカピカピカ!!」

――そのまま回転の勢いを乗せ、尻尾をミミッキュ目がけ降り下ろす。その一撃が、ミミッキュの頭部に炸裂する。

「「よし!やった――
  ピカピーカ――」」

ミミッキュ「ミミッ……!」

「「!!?」」

ハウ「……効いてないのー!?」

ミミッキュが被った布……その足下から、黒い――異形の腕が現れる。

ロトム「"シャドークロー"ロト!!」

サトシ「マズい!ピカチュ「……ッキュ!!」

ミミッキュの怪腕が振るわれる。鋭い爪の一撃を受け、ピカチュウが大きく吹き飛ばされる……。

ピカチュウ「ビ……ッ!」

サトシ「――ピカチュウ!」

ピカチュウ「……………………ッピカ!」

地面に打ちつけられる直前、ピカチュウが体勢を立て直し、着地する。素早くミミッキュの方へと向き直る。

サトシ「大丈夫か?ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピーカ!」コクッ

サトシ「くっそー、強いな……」

ミヅキ「……サトシくん!ミミッキュは"化けの皮"って特性を持ってて、最初の攻撃のダメージは無効にしちゃうの!!」

サトシ「最初の攻撃?……ってことは、次の攻撃なら、ダメージを与えられるんだな?」

ミヅキ「うん!そのハズよ!!」

サトシ「サンキュー、ミヅキ!――よーし……まだまだこっからだ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピカピカ!!」
 ▼ 58 ウカザル@いましめのツボ 17/11/18 23:05:13 ID:hFi1tQUE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 59 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/18 23:44:17 ID:IHka5JjI [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――"エレキボール"!!」

ピカチュウ「……ピカ!(バッ

      ピカピカピカ――!」

今度はピカチュウが、相手から離れるように跳躍する。尻尾の先端に、電気を球状に溜める――

ピカチュウ「――チュッ、ピ!!」

――その状態で、後ろに宙返り。上から打ち下ろすように、電気の弾を撃ちだす。

ミミッキュ「キュー……」

対するミミッキュは、自身の前方に黒い球体を生み出し――

ロトム「……今度は"シャドーボール"なんだロ!?」

ミミッキュ「キューー!!」

――そのまま、ピカチュウに向けて射出する。

"エレキボール"と"シャドーボール"――二匹の放った技が中央でぶつかり合い、相殺する。

サトシ「ぐっ……隙がない……!」

ピカチュウ「ピーカ……」

「(おい、あのポケモン……ジャリボーイのピカチュウと、互角にバトルしてるぞ!?)」ヒソヒソ

「(そうみたいね……!よーし、あのコも隙をみて私たちがいただくわよ!!)」ヒソヒソ

サトシ「(……待てよ?ミミッキュのタイプ……そうか!これなら!!)

    行くぞ、ピカチュウ!――"電光石火"!!」

「「!!?」」

ミヅキ「サトシくん……なにかんがえてるの!?」

ハウ「そ、そうだよー!ゴーストタイプ相手に、ノーマルタイプの技なんて……」

ピカチュウ「……ピカ、チャア!!」バッ

……ピカチュウが、眼にも止まらぬ速さで駆け出す。

ピカチュウ「ピカ――!」

ミミッキュ「……?」

そのままミミッキュと衝突し、その身体を通過する――

ミヅキ「ほら、すり抜けちゃった……」

サトシ「いや――これで良いのさ!」
 ▼ 60 ノココ@エレベータのカギ 17/11/18 23:50:16 ID:uYa8Wke2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
良いぞ
 ▼ 61 ガヤンマ@しんかいのウロコ 17/11/19 00:15:53 ID:YQZLXph. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 62 モンガ@あやしいカード 17/11/19 15:20:48 ID:B9Gw.gEk [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 63 ルトス@いのちのたま 17/11/19 19:26:09 ID:B9Gw.gEk [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 64 ットレイ@スピードパウダー 17/11/19 20:04:13 ID:0GEcenR6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とても面白いです 支援
 ▼ 65 マヨール@アクアスーツ 17/11/19 20:45:47 ID:C.r3VeTE NGネーム登録 NGID登録 報告
支援!!
 ▼ 66 dX3IS9Elqo 17/11/19 21:23:08 ID:jyZzbjMw [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

ミミッキュの身体をすり抜けた直後、ピカチュウか急ブレーキをかけ、砂塵を巻き上げながらターンする。ミミッキュの背後で、相手に向き直る。

ミヅキ「!!……後ろをとった!?」

ハウ「そうかー!それでわざと外して……」

サトシ「よし!"アイアンテール"――!?」

「「……ピカ!?
  ……キュ!?」」

サトシが技の指示を出そうとした、その時。……上空を、突如として影が覆う――

サトシ「くっ……後ろに跳べ!ピカチュウ!!」

「「……ピッカ!  バッ
  ……ミミッ!」」バッ

――二匹のポケモンが、咄嗟にその場から飛び退く。一拍の後、二匹が元いた場所に、網のような物が落ちてくる……。

「「「「!!?」」」」

サトシ「……なんだ!!?」
 ▼ 67 dX3IS9Elqo 17/11/19 21:40:47 ID:jyZzbjMw [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「なんだかんだと聞かれたら」

「答えてあげるが世の情け」



「世界の破壊を防ぐため」

「世界の平和を守るため」



「愛と真実の悪を貫く」

「ラブリーチャーミーな敵役」



「ムサシ!」

「コジロウ!」



「銀河を駆ける、ロケット団の二人には」

「ホワイトホール白い明日が待ってるぜ」



「ニャーんてな!」

「ソーーナンス!」
 ▼ 68 ゼリア@やみのいし 17/11/19 22:01:28 ID:B9Gw.gEk [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 69 dX3IS9Elqo 17/11/19 22:07:20 ID:jyZzbjMw [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「「「  ロケット団!!?
    あははー!変な人たちー!!
    ……なに!?変質者!!?
      なんです……!?」」」」

ムサシ「――誰が変質者よ!あんたたち……ロケット団、知らないの!!?」

「「「???」」」

コジロウ「ロケット団というのは、ちょーーう、有名な!悪の組織の名だ!!」

サトシ「……お前たち!なんでアローラ地方に!?――アローラに来てまで悪い事するのか!!」

ピカチュウ「ピカピーカ!?」

ムサシ「あんたこそ、今までどうしてたか知らないけど――」

コジロウ「――ここで会ったが百年目!……今日こそ、お前のピカチュウをいただくぜ!!」

ミヅキ「……なに?サトシくん……知り合いなの……?」アトズサリー

サトシ「おい!なんで離れて行くんだよ!?違うんだよ、ミヅキ!!

    ……いや、違わないけど!!」

ハウ「……違わないんだー。」アトズサリー

サトシ「……ハウまで!?」ガーン!

リーリエ「色々なお知り合いがいらっしゃるのですね……。羨ましい……です……!」アトズサリー

サトシ「……リーリエもー!?」ガーン!

ガックシ……

ニャース「……思いがけず、ジャリボーイにダメージを与えたのニャ。」

「「「!!?」」」
 ▼ 70 dX3IS9Elqo 17/11/19 22:36:27 ID:jyZzbjMw [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「「 わぁー、喋ったーー!?
    え!?ポケモンが……
   喋るポケモンさん……!?」」」

ミヅキ「――あなたも、中にロトムが入ってる……の……?」

ニャース「誰がロトムなのニャ、ジャリガール!……ニャーはニャースなのニャ!!」

ハウ「……ジャリガールー?ミヅキのことー?」

コジロウ「――そう!そしてお前は、新・ジャリボーイ2号(仮)だ!!」

ミヅキ「新で2号って……」

リーリエ「以前、そう呼ばれていた方がいらしたのなら、2号ではなく、3号なのではないでしょうか……?」

コジロウ「う、うるさい!まだ(色黒なこと以外)どんなヤツかも知らないんだから、仕方ないだろ!!」

ハウ「あのねー、俺、マラサダが好き!」

ムサシ「はいはい。じゃ、マラサダジャリボーイに昇格(?)ね!……これで良いでしょ!!」

ハウ「やったー!俺、マラサダだーー!!」ピョン!ピョン!

サトシ「――良かったなー!ハウ!!」ニカッ

ミヅキ「ハウくん……ホント、マラサダ好きよね……。」

ハウ「うんー!」

ニャース「……大喜びなのニャ。」

ソーナンス「ソーナンス!」








ムサシ「……そ ん な こ と は ど う だ っ て い い の よ !!!!」

「「「「「「!!」」」」」」

ソーナンス「……ソーナンス?」
 ▼ 71 dX3IS9Elqo 17/11/19 23:16:44 ID:jyZzbjMw [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……そうだった!アイツら――人のポケモンを奪う悪いヤツらで、俺のピカチュウを狙ってるんだ!!」

リーリエ「……人のポケモンを!?」ビクッ

リーリエが、バッグの紐を固く握りしめる……!

ニャース「ジャリボーイ!おミャーのピカチュウだけでなく……白ジャリガール――!」

リーリエ「!!?」

「「「……!」」」

ニャース「――おミャーがそのバッグに隠しているポケモン……そいつもいただくニャ!!」

「「  ど、どうしてそれを……!?
  おい!ホントなのか?ニャース……」」

ニャース「……ニャーは見逃さなかったのニャ。アイツがここに現れた時、バッグが僅かに動いた――その瞬間を!」

ムサシ「……やるじゃないのよ!ニャース!!」

コジロウ「お手柄だぞ!!」

リーリエ「うぅ……」

サトシ「……そんなことさせるか!行くぞ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカピーカ!!」

ミヅキ「サトシくん!……私たちも!!」

サトシ「ああ!頼むぜ、ミヅキ!ハウ!!」

ハウ「――モクロー、よろしく!」

モクロー「……もふぅ!」

ハウの頭に乗っていたモクローが、飛び立つ。そのまま前方へと飛び、ロケット団と対峙する。

ミヅキ「――お願い!アシマリ!!」

アシマリ「……あしゃま!」

ミヅキがその場に、前のめりで屈みこむ。ミヅキの頭に乗っていたアシマリが、そこから飛び降り、前方の地面へと着地する。

ムサシ「なに、やろうっての?――はい!ニャース、ソーナンス……よろしく!!」

ニャース「ニャ〜〜……仕方ないのニャー……。行くのニャ!ソーナンス!!」

ソーナンス「……ソーナンス!」
 ▼ 72 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/19 23:50:08 ID:jyZzbjMw [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「リーリエ!下がってろ!!」

リーリエ「は、はい……!」

サトシ「――ピカチュウ!"エレキボール"!!」

ピカチュウ「ピカ!(バッ

      ピカピカピカ――チュッ、ピ!!」

ニャース「ニャ!?……いきなり"エレキボール"なのニャ!!?」

ピカチュウが後ろに飛び上がり、ニャースに向けて、球状の電気を撃ちだす――

ニャース「……ニャ〜〜〜〜!!」

――今まさに、ニャースに"エレキボール"が当たらんとする、その時。……横から飛んできた黒い球体が、"エレキボール"と衝突、相殺する。

ニャース「……ニャ?」

ミミッキュ「ミミッ、キュ。」

サトシ「アイツは、さっきの……!」

ミヅキ「(私たちがお話してる間、待っててくれたんだね……)」

ニャース「ニャー……!おミャー、ニャーのこと、助けてくれたにかニャー……?」

ミミッキュ「ミミッ……」

ニャース「……!ミミッキュがニャーたちと一緒に戦うと言っているんだニャ!!」

コジロウ「……そりゃありがたいな!」

ムサシ「……よーし!なら行くわよ、ミミッキュ!!」

ミミッキュ「……キュ!」コクッ

サトシ「くっ……!」

ムサシ「ニャース!ソーナンス!……その他大勢の相手、頼んだわよ!!」

****
 ▼ 73 ルディオ@メタルコート 17/11/20 00:11:25 ID:CsWOTvlg NGネーム登録 NGID登録 報告
ミミッキュが普通にロケット団の仲間になってるな
 ▼ 74 ポエラー@きゅうこん 17/11/20 08:06:49 ID:sRCbTcZ6 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援よ!
 ▼ 75 ザリガー@グラスメモリ 17/11/20 21:34:39 ID:nWeON6fM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 76 dX3IS9Elqo 17/11/20 21:54:05 ID:kBv.nucg [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ニャース「――ジャリガールにマラサダジャリボーイ……おミャーらの相手はニャーたちなのニャ!」

ソーナンス「ソーナンス!」

ハウ「俺ねー、あの喋るポケモンとバトルしてみたい!」

モクロー「クローー!!」

ニャース「生意気なヤツらなのニャー。……良いのニャ!ニャーが相手してやるのニャ!!」

ミヅキ「……わかった。じゃあ、私とアシマリは、ソーナンスとバトルするね。」

アシマリ「あおっ!!」

ソーナンス「……ソーナンス!?」

ハウ「やったー!ありがとう、ミヅキ!アシマリ!!」ピョン!ピョン!

****
 ▼ 77 dX3IS9Elqo 17/11/20 22:33:57 ID:kBv.nucg [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「……行くよ!――アシマリ、"バブル光線"!!」

アシマリ「あお……あおっーー!!」

アシマリが鼻先から、無数の泡を放つ。泡は列を成し、ソーナンスに向けて勢いよく飛ぶ――

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

――対するソーナンスは、自身正面に、光る障壁を造り出す。

「「 えっ――!?
  ……あしゃま!?」」

障壁に触れた"バブル光線"がさらに勢いを増し、跳ね返される。そのままアシマリに直撃し、大きく吹き飛ばす。

アシマリ「ぅぎゅっ……!」

ミヅキ「……アシマリ!!」

アシマリ「あ、あしゃ〜……」

……アシマリが力なく投げ出され、倒れこむ。

ミヅキ「(今の技は……"ミラーコート"……?) ――大丈夫!?アシマリ!!」

アシマリ「あ、あお……」コクッ

ミヅキ「っ……なら!今度は"アクアジェット"!!」

アシマリ「……あおっ!!」バッ

アシマリが全身に水を纏い、ソーナンスに向けて高速で突進する――

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

――対するソーナンスは、再び自身の正面に壁を造る。

ミヅキ「(さっきと同じ……なら――!)」

アシマリ「……ぎゅっ!!」

ミヅキ「――!?」

障壁にぶつかったアシマリが、弾き飛ばされる。再び地面に投げ出される……。

ミヅキ「……今度は"カウンター"!?」

アシマリ「……きゅう〜……」

ミヅキ「アシマリ……!まさかポケモンがトレーナーの指示もなしに、"ミラーコート"と"カウンター"を使い分けるなんて……」

ソーナンス「ソーナンス!」

ミヅキ「これじゃ手が出せない。どうすれば――」
 ▼ 78 dX3IS9Elqo 17/11/20 23:15:15 ID:kBv.nucg [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「……………………。」

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ『ほら、すり抜けちゃった……』

サトシ『いや――これで良いのさ!』

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「(……そうだ!) ――アシマリ!……もう一度、"アクアジェット"!!」

アシマリ「……あおっ!!」バッ

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

再び水を纏い突進するアシマリ。対するソーナンスも再び光る障壁を造り出し、アシマリを迎える――

ミヅキ「……今よ!アシマリ、ジャンプ!!」

アシマリ「あお――!」バッ

ソーナンス「……ナンナンス!?」

ソーナンスとアシマリがぶつかり合う、直前。――アシマリが尾ひれで力強く地面を叩き、飛び上がる。そのまま前方に宙返りし、ソーナンスの背後に着地する。

ソーナンス「!!」

ミヅキ「――"歌う"!!」

アシマリ「〜〜〜〜♪」

ソーナンス「……ナン、ス……」

周囲にアシマリの歌声が響き渡る。ソーナンスがその場に崩れ落ち、深い眠りに就く。

――ZZZ

ミヅキ「……よし!決めるよ、アシマリ!――"バブル光線"!!」

アシマリ「あお……あおっーー!!」

……再びアシマリが泡の光線を放つ。アシマリの特性、"激流"で威力を増したその攻撃が、身動きのとれないソーナンスを襲う――

ソーナンス「……ナンッ……!」

――大きく吹き飛ばされるソーナンス。力なく落下し、地に伏す……。

ソーナンス「……ナンス〜〜……」グルグル

「「な、なんとかなった〜……!(ヘナヘナ……
    あしゃま〜……!」」

――ペタンッ!

ミヅキ「――そ、そうだ!ハウくんたちは……!」バッ

****
 ▼ 79 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/20 23:51:23 ID:kBv.nucg [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「……モクロー!"木の葉"ー!!」

モクロー「クロ、クローー!!」

上空のモクローが力強く羽ばたき、風を巻き起こす。無数の葉っぱが風に乗り、ニャースの周囲を舞う――

ニャース「ニャニャー!鬱陶しいのニャー!――"乱れひっかき"ニャー!!」

――対するニャースは小さく飛び上がり、空中で両腕を振り回す。周囲を舞う葉っぱを、微塵に切り裂く。

ニャース「モクロー!次はおミャーの番なのニャ……

     ――!?いニャい!!?」

「クロ……!」

ニャース「!?ニャ――」

ハウ「"体当たり"ー!!」

モクロー「クローー!!」

"木の葉"に紛れ、瞬時に姿を消したモクローが、ニャースの背後に現れる。振り向こうとするニャースの脇腹に、強烈な蹴りを浴びせる。

ニャース「……ニャァ〜〜ッ!!」

ニャースが勢いよく吹き飛ばされ、地面に転がる……。

ニャース「なん、なの……ニャ……」ガクッ

グルグル

ハウ「……やったー!俺たちの勝ち〜〜!!」ピョン!ピョン!

モクロー「……もふぅ♪」

ミヅキ「……………………ハウくーん!!」タッタッタッ……

ハウ「……ミヅキー!」

ミヅキ「……勝てたんだね。」

ハウ「ミヅキとアシマリもねー!」

ミヅキ「うん……なんとか、ね……」

アシマリ「あしゃま♪」

「「……後はサトシたちだけだねー!
  サトシくん……大丈夫かな……」」

________
____
__
_
 ▼ 80 ディアン@クリティカッター 17/11/21 17:09:20 ID:DIgEKGgs NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
はい支援
 ▼ 81 dX3IS9Elqo 17/11/21 21:46:00 ID:2g1BpTgk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ、ミヅキがニャース、ソーナンスとバトルしている同時刻。サトシサイド――

ムサシ「――ミミッキュ!なんでもいいから技出しちゃって!!」

ミミッキュ「ミミッ……!」

ミミッキュが尻尾に力を溜める――

ロトム「気をつけロ、サトシ!……"ウッドハンマー"の予備動作ロト!!」

コジロウ「へぇ〜……アイツ、"ウッドハンマー"も使えるのか!」

サトシ「わかった!サンキュー、ロトム!!

    ――ピカチュウ!迎え討て、"アイアンテール"!!」

ピカチュウ「ピーカ……!」

――対するピカチュウも、同様に尻尾に力を溜める。硬質化したピカチュウの尾が、白い光を帯びる……!

「「……ピカピカピカ!!
   ……キュッ!!」」

二匹のポケモンが、相手に向けほぼ同時に飛びかかり、尾を振りかざす。……ぶつかり合った尾が激しく火花を散らし、二匹は反動で後ろに飛び退く。二匹の距離が、再び離れる。

サトシ「やるな……!ピカチュウ、続けて"エレキボール"!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ピカピカピカ――」

続いてピカチュウが、後ろに向け飛び上がる。そのまま尻尾の先端に、電撃を球状に凝縮し――

ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」

――ミミッキュに向けて射出する。

ムサシ「かわしなさい、ミミッキュ!そのまま近づいて、ガツンとやっちゃって!!」

ミミッキュ「……キュッ!」

「「なに!?
  ピカ!?」」

ミミッキュが横に素早くステップを踏み、迫る"エレキボール"を回避する。そのまま前方へと滑るように移動し、技を放ち落下するピカチュウ……その落下地点へ向かう。

サトシ「しまった……!」

ミミッキュ「……キューー!!」

ピカチュウ「ピカ――」
 ▼ 82 dX3IS9Elqo 17/11/21 22:10:46 ID:2g1BpTgk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

空中で抵抗できないピカチュウに、ミミッキュが飛びかかる。砂ぼこりを巻き上げながら、まるでじゃれるかの如く、連続で攻撃を決める――

ミミッキュ「――キュキュキュ!!」

ピカチュウ「ビ!ガッ、ヂュ……!!」

ロトム「"じゃれつく"攻撃……マズいロト!」

――そのまま投げ出されるピカチュウ。地面に打ちつけられ、うつ伏せで倒れこむ。

サトシ「……ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピ……カッ……」

リーリエ「ああ……ピカチュウさん……」

コジロウ「……おいおい!これ……いけるんじゃないか!!?」

ムサシ「ミミッキュ……あんた、やるじゃん!!」

ミミッキュ「……キュッ!」

サトシ「くっ……!」

ムサシ「よーし……トドメよ、ミミッキュ!"ウッドハン――」

「「ムサシ〜〜、コジロウ〜〜……
   ソーーナンス〜……」」

「「「「!?」」」」

ムサシ「ちょっとなによ!今、良いところなのに!!

    ……って、ニャース、ソーナンス!あんたたち、なにその他大勢にやられてんのよ!!」

ニャース「アイツら……なかなかやるのニャ〜……」

ソーナンス「ソーナンス〜……」

コジロウ「待てよ……?ニャースたちがやられたってことは――!」
 ▼ 83 dX3IS9Elqo 17/11/21 22:44:48 ID:2g1BpTgk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「 ――モクロー!"木の葉"ー!!
  ――アシマリ!"バブル光線"!!」」

サトシ「……ハウ!ミヅキ!!」

「「  クロ、クローー!!
  あお……あおっーー!!」」

上空のモクローが羽ばたき、風と共に、無数の葉っぱを……そして、地上のアシマリが鼻先から泡の光線を、それぞれ繰り出す。

ミミッキュ「……!?」

……周囲を舞う"木の葉"がミミッキュの動きを封じ、そこに、アシマリの撃ち出した"バブル光線"が炸裂する――

ミミッキュ「ギュッ……!」

ムサシ「ちょ……ミミッキュ……!」

ハウ「……今だよー、モクロー!ピカチュウを助けてー!!」

モクロー「……クローー!!」

――吹き飛ばされるミミッキュ。その間隙を縫って、モクローが急降下する。両足でピカチュウの背を掴み、仲間の元へと運ぶ。

ピカチュウ「ピカピーカ……」

モクロー「もふぅ♪」

サトシ「大丈夫か?ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピッカ!」コクッ

リーリエ「ピカチュウさん……良かった……!」ホッ……

ムサシ「なんか……マズくない?」

「「 ニャ〜〜……
  ソーナンス……」」

コジロウ「このパターンは――!」

サトシ「……行くぞ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピーーカ……!」

ピカチュウの両頬から、電気が迸る――
 ▼ 84 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/21 23:22:31 ID:2g1BpTgk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ピカチュウ!"10万ボルト"!!」

「「「ですよね〜〜!!」」」

ピカチュウ「……チュウゥゥゥ!!!!」

――ピカチュウが全身から、激しい電撃を放つ。その電撃はミミッキュ、そして――その背後に立つ二人と二匹を貫き、大爆発を巻き起こす……!

「「「……やなかんじーーーー!!!!」」」

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

ヒューン!

……キラーン!

ミヅキ「飛んで行っちゃった。……大丈夫なの?」

サトシ「大丈夫、大丈夫!いつものことだからさ!!」

ハウ「いつも飛んで帰ってるんだー!スゲーー!!」ピョン!ピョン!

リーリエ「あの……」

「「「???」」」

リーリエ「すみません、皆さん……私のせいで、危ない目に……」

サトシ「……リーリエはなんにも悪くないだろ!悪いのはロケット団だ!!」

「「  そうだよー!
  ……うん、うん!」」

リーリエ「は、はい。……ありがとうございます。」ペコッ

ミヅキ「――けど、結局、あのコはゲットできなかったね……。」

サトシ「惜しかったんだけどなー……よーし!次のポケモンを探しに行こうぜ!!」

「「おおーー!!」」

リーリエ「……は、はい!」

「「行こうロト!
   ピカ!」」

________
____
__
_
 ▼ 85 ーバーン@もえぎいろのたま 17/11/21 23:42:00 ID:j.hXTfo2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
良いぞ
 ▼ 86 クジキング@エレベータのカギ 17/11/22 00:30:05 ID:2/WNzDxo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
かなり面白い
乙でした
 ▼ 87 ワーク@おちゃ 17/11/22 08:43:30 ID:ZORpkpWE NGネーム登録 NGID登録 報告
ウルトラサンムーン編も楽しみにしています
支援
 ▼ 88 dX3IS9Elqo 17/11/22 22:22:32 ID:yoybmNNs [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……おっ!みつけた!!」

「ケラ……」

ロトム「ツツケラ――きつつきポケモン。ノーマル・飛行タイプ。

    秒間16連打で木をつつき、穴を掘る。空けた穴は餌をしまう貯蔵庫や、巣に使う。」

ミヅキ「……この辺りにはよくいるポケモンね。」

サトシ「やっぱり、飛行タイプのポケモンがいてくれると、心強いよなー……」

ピカチュウ「チャアー……」

サトシ「……よーし、決めた!――アイツをゲットしてやるぜ!!」

「「頑張ってね!サトシくん!!
   頑張ってください……!
     頑張ロト!
    ピカピーカ!」」

サトシ「……サンキュー、みんな!

    カチッ) ――ニャビー!キミに決めた!!」ポーン

パカーン!

ニャビー「……にゃぶ!」スタッ

サトシ「行くぞ、ニャビー!ツツケラをゲットだぜ!!」

ニャビー「にゃーびっ!」コクッ

ツツケラ「……ケラ!?ケラーー!!」
 ▼ 89 dX3IS9Elqo 17/11/22 23:07:08 ID:yoybmNNs [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ツツケラ「……ケラーー!!」

ツツケラが、その嘴からニャビーに向け、植物の種を複数、勢いよく飛ばす――

ロトム「"種マシンガン"ロト!」

サトシ「……撃ち落とせ、ニャビー!"火の粉"だ!!」

ニャビー「にゃーぶっ!!」

――対するニャビーは火の玉を吐き出し、迎え討つ。

"火の粉"と"種マシンガン"――二匹の放った技が中央でぶつかり合い、相殺する。

サトシ「今だ!走れ、ニャビー!!」

ニャビー「……うにゃ!」

ニャビーがツツケラに向け、駆け出す。

ツツケラ「ケラ……ケラーーッ!!」

ツツケラも嘴を前方に突き出し、ニャビーに向け滑空する――

ロトム「今度は"つつく"なんだロ!」

サトシ「……引きつけろ、ニャビー!――"炎の牙"!!」

ニャビー「……うにゃっ!」

ツツケラ「ケラ――!?」

――ツツケラの嘴がニャビーを捉える、直前。……ニャビーが横に飛び退き、"つつく"を回避する。

ニャビー「にゃー……!」

ニャビーがそのまま、口内に炎を溜める――

ニャビー「……にゃあぶっ!!」

ツツケラ「ガッ……!」

――その状態で、"つつく"の勢いのまま、横を通過し行くツツケラ……その横っ腹に食らいつく。口内の炎が爆ぜ、吹き飛ばされるツツケラ。地面に投げ出される……。

ツツケラ「……ケ……ラ……」
 ▼ 90 dX3IS9Elqo 17/11/22 23:20:11 ID:yoybmNNs [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「よし――!」

サトシが左手で帽子のつばを掴み、180度回転させる――

サトシ「――行け!モンスターボール!!」

ツツケラ「……!」

――そのまま右手で、空のボールをツツケラに向け、勢いよく投げる。ツツケラが赤い光と共にボールに吸い込まれ、ボールは地面に転がる……。

サトシ「……………………!」ワクワク

「「「「……!」」」」ドキドキ

ボールが、コロンッ!と音を立て、左右に数回揺れる――








――カチッ☆
 ▼ 91 dX3IS9Elqo 17/11/22 23:46:23 ID:yoybmNNs [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ツツケラ、ゲットだぜ!!」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!!」

ミヅキ「……やったね!サトシくん!!」

ロトム「おめでト!」

リーリエ「ツツケラさん、怪我をして……少し心が痛みますが……これでもう、サトシさんの仲間なんですね。おめでとう、ございます……!」

サトシ「ああ!ありがとな、みんな!!(ニカッ

    ……これからよろしくな!ツツケラ!!」

「ぉーぃ。」

サトシ「……ハウの声だ!」

****

ミヅキ「……途中からいなくなってたけど、どこに行ってたの?」

ハウ「あのねー、俺、ハウオリにマラ……俺もポケモンゲットしに行ってたのー!」

「「「「(  マラサダか……
       マラサダね……
      マラサダですね……
     マラ……マラソンロか?)」」」」

サトシ「……で、なんかゲットできたのか?」

ハウ「うんー!……出て来てーー!!」ポンッ

パカーン!

ピチュー「……ピチュッ!」

「「「「 おお!ピチューか!!
    ピチューね!カワイイー!!
    ピチューさん……ですか……。
      ……ピカ!?」」」」

サトシ「……後輩ができて良かったな!ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピカ!(コクッ

      ――ピカピカ♪」

ピチュー「ピチュ♪」

ハウ「へへー!よろしくー、ピチュー!!」ニカッ

 ▼ 92 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/22 23:57:50 ID:yoybmNNs [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「――もう遅くなってきたし、今日は解散にしよっか?」

サトシ「……そうだな!そんで、明日の朝――今日とおんなじ時間に、またリリィタウンに集合だな!!」

ハウ「うんー!……じゃあリーリエ、帰ろっかー。」

リーリエ「……はい。」

サトシ「ミヅキ、俺たちも帰ろうぜ!」

ミヅキ「うん!」

「「「「 じゃ、また明日なー!
       また明日ー!
       バイバーイ!
    ご、ごきげんよう……!」」」」

________
____
__
_
 ▼ 93 ジロン@きのみぶくろ 17/11/23 03:46:56 ID:UjfENhrQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援(^^)/
 ▼ 94 dX3IS9Elqo 17/11/23 22:04:48 ID:TbtFEF7Y [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜翌日 リリィタウン〜

ハラ「では……サトシ!――約束通り、昨日預かった輝く石を返しますぞ。」

サトシ「……はい!」

――スッ

サトシ「え?これって――」

ハラ「Zパワーリングはポケモンの秘めた力……Zパワーを引き出す、不思議な腕輪!

   ――我々島キングはカプ・コケコにいただいた輝く石を加工して、Zパワーリングにするのですな。」

サトシ「……輝く石がZパワーリング?――ってことは、これ、俺の……!」

ハウ「そうだよー!それがねー……サトシのZパワーリング!!」

ミヅキ「……良かったね!サトシくん!!」

リーリエ「おめでとうございます、サトシさん。」

ククイ「やったな!サトシ!!」ニカッ

サトシ「うおおおおおお!!……やっ――――たぜっ!!!!

    これでZワザを使えるぞ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカピーカ!!」

ハラ「……もっとも――」

「「 ……え?
  ピカピカ?」」
 ▼ 95 dX3IS9Elqo 17/11/23 22:37:59 ID:TbtFEF7Y [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「――Zパワーを引き出すには島巡りをして、Zクリスタルを集める必要がありますな!」

「「  Z……クリ、スタル……
  ピッカ……ピカ、ピカピ……」」

サトシ「そうだった……!俺、Zクリスタル持ってな〜〜い!!!」ズーン

ピカチュウ「ピーカ……」ショボーン

ミヅキ「もぉ〜……サトシくんもピカチュウも、そんなに落ち込まないの!それを集めに――今から私たち、冒険に行くんでしょ?」

ハウ「そうだよー!」

サトシ「……そっか、そうだよな!サンキュー、ミヅキ!ハウ!!」ニカッ

ハラ「……では、これはこちらで用意しておいた、ハウとミヅキの分ですな。」

「「 俺はねー、まだいいやー!
  はい!ありがとうございます!」」

ミヅキ「……え!?」

ハラ「ほう……」

ハウ「あのねー、俺、ちゃんとじーちゃんに認められてから……大試練をクリアしてから、Zワザを使えるようになりたい!

   ……だから、そのZパワーリングはそれまでじーちゃんが預かっててよー!!」

ハラ「……わかったぞ、ハウ。」

サトシ「おおー!ハウ……なんかカッケーじゃん!!」

ハウ「へへー!」

ミヅキ「(どうしよう……やっぱり、私も預けた方が良いのかな?よし――!) ……あの――!」

ハラ「――ミヅキは気にせず、受けとってもらってかまいませんな。」

ミヅキ「……え!?あ、は、はい!……あ、ありがとうございます!!///」

ハラ「……どうかしましたかな?なにか言いかけて「な、なんでもありません!!!」

ミヅキ「わ、私のZパワーリングー!う、嬉しいな〜〜!!///」アハハ

「「「???」」」
 ▼ 96 dX3IS9Elqo 17/11/23 23:06:38 ID:TbtFEF7Y [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「それにしても、直に輝く石をもらうとは……。サトシはカプ・コケコに気に入られたのか、それとも……

   なにか使命があるのですかな。」

サトシ「使命……俺に……?」

ククイ「――では、島巡りにて各地を訪れれば、なにかわかるとか?」

ハラ「そうかもしれませんな。」

サトシ「各地を……」

「「 ……サトシー?
  ……サトシくん?」」








サトシ「……よーし!!決めた!!!!」

「「「「「「!!?」」」」」」

サトシ「これから行く島巡りで、なんでカプ・コケコが俺に輝く石をくれたのか……その答えも、ゲットするぜ!!」

「「「「「「「     おおー!頑張れ、サトシーー!!
             ……サトシくんらしいね。  クスッ
             私も、応援しますね……!
             一緒に頑張ロ!サトシ!!
              ……ピカピーカ!!
       "ブラストバーン"のように……燃えてるね!サトシ!! ニカッ
           ほう!それは頼もしいですな!!」」」」」」」

サトシ「そうと決まれば、早速、出発……し……」
 ▼ 97 dX3IS9Elqo 17/11/23 23:27:51 ID:TbtFEF7Y [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……!」ジー……!

ククイ「……どうしたんだい?サトシ。――僕の顔に、なにかついてるかい?」

サトシ「今度は博士の番じゃ……」

ククイ「?」

……ピコーン!

ククイ「……そうだね!じゃあ、出発前に僕からも一つ――」

サトシ「や、やっぱし……!(ガックシ

    ――よーし!なんでも来い!!」

ミヅキ「(ヤケクソね……)」

サトシ「……!」ゴクリ……








ククイ「――三人とも、これから行く島巡り……楽しんでおいで!!」

サトシ「……………………。

    ……え?それだけ……なの……?」

ククイ「ああ!」ニカッ

サトシ「やった……やったーー!ありがとう、博士!!

    ――よーし!出発だ!!」

「「うんー!!
  ええ!!」」

サトシ「……リーリエも、一緒に行こうぜ!!」ニカッ

リーリエ「は、はい。ご一緒させて……いただきます……!」

サトシ「……まずは、ハウオリシティに行こうぜ!!」

「「「おおー!」」」

ククイ「――気をつけてな!」

________
____
__
_
 ▼ 98 マンボウ@れいかいのぬの 17/11/23 23:56:46 ID:UjfENhrQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援ダ!
 ▼ 99 dX3IS9Elqo 17/11/24 00:08:47 ID:z2uqf.VQ [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――ついに元気いっぱい、島巡りへと出発して行くサトシたち。

リーリエとほしぐもを狙う、謎の集団……そして、アローラ地方にも姿を現したロケット団。――様々な困難が待ち受ける中で、いったい、どんな冒険を繰り広げていくのだろうか?

……続く。

                    ――to be continued.
 ▼ 100 キワラシ@フライングメモリ 17/11/24 00:17:37 ID:z2uqf.VQ [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ、ハウ、ミヅキ、リーリエ、ククイ、ロケット団――主要人物が一通り出揃って、さらに……メイン三人のバトルも一通り終わり、Zパワーリングを入手したところで、ひとまずプロローグは終了です。

……見ての通りのかなり遅い進行ですが、見てくださる方々、支援などくださる方々、ありがとうございます。
 ▼ 101 ーシャドー@クサZ 17/11/24 00:20:49 ID:wRHtZE2c NGネーム登録 NGID登録 報告
>>100
時間かかってもいいよ
完結目指して頑張って
 ▼ 102 カルゲ@ピンクのバンダナ 17/11/24 07:34:03 ID:LuyYpVMk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 103 イリーフ@ぎんのおうかん 17/11/25 01:10:05 ID:GW5f1bB6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>100
焦らなくていい
 ▼ 104 dX3IS9Elqo 17/11/26 21:15:34 ID:tX/7h67g [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜1番道路〜

サトシ「――そういえば、昨日あれから大丈夫だったか?ハウ、リーリエ。

    ロケット団……アイツら、しつこいからなぁ……。」テクテク……

ミヅキ「サトシくん……そんなに長い付き合いなの?」テクテク……

サトシ「ああ……そりゃあもう、な……」テクテク……

ミヅキ「た、大変だね……」テクテク……

ハウ「あの後は、一回も会ってないよー!」テクテク……

リーリエ「……リリィタウンには、ハラさんもいらっしゃいますし。」テクテク……

サトシ「……ま、それもそうか!」テクテク……

ハウ「俺はもう一回会ってみたかったけどなー。」テクテク……

ミヅキ「ハウくん……変わってるね。」テクテク……

ハウ「だってー、喋るポケモンって面白いしさー、それに……あのミミッキュってポケモンとも、バトルしてみたかったー!」テクテク……

サトシ「アイツは強かったなぁ……」テクテク……

ピカチュウ「ピーカ……」チョコチョコ……

ミヅキ「やっぱり、飛んで行った先であの人たちの仲間になったのかな?……そもそもなんで急に、あの人たちに協力する――って言いだしたんだろう?」テクテク……

サトシ「そういや、なんでだろうな?……お――!」ピタッ

「「「「「?????」」」」」ピタッ

ミヅキ「……サトシくん、どうかした?」

サトシ「ポケモンスクール!――エリコ先生に、島巡り出発の挨拶しに行こうぜ!!」

「「「「   おおー!サトシ、ナイスー!!
        良いね!行こ!!
    サトシたちの先生……会ってみたいんだロ!
         ピカピーカ!」」」」

リーリエ「では私も……ご一緒しますね。」

________
____
__
_
 ▼ 105 dX3IS9Elqo 17/11/26 22:02:44 ID:tX/7h67g [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜数十分後〜

エリコ「――じゃあ、サトシくん、ハウくん、ミヅキさん……

    みんなでお見送りするわね!」

キーン!コーン!カーン!コーン!

「お知らせです。

 サトシくん、ハウくん、ミヅキさんがポケモンスクールでのレッスンを終え、島巡りに出発します!」

「「「ええええーー!!?」」」

****

「ポケモンと仲良くな。」

「できれば、状態異常とも上手く付き合うんだぜ!」

「島巡り、頑張ってね!」

「行ってらっしゃい!!木の実を見つけたら、ポケモンに持たせてね!」

「技マシンを使いこなせ!ポケモンを強くするんだ!」

エリコ「サトシくん、ハウくん、ミヅキさん!――学んだことを活かして、素敵な島巡りにしてね!

    ファイト!未来のチャンピオン……たち!」

「「「(たちって……)」」」

サトシ「――それじゃ……行ってきます!!」

ハウ「みんな、またねーー!!」ブンブン

ミヅキ「が、頑張ってきます!!」

「「「行ってらっしゃーい!
     またねー!
    じゃあなー!」」」

****

リーリエ「……皆さん、良い人たちでしたね。」

サトシ「だろ!みんな、スッゲー良いヤツらなんだ!!(ニカッ

     ……それにしても、まさかみんなで見送ってくれるなんてなー!」

ミヅキ「お、驚いたね……」

ハウ「――けど、嬉しかったよねー!」

「「ああ!
  うん!」」
 ▼ 106 dX3IS9Elqo 17/11/26 22:30:31 ID:tX/7h67g [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――でさー、バトルの試験の時、エリコ先生が……

    『お友達たちから聞いています。サトシくんが最近、ニャビーをゲットしたこと!ですから……有利なタイプのポケモンで行きますね!!』

    ……なーんて言って、アシマリを繰り出して来てさー!あの時は焦ったぜ……」テクテク……

ミヅキ「私の時はモクローだったよ……」テクテク……

サトシ「……ん?あそこ――」ピタッ

「ぶもぉ!!」

ハウ「あれってー……じーちゃんのケンタロス?」

サトシ「ハラさんのケンタロスか!……おーい!ケンタロスーー!!」ブンブン

「ぶも!?……ぶもぉぉぉ!!!」ズドドドドド!

サトシ「はは!おーい!!」タッタッタッ……

「「「あ……危ない!!」」」

……ベシャッ!!

サトシ「い、痛て……!」

「「「 サトシー、大丈夫ー?
   さ、サトシくん!平気!?
    だ、大丈夫ですか!?」」」

サトシ「平気、平気!――俺さ、ケンタロスには慣れてるんだ!!

    ……ゲットしたことあるし!」

ミヅキ「(ゲットしたのと轢かれるのになにか関係が……?)」

「「 ……ならよかったー!
  ……でしたら、安心ですね。」」

ミヅキ「……え!!?」

サトシ「それにしてもケンタロス……なんでここに?」

「ぶもぉ……」

「――おお!子どもたち……まだこの辺りにいましたかな!」
 ▼ 107 dX3IS9Elqo 17/11/26 23:09:37 ID:tX/7h67g [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「「……ハラさん!」」」

ハウ「……じーちゃん!」

ハラ「実はキミたちが出発した少し後、ケンタロスが脱走してしまいましてな。……キミたちの旅に同行したかったのですかな!」

「ぶもぉ!」

ハラ「……はらはらさせましたが、ケンタロスは連れて帰りますぞ。」

サトシ「そっか……お前、俺たちに着いてきたのか!

    ――けど、あんまり逃げ回って、ハラさんを困らせるなよなー?」ナデナデ

「ぶもぉ♪」

ハラ「ははは!ケンタロスめ、喜んでおりますな!ポケモンはお手入れされると、ご機嫌になりますからな!」

サトシ「へへ!……気持ち良いかー?ケンタロス!」ナデナデ

「ぶもぉ♪」

ハラ「わはは、皆の衆……いろんなところに行くのですな!――ポケモンや人に出会うことで、人生は面白くなりますぞ!」

ハラはケンタロスを引き連れ、立ち去って行った……。
 ▼ 108 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/26 23:57:06 ID:tX/7h67g [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――『ポケモンや人に出会うことで、人生は面白くなる』、か。……良いこと言うよなー、ハラさん!

    これまでいろんな地方を旅して、たくさんの人やポケモンに出会ってきたけど……全部、スッゲー楽しかった!!

    なー?ピカチュウ!」テクテク……

ピカチュウ「ピカピーカ!」コクッ

ミヅキ「サトシくん、私たちとおんなじ年なのに、もうそんなにいろんなところを旅して回ってるんだ……スゴいね!」テクテク……

サトシ「へへ!まーな!!」テクテク……

ハウ「島キング、憧れるよねー!――戦わずにポケモン鎮めてさ。俺ー、ケンタロスは好きだけどー、乗るのは怖いもんねー。」テクテク……

ミヅキ「(私も……乗るのはちょっと怖い、かな……)」テクテク……

サトシ「憧れ……か!へへ、じゃあ、俺がポケモンマスターになるのと、ハウが島キングみたいになるの……どっちが先か、競争だな!!」テクテク……

ハウ「おおー!面白そうーー!!」テクテク……

サトシ「テクテク) ……だろ!」ニカッ

ミヅキ「――とかなんとか言ってる間に、ハウオリシティに到着!!(ピタッ

    ……行きたいところがある人!」

「「「「はい!はい!はーい!草むらにポケモン探しに行きたい!!
          俺ねー!マラサダ!!
    ……ちなみに私は、ポケモンセンターのカフェでお茶!
      私は……ブティックでショッピングを……!」」」」

ミヅキ「見事にバラバラだね……」
 ▼ 109 ォッシュロトム@ビスナのみ 17/11/26 23:58:16 ID:SoZCbAo2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
思った以上に面白いわ
 ▼ 110 ガハッサム@こだいのうでわ 17/11/27 03:22:55 ID:fAUO7UQk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ゆっくりでいいですぞ
 ▼ 111 dX3IS9Elqo 17/11/27 13:06:47 ID:oehEAFsU [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「じゃあさー、マラサダ買ってー、カフェでテイクアウトしてー、リーリエにどんな服が似合うかみんなで相談しながら……草むらで、ポケモンを探そうよー。」

ミヅキ「……却下。」

ハウ「ええーー!!?」

サトシ「そうだぞ、ハウ!……それじゃマラサダと飲み物で両手が塞がっちまって、モンスターボールが投げられないだろ!!」

ハウ「……そっかー!」

リーリエ「いえ……そういうことではないかと……」

「「……え?」」

リーリエ「……なんでもありません。」

ピカチュウ「ピーカ……」ハァ……
 ▼ 112 dX3IS9Elqo 17/11/27 21:33:39 ID:oehEAFsU [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

リーリエ「(私に似合う服……) あの――」

「「「???」」」

リーリエ「――皆さんは、自分で服を選んでいるのですか?」

サトシ「ママが用意してくれる時もあるけど……今回のアローラ行きは急だったからさ、自分で涼しそうな服を選んだんだ!」

ハウ「俺も自分で選んでるよー。」

ミヅキ「私も自分で選んでるけど……どうして?」

リーリエ「普通、そうですよね……。

     私……母が選んだ服だけを着ていて……自分にどんな服が似合うのか、よくわかっていないのです……。」

サトシ「ふーん……けど、別にそれでも良いんじゃないか?俺だって、ママが用意してくれた服を着る時だってあるし……」

ミヅキ「うん。――それに、今着てる服……リーリエちゃんに凄く似合ってるよ。」

リーリエ「そう……でしょうか?」

ハウ「……俺だって、自分にどんな服が似合うかなんてわかってないよー!」

サトシ「ハウの服も、ハウにピッタリだと思うぜ!」

ミヅキ「おおらかなハウくんのイメージに合ってるよね。」

ハウ「へへー!ありがとう、二人ともー!!」

リーリエ「私も、お似合いだと……思います。

     ……皆さん……ありがとうございます。」

「「「ああ!!
   うんー!
   ええ!!」」」

****
 ▼ 113 dX3IS9Elqo 17/11/27 21:52:59 ID:oehEAFsU [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……結局、みんな自分の好きなところに行っちゃうんだもんなー。」テクテク……

ピカチュウ「ピーカ……」

サトシ「ま、いいや!――思えば、ハウオリってあんまりじっくり見て回ったことなかったし……しばらくブラブラ歩き回ってみようぜ、ピカチュウ!ロトム!!」テクテク……

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

ロトム「――ハウオリシティはアローラ地方最大の町……色々な施設があるロト!」

サトシ「へぇ!……どっから見ていこうかなー!!」テクテク……




サトシ「……ん?ポケモンセンターの前にいるのは――」

〜〜〜〜〜〜

「……………………。」ペタペタ

〜〜〜〜〜〜

サトシ「……行ってみようぜ!!」

「「了解ロト! ビシッ!
  ピカ!」」 コクッ
 ▼ 114 dX3IS9Elqo 17/11/27 22:33:51 ID:oehEAFsU [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「……………………。」ペタペタ

「ぉーぃ。」タッタッタッ……

「…………?(クルッ

 !――サトシさん。」

サトシ「……イリマ先生!」

イリマ「サトシさん……前にも言ったハズです。スクールの外で会った時は、先生ではなく――」

サトシ「……そうだった!――キャプテンイリマ!!」

イリマ「――はい!キャプテンのイリマです。」

サトシ「……また、シール貼りですか?」

イリマ「そうです!ご覧の通り、素敵なシールを貼っているのですよ。

    ――島巡りの証を持つ者がシールを集めていけば、自然と島巡りが進む……言ってみれば、島巡りお助けシール!」

サトシ「キャプテンだったり、試練サポーターの人たちが、アローラのいろんなとこに貼ってるんですよね!」

イリマ「ええ。ただ――」

サトシ「……ただ?」

イリマ「――油断しているとスカル団というろくでもない、暇を持て余した連中が、島巡りの邪魔をするためシールを剥がすので、気をつけないと。」

サトシ「スカル団……スクールでも噂になってた、島巡りの邪魔をするならず者集団……!」

イリマ「……どうやら、スカル団が向こうで騒いでいるようなので、見てきますね。」

サトシ「…………!

    (――ポートエリアの方角……ハウの行った、マラサダショップのある方だ!)」

イリマ「――それではサトシさん。あちこちでヌシールを探し、剥がし、集めまくってくださいね!」

イリマは足早に、その場を後にした……。

サトシ「……………………。」

「「サトシ……どうしたんだロ?
  ピカピ……ピカピーカ?」」

サトシ「……行くぞ、ピカチュウ!ロトム!!」ダッ

ロトム「そっちはさっき、イリマの言ってた……サトシ、まさか――!」

サトシ「……ああ!スカル団をやっつけに行くんだ!!」タッタッタッ……

ロトム「ス、スカル団と戦うロト?怖くないロか?」

サトシ「……ハウのこと、ほっとけないだろ!!」タッタッタッ……

****
 ▼ 115 ックラー@アクロママシーン 17/11/27 22:51:01 ID:9dx3ClXk NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 116 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/27 23:17:57 ID:oehEAFsU [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

タッタッタッ……

「ヨヨヨー!挨拶なしが、俺たちスカル団の挨拶!」

「お前の島巡りの証、俺たちにくれないッスカ?」

サトシ「……!アイツらが――スカル団!!」タッタッタッ……

「あー、スカル団でしょー?ヌシールを剥がしたり、ポケモンを奪おうとしたり、島巡りの邪魔してばかりのー!」

サトシ「――ハウ!」タッタッタッ……

ズザアァァ……!

ハウ「!!……サトシー!」

サトシ「……お前らがスカル団か!どうして、島巡りのみんなの邪魔するんだ!!」

したっぱA「うるせー!島巡りなんか存在も、挑むヤツも、まとめて嫌いだからだよ!」

したっぱB「いっちょ、やるッスカ!」

したっぱA「ああ。相手は二人……俺とお前で島巡りの証、ちょうど二つだ。」

ハウ「サトシ!俺ー、島巡りの邪魔するスカル団、やっつけるねー!」

サトシ「よし!――行くぞ、ハウ!!」

したっぱB「……俺がポケモンを使いこなすスゴいとこ、見せてやりまスカ!」
 ▼ 117 ンチュラ@スターのみ 17/11/27 23:22:14 ID:9G08aXtE NGネーム登録 NGID登録 報告
イリマさん、精々先輩かOBだと思ったら先生に…
 ▼ 118 dX3IS9Elqo 17/11/28 21:10:56 ID:NEFxlC.c [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「 サトシ vs スカル団のしたっぱ 」

したっぱB「――行くッスカ!ズバット!!」

したっぱが、前方に勢いよくモンスターボールを投げる。ボールが開き、中からポケモンが姿を現す――

ズバット「……キイィィ!」

サトシ「……ズバットか!なら、飛行タイプには飛行タイプだ!!

    ――ツツケラ!キミに決めた!!」

――対するサトシは自身上空に向け、モンスターボールを高く放る。開いたボールから、赤い光と共に一匹のポケモンが姿を現し、空を自在に飛び回る……。

ツツケラ「……ケラーー!!」

サトシ「初バトル……よろしくな!ツツケラ!!」ニカッ

ツツケラ「ケラ!」コクッ

サトシ「よっしゃ!――先手必勝だ!ツツケラ、"種マシンガン"!!」

ツツケラ「ケラ……ケラーー!!」

ツツケラが滞空し、頬を少し膨らませる。直後、嘴から複数の植物の種を、ズバットに向けて勢いよく飛ばす――

したっぱB「ズバット!"エアカッター"ッスカら!!」

ズバット「……キイィィィィ!!!!」

サトシ「(……?今のは……?)」

ズバット「キイッ!」

――対するズバットは、短く雄叫びをあげた後、一拍の間を置いて……羽ばたきと共に、複数の真空の刃を放つ。放たれた刃は正確に種の軌道を捉え、全てを撃ち落とす。

サトシ「!!あれを全部落とした……!!?」

したっぱB「続けて"超音波"ッスカ!ズバット!!」

サトシ「くっ……なら、お前も"超音波"だ!ツツケラ!!」

「「……ケラーー!!
  ……キイィィ!!」」

二匹のポケモンが、ほぼ同時に技を放つ。放たれた音波がぶつかり合い、打ち消しあう……。

サトシ「相手は思ったより速い……動き回って隙を狙うぞ、ツツケラ!」

ツツケラ「……ケラ!!」コクッ
 ▼ 119 dX3IS9Elqo 17/11/28 21:50:33 ID:NEFxlC.c [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「行くぞ!"つつく"だ!!」

ツツケラ「……ケラーー!!」

ツツケラが前方に嘴を突き出し、ズバットに向けて高速で飛ぶ――

したっぱB「かわすッスカ!!」

ズバット「……キキッ!」

――ズバットは水平に横に飛び、ツツケラの突進を回避する。

サトシ「……今だ、ツツケラ!振り返って"種マシンガン"!!」

ツツケラ「……ケラ……ッ!

     ……ケラ、ケラーー!!」

突進をかわされズバットの後ろに回ったツツケラが、力強く羽ばたき、急制動をかける。口内に種を溜めながら回転し、振り向いたと同時に、再び種を飛ばす。

ズバット「……キイィィィィ!!!!」

サトシ「(……!まただ……!!)」

ズバット「キイッ!……キキ!」

サトシ「な――!」

……ズバットが再び雄叫びをあげる。そのまま後ろから迫る種を、まるで見えているかのようにヒラヒラと回避する……!

サトシ「(……今のは不意を突けたハズ……なのに、なんで避けられたんだ……?)」

したっぱB「……!?や、やるじゃないッスカ、ズバット!――"吸血"ッスカ!!」

ズバット「――キイィィ!!」

ズバットが高度を上げ、空高く舞い上がる――

ズバット「……キッ!」

――高空で、後ろへと身を翻すズバット。自身の後ろにいる、ツツケラの上空へ移動する。

「「……!」」

ズバット「キイィィ!!!」

……そのまま真下に向け、急降下する。ズバットの口元に、鋭い牙が光る――

サトシ「っ……!かわせ!!」

ツツケラ「……ケラッ!」

――対するツツケラは前方へと飛び、上空から迫るズバットから遠ざかる。

したっぱB「逃がさないッスカら!――"超音波"!!」

「「!!」」

ズバット「……キイィィ!!」
 ▼ 120 dX3IS9Elqo 17/11/28 22:27:07 ID:NEFxlC.c [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ツツケラ「ケラ――!」

ズバットから逃げるように飛ぶツツケラの背後に、"超音波"が迫る……!

サトシ「……ツツケラ!お前も高度を上げるんだ!!」

ツツケラ「!!……ケラッ!」

"超音波"が今にもツツケラを捉えんとする、その時。……サトシの指示を受けたツツケラが、急上昇する。そのまま追い縋る音波を振り切り、ズバットに向き直る。

したっぱB「ちっ……避けられたッスカ……。」

サトシ「まだまだこっからだ!

    (……とは言っても、ズバットのあの回避は厄介だな……!死角からの攻撃でも、なんで避けられるんだ?)

    …………。」ジー……

ズバット「キキ……」

サトシ「(……そういえば、ズバットって――!)

    ――ロトム!ズバットのデータを教えてくれ!!」

ロトム「?……知ってるポケモンじゃなかったロか?」

サトシ「詳しい情報が知りたいんだ、頼むよ。」

ロトム「わかったロト!……ズバット――蝙蝠ポケモン。毒・飛行タイプ。

    昼間は洞穴で寝ている。目がないので、超音波で周りを確認しながら飛ぶ。」

サトシ「サンキュー!ロトム!!(ニカッ

    (……やっぱりだ!あの時声をあげたのは、そういうことだったのか。……ってことは!!)」

キョロキョロ

サトシ「(……よし!両側に建物がある、ここでなら――!)」

したっぱB「――さっきから、なにをごちゃごちゃやってるんスカ!?……今度こそ、仕止めてやるッスカら!!」

ズバット「……キイィィ!!」

サトシ「へへ!ゴメン、ゴメン!!

    ……よーし!行くぞ、ツツケラ!!」

ツツケラ「……ケラーー!!」
 ▼ 121 dX3IS9Elqo 17/11/28 23:11:33 ID:NEFxlC.c [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

したっぱB「――ズバット!"エアカッター"ッスカら!!」

ズバット「キイッ!」

サトシ「かわせ、ツツケラ!そして"超音波"だ!!」

ツツケラ「……ケラッ!」

ズバットが羽ばたき、真空の刃を複数飛ばす。……対するツツケラはそれを飛び回って回避し、技を出すための構えをとる――

サトシ「……まずは、左の建物に向かって撃て!!」

したっぱB「!?」

ツツケラ「……ケラーー!!」

――その状態で、素早く左を向くツツケラ。"超音波"を放つ……。

したっぱB「な、なにやってんスカ……?」

サトシ「――良いぞ、ツツケラ!……今度は右だ!!」

ツツケラ「……ケラーー!!」

再び音波が、今度は反対側へ放たれる――

したっぱB「……俺のズバットが強すぎて、自棄になったッスカ?なら――!」

ズバット「キ……キ……」

したっぱB「!?ど……どうしたッスカ?ズバット!!」

――ツツケラが両サイドへと放った音波……その音波が建物に反射され、周囲へと拡散する。辺りを"超音波"が包み込む……!

サトシ「……やっぱり、ツツケラの場所がわからなくなったみたいだな!」

したっぱB「……どういうことでスカ!!?」

サトシ「ズバットは目がない代わりに、"超音波"で相手の位置を探るポケモン……死角からの攻撃でも回避できたのは、そもそも見てるワケじゃないからさ!

    ……けど!――今、この辺りには……俺のツツケラが放った"超音波"が反響してる!!」

したっぱB「!!」
 ▼ 122 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/28 23:45:02 ID:NEFxlC.c [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……一気に決めるぞ、ツツケラ!ズバットの周りを飛び回れ!!」

ツツケラ「……ケラーーーーッ!!」

ツツケラがズバットを中心に、円を描くように飛ぶ――

したっぱB「ズバット、右……いや、左……やっぱり右!」

ズバット「キ……キ……?」

したっぱB「今度は左……やっぱり右?いや、左ッスカ!?」

ズバット「キ……キ――!?」

サトシ「――今だ!!」

「「!!」」

ツツケラ「……ケラッ!」

――サトシからの合図を受け、ツツケラが、円の中心に向けて急速旋回する。

ツツケラ「……ラッ!!」

ズバット「キ!?」

……そのまま中心部のズバットに対し、足を使って掴みかかる――

サトシ「――"乱れ突き"!!」

ツツケラ「ケーー……ラララララ!!!!」

したっぱB「ス、スゲェ連打ッスカ!?」

ズバット「……ギ……イ"、ィ……」

――その状態で、首を高速で前後に振る。嘴の突きの連打が、ズバットを襲う……!

サトシ「――ツツケラは高速の突きで木に穴を開けて、巣を作るポケモン……"乱れ突き"の速さなら誰にも負けないぜ!」

ズバット「……キ……」

したっぱB「ズ、ズバット……!」

ズバットが、力なく地上へと落下する……。

ズバット「キィ……」グルグル

したっぱB「……まじッスカ!?終わりッスカ!?」

サトシ「やったぜ!俺たちの勝ちだ!!

    ……よく頑張ったな!ツツケラ!!」

ツツケラ「ケラ♪」
 ▼ 123 ルビート@メガストーン 17/11/29 00:35:35 ID:Gm4/r8vI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
サトシのフィールドを活用した戦い方好き
 ▼ 124 クライ@ミアレガレット 17/11/29 01:10:34 ID:3x5KQ42I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いいぞ!
 ▼ 125 dX3IS9Elqo 17/11/29 21:41:26 ID:l4I8mL8. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

したっぱB「……お前がポケモンを使いこなすスゴいとこ、見せられたのでスカ!?」

ハウ「――モクロー!"体当たり"ー!!」

「「!!」」

モクロー「……クローー!!」ゴオォォ!

ドカッ!

スリープ「……スリッ……!」バタッ

……グルグル

サトシ「……やったな!ハウ!!」ニカッ

ハウ「サトシもねー!」

したっぱA「く、くそ……!(ポヒュン

      ――おい、相棒!なかったことにしてずらかるぜ!!」

――コクッ

したっぱA「……へッ!島巡りの証なんか、頼まれたっていりませーん!!」

スタコラサッサー

ハウ「……スカル団って暇なんだねー。誰かの島巡りを邪魔したって、自分は島巡りをこなしたことにはならないのに……。」

サトシ「どこにでも、ああいうヤツらっているんだなぁ……。」

ピカチュウ「ピーカ……」

ハウ「――『本気のじーちゃんに勝つぞー!!』って、ポートエリアで叫んだし……次は、ヌシールを探すかなー。

   ……じゃあ、また後でねー!」タッタッタッ……

サトシ「あ、おい!ハウ!!せっかくだから、一緒に……」




サトシ「――行っちまった……。」

「ぉーぃ。」

サトシ「ん?……ミヅキか。」
 ▼ 126 dX3IS9Elqo 17/11/29 22:15:22 ID:l4I8mL8. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

タッタッタッ……

ミヅキ「――サ、サトシくん!大丈夫……だった……!?」ハァ、ハァ……

サトシ「ど、どうしたんだよ?そんなに急いで……」

ミヅキ「どうしたんだ?――って!こっちでスカル団が島巡りを相手に暴れてるって聞いたから、大急ぎで駆けつけたの!!」

サトシ「ああ、そのことか。……スカル団なら、もう俺とハウで追い払ったぜ!」ニカッ

ミヅキ「追い払ったって……まさか、戦ったの!?」

サトシ「うん!……けど、ミヅキも惜しかったな〜。もうちょい速ければ、バトルできたのにさ!!」

ミヅキ「ハァ〜〜〜〜……」

サトシ「……ミヅキ?」

ミヅキ「なんとかなったから良いけど、あんまり、無茶しないでね……」

サトシ「??おう……?」

ピカチュウ「ピーカ……」ハァ……

ミヅキ「――で、ハウくんは?」

サトシ「『ヌシールを探すぞー!』――って、どっかに行っちまってさ。

    ……それより、リーリエは大丈夫か?スカル団が戻ってくるかもしれないし、ロケット団のことだってあるし……」

ミヅキ「あ、うん。……騒ぎを聞いた時たまたま一緒にいたから、今はポケモンセンターで待ってもらってるよ。」

サトシ「なら、よかった。」

「――スカル団とのバトル、見させてもらいましたよ。」

「「!!」」
 ▼ 127 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/11/29 22:53:47 ID:l4I8mL8. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「イリマせん……キャプテンイリマ!!
     イリマ先生!?」」

イリマ「ミヅキさん……スクールの外で会った時は、キャプテンと呼ぶように言ったハズです。」

ミヅキ「ごめんなさい、キャプテンイリマ……」

イリマ「――はい!キャプテンのイリマです。

    ……サトシさん、そして、今はここにはいませんが、ハウさんも……キミたちもポケモンも、お疲れさまでした。」

サトシ「……ありがとうございます!」

イリマ「さてと――

    ポケモンスクールから、キミたちが気になっていました……。」

「「「え!?俺たちが……?
   サトシくんを……?
    ピカピカ!?」」」

イリマ「ククイ博士がアローラに招いたというキミは、筆記試験では、上位の成績だったミヅキさんはもちろん、ハウさんにも劣る成績でしたが……」

サトシ「うぐ……!」

イリマ「――殊、バトルの試験に置いては、僕がキャプテンとして行う特別授業はもちろん、その他の授業でも……ポケモンと力を合わせ、高成績を修めていましたね。」

サトシ「……え?いや〜……」

イリマ「はい!――僕の試験に挑めるか、チェックさせてもらいます!」

サトシ「それって……もしかして……!」

イリマ「そうです。僕からのポケモンバトルの挑戦――受けていただけますか?」

サトシ「うおおおおお!!キャプテンとのポケモンバトル……やっ――――たぜ!!!!

    ……今日は最高にツイてる!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

サトシ「喜んで!……よろしくお願いします!!」ペコッ

イリマ「こちらこそ、よろしくお願いしますね。」

ミヅキ「――サトシくん、頑張ってね!」

サトシ「おう!」ニカッ

イリマ「では……キャプテンイリマが自慢するポケモンたち、ご覧あれ!」
 ▼ 128 ブラーバ@プラスパワー 17/11/29 22:55:05 ID:1VO4/EtM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
僕らは生きている
 ▼ 129 マゲロゲ@ノーマルジュエル 17/11/29 23:01:24 ID:OEs3NcP. NGネーム登録 NGID登録 報告
>>128
生きるってなに?(哲学)
 ▼ 130 ンフィア@イトケのみ 17/11/30 11:02:23 ID:WNuOJypI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>117
今さらですが、このSSでのイリマの設定を『先生』ということにしたのは、ここでのサトシたち三人組との関係性、及び気になっていた理由を書きやすくするためで、実際のゲームにおけるイリマの設定は卒業生……いわゆる『OB』です。

キャプテンとして特別講師を任されていたので、サトシたちは先生と呼ぶ――ということにしておいてください。
 ▼ 131 ックラー@しろいハーブ 17/11/30 23:55:05 ID:sW48rE6M NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
師父!!!
 ▼ 132 dX3IS9Elqo 17/12/01 20:56:26 ID:JCL7TGY. [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「 サトシ vs イリマ 」

イリマ「――ミヅキさん、審判をお願いしますね。」

ミヅキ「は、はい!……ルールはどうしますか?」

イリマ「そうですね――」チラッ




イリマ「――サトシさん。あなたは今、ポケモンを三体連れているようですね。」

サトシ「……はい!」

イリマ「しかし、その内の一体――ツツケラは、先ほどバトルしたばかりで、疲れている。

    ……ここはシングルバトルの2vs2、ポケモンの入れ替えは自由――これで行きましょうか。」

ミヅキ「わかりました。……では、両者最初のポケモンを出してください。」

サトシ「よーし――!」

サトシが腰に着けたボールホルダーの中からボールを一つ選び出し、右手で構える。選ばれたボールがサトシの手の中で、肥大化する――

サトシ「――ニャビー!キミに決めた!!」

――そのまま前方に勢いよく投げる。赤い光と共に、一匹のポケモンが現れる……。

ニャビー「……にゃぶ!」

イリマ「火猫ポケモンのニャビーですか……では、こちらも――」

……対するイリマは、左手でボールを構える――

イリマ「――お願いします!ヤングース!!」

――イリマの投げたボールから放たれたポケモンが、ニャビーと対峙する……!

ヤングース「……グース!」

ミヅキ「では……バトル開始です!」
 ▼ 133 dX3IS9Elqo 17/12/01 21:39:21 ID:JCL7TGY. [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ピカチュウ、ニャビー!……お前たちが頼みだ。俺たちの力、キャプテンイリマに見せてやろうぜ!!」

「「ピカピーカ!!
  にゃーぶ!!」」

サトシ「よし!――行くぞ、ニャビー!"火の粉"!!」

ニャビー「にゃぶっ!!」

ニャビーがヤングースに向け、火の玉を吐き出す――

イリマ「かわしてください!」

ヤングース「……ヤングー!」

――対するヤングースは横に素早く飛び、攻撃を回避する。

サトシ「――今だ!走れ、ニャビー!!」

「「!!」」

ニャビー「……にゃ!」

その動作の際にできた僅かな隙……そこを突き、ニャビーがヤングースに向けて駆け出す。

サトシ「行け!"ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「うにゃー!」

そのままヤングースに対して、飛びかかる。鋭い爪の一撃が、ヤングースを襲う――

ヤングース「……グッ……!」

――攻撃を受けたヤングースが、大きくよろめく……。

「「……よっしゃ!
  ……にゃーぶ!」」

イリマ「やりますね……。ヤングース!――"必殺前歯"!!」

ヤングース「グ……ヤン、グーー!!」

ヤングースが体勢を立て直し、大口を開け、ニャビーへと飛びかかる――

ニャビー「にゃ!?」

サトシ「……後ろに飛べ!ニャビー!!」

ニャビー「!……にゃっ!」

――今まさにヤングースがニャビーへと到達する、直前。……ニャビーが咄嗟に後ろに飛び退き、距離をとる。

ヤングース「……グゥゥゥ!!!」

「「「!!!?」」」
 ▼ 134 dX3IS9Elqo 17/12/01 22:24:33 ID:JCL7TGY. [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

対象を失った攻撃が、ニャビーが元いた空間……そこに、炸裂する。上顎と下顎が激しくぶつかり合い、火花と共に……まるで金属を打ち鳴らしたかのような、激しい音が響く……!

ミヅキ「ス、スゴい威力……!」

イリマ「……僕のヤングースは、"頑丈顎"の特性を持っています。この特性を持つポケモンは、牙を使って攻撃する技の威力が上がるのです。」

サトシ「まさに必殺の一撃ってことか……。

    ニャビー!――接近戦は危険だ!一旦、距離をとるんだ!!」

ニャビー「……にゃ!」

サトシからの指示を受け、ニャビーがヤングースから離れる。

サトシ「よーし、良いぞニャビー!もう一度"火の粉"!!」

イリマ「なら、こちらは"泥かけ"です!」

ニャビー「にゃぶっ!!」

ヤングース「グース!!」

ニャビーが再び、ヤングース目掛けて火の玉を飛ばす。対するヤングースはどこからともなく泥の塊を取り出し、ニャビーに向けて投げつける――

「「 ――なに!?
  ――にゃぶ!?」」

――泥は火の玉を包み込み、鎮火。そのままニャビー目掛け飛んでいく……。

サトシ「くっ……!撃ち落とせ、ニャビー!"ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「……うにゃ!」

僅かに後退しつつ、素早く右前足を振り抜くニャビー。眼前に迫る泥を打ち払う。

サトシ「くっそー、隙がない……さすがはキャプテン……!

    (遠距離から"火の粉"を使って攻撃しても、"泥かけ"で打ち消されちまうし……接近すると、今度はあのスッゲー威力の"必殺前歯"が待ってる……。)

    ……………………。」ウーン……!

ニャビー「――にゃぶ!!」

サトシ「……ニャビー?」
 ▼ 135 dX3IS9Elqo 17/12/01 22:57:54 ID:JCL7TGY. [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ニャビー「……。」ジー……

サトシ「(ヤングースを見てる……?まさか――)

    ――けど、良いのか?そんなことしたら、お前だって……」

ニャビー「……にゃぶ!!」コクッ

サトシ「わかった――」

サトシが左手で帽子のつばを掴み、180度回転させる。

サトシ「――なら、行こうぜ!ニャビー!!」

ニャビー「にゃーーぶ!!」

イリマ「(なにか仕掛けてくるようですね……!)」

サトシ「ニャビー!……"ひっかく"攻撃!!」

「「!!?」」

ミヅキ「また、接近戦を……?」

ニャビー「……にゃっ!」

ニャビーが後ろ足で大地を蹴り、ヤングースに向けて駆け出す――

ニャビー「うにゃー!」

――そのまま高く飛び上がり、ヤングース目掛け……再び、鋭い爪の一撃を振りかざす。

ヤングース「……グッ……!」

イリマ「――"必殺前歯"です!!」

ヤングース「……ヤン、グーー!!」

攻撃を受けたヤングースも、再び体勢を立て直し、ニャビー目掛けて飛びかかる――

ヤングース「……グゥゥゥ!!!」

ニャビー「がっ……!」

――ヤングースの牙が、ニャビーを捉える。横っ腹へと食らいつく。

ミヅキ「あっ……」

サトシ「――今だ!!ニャビー!!!!」

「「!!?」」
 ▼ 136 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/01 23:31:45 ID:JCL7TGY. [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ニャビー「うにゃー!」

ニャビーの口から、炎が溢れ出る――

サトシ「……"炎の牙"!!!」

ニャビー「にゃぁぶっ!!!」

――その状態で、自身の腹部に噛みついたヤングース……その、同じく腹部に対し、食らいつく。

ヤングース「……グゥ……!」

イリマ「――ヤングース!」

サトシ「こっちも特性でパワーアップだ!――ピンチの時、ニャビーの特性"猛火"で、炎の威力が上がる!!」

ニャビーの口内の炎が爆ぜる。ヤングースの牙がニャビーから離れ、その身体が、大きく吹き飛ばされる。

ヤングース「ヤン、グ……」

そのまま力なく地上へと落下する……。

ニャビー「……にゃ!」スタッ

ヤングース「グース……」グルグル

ミヅキ「……ヤングース、戦闘不能!ニャビーの勝ちです!!」

サトシ「よし!……よく頑張ったな、ニャビー!!」

ニャビー「うにゃ〜♪」

イリマ「(相手の威力の高い攻撃をわざと受けることで"猛火"を発動し、反撃で一撃で仕止める、捨て身の戦略――ポケモンとの強い信頼関係がなければできない芸当。見事ですね……!)」

ミヅキ「――では、キャプテンイリマは次のポケモンを前へ!」

イリマ「――よろしくお願いします!ドーブル!!」

イリマが前方へとモンスターボールを投げる。二匹目のポケモンが姿を現す……。

ドーブル「……ドー、ブル!」

サトシ「……ドーブルか!」
 ▼ 137 dX3IS9Elqo 17/12/03 19:12:50 ID:PRbYSGEY [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――この調子でどんどん行こうぜ!ニャビー!!」

ニャビー「にゃぶ!」コクッ

サトシ「よし、行くぞ!

    ……攻撃は最大の防御だ!"ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「……にゃ!」

ニャビーがドーブルに向けて、駆け出す――

ニャビー「うにゃー!」

ドーブル「……ブッ……」

――そのまま飛びかかり、鋭い爪の一撃を繰り出す。攻撃を受けたドーブルが、よろめく……。

イリマ「――反撃です、ドーブル!"体当たり"!!」

ドーブル「……ブル!」

ドーブルが体勢を立て直し、構える――

ドーブル「ブルーー!!」

――直後、ニャビーに対して突進する。

サトシ「かわせ!」

ニャビー「にゃ……にゃぶ!?」

サトシ「!?……ニャビー!!?」

ニャビーが攻撃をかわそうと構えた、その時。……その場で右後ろ足の膝をつき、動きを止める――

ドーブル「ドー、ブル!!」

ニャビー「……がっ……!」

――動きのとれないニャビーに、ドーブルの"体当たり"が炸裂する。ニャビーが大きく吹き飛ばされ、地に伏す……。

ニャビー「にゃ〜……」グルグル

ミヅキ「……ニャビー、戦闘不能!ドーブルの勝ちです!!」

イリマ「先ほど受けた攻撃のダメージが、思ったよりも残っていたようですね。」

サトシ「よく頑張ったな、ニャビー。(ポヒュン

    ――ゆっくり休んでいてくれ。」

ミヅキ「――では、サトシくんは次のポケモンを前へ!」
 ▼ 138 ツケラ@メガリング 17/12/03 19:36:35 ID:GWvY4IQM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
相変わらず面白い
 ▼ 139 dX3IS9Elqo 17/12/03 20:01:21 ID:PRbYSGEY [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ピカチュウ!キミに決めた!!」

かけ声と共に、サトシが右腕を前方へと突き出す――

ピカチュウ「ピカピカ!」

サトシの右肩に乗っていたピカチュウが、腕をつたい……指の先端から、バトルフィールドへと降り立つ。

サトシ「ピカチュウ!"エレキボール"!!」

ピカチュウ「ピカ!

      ピカピカピカ――」

ピカチュウが後ろに飛び上がり、尾の先端に、電気を球状に凝縮する――

ピカチュウ「――チュ、ピッ!」

――その状態で身体を振り、球状の電気を前方に撃ち出す。

イリマ「ドーブル!"火の粉"です!!」

ドーブル「ドー!」

対するドーブルは尾を使い……空間に、火の玉を描く。描かれた火の玉が実体化し、ピカチュウ目掛け飛んで行く。

サトシ「(打ち消し合う――)」

「「――なに!?
   ピカ!?」」

ピカチュウ「……ビッ!」

……"火の粉"は"エレキボール"を弾き飛ばし、空中で回避することのできないピカチュウに、直撃する。ピカチュウが地上に向け、力なく落下する――

サトシ「……ピカチュウ!」

ピカチュウ「……………………ピカッ!」

――地表に打ちつけられる直前、ピカチュウが体勢を立て直し、着地する。

サトシ「……大丈夫か?ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

サトシ「くっそー……まさか"火の粉"が、あんなにパワーがあるなんて……。」

イリマ「――僕のドーブルの特性"テクニシャン"は、本来威力の低い技を、威力を高めて使うことができる特性なのです。」

サトシ「なるほど……」

 ▼ 140 dX3IS9Elqo 17/12/03 20:58:12 ID:PRbYSGEY [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

イリマ「――ドーブル!"木の葉"です!!」

ドーブル「ドー!」

今度は葉っぱを描き出すドーブル。実体化した葉っぱが風に乗り、ピカチュウへと向かう――

ピカチュウ「……ピカ!?」

サトシ「――ピカチュウ!」

――ピカチュウの周囲を、葉っぱが覆い尽くす。絶え間なく舞う"木の葉"が、ピカチュウの動きを封じる。

イリマ「……続けて"水鉄砲"です!」

ドーブル「ドー!」

次は水を描き出すドーブル。水は束になり、ピカチュウ目掛けて飛ぶ――

ピカチュウ「……ピカ……!」

――身動きのとれないピカチュウに、"水鉄砲"が直撃する。大きく吹き飛ばされ、地面に投げ出される……。

ピカチュウ「ピ……カ……」

サトシ「くっ……まだ行けるか!?ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピカ!」コクッ

サトシ「よし――!

    (――けど、さっきのコンボは厄介だな……。"木の葉"で動けなくなったところに、確実に"水鉄砲"を決められちまう。

     ……ん?待てよ――)」




サトシ「(――そうか!ってことは、最初の"木の葉"さえ攻略できれば、"水鉄砲"をかわして隙をつける!!)

    ……やれるか?ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピーカ!」コクッ

サトシ「よーし……なら、見せてやろうぜ!」

イリマ「(一体、今度はなにを見せてくれるのか……フフッ。)」
 ▼ 141 dX3IS9Elqo 17/12/03 21:33:00 ID:PRbYSGEY [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

イリマ「――ドーブル!もう一度"木の葉"です!!」

ドーブル「ドー!」

再び葉っぱを描き出すドーブル。実体化した葉っぱが、ピカチュウに向かう。

サトシ「ピカチュウ!……"アイアンテール"!!」

「「!!?」」

ミヅキ「このタイミングで、"アイアンテール"……!?」

ピカチュウ「ピカ……!」

ピカチュウが姿勢を低くし、尾を硬質化させる。金属のように硬くなった尾が、白い光を帯びる――

ピカチュウ「――ピカピカピカ!!」

――その状態で前足を軸に、その場でクルクル……回転し始める。水平に回転する尾が、周囲を舞う"木の葉"を切り裂く……!

イリマ「なっ……!」

ドーブル「ブ、ブル!?」

イリマ「……怯まないでください、ドーブル!

    ――"水「"電光石火"だ!!」鉄砲"です!!

    …………!」

ドーブル「……ドー!」

ピカチュウ「……ピカッ!」

再び水を描き、撃ち出すドーブル。対するピカチュウは回転を止め、瞬時に駆け出す――

ピカチュウ「ピカ――!」

イリマ「……速い!」

――ピカチュウに対し、真っ直ぐ飛ぶ水……それを回避すべく、弧を描く軌道で、ドーブル目掛けピカチュウが走る。

ピカチュウ「……ピッカ!」

ドーブル「ブル――」
 ▼ 142 dX3IS9Elqo 17/12/03 22:14:36 ID:PRbYSGEY [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウがドーブルに飛びかかる。腹部に頭突きが炸裂する――

ドーブル「……ブッ……!」

ピカチュウ「……ピカ!」

――攻撃を受けたドーブルが、後方に大きくよろめく。対するピカチュウはぶつかり合った反動で、真上に向けほぼ垂直に飛び上がる。

サトシ「……決めるぞ、ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピーカ……!」

ピカチュウの両頬から、電気が迸る――

サトシ「――ピカチュウ!"10万ボルト"!!」

ピカチュウ「チュウゥゥゥ!!!!」

――ピカチュウが全身から、凄まじい電撃を放出する。激しい電撃が、ドーブルの身体を貫く……!

ドーブル「……ブ……ル……ッ!」

イリマ「――ドーブル!」

……直後、大爆発が巻き起こる。白煙が立ち込め、周囲を覆い尽くす――

「「「!!」」」

ミヅキ「ど、どうなったの……!?」

「「……。」」








――しばしの後、白煙が晴れ……その全容が、露になる。

ドーブル「……。」

サトシ「!!」
 ▼ 143 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/03 22:48:07 ID:PRbYSGEY [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

イリマ「ドーブル――」

ドーブル「ブッ……」

ドーブルが、その場に崩れ落ちる……。

ドーブル「ブル〜〜……」グルグル

ミヅキ「……ドーブル、戦闘不能!このバトル、サトシくんの勝利です!!」

イリマ「――はい!キミの勝利ですね!」

サトシ「やったぜ!キャプテンに勝利だ!!

    ……よく頑張ったな!ピカチュウ、ニャビー!!」

ピカチュウ「ピッカー♪」

イリマ「キミは……いえ、キミたちは、面白いチームですね!

    是非とも茂みの洞窟での試練……その名も、イリマの試練に挑んでください!」

サトシ「はい!」

イリマ「ミヅキさんも――」

ミヅキ「(……え?ま、まさか――私もバトルを……!?) ――わ、私はとても……!」

イリマ「――?ミヅキさんも、一緒に是非挑戦してくださいね。」

ミヅキ「あ、ははい!是非!!

    (……バ、バトルじゃなかった……良かった〜……!)」ホッ

イリマ「場所は2番道路の先……ロトム図鑑を見てくださいね!

    では、アローラ!」

イリマは立ち去った……。

ロトム「キャプテンに勝利、おめでロト!」

ミヅキ「ホント、スゴかったよ!サトシくん!!」

サトシ「へへ!二人とも、サンキューな!!

    ……よーし!ハウにリーリエと合流してから、早速2番道路に試練を受けに行こうぜ!!」

「「ええ!
  ロト!」」

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 ▼ 144 リージオ@ハートスイーツ 17/12/06 18:21:20 ID:.IYsvJZ2 NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 145 リマロン@たいようのふえ 17/12/07 05:32:07 ID:jKaIve8. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
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 ▼ 146 dX3IS9Elqo 17/12/07 14:31:11 ID:mhQEtBWU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

数十分後……合流をはたした四人は、ポケモンセンターに集まっていた――

〜ハウオリシティ ポケモンセンター〜

リーリエ「いよいよ、島巡りの試練に……茂みの洞窟に向かうのですね。」

サトシ「ああ!」

リーリエ「……古い本に書かれていました。なんでも、昔の島巡りは、守り神さんと戦う強さを身に付けるための旅でもあったそうです。」

「「「おお!守り神とバトル……面白そうだな!だろ?ピカチュウ!!
        守り神とバトル?スゲー!!  ピョン!ピョン!
          守り神と、戦う……?」」」

ピカチュウ「ピカピーカ!」コクッ

リーリエ「カプ・コケコさん……ポケモンバトルが好きだと、これも、以前読んだ本に書いてありました。

     ――カプ・コケコさんに会えたら、どうしてサトシさんやほしぐもちゃんを助けてもらえたのか、わかるのでしょうか……?」

「ピュイ!」パタン

「「「「!!!!」」」」ビクッ

サトシ「……だよな〜。もう一度カプ・コケコに会えたら、色々わかりそうなんだけどなぁ……。」

リーリエ「皆さん。

     ……試練、頑張ってくださいね。私も応援しています。」

ミヅキ「……あ、そうか。リーリエちゃんは、ここまでよね……。」

サトシ「――残念だけど、それもそうだよな……。リーリエは島巡りじゃないんだし。」

ハウ「迷わないで一人で帰れるー?リリィタウンまで送ろうかー?」

リーリエ「いえ……これから博士と待ち合わせているので、大丈夫です。

     ありがとう……ございます……!」

サトシ「?」

リーリエ「……私、よく道に迷うんです。道もわからなくなるし、服も買えなくて……。」

サトシ「……なるほど。気ぃつけてな!」ニカッ

リーリエ「はい。……こういう時、さよならと言うのですね……。」

リーリエは三人にお辞儀をした後、その場を後にした……。

サトシ「――俺たちも行くか!」

「「おおーー!!」」

________
____
__
_
 ▼ 147 dX3IS9Elqo 17/12/07 21:08:48 ID:mhQEtBWU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜2番道路〜

サトシ「――ここが2番道路かぁ〜〜!!」キラキラ

ピカチュウ「ピカチュピ〜〜!!」キラキラ

ミヅキ「そういえば、こっちの方まで来るのは始めてだね。」

サトシ「ああ!……ロトム!!

    ――茂みの洞窟までの地図を見せてくれよ!!」

ロトム「お任せロト!」ビシッ!

ウィーン、ピコピコ

サトシ「ふむふむ……まっすぐ行って……右だな!サンキュー、ロトム!!」

ハウ「(アバウト。)」

ロトム「……もう良いロトか?」

サトシ「ああ!」ニカッ

ロトム「了解なんだロ!また見たくなったら、いつでも言っテ欲しいロト!!」

サトシ「おう!サンキュー!!

    ……よ〜し、ピカチュウ!茂みの洞窟まで、ゼンリョクで走るぞー!!」

ピカチュウ「ピカピカ!」コクッ

「「あー……。
  ……え!?」」

サトシ「ほら!ハウ、ミヅキも走ろうぜ!!」

ミヅキ「ち、ちょっと待ってよ、サ「よーい、ドン!!」トシ……くん……」

ズダダダダダ!

ミヅキ「……行っちゃった。」

ハウ「相変わらず、速いねー。」

****
 ▼ 148 dX3IS9Elqo 17/12/07 23:04:13 ID:mhQEtBWU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

タッタッタッ……

サトシ「――ん?この辺り……なんだか、潮の香りがするなぁ。」スンスン

ピカチュウ「ピカ〜……」スンスン

「海が近い!それが自慢のモーテルにようこそ!」

サトシ「うわ!びっくりした……あ、アローラ!!」

「アローラ!

 ……私のマケンカニは凄いだろ。海を見せたいからって、お客さんを足止めするのさ!」

マケンカニ「カニ!」

サトシ「へぇ〜、このポケモン……マケンカニっていうのか!」キラキラ

ロトム「マケンカニ――拳闘ポケモン。格闘タイプ。

    ハサミで弱点をガードしつつ、隙を窺いパンチを放つ。負けた方は泡を吹いてダウン。」

サトシ「サンキュー、ロトム!(ニカッ

    ――海の見えるモーテル……泊まってみたいなー!だろ?ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」

「あいにく、案内し過ぎで、モーテルは満室なんだ……。」

「「うへぇ…… ガックシ
  ピカ……」」ガックシ

「モーテルは満室だがね……来た人に損はさせないよ。さあ、着いて来なさい。」

スタスタ……

「「……なんだろ?
  ……ピカ?」」
 ▼ 149 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/07 23:24:09 ID:mhQEtBWU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ぉーぃ。」

サトシ「お!丁度良かった!!」

ミヅキ「サトシくん……んっ……やっと、追い……ついた……!」ハァ、ハァ……

サトシ「あれ?ハウは?」

ミヅキ「……あれ?着いて来てない……?」

サトシ「相変わらず、マイペースだなー、ハウのヤツ!……ま、良いや!その内合流できるだろ!!」

ミヅキ「(サトシくんも、人のこと言えないと思う……。)」ジトー

ピカチュウ「ピカ……」ポン、ポン

ミヅキ「ピカチュウ……!」ジーン……

サトシ「?」




サトシ「それより、俺さ!――今からこのモーテルのおじさんに誘われて、あっちに行ってみるんだ!!

    ……ミヅキも一緒に行こうぜ!」

ミヅキ「う、うん。わかった……。」

ロトム「あっちハ、ビーチがあるロト。ボク、サビないからだいじょブ!」

サトシ「よっしゃ!行くぞ!!」ダッ

タッタッタッ……
 ▼ 150 dX3IS9Elqo 17/12/08 21:35:35 ID:d6cPWpr2 [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「おや?……人数が増えたね。キミの友達かい?」

サトシ「はい!俺たち、もう一人も加えて……三人で、一緒に島巡りをしてるんです!!」

ミヅキ「ア、アローラ。」

「アローラ!――ほう!良いねぇ、島巡り!!

 それはさておき……ほら!広がるビーチ!」ビシッ!

ババーン!

「「わぁ〜〜!!」」

サトシ「……ヤッホー!海だ〜〜〜〜!!」ダッ

ピカチュウ「ピカピカ!」ダッ

ズダダダダダ!

ミヅキ「ちょ……!」

「――名前はビッグウェーブビーチ。面白いポケモンもいるから、是非ご覧になると良いでしょう!

 もっとも……キミの友達は、もう行ってしまったみたいだけどね!」

ミヅキ「すみません……。」

「いやいや……キミたちの友達らしきコが通ったら私が案内するから、キミも是非見ていってください!」

ミヅキ「ありがとうございます!(ペコッ

    ……行こっ!アシマリ!!」

アシマリ「あしゃま♪」

タッ――

「ちなみに――」

――ピタッ

ミヅキ「クルッ) ?……はい。」

「――私とマケンカニで、ビーチへの道を造ったのです!」ドヤッ

マケンカニ「カニッ!」ドヤッ

ミヅキ「……………………。」

「「……。」」




ミヅキ「ス、スゴいですね……。」ニコッ

****
 ▼ 151 dX3IS9Elqo 17/12/08 22:15:11 ID:d6cPWpr2 [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜ビッグウェーブビーチ〜

「「海だ〜〜〜〜!!
  ピカピーーカ!!」」

サトシ「……お!ピカチュウ、あそこにポケモンがいるぞ!見に行ってみようぜ!!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

タッタッタッ……

サトシ「……マンタインかぁ〜〜!」キラキラ

ピカチュウ「ピーカー……!」キラキラ

「ようこそ。マンタインサーフが楽しめる、ビッグウェーブビーチに!」

サトシ「アローラ!……マンタインサーフですか?」

「マンタインサーフとは名前のとおり、マンタインの背中に乗せてもらいサーフィン……つまり、波乗りを楽しむレジャーよ!」

サトシ「へぇ〜〜……!」キラキラ

「ぉーぃ。」

サトシ「あ!ミヅキ!!」

タッタッタッ……

ミヅキ「……なにかあった?」

サトシ「聞いてくれよミヅキ!このビーチでさ、マンタインに乗って波乗りする……マンタインサーフってのができるみたいなんだ!!」

ミヅキ「マンタインに乗ってサーフィン……ちょっと怖そうね……。」

サトシ「そうか?スッゲー楽しそうじゃん!

    ……でさ、俺、早速――」

「……もっとも。」

サトシ「――え?」

「若い人がマンタインサーフを遊ぶなら、もっと鍛えないとね。ちょっぴり激しいレジャーだから。」

サトシ「……えぇぇぇぇぇ!!?」ガーン!
 ▼ 152 dX3IS9Elqo 17/12/08 22:42:54 ID:d6cPWpr2 [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「そん、な……!この高まった期待……いったい、どうすれば……!」ズーン……

ミヅキ「もぉ〜、また……そんなに落ち込まないでよ。また今度、遊びにくれば良いでしょ?」

サトシ「……俺、色々な地方を旅してるから、足腰には結構自信あるんだけどなー……。」チラッ

「「……。」」

サトシ「……ポケモンに乗るのだって、いろんなポケモンに乗ったことあるしなー……。」チラッ

「「……。」」

サトシ「……他にも「はい、撤収!(ガシッ!」

    ――ちょ!?ミヅキ!!?」

ミヅキ「……お騒がせしました〜。」ニコニコ

ズルズルズル……

「また遊びに来てねー!マンタインも首を……

 えーっと、マンタインもない首を長くして、待ってるからね!」

サトシ「あぁぁぁぁぁ……ビーチが……俺のサーフィンが、遠ざかってゆくぅ〜〜……」ズルズルズル……
 ▼ 153 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/08 23:24:43 ID:d6cPWpr2 [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ちぇー……楽しみにしてたのにさー……。」テクテク……

ミヅキ「……まだ拗ねてるの?」テクテク……

サトシ「だって――」

「お茶目な俺たちスカル団にも、マンタインサーフさせろよな!」

サトシ「――!この声……(クルッ

    やっぱり、あの時のヤツらか!!」

ミヅキ「サトシくん、今、スカル団って……!」

サトシ「ああ!アイツらが、さっきハウオリで暴れてた――スカル団だ!!」

ミヅキ「あの人たちが……スカル団……!」ブルッ……

サトシ「俺、行ってまたやっつけて来る!……ミヅキはここで待ってるか?」

ミヅキ「……え?」

サトシ「怖いんだろ?スカル団。……手、震えてるよ。

    ……アイツらくらいなら、俺一人でも――」

ミヅキ「……大丈夫!ハウくんほどじゃないけど、私とアシマリも戦える。一緒に行くよ!!」

サトシ「わかった!じゃあ、頼んだぜミヅキ、アシマリ!!」ニカッ

「「 うん!
  あしゃま!」」

サトシ「……行くぞ!ピカチュウ!!」ダッ

ピカチュウ「ピカ!」ダッ

ミヅキ「アシマリ!私たちも行こう!!」タッ

アシマリ「あしゃ!」タッ

****
 ▼ 154 dX3IS9Elqo 17/12/11 21:35:21 ID:RO7rqfXk [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

したっぱA「――めんどくせー!」

したっぱB「無理矢理乗りまスカ!」

ダッ

「……誰かー!助けてー!マンタインを守ってー!!」

ズザアァァァ……

サトシ「――おい!お前たち!!」

したっぱA「……なんだ?」

クルッ

したっぱA「あ? あ? ああ?

      って、お前ー!!」

サトシ「またみんなの邪魔してるのか!」

したっぱB「今度は女の子と一緒ッスカ……!

      ――やるんスカ?戦うんスカ?」

サトシ「ああ!何度だって、俺たちがやっつけてやる!!」

したっぱB「先ほど負けた俺らの本気、見せてやるとしまスカ!」

サトシ「――ミヅキ、アシマリ!」

「「は、はひ!
  あお!?」」

サトシ「……スカスカ言ってるヤツの相手は任せたぞ!俺はもう一人をやっつける!!」

ミヅキ「う、うん。わかった。」

したっぱA「なにごちゃごちゃ話してやがる!?かかって来やがれ!!」

サトシ「言われなくても!行くぞ!!」
 ▼ 155 dX3IS9Elqo 17/12/11 21:57:44 ID:RO7rqfXk [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「 サトシ vs したっぱA 」

サトシ「行くぞ――」

サトシが腰に着けたボールホルダーの中から、モンスターボールを一つ選び出し、構える。

サトシ「――ニャビー!キミに決めた!!」

そのまま勢いよく、前方に投げる。赤い光と共に、ポケモンが現れる……。

ニャビー「……にゃびっ!」

したっぱA「行け!スリープ!!」

対するスカル団も、同じくボールを放る。ニャビーの対戦相手が出現する――

スリープ「……スリーー!!」

ニャビー「にゃぁぁぁ……っ!」

スリープ「スリ……ッ!」

――二匹のポケモンが、砂浜で対峙する……。

サトシ「――行け!"ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「にゃぶっ!」

サトシからの指示を受け、ニャビーがスリープに向けて走り出す。

したっぱA「スリープ!"催眠術"だ!!」

スリープ「スリィ……!」

対するスリープは、自身に向けて突進してくるニャビー……その方向に向け、念を送る――

ニャビー「…………にゃっ!!?」

サトシ「ニャビー!?」

――ZZZ

――念に触れたニャビーが、深い眠りに堕ちる……。

サトシ「……くそっ!目を覚ませ!ニャビー!!」

したっぱA「無駄だぜ。ソイツはしばらく、目を覚まさねぇ……。

      ――スリープ!"はたく"攻撃だ!!」
 ▼ 156 dX3IS9Elqo 17/12/11 22:25:43 ID:RO7rqfXk [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

スリープ「――スリ!!!」

スリープが眠っているニャビーの顔面を、思いっきりひっぱたく――

ニャビー「ぶっ……!」

――ニャビーが大きく吹き飛ばされ、砂浜に転がる……。

ニャビー「に、にゃぶ……っ。」

サトシ「……ニャビー!!」

ニャビー「…………にゃっ!!」

"はたく"の衝撃とサトシからの声を受け、ニャビーが意識を取り戻す。その場に素早く立ち上がり、周囲を確認する。

サトシ「――大丈夫か?ニャビー!!」

ニャビー「うにゃ!」コクッ

サトシ「良かった……。」

したっぱA「ちっ!もう目を覚ましやがったのか……!!」

サトシ「("催眠術"……厄介だな……!あんまりスリープに近づくと、あの技でいきなり眠らせられちまう……。)

    ……ニャビー、一旦スリープから離れろ!」

ニャビー「……にゃ!」

ニャビーが小刻みに、後ろに向けステップを踏む。スリープから遠ざかる……。

サトシ「よし!良いぞニャビー!!

    ……続けて――」

したっぱA「――なら、"念力"だスリープ!ヤツの動きを封じろ!!」

サトシ「なっ……!」

スリープ「……スリッ!」

ニャビー「にゃ、にゃぶ……!」

スリープの目が妖しく光る……。その目を見たニャビーが、その場で動きを止める……!

したっぱA「……そのまま投げ飛ばしちまえ!!」

スリープ「スリー……。」

ニャビー「にゃ、にゃ〜〜!!?」

ニャビーの身体が、浮かび上がる――
 ▼ 157 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/11 23:09:40 ID:RO7rqfXk [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

スリープ「スリッ!!!」

ニャビー「……にゃあぁぁ!!?」

――直後、スリープとは反対方向へ向け吹き飛ばされる。ニャビーの身体が、再び砂浜に転がる……。

ニャビー「うにゃ〜……」

サトシ「……ニャビー!」

したっぱA「どうした?カッコつけて現れた割に、大したことないな?

      ……さっきのヤツの方が、よっぽど手応えあったぜ!」

サトシ「まだまだ!俺たちの力を見せるのは、こっからだぜ!!

    (……確かに"催眠術"と"念力"のコンビネーションは厄介だけど、攻略の手はある……!)

    ――やれるよな?ニャビー!!」

ニャビー「にゃぶ!」コクッ

サトシ「よし!なら行くぞ、ニャビー!!」

したっぱA「――なにを狙っているかしらないが、この攻撃で決めてやる!スリープ……"念力"だ!」

スリープ「……スリッ!」

スリープの目が、再び妖しく光る――
 ▼ 158 ラブ@エレクトロメモリ 17/12/12 21:01:25 ID:DBH7ZMPM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援するしかない
 ▼ 159 dX3IS9Elqo 17/12/13 21:39:26 ID:IDScHQRQ [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――今だ!"火の粉"!!」

したっぱA「なっ!?」

ニャビー「にゃぶっ!」

――"念力"によって身体が硬直する……直前。ニャビーがスリープに向け、素早く火の玉を吐き出す。

ニャビー「……っ!」

……直後、再びニャビーの身体が動きを止める。

スリープ「スリ……!」

したっぱA「スリープ、避け――」

スリープ「……グッ……!」

したっぱA「くそっ!」

スリープに"火の粉"が直撃する。スリープの身体が、炎に包まれる。

……対するニャビーは、スリープが怯んだことで"念力"の呪縛から解放され、身体の自由を取り戻す。

サトシ「チャンスだ!走れニャビー!!」

ニャビー「……にゃぶっ!」

ニャビーがスリープに向け、再び走り出す……。

したっぱA「……"念力"で先に動きが止まったら一巻の終わりだってのに、なんつームチャクチャなタイミングで技を出しやがる!?

      ただ"念力"を受けたくないだけなら、目を逸らすとか他にいくらでも手が――」

サトシ「……コイツならやれるって、信じただけさ!」ニッ

したっぱA「……っ!だが、まさかこの技を忘れたワケじゃねぇよな!?――スリープ、"催眠術"!!」

スリープ「スリィ……!」

スリープが再び、ニャビーに向けて念を放つ――

サトシ「砂を巻き上げろ!」

ニャビー「……うにゃあ!!」

――対するニャビーは、前足を使って砂浜の砂を巻き上げる。砂塵が周囲を覆う……!

「「…………っ!?」」
 ▼ 160 dX3IS9Elqo 17/12/13 22:11:52 ID:IDScHQRQ [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

したっぱA「……落ち着けスリープ、こんなのただの虚仮威しだ!砂が舞ってる限り、ヤツの視界だって遮られる……視界が晴れたら、もう一度"催眠術"だ!!」

スリープ「スリ!」コクッ

「「……!」」ゴクリ……








砂塵が晴れ、視界が澄み渡る……。

「「…………!!?」」

したっぱA「ヤツの姿が、ねえ……!?」

スリープ「ス、スリッ!?」キョロキョロ

サトシ「……"炎の牙"!!!」

したっぱA「!!」

……ハッ!

したっぱA「……スリープ!上だ!!」

スリープ「スリ――!」

スリープが、天を仰ぐ――

ニャビー「……にゃぁぶっ!!」

――その頭上に、口いっぱいに炎を溜めたニャビーが降ってくる……!

ニャビー「にゃびっ!!!!」

スリープ「ガッ……!」

……直後、ニャビーの牙がスリープを捉える。炎が炸裂し、スリープの身体が大きく吹き飛ばされる。

スリープ「……スリィ〜……」グルグル

したっぱA「……俺のポケモン、ボコボコ。俺のプライド、ベコベコ。」

サトシ「やっ――――たぜ!!俺たちの勝ちだ!!!!

    ……カッコ良かったぞ!ニャビー!!」

ニャビー「うにゃ〜♪」
 ▼ 161 dX3IS9Elqo 17/12/13 22:43:01 ID:IDScHQRQ [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「そうだ!ミヅキたちは――」

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「……アシマリ!"歌う"!!」

アシマリ「〜〜〜〜♪」

ズバット「キ……ィ……」フラフラ

――ZZZ

したっぱB「ズバット!?なに寝てるんでスカ!!」

ミヅキ「――超音波を使ってこっちの位置を把握できても、音の攻撃……"歌う"は防げないでしょ?」ニヤリ

したっぱB「……っ!」

ミヅキ「さあ、トドメだよ!……アシマリ、"はたく"攻撃!!」

アシマリ「……あしゃっ!!」ブオン!

バシッ!!

ズバット「グッ……ギィ……!」ズザアァァァ……

――グルグル

したっぱ「……マジっスカ!強すぎじゃないでスカ!」

ミヅキ「やったね!アシマリっ!!」ダキッ

アシマリ「……あしゃま♪」スリスリ

〜〜〜〜〜〜

サトシ「――ケリがついたみたいだな!」

したっぱA「相棒も負けちまったか……。」

サトシ「さあ!これに懲りたら、もうみんなを困らせるのはやめろ!!」

したっぱA「ちっ……!」
 ▼ 162 dX3IS9Elqo 17/12/13 23:13:40 ID:IDScHQRQ [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「……サトシくーん! タッタッタッ……
   ……アニキ!」」タッタッタッ……

サトシ「……お疲れ!ミヅキ、アシマリ!!

    ミヅキもアシマリも、スッゲーカッコ良かったぜ!!」ニカッ

「「う、うん。ありがと……///
    あしゃま♪」」ドヤッ

したっぱB「……ムカつくので、イリマの邪魔するとしまスカ!」

したっぱA「そうだな!茂みの洞窟なら、ここから近いしな!」

サトシ「あのなぁ!お前たち、いい加減に――」

したっぱA「おい!」

「「……なんだよ?
  は、はい……?」」

したっぱA「……相棒がスカスカ言ってるの、記憶に残るためだからな!本当に覚えておけよ!!」

スタコラサッサー

サトシ「……アイツらも懲りないなぁ……。」ハァ……

ピカチュウ「ピカピーカ……」

ミヅキ「……さっきの話、大丈夫かな?試練の邪魔をするって――」

サトシ「心配ないよ!イリマせん……キャプテンイリマなら、あんなヤツら、あっという間にやっつけちゃうさ!!」

ミヅキ「そっか。そう……だよね!」
 ▼ 163 dX3IS9Elqo 17/12/13 23:31:58 ID:IDScHQRQ [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ありがとう!あなたたちのおかげで、マンタインも無事でした!さすが島巡りのトレーナーさん。」

「「 いやぁ〜〜……ありがとうございます!  テレテレ
  は、はい。ありがとう、ございます……!」」ペコッ

「あなたたちならキャプテンイリマさんの試練をこなし、島キングであるハラさんにも認められるわよ!

 その時は、是非マンタインに乗りに来てね!」

「「はい!」」

サトシ「……じゃ、そろそろ行こうぜ!」

ミヅキ「うん!」

テクテク……




「ぉーぃ。」

「「……ハウの声だ!
  ……ハウくん?」」

****
 ▼ 164 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/13 23:53:44 ID:IDScHQRQ [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「――モーテルのおじさんが、二人はここにいるって教えてくれてさー。なにしてたのー?」

ミヅキ「『なにしてたのー?』……じゃないよ!ハウくん!!」

サトシ「そうだぜ!こっちは大変だったんだぞ!!」

ハウ「?」

サトシ「俺、スッゲー楽しみにしてたのにさ……!マンタインサーフは、鍛えてからじゃないと駄目って言われたん「じゃなくて、ビーチでスカル団が暴れてたの。」

    ちょっ……!」

ミヅキ「……その話は、後でもいいよね?」ニコッ

サトシ「けど――」

ミヅキ「 あ と で も い い よ ね ? 」

サトシ「……はい。」

ハウ「スカル団……本当に暇なんだねー……。」

サトシ「……そうだ!!!」

「「!!?」」

サトシ「……スカル団の内の一人がスカスカ言ってんのは、記憶に残るためらしいぜ!」

ハウ「涙ぐましい。」

****
 ▼ 165 ルビー@かたいいし 17/12/17 15:39:05 ID:1sMxvaN2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 166 dX3IS9Elqo 17/12/17 19:42:37 ID:Mxr1QEjI [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜2番道路〜

サトシ「あー、もうすぐ茂みの洞窟かぁ〜!楽しみだなぁ!だろ?ピカチュウ!!」テクテク……

ピカチュウ「ピッカ!」コクッ

ハウ「ねーねー、誰が一番に試練に挑戦するー?」テクテク……

ミヅキ「そりゃあ、もちろ「はい!はい!はーーい!俺いちばーーん!!!」

    ……ほらね。」テクテク……

ハウ「だよねー。じゃあ、俺たちはその間、2番道路のポケモンセンターで待ってよっかー。」テクテク……

ミヅキ「そうね。」テクテク……

サトシ「やったぜ!俺たちが一番乗りだ!!

    燃えて来るなー!だろ?ピカチュウ!!」テクテク……

ピカチュウ「ピカピーカ!」フンスッ

ハウ「カフェで気分高めてー、試練に挑むとするよー!」テクテク……

サトシ「なあ!茂みの洞窟って、どんなとこなんだ?」テクテク……

ハウ「……茂みの洞窟はねー、カプ・コケコに所縁があってねー、島巡りとかで許されて、やっと入れる場所なんだー。」テクテク……

サトシ「へぇー、カプ・コケコの……!ますます楽しみだぜ!!」テクテク……

〜〜〜〜〜〜

ムサシ「……ちょっと、二人とも!さっきの話、聞いた!?」

コジロウ「ああ。茂みの洞窟は、特別な許しがないと入れない……」

ニャース「そして、ジャリーズはポケモンセンターに行ってると言っていたのニャ……」

ムサシ「――つまり!……茂みの洞窟の中でジャリボーイを待ち伏せてれば、誰にも邪魔されないってことよ!!」

ソーナンス「ソーーナンスッ!!」

ムサシ「よ〜〜し!早速先回りして、茂みの洞窟に忍び込むわよ!!」

「「おおーー!!」」

ソーナンス「……ソーナンス!」

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 167 dX3IS9Elqo 17/12/17 20:17:54 ID:Mxr1QEjI [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

…………

ミヅキ「……あ!見て見て、あそこ!!」

サトシ「ん――?」

〜〜〜〜〜〜

「シャーーーーッ!!」

「モ、モン……ッ!」ヨロヨロ……

〜〜〜〜〜〜

ハウ「――綿みたいなポケモンが、アーボに襲われてるー!?」

サトシ「あのポケモンは……!」

ロトム「モンメン――綿玉ポケモン。草・フェアリータイプ。

    仲間を見つけると、くっつく。あまりにたくさんくっつき過ぎて、入道雲みたいになることも。」

ミヅキ「……そんなことより、助けなきゃ!――アシマリ!!」

アシマリ「……あおっ!」ピョン

――スタッ!

アーボ「……シャーーーーッ!!」ガバッ!

サトシ「ピカチュウ!"電光石火"!!」

ピカチュウ「チュ、ピッ!」バッ

シュタタタタタッ!

……ガキンッ!

アーボ「……アボッ!!?」

ハウ「モクロー、"木の葉"ー!」

モクロー「クロ、クローー!!」クルクル

ザアァァァァ!

アーボ「…………ッ!!?」キョロキョロ

サトシ「……今だ、ピカチュウ!そいつをこっちに!!」

ピカチュウ「ピカピーカ。」ヒョイ

モンメン「モ、モン……」

ミヅキ「アシマリ!――"アクアジェット"!!」

アシマリ「……あお、あおーーっ!!」バッ
 ▼ 168 dX3IS9Elqo 17/12/17 20:35:09 ID:Mxr1QEjI [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ズバアァァァ!

ドカッ!

アーボ「……ガッ……!」フラッ……

「「「……ピカピーカ!
   ……クローー!!
   ……あしゃま!!」」」

アーボ「ア、アボ……!」タジタジ

「「「……!」」」ジリジリ




アーボ「……アボッ!!」クルッ

スタコラサッサー

……

ミヅキ「ふぅ、行ったみたい。……大丈夫?モンメン!」

モンメン「モン……」ヨロヨロ

サトシ「酷い怪我だな……。」

ロトム「草・フェアリータイプは、毒タイプにスゴく弱いロ……。」

ミヅキ「――とりあえず、ポケモンセンターに急ごう!」

「「そうだな!
  うんー!」」

________
____
__
_
 ▼ 169 dX3IS9Elqo 17/12/17 21:12:48 ID:Mxr1QEjI [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜2番道路 ポケモンセンター〜

モンメン「……モンッ♪」

ミヅキ「――元気になったみたいだね!良かった!!」ニコッ

「「良かったなー!モンメン!!
  良かったー!無事でー!!」」

モンメン「モン〜〜♪」スリスリ

ミヅキ「あはは、くすぐったいよ!……それにしてもこのコ、どうしてあんなところに?」

サトシ「……どうしてって?」

ミヅキ「このコ……モンメンの仲間は、この辺りだと、メレメレの花園にしか生息してないの。」

サトシ「なるほど……。お前、なんであんなところにいたんだ?」

モンメン「?」

サトシ「うーん、本人にもわからないのか〜……。こりゃ難事件!」

ハウ「(……そもそも、聞いても言葉、わからないよねー。)」

ロトム「――モンメンは、風に乗っテ移動するポケモン。おそらく、強風かなにかに飛ばされテ、2番道路に来たんだロ!」

サトシ「おお!さすがはロトムだぜ!!」

ロトム「エヘヘ……」

ハウ「それじゃあ、俺たちでメレメレの花園に帰してあげようよー!」

ミヅキ「……そうだね!そうしよう!!」

クイッ、クイッ

ミヅキ「ん――?」
 ▼ 170 dX3IS9Elqo 17/12/17 21:34:48 ID:Mxr1QEjI [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

モンメン「モン!」フンスッ

「「??」」

サトシ「なあ、もしかしてコイツ――」

モンメン「……。」ジーー……!

ミヅキ「……もしかして?」

サトシ「――俺たちと一緒に行きたいんじゃないか?」

ハウ「……そうなのー?」

サトシ「ああ!俺にはわかるぜ!!

    ……だろ?モンメン!」

モンメン「……モンッ!」コクッ

ミヅキ「モンメン……!」

サトシ「……ほら!やっぱり!!」

ハウ「ええー!?サトシ……なんでわかったのー!!?」

サトシ「コイツの目を見てたらさ、なんとなく、そう思ってるんじゃないかって……そんな気がしたんだ!」

ハウ「スゲー!!」ピョン!ピョン!

ロトム「――なら、誰かがゲットするロト?」

サトシ「そんなの……決まってんじゃん!」ニカッ

ハウ「……だよねー!」
 ▼ 171 dX3IS9Elqo 17/12/17 22:00:57 ID:Mxr1QEjI [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「ミヅキ!」」

ミヅキ「……え!?私!!?」

サトシ「ああ!だって、最初にコイツを見つけたのはミヅキだし……」

ハウ「『助けよう』って言いだしたのも、ミヅキだもんねー!」

ミヅキ「け、けど!――最初にピンチを救ったのは、サトシくんとピカチュウだし……このコの気持ちだって、サトシくんの方がわかってあげられてるし……!」

サトシ「だけどさ――」

ミヅキ「……?」

サトシ「――ミヅキだって、コイツと一緒に居たいって……そう、思ってんだろ?」

ハウ「花園に帰そうって俺が言った時、ちょっと名残惜しそうだったもんねー。」

ミヅキ「それは……」

サトシ「それにコイツだって、ミヅキのこと気に入ってるみたいだぜ!……だろ?モンメン!!」

モンメン「モン〜〜♪」スリスリ

ミヅキ「モンメン……!

    ……………………。」




ミヅキ「……わかった。ありがとう!二人とも!!」ニコッ

「「 ああ!
  うんー!」」

ミヅキ「モンメン……私の仲間になってくれる?」

モンメン「……モンッ!」コクッ
 ▼ 172 dX3IS9Elqo 17/12/17 22:31:43 ID:Mxr1QEjI [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「じゃあ、行くよ……!」

ミヅキが右手で、しっかりとモンスターボールを握りしめる――

モンメン「モン……!」ゴクリ……

ミヅキ「……お願いっ!モンスターボール!!」

――そのまま、上に向けて放り投げる。ポケモンセンターの上空を、モンスターボールが舞う……!

モンメン「……モーーン!」

……そのモンスターボール目掛けて、モンメンが飛翔する。自らモンスターボールの開閉部分に触れる。

モンメン「…………!」

赤い光と共に、モンスターボールに吸い込まれるモンメン。ボールが床に落ち、コロンッ!と音を立てて、左右に数回揺れる――




――カチッ☆

ミヅキ「……やったぁ!モンメン、ゲット!!」

「「「良かったなー!ミヅキ!!
     おめでとー!
     おめでト!」」」

ミヅキ「うん!みんな……ホントにありがとう!!(ニコッ

    ……出て来て!モンメン!!」ポンッ

パカーン!

モンメン「……モンッ!」

ミヅキ「これからよろしくね!モンメン……!」ギュッ……!

モンメン「モン〜〜♪」

****
 ▼ 173 dX3IS9Elqo 17/12/17 22:45:08 ID:Mxr1QEjI [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……よーし、新しい旅の仲間も増えたし……次はいよいよ!俺たちの試練だ!!」

「「「「  サトシ、頑張れー!
    頑張ってね!サトシくん!! ニコッ
    一緒に頑張ロ!サトシ!! グッ
       ピカピーカ!」」」」フンスッ

サトシ「おう!……ハウとミヅキも、サンキューな!!

    ――行くぞ!ピカチュウ、ロトム!!」ダッ

「「了解ロト♪ ビシッ!
  ピカッ!」」コクッ

________
____
__
_

 ▼ 174 dX3IS9Elqo 17/12/17 23:16:38 ID:Mxr1QEjI [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜2番道路 茂みの洞窟前〜

サトシ「――キャプテンイリマ!」

イリマ「はい!キャプテンのイリマです!

    ……サトシさん!やはりキミが、一番に試練を受けに来ましたね!!」

サトシ「はい!よろしくお願いします!!」ペコッ

――コクッ

イリマ「僕の試練は……ここから歩いて数歩!茂みの洞窟で行います!」

サトシ「ここが、茂みの洞窟……!いよいよだぜ!!」ワクワク

イリマ「――ただ、茂みの洞窟で暮らすポケモンは、かなり手強いですよ。きちんと準備して挑んでくださいね!」

サトシ「はい!もう俺たち、準備バッチリです!!

    ……だろ?ピカチュウ!」

ピカチュウ「……ピカッ!」コクッ

イリマ「フフッ……!」




イリマ「――島巡りの試練に挑み、己の限界を超える……アローラのしきたりだそうです。」

サトシ「己の限界を超える、か。……燃えて来たぜ……!」

イリマ「……では、参りましょう!」

「「はい!
  ピカ!」」

スタスタ……

……

ロトム「ブルぶル……ついに、試練の時ロト!」

サトシ「ああ!一番乗り……そして、一番抜けだ!!

    ――行くぞ!」ダッ

タッタッタッ……

________
____
__
_
 ▼ 175 dX3IS9Elqo 17/12/17 23:42:58 ID:Mxr1QEjI [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜茂みの洞窟〜

イリマ「――改めて、茂みの洞窟にようこそ!キャプテンイリマです。」

サトシ「……はい!」

イリマ「それでは、イリマの試練について説明いたしますね!

    キミがするべきことは……」チラッ

サトシ「……?」チラッ

「!」

……ガサガサ!

サトシ「!今のは……」

ロトム「ヤングースロト!」

イリマ「巣穴で待ち構えているポケモンを、三匹倒し!

    洞窟奥の台座から、Zクリスタルを手に入れること!」

サトシ「Zクリスタル……!」キラキラ

イリマ「――そう!ポケモンと息の合ったコンビネーションが必要です!」

サトシ「わかりました!よーし、早速――」


「 く る る る る る ー ! 」ゴゴゴゴ……


「「「な、なんだ!?
    ロト!?
    ピカ!?」」」
 ▼ 176 dX3IS9Elqo 17/12/18 00:04:21 ID:SI6PJvbw [1/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

イリマ「!」

ゴゴゴゴ……

……

サトシ「……収まった。なんだったんだ……?」

イリマ「……言い忘れていたことが一つあります。」

サトシ「え?」

イリマ「強いポケモンがたむろする洞窟ですが、さらに強い――」

サトシ「さらに強い!?」ワクワク

イリマ「――主ポケモンが住み着いています。」

サトシ「……主ポケモン!?

    うおおおおお!スッゲェーーーー!!!」キラキラ

ピカチュウ「ピカ!!?」キラキラ

<ウオー!ナンダソレー!ドレダケツヨインダ!?スッゲー!!!!<ピカ!ピカピカ!?ピカチュピー!!!!

イリマ「……フフッ。」

ワイワイ!ガヤガヤ!

イリマ「…………。」

ドタバタ!

イリマ「…………コホンッ!」

「「 ……あ。
  ……ピカ。」」

……ササッ!ビシッ!!

イリマ「……試練をクリアするための、最大の障壁となるでしょうね!」

サトシ「はい!臨むところです!!」ニカッ

イリマ「島巡り、八つの試練。その内の一つ……それでは……」



イリマ「イリマの試練、始め!」
 ▼ 177 晩はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/18 00:13:01 ID:SI6PJvbw [2/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


                     
               「  試  練  開  始  」
                  し  れん かい し
 ▼ 178 dX3IS9Elqo 17/12/18 17:17:51 ID:SI6PJvbw [3/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「巣穴で待ち構える三匹のポケモンに、さらに強い主ポケモンか……!

    ……………………。」

ピカチュウ「……ピカピ?」

サトシ「――よし!出て来い、みんな!!」ポポーン

パカパカーン!

「「にゃぶ!  スタッ
  ケラー!」」バサバサ

サトシ「良いか?お前たち!これからやる試練は――」

****

サトシ「――ってワケなんだ!!」

「「にゃーぶ……
   ケラー……」」

サトシ「まず、最初に戦う三匹のポケモンってヤツなんだけど……ここはなるべく、一匹の力で突破したいんだ!」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「なんでかって?――ここの戦いでみんなでバトルしたら、お前たち……みんな、疲れちゃうだろ?

    けど、まだ試練は終わりじゃない。もっと強い主ポケモンとのバトルが残ってる!」

ピカチュウ「ピーカ……」

サトシ「だからさ、最初のバトルでは、二匹は力を温存して……そんで、万全の状態で主ポケモンとのバトルに臨みたいんだ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

サトシ「そこで、最初の三匹と誰がバトルするかなんだけど――」

ニャビー「にゃぶっ!」

サトシ「――ニャビー、やってくれるのか?」

ニャビー「にゃぶ!」コクッ

サトシ「よし!お前の意気込み……買ったぜ!頼んだぞ、ニャビー!!」

ニャビー「にゃーぶ!」フンスッ

サトシ「そして、ピカチュウ!ツツケラ!!

    ……主ポケモンとのバトル、任せたぜ?」

「「ピカピーカ!  コクッ
  ケラーーッ!」」コクッ

サトシ「よっしゃ!決まりだな!……行くぞ!!!」

****
 ▼ 179 dX3IS9Elqo 17/12/18 17:42:38 ID:SI6PJvbw [4/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――まずはここの巣穴からだ!頼んだぜ、ニャビー!!」

ニャビー「にゃぶ!」

ガサゴソ……

「 ざ こ ち ゃ ー う !! 」

ロトム「……さっきのヤングースロト!」

ヤングース「キシャーーッ!!」バッ

サトシ「行くぞ、ニャビー!"ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「うにゃーー!!」バッ

****

ヤングース「キュウ〜〜……」グルグル

サトシ「よっしゃ!まずは一匹目だ!!

    ……よく頑張ったな!ニャビー!!」

ニャビー「にゃぶ♪」

サトシ「この調子でどんどん進もうぜ!」

****
 ▼ 180 dX3IS9Elqo 17/12/18 19:04:26 ID:SI6PJvbw [5/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――それから、サトシとポケモンたちは、洞窟の奥へと進んだ。二匹目のポケモンもニャビーが倒し、三匹目のポケモンを討伐すべく、新たな巣穴を調べていた……。

サトシ「――今度はあっち!?……くっそー、中で巣穴が繋がってるのか。厄介だな……。」

ピカチュウ「ピカピーカ!」

サトシ「ピカチュウ?……そうか!

    巣穴は全部で三つ……お前たち、ポケモンが逃げられないように、見張っててくれるか?」

「「ピカッ!  コクッ
  ケラッ!」」コクッ

サトシ「頼んだぜ!万一お前たちの見張ってる巣穴からポケモンが出てきたら、なるべく体力を使わないようにやり過ごしながら、俺とニャビーを呼ぶんだ!良いな?」

「「ピカッ!  コクッ
  ケラッ!」」コクッ

サトシ「よーし!なら、早速始めようぜ!!」

****

サトシ「……お前たちー!準備は良いかーー!!?」

〜〜〜〜〜〜

ピカチュウ「……ピカピーーカッ!!」コクッ

〜〜〜〜〜〜


〜〜〜〜〜〜

ツツケラ「ケラ!ケラーーッ!!」コクッ

〜〜〜〜〜〜

サトシ「――準備できたみたいだな……最後、頼むぜニャビー!!」

ニャビー「にゃぶっ!!」コクッ

サトシ「よし!行く「ヨヨヨー!!」

    ……!?この声――!」
 ▼ 181 dX3IS9Elqo 17/12/18 20:30:31 ID:SI6PJvbw [6/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

タッタッタッ……

したっぱA「リベンジ オブ ビーチ!

      ……俺らのこと、覚えてるか?」

サトシ「ああ!お前たちみたいな嫌なヤツら……忘れるもんか!!」

したっぱB「おお!俺たちソックリなのに、凄いな!」

サトシ「いや、そういう意味じゃ……」

したっぱA「……って、どうでもいいよ!コイツの試練を邪魔するため、忍び込んで来たんだぜ!!」

したっぱB「そうでした!――それでは早速、コイツのポケモン奪いまスカ!」

サトシ「ホント、懲りないな〜、お前たち……(ハァ……

    ニャビー!予定外のバトルだけど……いけるか!?」

ニャビー「にゃぶ!」コクッ

サトシ「サンキュー、ニャビー!(ニカッ

    ……さあ!速くかかって来い!!」

したっぱA「言われなくても!行くぜ――」

                「    待ちなさい!!!    」

「「「!!?」」」

ババーン!

したっぱB「……なんなんスカ!?アンタら!!」
 ▼ 182 dX3IS9Elqo 17/12/18 20:43:31 ID:SI6PJvbw [7/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「『なんなんスカ!?アンタら!!』と言われたら」

「聞かせてあげよう、我らが名を」



「花顔柳腰・羞月閉花――

 儚きこの世に咲く一輪の悪の華、ムサシ!」



「飛竜乗雲・英姿颯爽――

 切なきこの世に一矢報いる悪の使徒、コジロウ!」



「一蓮托生・連帯責任――

 親しき仲にも小判輝く悪の星、ニャースでニャース!」



「「ロケット団、参上!」」

「……なのニャ!」
 ▼ 183 dX3IS9Elqo 17/12/18 21:22:20 ID:SI6PJvbw [8/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「「ロケット団……またお前たちか!!
    なんだぁ?変質者か?
   ロケット団……?なんスカ?」」」

ムサシ「――誰が変質者よ!そのダッッッッ――サイ!タンクトップ着てる、アンタたちにだけは言われたくないわ!!」

したっぱA「なんだと!?このタンクトップはなぁ――!」

コジロウ「……って、どうでもいいよ!ここでジャリボーイを待ち伏せて、ピカチュウをいただく作戦だろ!!?」

サトシ「(コイツらも懲りないなぁ……。)」ボソッ

ムサシ「そうだったわ……。つまりアンタたち、邪魔なのよ!」

したっぱB「ピカチュウってことは……この変なヤツら、アンタの知り合いッスカ!?」

サトシ「(またこのパターンか……) あのなぁ!こんなヤツら、し――

    (……ん?待てよ……!)」

したっぱB「……どうしたんスカ?急に黙って……。」

サトシ「……………………。」

「「「「「「        ……にゃぶ?
      ちょっと、ジャリボーイ!なに急にダンマリしてんのよ!!
        どうした、ジャリボーイ?腹でも降したか?
       急に考え事なんて、ジャリボーイらしくないのニャ。
          おい!いつもの威勢はどうした?
           ちょっと!聞いてまスカ?」」」」」」

サトシ「へへっ……!」ニヤリ

ムサシ「な、なによ……気味が悪いわね……!」
 ▼ 184 dX3IS9Elqo 17/12/18 21:43:55 ID:SI6PJvbw [9/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――そうだぜ!コイツら……俺の知り合いなんだ!!」

「「「……は?」」」

したっぱB「……やっぱり、そうなんスカ!」

サトシ「ああ!そんでさ、俺のことを――」

したっぱA「俺のことを……なんだよ?」

ニャース「なんだか、嫌ーな予感がするのニャ〜……。」ヒゲビリビリ

「「あたしもー……
  右に同じく……」」








サトシ「――助けに来てくれたんだぜ!!」

「「「……はあぁぁぁぁ!!!!???」」」

したっぱA「くそっ、ここでなら邪魔が入らないと思ったのに……コイツの仲間か!」
 ▼ 185 dX3IS9Elqo 17/12/18 22:09:14 ID:SI6PJvbw [10/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ムサシ「ちょっと、ジャリボーイ!あんた……なに言ってくれたりなんかしちゃってくれてるのよ!!!??」

コジロウ「そうだぞ、ジャリボーイ!俺たちはて「そういうことだから!」

「「「!!!」」」

サトシ「――ニャビー!地面に向かって"火の粉"!!」

ニャビー「……にゃぁぶっ!!」ボウッ!

ドカーン!!

コジロウ「……うお!!?」

ムサシ「ちょ、ちょっと……いきなりなにすんのよ!!」ゴホッ!ゴホッ!

ニャース「砂煙で……なにも見えないのニャ〜……!」ゴホッ!ゴホッ!

サトシ「……後は任せたぜ!ロケット団の諸君!!」ハッハッハー

ニャビー「にゃぶ〜♪」

スタコラサッサー



サアァァァ……

ムサシ「……もぉ〜〜、頭にきた!ジャリ――いない!!?」

ニャース「あそこなのニャ!」ビシッ!

〜〜〜〜〜〜

サトシ「ハッハッハー!」ピューー!

〜〜〜〜〜〜

コジロウ「……追いかけるぞ!」ダッ

――ババッ

ムサシ「ちょっと、アンタら……なんのつもりよ!」

したっぱB「行かせないッスカら!」

したっぱA「そうだぜ!アイツの仲間なら……俺たちの敵だ!!」
 ▼ 186 dX3IS9Elqo 17/12/18 22:50:49 ID:SI6PJvbw [11/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ムサシ「 だ か ら !

    ……あたしたちは、仲間なんかじゃ――」

したっぱB「騙そうったって、そうはいかないッスカら!」

したっぱA「そうだぜ!アイツが逃げて、お前らが残ったのがなによりの証拠!!」

コジロウ「それはだな!ジャリボーイが、勝手に――」

「「……そして!!」」

ニャース「……なんニャ?」

「「そのジャリボーイって呼び方!俺の目はごまかせないぜ!!
   仲良さそうに、あだ名で呼んでるじゃないでスカ!」」

ム/コ/ニャ「「「……………………。」」」

シタッパズ「「…………!」」ドヤッ








「「「(しまったあぁぁぁぁぁ!!!!)」」」

ムサシ「(……まさかあたしらの呼び方が、あだ名に間違われるなんて……!)」

ニャース「(予想外の事態なのニャ……!)」

コジロウ「……こうなったら、腹を据えるぞ。」

「「……コジロウ?」」

コジロウ「(アイツら……見たところ、所詮はただの地元のチンピラだ。さっさと力の違いを見せて、ジャリボーイを追うぞ!)」ヒソヒソ

ムサシ「(なんか、ジャリボーイの思惑通りになってるみたいで、気にくわないけど……仕方ないわね。)」ヒソヒソ

ニャース「(ジャリボーイは試練の真っ最中……洞窟から出るまで、まだ時間があるハズなのニャ!急いで倒せば、きっと間に合うハズニャ!!)」ヒソヒソ

したっぱA「……おい。なにヒソヒソ話してやがる?」

――クルッ

「「「……………………。」」」ニター……!

したっぱB「な、なんスカ……!?」

ムサシ「――良いわ!やってやろうじゃないのよ!!」

****
 ▼ 187 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/18 23:19:59 ID:SI6PJvbw [12/12] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「へへっ!スカル団の連中が現れた時は、焦ったけど……ロケット団のおかげで助かったぜ!!」テクテク……

ニャビー「にゃーぶ!」チョコチョコ……

サトシ「アイツらも、たまには役に立つんだなー。

    ……よーし、ニャビー!スカル団とロケット団がバトルしてる隙に、急いで三匹目のポケモンを倒して……ピカチュウたちと合流だ!!」テクテク……

ニャビー「チョコチョコ……) にゃぶっ!」コクッ

――ピタッ

サトシ「……この巣穴だ!」

ガサゴソ……

「 で ー れ ー ん ! 」

サトシ「ヤングース……じゃない!?コイツは……?」

ロトム「デカグース――張り込みポケモン。ノーマルタイプ。ヤングースの進化系。

    獲物の痕跡を見つけると、粘り強くその場に張り込むが、日暮れにはうつらうつらしている。」

サトシ「サンキュー、ロトム!……ヤングースの進化ポケモンか!!」

デカグース「ガアァァッ!!!」バッ

サトシ「ニャビー!行くぞ――!!」

****

「――おみごと!三匹のポケモンたちに、強さを示しましたね!

 それでは、奥にお進みください。」

サトシ「いよいよだ……!頼んだぜ、ピカチュウ!ツツケラ!!」

「「ピカピカッ!!  フンスッ
  ケラーーッ!!」」バサバサ

サトシ「――行くぞっ!!」

________
____
__
_
 ▼ 188 dX3IS9Elqo 17/12/19 19:05:36 ID:LDNQuf3M [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

一方その頃――

「 ロケット団 vs スカル団 」

ムサシ「……行きなさい!ミミッキュ!!」ポーン

パカーン!

ミミッキュ「ミミ、キュ。」ゴオォォォ……

したっぱB「なんスカ!?そのポケモン……。」

したっぱA「不気味なヤツだぜ……!」

ムサシ「このコはねぇ、ミミッキュ!ウロウロ島?にしかいないポケモンで、とーーっても強いんだから!!」

したっぱA「……ウラウラ島だよ!」

ムサシ「そう!そのなんとか島よ!!

    と も か く !……このコにかかれば、アンタらなんか瞬殺よ!!」

したっぱB「マ、マジっスカ……!」ビクビク

したっぱA「落ち着け相棒!あんなの、ただの虚仮威しだ!!」

ミミッキュ「ミミッ……」ゴオォォォ……

したっぱA「ヒッ……!」ビクッ

――カチッ

「「くそ……行け!スリープ!! ポーン
  頼むッスカ!ズバット!!」」ポーン

パカーン!

「「スリーーッ!! スタッ
  キィィィ!!」」バサバサ

ムサシ「――さあ!行くわよ、ミミッキュ!"ウッドハンマー"!!」

ミミッキュ「ミミッ!」

「「……!」」ビクッ
 ▼ 189 dX3IS9Elqo 17/12/19 19:31:14 ID:LDNQuf3M [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミミッキュ「ミミーーッ!!!!」ゴオォォォ!

「「ひいぃぃぃぃ!!?」」








シーン……

「「……………………?」」

ムサシ「…………あれ?」

ミミッキュ「……キュ。」プイッ

ムサシ「ちょっと、ミミッキュ!?なんで戦わないのよっ!!」

ミミッキュ「ミミッ。」

コジロウ「おい、ニャース!……なんて言ってるんだ!?」

ニャース「『相手がピカチュウじゃないと、バトルしたくない』――と言っているんだニャ。」

ムサシ「はあぁぁ!?

    ……ちょっと、あんた!今さらなに言ってんのよ!!?」

コジロウ「そうだぞ!自分から『仲間になりたい』って言いだしたんじゃないか!!」

ミミッキュ「ミミッ、キュ!」

ニャース「どうやら、ミミッキュがニャーたちの仲間になったのは、ピカチュウが憎いかららしいのニャ。だから、ピカチュウ以外の相手とのバトルに、力を貸すつもりはないらしいニャ。」

ムサシ「 な に よ そ れ !!!?? 」

ミミッキュ「……。」ツーン

ムサシ「……はぁ〜〜……仕方ないわね……!」ポヒュン

したっぱA「なんか……お前らも大変だな……。」

ムサシ「ご心配どーーもっ!!(イーーッ!

    ――行け!ソーナンス!!」ポーン

パカーン!

ソーナンス「ソーーーーナンスッ!!!」スタッ
 ▼ 190 dX3IS9Elqo 17/12/19 20:05:41 ID:LDNQuf3M [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ムサシ「さあ!どっからでもかかって来んさーーい!!」

ソーナンス「ソーナンス!」

したっぱA「(チャンスだ、相棒!あの不気味なポケモンがいなければ、俺たちにも勝機はある……!あの青いヤツは任せたぞ!!)」ヒソヒソ

したっぱB「(わかったッスカら!)」ヒソヒソ

したっぱA「(……俺と二人で話す時は、スカつけなくてもよくない?)」ヒソヒソ

したっぱB「(確かに!)」ヒソヒソ

コジロウ「……おーい!来ないなら、こっちから行くぞー?」

ニャース「準備万端なのニャ!」キラーン!

したっぱB「――お待たせしたッスカら!……ズバット、"エアカッター"!!」

ズバット「キィィィ!」バッ

シュババババ!

ムサシ「ソーナンス!"カウンター"!!」

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

キンッ!

したっぱB「"カウン……ええええ!?ズバット、かわすッスカ!!」

ズバット「……キィッ!」ヒョイ

ムサシ「あら、ざんね〜ん!決まったと思ったんだけど!!」

したっぱ「今のが"カウンター"って……どう見ても、"ミラーコ「なんだっていいでしょ!そんなの!!」

      …………!」

ムサシ「――いいから、かかって来なさいよ!!」
 ▼ 191 dX3IS9Elqo 17/12/19 20:23:02 ID:LDNQuf3M [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「もう一度、"エアカッター"ッスカ!」

                        「ソーナンス!"カウンター(ミラーコート)"!!」

「ソーーナンスッ!!」

                  キ ン ッ !!

「なら、"ベノムショック"ッスカ!」

                        「なら……"カウンター(ミラーコート)"よ!」

「ソーーナンスッ!!」

                  キ ン ッ !!

「くっ……さらに"エアカッター"!」

                        「ここは……"カウンター(ミラーコート)"!」

「ソーーナンスッ!!」

                  キ ン ッ !!

「続けて"ベノムショック"!」

                        「"カウンター(ミラーコート)"!!」

「ソーーナンスッ!!」

                  キ ン ッ !!

「ぐっ……!またまた"エアカッター"!!」

                        「"カウン……ふあぁぁ〜〜……。あ、ゴメーン!」

「ソーーナンスッ!!」

                  キ ン ッ !!

「"超音波"ならどうでスカ!?」

                        「"カウンター"!!!」

「ソーーナンスッ!!」

                   ヒ ョ イ

「……今のは普通に避けたじゃないッスカ!!」

                        「うるさいわね!だから、なんでもいいでしょ!!」

「ソーーナンスッ!!」
 ▼ 192 dX3IS9Elqo 17/12/19 20:43:14 ID:LDNQuf3M [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_

したっぱA「――スリープ!"念力"だ!!」

スリープ「……スリッ!!」ギラッ!

ニャース「ニャニャッ!?」ビクッ

――フワリ

コジロウ「あ!おい、ニャース!……なにいきなり浮かんでるんだよ!!?」

ニャース「好きで浮かんでるワケじゃ――」

ブオンッ!

ニャース「――ニャアァァァァァ!!?」ヒューン……

コジロウ「今度は飛んで……ニャース!!」

……ドサッ!

ニャース「……痛いのニャ〜〜……。」

コジロウ「ニャースー!大丈夫かーー!!?」

ニャース「な、なんとかニャー……(ヨロヨロ

     ……アイツの目を見たら、急に身体が浮かび上がったのニャー……!」

コジロウ「ふむ……どうやら、目を見ていると"念力"をかけられてしまうようだな……!」
 ▼ 193 dX3IS9Elqo 17/12/19 21:03:05 ID:LDNQuf3M [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ニャース「なら――目を瞑ってバトルすればバッチリなのニャ!」パチッ

したっぱA「……お前、馬鹿か!?目を瞑って、どうやってバトルするんだよ!!」

ニャース「コジローウ!頼んだのニャー!!」

コジロウ「……おーう!任せとけー!!」

したっぱA「はあ……?」



したっぱA「……とにかく!行くぞ、スリープ!――"催眠術"!!」

スリープ「スリィプ……!」バッ

ミョワワワワ……!

コジロウ「……ニャースー!右に跳んでかわせー!!」

ニャース「……ほいっとニャッ!」ヒョイ

したっぱA「な……!?」

コジロウ「……さあ、どうする?これで、"念力"は効かないし――」

ニャース「――回避もバッチリなのニャ!」

したっぱA「…………っ!

      ……今のはマグレだ!目を瞑った状態で、そんなに上手く避けられるハズがねぇ!!」

ニャース「なら、試してみるのニャ!」

したっぱA「ちっ……!――行くぞ!!」
 ▼ 194 dX3IS9Elqo 17/12/19 21:31:28 ID:LDNQuf3M [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「スリープ!"催眠術"!!」

                        「ニャースー!右に跳んでかわせー!!」

「ほいっとニャッ!」

                   ヒ ョ イ

「くそっ……もう一度だ!」

                        「今度は左だぞーー!」

「ほいっとニャッ!」

                   ヒ ョ イ

「三度目の正直だ!"催眠術"!!」

                        「今度は左……いや、やっぱり右だ!」

「ほいっとニャッ!」

                   ヒ ョ イ

「……仏の顔も三度まで!今度こそ!!」

                        「左!ぶっちゃけ――」

「ほいっとニャッ!」

                   ヒ ョ イ

「もう……なんでもいいから"催眠術"!」

                        「――正面から来るんだから、どっちでも避けられる!」

「……知ってるニャ。」

                   ヒ ョ イ

「畜生……今さらだが、喋るポケモンは反則だろ!?」

                        「……本当に今さらだな……。」

「なのニャー……。」
 ▼ 195 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/19 22:04:41 ID:LDNQuf3M [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ゼェ、ゼェ……!

「「         ポケモンは喋るし……なんなんだよ!?お前ら!!
  "カウンター"、"カウンター"って、一度も使ってない……なんなんスカ!?アンタら!!」」

「「「我ら……天下無敵の、ロケット団!ナーーッ、ハッハッハ!!!」」」

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

「「くそっ……その男から、見えなきゃ良いんだろ!?接近戦だ、スリープ!――"はたく"攻撃!!
     "ミラーコート"しか使って来ないなら……ズバット!"吸血"ッスカ!!」」

「「……今よ、ソーナンス!"カウンター"!!
   ……ニャース!チャンスだぞ!!」」

「「!?」」

「「かかったのニャッ!! クワッ!
  ソーーナンスッ!!」」

「「な……!目を開けた!?くそっ、"念――
   "カウンター"……どうせまた――」」

ニャース「……遅いのニャッ!――"乱れひっかき"!!」バッ

            ズババババ!            キンッ!

「「   ガッ……!
  ……ギ、ィ"ィ"……!」」

「「スリープ!?
  ズバット!!」」

            ……バタッ            ……バタッ

――グルグル

「「俺、こんなに弱くてスカル団で良いのかよ!? ガックシ
  今度はホントの"カウンター"ッスカ……!」」 ガックシ

ムサシ「――アンタたちみたいな小物が、あたしらロケット団に逆らおうなんて……百万光年早いのよっ!!!」
 ▼ 196 リゴンZ@ガブリアスナイト 17/12/19 22:12:25 ID:xClsfUH2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 197 dX3IS9Elqo 17/12/21 11:51:34 ID:NkbKIJBQ [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コジロウ「……しまった!光年は時間じゃない、距離だ!!」

ニャース「……なーんてニャ!」

したっぱA「なんだ、この結果?!」

したっぱB「マジっスカ!なんなんスカ?強すぎじゃないでスカ!?」

コジロウ「さーて、俺たちとの格の違いがわかったのなら……ここを通してもらおうか。」

ムサシ「あたしたちはねぇ!アンタたちみたいな小物と違って、暇じゃないのよ!!」

したっぱA「ちっ……!仲間のところにでもどこにでも、好きに行くが良いさ!!」

ムサシ「 だ か ら !

    ……あたしたちは仲間なんかじゃないって、何度も言ってるでしょ!?」

したっぱB「勝ったのに、この期に及んで、まだ嘘を――?

      まさか!……ホントに仲間じゃないんでスカ……!?」

コジロウ「……そもそも仲間なら、『ピカチュウをいただく』――なーんて、言うハズがないだろう……。」ハァ……

「「なのニャー……。
  ソーナンス……。」」

したっぱB「マジっスカ……。なら俺たち、いったいなんのためにバトルを……。」

ムサシ「……それはこっちのセリフよ!散々邪魔してくれちゃって!!」
 ▼ 198 dX3IS9Elqo 17/12/21 12:15:29 ID:NkbKIJBQ [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

したっぱA「……さてと!

      相棒!――俺たちは、この辺で失礼するとするか!!」

したっぱB「そうっすn……そうしまスカ!」

スタコラサッサー

……

ニャース「……逃げたのニャ。」

コジロウ「ま、邪魔者が消えてくれただけ、よしとしようぜ。」

ムサシ「はあ〜……!ホント、時間のムダだったわ……。」

ソーナンス「ソーナンス……。」


「 く る る る る る ー ! 」ゴゴゴゴ……


ニャース「……なんニャ!?」

……

ーサッサラコタス

したっぱB「あのですよ……?」
 ▼ 199 dX3IS9Elqo 17/12/21 14:41:38 ID:NkbKIJBQ [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ムサシ「ちょっと、アンタたち!?なに戻って来たりなんかしちゃってんのよ!!」

コジロウ「そうだぞ!逃げるならキチンと、最後まで逃げろ!!」

したっぱA「そんな場合じゃねーよ!ヤベーよ!」

したっぱB「なんてゆーか、試練の場所、ヤバくないでスカ!?」

「「「???」」」

ニャース「……さっきの地鳴りのことかニャ?」

したっぱB「そう!それッス!!

      ――奥にヤバいのいるから、お前らも逃げた方がよくないでスカ?」

ムサシ「ヤバいの?……なによそれ!」

コジロウ「ふむ……それはおそらく、主ポケモンってヤツだな!!」

ニャース「……知っているのかニャ?コジロウ!!」

ソーナンス「ソーナンス?」

ガサゴソ……

コジロウ「――ほら、この本!ここのページを見てくれ!!」

「「「「どれどれ……?」」」」
 ▼ 200 dX3IS9Elqo 17/12/21 15:09:08 ID:NkbKIJBQ [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


          『今日から始める、アローラの試練! ――入門編』


ニャース「ぷぷっ!……コジロウ……こんな本買っていたのニャ……!」プルプル……

ムサシ「『今日から始める』……ブフォッ!……あんた……試練、受けたいの……?」プルプル……

ソーナンス「……ソーナンス?」

コジロウ「う、うるさいぞ!ジャリボーイたちが試練を受けると思ったから、作戦を立てるのに必要だと思っただけだ!!

     ……決して、俺個人が試練に興味があったワケではないっ!!」

「「……ふーん。」」ニヤニヤ

コジロウ「そこ!ニヤニヤしない!!」

したっぱB「――で、どこを見れば良いんでスカ?」

コジロウ「……そうだった!ここのページだ!!」

****

ムサシ「……なるほどねぇ。普通のポケモンよりデッカくて強い、主ポケモン――と。」

ニャース「……というか、おミャーらは地元の人間なのに、なんで知らないのニャ?」

したっぱA「俺たちも、昔試練を受けたんだが――」

したっぱB「――そんなに奥にたどり着く前に、挫折したッスカら!」エッヘン!

ニャース「……威張るニャ。」
 ▼ 201 dX3IS9Elqo 17/12/21 21:21:26 ID:NkbKIJBQ [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

したっぱB「と、ともかく!……そんなヤバいのと関わり合いにならないで、逃げた方が賢明っスカら!!」

ムサシ「なーに言ってんの!」

ニャース「さっきも言ったのニャ。」

コジロウ「我ら……」

            「「「天下無敵の、ロケット団!!!」」」
                   ババーン!!

ソーナンス「ソーーナンスッ!!」

ムサシ「ジャリボーイが主ポケモンと戦ってる隙を突いて……」

コジロウ「主ポケモンとピカチュウを……」

ニャース「一網打尽にすれば……!」

「「「いいかんじ〜〜〜〜!!!!」」」

ソーナンス「ソーーナンスッ!!」

したっぱA「うわ、卑怯……!」

ムサシ「そりゃどーも!……卑怯はあたしたちにとっては、誉め言葉よ!!」

コジロウ「……そういうワケだ。お前たちは、尻尾を巻いておウチに帰りな。」

ニャース「ニャーたちは奥に進むのニャ。」

したっぱB「ど、どうなっても知らないッスカらね!?」

したっぱA「……骨も拾ってやらないからな!あばよっ!!」

スタコラサッサー

……

ニャース「……今度こそ、行ったのニャ。」

ムサシ「それじゃあ、主ポケモンとピカチュウを一網打尽作戦……」

「「「開始(なのニャ)!!!」」」

ソーナンス「ソーーナンスッ!!」

コジロウ「……アイツらとのバトルに、思いの外時間がかかったからな……。急ごう!」

________
____
__
_
 ▼ 202 dX3IS9Elqo 17/12/21 21:57:56 ID:NkbKIJBQ [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜少し前 茂みの洞窟 主の間〜

サトシ「ここが、主ポケモンのいる場所か……。」

ピカチュウ「ピカピーカ……。」

サトシとピカチュウが、周囲を見回す……。

――洞窟の奥は外と繋がっており、4、5mほどの高さの崖に囲まれた空間が広がっていた。右側には崖の上へと繋がる坂道が見えるが、手前を岩で塞がれており、登ることはできず……奥の岩壁の前には、なにやら台座のような物が見える。

サトシ「……あ!見ろ、ピカチュウ!!」ビシッ!

ピカチュウ「ピカピカ!?」

サトシ「奥の台座……あれは!」ダッ

タッタッタッ……

サトシ「――やっぱり、Zクリスタルだ!!」

ピカチュウ「チャア〜♪」

サトシ「よ〜し、早速――

    ……………………!?」

ピカチュウ「……ピカピ?」

ロトム「どうしたロト?サトシ……。Zクリスタル、取らないロか?」

サトシ「(全身に突き刺さるような……誰かの視線を感じる!!)

    ……構えろ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!?

      ……ピーカァ……!」パリッ!パリッ!


                「 ぬ し ゃ あ っ ! 」


「「「!!!」」」
 ▼ 203 dX3IS9Elqo 17/12/21 23:33:34 ID:NkbKIJBQ [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……!ピカチュウ、上だ!!」

ピカチュウ「ピカ――」

ピカチュウが、天を仰ぐ――

「……デカッ!!!」

ピカチュウ「!?ピカ……!」

――崖の上から、ポケモンが飛び上がる。そのポケモンの姿と、太陽が重なり……逆光で目が眩んだピカチュウが、手で顔を覆う。

サトシ「――下がれピカチュウ!」

ピカチュウ「!……ピッカ!」

サトシからの指示を受け、ピカチュウが咄嗟に、後ろに飛び退く。直後……ピカチュウの元いた場所に、ポケモンが着地する。

「グウゥゥゥ……!」

サトシ「コイツは……!」

ロトム「デカグース、だけロ……」

サトシ「……デカい!

    ――さっき洞窟の中で見たヤツの、倍くらいあるぞ!!?」

デカグース「……グオォォォォ!!!」

「「「!!?」」」

デカグースの全身から、橙色のオーラが迸る……!

サトシ「――ロトム!……あれは……?」

ロトム「検索中、検索中――

    ……データなし!正体不明の現象ロト〜〜!!」

デカグース「グース……!」クイッ、クイッ

サトシ「……かかって来いってことか……!よし――」

サトシが左手で帽子のつばを掴み、180度回転させる……!

サトシ「ピカチュウ!」

               「    キミに決めた!!!    」

ピカチュウ「――ピカピカッ!!」パリッ!パリッ!
 ▼ 204 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/21 23:36:40 ID:NkbKIJBQ [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


                   「 ぬしの デカグースが
                     勝負を しかけてきた! 」

 ▼ 205 dX3IS9Elqo 17/12/22 21:34:58 ID:B8Sp8izI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……行くぞ、ピカチュウ!"エレキボール"!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ――ピカピカピカ!!」

ピカチュウが、後方に高く飛び上がる。尾の先端に電気を球状に凝縮し、くるくる回る――

ピカチュウ「チュ、ピッ!!!」

――そのまま勢いをつけ、デカグースに向けて電気を飛ばす。

デカグース「……デカーーッ!!」

「「「!!?」」」

対するデカグースは咆哮を上げ……自身に向かって飛ぶ電撃に対して右手を突き出し、受け止める。

サトシ「……"エレキボール"を片手で止めた!?」

ピカチュウ「ピカピカ!?」

デカグース「……デカッ!」

サトシ「!来るぞ、ピカチュウ!!」

デカグースがピカチュウに向け、走り出す。

「「ピカ――
  デカ――」」

……向かい合う二匹。直後、デカグースの右腕が、ピカチュウに向けて降り下ろされる――

サトシ「――"アイアンテール"!!」

ピカチュウ「……ピカッ!!」

――硬質化したピカチュウの尾が、白い光を帯びる。自身に対して降り下ろされるデカグースの腕……それに対し、下から掬い上げるようにピカチュウが尾を降り上げる。

二匹の放った攻撃がぶつかり合い、反発する。お互いに後方へ飛び退き、再び距離が開く……。

サトシ「ただのパンチなのに、"アイアンテール"と互角の威力か……。スッゲェ!さすが主ポケモン!!

    ……よーし、こっからもっと、もっと、アゲて行こうぜ!ピカチュウ!!!」

ピカチュウ「――ピカピーカッ!」コクッ

デカグース「……グウゥゥゥゥ――!」

「「 ……なんだ!?
  ……ピカピカ!?」」
 ▼ 206 dX3IS9Elqo 17/12/22 22:04:06 ID:B8Sp8izI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「……ヤングーッ!」スタッ

サトシ「あれは……ヤングース!?」

ロトム「……主ポケモンの仲間と推測されるロト〜〜!」

サトシ「くそっ……なら――!」

――カチッ!

サトシ「――頼んだぜ!ツツケラ、キミに決めた!!」ポーン

パカーン!

ツツケラ「……ケラーーッ!!」バサバサ

「「「「  ピィカァ……!      パリッ!パリッ!
      ケラッ……!
    デカ、グウゥゥゥ……!    ゴオォォォ……!
      ヤン、グー……! 」」」」

ロトム「2vs2――これは……ダブルバトルロト!?」

サトシ「……行くぞっ!!!」

「「……。」」コクッ

デカグース「……ぬしゃあぁぁぁ!!!」

サトシ「――ピカチュウ、"エレキボール"!! ツツケラ、"種マシンガン"!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ――ピカピカピカ!チュ、ピッ!!」

ツツケラ「ケラ、ケラーーッ!!」

ピカチュウとツツケラが、それぞれ球状の電気と植物の種を、デカグースたちに向けて飛ばす――

デカグース「デカ、グゥゥゥスッ!!」

サトシ「……なに?!」

――対するデカグースは、拳を地面目掛け、思いっ切り降り下ろす。
 ▼ 207 dX3IS9Elqo 17/12/22 22:35:00 ID:B8Sp8izI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「ピカ……!
  ケラ……!」」

……デカグースの拳が大地を砕く。巻き上がった大量の砂塵と石片が、"エレキボール"と"種マシンガン"の進行を阻み……周囲を舞う砂塵が、ピカチュウたちの視界を奪う……!

ヤングース「……グゥ!」

その隙を突き、ヤングースが駆け出す――

ツツケラ「……ケラッ!?」

ヤングース「キシャアァァ!!」

――そのまま、ツツケラに飛びかかる。ヤングースの鋭い牙が、ツツケラを捉える……。

ツツケラ「ガッ……!」

サトシ「――ツツケラ!!」

ピカチュウ「ピカ!?」

ピカチュウが、ツツケラの方へと振り返る――

「……グゥゥゥ……!」

サトシ「……!ピカチュウ、後ろだ!!」

ピカチュウ「ピカ――」

――サトシの声を受け、咄嗟に振り返ろうとするピカチュウの横っ面を、衝撃が襲う。デカグースからの"体当たり"を受け、ピカチュウが大きく吹き飛ばされる。

ピカチュウ「ピカァッ!!?」

サトシ「――ピカチュウ!!」

二匹のポケモンが地に伏す……。

「「……ピカ……
  ……ケラ……」」

サトシ「ピカチュウ!ツツケラ!!

    ……くっそー……つえぇー……!」

「「ぬしゃあぁぁ……!
  キシャアァァ……!」」
 ▼ 208 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/22 23:31:45 ID:B8Sp8izI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「お前たち!まだ行けるか!?」

「「……ピッカ!  コクッ
  ……ケラー!」」コクッ

サトシ「よし……まずはヤングースを倒すぞ!

    ――ピカチュウ!もう一度"エレキボール"だ!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ――ピカピカピカ!チュ、ピッ!!」

ピカチュウが再び飛び上がり、球状の電気を飛ばす――

デカグース「デカ、グゥゥゥスッ!」

――対するデカグースも、先ほどと同じく……拳を地面に降り下ろす。

再び砂塵と石片が舞い、周囲を覆う……!

サトシ「同じ手は喰わないぜ!……ツツケラ!!」

ツツケラ「ケラッ!」コクッ

サトシ「――"超音波"でヤングースの位置を探るんだ!」

ツツケラ「……ケラアァァァァ!!」

ツツケラが口から音波を放つ。周囲に音波が反響する――


                        キイィィィィィン!!


デカグース「……!?」


                        キイィィィィィン!!


サトシ「(……どこだ……?)」キョロキョロ


「ヤンッ……!」


――砂塵の中に、ヤングースの影が浮かび上がる……!

サトシ「(……見つけた!!)

    ――ピカチュウ!あそこだ!!」ビシッ!

ピカチュウ「――ピカッ!」

……サトシの指し示した方に向けて、ピカチュウが走り出す――
 ▼ 209 ニプッチ@グラスメモリ 17/12/23 12:26:46 ID:0O5s0ZQU NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
想像以上に面白い
 ▼ 210 dX3IS9Elqo 17/12/23 21:30:01 ID:GAkHlomE [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

デカグース「……デカッ!」

――ピカチュウの行動を阻止すべく、デカグースも同様に走り出す。

サトシ「邪魔をさせるな!

    ――ツツケラ!"つつく"だ!!」

ツツケラ「……ケラァーーッ!!」

……そのデカグースに向け、嘴を前方に突き出したツツケラが、高速で飛翔する。

デカグース「……ゥグッ……!」

横からの強い衝撃を受け、デカグースが怯み……そして動きを止める。

ピカチュウ「ピカ――」

ピカチュウがヤングース目掛け、飛びかかる――

サトシ「……そこだ!"アイアンテール"!!!」

ヤングース「……ヤン――!?」

ピカチュウ「……ピッカァ!!!」

――ピカチュウの硬質化した尾の一撃が、ヤングースの脳天に炸裂する。ヤングースの身体が激しく地面に打ち付けられ、弾き飛ばされる。

ヤングース「……キュウゥゥ〜……」グルグル

サトシ「……よっしゃあ!!やっ――たぜ!!!!」

「「ピカピカ♪
   ケラ♪ 」」

サトシ「後はデカグースを――」

デカグース「グ……」

「「「…………?」」」


              「   グ ウ オ ォ ォ ォ ォ ォ !!!!   」


「「「……い"っ!!?
    ピカッ……!    キッ!
    ケ、ケラ…… 」」」ビクッ
 ▼ 211 dX3IS9Elqo 17/12/23 22:05:38 ID:GAkHlomE [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

デカグース「……ぬしゃああああ!!!!」

ロトム「あれは……"怒りの前歯"ロト!」

ツツケラ「ケラ――」

デカグースが大口を開け、ツツケラに向け飛びかかる――

サトシ「ツツケラ、避け――」

デカグース「……ガウッ!!!」

サトシの指示が、ツツケラへと届く――その前。……デカグースの鋭い牙が、ツツケラを捉える。

ツツケラ「……グッ……!」

「「……ツツケラ!
  ……ピピピカ!」」

デカグース「ガウッ!……ウガアァァァ!!」

……そのまま荒々しく噛み砕き、右の拳で殴り飛ばす。ツツケラの身体が、岩肌へと叩きつけられる……。

ツツケラ「……ケ……」ズルッ……

……ドサッ

ツツケラ「……ケラ〜……」グルグル

サトシ「ツツケラ……」

ピカチュウ「ピカ……」

サトシ「くっ……ゆっくり休んでてくれ……!」ポヒュン

デカグース「デカァァ……!」ゴオォォォ……

サトシ「やっぱり、そう簡単には行かないか……!」

ピカチュウ「ピィカァ……!」パリッ!パリッ!
 ▼ 212 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/23 23:16:40 ID:GAkHlomE [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――"電光石火"だ!!」

ピカチュウ「ピカッ――!」

デカグース「……!」

ピカチュウが瞬時に姿を消す。デカグースに向けて、高速で駆け抜ける――

ピカチュウ「――ピッカ!!」

デカグース「……デカッ!」

――ピカチュウの頭突きがデカグースを襲う。対するデカグースは身体の全面を腕で覆い、防御の構えをとる。

ぶつかり合う二匹。デカグースはその場で力強く踏ん張り、ピカチュウは反動で真上に飛び上がる。

サトシ「防がれたか……なら!続けて"アイアンテール"!!」

ピカチュウ「ピカッ……!」

……ピカチュウの尾が硬質化し、光を帯びる――

デカグース「デカ……!」

――対するデカグースは、右腕に力を込める。

サトシ「……行っけぇぇ!!」

「「 ……ピッカァ!!!
  ……グゥゥゥースッ!!!」」


                    ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!


……落下の勢いを乗せたピカチュウの尾と、目一杯力を込め振り上げられた、デカグースの拳……再びぶつかり合う二匹。

ピカチュウ「ピッ……!!」

反動で大きく後ろに飛ばされるピカチュウ。後方へと宙返りし、体勢を立て直して着地する。

デカグース「グゥゥ……!!」

対するデカグースも砂煙をあげながら、大きく後退る……。

サトシ「今の攻撃も防ぐのかよ!?なら……

    これでどうだ!!?」

              「   "10 万 ボ ル ト" !!!   」

ピカチュウ「ピカッ!……チュゥゥゥゥウ!!!!」
 ▼ 213 dX3IS9Elqo 17/12/24 19:36:52 ID:GC5hjcW2 [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウの全身から放出された凄まじい電撃が、デカグースを襲う……!

デカグース「グ……ゥ"、ゥ"……ッ!!」

ピカチュウ「ピィカァァァァッ!!!」

サトシ「効いてる……!良いぞ、ピカチュウ!!そのまま――」

デカグース「……ウガアァァァッ!!!」

「「!?」」

デカグースが咆哮と共に、自身を貫く電撃を振り払う――

サトシ「くそっ……"10万ボルト"でもダメなのか!!?」

デカグース「……ガアァァ!!」

ピカチュウ「ピカ――!?」

――直後、足下に落ちていた、先ほど自身が砕いた石片……それを拾い上げ、ピカチュウ目掛けて投げつける。

ピカチュウ「……ビッ……!」

サトシ「――ピカチュウ!」

……ピカチュウに石片が直撃する。その身体が、大きくよろめく……。

デカグース「……デカァッ!!」

その様子を見たデカグースが、すぐさま駆け出す――

ピカチュウ「ピ……カ……!」フラフラ

デカグース「グゥゥゥゥスッ!!!」

サトシ「(あれはさっきの……"怒りの前歯"!) ……ピカチュ――」

デカグース「……ガァブッ!!!」

ピカチュウ「ビ……ガッ……!」

――デカグースの鋭い牙が、ピカチュウを捉え……そのまま荒々しく噛み砕く。ピカチュウの身体が吹き飛ばされ、地面に転がる……。

ピカチュウ「……ピッ……」

ロトム「……ピカチュウの体力、危険域ロト……。」

サトシ「くっ……!」
 ▼ 214 dX3IS9Elqo 17/12/24 20:00:41 ID:GC5hjcW2 [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「……。」

ロトム「ロト……」

デカグース「……。」ギロッ

サトシ「……まだだ……!まだ俺たちは……負けちゃいない!!」


                「   立ち上がれ!!ピカチュウ!!!!   」


「「…………!」」

ピカチュウ「……!」ピクッ

ロトム「……ロト!?」

デカグース「……!」
















ピカチュウ「……………………ピカッ!」ガバッ!

「「  ピカチュウ……!!!  パアァ……!
  ふ、復活したロト〜〜!!」」イエーイ

デカグース「……!」



デカグース「……………………デカッ……!」ニヤリ
 ▼ 215 dX3IS9Elqo 17/12/24 20:39:25 ID:GC5hjcW2 [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「ピィカァ……!  パリッ!パリッ!
  グゥゥス……!」」ゴオォォォ……!

サトシ「(――なんとか立ち上がってくれたけど、もうピカチュウのダメージも限界。これ以上攻撃は受けられない……。

     もしもピカチュウが倒されちまったら、俺の残りのポケモンはニャビーだけ……)」

サトシが自身の腰に着けたボールホルダー……そこにセットされたモンスターボールの内の、一つに目を落とす――

サトシ「(……アイツは"意地っ張り"だから、顔には出さないけど……強力な主ポケモンの仲間たちとの三連戦。とてもじゃないけど、主相手に戦える体力は残ってないハズ。

     つまり……ここが正念場。試練を達成できるかどうかは、ピカチュウの肩にかかってる……!)

    ――頼んだぜ!ピカチュウ!!!」

ピカチュウ「……ピカピーカッ!!」コクッ

サトシ「……サンキューな!!」ニカッ

ピカチュウ「ピカッ!」ニコッ

サトシ「(とはいったものの……)」チラッ


デカグース「……グゥゥス……!」フシュウウ……!


サトシ「(……正直、攻略の糸口は見えてこない。真正面から攻撃を仕掛けても、アイツのパワーの前には全部受け止められちまう。なんとかして隙を突きたいけど――)」

……キョロキョロ

サトシ「(――周りを崖に囲まれてるこの場所じゃあ、走り回って隙を突くには狭すぎる。下手に動き回ったら、逆に追い詰められて……こっちがやられちまう!)

    ……………………!」ウーン……

ロトム「サトシ……?」

ピカチュウ「ピカピ、ピカピーカ……?」
 ▼ 216 dX3IS9Elqo 17/12/24 21:09:06 ID:GC5hjcW2 [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「(……待てよ。周りを崖に囲まれた……?)」

〜〜〜〜〜〜

                『 ぬ し ゃ あ っ !! 』

『『『!!!』』』

サトシ『……!ピカチュウ、上だ!!』

ピカチュウ『ピカ――』


『……デカッ!!!』


ピカチュウ『!?ピカ……!』

〜〜〜〜〜〜

サトシ「(……これだ!この方法なら、デカグースに隙を作れるハズ!!

     けど、ピカチュウのジャンプ力じゃ崖の上までは届かない。坂道の入り口はデッカい岩で塞がれちまってるし……そもそも普通に登っただけじゃ、追っかけて来られちまうから意味がない。……どうする?)」

……キョロキョロ

サトシ「(……そうか、あれだ――!)」




――ニヤリ

デカグース「…………!」

サトシ「――待たせたな!デカグース!!」

デカグース「……ぬしゃあぁぁ……!」

……デカグースが身構える……。

サトシ「……行くぞ!ピカチュウ!!」

ピカチュウ「――ピカッ!」パリッ!パリッ!

ロトム「どうなるんだロ……?」
 ▼ 217 dX3IS9Elqo 17/12/24 21:38:10 ID:GC5hjcW2 [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――"電光石火"だ!!」

ピカチュウ「ピカッ!」

サトシからの指示を受け、ピカチュウがデカグース目掛けて走り出す――

デカグース「……デカァァ!!」

――対するデカグースは自身に向かって来るピカチュウに対し、拳を降り下ろす。

サトシ「……今だ!コースを逸らせ!!」

ピカチュウ「……ピッカ!!」

デカグース「デカ――!?」

デカグースと衝突する直前……ピカチュウが脇に逸れる。デカグースの拳が空を切る……!

デカグース「……デカッ!」

……デカグースがすぐさま体勢を立て直し、振り返り……高速で駆け抜けるピカチュウの後を追う。

サトシ「……そのまま奥に向かって走るんだ!!」

ピカチュウ「ピッ!ピッ!ピッ!……」シュタタタタッ!

ロトム「……奥は行き止まり……!そっちに行ったラ――」



――ピタッ

ピカチュウ「ピカ……!」

ロトム「――ほラ、追い詰められたロト〜〜!!」

サトシ「……………………!」

デカグース「……ガァァッ!!」

デカグースが追い付き……ピカチュウ目掛け、大口を開けて飛びかかる……!

サトシ「…………」


                「   今 だ っ !!!   」


「「!!?」」

ピカチュウ「……ピカ!」
 ▼ 218 スモッグ@ダークメモリ 17/12/24 21:39:21 ID:GC5hjcW2 [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
年内に大試練くらいまでは行きたい……。今日はここでおしまいです……。
 ▼ 219 dX3IS9Elqo 17/12/25 11:53:59 ID:IX2jWR7c [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――Zクリスタルの台座を足場に、崖の上に飛び移れ!!」

ロトム「ロト!?」

ピカチュウ「……ピッカ!」

ピカチュウが素早く、台座に飛び乗る。そのまま後方へと大きく跳躍し――くるり、と一回転。体勢を立て直す。

デカグース「…………ッ!!」

攻撃対象を失ったデカグースが、勢い余り……Zクリスタルの台座にもたれかかる。



ピカチュウ「――ピッ!」スタッ

サトシ「そこだ!――」

              「   "ア イ ア ン テ ー ル" !!!   」

ピカチュウ「チュッ!」

……ピカチュウが崖の上から、天高く舞い上がる……!

デカグース「……デカッ?!」

対するデカグースは、天を仰ぐ――

デカグース「……………………ッ!!」

――天高く舞い上がったピカチュウの姿……その姿と太陽が重なり、デカグースが目を眩ませる。その場で腕で顔を覆い、立ち竦む。

ピカチュウ「ピカピカ……!」

……そのデカグースの頭上に、尾を白く光らせたピカチュウが、縦にくるくる回転しながら……降って来る。

サトシ「今度こそ……行っけぇぇ!!ピカチュウ!!!!」

ピカチュウ「…………ピッカァァア!!!!」


                  ガ ゴ オ ォ ォ ォ ォ ン !!!!

 ▼ 220 dX3IS9Elqo 17/12/25 21:07:03 ID:IX2jWR7c [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
















デカグース「……ゥ……グ……ッ……」

ロトム「……………………やったロト!」

ピカチュウの尾がデカグースの脳天を穿つ。デカグースがよろよろと後退る……。

サトシ「(まだだ……この程度の攻撃じゃ、アイツは倒れないハズ……!)

    ……反撃の隙を与えるな!ピカチュウ、"電光石火"で回り込め!!」

ピカチュウ「……ピカ、チャアッ!!」

ピカチュウの姿が、一瞬の内に消える――

ピカチュウ「ピッカ!!」

デカグース「ガッ……!」

――ピカチュウの高速の突進がデカグースのわき腹を掠め、そのまま背後に回る。直後、急制動をかけ、砂塵を巻き上げながらターンする。

ロトム「背後を取ったロト……!」

サトシ「……今だ!デカグースの背中にしがみつけ!!」

ピカチュウ「……ピカッ!」

デカグース「!?」

ピカチュウが小さく飛び跳ね、、デカグースの背中にしがみつく。

「「決めるぞ、ピカチュウ……!
     ピィカァ……!   」」パリッ!パリッ!

________
____
__
_
 ▼ 221 dX3IS9Elqo 17/12/25 21:38:18 ID:IX2jWR7c [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜少し前 茂みの洞窟 洞窟内部〜

タッタッタッ……

……


――ピタッ

コジロウ「……あ!おい、見ろ!あそこ!!」ビシッ!

「「……なによ?  ピタッ
  ニャニャ? 」」ピタッ

ニャース「……!光が射し込んでるのニャ!!」

ムサシ「どうやら、洞窟の奥は外に繋がってるようね。」

ソーナンス「……ソーナンス!」


<イッケェェ!!ピカチュウ!!!!

…………

<ピッカァァア!!!!


ガゴオォォォォン!!!!


「「「!!!」」」

ニャース「奥から……ジャリボーイたちの声と、大きな音がするのニャ!!」

ムサシ「……今まさに、主ポケモンとのバトルの真っ最中みたいね……。グーーッド、タイミ〜〜ン♪」

コジロウ「どうやら、間に合ったみたいだな……!」

ソーナンス「ソーナンス♪」

ムサシ「……よ〜〜し!!行っくわよぉ〜〜〜〜!!!!」

「「おおーー!!」」

タッタッタッ……

****
 ▼ 222 dX3IS9Elqo 17/12/25 22:03:58 ID:IX2jWR7c [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜茂みの洞窟 主の間〜

……バッ!

ムサシ「――やっぱり、洞窟の奥は外に繋がっていたようね!」

コジロウ「……そうみたいだな。」

ニャース「ジャリボーイたちはどこニャ――?」















              「   "10 万 ボ ル ト" !!!   」


「「「――は?」」」


                 バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


「「「ちょ……!?」」」


                 ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


「「「……やなかんじーーーー!!!!」」」

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

ヒューン!

……キラーン!

________
____
__
_
 ▼ 223 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/25 22:42:07 ID:IX2jWR7c [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜2番道路 ポケモンセンター前〜

ハウ「……あ!」

〜〜〜〜〜〜

ヒューン……

〜〜〜〜〜〜

ハウ「……なーなー、ミヅキー!!」

ミヅキ「ん……どうしたの?」

ハウ「見て見てー!下から上に飛ぶ流れ星ー!スッゲーー!!!」ピョン!ピョン!

ミヅキ「……は?」

〜〜〜〜〜〜

ヒューン……

キラーン!

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「!?……ホントだ!何あれ!!?」

ハウ「ねー!スゴいでしょー?」

ミヅキ「うん、けど――」

ハウ「?」

ミヅキ「――どっかで見たことあるような……?」

________
____
__
_
 ▼ 224 dX3IS9Elqo 17/12/26 21:38:35 ID:2.JtvUaI [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜茂みの洞窟 主の間〜

                 バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!

ロトム「…………?

    今、逸れタ電撃に当たっテ、なにかが飛んで行ったヨウな……。」



ロトム「……気のせいだロ。」

サトシ「――振り落とされるな!そのまま押し切れ、ピカチュウ!!!」

ピカチュウ「ピィカァァァア!!!」

デカグース「ウ"、ガ……ァ"、ァ"……!」

……デカグースの背中にしがみついたピカチュウが、全身から凄まじい電撃を放出する。ピカチュウを振り払おうと、デカグースが暴れ回る。

                 バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!

ピカチュウ「チュウゥゥゥウ!!!!」

デカグース「ガ……ァ"、ァ"……ア"……ッ!」

                 パリッ!……     パリッ!……

「「…………。」」
















デカグース「……………………。」
 ▼ 225 dX3IS9Elqo 17/12/26 22:02:54 ID:2.JtvUaI [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「……………………ピカッ……」フラッ……

「「!!」」

サトシ「ピカチュウ――」















――ドサッ!

デカグース「……グ、ゥ……ゥ……」グルグル

ピカチュウ「ヨロヨロ) ……ピカピ……!」ニコッ

サトシ「やった……」


                  「   や っ た ぁ !!!   」


タッタッタッ……

サトシ「――ピカチュウッ!!!!」ダキッ!

ピカチュウ「……チャア…ッ……♪」

サトシ「カッコよかったぞ〜!ピカチュウ!!」ナデナデ

ロトム「……無事、試練突破ロト〜♪」イエーイ




「……なんというトレーナーでしょう!」

「「「!!!」」」
 ▼ 226 dX3IS9Elqo 17/12/26 22:34:23 ID:2.JtvUaI [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――キャプテンイリマ!!」

イリマ「はい!キャプテンのイリマです。

    ……僕が鍛えに鍛えあげた主ポケモンを倒すだなんて……!さすがとしか言い様がありません。」

サトシ「い、いやぁ〜〜……!」テレテレ

イリマ「ポケモンと力を合わせ、イリマの試練達成!

    サトシさん――おめでとうございます、ですね!」

サトシ「ありがとうございます!!」ペコッ

ロトム「……良かったロトね!サトシ!!」

サトシ「ああ!みんなのおかげだぜ!!

    ロトムも、色々教えてくれてサンキューな!!」ニカッ

ロトム「どういたしましテ!ロト♪」


イリマ「――さあ、台座のZクリスタルを!」

サトシ「……いよいよだな、ピカチュウ……!」

ピカチュウ「ピカ……!」コクッ

サトシとピカチュウが顔を見合わせ、息を呑む――







――ガシッ!!
 ▼ 227 dX3IS9Elqo 17/12/26 22:46:25 ID:2.JtvUaI [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ノーマルZ、ゲットだぜ!!」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!!」


                「  試  練  達  成  」
                   し  れん たっ せい

 ▼ 228 dX3IS9Elqo 17/12/26 23:16:28 ID:2.JtvUaI [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

イリマ「今、サトシさんが手に入れたノーマルZ……それをノーマルタイプの技を使えるポケモンに持たせて!」


                     キ ラ ー ン !

                ブオンッ!スッ……シュ、シュピッ!バッ!バッ!


イリマ「――このようにエレガントなポーズをすることで、ノーマルタイプの技を強めるZパワーを放てますよ!」

サトシ「……結構複雑だな……。ちゃんと覚えられるかな?」

ピカチュウ「ピカピーカ……?」

ロトム「だいじょブ!僕が映像を記録したロト!

    ……見たくなったら、いつデモ言っテロト!」

サトシ「おお!さすがはロトムだぜ!……サンキュー!!」

ピカチュウ「ピカピーカ♪」

ロトム「ロト♪」エッヘン

イリマ「……では、次に進みましょう。」

サトシ「はい!」

****
 ▼ 229 dX3IS9Elqo 17/12/26 23:42:06 ID:2.JtvUaI [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

テクテク……

……



――ピタッ

イリマ「そういえば――」クルッ

「「「?」」」

イリマ「――言い忘れていたことが、一つありましたね。」

サトシ「言い忘れていたこと……ですか?」

イリマ「主ポケモン……!

    試練を行う場所には先ほどのデカグースのように、一際強いポケモンがいます。」

サトシ「……ってことは、この先の試練でも?

    …………。」ブルブル……

ロトム「サトシ……?」







サトシ「――どんな強いポケモンが待ってるのか……今から、スッゲェワクワクする!!!」

ピカチュウ「……ピカ♪」

イリマ「……フフッ。」

ロトム「……それでこそサトシロト!」

サトシ「おう!」ニカッ

イリマ「……それに、アローラ地方のポケモンは助け合いなのか、戦いの時に仲間を呼ぶのですよ!」

サトシ「仲間かー……あれは厄介だよなぁ〜……。

    ……けど!俺たちの力を合わせれば、きっと突破できるさ!な?ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカピカッ!」フンスッ


イリマ「――さて、面白いものをお見せします。洞窟の外に参りましょう。」

________
____
__
_
 ▼ 230 dX3IS9Elqo 17/12/26 23:58:47 ID:2.JtvUaI [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜2番道路〜

イリマ「――はい!キャプテンのイリマです。」

サトシ「はい!」

イリマ「……島のあちこちには、キャプテンミニゲートがあります。ミニゲートの先には手強いポケモンがいます。」

サトシ「……手強いポケモン!?」キラキラ

イリマ「強いトレーナーと一緒なら、誰でも通れるのですが――」

……チラッ

イリマ「――島巡りに参加している者は、試練をこなすことで通れます!」

「「へぇ〜……!
  ピカー……!」」

イリマ「いいですか?――」


                「   キャプテン・マジック!   」
                        パチッ!!


「「「!!?」」」

〜〜〜〜〜〜

「……えっほ!えっほ!」ガラガラ!

ブンブン!

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 231 晩はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/27 00:23:47 ID:P2v.fnrM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――おじさんが柵を開けた!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

「「……ありがとうございまーーす!!  ブンブン!
    ……ピカピカーー!!    」」ブンブン!


イリマ「……ほら!世界が広がりましたよ。」

サトシ「試練をクリアすれば、行ける場所が増えるのか……。

    よーし、ピカチュウ――!」

ピカチュウ「……ピカピカ!」

サトシ「――もっともっと試練をクリアして……アローラを冒険し尽くしてやろうぜ!!」

ピカチュウ「ピカ♪」

ロトム「……その意気ロト!僕もいロんなとこロに行っテみたいロト♪」

サトシ「ああ!一緒にいろんなポケモンを見に行こうぜ!!」ニカッ

ロトム「ロト♪」



イリマ「――メレメレ島にいるキャプテンは僕一人!……つまり、試練も一つです。」

サトシ「ってことは――」

イリマ「……ええ。メレメレ島の中でしたら、もうどこのキャプテンミニゲートでも通れますよ。」

サトシ「やったぜ!ハウとミヅキの試練が終わったら……早速、二人と一緒にメレメレ島を制覇だ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ

イリマ「試練を終えたことを、島キング……ハラさんに報告しておいてくださいね!」

サトシ「……はい!」

イリマ「ハウさんとミヅキさんにも、よろしく伝えておいてください。では――」

テクテク……

……


サトシ「――よし!ハウとミヅキと合流しに、ポケモンセンターに戻るぞ、ピカチュウ!ロトム!!」

「「ピカ!  コクッ
  ロト!」」コクッ

****
 ▼ 232 ティアス@ギャラドスナイト 17/12/27 09:54:04 ID:5IqS.Ris NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 233 dX3IS9Elqo 17/12/28 12:16:07 ID:CKt.Rc82 [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……え?なにかが飛んでいった?」テクテク……

ロトム「そうロト!――デカグースの背中にしがみついタピカチュウが、電撃を放っタトキ……逸れタ電撃に当たっテ、なにかが、空の彼方に飛んでいっタんだロ!!」フワフワ……

サトシ「ふーん……。あの時、試練の場所にはデカグースの砕いた石ころがたくさん落ちてた。それに当たったんじゃないか?」テクテク……

ロトム「う〜ん、そんな感じではなかっタんだロ。もっト大きなモノが複数だっタヨウな……。」フワフワ……

サトシ「大きな物かぁ……。なんだろうなー?」テクテク……

ピカチュウ「ピカピーカ?」

…………



サトシ「――お!」ピタッ

〜〜〜〜〜〜

ハウ「……そういえばー、俺もどこかで見たことあるかもー。」

ミヅキ「ハウくんも?……なんだろう……スクールにあんな物あったかな?」

ハウ「うーん……?」

 ▼ 234 ーパーバカット◆byXTdvfl7U 17/12/28 12:23:04 ID:u1FlteEI NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 235 dX3IS9Elqo 17/12/28 12:46:21 ID:CKt.Rc82 [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


「ぉーぃ。」


「「!!」」

「「  ……サトシー!
  ……サトシくんの声だ!」」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「……行こうぜ!ピカチュウ、ロトム!!」

「「ピカ♪
  ロト♪」」

              タッタッタッ……            フワフワ……

****

サトシ「……お待たせ!二人とも!!」

「「      おかえりー!
  お疲れさま!サトシくん、ピカチュウ!!」」ニコッ

サトシ「……ただいま!」

ミヅキ「試練……どうだった?」

サトシ「へへッ!……ジャジャーン!!」バッ

……キラーン!

ハウ「それは……」

ミヅキ「ノーマルZ。……ってことは――」

サトシ「……おう!」

「「   わぁ〜!おめでとう、サトシー!!
  無事達成したんだ!さすがサトシくんだね!!」」

サトシ「二人とも、サンキューな!!(ニカッ

    ……いや〜、それにしてもまいったぜ!途中、スカル団が来たかと思えば、今度はロケット団まで現れてさ!!

    アイツら、試練の邪魔を――」

「「「   ロケット団ー?
    ん?ロケット、団……?
   そういえバ、ロケット団……」」」

サトシ「……ん?」
 ▼ 236 dX3IS9Elqo 17/12/28 14:27:26 ID:CKt.Rc82 [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



       「「「   ……そ れ だ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ーー !!!!   」」」



「「!!?」」

ロトム「……ロト!!」


サトシ「…………………………………………え?な、なに?どれ……?」

ピカチュウ「……ピカピカピカ!?」

****
 ▼ 237 dX3IS9Elqo 17/12/28 15:04:55 ID:CKt.Rc82 [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……なるほどなー。ロトムが見た飛んでいったなにかと、ハウとミヅキが見た下から上に飛ぶ流れ星……どっちもロケット団だったってワケか。」

ロトム「そうロト!ナゾの飛翔体の予測される質量ト、飛行時の角度……及ビ数量が、前回ロケット団との遭遇時に計測しタデータト一致しテいるロト!!」

ハウ「うんー!あの人たちの飛び方にそっくりだったー!!」

ミヅキ「そうそう!だからどこかで見た気がするな……って思ったのよ!!」

サトシ「ふーん……。ロケット団が主ポケモンのいた場所に、か……。」


サトシ「……………………。」


ピカチュウ「……………………ピカピ?」

サトシ「……ってことは、スカル団はロケット団が追い払ったってことか。……やるじゃん、アイツら!」ニヤリ

ミヅキ「……え!?どうしてロケット団がスカル団を!!?」

ハウ「そうだよー!どっちも悪い人たちじゃなかったのー?」

サトシ「うーん……」







サトシ「『敵の敵は、やっぱり敵』って、こと……かな?」

ミヅキ「……普通、味方じゃないの?」

サトシ「……ヘヘッ!」ニカッ

「「……………………??」」

****
 ▼ 238 ケンカニ@ズアのみ 17/12/28 16:04:24 ID:4OkkLvr2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
ところで、
「・・・・・・知っているのかニャ?コジロウ!!」
って男塾のあれですか?
 ▼ 239 ーフィア@たいようのいし 17/12/28 17:09:20 ID:CKt.Rc82 [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>238
コジロウの持っていた本の出版元は民明書房です。
 ▼ 240 dX3IS9Elqo 17/12/28 21:15:47 ID:CKt.Rc82 [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「さて、と……今度は、ハウとミヅキの試練だな!二人とも、良いバトルを見せてくれよ!!?」

ミヅキ「サトシくんは見れないけどね……。」

サトシ「え?」

ハウ「試練には付いて来れないからねー。」

サトシ「……………………え?」

ピカチュウ「ピカピ……。」

サトシ「……………………。」








              「   え え え え え え ーー !!!??   」

サトシ「そ、そんな……!俺、二人と主ポケモンのバトル……見るの、楽しみにしてた……のに……!」ガックシ

ミヅキ「……自分の試練の時に気がつかなかったの?」

サトシ「自分の時は、どうやって試練を突破しようか考えるのに夢中でさ……そんなこと、考えもしなかった……。」

ハウ「サトシらしいねー。」

サトシ「……しょうがない!その代わり――」

ミヅキ「……代わり?」

サトシ「ああ!……戻って来たら、試練の話……主ポケモンとどんなバトルしたか、たくさん聞かせてくれよ!?」

「「  わかったー!  ニカッ
  うん。約束する!」」ニコッ

サトシ「ヘヘッ、やったぜ!

    ……あ〜、今から楽しみだなー!だろ?ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ♪」

                「   ……待つロト!!!!   」

「「「!!!??」」」



サトシ「……………………ロトム?」
 ▼ 241 dX3IS9Elqo 17/12/28 22:13:05 ID:CKt.Rc82 [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ロトム「――そういうトキは、ボクにお任せなんだロ!」

サトシ「……ロトムに?」

ロトム「ロト♪……忘れタロか?サトシ!ボクには、映像を記録する機能もあるロト!!」

サトシ「映像を記録……そうか!」

ロトム「――ロト!ボクが二人の試練に付いテ行っテ……主ポケモントのバトルを、バッチリ撮影しテくるロト!!」

サトシ「うおおおおお!!やっ――たぜ!!!!

    ……サンキューな!」ニカッ

ロトム「エヘヘ……どういたしましテ♪ロト!」

ミヅキ「……良かったね!サトシくん!!」ニコッ

ピカチュウ「ピカピカ♪」

サトシ「ああ!……楽しみだなーー!!」



ハウ「……なーなー。」

「「「   ……ハウ?
   ハウくん……どうかした?
       ロト?     」」」

ハウ「――ってことはさー、ロトム……サトシの試練のバトルも記録してるのー?」

ミヅキ「そういえば……」

ロトム「もちロん、しテるロト♪」

サトシ「……そうなの?」

ロトム「ロト!」コクッ

「「み……」」

サトシ「……み?」


              「「   見せて見せてーー!!!
                   み……見たーい!!!    」」


サトシ「……へ?」

ロトム「了解なんだロ!それでハ……上映会、スタートロト♪」ウィーン、ピコピコ
 ▼ 242 日はここまで◆dX3IS9Elqo 17/12/28 23:42:35 ID:CKt.Rc82 [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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ロトム「――以上ロト!」ブツッ!

「「うわぁ〜〜……!」」

ロトム「……どうだっタロト?」

ハウ「スッゲー!主ポケモンつえー!!」ピョン!ピョン!



ハウ「……けど、主ポケモンに勝ったサトシたちは、もっとつえー!!」ピョン!ピョン!

サトシ「――ハウたちも、きっと勝てるぜ!!」

ハウ「うんー!

   俺たちも、主ポケモンとのバトル……頑張ろうねー!モクロー!!」

モクロー「もふぅ!」コクッ

ミヅキ「主ポケモンって……あんなに、強いんだ……。」


ミヅキ「……………………。」


アシマリ「……………………あしゃま?」

ミヅキ「……あ、うん!……ゴメンね?ボーッとしちゃって……。」

サトシ「(……ミヅキ……?)」

ハウ「なーなー!ミヅキー!……俺とミヅキ、どっちが先に挑戦するー!?」

ミヅキ「あ……ハウくん先に行って良いよ。」

ハウ「ホント!?……ありがとー、ミヅキー!!」

ミヅキ「う、うん……頑張ってね!ハウくん、モクローも!!」ニコッ

「「うんー!  ニカッ
  もふぅ!」」フンスッ

ハウ「よーし、楽しんじゃうもんねー!……行くよー!モクロー!!」タッタッタッ……

モクロー「もふ、もふぅ!」バサバサ!

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 ▼ 243 dX3IS9Elqo 18/01/02 20:16:58 ID:40x52Vl. [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「あー、楽しみだなー、ピカチュウ!ハウとロトム、速く戻ってこないかなー!!」ニヤニヤ

ピカチュウ「ピカピーカ♪」

ミヅキ「……。」

サトシ「……。」チラッ


サトシ「――なあ、ミヅキ。」

ミヅキ「……。」ボー

サトシ「なあってば!」

ミヅキ「!?」ビクッ


ミヅキ「……え?な、なに、どうしたの!?」

サトシ「俺の試練の映像見た時から、ずーっとそんな感じだけど……

    ……もしかして、不安なのか?試練……。」

ミヅキ「え……。」

アシマリ「あしゃま……。」

ミヅキ「……………………。」




ミヅキ「う、うん、実は……ちょっと……だけ……。」
 ▼ 244 dX3IS9Elqo 18/01/02 20:51:17 ID:40x52Vl. [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「やっぱり……。」

ミヅキ「だ、だって……主ポケモン、スゴく強そうだったし……

    私は……サトシくんやハウくんたちみたいに、強くないし……!」

サトシ「うーん……。」ムムム

…………

……

ピカチュウ「……ピカピ?」

サトシ「じゃあさ――」

ミヅキ「う、うん。」

サトシ「――俺たちとバトルしようぜ!」

「「「 え!?
   ピカピカ!?
   あしゃま!?」」」

ミヅキ「……どうして急に?」

サトシ「俺には、難しいことはわからないし……こういう時、気の利いたアドバイスとかも出来ないからさ……」

ミヅキ「……。」

サトシ「だから!――バトルの悩みなら、バトルしてみるのが一番だぜ!

    そうすれば、自信……付くかもしれないだろ?」

ミヅキ「で、でも……!」

サトシ「それにさ、」

ミヅキ「?」

サトシ「ハウと違ってミヅキとは、スクールの授業では何回かあったけど……こうやって、外で思いっきりバトルしたこと、なかっただろ?」

ミヅキ「う、うん……。」

サトシ「俺もさ、ミヅキとのゼンリョクのバトル……思いっきり楽しみたいんだ!

    だから――」
 ▼ 245 dX3IS9Elqo 18/01/02 20:59:20 ID:40x52Vl. [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「……………………。」

サトシ「……。」ワクワク












ミヅキ「……わかった。よろしくね、サトシくん!」ニコッ

サトシ「や――――っったぜッ!!……早速始めようぜ!」

ミヅキ「うん!」

****
 ▼ 246 dX3IS9Elqo 18/01/02 21:30:45 ID:40x52Vl. [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「 サトシ vs ミヅキ 」

サトシ「試練の前だし、1vs1でいいよな?」

ミヅキ「うん!」

サトシ「よーし、なら行くぞ――」

                 「「ピカチュウ!キミに決めた!!
                     お願い!アシマリ!!  」」

「「ピカピーカッ!!  バッ
   あしゃま!! 」」バッ

ミヅキ「……やっぱり、ピカチュウなのね……。」

サトシ「ああ!――ミヅキこそ、わかってたのにアシマリで良いのか?

    ミヅキなら……てっきり、電気技に強いモンメンでくるかと思ったのに……。」

ミヅキ「うん。……モンメンを出しても、"アイアンテール"なら結局弱点を突かれちゃうし、それに――」

サトシ「?」

ミヅキ「――せっかくだから試してみたいの。主ポケモンと戦ったピカチュウ相手に、私とアシマリの力……どこまで通用するのか!」

アシマリ「……あしゃま!」フンスッ

サトシ「へへッ……」ニカッ




サトシ「――わかった!なら……行くぞピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカッ!」コクッ

ミヅキ「私たちも……行くよ、アシマリ!」

アシマリ「あしゃま!」コクッ
 ▼ 247 バイト@リザードナイトX 18/01/02 22:12:30 ID:CR4lWix. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 248 dX3IS9Elqo 18/01/02 22:14:15 ID:40x52Vl. [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ピカチュウ!"エレキボール"!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ピカピカピカ――」

ピカチュウが後方に高く飛び上がり、尾の先端に電気を球状に凝縮しながら……クルクルと回る――

ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」

――そのまま勢いをつけ、凝縮した電気を撃ち出す。

ミヅキ「アシマリ、"バブル光線"!」

アシマリ「……あおーーっ!!」

対するアシマリは、鼻先から無数の泡を一直線に放つ。

"エレキボール"と"バブル光線"――2体の放った技が中央でぶつかり合い、相殺する。

ピカチュウ「……ピッカ!」スタッ

サトシ「やるな……!(ニヤリ

    なら――続けて"10万ボルト"だ!!」

ピカチュウ「……ピカ、チュゥゥゥゥウ!」

ピカチュウが全身から眩い電撃を放つ。電撃は束になり、アシマリに向けて飛ぶ――

ミヅキ「……!アシマリ、"アクアジェット"でかわして!!」

アシマリ「……あおぉっ!」

今まさに、電撃がアシマリを捉えんとする……その時。――アシマリが水飛沫を巻き上げ、瞬時に姿を消す。

……直前までアシマリがいた大地を、激しい電撃が穿つ。攻撃を回避したアシマリは、その身に水を纏い……滑るようにして縦横無尽に大地を駆け巡る。

ミヅキ「……そのまま動き回って隙を狙って!」

サトシ「させるか!ピカチュウ……"電光石火"だ!!」

ミヅキ「!」
 ▼ 249 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/02 23:01:37 ID:40x52Vl. [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「……ピッカ!」

ピカチュウの姿が一瞬の内に消える。そのまま一筋の閃光となり、周囲を駆け回るアシマリに向かう――

ピカチュウ「ピッ!ピッ!ピッ!……」シュタタタタッ!

アシマリ「あおっ!?」ザババババッ!


ミヅキ「……速い!」

サトシ「スピード勝負なら負けないぜ!――ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピッ!ピッ!ピッ!……」シュタタタタッ!


ピカチュウ「……ピッカァ!!」ズザアァァ……

アシマリ「!!」ピタッ

ミヅキ「……!回り込まれた……!?」

サトシ「そこだ!――"アイアンテール"!!」

ピカチュウ「ピカ……!」

ピカチュウの尾が、白銀に煌めく――

ミヅキ「くっ……!なら、アシマリ――"はたく"攻撃!!」

アシマリ「あしゃま……!」

――対するアシマリは、右ヒレに力を溜める……!

「「行け!ピカチュウ!!
  お願い!アシマリ!!」」

「「……ピッカァァア!!!
   ……あおおお!!! 」」

                    ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!
 ▼ 250 dX3IS9Elqo 18/01/03 20:46:52 ID:Oe8WbaW2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウが前方に、地面に対してほぼ平行線に――さながら幅跳びの如く飛び上がり、その状態で横に回転することで、煌めく尾を水平に振るい……対するアシマリはその尾を迎えるべく、力を込めた右ヒレで前方を大きく薙ぎ払う。

ぶつかり合う技と技……激しくせめぎ合う。


                  ギ リ ギ リ ギ リ…… !!


「「 ピ……カ……!!  グググ……
  あしゃ、ま……!!」」グググ……

「「負けるな!ピカチュウ!!
  頑張って!アシマリ!! 」」


                  ギ リ ギ リ ギ リ…… !!


ピカチュウ「ピッカァ……ッ!」グイッ!

アシマリ「……っ!」カクッ


サトシ「(……重心が少し傾いた……!) ――今だ!押し切れピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピッ……カァァア!!!」

アシマリ「!?」

……ピカチュウが一際強い力をかける。アシマリの身体がバランスを崩し……浮かび上がる。そのまま大きく吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。

ミヅキ「……っ!アシ「"エレキボール"!!」

    !!その体勢から……!?」

ピカチュウ「ピッ……」

ピカチュウがアシマリを押し返した勢いそのままに、低空でもう一回転する。その過程で、再び尾の先端に電気を溜める――

ピカチュウ「……カ、チュピッ!!!」

――直後、尾を振り切り……アシマリ目掛けて電気を解き放つ。


                 ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!

ミヅキ「アシ――」

アシマリ「……きゅう〜〜……」フラフラ

ミヅキ「――っ!」


                   カ ッ ッ ッ ッ ッ !!!

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_
 ▼ 251 dX3IS9Elqo 18/01/03 20:54:51 ID:Oe8WbaW2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピン!ピン!ピロリン♪


「お預かりしたアシマリたちは、みんな元気になりましたよ!」

アシマリ「……あしゃま♪」


「またのご利用をお待ちしてます!」ペコッ

ミヅキ「……ありがとう、ございます……。」シューン

****
 ▼ 252 dX3IS9Elqo 18/01/04 22:37:41 ID:NfvAmDhs [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「……。」ズーン

サトシ「そ、そんなに落ち込むなよ!」アセアセ

ミヅキ「だって、結局――スピードも、パワーも、全然敵わなくて……こんなんじゃ、主ポケモンに勝つなんてとても……!」

アシマリ「あおっ……。」シューン

ミヅキ「ア、アシマリは悪くないよ!?私が――」

サトシ「……スピードやパワーで負けてるからって、勝てないって決まったワケじゃないだろ?」

ミヅキ「え?」

サトシ「なあ、ミヅキ。……アシマリに有って、主ポケモンにないモノって……なんだと思う?」

ミヅキ「アシマリに有って、主ポケモンにない……?」

アシマリ「あしゃま?」

サトシ「うん!」ニカッ

ミヅキ「うーん……?」クビカシゲー

ムムム……

……

ミヅキ「……わからない。正解は?」

サトシ「答えは――」
 ▼ 253 dX3IS9Elqo 18/01/04 23:17:34 ID:NfvAmDhs [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――トレーナーと……ミヅキとの絆だ!!」

ミヅキ「私との、絆……。」

サトシ「ああ!だって、アシマリは……こんなにもミヅキのことが大好きじゃないか!

    ……だろ?アシマリ!!」

アシマリ「あおっ!」コクッ

ミヅキ「アシマリ……ありがとう!」ギュッ!

アシマリ「あしゃま♪」

サトシ「モンメンだって、きっとそうさ。

    ――ポケモンと強い絆で結ばれたトレーナーが、ポケモンを導いてやることで……ポケモンは、元々より何倍も強い力を発揮できる!

    ……それがポケモンバトルだろ?」

ミヅキ「それは……そうだと、思う。

    ……けど。――私はサトシくんとは違って……トレーナーとしても、経験不足で……そんな私が、アシマリたちをちゃんと導いてあげるなんて……!」

サトシ「……けどさ、ミヅキは――トレーナーとして、俺にはないモノを持ってるじゃん!」

ミヅキ「私が?」

サトシ「ああ!だって……ミヅキは、ポケモンの技や特性に、スッゲー詳しいじゃん!」

ミヅキ「それはただ勉強しただけで……。」

サトシ「それにさ――」

ミヅキ「?」

サトシ「――経験が足りないなら……今から経験しちゃえばいいじゃん!」

ミヅキ「……え、今から!?」

サトシ「ああ!……見ろ、ミヅキ。」ビシッ!

ミヅキ「……?」クルッ
 ▼ 254 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/04 23:40:47 ID:NfvAmDhs [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「あ……もう、日が沈みかけてる……?」

サトシ「俺も驚いたよ。やっぱり、楽しい時間が過ぎるのってあっという間だなって!

    ……この調子だと、ハウが戻ってくるころには……たぶん、完全に日が暮れてるだろうな。」

ミヅキ「ってことは――」

サトシ「ああ。……ミヅキの試練への挑戦は、また明日だ。だからさ――」

ミヅキ「……。」

サトシ「――やろうぜ!主ポケモンに勝つための特訓!!

    俺も……ハウだって、きっと!……ミヅキが納得するまで、とことん付き合うからさ!!」ニカッ

ピカチュウ「……ピカ♪」

ミヅキ「サトシくん、ピカチュウも……」


ミヅキ「……………………。」

アシマリ「あしゃま……?」




ミヅキ「……………………ありがとう。

    よろしく……お願いします……!」ペコッ

「「 おう!   ニカッ
  ピッカー♪」」ニコッ

****
 ▼ 255 dX3IS9Elqo 18/01/05 21:30:08 ID:OLzeCNPI [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……よっしゃ!じゃ、早速始めようぜ!!」ニカッ

ピカチュウ「ピカピーカ!」フンスッ

「「う、うん!
  あおっ! 」」


「「    ぉーぃ。      タッタッタッ……
  サトシー、戻ったロトー!」」フワフワ……

サトシ「……っと、ナイスタイミング!」

ミヅキ「ハウくん!ロトム!」

タッタッタッ……

……

ハウ「……ただいまー!」ニカッ

ロトム「バッチリ、映像記録しテきたロト!」

サトシ「サンキュー、ロトム!」

ロトム「ロト♪」エッヘン!

サトシ「ハウは……どうだった?試練!!」

ハウ「へっへーん!」ゴソゴソ……


ハウ「……じゃじゃーんっ!」キラーン!

ミヅキ「ノーマルZ……!」

サトシ「……やったじゃん!ハウ!!」

ミヅキ「おめでとう!ハウくん、モクローも!!」ニコッ

「「へへー、ありがとう!二人ともー。
     クロ、クロー♪      」」


ハウ「……で――」

「「?」」

ハウ「――二人は向かい合って立ってー、なにしてるのー?」

サトシ「そうそう!そのことで……ハウにも、協力してほしいんだ!」ニカッ

ハウ「……協力ー?」

****
 ▼ 256 dX3IS9Elqo 18/01/05 21:58:15 ID:OLzeCNPI [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「なるほどー。……一緒に頑張ろうねー、ミヅキー!」ニカッ

ミヅキ「ハウくん……ありがとう……!」

アシマリ「あしゃま!」ペコッ

サトシ「……サンキュー、ハウ!」ニカッ

ハウ「へへー!俺だって、ミヅキとー、サトシと一緒にー……色んなとこ、見に行きたいからねー!」

サトシ「そうだな!そのためにも、頑張ろうぜ!」

ミヅキ「……うん!二人とも……本当にありがとう!!」ニコッ

「「 おう!
  うんー!」」

ロトム「――まずはなにかラ始めるロト?」

サトシ「そうだな!まずは――」

「「「……!」」」ゴクリ……








サトシ「――ロトムが撮ってきてくれた映像を見ようぜ!俺、ずっと楽しみにしてたんだ!!」ワクワク

……ズコー!




サトシ「あれ……みんな、どうしたの?」

ピカチュウ「ピカピ……。」
 ▼ 257 dX3IS9Elqo 18/01/05 22:42:15 ID:OLzeCNPI [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「ま、まあいっか……。そうだね、見よう!」

ハウ「う、うんー。」

サトシ「???」

ロトム「……そ、それでハ、上映会……スタートロト!」ウィーン、ピコピコ

****

『……モクロー!デカグースの周りを飛び回ってー!!』

『クローー!!』ヒュイーン――

『……デ、デカ!?』キョロキョロ


サトシ「スッゲー、ハウとモクロー!……あのデカグースを撹乱してるぞ!?」

ピカチュウ「ピカピカ!?」

ミヅキ「わあ〜……!」

アシマリ「あしゃ〜……!」

****

『モクロー!"木の葉"ー!!』

『クロ、クロー!!』バサバサ

ザアァァァ……!

『デカ……ッ!』ガバッ

……コツゼーン

『……!?』


サトシ「スッゲー!またモクローが消えたーー!!」

ピカチュウ「ピーカ……!」

****

『……"体当たり"ー!!』


サトシ「うおおおお!!行っけぇー!!モクローー!!!!」

ミヅキ「……サトシくん、うるさい。」

サトシ「…………………………………………ごめん。」

ピカチュウ「ピカピ……。」

****
 ▼ 258 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/05 23:40:20 ID:OLzeCNPI [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ロトム「――以上ロト!」ブツッ!

サトシ「ハウ……スッゲーカッコよかったよ!やっぱり、ハウとモクローのコンビは最高だな!!」

ミヅキ「うん……スゴかったよ!」

ハウ「えへへー、二人とも……ありがとー!」

モクロー「もふぅ♪」

サトシ「やっぱ、空が飛べるのは便利だよなー。あー、俺も空飛べたらなー!」

ハウ「なにそれー!ポケモンじゃなくて、サトシが飛ぶのー!?」

サトシ「あ、そっか!なら……ピカチュウが空飛べるようになればなー!」

ピカチュウ「……ピカピカ!?」


ミヅキ「……………………。」


サトシ「……。」チラッ


サトシ「んで――」クルッ

ミヅキ「……え?わ、私??」

サトシ「ああ。――ミヅキは、今のバトル見て……どうだった?」

ミヅキ「え、えっと……」
 ▼ 259 dX3IS9Elqo 18/01/06 21:27:05 ID:N14EkcYM [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「ハウくんたち、おっきなデカグースを相手に、一歩も退かずに戦ってて……息もピッタリでスゴいなー、って……。それで――」


ミヅキ「――それで、私たちも……あんな風に戦えたらなって、そう……思ったよ。」

サトシ「あんな風に戦いたい、か……へへっ!」ニカッ

「「……?」」

サトシ「よーし、じゃあ……そうなるためにも、早速、特訓開始だ!!」

ミヅキ「う、うん!」




ハウ「……特訓って、具体的にはなにをするのー?」

サトシ「そりゃあもちろん、ポケモンバ「そのことなんだけど――」

    …………?」

ミヅキ「――二人の試練の映像を見てて……やってみたい特訓があるの。」

「「……やってみたい特訓?」」

________
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 ▼ 260 dX3IS9Elqo 18/01/06 21:50:38 ID:N14EkcYM [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ピカチュウ!"エレキボール"!!」

ピカチュウ「ピカッ!(ピョン

      ピカピカピカ――」


ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」バッ

ミヅキ「ア、"アクアジェット"でかわして!」

アシマリ「……あおっ!」シュバッ!

……スカッ!

サトシ「なら――"電光石火"で駆け抜けろ!!」

ピカチュウ「……ピカ、チャアッ!!」シュバッ!


ピカチュウ「ピッ!ピッ!ピッ!……」シュタタタタッ!

アシマリ「あおぉ……っ!」ザババババッ!


サトシ「……なあ、ミヅキ――」

ミヅキ「ん?」

サトシ「なんで主ポケモンと戦うための特訓が……おっかけっこなんだ?」

ハウ「……俺も気になるー!」

ミヅキ「うん。えっとね――

    ……っと!」


ピカチュウ「ピカッ……!」ズザアァァ……

アシマリ「あ、あお……!」ピタッ


サトシ「……もういいぞー、ピカチュウ!サンキューな!!」ニカッ

ミヅキ「アシマリ!よく頑張ったね……お疲れさま!!」ニコッ

「「ピカッ♪
  あおっ♪」」
 ▼ 261 ンブオー@いでんしのくさび 18/01/06 22:20:20 ID:Xv8lm.ok NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 262 dX3IS9Elqo 18/01/06 22:24:46 ID:N14EkcYM [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……で?」

ミヅキ「あ、うん――」


ミヅキ「――二人の試練を見てて思ったんだけど……やっぱり、主ポケモンのパワーってスゴいでしょ?」

サトシ「ああ。あれには参ったぜ……まさか"エレキボール"や"アイアンテール"を、片手で止められるなんてなー。」

ハウ「俺もビックリしたー!モクローたちの攻撃……前からだと、全然効かなかったからさー!」

ミヅキ「……うん。だから――」チラッ

アシマリ「あお?」

ミヅキ「――相手の隙を突けるように、回避の特訓をしとこうと思ったんだけど……。」

サトシ「なるほどな……。けど――」

ミヅキ「?」

サトシ「――俺も最初はそれを考えたけどさ、試練の場所はかなり狭いから……走り回って避けるのには、限界があるぜ。」

ミヅキ「うーん……やっぱり、厳しいかな……。でも――」


アシマリ「……あおーーっ!」バルーンプクー

「「「ピカピーカ♪
    もふぅ♪
   モンモーン♪」」」


ミヅキ「――アシマリは陸上での動きが得意じゃないから……ピカチュウみたいに飛び跳ねたり、ましてや……モクローみたいに、飛んだりできないし……。」

ハウ「うーん……難問だねー。」

サトシ「なあ――」

「「……?」」

サトシ「――あれってなにしてるんだ?」


アシマリ「あお♪」バルーンプクー


ミヅキ「……ああ。あれはね――」
 ▼ 263 dX3IS9Elqo 18/01/06 22:54:03 ID:N14EkcYM [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「――あれはね……水のバルーンを造る、その練習をしてるの。」

サトシ「……水のバルーン?」

ミヅキ「うん。アシマリはね、あれを大きく造るのが好きなんだ。

    ……失敗して割れると床が水浸しになっちゃって、みんなに迷惑をかけちゃうから……アシマリには、『スクールでは我慢してね』――って、お願いしてたの。」

サトシ「だから見たことなかったのか……。面白そうだな、あれ!」

ハウ「モクローも嬉そうだよー!」


アシマリ「あおっ!あおっ!」バルーンプクー

モクロー「もふ、もふぅ♪」バサバサ


サトシ「……なあ!」

ミヅキ「ん?」

サトシ「あれ……なにかに使えないかな!?」

ミヅキ「え!?……うーん……バトル用の技とかじゃないし、難しいんじゃないかな……。」

サトシ「……バトルは技だけが全てじゃないぜ!」

ミヅキ「!」
 ▼ 264 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/06 23:43:38 ID:N14EkcYM [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……確かに、技や特性はバトルをする上で大事さ。けどさ――」

ミヅキ「……。」

サトシ「――例えば、前にハウが言ってた……モクローの、『相手の背後に音もなく忍び寄ることができる』だとか、『足の力が強い』だとか……

    そういう、ポケモンの特徴だったり、得意なことだったりにも……目を向けてやってもいいんじゃないか?」

ハウ「そうだよ、ミヅキー!その方がアシマリだって、きっとバトルを楽しめるよー!!」ニカッ

ミヅキ「うん……そう、だね……!アシマリ、バルーンの練習……頑張ってたもんね!」

アシマリ「……あしゃま♪」

ロトム「……そうロト!」ヒョコ

「「「うお!ビックリした!
     うわー!?
     きゃっ!?」」」

サトシ「……いきなり出てくるなよなー!驚くだろ!?」

ロトム「エヘヘ、ゴメンロ……けド!――これを見るロ!」

「「「え?」」」

ロトム「アシマリ――あしかポケモン。水タイプ。

    弾力性のある水のバルーンに乗って大ジャンプ。アクロバティックに戦うぞ。」

ミヅキ「……あれ?その図鑑説明文……私が知ってるのと違う……?」

ロトム「ミヅキが知っテるのハ、タぶんコッチロト!

    ……頑張り屋な性質で有名。体液を鼻で膨らませたバルーンを敵にぶつける。」

ミヅキ「そうそう、そっちだよ!……じゃあ、最初のは?」

ロトム「フッフッフッ!実ハポケモン図鑑ハ、図鑑のバージョンによっテ……違う説明文がヨウいされテいるロト!

    ボクには、その全テのバージョンの説明文がインプットされテいるんだロ!」

サトシ「……おお!さすがはロトムだぜ!!」

ハウ「スッゲー!」ピョン!ピョン!

ロトム「ロト♪」エッヘン!

ミヅキ「ありがとう、ロトム!(ニコッ

    ……へぇ……アシマリ、そんな特徴もあるんだ……!」

アシマ「……あしゃま?」

ミヅキ「……………………。」
 ▼ 265 ブトプス@どくのジュエル 18/01/07 00:03:49 ID:K4whDIUA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 266 グマラシ@きれいなハネ 18/01/08 11:26:03 ID:4wdAjJDE [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「……………………うん!アシマリと一緒に……やってみる!……バルーンを使ったバトルの練習!!」

アシマリ「あおっ!」フンスッ

サトシ「その意気だぜ、ミヅキ、アシマリ!なら……早速始めようぜ!!」

ミヅキ「うん!」ニコッ

****

ハウ「なら……行くよー!モクロー――"木の葉"!!」

モクロー「クロ――」バサバサ

ヒュォォォ……

モクロー「――クローーッ!!」バッ

シュバババババッ!

ミヅキ「……今だよ!アシマリ――バルーン!!」

アシマリ「……あおぉ……っ!」プクー

シュバババババッ!

「「……って、あ!?
  ……あしゃま!?」」

……パァンッ!!!


ミヅキ「ああ……割れちゃった……。」

サトシ「う〜ん……」

ロトム「……タイミングが遅すぎるロ。アトもうちょっト早くしないト、ジャンプする前にアたっテしまうロト。」

ミヅキ「う、うん……。ハウくん、もう一度お願い!!」

アシマリ「あおっ!」ペコッ

ハウ「オッケー!……モクロー!!」

モクロー「……もふぅ!」コクッ

****
 ▼ 267 dX3IS9Elqo 18/01/08 11:50:57 ID:4wdAjJDE [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「……"木の葉"ー!」

モクロー「クロ――」バサバサ

ヒュォォォ……

ミヅキ「……今だよ!バルーン!!」

アシマリ「……あおぉ……っ!」プクー


アシマリ「……あしゃっ!」ボヨヨーン

ピョン!

モクロー「――クロ!?……クローーッ!!」バッ

シュバババババッ!

ミヅキ「……え!?」

アシマリ「あ、あしゃ〜〜!!?!?!?」アタフタ

ミヅキ「アシマリ危ない――!」

シュバババババッ――!








「――"エレキボール"!!」

ピカチュウ「……………………チュ、ピッ!!」バッ

――バチィッ!!!

「「  ……か、間一髪……!   ホッ
  ……あ、あしゃま〜〜……!」」ホッ

ミヅキ「……あ、ありがとう。サトシくん、ピカチュウ……!」

ピカチュウ「……ピカピーカ!」フンスッ

サトシ「おう!……」

ロトム「……タイミングが早すぎるロ。それじゃア、ジャンプしタアトにコースを修正されちゃうロト!」

「「う、うん……。
  あしゃ……。」」

****
 ▼ 268 dX3IS9Elqo 18/01/08 12:51:39 ID:4wdAjJDE [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ニャビー!"火の粉"だ!!」

                          「アシマリ!バルーン!!」

                    ピ ョ ン

「なら……着地を狙って"ひっかく"攻撃!!」

                          「なら、こっちも!……もう一度バルーン!!」

                    ピ ョ ン

「……おお!?」

                          「ミヅキたち……スッゲー!」

「やるな……!なら、"火の粉"で撃ち落とせ!!」

                          「……"バブル光線"で相殺!」

                 ド カ ァ ァ ァ ン !!

「……いい感じだよ!ミヅキ、アシマリ!!」

                          「う、うん。だいぶ掴めてきた……かも……!」

「……あしゃま♪」

                          「タイミングバッチリロト♪」

「よーし!この調子で明日頑張ろうぜ!!」

                          「……うん!」

________
____
__
_
 ▼ 269 ココ@ながながこやし 18/01/08 14:49:56 ID:4wdAjJDE [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

翌日――

〜2番道路 茂みの洞窟前〜

ミヅキ「そ、それじゃあ……行って、きます……!」

アシマリ「あしゃま♪」

「「    おう!頑張れよ!!       ニカッ
  頑張ってねー!ミヅキ、アシマリー!!」」ニカッ

ミヅキ「あ、ありがと、二人とも……。じゃ、じゃあ……ね……!」クルッ

アシマリ「……あおっ!」クルッ

          テクテク……                ペタペタ……

…………

……


ハウ「ミヅキー……スッゲー緊張してたけど、大丈夫かなー?」

サトシ「……だーいじょうぶさ、ハウ!昨日、あんなに特訓頑張ったんだし、それに――」

ハウ「……それにー?」

サトシ「――アシマリにモンメン……ミヅキには、ポケモンたちが付いてる!」ニカッ

ハウ「……そっかー、そうだよねー!ミヅキー……試練達成できたら、スゴく喜ぶよねー!」

サトシ「ああ。……楽しみだな!」

ピカチュウ「ピカ、チュウ♪」

________
____
__
_
 ▼ 270 dX3IS9Elqo 18/01/08 15:40:01 ID:4wdAjJDE [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ピカチュウ! "電光石火"だ!!」

ピカチュウ「……ピッ、カァ!!」シュバッ!

ハウ「モクロー! "体当たり"で迎え討ってー!!」

モクロー「……クローーッ!!」バッ

          シュタタタタッ!                ゴオォォォォ!

                  ガ キ ン ッ !

サトシ「へへっ! やるな、ハウ……モクロー!!」

ハウ「……サトシたちもねー!」

サトシ「よーし! ピカチュウ、次は――

    ……っと!」

〜〜〜〜〜〜

          テクテク……                ペタペタ……

〜〜〜〜〜〜

ハウ「……戻ってきたー!!」

サトシ「おーい! ミヅキィーー!!」ブンブン

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「……!」

……ブンブン

〜〜〜〜〜〜

サトシ「……行こうぜ! ハウ!!」バッ

ハウ「うんー!」バッ

タッタッタッ……

……
 ▼ 271 dX3IS9Elqo 18/01/08 16:16:20 ID:4wdAjJDE [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ロトム「ただいまロト!」

サトシ「お帰り! ロトム! (ニカッ

    ……ミヅキ、試練……どうだった?」

ミヅキ「えっと……」ガサゴソ


……キラーン!

サトシ「ノーマルZ……! ってことは――」

ハウ「……やったねー! おめでとー、ミヅキーー!!」

ミヅキ「う、うん。二人のおかげ……ホントにありがとう!」

サトシ「俺たちはなんにもしてないぜ? なー? ハウ!」

ハウ「そうだよー!」

ミヅキ「え? でも……!」

サトシ「だってさ――試練を突破したのも、試練のための特訓を頑張ったのも……全部、ミヅキとポケモンたちじゃん! だから――」

ハウ「……うんー! 全部、ミヅキたちの実力だよー!!」

ミヅキ「そう、かな……?///」

「「 おう!
  うんー!」」

ミヅキ「そ……そっか。全部、私たちの、実力……!」

アシマリ「あおっ!」フンスッ

ミヅキ「……うん! そうだね、アシマリ……頑張ったもんね!!」

アシマリ「……あしゃま♪」

ミヅキ「でも――」

「「?」」

ミヅキ「――私が二人にお礼を言いたいの! だから……ありがとう!!」ニコッ

「「…………!」」


「「……どういたしまして!」」ニカッ

ミヅキ「うん!」




「……フフッ。」テクテク……

「「「!!!」」」
 ▼ 272 dX3IS9Elqo 18/01/08 16:34:32 ID:4wdAjJDE [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「「イリマせん……キャプテンイリマ!
     あー! イリマ先生!?
     キャプテンイリマ!!    」」」

ハウ「……………………。」


ハウ「……キャプテンイリマー!」

イリマ「――はい!キャプテンのイリマです。

    ミヅキさん! そして、他の二人も改めて……試練達成、おめでとう――ですよ。」

「「「  はい! ありがとうございます!      ペコッ
   うんー! ありがとう、キャプテンイリマ!   ニカッ
     ありがとう……ございます……!   」」」ペコッ

イリマ「次はいよいよ、大試練ですね。三人とも、がん「ぉーぃ。」

    ………………おや……?」

サトシ「この声は――」

「「ククイ博士だー!
  博士の声……?」」

****
 ▼ 273 dX3IS9Elqo 18/01/08 23:39:10 ID:4wdAjJDE [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ククイ「おお! 三人とも……イリマの顔を見るに、試練達成かな。」

イリマ「ええ。皆さん……素晴らしいバトルを見せてくれました。」

ククイ「そいつは良かった! では……僕からの"プレゼント"に、Z技についてお教えしよう!」

「「「    Z技について!?       ワクワク
     わー! 教えて教えてー!    ピョン!ピョン!
   博士……ありがとうございます!」」」ペコッ

ククイ「まず、ノーマルZをZパワーリングにセットして――!」シャキーン!


ククイ「――そして、ノーマルタイプの技が使えるポケモンのバトルの時にZパワーを高めるポーズをとれば!」バッ


ククイ「――そのポケモンの持つノーマルタイプの技が、Z技に変化するのさ!」

サトシ「……おおおお! ってことは、電気タイプのピカチュウでも"電光石火"を覚えてるから……ノーマルZを使えるのか!!

    早く使ってみたいな! だろ? ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピカ!」ワクワク

ハウ「サトシ、いつにも増して楽しそうだねー。」

ミヅキ「……ホントねっ。」クスッ

サトシ「だってZ技だぜ!? カントー地方で博士の使ったZ技を初めて見た時から……ずっと憧れてたんだ!!

    二人だって、ワクワクするだろ!?」キラキラ

ミヅキ「そりゃあ、確かに楽しみだけど――」

ハウ「サトシの楽しみ具合には負けるよー。」

ミヅキ「……うん。」

サトシ「ちぇー! なんだよ、二人とも……ノリ悪いなー……。

    ――なあ! 博士! ……もっと詳しく、色々教えてよ!!」ガバッ!

ククイ「わかった、わかった! ……焦らなくても、僕は逃げも隠れもしないぜ!」
 ▼ 274 ロストロトム@アクZ 18/01/08 23:41:07 ID:RvU8GiVM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援支援支援
 ▼ 275 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/09 00:13:40 ID:oXBU0SKc [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ご、ごめんなさい……。」バッ

「「…………。」」ニガワライ

ククイ「気を取り直して……Z技の一番の特徴、それは――」

サトシ「それは……?」キラキラ

ククイ「――ずばり! 『必ず相手に当たる』――というところさ!」

サトシ「必ず相手に当たる!? ってことは……!」プルプル

「「「……?」」」

サトシ「……ってことは! ――ひたすらZ技を撃ち続ければ無敵ってこと!?」

……ズコー!



サトシ「……あれ?」

ピカチュウ「ピカピ……。」

ククイ「サトシ……キミはなにか勘違いしてやいないかい?」

サトシ「勘違い――?」

ククイ「ああ。……Z技は、別に"角ドリル"のような一撃必殺技――というワケではないんだぜ!

    全てはかわせなくても、技の一部を往なして、ダメージを減らしたり……もちろん、通常の技と同じように、強い威力の技をぶつければ相殺することだってできる。

    そしてなにより――」

「「       Z技はねー! 一度のバトルで……一回しか使えないんだよー!
  Z技は、ポケモンもトレーナーも大きく体力を消耗するから……バトル中、一度しか使えないの。」」

サトシ「……え? そうなの?」

「「……。」」コクッ、コクッ

サトシ「というか……なんでハウとミヅキが知ってるの!?」

ククイ「サトシ……詳しい使い方についてはともかく、このことに関しては……ポケモンスクールでも教えてもらえるハズだぜ?」

サトシ「……え? そうなの?」

「「……。」」コクッ、コクッ

イリマ「……ええ。確かにその通りですね。」

ククイ「ハア……。キミのこれからの島巡り……先が思いやられるぜ……。」ガックシ

イリマ「……博士の浮かない感じは、それだけが理由でしょうか?」
 ▼ 276 dX3IS9Elqo 18/01/09 17:31:04 ID:oXBU0SKc [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ククイ「ああ! "ド忘れ"していた!

    この辺りにはそこまで強い野生ポケモンもいないし、のどかなところだから心配ないとは思うんだが――

    ――あれなんだ! ……3番道路で、リーリエとはぐれてしまってね……。」

「「「……え!? リーリエと!!?
   リーリエ、また迷子なのー!?
    リーリエちゃんと……!? 」」」

……サササッ!


「「…………?」」


ミヅキ「(ね、ねえ……これってマズいんじゃない?)」ヒソヒソ

サトシ「(ああ……! ロケット団の連中、茂みの洞窟に姿を現したってことは……まだ、この辺りにいるハズだぞ……!)」ヒソヒソ

ハウ「(あの人たち、コスモッグのことを狙ってるんだよねー?)」ヒソヒソ

サトシ「(……コスモッグ?)」ヒソヒソ

ハウ「(あ、うんー。ほしぐもちゃんは、ホントはそういう名前のポケモンなんだってー! リーリエが言ってた。)」ヒソヒソ

サトシ「(へぇ……。てっきり、ほしぐもって名前のポケモンだと思ってたよ。)」ヒソヒソ

ミヅキ「(……今はその話はいいでしょ!? とにかく……博士とイリマ先生にも相談してみようよ!)」ヒソヒソ

「「(ああ、そうだな!   ヒソヒソ
     うんー!  )」」ヒソヒソ

……クルッ


「「……"ないしょ話"はおしまいかな?
  ……ヒソヒソ話は終わりましたか?」」

「「「……実は――」」」

****
 ▼ 277 dX3IS9Elqo 18/01/09 19:30:31 ID:oXBU0SKc [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

イリマ「……ロケット団、ですか……。」

ククイ「その名前は、以前参加した研究者同士のフォーラムで聞いたことがあるぜ……。確か、カントー地方を拠点とするポケモンマフィアだったか……。」

ハウ「人のポケモンを盗ろうとする悪い人たちでねー――」

ミヅキ「――今、この辺りにいるハズなんです!」

サトシ「――アイツら、俺のピカチュウと……リーリエのほしぐもを狙ってるんだ!」

イリマ「まさか、そんな連中がこのアローラ地方に来ていたとは……。」

ククイ「サトシ! ――そして、ハウとミヅキも。……ピカチュウも狙われていると聞いた上で、キミたちに頼むのは心苦しいんだが――

    ――彼女を探してくれないか?」

「「「もちろん! 任せといてよ!   ニカッ
    うんー! 任せてー!
      は、はい!     」」」

ククイ「……すまないね。ありがとう、みんな! (ニッ

    だが……危ないと思ったら、すぐに助けを呼ぶんだ。いいね?」

「「「……はい!」」」

イリマ「……では、僕も心当たりを調べてみますね。念のため、洞窟の様子も見てきます。」

ククイ「ああ。手分けして探すとしよう!」




サトシ「……行こうぜ! ハウ、ミヅキ!!」

「「うん!」」

________
____
__
_
 ▼ 278 dX3IS9Elqo 18/01/09 21:56:54 ID:oXBU0SKc [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ロトム「……リーリエは3番道路のどこだロ?」

サトシ「こういう時は――!」カチッ


サトシ「――頼んだぜ! ツツケラ、キミに決めた!!」ポーン

パカーン!

ツツケラ「ケラーーッ!」バサバサ

サトシ「ツツケラ! 空からリーリエを探してほしいんだ! ……頼めるか?」

ツツケラ「……ケラッ!」コクッ

サトシ「……サンキュー!」ニカッ

ハウ「……モクローも、ツツケラと一緒に探してくれるー?」

モクロー「……もふぅ!」コクッ

ハウ「ありがとー! モクロー!!」ニカッ

ミヅキ「なら、私も――!」カチッ

サトシ「……え? けど、ミヅキは飛行タイプのポケモンは――」

ミヅキ「――お願い! モンメン!!」ポーン

パカーン!

モンメン「モン♪」フワリ

ハウ「……モンメンにー、どうやって探してもらうのー?」

ミヅキ「それはね――

    ……お願いできる? モンメン!」

モンメン「……モン!」コクッ

ミヅキ「ありがとね! モンメン!! (ニコッ

    ――こうするんだよ! モンメン……"妖精の風"!!」
 ▼ 279 dX3IS9Elqo 18/01/09 22:24:40 ID:oXBU0SKc [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

モンメン「……モーーンッ!!」ブワッ

ヒュォォォォ……

……

モンメン「……モン♪」フワフワ

「「おおーー!?」」

ハウ「……スッゲー! 自分の起こした風に乗って飛んでったーー!!」ピョン!ピョン!

サトシ「さすがはミヅキだぜ!」

ミヅキ「え、えへへ……/// 二人とも、ありがと! (ニコッ

    ……あのコに初めて会った時、ロトムが……あのコは、風に乗って2番道路に来たんじゃないか、って言ってたでしょ? それで――

    ――もしかしたら、自分の起こした風にも乗れるんじゃないかって、そう……思ったの。」

ハウ「おー! なるほどー!」

サトシ「よーし、俺たちも負けてらんないぜ! 行ってくれ、ツツケラ!!」

ハウ「……モクローも、お願いー!」

「「……ケラー!  バサバサ
  ……クロー!」」バサバサ

…………

……

サトシ「……俺たちも地上を探そう!」

「「うん!」」

****
 ▼ 280 dX3IS9Elqo 18/01/09 23:00:07 ID:oXBU0SKc [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

タッタッタッ……

ピタッ!

サトシ「……そっちはいたか!?」

……フルフル

ハウ「ううんー。全然見つからないねー……。」

ミヅキ「リーリエちゃん、どこに行っちゃったんだろう……。モンメンたちはどうしてるかな?」

サトシ「とりあえず、アイツらが戻ってくるまでもうちょっと――

    …………あっ!」

〜〜〜〜〜〜

「もふ、もふぅ!」

  バサバサ!                          「ケラーーッ!」

「モン、モンッ!」                         バサバサ!

   フワフワ

〜〜〜〜〜〜

ハウ「……戻って来たー!」ピョン!ピョン!

サトシ「おーい! ツツケラァーーッ!!」ブンブン

ミヅキ「モンメーーン!!」ブンブン

****
 ▼ 281 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/09 23:22:00 ID:oXBU0SKc [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「……お帰り! モンメン!!」ギュッ!

モンメン「モン♪」スリスリ

「「 どうだった? ツツケラ!
  リーリエいたー? モクロー!」」

「「……ケラッ!  コクッ
  ……もふぅ!」」コクッ

「「ホントか!? やっ――たぜ!!
   わー! 良かったー!!   」」

ミヅキ「……スゴい! 偉いよ、モンメンーー!!」ギューー!

モンメン「モ、モン……///」

サトシ「――で、どっちにいたんだ!?」

ツツケラ「……ケラッ!」ビシッ!

ロトム「アッちハ……メレメレの花園の方角ロト!」

ミヅキ「メレメレの花園……モンメン、あなたのいたところだね。」

モンメン「……モン♪」

サトシ「いつロケット団が来るかわからない……急ごう!」

________
____
__
_
 ▼ 282 ンド@たまむしプレート 18/01/10 06:16:35 ID:nJWAoadg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 283 dX3IS9Elqo 18/01/10 21:00:40 ID:UYShmFok [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜メレメレの花園〜

タッタッタッ……

……


サトシ「……ここにリーリエがいたのか?」

ツツケラ「ケラッ!」コクッ

サトシ「サンキュー! ……助かったよ、ツツケラ!」ニカッ

ツツケラ「……ケラ♪」

サトシ「……戻っててくれ。」ポヒュン

ミヅキ「リーリエちゃん……どこだろう?」

キョロキョロ……

……


ハウ「……あー! 二人とも、あそこー!」ビシッ!

〜〜〜〜〜〜

リーリエ「ほしぐもちゃん……無茶しないで……。」

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「……急いで合流しよう!」

****
 ▼ 284 dX3IS9Elqo 18/01/10 21:11:46 ID:UYShmFok [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ぉーぃ。」


リーリエ「!」クルッ

タッタッタッ……

サトシ「……やっと見つけた! リーリエ!」

リーリエ「あ……サトシさん……。」

タッタッタッ……

「「 リーリエー!
  リーリエちゃん!」」

リーリエ「ハウさん、ミヅキさんも……。」

ミヅキ「……博士がはぐれたって言ってたから、探してたの!」

ハウ「無事で良かったよー!」ニカッ

ミヅキ「……ここでなにしてたの?」
 ▼ 285 dX3IS9Elqo 18/01/10 21:52:15 ID:UYShmFok [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ……リーリエが振り返り、花園の奥を見つめる――

 メレメレの花園――周囲を崖に囲まれただだっ広い空間に、美しい、黄色の花が一面に咲き誇る神秘的な場所……。その、最奥の岩壁の手前……やや段差になった場所に、ほしぐも――コスモッグが、はしゃいだ様子で動き回っているのが見える。




――クルッ

リーリエ「ほしぐもちゃん……バッグから飛び出しちゃって……。

     花園の奥に入っちゃったのです……。」


リーリエ「吊り橋で酷い目にあったのに、あのコったら……。野生のポケモンさんが出てきても、戦える技――ないのに……。」

ロトム「……ほしぐもちゃんを早く助けロトよ!」

サトシ「ああ! ……心配すんなよ、リーリエ!」

ハウ「俺たちがー――」

ミヅキ「――迎えに行ってくるから!」

リーリエ「………………!」パアァ……!


リーリエ「ありがとうございます。よろしく……お願い、します……。」ペコッ

「「「    おう! 任せとけ!      ニカッ
      うんー! 任せてー!      ニカッ
   すぐに助けてくるから、待ってて!」」」ニコッ


サトシ「……よっしゃ! 行こう――」


                「   ぴゅい!? ぴゅい〜〜!!!   」


「「「「!?」」」」

 ……四人が慌てて、コスモッグの方へと振り返る。そこには――プロペラの着いたカプセルのような、小型の機械に閉じ込められ……宙に浮かぶコスモッグの姿があった――。

リーリエ「ええ……。なんですか……?」
 ▼ 286 dX3IS9Elqo 18/01/10 22:13:25 ID:UYShmFok [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「『ええ……。なんですか……?』と言われたら」

「聞かせてあげよう、我らが名を」



「花顔柳腰・羞月閉花――

 儚きこの世に咲く一輪の悪の花、ムサシ!」



「飛竜乗雲・英姿颯爽――

 切なきこの世に一矢報いる悪の使途、コジロウ!」



「一蓮托生・連帯責任――

 親しき仲にも小判輝く悪の星、ニャースでニャース!」



「「ロケット団、参上!」」

「……なのニャ!」
 ▼ 287 晩はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/11 00:07:32 ID:fVDulpPk [1/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「「「ロケット団! またお前たちか!!
    わー! ホ、ホントに出たー!?
       またアナタたち……!
      ほ、ほしぐもちゃん……!  」」」」

リーリエ「ほ……ほしぐもちゃんを返してください!」

ムサシ「……返せと言われて返す悪はいないのよ!」

ニャース「このポケモンは我らがロケット団のボス、サカキ様に献上するため――」

コジロウ「――俺たちがいただくぜ!」

……ポンッ! パカーン!

ソーナンス「……ソーーナンスッ!」スタッ

サトシ「……そんなことさせるか!」

ムサシ「あーら、ジャリボーイ! ……昨日はよくもやってくれたわね――?」

コジロウ「――お前にも昨日の借り、返さないとな?」

ニャース「――覚悟するニャ!」

サトシ「なんのことだよ?」ツーン

ムサシ「……しらばっくれるんじゃないわよ!!」

コジロウ「お前が俺たちを利用して――」

ニャース「――チンピラ共から逃げたことの話しニャ!」

サトシ「……ヘンッ、だ! お前らがあんなところにいたのが悪いんだろ!? 茂みの洞窟はなぁ――!」

ムサシ「――『試練を受ける人間以外、入ってはいけない』……でしょ!? それぐらい、知ってるわよ!!

    ……だーからあそこであんたを待ち伏せてたんでしょうが!!」

コジロウ「まさか、あんなヤツらと出会すとはな……。」

ニャース「小物の癖して、ニャーたちの邪魔をするとは……目障りなヤツらだったのニャ。」

サトシ「……その小物のチンピラとおんなじ作戦立ててたのは、どこのなんちゃら団だよーー、だ!!」アッカンベー

ムサシ「キィーーッ! ムカつくぅーー!!!」ジダンダ

コジロウ「……とにかく、昨日の借りは返す!」

ニャース「今一度、覚悟するニャ!」

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

サトシ「ハウ、ミヅキ……来るぞ! リーリエは下がってて!」

「「「         うんー! 任せてーー!!
              わ、わかった!
   は、はい! 皆さん……ほしぐもちゃんを、お願い、します……!」」」
 ▼ 288 dX3IS9Elqo 18/01/11 13:54:44 ID:fVDulpPk [2/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ほしぐもを助け出すんだ! ……頼んだぞ、ピカチュウ!!」

……バッ! スタッ!

ピカチュウ「……ピッカァ!」パリッ!パリッ!

ムサシ「……ほーら、アンタの大ッッキライなピカチュウが出てきたわよ! 今度こそちゃんとバトルしなさいよ――ミミッキュ!!」シュッ!

パカーン!

ミミッキュ「……ミミ、キュ。」スタッ

――ジロッ

ピカチュウ「……ピカ!?」

ミミッキュ「……キューーッ!!!」ゴォォォ!

「「「「「「「!!?」」」」」」」ビクッ!

サトシ「な……なんだ!?」

ニャース「ミ、ミミッキュが燃えているのニャ……!」ブルブル

ソーナンス「ソーナンス……!」ブルブル

ムサシ「な、なによ、アンタ! 昨日とは打って変わって、ヤル気出しちゃって……!

    ……良いわよ、ミミッキュゥー! やっちゃってーーッ!!」キャッ!キャッ!

コジロウ「そうだそうだー! いけいけー! ミミッキュゥーー!!」キャッ!キャッ!

サトシ「くっ……! 気をつけろ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピカッ!」コクッ


ハウ「……モクロー、よろしくー!」

……バッ! バサバサ!

モクロー「……クローーッ!」ヒュイーン――

ニャース「ニャニャ!? モクロー……アイツはなかなか厄介なヤツなのニャ……!」

ソーナンス「……ソーナンス?」クビカシゲー

ミヅキ「私たちも! アシ――」

……コロンッ

ミヅキ「――?」

ポンッ! パカーン!

モンメン「……モンッ!」フンスッ
 ▼ 289 dX3IS9Elqo 18/01/11 15:21:15 ID:fVDulpPk [3/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「モンメン……!?」

モンメン「……モン!モン!」ピョコ!ピョコ!

ミヅキ「どうしたの? モンメン……。なんで急にで――」

サトシ「わかるぜ、モンメン! ……お前の考えてること――!」

ミヅキ「!」

サトシ「――自分の故郷で悪いことをする……ロケット団のヤツらが許せないんだろ?」

ミヅキ「……そうなの? モンメン……。」

モンメン「……モン!」コクッ

ミヅキ「モンメン……。」


ミヅキ「……………………。」

モンメン「モンッ……!」ジーー

ミヅキ「……………………わかった。――一緒に戦おう、モンメン!」ニコッ

モンメン「モン♪」

サトシ「俺たちと一緒に、ロケット団を花園から追い払おうぜ! モンメン!!」ニカッ

ハウ「モクローも戦うからー、一緒に頑張ろうねー! モンメン!!」ニカッ

「「ピカピカ♪
  もふぅ♪ 」」

モンメン「…………モンッ……!」コクッ












……パンッ!パンッ!

ムサシ「ハイ、ハイ、ハァーーイ! ……いつまでお涙頂戴の茶番劇やってんのよ?」

「「「!」」」
 ▼ 290 dX3IS9Elqo 18/01/11 16:31:56 ID:fVDulpPk [4/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ムサシ「……そーんな綿菓子みたいなちっこいコが、ウチのミミッキュに勝てるとでも思ってんの?」

ミヅキ「……!」ムカッ

ニャース「おミャーらも知ってるのニャ? このミミッキュの力は――」

コジロウ「――ジャリボーイのピカチュウと互角……いや、それ以上だ!!

     ……潔く、観念するんだな。」

ミヅキ「あなたたちこそ――」プルプル……

「「「……ハァーー!? 聞ーこーえーなーい!!!」」」

ミヅキ「――あなたたちこそ!!

    ……モンメンをあまく見ないでよ! このコだって、サトシくんのピカチュウにも、ミミッキュにも負けない……」


              「   とっても強いコなんだから!!!   」


ミヅキ「はぁ、はぁ……。」

「「「「「「……。」」」」」」ポカーン……




ムサシ「い……言うじゃないのよ、ジャリガール!」

コジロウ「な……な↑ら! ――く、く、口だけじゃないってところを、見せてもらうぜ!」

サトシ「た……たた頼もしいぜ! ミヅキ、モンメン!!」ニンマリ

ハウ「ほ、ホントにー! おど、オドリドリ……驚いたよ!」ニンマリ

リーリエ「ミミミミヅキさん……ほ、ほしぐもちゃんを、よろ、よろしくお願いします!?」ニッコォ……

ハウ「(……なんかミヅキー……普段とキャラ違わない?)」ヒソヒソ

サトシ「(まさかアイツが、あんな大きな声で怒鳴るなんてな……。)」ヒソヒソ

リーリエ「(ビックリしました……。)」ヒソヒソ


ムサシ「(ちょっと……なんかあのコ、前とキャラ変わってない!?)」ヒソヒソ

ニャース「(こどもの成長は早いのニャー……。)」ヒソヒソ

シミジミ

ソーナンス「(……ソーナンス?)」ヒソヒソ

コジロウ「(……人間にはみんな、裏の顔があるって言いうからなぁ……。――って)」ヒソヒソ


           「「「「「「(そんな場合じゃない!!!)」」」」」」
 ▼ 291 dX3IS9Elqo 18/01/11 17:07:20 ID:fVDulpPk [5/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

――クルッ

サトシ「……と、いうワケで……観念するのはお前たちの方だ! ロケット団!!」

ムサシ「……どーいうワケか知らないけど、こちとら天下無敵のロケット団……やってやろうじゃないの!

    ……ほら! ――ニャース、ソーナンス! ……あんたたちも行く!!」

ニャース「ニャニャ!? ニャーたちもニャ!!?」

ソーナンス「……ソーナンス!?」

ムサシ「……仕方ないでしょーが! あたしらは今、アローラ地方に来たばかりで……ポケモンがこのコしかいないんだから!」

コジロウ「まさに『ニャースの手も借りたい』――ってな!」

ニャース「ニャ〜……仕方ないのニャー……。」

ソーナンス「ソーナンス……。」




……ババババババッ!


                ピカ/モク/モン「「「…………!」」」


                ミミ/ニャー/ソー「「「…………!」」」


                   ジ リ ジ リ…… !


                 ヒ ュ ォ ォ ォ ォ ォ…… !


コロコロコロ…… ←タンブルウィード(西部劇のアレ)の転がる音

……






サトシ「……まずはあの機械を壊すぞ! ――"10万ボルト"!!」

「「「「「!!!!!」」」」」

ピカチュウ「ピカッ! チュウゥゥゥゥ!!!」


                バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


コスモッグ「ぴゅい――」
 ▼ 292 dX3IS9Elqo 18/01/11 21:09:24 ID:fVDulpPk [6/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
















             「   ソーナンス! "カウンター"!!!   」


……バッ!

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」

サトシ「しまっ――」


                      キ ン ッ !




                バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


ピカチュウ「ピカ――!」
 ▼ 293 dX3IS9Elqo 18/01/11 22:16:27 ID:fVDulpPk [7/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 コスモッグの捕らわれた機械を破壊すべく放たれた、ピカチュウの電撃……そのコースに、自身の正面に光る壁を展開したソーナンスが割って入る。――電撃はソーナンスに触れた途端、周囲に拡散し、そして――

 ――Uターンしてピカチュウ目掛けて飛んで行く。四方八方からの電撃がピカチュウに襲いかかる……!

サトシ「くそっ……! なら――!

    ――"電光石火"だ!!」

ピカチュウ「! ……ピカ! チャアッ!!!」

ソーナンス「……ナンスッ!!?」

 ピカチュウが瞬時に姿を消す。自身に迫る電撃……その合間を縫うように進み、捕らわれのコスモッグ目掛けて駆け抜ける。


ピカチュウ「ピッ!ピッ!ピッ!……」シュタタタタッ!


コジロウ「速い……!」

ソーナンス「……ナンッ、ナンッ……!」オロオロ

ムサシ「……っ! ちょっと、ソーナン――」

ピカチュウ「……ピッカァ!!!」

 ……ピカチュウが小さく飛び上がる。ピカチュウの飛んだ後が、光の軌跡を描く――

ミミッキュ「……………………キュキューーッ!!」

ピカチュウ「…………ピカ!!?」

 ――もう数瞬の後、ピカチュウが捕らわれのコスモッグの元へとたどり着かんとする……その時。――ピカチュウの視界の端に黒い球体が映る。……真横からミミッキュによって放たれた、"シャドーボール"である。


                ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!


ピカチュウ「……ピ、ピカァ〜〜!?!?!?」アタフタ

サトシ「……ピカチュウッ!!」


「「  ……モクロー! "木の葉"ー!!
  ……モンメン! "葉っぱカッター"!!」」

「「クロ、クローーッ!  バサバサ
   モーーンッ!  」」バッ


                  カ ッ ッ ッ ッ !!!!


                ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!
 ▼ 294 dX3IS9Elqo 18/01/11 22:51:19 ID:fVDulpPk [8/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「ピカッ…………!」

 ピカチュウに迫る"シャドーボール"と、モクローとモンメンの放った"木の葉"と"葉っぱカッター"……3体のポケモンの放った技がぶつかり合い、激しい爆発を起こす。

 横からの爆風に煽られ、ピカチュウが大きく吹き飛ばされる――

ピカチュウ「……………………ピカッ!」

 ――最中、くるくると回転し、体勢を立て直すピカチュウ……そのまま、コスモッグからやや離れた位置に着地する。

サトシ「……大丈夫か、ピカチュウ?」

ピカチュウ「ピッカ!」コクッ

サトシ「……助かったぜ! ハウ、ミヅキ!!」ニカッ

「「……うん!」」コクッ


ムサシ「……ざぁーんねんねぇーー! そう簡単には通してあげないわよぉ〜〜?」オーホッホッホッ!

ソーナンス「ソーナンス!」

サトシ「くっそー……。厄介だな、ソーナンス……! それに――」


ミミッキュ「キュ……!」


サトシ「――アイツも……!」

ピカチュウ「ピィカァ……!」パリッ!パリッ!
 ▼ 295 dX3IS9Elqo 18/01/11 23:14:18 ID:fVDulpPk [9/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「……なーなー、ミヅキー!」

ミヅキ「……どうしたの?」

ハウ「"カウンター"ってー……物理攻撃を跳ね返す技だよねー? どうして"10万ボルト"が跳ね返されちゃったのー?」

ミヅキ「それが――」チラッ


ソーナンス「……ナンナンス?」


ミヅキ「――あのソーナンスは、自分で相手の技が物理か特殊か判別して……それで、"カウンター"と"ミラーコート"を使い分けてるみたいなの。」

ハウ「……ポケモンが自分でー!? スッゲー!!」ピョン!ピョン!

サトシ「おい、ハウ! ……なに感心してるんだよ?」

ミヅキ「そうだよ、ハウくん! ……敵のポケモンでしょ?」

ハウ「えへへー、ゴメンゴメン! ……ポケモンが自分でかぁ〜〜……。」


ハウ「…………………………………………。」ウーン……!

「「 ……ハウ?
  ……ハウくん?」」

ウーン、ウーン……

……


ハウ「……………………!」ピコーン!

サトシ「おい、さっきからどうし――」

ハウ「……閃いたー! あのポケモンを倒す方法!!」ニカッ

「「……ホントか!?
   ……え!?  」」

ハウ「うん! 二人とも、耳貸してー!」

……サササッ!

ハウ「あのねー、……………………!」ヒソヒソヒソヒソ……
 ▼ 296 dX3IS9Elqo 18/01/11 23:35:19 ID:fVDulpPk [10/10] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ヒソヒソヒソヒソ……

……


ムサシ「……なーんか、やなかんじー――じゃない?」

ニャース「なのニャー……。」

ソーナンス「ソーナンス……!」

コジロウ「……大人はなぁ! 面と向かってこどもたちにヒソヒソ話されると、傷つくんだぞ!?」


……

……ニヤリ

バババッ!

サトシ「……よし! やるぞ、みんな!!」ニカッ

「「おおーー!!」」



「お願い、モンメン!」


                            「よろしくー、モクロー!」


                「頼んだぞ、ピカチュウ!」



  「……モンッ!」
    フ ワ リ

                             「……クローーッ!」
                               バ サ バ サ

                  「……ピッカァ!」
                    シ ュ タ ッ



ニャース「な……なんニャ!?」

ムサシ「ちょっと、あんたたち! ……なに始めようってのよ!?」
 ▼ 297 晩はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/12 00:09:09 ID:YMyt5hic [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……今にわかるって! ――"エレキボール"だ!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ピカピカピカ――!」

 ピカチュウが後方に高く飛び上がり、くるくると回転しながら……尾の先端に、球状に電気を溜める――

ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」

 ――直後、身体を振ることで、ソーナンス目掛けて勢いよく電気を飛ばす。

ムサシ「……何度やっても同じことよ! ソーナンス――"カウンター"!!」

ソーナンス「……ソーーナンスッ!!」



ミヅキ「……今だよ! ――"妖精の風"!!」

「「……!?」」

モンメン「……モーーンッ!!」

コジロウ「だが、"妖精の風"も特殊攻撃のハズじゃ――

     ――っ!? なんだぁ!!?」

 ……自身に迫る電撃を反射すべく、再びソーナンスが光る障壁を展開する。しかし――

 ――電撃がソーナンスへと届く、その数瞬前。……モンメンが横から起こした風に煽られ、"エレキボール"がその軌道を変える。ソーナンスからやや反れた右側を通過し、後ろの岩壁に衝突、爆散する。

ムサシ「……自分の味方の技に、なにやってんの? アホくさっ!」

ニャース「……! 違うのニャ! ニャーたちが気を取られてる隙に……モクローが消えてるのニャ!!」

コジロウ「あ、ホントだ! あのポケモン……いなくなってるぞ!!?」キョロキョロ

ムサシ「ちょ……なによそれ!?」キョロキョロ


「クロ……ッ!」


ソーナンス「……ナンス!?」

 ソーナンスが自身の周囲に、モクローの気配を感じ取る――

ハウ「……今だよー! モクロー!!」

ムサシ「……! ソーナンス、"カウンター"よ!」

ソーナンス「……ナン、ナンス……?」アタフタ

ムサシ「……ちょっと、どうしたのよ!? ソーナンス!」

ハウ「……ポケモンがー、自分で判別してるのなら……死角からの攻撃は、どっちかわからないよねー?」ニヤリ

ムサシ「!」
 ▼ 298 dX3IS9Elqo 18/01/12 20:44:20 ID:YMyt5hic [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……。」チラッ

ピカチュウ「!」


ピカチュウ「……?」キョトーン

サトシ「……。」クイッ、クイッ

ピカチュウ「……!」

……コクッ

コソコソ


ムサシ「ミ、"ミラーコート"じゃない方――」

モクロー「……………………クローーッ!!」バッ


                  ド ゴ ォ ォ ォ ォ…… !!


ソーナンス「……ナン…ッ……!」

 段差の上から蹴落とされ、ソーナンスの身体が宙を舞う……。

「「「……ソーナンス!!!」」」



ミヅキ「(……ここで倒し損ねたら、体勢を立て直されて……また、攻撃を反射されちゃう……!)

    モンメン――!」


                「   させないわ!!!   」


ミヅキ「――っ!」

ムサシ「……ミミッキュ! ――あの綿菓子もピカチュウの仲間よ! 止めて!!」

ミミッキュ「キュ……。」クルッ

――ギラリ

モンメン「……!」ビクッ!
 ▼ 299 dX3IS9Elqo 18/01/12 21:25:46 ID:YMyt5hic [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミミッキュ「ミミッ――」

 ミミッキュが自身の正面にエネルギーを凝縮し……漆黒の球体を造り出す――

ミミッキュ「――キュキューーッ!!」

 ――直後、上空のモンメン目掛け……勢いよく解き放つ。


                ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!


ムサシ「……よっし!! ナイス、ミミッキュ!!」グッッ!

ミヅキ「(ソーナンスを倒すチャンスなのに……!) モンメン、かわし――」

ガサガサッ!

……バッ!

ミミッキュ「……ッキュ!?」


           「「   ……そうくると思ったぜ!
                  ……ピカピカァ!     」」


「「「「「「!!?」」」」」」

 モンメン目掛けて飛ぶ"シャドーボール"……そのコース上の花の中から、突如としてピカチュウが姿を現す。上空の"シャドーボール"を見つめながら、トレーナーのサトシと共に不敵に笑う――。


「「「「「「   え!? ピカチュウー!? ……なんでーー!!?
            ピカチュウ!? どうして……。
          え!? ピカチュウさん……いつの間に!?
      ちょっと……なんでピカチュウがあんなところにいるのよ!!?
           なんだぁ!? ……いつの間に……?
        ニャニャ!? ピカチュウが瞬間移動したのニャ!!?  」」」」」」


サトシ「……モクローの得意技を真似させてもらったよ! ――ミヅキ!!」

ミヅキ「!」

サトシ「……あっちは俺とピカチュウがなんとかするから、モンメンと一緒にソーナンスを頼む!」

ミヅキ「う、うん!!」
 ▼ 300 dX3IS9Elqo 18/01/12 22:29:06 ID:YMyt5hic [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


             「「   "アイアンテール"!!!
                  "葉っぱカッター"!!!   」」


モンメン「モンッ――」ヒラヒラ……


モンメン「――モーーンッ!!」バッ

シュパパパパパッ!


ピカチュウ「……ピッカ――!」

 ピカチュウの尾が白銀に煌めき……その状態で、垂直に高く飛び上がる――


                ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!


ピカチュウ「――チュ! ピッ!!!」

 ――そのまま空中で縦に回転し、迫る"シャドーボール"に真上から尾を降り下ろす。白銀の尾と漆黒の球体……2匹のポケモンの技が激しく火花を散らし、せめぎ合う。

ピカチュウ「ピッ……カァ……ッ!」グググッ……

          バチッ!!

                                  バチッ!!

ピカチュウ「ピカ、ピ、カァ……ッ!!」グイッ!


                      バチッ!


ピカチュウ「……………………ピッカァ!!!」ブオンッ!!


                ズ ダ ァ ァ ァ ァ ン !!!!


サトシ「……よっしゃ!!」グッ!

 ……ピカチュウが競り合いを制し、その勢いで空中で一回転する。――競り負けた"シャドーボール"は真下に向け弾かれ、地表に衝突し……霧散する。

サトシ「後は――」


                ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


サトシ「――!」
 ▼ 301 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/12 23:34:10 ID:YMyt5hic [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ソーナンス「……ナンス〜〜……!」グルグル


サトシ「……やったな! ミヅキ、モンメン!!」ニカッ

「「……うん!  ニコッ
  ……モン♪」」

サトシ「後はほしぐもを助ければ――」


                「     まだよ!!!     」


「「「!!!」」」

ムサシ「……こっちにはまだミミッキュが残ってんのに……そう簡単にいくと思ってんの!?」

ミミッキュ「……キュッ!」

サトシ「! ……来るぞ、ピカチュウ!!」

 ミミッキュが、その身に纏った布……その足下から、黒い、異形の怪腕――"シャドークロー"を繰り出し、ピカチュウに迫る――

ピカチュウ「……ッ! ピカ――」

ミミッキュ「……キューーッ!!」

 ――そのまま、瞬く間にピカチュウへと肉薄し……その頭上目掛けて、怪腕を降り下ろす。

サトシ「くっ……! かわせ!」

ピカチュウ「……ピッカ!」サッ

……スカッ

ムサシ「……逃がすな! ミミッキュ!!」

ミミッキュ「キュッ! ……キュッ!」

ピカチュウ「ピカッ! ……ピカ……ッ!」

 最初の一撃をかわし距離をとろうとするピカチュウに対して、ミミッキュが追い縋り……2撃目、3撃目と執拗に攻撃を続ける……!



ピカチュウ「……ピカ……ッ!?」ジッ!

ロトム「……頬を掠めたロト!」

サトシ「くそっ! ……迎え討て、ピカチュウ! ――"アイアンテール"!!!」

ピカチュウ「ピカ――!」

 ピカチュウの尾が、再び光りを帯びる――


                 ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!
 ▼ 302 dX3IS9Elqo 18/01/13 17:28:46 ID:BX6ZU1jY [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ピカッ!」

                                    ガキンッ!

                   「キュッ!」

 スカッ!


                ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!


                                「……ピカ……ッ!」

「キュキューーッ!!」

                    ガキンッ!

                                    キイィン!

                 「……ピ……ッ!?」

 スカッ!

                                    ガキンッ!

                「キュキュキュッ!!」
 ▼ 303 dX3IS9Elqo 18/01/13 17:54:27 ID:BX6ZU1jY [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_

ミヅキ「……ピカチュウ、押されてるみたい……。」

ハウ「……けど、今がチャンスだよー! ――ピカチュウがミミッキュと戦ってくれてる間にー……俺たちで、ほしぐもちゃんを助けようよー!」

ミヅキ「! ……う、うん! そうだね!」




ミヅキ「……よし! まずはあの機械をなんとかしなきゃ……。モンメン――"妖精の風"!!」

モンメン「……モーーンッ!!」

 モンメンが激しい風を巻き起こし、コスモッグを覆う機械を狙う――


「…………そうはさせないのニャ! "乱れひっかき"ニャ!!」


「「……!」」

 ――モンメンの巻き起こした風……そのコース上に突如としてニャースが割って入り、鋭い爪を振り回す。爪に当たった風は分散され、幾重にも引き裂かれ……そのままかき消される――。

ミヅキ「(くっ……! ミミッキュとソーナンスばかりに気を取られて、あのコのことを忘れてた……!)」


コジロウ「……やるじゃないか、ニャース! まるでニャースじゃないみたいだ!!」

ニャース「……それ、褒めてるのかニャ? それとも貶してるのニャ?」

ハウ「けどー――」

ニャース「……なんニャ?」


「クロッ……!」


ニャース「ニャニャ!? ……またいつの間にかモクローが――!!」

ハウ「……"体当たり"ー!!」
 ▼ 304 ルディオ@セシナのみ 18/01/13 18:17:36 ID:T3ZV8D.c NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
アニメでニャースは正直もっと強くてもいいとおもう
 ▼ 305 dX3IS9Elqo 18/01/13 19:25:57 ID:BX6ZU1jY [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ニャース「――ニャァァァァァ!!?」












ニャース「……ニャーんてニャ! ――そう何度も、おんなじ手は喰わないのニャ!!」ピョン

……スカッ!

「「……あー! モクロー!?
   ……ク、クロッ!?  」」


モクロー「……クローーーーッ!?!?!?」ゴォォォォ!

モンメン「…………モン!!?」

ミヅキ「モンメン……危ない!!」

ハウ「わーー!! モクロー! ストップ、ストーーップ!!」

モクロー「……クロ、クロォ!!」アタフタ

ニャース「ニャハハハハ! 『そんなに急に止まれない〜』――と、言っているのニャ!!」


                    ド カ ッ !!!


「「……もふぅ……。  キュー……
  ……モーン……。」」キュー……


「「 モ、モクロー……大丈夫ー!?
  し、しっかりして! モンメン!」」


                ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


「「!!?」」
 ▼ 306 dX3IS9Elqo 18/01/13 21:37:09 ID:BX6ZU1jY [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ……ハウとミヅキが、音のした方向を振り返る。二人の視界を影が過る――

サトシ「……ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ビ…ッ……!」

 ――直後、上空からピカチュウが落下し……地面に叩きつけられる。

「「  わー! ピカチュウ!?
  ……サトシくん! ピカチュウ!!」」

サトシ「くっそー……やっぱり強いなー、アイツ!」


ミミッキュ「ミミッ……!」ゴゴゴゴゴ……


サトシ「――立てるか? ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピ、ピカ……ッ……。」ヨロヨロ

……スクッ

サトシ「……ごめんな。けど、もうちょっとだけ頑張ってくれ!」

ピカチュウ「……ピカッ!」コクッ

サトシ「……サンキューな!」ニカッ


「「モクローも……もうちょっとだけ頑張れるー?
     モンメン……まだ平気……?     」」

「「……!」」コクッ

「「ありがとー! モクロー!!  ニカッ
  ありがとね! モンメン!!」」ニコッ


              「   あーら、もうおしまいなのぉー!?   」
 ▼ 307 dX3IS9Elqo 18/01/13 22:14:44 ID:BX6ZU1jY [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「「!!!」」」

コジロウ「……威勢の割には――」

ニャース「――たいしたことないニャ!」


              「「「   ナーーッ、ハッハッハッ!!!   」」」


サトシ「くそっ……! やっぱり、あのミミッキュを倒さないことには――」

ハウ「――ほしぐもちゃんを助け出すのは無理だねー……。」

ミヅキ「うん……。」

「「「……………………。」」」シーン……




サトシ「……せめて、ちょっとの間でもアイツに隙を作れればなぁ……。」

ミヅキ「隙を作る……」


ミヅキ「…………………………………………。」

ハウ「……ミヅキー?」

ミヅキ「……それなら……もしかしたらだけど、少しの間なら……できる、かも……。」

「「!?」」

「「……ホントか!?
  ……ホントー!?」」

ミヅキ「う、うん。上手くいけば、だけど……。それに、すぐに抜けられちゃうかも――」

サトシ「……いいんだよ! ちょっとの間だけでも止められれば! ――で、どうやるんだ!?」

ミヅキ「……うん。あのね――」

________
____
__
_
 ▼ 308 dX3IS9Elqo 18/01/13 22:37:04 ID:BX6ZU1jY [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「よし! ――行くぞ!」

ムサシ「……あーら、作戦会議は終わりかしらー? ふあぁぁぁ〜……待ちくたびれたわよ。」

サトシ「へへっ! 待たせたな!

    ……準備はいいか? ピカチュウ、ハウ、モクロー!!」

「「「うんー!
   ピッカ!
   もふぅ!」」」

ムサシ「また、なーに企んでんのか知らないけど……いいわ! ――叩きのめしてあげるから、かかって来なさい!!」

サトシ「……おう!」バッ




コジロウ「(……おい、ニャース……あれを見ろ。)」ヒソヒソ

ニャース「ニャ……?」チラッ


ミヅキ「……!」ジー

モンメン「モン……!」ジー


ニャース「(離れた位置で様子を窺ってるジャリガールたち……なるほどニャー……!)」ヒソヒソ

コジロウ「(そういうことだ……! ちゃんと、動けるように準備しとけよ……!)」ヒソヒソ

ニャース「(大丈夫、抜かりはないのニャ……!)」ヒソヒソ

 ……二人が顔を見合わせ、ニタァ……と、まるでそんな効果音が聞こえてきそうな、邪悪な笑みを浮かべる……。




ミヅキ「……。」チラッ

ニヤッ……!
 ▼ 309 dX3IS9Elqo 18/01/13 23:20:24 ID:BX6ZU1jY [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ピカチュウ! "エレキボール"!!」

ハウ「モクローも続いてー! "木の葉"ー!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ピカピカピカ! ――チュ、ピッ!!」

ハウ「……クロ、クローーッ!!」

 ピカチュウが後方に高く飛び上がり、ミミッキュ目掛けて球状の電撃を放ち……一拍遅れて、モクローが無数の葉っぱをミミッキュ目掛けて飛ばす……!


〜〜〜〜〜〜

サトシ『……え? 俺たちは、しばらくの間ミミッキュの注意を引きつけるだけでいいのか?』

ミヅキ『……うん。』

ハウ『けど、それじゃ普通のバトルと変わらないんじゃー?』

ミヅキ『……大丈夫! ――しばらく注意を引いてくれれば、私とモンメンで……タイミングを見計らって技を放つから。』

サトシ『……わかった! よろしくな、ミヅキ、モンメン!!』ニカッ

ハウ『よろしくー!』ニカッ

ミヅキ『……うん!』ニコッ

〜〜〜〜〜〜


サトシ「(……頼んだぜ、ミヅキ……!)」


ミミッキュ「ミミッ――」

 ……対するミミッキュは、再び……エネルギーで形成された、黒い怪腕――"シャドークロー"を構え、そして――

ミミッキュ「――キュッ!」

 ――まず、身体を大きく右に振り抜き……尾の一撃を以て、"エレキボール"をピカチュウ目掛け弾き返す。

ミミッキュ「――キュキューーッ!」

 ――さらに、振り返りつつ"シャドークロー"を振るい……迫る後続の"木の葉"を、微塵に切り裂く。


                ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!


「「!!」」

ピカチュウ「ピカ――」

 ……落下中のピカチュウに、"エレキボール"が迫る――
 ▼ 310 リバード@きょうせいギプス 18/01/14 00:00:42 ID:0aHptM6. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 311 dX3IS9Elqo 18/01/14 19:22:55 ID:D1K3hXhw [1/5] NGネーム登録 NGID登録 [s] wf 報告

ハウ「モクロー! ……ピカチュウを掴んで飛んでー!」

モクロー「……クローーッ!」ヒュイーン――

――ガシッ!

ピカチュウ「……ピカピカ♪」

モクロー「もふぅ♪」

サトシ「……助かったぜ! ハウ、モクロー!!」

ハウ「うんー!」ニカッ

サトシ「よーし……! もう一度"エレキボール"だ、ピカチュウ!!」

ハウ「……なら! 回ってー、モクロー!!」

ピカチュウ「ピカピカピカ――」

モクロー「……もふもふぅーーっ!!」

ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」

 ――モクローに肩を掴まれて浮かぶピカチュウが、尾の先端に電撃を溜め……さらに、モクローがピカチュウを掴んだ状態で回転する。ピカチュウの溜めた電撃が回転の勢いを乗せて解き放たれ、そして――

 ――ミミッキュによって弾き返された"エレキボール"と空中で衝突する。二つの技が反発し合い、空中で爆散する……。

ムサシ「……なによ! 生意気に、合体なんかしちゃって!

    ミミッキュ――"シャドーボール"で撃ち落として!!」

ミミッキュ「ミミッ――」
 ▼ 312 dX3IS9Elqo 18/01/14 19:47:53 ID:D1K3hXhw [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ミミッキュが怪腕を形成していたエネルギー……それを球状に変換し、自身の正面に貯める――


ミヅキ「……………………!」ピクッ


コジロウ「(……! ジャリガール……そろそろ動くか……?)」

ミミッキュ「――キュキューーッ!!」

 ――エネルギーが完全に球状へと姿を変え、"シャドーボール"が放たれる。上空のモクローとピカチュウ目掛けて、一直線に飛んで行く……!


                ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!


サトシ「くそっ! ピカチュウ、もう一度――」

ハウ「モクロー、分離ー。」

サトシ「…………………………………………え?」


                   「クロッ。」
                    パ ッ !


                   ス カ ッ !!


                   ヒ ュ ー ン……
                   「ピカー。」


ムサシ「…………………………………………は?」


                  ……ス タ ッ !


              「    今だよ!!!    」


ムサシ「……!?」
 ▼ 313 dX3IS9Elqo 18/01/14 22:03:57 ID:D1K3hXhw [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「モンメン――"妖精の風"!!」


サトシ「ミヅキ――!」


モンメン「……モーーンッ!!」

 モンメンがミミッキュ目掛けて、激しい風を巻き起こす――

ムサシ「ちょっ――!」

ミミッキュ「ミミッ……!?」


                 ビ ュ ォ ォ ォ ォ ォ !!!!


ハウ「やった――!」












            「   ……今だ!! ニャース!!!!   」


ニャース「……待ってましたのニャー!!」


「「――っ!?」」


ムサシ「……あんたたち……!?」

ニャース「――"乱れひっかき"ニャー!!」

 ――モンメンとミミッキュ……その二体の合間に、ニャースが躍り出る。爪を幾重にも振るい……迫る風を無数に分散し、勢いを削ぎ……そして消滅させる。

 風がかき消された後の空間が、キラキラと輝く――。

ハウ「あー! どうしよう……止められちゃったよー!?」

サトシ「(……なんだ、あの光り……?)」


ニャース「ニャー、ハッハッハッ! これで――」

コジロウ「――お前らの努力も、全て水の泡と化したワケだ!」


          「「   イエーイ! 完全勝利ィーー!!   」」
 ▼ 314 dX3IS9Elqo 18/01/14 23:10:27 ID:D1K3hXhw [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「…………………………………………!」

 その場で黙って俯くミヅキ。その目元に、暗い影が落ちる……。


ハウ「う〜……どうしよう、サトシー!」

サトシ「……。」


ムサシ「……ちょっと、あんたたち! ……やるじゃないのよ!!」

ニャース「ニャーたちにかかればあのくらい――」

コジロウ「――朝飯前……いや、晩飯前だ!!」

ムサシ「……………………早いんだか遅いんだか。」

コジロウ「と、ともかくだ! これで――」

ニャース「――ニャーたちの勝利ニャ!」

ムサシ「――そして、このポケモンも……あたしたちのモノよ!」


              「「「   ナーーッ、ハッハッハッ!!!   」」」












ミヅキ「ふふっ――」


                「「「    …………!?    」」」


ミヅキ「――ひっかかったね!」ニヤリ

モンメン「……モンッ!」ドヤッ


ムサシ「……ちょ、ちょっとあんた! ……なに言ってんのよ!?」

コジロウ「そ、そうだぞ! 負け惜しみを言うな!!」

ニャース「そうなの――

     ――ニャニャ!!?」
 ▼ 315 dX3IS9Elqo 18/01/14 23:36:51 ID:D1K3hXhw [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


                     ポ ン ッ !


   ポ ン ッ !                     「な……なんニャ!!?」


 「これは――植物の蔓、か……!?」
                             ポ ン ッ !


           ポ ン ッ !


                   「ちょっと……! なんでまとわりついてくるのよ!!?」
  ポ ン ッ !


                                     ポ ン ッ !


                 「ミミッ……キュ……!?」
 ▼ 316 dX3IS9Elqo 18/01/15 00:07:27 ID:ej5N8kVo [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「……ロケット団が、なんか蔓みたいなのに絡まれてるーー!!?」

サトシ「あの技は――!」

ロトム「――"宿り木の種"ロト!」

サトシ「…………いつの間に!?」




ミヅキ「さっき――」

「「!」」


「「……ミヅキ!」」

ミヅキ「――さっき、モンメンが"妖精の風"を放った時……風に乗せて種子を飛ばしてたの。あのコ――ニャースが、風を切り裂いてばら蒔いてくれるのを期待して、ね。」

サトシ「じゃあ、俺たちにミミッキュを引きつけさせたのは――」

ミヅキ「……うん。種子を準備するための時間が必要だったのと、それに――

    ――ミミッキュの"シャドークロー"で纏めて払い除けられちゃったら、種子がばら蒔かれないから……それができない、つまり――

    ――"シャドークロー"が使えないタイミングを見計らってたんだよ。」

ハウ「なるほどー……!」


ムサシ「……ミミッキュ! ――こんな蔓なんか、引きちぎりなさい!!」

ミミッキュ「ミミ……ッ!」ミシミシッ……!


ミヅキ「……! 急いで、二人とも! 蔓の強度はそんなにないから、今の内に――」

サトシ「――おう!」

ハウ「――任せてー!」ニカッ

ミヅキ「……………………!」ニコッ
 ▼ 317 dX3IS9Elqo 18/01/15 00:31:17 ID:ej5N8kVo [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……頼んだぜ! ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカピカァ!!」パリッ!パリッ!


ハウ「モクロー! "木の葉"ー!!」

モクロー「……クロ、クローーッ!!」バサバサ


                ザ ア ァ ァ ァ ァ ァ !!!!


  バ シ ッ !


                                     バ シ ッ !


「「「ちょっ、ちょっと! 痛いじゃないのよ!!
   イ"タ"タ"タ"タ"! な、なにするんだ!!
     ニャァァ〜……イ、痛いのニャー!   」」」


ミミッキュ「……………………!」コテッ!


        パ リ ッ !                    パ リ ッ !


「「「……………………!」」」ゾクッ


「「「……………………こ、この感じは……。」」」チラッ


ピカチュウ「ピィカァ……!」パリッ!パリッ!


「「「ひぃ……………………っ!!!」」」ビクッ!


サトシ「……行くぞ! ピカチュウ――」
 ▼ 318 晩はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/15 00:35:27 ID:ej5N8kVo [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


              「   "10 万 ボ ル ト" !!!   」

 ▼ 319 ャンデラ@サイコシード 18/01/15 21:54:53 ID:ej5N8kVo [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「チュゥゥゥゥゥゥゥウ!!!!」


                バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


「「「――――――――――ッ!!!!」」」


                ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


「「「……やなかんじーーーー!!!!」」」

ヒューン!

……キラーン!

ミヅキ「……相変わらず――」

ハウ「――見事な吹っ飛びっぷりだねー。」

サトシ「確かに……アイツらほど見事に吹っ飛んでいくヤツらも珍しいな!」


リーリエ「……吹っ飛んでいく人たち自体、珍しいと、思い……ます。」

サトシ「……リーリエ!」

****
 ▼ 320 dX3IS9Elqo 18/01/15 22:27:27 ID:ej5N8kVo [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

リーリエ「もう……。」

コスモッグ「ぴゅ?」キョトーン

リーリエ「……皆さん。――またほしぐもちゃんを助けていただいて、ありがとうございます。」ペコッ

「「「 おう!    ニカッ
    うんー!   ニカッ
    ええ! 」」」ニコッ

リーリエ「ポケモンさんたちもありがとう。」ニコッ

「「「ピカッ♪
   もふぅ♪
   モーン♪」」」

ハウ「……それにしてもー……まさかホントにロケット団が現れるなんて、驚いたよー!」

リーリエ「(驚いた……おど、オドリドリ――)」

ミヅキ「『噂をすれば――』……ってヤツだね。」

サトシ「……まあ、ロケット団だからなぁ。」


リーリエ「……本で読んだのですが――」

「「「……え?」」」
 ▼ 321 dX3IS9Elqo 18/01/15 22:39:12 ID:ej5N8kVo [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

リーリエ「――オドリドリというポケモンさんは、吸った花の蜜によって姿が変わるそうですね。進化とは異なり、フォルムチェンジというそうです。」

「「「へ、へぇ〜〜……?」」」

コスモッグ「……ぴゅう!」ビシッ!

リーリエ「……ほしぐもちゃん、バッグに戻ってください。人が少ないからってはしゃぎすぎですよ、もう!」

ガサゴソ……

リーリエ「――では、行きましょうか……。博士も心配しています。」

テクテク……

……

「「「……………………。」」」ポカーン




「「「……………………なんでオドリドリ?」」」

________
____
__
_
 ▼ 322 dX3IS9Elqo 18/01/15 23:26:11 ID:ej5N8kVo [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜3番道路〜

「ぉーぃ。」

リーリエ「……! 博士の声です!」

サトシ「あ! おーい、博士ーー!!」ブンブン

****

ククイ「おお、さすがサトシたち! リーリエを見つけてくれて感謝してるぜ!」

サトシ「へへっ! まーね!」ドヤッ


サトシ「……なーんて、ホントはほとんど二人のおかげだけどね。」

「「……どういたしましてー!
  ど……どういたしまして!」」





ククイ「さて――みんな! ……改めて、試練達成おめでとう!」

「「「……はい!」」」

ククイ「次はいよいよ島キングとのポケモンバトル――その名も大試練!

    ……技の研究をしている僕からすれば、興奮のポケモンバトルが続くワケだ!」

ハウ「いやいやー。」

サトシ「……俺もスッゲー楽しみ!」ワクワク

ミヅキ「……大丈夫かな……?」

ククイ「……おーし! 目指すぜ、リリィタウン!

    ――"追い風"吹かせて3番道路を下ろうぜ!」

「「「……おおーー!!」」」

ククイ「……三人は準備もあるだろう。僕はリーリエと一緒に先に行って待っているよ!」

サトシ「うん! 博士……また後でね!」ニカッ

リーリエ「それでは、皆さん……お先に失礼します。」ペコッ

「「「 おう! リーリエも、またな!
   また後でねー! リーリエ、博士!
   またね、リーリエちゃん、博士! 」」」

****
 ▼ 323 dX3IS9Elqo 18/01/15 23:42:23 ID:ej5N8kVo [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


                  ピン! ピン! ピロリン♪

 ▼ 324 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/16 00:03:45 ID:NGEk5w1I NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜2番道路 ポケモンセンター前〜

ミヅキ「……これからどうしよっか? 博士は、大試練に向けて準備するようにって言ってたけど――」

サトシ「――俺は! ……早く大試練に行きたくて、ウズウズしてる!!」

ミヅキ「……ま、サトシくんはそうだよね。ハウくんはどう? このまま大試練に向かっても――」

ハウ「……なーなー、サトシー!」

サトシ「ん?」

ハウ「ポケモンバトルしよーよー。」

サトシ「……え!? ポケモンバトル!!?」キラキラ

ミヅキ「また唐突――

    ――そして、デジャブだね……。」

ハウ「……試練やロケット団とのバトルをこなしてー、どれだけ強くなったか確かめさせてー!」

サトシ「……わかった! ――やろうぜ、ハウ!!」ニカッ

ハウ「やったー! ありがとう、サトシーー!!」ピョン!ピョン!

サトシ「ルールはどうする? やっぱり、お互いにポケモンの数を合わせて――」

ハウ「……お互いに、今の手持ちポケモン全てを使ってのバトルがいいなー。」

ミヅキ「え? けど、ハウくんは――」

ハウ「えへへー! 大丈夫大丈夫!」ニカッ

サトシ「……よっしゃ! じゃあ、それで――ポケモンの入れ換えも自由でやろうぜ!」

ハウ「うんー!」

サトシ「ミヅキ! ……審判よろしくな!」ニカッ

ミヅキ「う、うん。わかった。」

ロトム「……早速、記録開始ロト♪」
 ▼ 325 dX3IS9Elqo 18/01/18 11:48:49 ID:oNxNmEQw [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「 サトシ vs ハウ 」

ミヅキ「それでは……両者最初のポケモンを!」

サトシ「――行くぞ、ハウ!」カチッ

ハウ「うんー! どーんと……サトシの胸を借りるとするよー!」カチッ

「「……ツツケラ! キミに決めた!!  ポーン
  ……お願いー! オンバットー!!」」ポーン

パカーン!

「「ケラ、ケラーーッ!  バサバサ
  オン、バーーット!」」バサバサ

ハウ「……頑張ろうねー! オンバットー!」ニカッ

オンバット「バット♪」コクッ

「「……………………。」」ポカーン








「「……………………え!? オンバット!!?」」

ハウ「……えへへー! 驚いたー?」ニカッ

ミヅキ「『驚いたー?』――じゃないよ、ハウくん! ……いつの間に!?」

ハウ「あのねー、実は茂みの洞窟での試練の帰りにゲットしてたんだけど――

   ――二人をビックリさせるために、内緒にしてたんだー!」

ミヅキ「なるほど……。」
 ▼ 326 dX3IS9Elqo 18/01/18 13:18:47 ID:oNxNmEQw [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「オンバットかぁ――」

〜〜〜〜〜〜


                キ ィ ィ ィ ィ ィ ン ッ !!


『『『『『『……………………ッ!』』』』』』

タッタッタッ……

……

『――大丈夫。……痛かったのか?』

……ピタッ!

『……まただ。』

『サトシを親だと思ってるのかも!』

『……よし! ――もう一度チャレンジだ!』

〜〜〜〜〜〜

サトシ「――へへっ!」ニカッ

ピカチュウ「ピカピ!」

サトシ「……ああ!」




ミヅキ「……サトシくん、どうかした?」

サトシ「別に! ……ちょっと、昔のことを思いだしただけさ!」

ハウ「……もしかしてー、オンバットもゲットしたことあるのー?」

サトシ「うん! ……前にカロス地方を冒険してた時にね!」

ハウ「スッゲー!」ニカッ

ピョン!ピョン!

ミヅキ「ホントに色んなところを冒険してるんだね、サトシくん! ……スゴいなぁ……。」

サトシ「ま、俺のことより……今はバトルだぜ!

    ……行くぞ! ツツケラ!!」

ツツケラ「……ケラッ!」コクッ
 ▼ 327 ッフロン@バグメモリ 18/01/20 16:27:29 ID:NuWj2xME NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 328 dX3IS9Elqo 18/01/20 22:44:31 ID:FFcs.FjY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「飛べ、ツツケラ!」

ツツケラ「……ケラーーッ!!」

 ツツケラが上空に向け飛翔し――

ツツケラ「ケラッ……!」


オンバット「……………………!」

 ――高空から、眼下のオンバットを見下ろす。

サトシ「よーし……続けて"種マシンガン"だ!」

ツツケラ「ケラ、ケラーーッ!!」

 そのまま口いっぱいに植物の種を含み……眼下のオンバット目掛けて一斉に掃射する。オンバットの頭上に、種が雨の如く降り注ぎ――

サトシ「……どうだ、ハウ! この攻撃を避けられるか!?」

ハウ「確かに、避けるのは難しいけどー――

   ――オンバット! ……"風おこし"ー!」

サトシ「!」


オンバット「……バットバットバット!!」

 ――対するオンバットは仰向けで滞空し、翼を数回、力強く羽ばたかせ……小規模な竜巻を巻き起こす。

 直後、オンバットの元へと"種マシンガン"が到達する……が。――その種がオンバットに被弾する前に竜巻に巻き込まれ、そして――

「「……なに!?
  ケ、ケラ!?」」

 ――上空のツツケラに向けて撃ち返される。ツツケラの放った攻撃が、自身へと牙を剥く。


サトシ「くそっ……なら! ――"つつく"だ!」

ツツケラ「……ケラーーッ!!」

 ツツケラが錐揉み回転しながら種の合間を潜り抜け、嘴で弾き飛ばし……下方のオンバット目掛けて飛翔する……!
 ▼ 329 dX3IS9Elqo 18/01/20 23:17:50 ID:FFcs.FjY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ツツケラ「ケラ――」

オンバット「バット――」

 ツツケラとオンバットの距離が、もう数瞬の後に接触せんとするまで肉薄する――。

ハウ「……今だよー! かわして"翼で打つ"攻撃ー!!」

サトシ「な……!?」


オンバット「――ババット!」

ツツケラ「ケラ……!?」

 ……そのタイミングで、オンバットが横にスライドするように飛びツツケラの突進を回避する。突進の勢いそのままに、地面に向け落下し行くツツケラ……。

 対するオンバットは回避した直後に身を翻し、ツツケラの背後を取る。そのまま後を追うように飛び、そして――

オンバット「……バットッ!!!」

ツツケラ「……ラ"……ッ!」


サトシ「……………………ツツケラ!!」

 ――後方から、強烈な翼の打撃を与える。

 ……ツツケラの身体が落下の勢いと合わさり、高速で地面に向かい――


                ズ ド ォ ォ ォ ォ ン…… !
 ▼ 330 dX3IS9Elqo 18/01/20 23:53:56 ID:FFcs.FjY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ツツケラ「……ケ、ラ……。」

 ――地表に叩きつけられる。衝撃で砂塵が舞い上がり、周囲を覆い尽くす……。

サトシ「……大丈夫か!? ツツケラ!」


ツツケラ「……ケ、ケラ……!」

 ……砂塵の中から、弱々しい返事が返ってくる。

サトシ「(くっ……結構ダメージが大きいみたいだな……!)

    ……やるな、ハウ!」

ハウ「えへへー……まだまだ行くよー! オンバット――

   ――"超音波"ー!」

サトシ「!」


サトシ「(……やっぱりそう来たか! 音波の反響で、砂の中のツツケラの位置を探る気だな……。なら――)

    ――ツツケラ、音波には音波だ!」

ハウ「!?」


オンバット「……バァァァァァァット!」

 ……砂塵で覆われた地表に向け、声を震わせ……ツツケラの位置を探るべく、"超音波"を放つオンバット。対して――


ツツケラ「……ケェラァァァァァァァ!」

 ――ツツケラもまた声を震わせ……上空目掛けて"超音波"を放つ。

 ……ツツケラの放った音波が、オンバットの放った音波とぶつかり合い、周囲に拡散し――

オンバット「…………???」

 ――オンバットの思惑を狂わせ、惑わせる。


サトシ「(……よし、今だ!)」
 ▼ 331 dX3IS9Elqo 18/01/21 18:05:34 ID:Pf5iBKeU [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……ツツケラ! もう一度"つつく"だ!!」

ツツケラ「……ケラーーッ!!」

 砂塵の中のツツケラが上空のオンバット目掛け……再び飛び立つ。

オンバット「バ、バット……!」

 オンバットが周囲を見回し、警戒し……さらに――

ハウ「(砂煙で視界が悪いのはツツケラやサトシだっておんなじ……。つまり、砂の外に出てからオンバットに向かってくるハズだよねー。

    ……なら、俺がしっかりと指示を出してあげればー……きっと避けられる……!)」

 ――後方のハウも、ツツケラの下方に注視し……ツツケラの出てくるタイミングを見定める。






 しかし――

ツツケラ「ケラーー!!」

ハウ「!?」

 ――ハウの思惑とは裏腹に、ツツケラは寸分の位置も違わず、正確に……オンバットの真下から姿を現す。

ハウ「うぅ……か、かわしてー!」



オンバット「……ババッ――」

ツツケラ「……ケェーー……ラッ!!」

オンバット「――ッ!?」

 ……ハウが、咄嗟に回避の指示を出す。数瞬の後、オンバットがその場から飛び退こうとする――

 ――が。……思いがけない位置からツツケラが現れた動揺で指示が遅れたことで……完全に回避することは叶わず、右翼を僅かに掠める。

オンバット「……ッ!」

 オンバットがダメージに顔をしかめ、体勢を崩し……フラフラと下方へ流されて行く……。
 ▼ 332 dX3IS9Elqo 18/01/21 22:25:58 ID:Pf5iBKeU [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「なんで……なんで、オンバットの位置がわかったのー!?」

サトシ「ツツケラの特性――"鋭い眼"さ! この特性がある限り、ツツケラが相手を見失うことはないぜ!」ニヤリ

ツツケラ「ケラッ!」ドヤッ

ハウ「そっかー……特性!」



サトシ「……畳み掛けろ、ツツケラ! ――"種マシンガン"!!」

ツツケラ「ケラ――」

 再びツツケラが口いっぱいに種を含み――

ツツケラ「――ケラーーッ!」

 ――オンバット目掛けて撃ち出す。再びオンバットの身に、種が雨の如く降り注ぐ……!




オンバット「バット――!」


            ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ォ ン !!!!


サトシ「……よっしゃ! 決まったぜ!」

 "種マシンガン"がオンバットを直撃し……今度はオンバットの身が、爆煙に包み込まれる……。
 ▼ 333 dX3IS9Elqo 18/01/21 22:54:59 ID:Pf5iBKeU [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……オンバットの様子はどうだ? ツツケラ!」

ツツケラ「ケラ――」

 ツツケラが目を細め、爆煙の中の様子を伺う――。

ツツケラ「――ッ!?」

サトシ「……? どうし――

    ――――っ!」


            ヒ ュ イ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ン…… !!


サトシ「(この音、風を切るような……間違いない! オンバットの飛行音……!)

    ……ツツケラ、一旦離れ――」

ハウ「……逃がさないよー! ――"高速移動"!!」

サトシ「!」



オンバット「……………………バーーット!!」

 ……爆煙を貫き、残像を纏うほどの速度で……オンバットが姿を現す。そして――

ツツケラ「……!?」

オンバット「オンッ――」


ハウ「――"翼で打つ"ー!」

オンバット「――バットッ!!!」

 ――瞬く間にツツケラへと肉薄し、翼での打撃を決める。

ツツケラ「……ラ"……ッ……!」

サトシ「……ああ! ツツケラ!」
 ▼ 334 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/21 23:56:25 ID:Pf5iBKeU [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


               ズ ド ォ ォ ォ ォ ン…… !


ツツケラ「……ケラ〜〜……。」グルグル


ミヅキ「……ツツケラ、戦闘不能! オンバットの勝ちです!」

サトシ「(飛行・ドラゴンタイプのオンバット相手に"種マシンガン"じゃ、効果が薄かったか……。)

    お疲れさま、ツツケラ! ……ゆっくり休んでてくれ。」ポヒュン


ハウ「へへー! まずは俺たちがリードだね、サトシー!」ニカッ

オンバット「オンッ♪」

サトシ「まだまだ! こっから逆転してみせるさ!」

ミヅキ「それでは――サトシくんは、次のポケモンを出してください!」

サトシ「……ピカチュウ! キミに決めたッ!!」

ピカチュウ「……ピカピカ!」フンスッ

ピョン!

……スタッ!


ピカチュウ「……ピィカァ……!」パリッ!パリッ!


ハウ「よーし、オンバット! ……この調子で頑張ろうねー!」ニカッ

オンバット「……オンッ!」コクッ


サトシ「俺たちも……頑張ろうな! ピカチュウ!!」ニカッ

ピカチュウ「ピカ♪」
 ▼ 335 dX3IS9Elqo 18/01/22 12:28:34 ID:xJh.1m.w [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「行くぞ、ピカチュウ! ――"電光石火"!!」

ピカチュウ「……チュ、ピッ!!」

 ピカチュウが瞬時にその場から姿を消し――


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ! ――」


 ――光の尾を牽きながら、オンバット目掛け……フィールドを駆け巡る。

ハウ「相変わらず、速いねー! なら、オンバット――

   ――"風おこし"で迎え討ってー!」

オンバット「……バットバットバット――!」

 対するオンバットは、滞空し、力強く羽ばたき……前方に再び竜巻を造り出し――

オンバット「――バーーット!!」

 ――自身の身長と同等か、やや小さいくらいの……一定の大きさまで到達したところで、一際強い羽ばたきを起こし、ピカチュウに向けて竜巻を解き放つ。


               ビ ュ オ ォ ォ ォ ォ !!!!


ピカチュウ「ピカ……!?」

サトシ「……かわせ、ピカチュウ!」


ピカチュウ「……………………ッ!」

 ピカチュウの眼前に竜巻が迫り、そこに繰り出される、サトシからの回避指示。……その状況を前に、ピカチュウは――

ピカチュウ「ピッ――」

 ――まず、地面に爪が食い込むほどに力強く、両前足を使って踏ん張り……

ピカチュウ「――カァッ!!!」

 ――そのまま今度は、右側の両足で力強く大地を蹴って真横に飛び、攻撃を回避する。



 さらに――

サトシ「……ピカチュウ――!」

ピカチュウ「……ピカピカピカ――!」

 ――その状態で、電気エネルギーを尾の先端に集中させ、球状に凝縮し……まるでオンバットに対抗するかの如く、自身の身体を竜巻のようにグルグルと回転させる――

サトシ「――"エレキボール"!!!」


ハウ「……………………っ!?」
 ▼ 336 モネギ@ぎんいろのはね 18/01/22 16:34:43 ID:xJh.1m.w [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」

 ――回転の勢いを乗せ……ピカチュウが"エレキボール"を放つ。高速で飛翔する電撃が、オンバットに迫る……!

ピカチュウ「……ピッカ!」スタッ


              ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!


オンバット「オン――」

ハウ「……オンバット! もう一度"高速「逃がすもんか!」移動"だよー!!

   …………っ!」

サトシ「――"電光石火"だ!」


ピカチュウ「……ピッカァッ!!!」

 ……自身に迫る電撃を、再び残像を纏うほどの高速で横に飛び、オンバットが見事回避してみせる……が。――そのオンバットの飛ぶコース上に、弾丸の如き速度でピカチュウが突っ込み――

オンバット「……バッ……ド……!」


ハウ「あー! オンバット!?」

 ――そのまま頭突きを喰らわせる。

 ……オンバットの小さな身体が後方に大きく飛ばされ――

ピカチュウ「ピッカ……!」

 ――ピカチュウが突進の勢いそのままに、オンバットの身体を押し込む。二つの影が重なり合い、宙を舞う……。

サトシ「……そこだ! ――"アイアンテール"!!」


ピカチュウ「チュゥー……ピッカァ!!!」

 ピカチュウがオンバットを押し込みつつ前転し、白銀の尾をオンバットの頭上に降り下ろす。

ハウ「……つ、"翼で打つ"攻撃ー!」


オンバット「オ、オン……!」

 ……対するオンバットも、体勢を立て直して滞空し――

オンバット「バーーット!」

 ――そのピカチュウの尾を目掛け、翼を振り上げる……!


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!

 ▼ 337 dX3IS9Elqo 18/01/22 19:05:22 ID:xJh.1m.w [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


              ギ リ ギ リ ギ リ…… !!


「「 ピィカァ……!
  オン、バッ……!」」


              ギ リ ギ リ ギ リ…… !!


 "アイアンテール"と"翼で打つ"――2匹の放った技がぶつかり合う……が。

ピカチュウ「……………………ピッカァ!」ブオンッ!

オンバット「!?」




              ズ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


ハウ「……オンバット!」

オンバット「……オン〜〜……。」グルグル


ミヅキ「……オンバット、戦闘不能! ピカチュウの勝ちです!」

ハウ「お疲れさまー! オンバットー!」ニカッ

……ポヒュン

サトシ「……どうやら、ツツケラとのバトルのダメージが残ってたみたいだな! ハウ――

    ――これで2 vs 2! ……追い付いたぜ?」ニヤリ

ハウ「……まだまだこっからだよー!」
 ▼ 338 dX3IS9Elqo 18/01/22 19:21:14 ID:xJh.1m.w [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「それでは――ハウくんは、次のポケモンを出してください!」

ハウ「……………………。」


ハウ「(やっぱり、サトシのピカチュウは手強いよねー。だけど……今なら、オンバットとのバトルの疲れが残ってるハズ――

    ――よし! ここは……!)」


ハウ「……モクロー、よろしくー!」

モクロー「……もふぅ!」コクッ

バサバサ!



ヒュイーン――

モクロー「……クロ、クローーッ!!」

サトシ「!」


サトシ「(ここでモクロー……ハウのヤツ、ここで一気にピカチュウを倒して、優位に立つつもりだな……。

     なら――!)」
 ▼ 339 dX3IS9Elqo 18/01/22 19:46:22 ID:xJh.1m.w [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ……サトシがハウから死角になる位置で、右手の中にモンスターボールを握りしめる――。

ハウ「……行くよー! サトシ、ピカチュウ!!

   モクロー……"木の葉"ー!!」

モクロー「クロ――」

 モクローが小さく羽ばたく。すると、モクローの前方で風が小さく渦巻き、その中で無数の葉っぱが舞い踊り――

モクロー「――クローーッ!!」

 ――掛け声と共に……ピカチュウ目掛け、一気に解き放たれる。葉が列を成し、ピカチュウに向かう……!


サトシ「……ピカチュウ! ――一旦戻ってくれ!!」

ハウ「……!」


ピカチュウ「…………ピッカ!」コクッ

 ピカチュウが振り返り……"木の葉"から遠ざかるように、後方のサトシ目掛けて駆け出し――

サトシ「……頼んだぜ――!」



  ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ!」
                                ――ヒ ュ イ ーー ン !



 ――そのピカチュウと、サトシが横投げしたボールがすれ違う。



 そして――


                  パ カ ー ン !


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ォ ン !!!!

 ▼ 340 dX3IS9Elqo 18/01/22 21:43:21 ID:xJh.1m.w [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ――ボールから飛び出したポケモンが、ピカチュウと"木の葉"の間に割って入り……攻撃を受ける。

 刹那……爆発が巻き起こり、ポケモンが爆煙に包み込まれ――


          「   ――ニャビー! キミに決めたッ!!   」












「……………………うにゃーっ!!!」

モクロー「!」

 ――その爆煙を突き破り、モクローの眼前にポケモン――ニャビーが、けたたましい声と共に踊り出る。

「「 行け! ニャビー――
  ……っ! モクロー――」」


           「「   ――"ひっかく"攻撃!!   
                ――"体当たり"ー!!    」」


           「「   ……にゃーーぶっ!!!   
                ……クローーッ!!!    」」


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!

 ▼ 341 dX3IS9Elqo 18/01/22 22:27:10 ID:xJh.1m.w [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「……にゃぶっ……!  ビリビリ
  ……もふぅ……っ!」」ビリビリ

バッ! ……スタッ!

「「……"火の粉"だ!!
  ……"木の葉"ー!!」」

「「  にゃばっ!!    ボウッ!
  クロ、クローーッ!!」」ビュオオオ!


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ォ ン !!!!


ニャビー「……………………っ!」

サトシ「……また消えた――」

ハウ「"体当たり"ー!」


「クロッ――!」


サトシ「――けど! ……後ろだ、ニャビー! 飛び上がれ!!」

ニャビー「……にゃぶっ!」ピョン

モクロー「――クロ!?」スカッ


ハウ「!」

サトシ「……今だ! ――"火の粉"!!」

ニャビー「……にゃぁばっ!!!」ボウッ!


              ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!


ハウ「……っ! モクロー、Uターンだよー!!」

モクロー「ク、クロ……ッ!」ピタッ

……クルッ

ハウ「――"つつく"ー!」


モクロー「……クローーッ!!」バッ


  ズ ギ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ン !!!!

                          ゴ オ ォ ォ ォ ォ ォ ォ !!!!

 ▼ 342 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/22 23:39:47 ID:xJh.1m.w [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

                  バ チ ィ ッ !!!

モクロー「も、ふぅ……っ!」

 ……ニャビーの口から吐き出した火の玉――"火の粉"と、嘴を前方に突き出したモクローの突進――"つつく"。

 ぶつかり合う技と技。押し合い、せめぎ合い、そして――

モクロー「……………………クロォッ!!!」

ニャビー「!」

 ――モクローの嘴が"火の粉"を砕き……飛び上がり、そして落下し行く最中のニャビー。――その、ニャビーの眼前へと迫る。

サトシ「なら――ニャビー!」

ニャビー「うにゃ――」

 ニャビーの口から、炎が溢れ……火の粉が周囲に飛び散り――

サトシ「……"炎の牙"!!!」

 ――その状態で大口を開け……眼前に迫るモクローへと噛みかかる……!


          「「   にゃばぁぁぁぁぁぁっ!!!!   
               クロォォォォォォッ!!!!    」」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ォ ン !!!!


ミヅキ「ニャビーもモクローも、スゴい……!」

アシマリ「あおっ……!」

 ……幾度目にもなる爆発、再び広がる黒煙――フィールドが再び、闇に包まれる――。
 ▼ 343 リガロン@どくのジュエル 18/01/23 21:18:01 ID:sjPcyJFk [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告













「「……………………にゃぶっ!
  ……………………もふぅっ!」」


「「ニャビー!
  モクロー!」」

 黒煙の中から二匹が投げ出され、地面に転がる……。

「「……平気か? ニャビー!
  モクロー、大丈夫ー!? 」」

「「…………にゃぶ!  コクッ
  …………もふぅ!」」コクッ




サトシ「(……ニャビーはああ言ってるけど、交代際に受けた"木の葉"に、さっきの爆発……かなりのダメージを受けてるハズ……。)」


ハウ「(モクローは大丈夫って言ってたけどー……"火の粉"に突っ込んだ時だって無傷では済んでないハズだし、さっきの爆発ー……かなりダメージを受けてるハズだよねー……。)」

「「(……………………。)」」




「「(……ここでケリを着ける……!
    ……次で決めるよー……! )」」


サトシ「……決着を着けようぜ! ハウ、モクロー!!」

ハウ「……うんー!」
 ▼ 344 イル@オーキドのてがみ 18/01/23 21:44:08 ID:sjPcyJFk [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「行くぞ――

    ――ニャビー! ……もう一度"炎の牙"だ!!」

ニャビー「……うにゃーーっ!!」

 再びニャビーが口いっぱいに炎を溜め、モクロー目掛けて駆け出し――

ハウ「……させないよー! "木の葉"で跳ね返してー!!」

 ――対するモクローは、再びニャビー目掛けて無数の葉っぱを飛ばす。


サトシ「……突っ切れ、ニャビー!!」

ニャビー「……にゃーー!!」

「「!」」

 眼前に迫る"木の葉"を目の当たりにしても、ニャビーが怯まず……そのまま突っ込む。前方から来る葉っぱが、ニャビーの口から溢れ出る炎……その熱に触れて、一瞬で焼失し――

ニャビー「……………………っ!」

 ――側面から来る葉っぱが体表に当たり、ニャビーがそのダメージに僅かに顔をしかめる……が。

ニャビー「……にゃーーっ!!」


ハウ「……っ!?」

 ――それも気合いではね除け、モクロー目掛けて一直線に駆ける……!

ニャビー「にゃっ――!」

モクロー「クロ……!」

 モクローのやや前方で、高く飛び上がるニャビー。その様子を、モクローが仰ぎ見――




ニャビー「……………………がぁぶっ!!!」

モクロー「ガッ……!」

ハウ「……モクロー!」

 ――そのモクローの視界が、黒く覆われた……瞬間。――モクローの羽根に衝撃が走る。ニャビーの牙が、しっかりとモクローを捉える……!

サトシ「……よっしゃ! そのま「まだだよー!!」ま――

    ――――っ!?」
 ▼ 345 ルタリス@ミュウZ 18/01/23 22:06:54 ID:sjPcyJFk [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「……"体当たり"ー!」


モクロー「……グ……ロ"ォ……ッ!」

ニャビー「……!?」

 ……モクローが痛みに耐えながら、自身に肉薄したニャビーの腹部に足を押し当て、そして――

モクロー「……クロォォォォォォッ!!!」

ニャビー「にゃ……にゃぶ……っ!?!?!?」

 ――噛みつかれたのとは反対側の羽根で勢いをつけ、ニャビーを押し込む。……二つの小さな影が、まるで彗星の如く地表へと落下し行く……!


サトシ「……マズい! ニャビー、モクローから離れ――」

ハウ「もう遅いよー!」

サトシ「っ!」


モクロー「クロォォォォッ!!!」

ニャビー「にゃ、にゃ〜〜!!」


              ズ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!

 ▼ 346 モンガ@りゅうのウロコ 18/01/23 22:26:49 ID:sjPcyJFk [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告













「「……にゃぶ〜〜……。  グルグル
  ……もふぅ〜〜……。」」グルグル

ミヅキ「……モクロー、ニャビー、共に戦闘不能! よってこの勝負、引き分けです!」


「「お疲れさま、ニャビー。……ゆっくり休んでてくれ。  ポヒュン
       ありがとー、モクロー!        」」ポヒュン


サトシ「……勝ったと思ったんだけどなー! まさか、あそこから引き分けに持ち込まれるなんて――

    ――さすがだな! ハウ、モクロー!!」ニカッ

ハウ「サトシたちこそ、俺ー、逆転できたと思ったのにー……やっぱり、そう簡単には勝たせてくれないねー!」ニカッ


ミヅキ「それでは――両者、次のポケモンを出してください!」

サトシ「最後……もう一度よろしく頼むぜ! ピカチュウ――

    ――キミに決めたッ!!」


ピカチュウ「……ピッカ!」ピョン

……スタッ!


ハウ「よろしくー! ピチュー!!」ポーン

パカーン!

ピチュー「……ピチュッ♪」スタッ


「「ピィカァ……!  パリッ!パリッ!
  ピチュッ……!」」パリッ!パリッ!

ミヅキ「同族対決だね……!」
 ▼ 347 ヒダルマ@とんでもこやし 18/01/23 23:05:47 ID:sjPcyJFk [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……"電光石火"だ!」

ピカチュウ「……チュ、ピッ!!」


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ! ――」


 ピカチュウが瞬時に姿を消し、小さく、小刻みに息をしながら……光の尾を牽くほどの高速でピチュー目掛けて走る。

ピカチュウ「――ピッカァッ!!!」

ピチュー「ピチュ……!」

 ピカチュウがピチューに飛びかかる――




ハウ「……今だよー! "甘える"ー!!」

ピチュー「ピチュ♪ ピチュ〜〜♪」

ピカチュウ「ピ……ピカ!?///」

 ――が。……そのピカチュウに、ピチューが擦り寄り……愛くるしい姿で甘えてみせる。

 そのピチューの仕草、声色にピカチュウはメロメロになり――

ピカチュウ「……ピ、ピカッ!」

 ――優しく、頭を寄せるようにして頭突き(?)を繰り出す。

ピチュー「ピチュ……?」


サトシ「……え"え"ーー!? お、おい、ピカチュウ! なにやってんだよ!!?」

ピカチュウ「ピ、ピーカ……。」テレテレ


ハウ「……続けて"天使のキッス"ー!」


ピチュー「……………………チュッ♪」

ピカチュウ「ピ――」


サトシ「……………………げっ。」
 ▼ 348 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/23 23:36:13 ID:sjPcyJFk [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「ピカピカ〜〜!?!?!?」フラフラ


ハウ「……やったねー、ピチュー! 作戦通りー!」ニカッ

ピチュー「ピチュ♪」


サトシ「ぐっ……!」


サトシ「(……ピカチュウの攻撃力は"甘える"で下がってるから、そこまで傷つくことはないだろうけど……それでも、早くなんとかしてやらないと――!)

    ――目を覚ませ! ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ〜〜!?!?!?」フラフラ


ハウ「……"悪巧み"ー!」

サトシ「!」

ピチュー「……ピチュッ! ピチュッ! ピチュッ!」ニヤニヤ

ギュイーーン!!


サトシ「("悪巧み"……特殊攻撃の威力を高める技……! マズい――)

    ――ピカチュウ!」


ピカチュウ「ピ、ピカ……ッ!」ピクッ

ハウ「!」

サトシ「よし、ピカ――」





ピカチュウ「……………………ピカ〜〜!?!?!?」フラフラ

サトシ「――くっ! 駄目か……!」
 ▼ 349 ュワワー@GBプレイヤー 18/01/24 05:59:11 ID:G6czv0t2 NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
ミミロルも応援してるぞ〜?
 ▼ 350 クリュー@バンギラスナイト 18/01/24 21:52:09 ID:Jlq1Qya. [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「よーし……"電気ショック"だよー!」

ピチュー「……ピチューーッ!!」グッ!


                バ チ バ チ バ チ !!


ピカチュウ「ビッ……ガァ"……!?!?!?」フラフラ

サトシ「このままじゃやられちゃうぞ! ピカチュウ――

    ――頼む! 目を覚ましてくれ!!」

ピカチュウ「……ガ…ッ……!?!?!?」フラフラ


ハウ「……押し切ってー! ピチュー!!」

ピチュー「ピィチュゥーーッ!!!」ググッ!


                バ チ バ チ バ チ !!


「「   ピカチュウ!!
  頑張ってー、ピチュー!!」」


「「ビ……ガ、ヂュ……!  フラッ……
  ピチュゥゥ……ッ!!」」グググッ!


                バ チ バ チ バ チ !!

 ▼ 351 コリータ@かいのカセキ 18/01/24 22:11:08 ID:Jlq1Qya. [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告












ピカチュウ「……………………ピッ!」ハッ!

サトシ「!」


ハウ「トドメのフルパ――」


            「   "10 万 ボ ル ト" !!!   」


ハウ「――――――ッ!?」


ピカチュウ「…………ピッカァッ!!!」

「「!?」」

 ピカチュウが、自身の身を貫く電撃を、荒々しく振り払い――

ピカチュウ「――チュウゥゥゥゥゥゥッ!!!」


              バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


ピチュー「ピチュ――――」
 ▼ 352 ンメル@モーモーミルク 18/01/24 23:04:21 ID:Jlq1Qya. [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_




……ドサッ

ピチュー「……ピチュ〜〜……。」グルグル

ミヅキ「……ピチュー、戦闘不能! ピカチュウの勝ちです! よって――

    ――このバトル、サトシくんの勝利です!!」


サトシ「やっ――――たぜッ!! ……よく頑張ったな! ピカチュウ!!」ニカッ

ピカチュウ「ピカ……!」ニコッ

フラッ……

サトシ「……おっとっと!」ダキッ

ピカチュウ「チャア〜♪」


ハウ「……お疲れさまー! ピチュー!」ポヒュン


ハウ「くー! ポケモンたちの良いところ、もっともっと見せたかったー!」ニカッ
 ▼ 353 ノマダム@ふしぎなタマゴ 18/01/24 23:31:09 ID:Jlq1Qya. [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「良いバトルだったぜ! ハウ!」スッ――

ハウ「……うんー!」ニカッ

――ガシッ!


ミヅキ「ホント……二人とも、スゴかったよ!」

「「へへっ! サンキュー!  ニカッ
  ありがとー! ミヅキ!」」ニカッ


ハウ「やっぱりー、主に勝って、サトシも、ミヅキも、俺もー……強くなってるよねー! よーし――

   ――このまま流れに乗って、じーちゃんに勝つぞー!!」

サトシ「ああ! 大試練……頑張ろうぜ!」

ハウ「うんー!」

ミヅキ「私も……頑張る!」

ロトム「ついにハラさんとの勝負ロ! リリィタウンに向かうロ!」

サトシ「おう!」

________
____
__
_
 ▼ 354 ルミル@ロックメモリ 18/01/25 14:08:13 ID:hIk9b2eQ [1/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜1番道路〜

サトシ「へぇー、3番道路を下ると、ここに出るんだな! 知らなかったぜ!」

ミヅキ「3番道路に向かう道には、キャプテンミニゲートがあるからね。知らないのも無理はないよ。」

ハウ「もうすぐ、リリィタウンに着くよー!」

サトシ「大試練、楽しみだなー! だろ? ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピッカー!」コクッ


            「   きゃんっ! きゃん、きゃん!   」


サトシ「……お!」

「「……?」」

タッタッタッ……

……


「くぅ〜ん!」スリスリ

サトシ「いで! いででででで!!」

「……わんっ!!」ニコッ

サトシ「へへっ! イワンコ、元気にしてたか?」ニカッ

「くぅ〜ん♪」スリスリ

サトシ「ははは! 痛い! 痛いったら!」

ハウ「サトシィ――」

ミヅキ「――この、イワンコは? ……知ってるコ?」

サトシ「ああ! コイツは――」
 ▼ 355 ビビール@オレンジメール 18/01/25 14:27:31 ID:hIk9b2eQ [2/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――コイツはさ、この辺りによく来る野生のイワンコで……ハウんちに遊びにリリィタウンに行く時、よくここで一緒に遊んでたんだ!」

ハウ「へぇー! 近くに住んでるのに、全然知らなかったー!」

ミヅキ「確かに、サトシくんによくなついてるみたい!」ニコッ

「くぅ〜ん♪」スリスリ

サトシ「いだだだだだだだ! ……そうなの?」

ロトム「イワンコが首の岩を擦り付けてくるのは、その証ロト!」

サトシ「なるほど! これってそういう意味だったのか!」




「ロックルったら、あなたが来ると喜ぶのよ!」

サトシ「……ロックル?」

「あっ、ロックルはあたしが付けたイワンコのニックネームね!」

サトシ「へぇー! ……キミは?」

「あたしもね、あなたとおんなじ! ……時々ここに来て、このコと遊んでたの!」

サトシ「……つまり、お前の友達ってことか!」

ロックル「わん♪」
 ▼ 356 ェリム@メタルパウダー 18/01/25 14:46:40 ID:hIk9b2eQ [3/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「このコ、特別あなたによくなついてるみたい! あたしがここに来た時、先にあなたがこのコと遊んでることが何度かあって、その時様子を見てたけど――

 ――あなたと一緒だと、とっても嬉しそうだもん!」

サトシ「……そうなの?」

ロックル「わん♪」

サトシ「へへっ! 俺もお前と遊ぶの、とっても楽しいぜ!」ニカッ

ロックル「くぅ〜ん♪」スリスリ

サトシ「ははっ! だから痛いったら!」ナデナデ


「「 えへへー!   ニカッ
   うふふっ! 」」クスッ

****

サトシ「……じゃ、またなーーっ!!」ブンブン

〜〜〜〜〜〜

「また、いつでもロックルと遊びに来てねーーっ!!」ブンブン

「きゃん! きゃん!」ピョン!ピョン!

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 357 ガジュカイン@きいろビードロ 18/01/25 15:10:01 ID:hIk9b2eQ [4/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




ミヅキ「……可愛かったね! イワンコ――

    ――ロックル!」

サトシ「ああ! アイツに元気をもらえたからさ……大試練もばっちりだぜ!」ニカッ

ハウ「サトシ、気合い入ってるねー! 俺も負けてられないなー!」

ミヅキ「……私も置いて行かれないように、頑張らないと! ところで――」

サトシ「ん?」

ミヅキ「――もはや、聞くまでもない気もするけど……大試練、誰から挑戦す「俺!」る?」


ミヅキ「……うん! 頑張ってね!」ニコッ

ハウ「頑張れー! サトシ!」ニカッ

サトシ「おう!」ニカッ


サトシ「よーし、じゃあ……リリィタウン目指して、ゼンリョクで行こうぜ!

    行くぞ! ピカチュウ!!」ダッ

ピカチュウ「ピカ♪」

ズダダダダダ!


ハウ「……相変わらず、速いねー!」ニコニコ

ミヅキ「あっ! サトシくんたち、ちょっと待って――

    ――ほら! ……ハウくんも、笑ってないで行くよ!」タッタッタッ



ハウ「……そんなに急がなくても、すぐそこなのになー。」タッタッタッ
 ▼ 358 ガバンギラス@ジュペッタナイト 18/01/25 17:08:42 ID:hIk9b2eQ [5/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_


〜リリィタウン 入口付近〜

ククイ「――試練をこなした三人とポケモンたちの勝負……どんな技に魂を込めて繰り出すのか、楽しみだぜ!」

リーリエ「はい、あの……トレーナーではない私にも、スゴいことだとわかります。」

コスモッグ「ぴゅい!」

サトシ「博士……試練をこなして強くなった俺とポケモンたちの力、ちゃんと見ててよね!」ニカッ

ククイ「おう! 期待してるぜ、サトシ!」ニカッ


ククイ「……ハウとミヅキも、良い技を見せてくれよ!」

「「    うんー! 任せてー!    ニカッ
   は、はい! ……頑張ります! 」」ドキドキ


ククイ「三人とも、頼もしいね! だが――」

「「「?」」」

ククイ「――メレメレの島キング、ハラさんは強いぜ! 格闘タイプのポケモンを使いこなすトレーナーだよ!

    飛行タイプやエスパータイプの技を鍛えておくといいかもね!」

サトシ「……それならバッチリさ! 飛行タイプの頼りになる仲間がいるんだ!」


ハウ「モクロー、よろしくねー!」ニカッ

モクロー「もふぅ♪」


ミヅキ「フェアリータイプも、格闘タイプには強いよね……。モンメンなら有利に戦えるかな……?」


 ……三人の様子を見たククイが、再び歯が見えるように『ニカッ』っと、笑い……右に一歩踏み出して横に反れる。

 すると、ククイの身体に遮られて見えなかった、村の広場――大試練のフィールドへと続く道の光景……その様子が、三人の目に飛び込んでくる。そこには――
 ▼ 359 クシオ@どくけし 18/01/25 17:27:36 ID:hIk9b2eQ [6/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「……………………。」

 ――広場側を向き、サトシたちに背を向けて……ただ静かに挑戦者の登場を待つ、島キング――ハラの姿があった。

「「「…………!」」」ゴクリ


ロトム「ハラさん……せ、背中からでも強さが伝わってくるロト。」

ミヅキ「ホ、ホントに……。」ブルッ

ハウ「さすが、じーちゃん。……スゴい迫力だよー。」




サトシ「……ハラさん!!」

「「!」」


ハラ「!」クルッ


ハラ「……来ましたかな。」ニヤリ
 ▼ 360 dX3IS9Elqo 18/01/25 22:11:28 ID:hIk9b2eQ [7/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

タッタッタッ……

……


……ピタッ!

ハラ「茂みの洞窟の試練達成おめでとう! お疲れさまですな。」

サトシ「はい! ありがとうございます!」ニカッ


「「   サトシィ〜〜!      タッタッタッ
   サトシくん、待ってよー! 」」タッタッタッ

……ピタッ!


ハラ「……全員、揃いましたな。では――

   ――島キングである私と勝負しますかな? サトシとピカチュウ!」

「「 是非とも! ……よろしくお願いします!   ペコッ
        ピカピーカ!         」」フンスッ!

ハラ「うむ。」コクッ


ハラ「私も待ちかねていたのです! 早速、広場に向かいますかな。」

サトシ「はい!」ニカッ
 ▼ 361 dX3IS9Elqo 18/01/25 22:25:30 ID:hIk9b2eQ [8/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_


〜リリィタウン 広場〜

ズシーン!

ハラ「……せいっ!」ババーン!


ハラ「お待ちしておりました。島巡りに挑む者たちよ――

   ――改めて、挨拶をしますかな。メレメレ島の島キング、ハラと申します。」

サトシ「……なら、俺たちも!」チラッ

ピカチュウ「ピカ!」コクッ


サトシ「俺はマサラタウンのサトシ! こっちは相棒の――」

ピカチュウ「――ピカチュウ♪」

サトシ「……です。よろしくお願いします!」ペコッ

ハラ「こちらこそですぞ。」ペコッ
 ▼ 362 dX3IS9Elqo 18/01/25 22:43:49 ID:hIk9b2eQ [9/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……では、始めるとしますか。」


サトシ「いよいよだな、ピカチュウ……!」

ピカチュウ「ピカ……!」


ハラ「メレメレ島最後の試練にして、島キングとのポケモン勝負! その名も――

   ――大試練!」


サトシ「……………………!」ゴクリ


ハラ「では、サトシ! カプ・コケコに輝く石を託されたキミと!」


ピカチュウ「ピィカァ……!」ゴクリ


ハラ「パートナー、ピカチュウたちのゼンリョク――

   ――見せていただこう!」

サトシ「……はいっ!」

ハラ「……こちらもゼンリョク! オニのハラでいきますぞ!」

ズシーン!

……ババーン!


            「   大試練っ! はじめぃ!!   」

 ▼ 363 dX3IS9Elqo 18/01/25 22:55:15 ID:hIk9b2eQ [10/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



              「 しまキングの ハラが
                勝負を しかけてきた! 」


 ▼ 364 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/25 23:31:52 ID:hIk9b2eQ [11/11] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「ククイ、審判は頼みましたぞ。」

ククイ「……はい。それでは――

    ――これより、島キング・ハラと、島巡り挑戦者・サトシの、大試練バトルを開始します!」

〜〜〜〜〜〜

ハウ「いよいよだねー。俺まで緊張してきたよー!」

ミヅキ「サトシくん……頑張って!」

リーリエ「私も……応援してます……!」

〜〜〜〜〜〜

ククイ「使用ポケモンはお互いに三体、ポケモンの交代は挑戦者のみ認められます! では――

    ――両者、最初のポケモンを!」


「「 一番手、よろしく頼むぜ!   カチッ
    まずはお前からだ。   」」カチッ


                    ポ ー ン


                   パ カ ー ン !



 ▼ 365 クタス@こおりのジュエル 18/01/26 17:57:35 ID:f/mZyJCw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援!!!!!!
 ▼ 366 ノプス@もののけプレート 18/01/26 21:20:24 ID:bUyzhduA [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

        「「   ツツケラ! キミに決めたッ!!   
             頼みましたぞ! ワンリキー!!   」」


                バ サ バ サ
             「「 ケラーーッ!!
                リキーーッ!! 」」
                 ス タ ッ

〜〜〜〜〜〜

ククイ「ハラさんの一体目はワンリキー。対するサトシはツツケラ――

    ――格闘タイプのポケモンに有利な、飛行タイプのポケモンできたね!!」

ミヅキ「ここでなるべく多くハラさんのポケモンを倒して、バトルの流れを引き寄せるつもりだね……!」

ハウ「……けど、相手はじーちゃん――」

ククイ「――ああ。ハラさんの鍛え上げたポケモンたちは、どいつも手強い……相性が有利でも油断ならない相手だぜ! サトシ!!」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「今回は大舞台だ! 頼むぜ! ツツケラ!!」

ツツケラ「ケラッ!」コクッ
 ▼ 367 ンシグラードン@ちからのこな 18/01/26 21:55:55 ID:bUyzhduA [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「行け! "種マシンガン"だ!!」

ツツケラ「ケラ――」

 ツツケラが口いっぱいになにかの種を含み、その場に滞空し――

ツツケラ「――ケラーーッ!!」

 ――ワンリキー目掛けて一斉に放つ。ワンリキーの頭上に、雨の如く種が降り注ぐ。

ハラ「ワンリキー! "空手チョップ"で打ち払うのですぞ!!」

ワンリキー「リキィ――」

 対するワンリキーは、右手に力を込めながら、胸の前に水平に構え――

ワンリキー「――リキーーッ!!」

 ――種が眼前まで迫った瞬間を見計らい、素早く数回手刀を振るう。その攻撃が種の軌道を確実に捉え、打ち砕き……粉々になった種が、周囲に飛散する――。



サトシ「……あの攻撃を全て防ぐのか! スゲェ! さすが、ハラさんのポケモンだぜ!!」

ハラ「続けて"ビルドアップ"です!」

サトシ「!」


ワンリキー「リキッ!」

 ワンリキーが対戦相手に観戦者、その場に集まった全員に筋肉を見せつけるよう、ポージングをとる。すると……?

ワンリキー「……リキィィィッ!!!」


「「 んなっ!?
   ケラッ!? 」」


        ザワ……

                                    ザワ……


 ……みるみる内に、ワンリキーの筋肉が膨張していく。その様子に、広場は騒然となる――。
 ▼ 368 ーリキー@ブロムヘキシン 18/01/26 22:29:39 ID:bUyzhduA [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜〜〜〜〜〜

ククイ「"ビルドアップ"は筋肉を鍛えることで、物理攻撃力と物理防御力を同時に高める技。……これを倒すのは、なかなか骨が折れるぞ! さあ――

    ――どうする? サトシ!」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「(いくら防御力が上がったっていったって、こっちの攻撃が全く効かないワケじゃない。確かに、攻撃力も上がっちまったけど――

     ――ワンリキーは、近接戦闘を得意とするポケモン。離れて戦えば……要は、当たらなければいいんだ!)」


サトシ「……もう一度"種マシンガン"だ!」

ツツケラ「……ケラーーッ!!」ポポポポポッ!



ハラ「(こちらのパワーアップに慌てふためき、相性での有利を活かして一気に決めようと迂闊に接近してくるのであれば、こちらとしては好都合でしたが――

    ――なかなか堅実、冷静に状況を見ている……。さすがですな。)」


ハラ「……ワンリキー! 守りを固めて受け止めるのですぞ!!」

ワンリキー「……リキ!」ガバッ!


サトシ「なら、飛べ! ツツケラ! そして――」

________
____
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_
 ▼ 369 ネブー@こだわりスカーフ 18/01/26 22:56:01 ID:bUyzhduA [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 その後も、2体の攻防は続く――。

サトシ「"種マシンガン"!!」

ツツケラ「ケラーーッ!!」

 方や、ツツケラが遠距離から攻撃を仕掛ければ――

ハラ「"空手チョップ"で防ぐのですぞ!」

ワンリキー「リキィ!!」

 ――対するワンリキーはその攻撃を防ぎ、守り抜く。

ハラ「今ですぞ、ワンリキー! 走るのです!」

ワンリキー「リキッ!」

 方や、ワンリキーがツツケラとの距離を詰めようとすれば――

サトシ「寄せ付けるな、ツツケラ! 円を描くように飛んで引き離せ!」

ツツケラ「ケラッ!」

 ――対するツツケラは周囲を素早く飛び回り、それを拒む。


 ……遠距離からの攻撃では弱点を突けず、ダメージソースに乏しいツツケラ、接近しなければ自慢の筋力を活かせないワンリキー――

 ――お互いに決定打を与えることのできない、にらみ合いのような状況が続いていた――。
 ▼ 370 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/26 23:22:29 ID:bUyzhduA [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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サトシ「(……さっきから、なにか変だな。)」

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「ハラさん……どうして距離が開いているのに、ワンリキーに攻撃を避けさせないのかしら?」

ハウ「確かにー。防御してもちょっとずつダメージを受けちゃうし、避けさせた方がよさそうなのにねー。」

リーリエ「ワンリキーさん……あまり足が速くないのでしょうか?」

ククイ「……そうか!」

「「「博士?」」」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「(……そういうことか! なら――

     ――"あの技"が効くハズだ!)」


ツツケラ「ケラーー!」ヒュイーン!


ワンリキー「リキ……!」

ハラ「……また逃げられてしまいましたな。」


                「   ツツケラ!!   」


「「!」」
 ▼ 371 ズクモ@メガバングル 18/01/27 21:44:24 ID:lVr.zSV. [1/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「"超音波"!!」

〜〜〜〜〜〜

ハウ「……"超音波"ー? 確かに、混乱させれば攻撃は当てやすくなるけどー……今度こそ、避けられちゃうんじゃないのー?」

ククイ「わからないかい? ハウ――

    ――ヒントは、ワンリキーの特性だぜ!」

ハウ「特性ー? うーん……!」


ミヅキ「!」

ククイ「……ミヅキはわかったみたいだね!」

ミヅキ「はい。たぶん、あのワンリキーの特性は――」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「(――"ノーガード"! だからハラさんはここまでのバトルで、ワンリキーに攻撃をかわさせなかったんだ! なら――

     ――音を使った攻撃、"超音波"は防げないハズだ!!)」


ツツケラ「……ケェラァァァァァァァ!!!」

 ツツケラが声を反響させ……口から"超音波"を放つ――。

ワンリキー「リキ!?」
 ▼ 372 ョンチー@いいつりざお 18/01/27 22:15:56 ID:lVr.zSV. [2/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ワンリキー「リキーー?!?!?!」フラフラ


ハラ「ワンリキー!! ……まさか、こちらのポケモンの特性を逆用されるとは――

   ――これは、一杯食わされましたな!」

サトシ「へへっ!」ニカッ

〜〜〜〜〜〜

ハウ「……ホントだー! サトシとミヅキ、博士も……スッゲー!!」ピョン!ピョン!

ミヅキ「私は、博士からのヒントがあったから……。」


ククイ「ワンリキーのパワーアップに焦って無理に近づいていたら、ワンリキーの間合いに入り……強化された一撃をモロに喰らっていた――

    ――いや、それこそがハラさんの狙いだったんだろう。だが――」

ミヅキ「――サトシくんたちは誘いには乗らず、距離をとる戦い方を貫いた……。」

ククイ「ああ! ……スゴいぜ、サトシ!!」ニカッ

〜〜〜〜〜〜

サトシ「チャンスだぞ、ツツケラ! "種マシンガン"!!」

ツツケラ「ケラーーッ!!」ポポポポポッ!


ハラ「ワンリキー!」

ワンリキー「リキー?!?!?!?!」フラフラ

ハラ「……!」


             ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


サトシ「……よっしゃ! 直撃だ!!」ニカッ

ツツケラ「ケラ♪」

サトシ「よーし、もう一度――!」
 ▼ 373 ラスル@ポケモンずかん 18/01/27 22:34:10 ID:lVr.zSV. [3/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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____
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              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


〜〜〜〜〜〜

リーリエ「ツツケラさんの攻撃が、またワンリキーさんに……!」

〜〜〜〜〜〜

ワンリキー「リキッ……!」フラッ

ハラ「!」


サトシ「(いくら"ビルドアップ"で防御が上がってても……これだけ喰らわせれば、かなり体力を削れたハズだ! よし――

     ――ここで畳み掛ける!!)」


サトシ「ツツケラ! ……"つつく"だ!!」

ツツケラ「ケラ――」

 ツツケラが力強く羽ばたき、その場に滞空する。そのまま嘴の先端に力を溜め――

ツツケラ「――ケェラァァァァ!!!!」

 ――前方に突き出した状態で、ワンリキー目掛け勢いよく滑空する。

サトシ「行っけぇーー!!!」


ハラ「…………………………………………!」
 ▼ 374 トーボー@こだいのツボ 18/01/27 23:11:46 ID:lVr.zSV. [4/4] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

              ヒ ュ ィ ィ ィ ィ ィ ン !!!!












ハラ「こちらの誘いに乗らず、逸早くワンリキーの特性に気がつき……それを逆手に取ってみせた手腕わ見事! ですが――

   ――詰めが甘かったようですな!!」

サトシ「…………!?」


ワンリキー「……………………リキッ!!」ギロッ

サトシ「!」


サトシ「(ワンリキー……もう、混乱がとけてる!?)

    ツツケラ――」

ハラ「もう遅いですぞ! 受け止めなさい、ワンリキー!!」


ツツケラ「ケェ……ラッ!!!」


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ィ ン !!!!


ツツケラ「……………………ッ!?」

ワンリキー「……リ、キィ……ッ!」

 ワンリキーがツツケラの攻撃を正面から受け、しかし……それを受け止め、力強く踏ん張る。その勢いに押されて砂塵を巻き上げながら後退り、そして――

ワンリキー「リ、キィ……!」ニヤリ

ツツケラ「……ケラ!? ケラ〜!!!」ジタバタ


サトシ「……ツツケラ!!」

 ――ついにそれを完全に抑え込み、ツツケラをガッチリ掴んだままその場で静止する――。


ハラ「ワンリキー……"リベンジ"!!」

ワンリキー「…………リキッ!!」ブオンッ!

ツツケラ「ケラ――」
 ▼ 375 イリュー@たんけんセット 18/01/28 09:04:17 ID:ldnCxieE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 376 dX3IS9Elqo 18/01/29 14:35:30 ID:HGgOgJYQ [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

                ド ゴ ォ ッ !!!




ツツケラ「……ケラ〜〜……。」グルグル

ククイ「……ツツケラ、戦闘不能! この勝負、ワンリキーの勝ち!」


サトシ「……ごめんな、ツツケラ。俺がもうちょっと速くに気がついてれば……。」

〜〜〜〜〜〜

ハウ「サトシが押してたと思ったのに……さすが、じーちゃん。」

ミヅキ「これが、島キング……!」ゴクリ

ククイ「(例え、有利にことが進んでいたとしても……一瞬の油断で結果は大きく変わってしまう。それがポケモンバトルの面白さでもあり、恐さでもあるんだ……。さあ――

     ――島キングという、大きな壁を相手に……次はどう勝負する? サトシ……!)」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「……ゆっくり休んでてくれよ。」ポヒュン


サトシ「(確かに、ツツケラはやられちまったけど――)」チラッ
 ▼ 377 dX3IS9Elqo 18/01/29 14:55:19 ID:HGgOgJYQ [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ワンリキー「リ、キィ……ッ!」


サトシ「(――ツツケラの攻撃をあれだけ受けたんだ。

     ワンリキーだって、相当なダメージを負ってるハズ――)」

……ニカッ

サトシ「――まだまだ、こっからだぜ!」


ハラ「!」


ハラ「(……ほう。自身の圧倒的有利と思われた状況からの、思わぬ逆転劇を決められ……てっきり、取り乱すかと思いましたが――

    ――なかなかどうして、肝が据わっているというか、場慣れしているというか……ともかく、一筋縄ではいかぬようですな。)」

……ニヤリ



ククイ「それでは――挑戦者は、次のポケモンを!」

サトシ「よーし! 頼んだぜ――」

 サトシが左手でキャップのつばを掴み、右手で後頭部を押さえて……そのまま、手を前後させるように動かす。キャップを180℃回転させて……いわゆる、後ろ被りの状態になる――。


          「   ――ピカチュウ、キミに決めたッ!!   」

 ▼ 378 dX3IS9Elqo 18/01/29 17:56:47 ID:HGgOgJYQ [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜〜〜〜〜〜

ハウ「ここでピカチュウー!?」

ククイ「今、バトルの流れはハラさんに傾いている……ここでエースのピカチュウを投入することで、一気に流れを引き戻す――

    ――と、いったところだろうね!」

ミヅキ「でも――」

ククイ「……ああ。当然、ここでそのピカチュウが大きなダメージを受ける……もしくは、万が一にも負けるようなことがあれば、そのまま勝敗が決まりかねない――

    ――危険な賭けでもある。……だが、サトシもそれは承知の上だろう。」

ハウ「つまりー……それだけ、ここでじーちゃんに流れを持っていかれないのが大切ってことだねー。」

「「       頑張って、サトシくん……!
   サトシさん、ピカチュウさん、頑張ってください……! 」」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「ピカチュウ、行くぞ!」ニカッ

ピカチュウ「ピッカ!」フンスッ


ハラ「気を引き締めるのですぞ、ワンリキー! ……あのピカチュウは手強いですぞ!」

ワンリキー「リキッ!」コクッ
 ▼ 379 dX3IS9Elqo 18/01/29 19:16:41 ID:HGgOgJYQ [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「("ビルドアップ"で上昇するのは物理防御だけ、特殊攻撃のダメージには影響しない! なら――

     ――遠距離から使える特殊攻撃が二つある、ピカチュウなら有利に戦えるハズだ!)」


サトシ「……ピカチュウ! "エレキボール"!!」

ピカチュウ「ピカッ!

      ピカピカピカ――!」

 ピカチュウが後方に高く飛び上がり、くるくると回転しながら尾の先端に電気を球状に凝縮し――

ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」

 ――身体を振ることで勢いをつけ、ワンリキーに目掛けて撃ち出す。

ハラ「ワンリキー! ……また"空手チョップ"で防ぐのです!」

ワンリキー「……………………リキッ!!」

 対するワンリキーは、迫る電気の球体に縦に手刀を降り下ろし――

 ――その攻撃を真っ二つに切り裂く。半分に別れた"エレキボール"がワンリキーの両脇を抜けて行き……直後、空白で霧散する。

サトシ「!?」


サトシ「(……電撃すら防ぐのかよ!? なら――)

    ――これは切れないだろ!? ……"10万ボルト"!!」

ピカチュウ「ピーカ……チュウゥゥゥゥ!!!」

 ピカチュウの全身から、周囲に向け凄まじい電撃が迸り、四方八方からワンリキーへと集束し、その身を襲う――。



ワンリキー「……………………ッ!」
 ▼ 380 dX3IS9Elqo 18/01/29 21:13:25 ID:HGgOgJYQ [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜〜〜〜〜〜

ククイ「(……"10万ボルト"は本来、束にした電撃を相手に放って攻撃する技。……しかし、相手が"ノーガード"の特性を持つワンリキーなら、今のように周囲に向けて電撃を解き放っても、電撃は相手に必ず向かう……。

     もちろん、その分電撃一発一発の威力は大きく低下してしまうが……数が格段に増えた分、防ぐのは極めて困難になる。……相手の特性を逆手に取った、良い技の使い方だぜ、サトシ!)」ニカッ

〜〜〜〜〜〜

ハラ「……後ろに走るのですぞ、ワンリキー!」

ワンリキー「リキッ!」

 ワンリキーが電撃が遠ざかるように、後方目掛けて走る――

サトシ「けど……"ノーガード"がある限り、ピカチュウの電撃はどこまでも追いかけますよ!」


ワンリキー「リキッ! リキッ! リキッ! ――」タッタッタッ


              バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


 ――が。電撃は蛇のようにうねり、その軌道を変えて……走るワンリキーの背に、どこまでも追い縋る。

 そして――



……ピタッ!

ワンリキー「リキ……!」

 ――ついにワンリキーが、土俵のような円形のフィールド……その端にたどり着き、立ち止まる。そのワンリキーの後方に電撃が迫る――。

サトシ「(……追い詰めた!)」
 ▼ 381 dX3IS9Elqo 18/01/29 21:38:10 ID:HGgOgJYQ [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……今ですぞ! "空手チョップ"!!」

サトシ「!」


サトシ「(そんな……いくらハラさんのポケモンでも、あの量の電撃を全て防ぐなんて無理じゃ……!)」


ワンリキー「リィッ――!」

 ワンリキーが姿勢を低くし、右腕に力を込め……フィールドの下の地面に向け、勢いよく手刀を振るう。その手刀は、地面にめり込み、抉り――

ワンリキー「――キィィィ!!!」

サトシ「!?」

 ――その状態で身体を捻り、回転させることで……大地に大きく溝を作りながら、後方に向けて土を巻き上げる。その土がワンリキーと電撃の間を舞い、そして――


        バ チ ッ !

                                  バ チ ッ !


 ――電撃を吸収し、受け止める。




サトシ「…………!」

ピカチュウ「ピ、ピカァ……?!」タジタジ
 ▼ 382 dX3IS9Elqo 18/01/29 22:06:31 ID:HGgOgJYQ [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「嘘っ……!」

ハウ「まさかあの電撃を、全部止めちゃうなんてー……。」

リーリエ「さすが、島キングのハラさんですね……。」

ハウ「うんー……。遠距離からの電撃が得意なピカチュウなら、"ノーガード"で必ず攻撃を当てられるし……上手く戦えると思ったのになー。」

ククイ「……逆だぜ、ハウ。」

ハウ「逆ー?」

リーリエ「……どういうことでしょうか?」

ククイ「ハラさんは格闘タイプのポケモンを使うスペシャリスト! ……格闘タイプのポケモンは、近接戦闘をもっとも得意とする――」

リーリエ「ええ。ですから、遠距離からの攻撃が得意なピカチュウさんが有利だと……。」

「「  ……そうか―!
   なるほどね……! 」」

リーリエ「……?」

ククイ「島巡りの二人はわかったみたいだね! さすがだぜ!」

「「      えへへー!
   あ、ありがとうございます……/// 」」


ククイ「……そう、リーリエの言う通り、近接戦闘が得意な相手と戦うなら、遠距離からの攻撃で攻めればいい――

    ――けど! ……当然、それはハラさんにもわかってることなんだ!」

リーリエ「……あ!」

ククイ「もうわかったみたいだね!」ニカッ

リーリエ「ええ……つまりそれだけ、ハラさんは遠距離攻撃への対策をしている――

     ――と、いうことですね。」

ククイ「ああ! "エレキボール"のような単発攻撃はもちろん……さっきの"10万ボルト"のような、放射状に拡がる攻撃に対しても――

    ――あらゆる遠距離攻撃に対して、様々な防御手段を用意しているハズだぜ!」

ミヅキ「だからこそ"ノーガード"を活かした、近接戦闘が活きるんですね……!」

ククイ「そういうことだね!」

ハウ「やっぱじーちゃんはスゲーや……! サトシ……大丈夫かなー?」

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 383 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/29 22:28:54 ID:HGgOgJYQ [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……………………。」プルプル

ピカチュウ「ピカピ?」

サトシ「ス――」

ハラ「……『ス』?」








サトシ「――スッゲーー!! さすがハラさんだぜ!!」

ハラ「!」

サトシ「……こっちが遠距離から攻めてくるのも、全部お見通しってワケか!」

ハラ「(ほほう……! この状況でも、まだあれほどまでに前向きとは……!)」ニッ


ハラ「では――

   ――それがわかったところで、次はどうなさるつもりですかな?」

サトシ「そりゃあ、もちろん!」

……ニカッ

サトシ「……やれるよな? ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピッカ♪」コクッ



サトシ「もちろん――

    ――次は、接近戦で勝負します!!」
 ▼ 384 dX3IS9Elqo 18/01/30 21:35:40 ID:0xsQArik [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「ならばこちらも、格闘タイプの使い手として……ゼンリョクで受けて立ちますぞ!」

サトシ「はい! 挑むところです!!」ニカッ


サトシ「行くぞ……"電光石火"だ!」

ピカチュウ「ピッ! カァッ!!」

 ピカチュウが一瞬の内に姿を消し……一筋の閃光となって、ワンリキー目掛けて走る。


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ! ――」シュタタタタッ


ハラ「(先ほどのツツケラと同じ、正面からの突進攻撃……ならば!)

   ワンリキー! ……再び受け止めるのですぞ!」

ワンリキー「……リキ!」

 対するワンリキーは、そのピカチュウを迎えるべく……両手を大きく開いて構える。

サトシ「……させるか! ピカチュウ!」


      「ピカッ!」
      シ ュ バ ッ !


                                「ピカッ!」
                                シ ュ バ ッ !

      「ピカッ!」
      シ ュ バ ッ !


ワンリキー「リ……リキ!?」キョロキョロ

ハラ「これは……!」

 ……ピカチュウがそのワンリキーを撹乱すべく、走りの軌道を変える。左右に大きく振れながら、まるで自身の尾を思わせるかの如き軌跡を描きつつフィールドを駆け抜け、そして――

ハラ「惑わされてはなりま――」

サトシ「……今だ! マックススピードで突っ込め!!」

ピカチュウ「チュ、ピッ!!!」

ハラ「!」
 ▼ 385 dX3IS9Elqo 18/01/30 22:07:43 ID:0xsQArik [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「(速い――!)」


ピカチュウ「ピッカァァァ!!」ゴォォォォ!

ワンリキー「……ッ!?」

 ――ワンリキーの僅か手前でその正面へとコースを戻し、さらに加速しながら突進する。

ハラ「――ガードです!!」

ワンリキー「!」


ワンリキー「……リキッ!」

 ピカチュウがワンリキーに衝突する……数瞬前。――ワンリキーが腕を咄嗟に閉じ、身体の全面を覆って防御の構えに切り替える。そこにピカチュウが突っ込み――

ワンリキー「リ、キィ……ッ!」

 ――片や突進を受けたワンリキーは、僅かに2、3歩よろめくが……その場で踏ん張り、立ち止まる。

ピカチュウ「ピッ……!」

 ――片や突進したピカチュウは、ワンリキーが攻撃を受け止めたことで、その勢いを殺され……ワンリキーが元いた空間に、弱冠浮かび上がった状態で放り出される。

 ……結果、2体が肉薄した状態で向き合うこととなる。

サトシ「今のも防ぐのか……!」ワクワク


ハラ「チャンスですぞ! ……"リベンジ"!!」

サトシ「!」


ワンリキー「リキ――」

 ワンリキーが右腕に力を込め、大きく振り上げ――

ワンリキー「――リキィィィィィィ!!!」

 ――ピカチュウの頭上目掛けて、怒りの鉄槌を降り下ろす――。

ピカチュウ「ピカ……!?」
 ▼ 386 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/01/30 22:49:08 ID:0xsQArik [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……"アイアンテール"!」

ピカチュウ「!」

ピカチュウ「ピカ――」

 ピカチュウの尾が硬質化し、白い光を帯び――

ピカチュウ「――チュウ〜……ピッカァ!!!」


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ン !!!!


 ――そのまま上体を後ろに反らすことで、後ろ宙返りをし……降り下ろされるワンリキーの腕に対して、下から掬い上げるように尾を振り上げる。

 "アイアンテール"と"リベンジ"……二つの技がぶつかり合い、せめぎ合う――。


                ギ リ ギ リ ギ リ…… !!


ピカチュウ「ピ、カァ……ッ!」グググ……

ワンリキー「リキィ…ィ……ッ!」グググ……


                ギ リ ギ リ ギ リ…… !!


ワンリキー「リキィ、ィ……ッ!!」グイッ

ピカチュウ「!?」ガクッ


ハラ「……押し切るのですぞ!!」


ワンリキー「……リキィィィ!!!」

 ワンリキーの腕が地面に向け、大きく降り下ろされ――


                ズ ダ ァ ァ ァ ァ ン !!!!


ピカチュウ「……ビッ……!」


サトシ「……ピカチュウ!!」

 ――押し合いに負けたピカチュウが背中から地面に叩きつけられ、小さく弾み……僅かに数十cm程度、後方へと飛ばされる。

サトシ「(格闘タイプのワンリキー相手に鋼タイプの技じゃ、やっぱ分が悪かったか! けど――)

    ――この瞬間を待ってたぜ!」ニヤリ


ハラ「…………!?」
 ▼ 387 dX3IS9Elqo 18/02/01 15:54:57 ID:5pesNalk [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ピカチュウ!」

ピカチュウ「……ピッカ!」

 後方へと弾むピカチュウが、再び後ろ宙返りで体勢を立て直しつつ、尾の先端に電気を球状に凝縮し――

ハラ「!」


ハラ「(……ワンリキーの腕が地面へと振り落とされ、使うことのできないタイミングを狙って……!)」

サトシ「……"エレキボール"!!」

ピカチュウ「チュ、ピッ!!」

 ――回転の勢いを乗せて、至近距離からワンリキーへと放つ――。

ワンリキー「……………………ッ!!」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!

 ▼ 388 dX3IS9Elqo 18/02/01 16:19:49 ID:5pesNalk [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




ワンリキー「……リキ〜〜……。」グルグル

ククイ「……ワンリキー、戦闘不能! この勝負、ピカチュウの勝ち!」

〜〜〜〜〜〜

ハウ「……やったー! サトシとピカチュウが勝ったー!」ピョン!ピョン!

ミヅキ「うん! やっぱりスゴいよ、サトシくんとピカチュウ!」ニコッ

リーリエ「これで2 vs 2……また、互角に戻りましたね……!」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「よく頑張ったな、ピカチュウ! ……この調子で次も頼むぜ!」ニカッ

ピカチュウ「ピカ♪」


ハラ「ご苦労様ですぞ、ワンリキー!」ポヒュン


ハラ「……やりますな! サトシ!!」

サトシ「これで、残りのポケモンはお互いに2体ずつ……追い付きましたよ!」

ハラ「そのようですな!」ニカッ


ククイ「それでは――島キングは、次のポケモンを!」

ハラ「(……やはり、あのピカチュウはかなりの強敵……。ここで一気に叩きたいところですな。と、すれば、ここは――)

   ――頼みましたぞ!」カチッ

                     ポ ー ン

                    パ カ ー ン !
 ▼ 389 dX3IS9Elqo 18/02/01 16:42:17 ID:5pesNalk [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……マケンカニ!!」

マケンカニ「カニーーッ!」スタッ


サトシ「!」


サトシ「(あのポケモン……モーテルのおじさんが連れてた……!)」

〜〜〜〜〜〜

ハウ「ここでマケンカニ……!」

リーリエ「あのポケモンさん……なにか特別なポケモンさんなのですか?」

ハウ「うんー! ……じーちゃんのマケンカニは、島巡りの挑戦者に立ちはだかる、メレメレの大試練最後の壁――

   ――大試練でじーちゃんが使うポケモンの中でもっとも鍛え上げられた、じーちゃんのエースなんだー!」

リーリエ「なるほど……。」

ミヅキ「ここで、そのエースを早々に出してきたってことは――」

ククイ「――それだけ、サトシたちの実力を買っている……と、いうことだね!」

リーリエ「……ですね。」


ククイ「(ハラさんのマケンカニは強いぜ! サトシ――

     ――島キングの胸を借りるつもりで、ドーンと行けっ!!)」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「……頑張ろうな! ピカチュウ!」ニカッ

ピカチュウ「ピッカ!」コクッ
 ▼ 390 dX3IS9Elqo 18/02/01 17:28:50 ID:5pesNalk [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「先手必勝だぜ! "電光石火"だ!!」

ピカチュウ「ピッ! カァッ!!」

 ピカチュウの姿が、一瞬の内に消え――

ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ! ――」

 ――小さく、肩で息をしながら……光の尾を牽き、バトルフィールドを駆け抜ける。

ハラ「迎え討つのですぞ、マケンカニ! "バブル光線"!!」

マケンカニ「カニッ――」

 対するマケンカニは、大きく息を吸い込み――

マケンカニ「――カニーーッ!!」

 ――無数の泡を一直線に……さながら、光線のようにしてピカチュウ目掛けて撃ち出す。

ピカチュウ「!」


              ブ ク ブ ク ブ ク ッ !!!!


サトシ「……突っ込め! ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピカッ!!」

 ピカチュウが後ろ足で大地を蹴り……地面に対して水平に、さながら幅跳びの如く飛び上がる。自身に迫る泡に対して高速で飛翔し、そして――

サトシ「続けて"アイアンテール"!!」

 ――その状態で尾を硬質化し……まるで円盤の如く、くるくると回転する。

ピカチュウ「ピカピカピカピカ……ピカーーッ!!!」


ハラ「な、なんと……っ!」

 回転しながら飛ぶピカチュウ、そのピカチュウの水平に振るわれる尻尾……その尻尾が"バブル光線"を切り裂き、マケンカニに向け宙を駆ける――。

マケンカニ「……ッ!?」


ハラ「……ハサミでガードです!!」


マケンカニ「……カニッ!!」ガバッ!

ピカチュウ「チュウ〜〜……ピッカァ!!!」ブオンッ!


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!

 ▼ 391 dX3IS9Elqo 18/02/01 21:05:25 ID:5pesNalk [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「ピ、カ……ッ!  ビリビリ
  カ、ニ……ッ!」」ビリビリ

 ピカチュウの攻撃を、マケンカニの右のハサミが受け止め――

マケンカニ「……カニッ!」

ピカチュウ「……ッ!」

 ――そのまま、ピカチュウの身体を押し返す。……押し返されたピカチュウが、空中で身体を捻って体勢を立て直し、頭は天に、長く伸びた尻尾は大地に……マケンカニと向き合うよな体勢で宙を舞う。

 対して、マケンカニはピカチュウを押し返した直後、左のハサミをぐるぐると後ろ回りに振り回し――

ハラ「……"グロウパンチ"!!」


マケンカニ「カニーーッ!!!」

 ――その勢いのままに、浮かび上がったピカチュウ目掛けてアッパーを放つ。

ピカチュウ「…………ッ!」
 ▼ 392 dX3IS9Elqo 18/02/01 22:04:46 ID:5pesNalk [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「("グロウパンチ"……当たると、ポケモンの攻撃力が上がる技か! マズい……!)」チラッ


サトシ「(……今、ピカチュウは正面を向いた状態で空中にいる……あの体勢からじゃ避けられない! 尻尾が真下に向いてちゃ、反撃も――

     ――――! そうだッ!!)」


サトシ「……"エレキボール"だ!!」


ピカチュウ「!」

ピカチュウ「……ピカピカピカ――」

 自身にマケンカニの拳が迫る中、ピカチュウが尾の先端に球状に電気を溜め――

サトシ「……マケンカニの手前の地面に撃て!!」


ピカチュウ「――チュ、ピッ!!」

 ――尻尾を目一杯前へとしならせ、下方に向けて撃ち出す。そのピカチュウの放った電撃が、マケンカニのやや前方、足元の地面へと着弾し――

マケンカニ「……カニッ!?」


ピカチュウ「……ビ、ッ……!」

 ――盛大に爆ぜる。爆風に煽られ、ピカチュウが後方へと吹き飛ばされ……直後、マケンカニの拳が爆煙を切り裂き、ピカチュウが元いた空間を大きく薙ぐ。

ピカチュウ「……ピ、カ……ッ!」

 大きく飛ばされたピカチュウが、空中で身を翻し……後方の地面へと着地する。飛ばされた勢いのままに、数メートルほど後退る。


ハラ「ほう、多少強引とはいえ……今のをかわすとは――

   ――やりますな。」

サトシ「……"グロウパンチ"を受けるのは危ないですからね! その技は決めさせません!!」
 ▼ 393 dX3IS9Elqo 18/02/01 23:17:36 ID:5pesNalk [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「果たして……そう、上手くいきますかな?」ニヤリ

サトシ「……ッ!?」


サトシ「……"10万ボルト"だ!!」

ピカチュウ「ピカ! チュウゥゥゥ!!!」

 ピカチュウがマケンカニ目掛け、全身から電撃を放出する――。

ハラ「マケンカニ! "クラブハンマー"!!」

マケンカニ「カァニィ――」

 対するマケンカニは、そのハサミに水の力を宿し、大きく振りかぶり――


              バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


マケンカニ「――カニーーッ!!」

 ――真下に向け降り下ろす。……そのハサミに宿った水のエネルギーが、ハサミが地面衝突したことで弾け、水渋きとなり――


              バ ッ シ ャ ァ ァ ァ ン !!!!


「「!?」」

 ――前方を遮る障壁となる。その水の障壁にピカチュウの放った電撃が衝突し、そして――


        バ チ ッ !


                                バ チ ッ !


 ――勢いを殺され、周囲に拡散し……霧散する。

サトシ「!」

サトシ「(……そういうことか……!)」
 ▼ 394 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/02/01 23:43:07 ID:5pesNalk [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「(ハラさんのポケモンたちはみんな、遠距離からの攻撃に対して隙のない対策をしている――

     ――つまり、こっちも接近戦で勝負しなきゃならないってこと。けど――)」チラッ


マケンカニ「カニッ! カニッ!」フンスッ

シュタッ! シュタッ!


サトシ「(――接近戦になっちまったら、それを最も得意とする格闘タイプ……素早い身のこなしのマケンカニの攻撃を、完璧に避け続けるのは難しい。

     そうやって俺たちに接近戦をさせて、"グロウパンチ"で優位に立つ……それがハラさんの狙いなんだ!)」


ハラ「さあ……次はどうきますかな?」

サトシ「(なら――!)」

……ニヤリ


ハラ「!」

サトシ「(――挑むところだぜ!)」


サトシ「……もう一度"電光石火"だ! ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピッ! カァッ!」シュバッ!
 ▼ 395 ラカラ@あおのはなびら 18/02/02 07:41:41 ID:kY3.xXv6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
しえん
 ▼ 396 dX3IS9Elqo 18/02/02 22:19:58 ID:3ksJLPOc [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ――」シュタタタタッ!


ハラ「マケンカニ! ……"グロウパンチ"で迎え討つのですぞ!!」

マケンカニ「カニィ――」グルングルン


マケンカニ「――カニーーッ!!」

 ……再びマケンカニのアッパーが、ピカチュウを襲う――。

サトシ「……飛べッ!!」


ピカチュウ「……ピッ!!」

 マケンカニと衝突する、直前……ピカチュウが前足に全体重を乗せ、急ブレーキをかける。突如停止したことで後ろ足が浮かび上がり、逆立ちのような状態になり――

ピカチュウ「カァァッ!!!」

マケンカニ「!」

 ――そのまま、前足で地面を蹴り、真上に高く飛び上がる。

 ピカチュウが飛んだ直後、マケンカニのハサミが空を斬り……その身体が、大きく右に傾く。

ハラ「なんと……!」

サトシ「……"アイアンテール"だ!!」


ピカチュウ「チュウゥゥ――」

 ピカチュウが尾を白く光らせ、くるくると回りながら、マケンカニの頭上に落ちてくる――。



ハラ「またしても、見事な回避ですな――」
 ▼ 397 dX3IS9Elqo 18/02/02 22:41:35 ID:3ksJLPOc [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「――と、言いたいところですが。」

サトシ「!?」


マケンカニ「カニィ――」

 マケンカニが右に傾いた身体を後ろ側に捻り、左側二本の足で力強く踏ん張りながら、その足を軸にその場で回り――

ハラ「……"グロウパンチ"!!」


「「 ――ピッカァッ!!!
   ――カァニィッ!!! 」」

 ――落下してくるピカチュウ目掛け、今一度アッパーを放つ。

 "アイアンテール"と"グロウパンチ"……二体の技がぶつかり合い、火花を散らす――。


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!


マケンカニ「……カニィィ!!」ギュイーン!

ピカチュウ「!?」


サトシ「……一発もらっちまったか……!」

ハラ「これでマケンカニの攻撃力がアップ。こちらが一歩リードですな。

   マケンカニ! そのまま――」

サトシ「……けど! タダじゃ終わりません!!」

ハラ「!」


サトシ「……"エレキボール"だ!!」


ピカチュウ「……ピカピカピカッ!」バチバチバチ!

マケンカニ「……ッ!?」
 ▼ 398 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/02/02 23:14:26 ID:3ksJLPOc [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ……ピカチュウがマケンカニと衝突した直後、自身の尾と相手のハサミが触れ合った状態で、尾に電気エネルギーを集め初め――


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


マケンカニ「……ガッ……ニ"……ッ!」


ハラ「……マケンカニ!!」

 ――エネルギーが溜り、電撃が凝縮された……その瞬間。……触れ合ったハサミからマケンカニに電流が走り、さらに電撃が爆ぜ……マケンカニの身体が大きく吹き飛ばされ、地面に叩きつられる。

ピカチュウ「ピッカ!」スタッ

サトシ「……どうだっ!!」


ハラ「……大丈夫ですかな? マケンカニ!」

マケンカニ「……………………カニ!」ガバッ!


マケンカニ「カニカニー!」フンスッ

シュッ! シュッ!


ハラ「……まだまだ、闘志は充分のようですな。」ニヤリ

マケンカニ「カニッ!」コクッ



ハラ「……驚きましたぞ、サトシ! まさか、あそこから反撃を決めてくるとは!」

サトシ「へへっ!」ニカッ


ハラ「(やはり、あのピカチュウは一筋縄ではいかぬ相手。よほどバトルの経験が豊富と見受けられますな。

    ならば――)」
 ▼ 399 dX3IS9Elqo 18/02/04 13:21:41 ID:e5Gjs71k [1/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「――伴に行くぞ! マケンカニ!!」キラーン!

マケンカニ「……カニッ!!」バッ

サトシ「!」

 ハラとマケンカニが、腕を頭上に振り上げ、そのまま外側に大きく回し……その後、眼前で交差させて構える。……ハラの腕に着けられたZリングが、橙の輝きを放つ――。

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「あれは……!」

ハウ「……Z技ー!?」

ククイ「どうやら、ピカチュウをパーティーの要と見た上で、"グロウパンチ"で威力の上昇したZ技で一気に叩き、そのまま勝負を決する――

    ――それが狙いのようだね!」


ハウ「た、確かに、ここでピカチュウが負けちゃったらー――」

ミヅキ「――サトシくんは残りニャビー一体だけで、パワーアップしたマケンカニと、もう一体を相手にしなきゃいけない……!」

リーリエ「……サトシさん、ピカチュウさん……!」チラッ


サトシ「ま――」


「「「「……『ま』?」」」」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「待っ―――て、ましたァッ!!!」


「「「「 !!? 」」」」


……ニカッ!

ハラ「…………ッ!」


サトシ「……行くぞ! ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピッカ!!」フンスッ
 ▼ 400 dX3IS9Elqo 18/02/04 15:50:36 ID:e5Gjs71k [2/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ふっ!」キラーン!

ピカチュウ「ピッカ!!」バッ

ハラ「……! なるほど、真っ向勝負ということですかな――

   ――面白い! 受けて立ちますな!!」

サトシ「……へへっ!」ニカッ
 ▼ 401 dX3IS9Elqo 18/02/04 16:16:52 ID:e5Gjs71k [3/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_


『……なんだ今の技……!スッゲー!とにかくスッゲェーー!!!!』

『ピカピーカ……!!』

 Z技……カントー地方で偶然立ち寄ったポケモンジム、そこで見た、ククイ博士とポケモンたちのゼンリョク――

 ――見たことないアローラのポケモンたち、俺の知ってるポケモンの新しい可能性リージョンフォーム……他にも、ワクワクする要素はたくさんあったけど……俺は、いや、俺たちは!

 ……あのZ技に憧れて、アローラでの島巡りを決めたんだ! それ以来、ずっとZ技を使うことを夢見てきた――

ピカチュウ「……ピカピ!」ニヤリ

サトシ「おう!」ニカッ

 ――その夢が……今、叶う!!


                シュッ! シュピッ! バッ! バッ!


サトシ「……感じるぞ。俺とピカチュウが一緒になって、スッゲェ強くなっていくのを!」ズギューン!

ピカチュウ「ピッカァ……!!」ググググ!
 ▼ 402 dX3IS9Elqo 18/02/04 16:33:48 ID:e5Gjs71k [4/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……………………。」チラッ


ハラ「我、メレメレの島……そして、守り神カプ・コケコと意志を共にする、島キングなり。」

マケンカニ「カニッ!!」


          ビシッ! バシッ! ビシッ! バシッ! ドーン!!!

 ▼ 403 dX3IS9Elqo 18/02/04 17:07:08 ID:e5Gjs71k [5/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


『……もちろん、通常の技と同じように、強い威力の技をぶつければ相殺することだってできる。』


 強い威力の技……これまでの冒険の中でも、そういう技はたくさん見てきた。たとえば、ピカチュウが覚えてた"雷"だったり、"ボルテッカー"だったり――

 ――"ハードプラント"に"ブラストバーン"、"ハイドロカノン"……他にも、他にもたくさん! 

 けど――


 ――カントー地方でみた博士のZ技、その威力は、それらの技すらも大きく上回る物だった……なら!

 ……『目には目を、歯には歯を、Z技にはZ技を』――だ! 確かに、ハラさんのマケンカニがパワーアップしてる分、ピカチュウの方が不利だけど――


『全てはかわせなくても、技の一部を往なして、ダメージを減らしたり……』


 ――それってつまり、連続で攻撃するZ技なら、全ては当たらなくてもいいってことだろ? なら……ハラさんの使ってくる技次第では、まだ勝機はある!

 それに――


『Z技は、ポケモンもトレーナーも大きく体力を消耗するから……バトル中、一度しか使えないの。』


 ――この、Z技の撃ち合いを制す……とまではいかなくても、せめて互角の勝負に持ち込めりゃあ……"エレキボール"でマケンカニが消耗してる分、むしろピカチュウが有利だ!

 ピンチはチャンス……ここを凌いで、バトルの流れをゲットするぜ!


サトシ「……頼むぞ! ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカッ!!」コクッ

サトシ「……サンキュー!!」ニカッ
 ▼ 404 dX3IS9Elqo 18/02/04 18:58:02 ID:e5Gjs71k [6/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



        「   これが俺たちの、ゼンリョクだぁッ!!!   」




        「   今こそ、全ての力をひとつにする時!!!   」


 ▼ 405 dX3IS9Elqo 18/02/04 19:04:03 ID:e5Gjs71k [7/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



  「   "ウ ル ト ラ ダ ッ シ ュ ア タ ーー ッ ク" !!!!   」




        「   "全 力 無 双 激 烈 拳" !!!!   」


 ▼ 406 dX3IS9Elqo 18/02/04 22:06:08 ID:e5Gjs71k [8/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


                    「 
                      ピ

                  カ

                          ピ

              カ

                              ピ

                  カ

                          ピ

                    カ
                        ピ

                      カ

                      ァ

                      ァ

                      ァ

                      ァ

                      ァ

                      ァ

                      ァ

                      ッ

                     !!!
                        」
 ▼ 407 dX3IS9Elqo 18/02/04 22:08:30 ID:e5Gjs71k [9/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



 片やピカチュウが、Zパワーをその身に纏い、渾身の力でバトルフィールドを駆け抜け――


 ▼ 408 dX3IS9Elqo 18/02/04 22:24:49 ID:e5Gjs71k [10/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

    「   カァニッ! カニ! カニ! カニ! カニ! カニ! カニ!   」

                      ズ
        ダ                   ダ
               ダ                   ダ
                      ダ
            ダ
                             ダ
    ダ
                 ダ
                                 ダ
        ダ                ダ
                                    ダ
      ダ
              ダ       ダ
                              ダ
                    ダ
            ダ              ダ
       ダ
                                ダ
                ダ
                      ダ

                     !!!
 ▼ 409 dX3IS9Elqo 18/02/04 22:27:13 ID:e5Gjs71k [11/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



 ――片やマケンカニが、無数にそのハサミを振るい、大地を埋め尽くすほどの衝撃波を放つ。


 ▼ 410 dX3IS9Elqo 18/02/04 23:07:00 ID:e5Gjs71k [12/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「(よし! これなら……!)」


サトシ「……無理に全部受けようとするな! ピカチュウ――

    ――なるべく往なしながら、攻撃の合間を縫って進め!!」

ピカチュウ「ピカッ!」コクッ




              ズ ダ ダ ダ ダ ダ !!!!


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ――」チュイン!チュイン!スカッ!


              ズ ダ ダ ダ ダ ダ !!!!


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ――」スカッ!スカッ!バシッ!


              ズ ダ ダ ダ ダ ダ !!!!


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ――」スカッ!チュイン!バシッ!


 ……ピカチュウがバトルフィールドを駆け抜けながら、自身に迫る無数の衝撃波を、時には回避し、時には後方へと往なし、時には正面から受け止め――


ピカチュウ「……ピカピカピカピカァーーッ!!!」ドドドドドド!


 ――なおも止まることなく、マケンカニに向けて猛進する。

 そして――
 ▼ 411 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/02/04 23:53:28 ID:e5Gjs71k [13/13] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……ここだ! マックスパワーで突っ込め、ピカチュウ!!!」

ピカチュウ「ピッカァァァァァッ!!!!」ズドォォォォ!


ハラ「……フィニッシュですぞ! マケンカニ!!!」

マケンカニ「カニィィィィ――」グッ


マケンカニ「――カニィィィィッ!!!!」ズドォォォォ!


                    カ ッ !


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!
 ▼ 412 dX3IS9Elqo 18/02/05 14:46:06 ID:c5xq.Ocw [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ――最後の力を振り絞ったピカチュウ渾身の突進と、マケンカニのハサミの一撃……それらがぶつかり合い大爆発を巻き起こす。

 その衝撃に木々はざわめき……辺りを黒煙が覆い尽くす。

〜〜〜〜〜〜

ククイ「……っ!」ビリビリ

ハウ「うわっ……!」ビリビリ

ミヅキ「うぅ……っ!」ビリビリ

リーリエ「ス、スゴい衝撃です……!」ビリビリ


ハウ「……な、なにも見えないー……どうなったのー!?」

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 413 dX3IS9Elqo 18/02/05 21:12:56 ID:c5xq.Ocw [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告












 徐々に黒煙が晴れ、視界が澄み渡る――。


「「 ピ……カ……ッ!   ゼェ、ゼェ
   カ……ニ……ッ! 」」ゼェ、ゼェ


「「!」」


「「  ……"10万ボルト"だッ!!
   ……"バブル光線"ですぞッ!! 」」


「「 ピカ……チュウゥゥゥゥ!!!   バリバリバリッ!
   カニ……カニィィィィッ!!! 」」ブクブクブクッ!
 ▼ 414 dX3IS9Elqo 18/02/05 21:34:57 ID:c5xq.Ocw [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

                  バ チ ィ ッ !!



ハウ「……電撃が泡を弾き飛ばしたー!?」



              バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!


マケンカニ「―――ッ!」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!



ハラ「……マケンカニ!!」

マケンカニ「……カニ〜〜……。」グルグル


ククイ「……マケンカニ、戦闘不能! この勝負、ピカチュウの勝ち!」


サトシ「……やっ―――たぜェッ! これで逆転だッ!!!

    ……カッコ良かったぞ! ピカチュウ!!」

ピカチュウ「ピカ♪」ニコッ

……ヨロッ

サトシ「っと! ……大丈夫か?」

ピカチュウ「ピ、ピーカ……!」コクッ


ハラ「お疲れさまでしたな、マケンカニ!」ポヒュン


ククイ「それでは――島キングは、次のポケモンを!」
 ▼ 415 dX3IS9Elqo 18/02/05 22:18:05 ID:c5xq.Ocw [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「最後、頼みましたぞ――」カチッ


                     ポ ー ン


                    パ カ ー ン !


ハラ「――マクノシタ!!」

マクノシタ「……マクッ!!」スタッ


サトシ「ハラさんの最後のポケモンはマクノシタか……。行くぞ、ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピカッ!」フンスッ
 ▼ 416 dX3IS9Elqo 18/02/05 22:33:18 ID:c5xq.Ocw [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「攻撃は最大の防御だ! ……"電光石火"!!」

ピカチュウ「……ピッカ!」

 ピカチュウが高速で駆け出し――


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ――」


マクノシタ「……!」

 ――瞬く間にマクノシタへと肉薄する――。

ハラ「マクノシタ――」




ハラ「――"猫騙し"ですぞ!!」

サトシ「……しまった! ピカ――」


                  パ ァ ン !!


ピカチュウ「」ビクッ!

ハラ「……続けて"つっぱり"!!」
 ▼ 417 dX3IS9Elqo 18/02/05 23:06:33 ID:c5xq.Ocw [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マクノシタ「マク!」パァン!

ピカチュウ「ビ……ッ!」

マクノシタ「マク!!」パァン!

ピカチュウ「……ガ……ッ!」

マクノシタ「マクーーッ!!!」パァン!

ピカチュウ「ヂュ……ッ!!」


              ズ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


サトシ「……ピカチュウ!!」




ピカチュウ「……ピカ〜〜……。」グルグル


ククイ「……ピカチュウ、戦闘不能! この勝負、マクノシタの勝ち!」


ハラ「これで、また振り出し……追いつきましたぞ。」


サトシ「ピカチュウ……。」テクテク

……スッ

ギュッ!

ピカチュウ「……ピカピ……。」

サトシ「……パワーアップしたワンリキーを倒して、マケンカニとのZ技対決も勝って――

    ――お前はよくやったよ。……後は俺たちに任せろ!」

ピカチュウ「……ピカ♪」コクッ


ククイ「それでは――挑戦者は、次のポケモンを!」
 ▼ 418 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/02/05 23:24:04 ID:c5xq.Ocw [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「("猫騙し"は、そのポケモンが繰り出された直後にしか使えない技……その技を出させた上で、相手の手の内を二つも晒させたんだ――

     ――まだ、こっちの優位は崩れちゃいない!)」


サトシ「……ラスト! 頼んだぜ――」カチッ


                   ポ ー ン


                  パ カ ー ン !


サトシ「――ニャビー! キミに決めたッ!!」

ニャビー「……にゃぶっ!!」スタッ

〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「いよいよ、お互いに最後の一体同士……!」

リーリエ「ポケモンさんの数では互角ですが、相手は、島キングのハラさんのポケモンさんです――

     ――大丈夫でしょうか、サトシさんにニャビーさん……。」

ハウ「……サトシたちなら、きっと大丈夫だよー!」ニカッ

ククイ「……ああ! ハウの言う通り――

    ――信じようぜ! サトシたちの大試練突破を……!」

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 419 ゴジムシ@ぎんいろのはね 18/02/08 00:15:48 ID:iFYT3z76 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 420 dX3IS9Elqo 18/02/08 11:46:34 ID:xYNLqLq2 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「(……ハラさんのポケモンたちはこっちの遠距離攻撃に対して、なにかしらの対策をしてる。つまり、こっちが遠距離から攻撃すれば、必ずなにか行動に出るということ! なら――)」

サトシ「ニャビー! "火の粉"だ!!」

サトシ「(――その隙を突く!!)」


ニャビー「……にゃばっ!!」ボッ!!

サトシ「……そこで走れ!!」

ニャビー「うにゃっ!」ダッ


 ニャビーがマクノシタ目掛けて、小規模な火の玉――"火の粉"を放った後、その後を追うように、自身も走り出す。前方の"火の粉"に後方のニャビー、二つの影がマクノシタに迫る。


        シュタタタタ!

                                  ゴォォォォ!!

ハラ「……………………。」ジッ


マクノシタ「……………………。」ズシッ

サトシ「!?」

サトシ「(……なんだ!? 動かない……!?)」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ン !!!!!!!!


サトシ「(……嘘だろ!? 直撃を受けた……!)」

サトシ「くっ……なら! ……続けて"炎の牙"!!」


ニャビー「……にゃばぁぁぁっ!!!」バッ


 マクノシタがニャビーの放った攻撃を、動かず、正面から受けとめる。そのマクノシタの姿を、黒煙が覆い……間髪入れずその渦中へと、溢れんばかりの炎を口内に溜めた、ニャビーが飛び込む。
 ▼ 421 dX3IS9Elqo 18/02/08 14:08:22 ID:xYNLqLq2 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……"はたき落とす"!!」

サトシ「!?」


マクノシタ「……………………マクッ!!」ブワァッ!!

……ガシッ!

ニャビー「にゃ!?」

サトシ「…………ニャビー!!」


 突如、黒煙を突き破り、マクノシタの左腕がニャビーに伸びる。そのまま、自身に飛びかかるニャビー……その頭部を鷲掴みにし――


マクノシタ「…………マクッッ!!!」ブオンッ!!


                ズ ダ ァ ァ ァ ン !!!!!!!!


ニャビー「……がっ……!」ゴロゴロ

……ベシャッ!

ニャビー「……うにゃ〜〜……。」


 ――固定された頭部、それに対して右腕を勢いよく降り下ろし、地面に叩き落とす。ニャビーの身体が弾み、そのまま数メートル転がり……力なく投げ出される。


サトシ「くそっ! ……大丈夫か? ニャビー!!」


ニャビー「……に、にゃぶ……っ!」ヨロヨロ

サトシ「くっ……!」
 ▼ 422 dX3IS9Elqo 18/02/08 14:39:39 ID:xYNLqLq2 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

〜〜〜〜〜〜

リーリエ「ニャビーさんの攻撃、たしかに当たったハズなのに……っ!」

ハウ「な、なんでー!? じーちゃんのマクノシタ……ニャビーの攻撃、効いてないのー!!?」

ククイ「……いや、効いていないワケじゃないぜ。おそらく、効き目が薄かったから、体勢を立て直すのが早かっただけだろう。」

ミヅキ「けど、マクノシタは格闘タイプ……炎の攻撃は――」

ミヅキ「!」

ククイ「……気がついたかい?」

〜〜〜〜〜〜

サトシ「(……マクノシタの特性、"厚い脂肪"か! あの特性を持つポケモンは、炎と氷の技で受けるダメージが半減する――

     ――それで攻撃を凌いで、素早い反撃に繋いだんだ!!)」


ハラ「……その表情。どうやら、気がついたようですな。」

サトシ「ええ。……マクノシタの特性ですよね?」

ハラ「いかにも! サトシの考えている通り、わしのマクノシタの特性は"厚い脂肪"ですな! これまた、お見事!!」ニッ

サトシ「……ありがとうございます。」

ハラ「ですが――」

サトシ「?」

ハラ「――それがわかったところで、どうしますかな?」

サトシ「!?」

サトシ「(……そうか! これまでのはハラさんの戦略だったのに対して、今回のはマクノシタの『特性』――

     ――気がついたところで、俺には、それを防ぐ術がない!!

     つまり、純粋な炎の威力か……もしくは、それ以外の技で勝負しなきゃならないってこと! けど――)」チラッ


ニャビー「にゃぶ……!」


サトシ「(――"猛火"の発動していない今じゃ、炎の威力で突破するのは難しいし……"ひっかく"攻撃は威力が低い!)」

サトシ「くっ……!」

ニャビー「にゃぶ……。」ジッ

サトシ「……大丈夫だ、ニャビー。なんとかしてみせる……!」

ハラ「(さて、このピンチを、次はどうやって乗り切りますかな――

    ――サトシ!)」ニヤリ
 ▼ 423 ムリット@まんまるいし 18/02/08 21:08:31 ID:PdomMtfE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 424 dX3IS9Elqo 18/02/08 22:00:40 ID:xYNLqLq2 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「(まずは、"厚い脂肪"の影響を受けない"ひっかく"攻撃を中心に攻めて、マクノシタの体力を削る!)」

サトシ「……行け! "ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「……うにゃっ!!」タタタタタ……

バッ!

ニャビー「うにゃああああ!!!」シュバッ!!


ハラ「……受け止めるのですぞ! マクノシタ!!」

マクノシタ「……マクッ!!」グッ


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!!!!!


マクノシタ「マ……ク……ッ!!」ズザァァァ……


 ニャビーがマクノシタへと勢いよく駆け寄り、飛びかかり……その勢いを乗せて、鋭い爪を降り下ろす。対するマクノシタはニャビーの攻撃に対して動かず、どっしりと構え……その攻撃を真正面から受け止める。ニャビーの勢いに押され、砂塵を巻き上げながら数メートル後退る。


サトシ「!」

サトシ「(……また、正面から攻撃を……!!)」

ハラ「……反撃ですぞ! "つっぱり"!!」


マクノシタ「マクッ! マクッ! マクッ!」パパパ!

ニャビー「にゃっ……! がっ……! うにゃっ……!」ビシッ! バシッ! バシッ!

マクノシタ「……マクーーッ!!」パァン!!

ニャビー「……うにゃあ!?」ドカッ!


              ズ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!!!!!


サトシ「……ああっ! ニャビー!!」


 マクノシタの放った連撃……その攻撃がニャビーの身体を複数打ちのめし、最後の攻撃を受けたニャビーの身体が大きく吹き飛ばされる。轟音と共に、フィールドの床に叩きつけられ……その衝撃で、周囲を再び砂塵が舞う。


サトシ「……大丈夫か!? ニャビー!!」
 ▼ 425 dX3IS9Elqo 18/02/08 22:28:04 ID:xYNLqLq2 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告








ニャビー「……………………にゃあ……っ!!」

サトシ「よかった……!」ホッ

サトシ「……まだいけるよな? ニャビー!」

ニャビー「にゃぶ!」コクッ

サトシ「いいぞ! その意気だぜ!!」ニカッ


サトシ「……もう一発喰らわせてやれ! "ひっかく"攻撃!!」

ニャビー「にゃぶっ!!」

ハラ「ならば、こちらも――

   ――もう一度受け止めるのですぞ! マクノシタ!!」

マクノシタ「マクッ!!」


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!!!!!


ハラ「……"つっぱり"!!」


マクノシタ「……マクッ!!!」バッ!!

ニャビー「――――ッ!!」


              ズ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!!!!!


サトシ「ぐっ……!」



ニャビー「……………………にゃぁぁぁっ……!!」キュィィィィン!!!

「「!」」
 ▼ 426 dX3IS9Elqo 18/02/08 22:55:48 ID:xYNLqLq2 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ……再びの二匹の衝突。ニャビーが鋭い爪を振るえば、マクノシタがそれを受け止め、抑え込み……そしてこれもまた再び、マクノシタの反撃の"つっぱり"がニャビーの身体を吹き飛ばし――
 ――ニャビーの身体が地面に投げ出される、先ほどと同様の展開。……しかし、その直後、ニャビーの身体からオーラが迸る。


〜〜〜〜〜〜

ミヅキ「あの光は――」

ハウ「――ピンチの時に炎の威力が上がるニャビーの特性、"猛火"だー!」

リーリエ「……と、いうことはニャビーさん、体力がもう……!」

ククイ「(……さあ、いよいよバトルもクライマックス! サトシ、キミとニャビーの力を――

     ――最高の技を見せてくれよ!!)」ニカッ

〜〜〜〜〜〜

サトシ「(……ここで"猛火"か! つまりもう、ニャビーの体力は残り少ない――

     ――マクノシタはどうだ!?)」チラッ


マクノシタ「マクッ!!」ズシン!

マクノシタ「マクッ!!」ズシン!

マクノシタ「……マクーーッ!!!」フンスッ!!


サトシ「(……駄目か! 一撃で決められなきゃ、また攻撃を受け止められて……反撃で今度こそやられちまう!!

     なにか、もっとパワーを上げる方法は――)」

サトシ「……………………!」ウーン、ウーン……


ハラ「……さあ、どうしましたかな? サトシ! 来なければ、こちらから行きますぞ!!」

マクノシタ「……マク!!」

サトシ「くっ……!」

ニャビー「にゃあ……。」ジッ
 ▼ 427 dX3IS9Elqo 18/02/08 23:58:30 ID:xYNLqLq2 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ニャビー「……にゃーーぶっ!!!」

サトシ「?」

サトシ「……ニャビー?」

ニャビー「にゃあ! にゃあぶっ!!」ジタバタ

サトシ「え? もしかして……任せろっていうのか?」

ニャビー「にゃぶ!!」コクッ

ハラ「(……ほう、ポケモンが自ら……!)」

サトシ「けど――」

ニャビー「……………………!」ジーーッ!


サトシ「……………………わかった! なら――」

ニャビー「……。」

サトシ「――こっからもっともっと上げていこうぜ! ニャビー!!」ニカッ

ニャビー「…………にゃあ♪」


ハラ「……どうやら、覚悟は決まったようですな。」

サトシ「はい! ……待たせちゃって、ごめんなさい――

    ――決着を着けましょう! ハラさん!!」

ハラ「臨むところです――

   ――さあ! ……かかって来るのですぞ!!」

マクノシタ「マクッ!!」


サトシ「……頼んだぜ! ニャビー!!」

ニャビー「にゃぶ!!」
 ▼ 428 晩はここまで◆dX3IS9Elqo 18/02/09 00:35:27 ID:Yr2D2rlk [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……よーし! 行け、ニャビー!!」

ニャビー「……にゃっ!」ダッ


ハラ「……気を引き締めるのですぞ! マクノシタ!!」

マクノシタ「……マクッ!」グッ


ニャビー「にゃっ! にゃっ! にゃっ――」タタタタタ……


              キ ュ ィ ィ ィ ィ ン !!!!!!!!


「「「「「「「!?」」」」」」」


 三度、ニャビーがマクノシタ目掛けてバトルフィールドを駆け抜け……対するマクノシタもまた、ニャビー迎え討つべく、構える。ニャビーが二匹のポケモンの中間点、その辺りへと差し掛かった――
 ――その時。……突如、走るニャビーの身体を、先ほどのオーラを遥かに上回る……目が眩まんばかりの、極光が覆い尽くす――。


「「 ニャビー、まさかお前……!
    もしや、これは……!?  」」


        チリン……

                                  チリン……


〜〜〜〜〜〜

ハウ「……なにー? この音!」

ミヅキ「綺麗な音……。」

リーリエ「この音は……鈴の音――

     ――でしょうか? いったい、どこから……。」

ククイ「……!」

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 429 dX3IS9Elqo 18/02/09 20:59:46 ID:Yr2D2rlk [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告












ニャヒート「……………………にゃひーーっ!!!」バァァァン!!!!


ハラ「……なんと!?」

マクノシタ「マ、マク……ッ!?」タジタジ

〜〜〜〜〜〜

リーリエ「ニャビーさんが――」

ミヅキ「――ニャヒートに進化した!?」

ハウ「……かっこいいー!!」ピョン!! ピョン!!


ロトム「ニャヒート――火猫ポケモン。炎タイプ。

    首の付け根に炎の鈴がある。炎が噴き出す時、リンリンと高い音がなる。」


ミヅキ「さっきの音はそれで……!」

ククイ「(……まさか、この土壇場での進化を決めてくるとはな……! まさに"ブラストバーン"のように熱いぜ! サトシ、ニャヒート!!)」ニカッ

〜〜〜〜〜〜
 ▼ 430 dX3IS9Elqo 18/02/09 21:42:51 ID:Yr2D2rlk [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……かっこいいぜ! ニャヒート!!」ニカッ

ニャヒート「にゃひっ♪」タタタタタ……

チリン! チリン!

サトシ「よし――」


 サトシが、ニャヒートへと声をかけた後、再びハラとマクノシタの方へと目線を戻す。……ニャヒートも、その目線を追い――
 ――真っ直ぐにマクノシタを見据えて、バトルフィールドをひた走る。一歩踏み出す度に、首根っこの鈴が揺れて、高い音が鳴り響き……ニャヒートの口からは、止めどなく炎が溢れ出る。そして――


サトシ「――"炎の牙"!!!」


                  タ ン ッ !!


ニャヒート「にゃあ――」

マクノシタ「……………………ッ!!」


 ――マクノシタの数メートル手前に差し掛かった時、ニャヒートが宙へと舞い上がる。その様子を、マクノシタが仰ぎ見る。マクノシタの瞳には、炎を纏ったニャヒートの姿が、まるで太陽如く燦然と輝き――
 ――視界映るその姿が、徐々に、徐々にと大きくなっていく。そして、ついにはその視界を覆い尽くした……次の瞬間!


                ガ ブ リ ッ !!!!


マクノシタ「…………マ"、グッ……!」

ハラ「……………………マクノシタ!!」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ン !!!!!!!!


ニャヒート「…………にゃひ!」スタッ
 ▼ 431 dX3IS9Elqo 18/02/09 22:36:13 ID:Yr2D2rlk [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ……ニャヒートの鋭い牙がマクノシタを捉え、喰らいつき……"厚い脂肪"で被われたその皮膚に深々と食い込む。"猛火"で強化された炎が表皮を焼き、次の瞬間、盛大に爆ぜる。
 その爆発で、重量級のマクノシタの身体が数メートルほど吹き飛ばされ……地面に打ちつけられ、弾み、そして倒れ込む――。




マクノシタ「……マク〜〜……。」グルグル

ククイ「……マクノシタ、戦闘不能! この勝負、ニャヒートの勝ち! よって――

    ――このバトル、挑戦者・サトシの勝利!!」


サトシ「……………………。」ポカーン

サトシ「やっ――」プルプル……



サトシ「――――たぜぇッ!!!!」ダッ

ピカチュウ「……ピカピィカァッ!!!」ダッ

タッタッタッ……

……


「「 ……ニャヒート!!   ガバッ!
   ……にゃーーひ!! 」」ピョン!


……ギュッ!!

サトシ「カッコよかったぜ! お前のおかげだ!

    ……サンキューな!!」ニカッ

ニャヒート「…………にゃひ♪」

ピカチュウ「ピカピーカ♪」ニコッ
 ▼ 432 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/02/09 23:30:13 ID:Yr2D2rlk [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「「 サートシィーー!!
   サトシくーーん!! 」」

タッタッタッ……

サトシ「……ハウ! ミヅキ!!」


ハウ「……大試練達成、おめでとー!」ピョン! ピョン!

ミヅキ「……後、ニャビーの進化もね! おめでとう、サトシくん!」ニコッ

サトシ「ああ! ……二人とも、サンキューな!!」ニカッ


「「 ……サトシ!!
   サトシさん!! 」」

スタスタ……

サトシ「……博士! リーリエ!!」


リーリエ「おめでとうございます、サトシさん。トレーナーではない、私にもわかる――

     ――スゴいバトルでした。」

サトシ「おう! ……サンキューな、リーリエ!!」ニカッ


サトシ「……博士! 俺たちのバトル――

    ――どうだった!?」

ククイ「……試練を達成して、一回り進化したキミたちの力――

    ――見せてもらったよ! ……素晴らしいバトルだったぜ!!」ニカッ

サトシ「やったぜ! 博士に褒められた♪

    ……この調子でもっともっと強くなろうぜ、ピカチュウ! ニャヒート!!」

「「 ピカッ♪
   にゃひ♪ 」」


            「   おおう! あっぱれ!!   」


サトシ「!」
 ▼ 433 ンシカイオーガ@くさのジュエル 18/02/10 00:05:06 ID:Bl3XvYB. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
久々に読んだが良い調子だね
 ▼ 434 ニョニョ@コンペボール 18/02/10 13:54:15 ID:VaNma7Vw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
とてもいいと思います
 ▼ 435 ガピジョット@ふうせん 18/02/10 14:02:12 ID:xiYlVdvE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
SS速報でやって欲しかったな
 ▼ 436 dX3IS9Elqo 18/02/10 20:46:11 ID:lfagvpg6 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……ふぬ! けして、番狂わせなどではない――

   ――なんと、良いトレーナー、そしてポケモンですな!」

サトシ「ハラさん……!」


サトシ「……ありがとうございます!!」ペコッ


            「   カプゥーコッコ!!   」


「「「「「「!」」」」」」

サトシ「……今の声――」

ピカチュウ「――ピカ、ピッピ!?」


ハラ「……おお! またしても、カプ・コケコのさえずり――

   ――ふむう! カプ・コケコは、強くなったキミたちと戦うのが楽しみなのか……。」

サトシ「カプ・コケコが、俺たちと……!」ブルブル



ピカチュウ「……ピカピ?」

サトシ「……俺たちも! いつかもっともっと強くなって、もう一度カプ・コケコに会えたら――

    ――その時は、ゼンリョクでバトルしてみたいな! だろ? ピカチュウ!!」

ピカチュウ「……ピカ♪」

ハラ「……………………!」ニヤリ



ハラ「……よし! パートナーのポケモンにトレーナーの力を分け与える、Zクリスタルを受け取られよ!」
 ▼ 437 dX3IS9Elqo 18/02/10 20:55:11 ID:lfagvpg6 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……カクトウZ、ゲットだぜ!!」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!!」




             「
                    大 試 練

                     達 成
                  だいしれんたっせい
                               」
 ▼ 438 dX3IS9Elqo 18/02/10 21:31:50 ID:lfagvpg6 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「サトシよ! ……格闘タイプのZパワーを使うには、腕をこうして――

   ――腰をこのようにしたポーズをとれ。」キラーン!


                  ブオン!! スッ……


           ビシッ!! バシッ!! ビシッ!! バシッ!! ドーン!!!!!!


ロトム「……カクトウZのポーズ、記録完了ロト!」

サトシ「サンキュー、ロトム!」ニカッ

ロトム「ロト♪」


ハラ「サトシ! これにて、アローラ地方一つ目の島!

   ……メレメレ島での試練を、全て達成ですな!!」

サトシ「はい!」


ハラ「昼間の月、夜の太陽――」

サトシ「え?」

ハラ「――見えなくても存在するものに、思いを馳せられるかどうか。」

「「 見えなくても、存在するもの……? 
       ピカピーカ……?     」」

サトシ「それって――

    ――例えば、俺とピカチュウの絆……とか?」

ハラ「うむ。……それもまた、その内の一つですな。

   ……アローラの島を巡り、色んなポケモンの見えるもの、見えないものを考え――

   ――いつか、カプ・コケコに会うのですな。」

サトシ「(カプ・コケコに……!)」


サトシ「……はい! 必ず!!」

……ニカッ


ハラ「…………うむ。」ニッ
 ▼ 439 ドグラー@みどぼんぐり 18/02/10 21:35:34 ID:lfagvpg6 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
>>438
×  アローラの島を巡り、色んなポケモンの
○ アローラの島を巡り、色んなポケモンや人の
 ▼ 440 dX3IS9Elqo 18/02/10 21:53:11 ID:lfagvpg6 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「それでは――

   ――次は、どちらが挑戦するのですかな?」

「「……え?」」

サトシ「おお! そっか、次はハウとミヅキの大試練――

    ――二人とも! ……最ッ高のバトル、見せてくれよな!!」

「「 サトシくん、ハラさん……。
   サトシィ、じーちゃん……。 」」

「「 ……あれ?
   ……むお? 」」

チョイ、チョイ

サト/ハラ「「…………?」」クルッ


            「   カァーーッ!! カァーーッ!!   」


サトシ「……あ、ヤミカラスだ! ははっ、おーーい!!」ブンブン


サトシ「…………って。」ピタッ
 ▼ 441 dX3IS9Elqo 18/02/10 22:34:44 ID:lfagvpg6 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


       「   ええええええ!!? もうそんな時間!!?   」


ピカチュウ「ピカピ……。」

ハラ「……なんと! 年甲斐もなく、つい、はしゃいでしまい……ちっとも気がつきませんでしたな!」ハッハッハッ

ククイ「二人の大試練は、また明日……だね。」

サトシ「……ちぇーっ! せっかく、バトルが見られると思ったのに……。」ブスーッ!

ミヅキ「……もー! 明日には見られるんだから、そんなことで拗ねないの!」

ハウ「そうだよー、サトシ! 俺もミヅキも、この後特訓して――

   ――明日良いバトルできるように、頑張るからさ!!」ニカッ

サトシ「おお! いいな、それ! ……俺たちも一緒にやるぜ!!」

ピカチュウ「ピカ♪」


ハラ「では――

   ――今日は家に泊まっていきますかな? サトシ、ミヅキ。」

「「……え!? いいんですか!!?」」

……コクッ

ハラ「もちろん、構いませんぞ。……島巡りに挑む者を導き、助けるのもまた、島キングとしての勤めですからな。」ニッ

「「ありがとうございます!!」」ペコッ

サトシ「……やったぜ! 今日は久しぶりに、ハウんちにお泊まりだ♪」ワクワク

ピカチュウ「チャア〜〜♪」キラキラ

ミヅキ「……私、初めて。ちょっと緊張するかも……!」ドキドキ

サトシ「スッゲーんだぜ、ハウんち! 風呂もものスゴく広くて――

    ――ベッドなんか、まるでメリープの毛みたいに……スッゲーフッカフカでさ♪」

ミヅキ「わぁ〜〜……!」キラキラ
 ▼ 442 日はここまで◆dX3IS9Elqo 18/02/10 23:28:54 ID:lfagvpg6 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

ククイ「……いいか? サトシ。あんまり、はしゃぎ過ぎて……ハラさんの家の人に、迷惑をかけるんじゃないぜ!」

サトシ「うん! わかってるよ!」ニカッ

ククイ「……ホントか? キミのことだから、心配だな……。

    風呂が広いからって、中で泳いだりするんじゃないぜ! 風呂に入った後は、ちゃんと寝間着に着替えること!」

サトシ「……え? ああ、うん……。」

ククイ「……着替えた後は、いくらアローラが温暖な気候でも、夜は冷えるから……湯冷めしないよう、外出は禁止だぜ! ……間違っても、特訓に出たりはするなよ!

    後、寝る前にはちゃんと歯を磨くこと! それからそれから――」

サトシ「わー! ストップ、ストーーップ!!

    ……大丈夫、大丈夫だからさ!!」

「「「(   とーちゃんみたいー。
     ホントのお父さんみたいね……。      クスッ
       まるで、父様ですね……。   )」」」
 ▼ 443 dX3IS9Elqo 18/02/12 14:04:31 ID:5e.z.S2Y [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

サトシ「……じゃ、また明日ね! 博士ーーっ!!」ブンブン

…………

……


サトシ「よっしゃ! 早速始めようぜ、特訓!!」

ピカチュウ「ピカピーカ!!」フンスッ!

ミヅキ「……なんで私とハウくんの大試練のための特訓なのに、サトシくんが一番張り切ってるのよ。」

サトシ「だって面白いじゃん! 特訓!」ニカッ

ハウ「……ま、サトシだからねー。」

サトシ「お! さすがハウ! よくわかってる!!」

ミヅキ「……まあ、いっか……。」

ロトム「……まずはなにかラ始めるロト?」

サトシ「そうだな! まずは――」

「「「……!」」」ゴクリ……




サトシ「――ロトムが撮ってくれてた、ミヅキの試練の映像を見ようぜ! 楽しみにしてたのに、なかなか言い出すタイミングがなくてさ!!」ワクワク

……ズコー!

サトシ「……あれ? また?」

ハウ「タブンネー、サトシ――」

ミヅキ「――今もそのタイミングじゃないよ……。」

サトシ「……そうなの?」

ピカチュウ「ピカピ……。」
 ▼ 444 dX3IS9Elqo 18/02/12 14:35:44 ID:5e.z.S2Y [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

『キシャァァァッ!!』

『……アシマリ! バルーンを使ってジャンプ!!』

『あしゃっ!』プクーーッ!

 ボヨヨーン!

『……デカッ?!』


サトシ「おお! スゴいぜ、今の回避!!」

ハウ「ナイスだねー!」

ミヅキ「そ、そうかな?/// ……ありがとう///」

アシマリ「あしゃま♪」ドヤッ

****

『……今だよ、モンメン! "宿り木の種"!!』

『……モンッ!!』ポポポポーン

 ワサワサ

『グ、グゥス……!』ギシギシ


サトシ「おおおお! あのデカグースの動きを封じたぞ!?」

ピカチュウ「ピカチュピー!?」

****

『"激流"で強化された"バブル光線"……これでトドメだよ!!』

『あしゃーーっ!!』ブクブクブクッ!

              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


サトシ「うおおおおおおお!! やっ――たぜ! ミヅキ、アシマリ!!!」

ハウ「……うるさいよ、サトシー。」

サトシ「……………………………………ごめん。」

ピカチュウ「ピカピ……。」

ミヅキ「(……デジャブ。)」
 ▼ 445 dX3IS9Elqo 18/02/12 15:09:52 ID:5e.z.S2Y [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

サトシ「くぅぅぅ! ……ミヅキたちのバトル見てたら、俺もやりたくなってきたぁッ!!」

ミヅキ「(ついさっきまで大試練のバトルしてたハズなのに、ホントに元気ね……。)」クスッ

サトシ「……よっしゃ! 早速、バトルしようぜ! ハウ!!」ニカッ

ハウ「うんー!」ニカッ

ロトム「……なら、ボクはまた記録しテるロ!」

サトシ「おう! サンキュー!」ニカッ


ミヅキ「……なら、私とアシマリたちは、向こうで技の練習してるね。終わったら声をかけてね。」

サトシ「ああ! ……新しい技ができたら、また俺ともバトルしてくれよ!?」

ミヅキ「……うん!」ニコッ

リーリエ「あの――」

ミヅキ「ん?」

リーリエ「――私もご一緒してもよろしいでしょうか? やっぱり、ポケモンさんの傷つくバトルは、見てるのもちょっと苦手で……。」

ミヅキ「うん! 行こっ♪」

リーリエ「……ありがとうございます!」パアァッ!

タッタッタッ……

……


サトシ「よーし! ……俺たちも頑張ろうぜ、ハウ!!」

ハウ「うん、よろしくー!」
 ▼ 446 dX3IS9Elqo 18/02/12 20:07:58 ID:5e.z.S2Y [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_


サトシ「ピカチュウ! "電光石火"!!」

ピカチュウ「……ピッカァッ!!」シュバッ!


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ――」シュタタタタッ


ハウ「……来るよ、ピチュー! "甘え「させるかッ!!」る"――

   ――――ッ!?」

サトシ「……ピカチュウ!!」


ピカチュウ「ピカ――」

ピチュー「ピチュ――」


 ピカチュウがピチューの眼前へと迫り、そのピカチュウの攻撃を往なそうと、ピチューが技の構えをとった……刹那。
 ……ピカチュウの姿が、ピチューの眼前から瞬く間に消える。直後、ピチューが空間へと愛嬌を振り撒き、頬擦りが空を切る。突然の出来事に虚を突かれ、ピチューがその顔に困惑の色を浮かべる。

 対するピカチュウは、ピチューとぶつかり合う直前、横にコースを反らすことでピチューの後方へと駆け抜けており、そのままピチューの背後で、砂塵を巻き上げながらターンする。


ピチュー「ピチュ……!?」キョロキョロ

ハウ「……ピチュー! 後ろだよーー!!」

ピチュー「!」

 ……ハウの声を聞いたピチューが、慌てて背後を振り返る。一方、その背後では、両頬から電撃の迸るピカチュウが、既に技を繰り出す準備を終えていた――。

サトシ「……"10万ボルト"!!」

ピカチュウ「ピーカ、チュウゥゥゥッ!!!」バリバリバリィッ!

ピチュー「――ッ!」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!
 ▼ 447 dX3IS9Elqo 18/02/12 20:46:56 ID:5e.z.S2Y [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告



ピチュー「……ピチュ〜〜……。」グルグル

ハウ「うわー! ピチュー、大丈夫ー!?」

ピチュー「ピ、ピチュ……!」ムクッ

ハウ「よかったー!」ホッ


ハウ「……だけど俺、こんなんでじーちゃんに勝てるかなー?」

サトシ「なに言ってるんだよ、ハウ! ……その為の特訓だろ?」

ハウ「……そうだけどさー。」


ピチュー「ピチュ……。」ジーーッ

ピチュー「……………………。」ウーン、ウーン

ピチュー「……ピチュ!!」フンスッ!
 ▼ 448 ォッシュロトム@むらさきのミツ 18/02/12 22:30:40 ID:I1NXdRy6 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ズガドーン!?
 ▼ 449 dX3IS9Elqo 18/02/12 22:34:12 ID:5e.z.S2Y [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピチュー「ピチュー! ピチュチュー!!」グイッ

ハウ「……ピチュー、どうしたのー?」

ピチュー「……ピチュッ!」ダッ

ハウ「?」


ピチュー「ピチュチュー!」タッタッタッ

ピカチュウ「……ピカ!?」


ピチュー「ピチュ!」クルクル

ピカチュウ「ピカ?」キョロキョロ

ピチュー「ピチュチュ!!」クルクル

ピカチュウ「ピカピカ?」キョロキョロ

ピチュー「ピチュチュチュ!!!」クルクル

ピカチュウ「ピカピカピカ?」キョロキョロ


ピカチュウ「……ピィカァ〜〜????」フラフラ

……パタンッ

サトシ「……あ! ピカチュウ!?」

ピカチュウ「ピィカチュ……。」グルグル


ハウ「ど、どうしたのー? ピチュー! 突然、ピカチュウの周りをグルグル回ってー……。」

ピチュー「ピチュ! ピチュ!」フンスッ!

ハウ「……?」

サトシ「……もしかして、お前――」
 ▼ 450 dX3IS9Elqo 18/02/13 00:48:43 ID:kkCvU4T2 NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――ピカチュウになりたいのか?」

「「 ……えーーッ!?
   ……ピカピカ!? 」」

ハウ「ピカチュウにってー……それってつまり、進化ってことだよねー?

   ……そうなのー? ピチュー!」



ピチュー「……………………ピチュッ!!」コクッ

サトシ「……やっぱり! コイツはさ、もっと強くなって、ハウの大試練の力になるため――

    ――ピカチュウになりたいって、そう、思ってるんだよ!」ニカッ

ハウ「ピチュー……っ!」プルプル……

ピチュー「……ピチュ♪」ニコッ

ハウ「うわー、ありがとー! 俺のためにーーっ!!」ギュッ!

ピチュー「ピ、ピチュ……///」



サトシ「……よーし、なら――

    ――早速、始めようぜ! ……ピカチュウになるための特訓!!」

ハウ「ピカチュウになるための――」

ピチュー「――ピチュチュピ?」

ハウ「……って、なにをするのー?」

サトシ「そりゃあ、もちろん――」ニカッ

……チラッ


ピカチュウ「……ピカ?」キョトーン

サトシ「――ピカチュウのことは、ピカチュウに聞け。……だ!」
 ▼ 451 ノムー@クロスメール 18/02/15 22:00:05 ID:4Swo2TXM NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 452 dX3IS9Elqo 18/02/17 21:28:35 ID:HSPu.wMg [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……よーし! 行け、ピカチュウ!!」

ハウ「負けないでー、ピチュー! もっともっと速くー!!」


ピカチュウ「ピッ! ピッ! ピッ――」シュタタタタッ

ピチュー「ピチュ! ピチュ! ピチュ――」タッタッタッ


サトシ「……こうやって、ピカチュウと一緒に特訓を頑張れば――

    ――きっとピチューもピカチュウになれるぜ!」ニカッ

ハウ「うんー!」

サトシ「……その調子で頼んだぞー、ピカチュウ!」


ピカチュウ「……ピカピーカッ!」コクッ

 ……ギュイン!

ピチュー「!」


ハウ「……離されないでー、ピチュー!」


ピチュー「ピ……ピチュッ!」ググッ

 シュタタタタッ!


ハウ「その調子だよーー!!」ニカッ


サトシ「……そうだ! 俺、ちょっとミヅキたちの様子を見てくるよ!」

ハウ「わかったー! 行ってらっしゃーい!」
 ▼ 453 dX3IS9Elqo 18/02/17 21:54:16 ID:HSPu.wMg [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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サトシ「ぉーぃ。」


サトシ「……ミヅキ、調子は、どう、だ――

    ――――?!」


ミヅキ「……ほら! アシマリ、もっと可愛く! そしてチャーミングに!!」パンッ!パンッ!

アシマリ「あしゃ♪ ……あしゃま〜〜♪」フリフリ

リーリエ「頑張ってください! アシマリさん!」


サトシ「?!?!?!」


サトシ「……………………。」

 ソローリ

 タッタッタッ……
 ▼ 454 dX3IS9Elqo 18/02/17 22:33:32 ID:HSPu.wMg [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 タッタッタッ……



ハウ「……あ、サトシー! ミヅキたち、どう――」

サトシ「た、助けてくれ! ハウ!」

ハウ「?」

サトシ「……ミヅキたちがおかしくなっちまったんだ!」

ハウ「……え?」
 ▼ 455 dX3IS9Elqo 18/02/18 22:04:31 ID:H4He5Bx. [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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サトシ「……え? "チャームボイス"の練習?」

ミヅキ「そうだよ。ハラさんは格闘タイプの使い手だから、アシマリにも、有利なフェアリータイプの技を覚えさせようと思ったの。

    ……サトシくんの大試練を見て改めて思ったけど、やっぱり、音を使った攻撃は防がれ難いからね。」

サトシ「……なーんだ、そうだったんだ! 俺はてっきり、ミヅキたちが変になっちまったのかと……。」

ミヅキ「……誰が変になったって?」ニッコリ

サトシ「ひぃッ!?」ビクッ

サトシ「……ごめんなさい。」
 ▼ 456 ッスグマ@ひこうのジュエル 18/02/18 22:32:00 ID:hOpluoog NGネーム登録 NGID登録 報告
支援
 ▼ 457 dX3IS9Elqo 18/02/18 22:38:34 ID:H4He5Bx. [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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ピカチュウ「ピ、ピカ……。」ハァ、ハァ

ピチュー「ピチュ……。」グッタリ

サトシ「……そろそろ他のポケモンに交代しようぜ、ハウ。」

ハウ「え? けど、まだ――」

サトシ「……明日の午前中にだって、まだ特訓の機会はあるんだ。今、あんまり無理させると、肝心の大試練でバテちまうぞ。」

ハウ「そっかー。そうだよね。

   ……ゴメンねー、ピチュー。ゆっくり休んでてねー。」

ピチュー「ピチュ♪」

 ……ポヒュン


サトシ「……ピカチュウ、お疲れ!」ニカッ

ピカチュウ「ピッカァ♪」
 ▼ 458 dX3IS9Elqo 18/02/18 23:20:52 ID:H4He5Bx. [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

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ハウ「モクロー、"木の葉"ー!」

モクロー「……クロ、クローーッ!!」


ニャヒート「にゃ……にゃひッ!?」


 上空のモクローが忙しなく羽ばたき、その羽根から無数の葉っぱを生み出す。その葉っぱが、ニャヒートの周りを渦巻き――
 ――まるで葉の檻の如く、その身の自由を奪う。ニャヒートの視界が、緑に染まる――。


サトシ「……やるな、ハウ!」ニヤリ

ハウ「へへー! よーし、次は――」

サトシ「……けど!」

ハウ「――――!?」

サトシ「……ニャヒートだって、進化したのは身体だけじゃない! 進化した炎を見せてやる!」

ハウ「……え?」

サトシ「"火炎放射"!!」


ニャヒート「……にゃひ――ッ!!」


 ニャヒートの背中が紅く燃え盛り、その熱が体内を駆け巡る。その熱に呼応するかのように、首根っこの鈴がリンリンと鳴り響き……直後、その口から灼熱の炎が放たれる。

 ……ニャヒートの放った炎は、周囲の葉の渦の一部を焼き、その熱が葉から葉へと次々に伝達していき……ついには全ての葉を焼き付くし、火炎旋風となって空へと消える。


ハウ「!?」

サトシ「……今だ! もう一回"火炎放射"!!」


ニャヒート「……にゃひーーッ!!」


              ゴ オ ォ ォ ォ ォ !!!!


モクロー「ク、クローーッ!?!?」アタフタ
 ▼ 459 イコウオ@ジガルデキューブ 18/02/19 06:32:24 ID:.9jkDAQY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 460 dX3IS9Elqo 18/02/19 11:34:50 ID:Nxl3fpzo [1/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

モクロー「……クロッ! クロクロクロクロクローーッ!!!」バサバサバサバサ!

ハウ「……わーー?! お、落ち着いて、モクロー!!」



                                ……ヒュオッ


サトシ「!」

サトシ「(今、一瞬……黒い、オーラみたいなのが出たような……。)」

サトシ「……なあ、ハウ――」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


モクロー「……ッ!」ヒューン……



 ……ポテッ

モクロー「もふぅ〜〜……。」グルグル


ハウ「……モクロー! 大丈夫ーー!?」タッタッタッ

モクロー「も、もふ……!」ムクッ

ハウ「……よかったー!」ニカッ
 ▼ 461 dX3IS9Elqo 18/02/19 12:35:25 ID:Nxl3fpzo [2/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「よくやったぞ! ニャヒート!」ナデナデ

ニャヒート「……にゃひ♪」



サトシ「……ハウ!」

ハウ「……んー? なにー?」

サトシ「もしかしたら、モクロー……新しい技を覚えようとしてるのかもしれないぞ。」

ハウ「……え!? ホントにー!!?」

サトシ「ああ。……さっきモクローが、"火炎放射"を受けそうになった時――

    ――頻りに羽ばたいてたろ?」

ハウ「うんー。」

サトシ「あの時、一瞬だけど……黒い、オーラみたいなのが見えたんだ! たぶんあれは、驚いて慌ててたんじゃなくて――

    ――無意識の内にその技を使って、"火炎放射"を防ごうとしてたんじゃないかな?」

ハウ「黒いオーラー? ……どんな技かなー。」チラッ


モクロー「……もふぅ?」キョトーン


サトシ「それはわからないけどさ、たぶん……風に関する技なのは間違いないぜ!」

ハウ「……よーし、なら――

   ――もっと頑張って、その技を出せるようになろうよ、モクロー!」ニカッ

モクロー「……もふっ!」フンスッ

サトシ「その意気だぜ! ハウ、モクロー!」ニカッ

サトシ「……んじゃ、早速――」

ハウ「――特訓再開だねー!!」

「「 にゃひ♪
   もふぅ♪ 」」
 ▼ 462 dX3IS9Elqo 18/02/19 19:01:48 ID:Nxl3fpzo [3/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ――数時間後。


サトシ「(もう日が落ちてから、結構時間が経ったな……。)」

サトシ「……今日はここまでにしようぜ、ハウ。」

ハウ「うんー。……結局、あれからは音沙汰なしかー……。」シューン

サトシ「……モクローも頑張ったんだけどなぁ。」


モクロー「もふ……。」シューン

サトシ「……なーに、また明日の朝、頑張ればいいさ!」ニカッ

ハウ「……そうだよねー! よーし、モクロー――

   ――明日も頑張ろーね!!」ニカッ

モクロー「もふっ!」コクッ


                  グ ゥ ゥ ゥ ……


サトシ「あ! ……へへっ!」

ハウ「……。」ポカーン


ハウ「サトシィ……今、いいところだったのに……。」ジトー……

サトシ「ゴメンゴメン! ずっと頑張ってたから、お腹空いちゃってさ!

    ……ミヅキたちと合流して、早くご飯食べようぜ!」ニカッ

ハウ「ま、いいけどさー……。」ジトー……
 ▼ 463 dX3IS9Elqo 18/02/19 21:33:25 ID:Nxl3fpzo [4/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ――夕食後。


サトシ「はぁ〜〜……食った食った♪」オナカスリスリ

ミヅキ「もう! 食べ過ぎだよ、サトシくん!!」

サトシ「……そういうミヅキだって、結構食べてたじゃん!」

ミヅキ「う"……///」


ミヅキ「……仕方ないでしょ!?/// スッゴいご馳走だったし、今日は色々あって、お腹も空いてたし……///」

サトシ「確かに、ミヅキの試練だったり、花園でロケット団とバトルしたり、ハウとのバトルに、それから大試練――

    ――色々あったなぁ。」

ピカチュウ「ピカピーカ。」

ハウ「……俺とミヅキは、大試練はまだだけどねー。」

リーリエ「皆さん、大変だったんですね……。」


サトシ「よっし! それなら、明日に備えて……今日は早く寝ようぜ!

    ……そうだ! 今からみんなで風呂に入るか!!」

ミヅキ「!?///」

「「 そうだねー。そうしよっかー!
   良いですね。そうしましょう。 」」

ミヅキ「?!?!?!///」

サトシ「……ミヅキ、どうかしたか?」
 ▼ 464 レブー@のろいのおふだ 18/02/19 22:03:31 ID:Nxl3fpzo [5/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


          「   ふえええええ!!!??///   」


「「「!?」」」

サトシ「……な、なんだよ!? 急に大声出して……。」

ハウ「そ、そうだよー!」

ミヅキ「え? え? だ、だって――

    ――ハウくんはともかく、なんでリーリエちゃんまで平然としてるの!!?///」

リーリエ「……え? それは――

     ――いつものことですから。」

ミヅキ「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!??///」

サトシ「……おかしなヤツだなぁ。ほら、早く行こうぜ!」

「「 うんー!
   はいっ! 」」


ミヅキ「ま、待ってよ! まだ、心の準備が――」

サトシ「……風呂に必要なのは、心の準備じゃなくて、着替えとタオルだろ? さっさと準備して行こうぜ!」

ミヅキ「……ええええええ!!?」
 ▼ 465 dX3IS9Elqo 18/02/19 22:26:36 ID:Nxl3fpzo [6/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_


 カポーン!

 ザッパァァァン!


ミヅキ「……まさかお風呂が、男女で分かれてるなんて……。」ブクブク

ミヅキ「(勘違いして一人で騒いで……恥ずかしい……///)」


リーリエ「なんでも、島キングとして大勢のお客様を招かれることも多いそうなので……それで分けているそうですよ。」

ミヅキ「なるほど……。」
 ▼ 466 dX3IS9Elqo 18/02/19 23:04:30 ID:Nxl3fpzo [7/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「それにしても、今日は疲れたぁ。……おいで、アシマリ!」

アシマリ「あおっ♪」スイーーッ


ミヅキ「明日の大試練も、頑張ろうね♪」ニコッ

アシマリ「あしゃま♪」


リーリエ「……大変ですよね、トレーナーさん。ポケモンさんが傷つくところも、たくさん見なければいけませんし……。」

ミヅキ「……やっぱり、ポケモンが傷つくのを見るのは苦手?」

リーリエ「ええ……。」

ミヅキ「そうだよね。私も、トレーナーに成り立ての頃は、このコが傷つくたびに目を覆いたくなったし――

    ――今でも、やっぱりちょっと辛いもの。……なーんて、まだ新米なんだけどね。」

リーリエ「なら――」

ミヅキ「ん?」

リーリエ「――なら、どうしてミヅキさんはトレーナーさんに?」

ミヅキ「うーん、そうだなぁ……。」


リーリエ「…………………………………………。」


アシマリ「〜〜♪」スイーーッ
 ▼ 467 dX3IS9Elqo 18/02/19 23:57:01 ID:Nxl3fpzo [8/8] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「挑戦したかったから……かな?」

リーリエ「挑戦……ですか?」

ミヅキ「うん。……このコと――

    ――ポケモンたちと一緒に、色んなことに挑戦したかったの。」

リーリエ「ポケモンさんと……一緒、に……?」

ミヅキ「……せっかく友達になれたんだもん! 一緒に、色んなところに行きたいからね。」ナデナデ

アシマリ「あしゃま♪」スリスリ


ミヅキ「いつかは、サトシくんみたいに……色んなところに旅に行ってみたいなぁ。

    ……ね! アシマリ?」

アシマリ「……あおっ!」コクッ


リーリエ「(ポケモンさんと一緒に……。)」


ミヅキ「……そろそろ上がろっか?」


リーリエ「…………………………………………。」


ミヅキ「……リーリエちゃん?」

リーリエ「……あ、はい。そうしましょう。」
 ▼ 468 dX3IS9Elqo 18/02/20 00:09:17 ID:KSeseeYA [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ――一方、男湯。


 カポーン!

 ザッパァァァン!


サトシ「結局……なんでミヅキは、風呂に入るだけであんなに騒いでたんだろうな?」

ハウ「うーん、お風呂嫌いなのかなー?」

サトシ「……風呂はちゃんと入らないと駄目だぜ。」

ハウ「そういうサトシは、家では、めんどくさいからって言って、入らなかったりしそうだよねー。」

サトシ「……バレた? まあ、旅してると、入れないことも多いからなぁ。」

ハウ「(……今の話しに、旅は関係ないよねー。)」
 ▼ 469 dX3IS9Elqo 18/02/20 00:33:32 ID:KSeseeYA [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「それにしても、楽しみだなぁ。……明日の二人の大試練!

    特訓の成果を活かして、最ッ高のバトルを見せてくれよ?」

ハウ「うんー、頑張る! サトシがじーちゃんに勝てるなら、俺だってー!」

サトシ「その意気だぜ、ハウ! そのためにも、明日の朝は早く起きて――

    ――ピチューの進化! あと、モクローの新技も! ……その二つをゲットするため、頑張らないとな!!」

ハウ「……だねー! サトシ――

   ――また特訓の相手、よろしくねー!」ニカッ

サトシ「おう! 任せとけ!」ニカッ

サトシ「……よっしゃ! そうと決まれば、早く上がって――

    ――明日に備えようぜ!」

ハウ「そうだねー!」
 ▼ 470 ガバシャーモ@バシャーモナイト 18/02/20 06:47:51 ID:j2HfttvE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
やっぱりサトミヅはいいなぁ
 ▼ 471 dX3IS9Elqo 18/02/20 21:16:21 ID:KSeseeYA [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_


サトシ「はぁ〜……さっぱりさっぱり♪」フキフキ

ピカチュウ「ピッカァ!」

サトシ「へへっ! ピカチュウも気持ち良かったか?」ナデナデ

ピカチュウ「チャア〜♪」スリスリ

サトシ「ははっ! くすぐったいよ!」

ピカチュウ「ピカピカ♪」


サトシ「……えーっと、俺たちの部屋は――

    ――ん?」

ピカチュウ「……ピカピ?」

〜〜〜〜〜〜

リーリエ「……。」コソコソ

〜〜〜〜〜〜

サトシ「……リーリエ?」

〜〜〜〜〜〜

 ガチャッ!

 ……パタンッ!

〜〜〜〜〜〜

サトシ「(……一人で外に出て行った……?)」

サトシ「……追いかけようぜ、ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカ!」コクッ
 ▼ 472 dX3IS9Elqo 18/02/20 21:38:11 ID:KSeseeYA [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

リーリエ「……あんまり、遠くには行かないでくださいね。」

コスモッグ「ぴゅい♪」


「今日こそ、そのポケモンをいただくわよ! 白ジャリガール!!」


リーリエ「!」ビクッ






サトシ「……なーんちゃって。」

リーリエ「……………………。」ポカーン


リーリエ「フフッ! ……なんですか? 今の声。」

サトシ「……結構似てたろ?」ニカッ

リーリエ「うーん。20点、くらいですかね……。」クスクス

サトシ「……ちぇーっ! リーリエ、意外に厳しいな……。」


ピカチュウ「ピカピーカ♪」ナデナデ

コスモッグ「……ぴゅい♪」


サトシ「けど――」
 ▼ 473 dX3IS9Elqo 18/02/20 22:26:28 ID:KSeseeYA [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「――今のは冗談だけどさ、こんな時間に、一人で出歩いたら危ないぜ?」

リーリエ「そ、そうですね。すみません……。」




サトシ「……ほしぐもをバッグから出してやってたのか?」

リーリエ「!」

リーリエ「……はい。」


ピカチュウ「チャア〜〜♪」

コスモッグ「ぴゅい! ぴゅい!」


リーリエ「ほしぐもちゃん……コスモッグは、遠いところからやって来た、珍しいポケモンなんです。」

コスモッグ「ぴゅう!」

リーリエ「不思議な力を秘めていて、私……危ないところを助けてもらったこともあります。」

サトシ「……まあ、オンボロとはいえ、橋を軽々と壊しちゃうくらいだからなぁ。」

リーリエ「……いえ。」

サトシ「ん?」

リーリエ「……あの時橋が壊れたのは、おそらく、偶然だと思います。詳しくは言えませんが――

     ――ほしぐもちゃんの本当の力は、もっと違ったモノなんです。」

サトシ「へぇ。てっきり、オニスズメを追っ払うために、スゴいパワーを出して……それで勢い余って、橋まで壊しちまったのかと思ってたよ。

    ……やっぱり、その本当の力ってのが原因で、アイツは狙われてるのか?」
 ▼ 474 dX3IS9Elqo 18/02/20 23:04:04 ID:KSeseeYA [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ……コクッ

リーリエ「それゆえ、必要としている人もいて……ですから、皆さんの他には、博士やハラさん――

     ――信頼できる人にだけ、コスモッグのことを教えています。」

サトシ「……珍しいってだけで狙ってくる、ロケット団みたいなヤツらもいるしな……。」

リーリエ「ええ……。」シューン

サトシ「……………………。」


サトシ「なら! ……なおさら、しっかりと守ってやらないとな!

    だろ? ピカチュウ!」ニカッ

ピカチュウ「……ピカ!」フンスッ


リーリエ「!」

リーリエ「サトシさん、ピカチュウさん……ありがとうございます。」ペコッ

「「 おう!
   ピカ♪ 」」
 ▼ 475 dX3IS9Elqo 18/02/20 23:52:33 ID:KSeseeYA [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……吊り橋の時みたいに、俺たちだけじゃ守ってやれないこともあるけどさ――」

リーリエ「……。」

サトシ「――ハウにミヅキ、博士にハラさん……みんながついてる!

    だから、そんな心配そうにすんなよ。」

リーリエ「……はい。」

サトシ「それに……きっと、カプ・コケコだってさ!」


リーリエ「カプ・コケコさん、スゴいですよね。いつかほしぐもちゃんのこと、ありがとうと言えたら……。」

サトシ「『ありがとう』……か。『輝く石をくれた理由を知りたい』『バトルがしてみたい』――

    ――そればっか考えてたけど、俺もカプ・コケコに会えたら、お礼……ちゃんと言わないとな!」

ピカチュウ「ピカ♪」

サトシ「へへっ! また一つ、カプ・コケコに会う理由が増えたぜ!」ニカッ


リーリエ「サトシさんは、カプ・コケコさんに助けてもらい、さらには輝く石も託された……不思議な人、ですものね……。」

サトシ「不思議な人……か。ほしぐもの不思議な力に、カプ・コケコが俺を助けてくれた不思議――

    ――アローラは、不思議でいっぱいだな!」

リーリエ「フフッ! 確かにそうですね。けど――」

サトシ「……けど?」

リーリエ「――とっても、良いところです。」ニコッ

サトシ「……だな!」ニカッ

「「 ピカッ♪
   ぴゅい♪ 」」

________
____
__
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 ▼ 476 ガラティオス@スピアナイト 18/02/21 06:38:12 ID:F.SZlK8Y NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
いい…
 ▼ 477 dX3IS9Elqo 18/02/21 21:34:31 ID:NAUcZSsg [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……んじゃ、また明日なー!」ブンブン


リーリエ「……おやすみなさい。サトシさん、ピカチュウさん。」ペコッ


 トコトコトコ……



サトシ「初めて会った時からずっと、どこか不安気な表情してたけど――

    ――少しは気が晴れた……かな?」

ピカチュウ「ピカピ! ピカピカ、チュウ!!」コクッ

サトシ「へへっ! ……サンキュ、ピカチュウ!」ニコッ

ピカチュウ「ピカ♪」ニコッ


サトシ「あ。」

ピカチュウ「……ピカ?」

サトシ「そういや、博士から、風呂に入った後は外出禁止――

    ――そう、言われてたな……。」

ピカチュウ「ピィカ……。」

サトシ「……ま、バレなきゃ平気だろ! 明日の朝、ハウとの特訓に備えて――

    ――早く寝ようぜ、ピカチュウ!」

ピカチュウ「……ピカ!」

________
____
__
_
 ▼ 478 ボツボ@こだいのぎんか 18/02/21 21:36:18 ID:.a1Jxqpw NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
100点中20点なら高い方かな?
支援
 ▼ 479 dX3IS9Elqo 18/02/21 21:38:06 ID:NAUcZSsg [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


                ピン! ピン! ピロリン♪

 ▼ 480 dX3IS9Elqo 18/02/21 22:35:47 ID:NAUcZSsg [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ――翌朝。


サトシ「……よーし、ピカチュウ! "電光石火"!!」

ピカチュウ「ピッカァッ!!」

 シュバッ!

ハウ「(また"甘える"で防ごうとしても、サトシにはバレてるよねー。……よし、ここは――)」

ハウ「――かわして"悪巧み"だよー!!」


ピチュー「……ピチュ!」

ピカチュウ「ピカッ!?」


 光を纏ったピカチュウの高速の突進を、ピチューがすんでのところで回避する。ピチューの後ろに回ったピカチュウが、慌てて振り向く。
 その背後で、ピチューが口に手を当て、歯が見えるように……しめしめと言わんばかりに、不敵に微笑む。脳を活性化させることで、自身の特殊攻撃力を大きく高める――。


サトシ「……やるな! なら、ピカチュウ――」

ハウ「今だよ、ピチュー――」


              「「  "10万ボルト"!!!
                 "電気ショック"ー!!! 」」


             「「 ピカ、チュウゥゥゥゥ!!!
                 ピィチュゥーーッ!!!  」」


              バ リ バ リ バ リ ィ ッ !!!!
 ▼ 481 dX3IS9Elqo 18/02/21 23:07:09 ID:NAUcZSsg [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「ピ、カァ……ッ!」バチッ!バチッ!

ピチュー「ピ、チュ……ッ!」バチッ!バチッ!


サトシ「……"悪巧み"でパワーが上がってても、"10万ボルト"の方が威力は上だ! 押し切れ、ピカチュウ!!」


ピカチュウ「ピッ、カァ……ッ!!」グググ……


ハウ「それでもー! ……負けるな、ピチューーッ!!」


ピチュー「ピチュ……ッ!」


             「   ピチュゥゥゥゥッ!!!!   」


「「!」」


 ピチューが咆哮と共に、全身から眩い光を放ち……その光が、ピチューの身体を包み込む。その光の中で、耳がより鋭く、尾がより長く……徐々に徐々に、成体へと変質していく。
 ……それに伴い、ピチューの放つ電撃も威力が段々と増していき、そして――


サトシ「……来たか!」

ハウ「ピチュー……!」グッ
 ▼ 482 dX3IS9Elqo 18/02/21 23:46:45 ID:NAUcZSsg [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ピカチュウ「…………ピッカァッ!!?」バチィッ!

サトシ「……ピカチュウ!」

ロトム「今のは"電気ショック"じゃナい――

    ――"放電"ロト!」

サトシ「!」

サトシ「(ニャヒートの炎と同じく……電撃も進化したのか!?)」


 ――光のベールが剥がれると共に、一際強い電撃――"放電"が放たれ、その衝撃がピカチュウの身体を、大きく吹き飛ばす。ピカチュウが空中で身を翻し、遥か後方へと着地する。
 一方、光が完全に消えた時、そこには……それまでとは違う、"ピチューだったポケモン"の姿があった――。






ハウのピカチュウ「…………ピッカァ!!!」
  (→ハウピカ)


ハウ「…………!」

サトシ「……やったな! ハウ、ハウのピカチュウ!!」ニカッ

ハウ「う、うんー……!」プルプル

ハウ「……うわーん! ピカチュウー!!」ダッ



 ……ギュッ!

ハウピカ「ピカ♪」

ハウ「よく頑張ったねー! ありがとう、ピカチュウー!!」


「「 ……へへっ!
   ……ピカッ♪ 」」
 ▼ 484 dX3IS9Elqo 18/02/23 23:29:08 ID:wDaFpQx2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……お疲れさん! ピカチュウ!!」ニカッ

ピカチュウ「ピカ♪」

サトシ「あとは――」チラッ


モクロー「……もふぅ!」


ハウ「……うんー。モクローの新しい技、だねー!」


「ぉーぃ。」


「「!」」

サトシ「……博士ー!」
 ▼ 485 dX3IS9Elqo 18/02/23 23:55:13 ID:wDaFpQx2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

ククイ「やあ、お二人さん! 特訓、捗ってるかい?」

サトシ「うん! 見てくれよ、博士――」

ハウピカ「ピカチュウ!」

サトシ「――ハウのピチュー、頑張ってピカチュウになれたんだぜ!」

ロトム「……"電気ショック"の技も、"放電"にパワーアップしたロト!」

ククイ「おお! そいつはスゴいぜ、ハウ! ……ポケモンの進化だけでもスゴいのに、技まで進化させるなんて――

    ――まさに、驚きの"ダブルアタック"といったところだね!」ニカッ

ハウ「……ホントー!? ありがとー、博士!」ニカッ


サトシ「……けど、俺たちだって負けてないぜ? ニャヒートの"火の粉"だって、進化した時に"火炎放射"に進化してたんだ!!」

ククイ「おお! サトシたちも、さすがだぜ!」

サトシ「……へへっ♪」ニカッ


サトシ「……あ、そうだ!」

ククイ「ん?」

サトシ「ねえ、博士! ……新しい技を覚えるコツってないかな?」

ククイ「技を覚えるコツ? ……そりゃまた、どうしてだい?」

ハウ「実はねー、モクローが、新しい技を覚えそうなんだー!」

ククイ「……なるほど。うーん、コツか……。」
 ▼ 486 dX3IS9Elqo 18/02/24 21:59:21 ID:On7dsONQ [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ククイ「やっぱり、一番大切なのはトレーナーとポケモンの気持ちだね!」

サトシ「トレーナーとポケモンの――」

ハウ「――気持ちー?」

ククイ「ああ! ポケモンが繰り出す技に『勝ちたい!』という、トレーナーの思いを乗せるんだぜ!

    そうすれば、ポケモンもトレーナーの気持ちに応えて……最高の技を出してくれるさ!」

サトシ「……それならバッチリさ! だって、ハウたち――

    ――ハラさんに勝つため、ゼンリョクで頑張ってるからね! ……な?」

「「 ……う、うんー!
   クロォーーッ!! 」」フンスッ

サトシ「……どうかしたのか? ハウ。」

ハウ「……どうもしてないよー!」ニカッ

サトシ「?」


サトシ「……けど、そうやって頑張っても、なかなか成功しないんだよなー。博士ならいい特訓の方法、知ってると思ったんだけど……。」

ククイ「まあ、待て待てサトシ。……気持ちが一番大切だとは言ったが、特訓の方法がないとは一言も言ってないぜ?」

サトシ「え? それじゃあ――」

ククイ「ああ! ……あるぜ、効率のいい特訓方法!

    具体的にどんな技を出そうとしてたか、詳しく教えてくれるかい?」

サトシ「やったぜ! さっすが博士!

    ……よかったなー! ハウ!!」ニカッ

ハウ「……うんー!」
 ▼ 487 dX3IS9Elqo 18/02/24 22:45:02 ID:On7dsONQ [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****


『話を聞く限り……モクローが覚えようとしている技は、"妖しい風"のようだね!』


『"妖しい風"は、身の毛もよだつ突風を起こして相手を攻撃する、ゴーストタイプの技ロト!』


『やっぱり、風を使った技を上手く使うコツは、なんといっても風を起こす力の強さが重要だね! モクローなら――』


『――そう! ……翼を重点的に鍛えてやるのがいいぜ!』



サトシ「"妖しい風"か。……やっとゴールが見えてきたな!」

ハウ「うんー!」ニカッ

ハウ「……大試練が始まるまで、後もう少しー!」

サトシ「博士のアドバイスを基に、習得目指して――」

「「「「「   やるぞー!!
       がんばろーねー!!
        レッツロー♪
        ピカピーカ!!
      クロ、クローーッ!! 」」」」」
 ▼ 488 dX3IS9Elqo 18/02/24 23:41:10 ID:On7dsONQ [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ――数時間後。


サトシ「(だいぶ、日が高くなってきたな……。)」


「ぉーぃ。」


「「!」」

ハウ「……ミヅキー!」

ミヅキ「ハラさんが、『そろそろ大試練を始めるので、先に挑戦する者から広場に来るのですぞ!』

    ……だって! 私とハウくん、どっちから――」

ハウ「……ゴメンねー。ミヅキから先に行ってくれるー?」

ミヅキ「え? う、うん。いいけど――」

サトシ「……って、ことは――

    ――完成したのか!? "チャームボイス"!」

ミヅキ「……うん!」

アシマリ「あしゃま♪」ドヤッ

サトシ「……さっすがミヅキとアシマリだぜ! やったな!!」ニカッ

ミヅキ「えへへ。あ、ありがと……///」

サトシ「アシマリの新しい技かー! 楽しみだなーー!!」ワクワク


ハウ「……俺たちはここでもうちょっと特訓してるからさー、サトシも行ってきてよー。……特訓、付き合ってくれてありがとねー!」ニカッ

サトシ「え……でも、まだ――」

ハウ「大丈夫だよー! コツなら、博士から聞いてわかってるしー……俺たちの分まで、ミヅキの応援よろしくねー!」


サトシ「……わかった! 行こうぜ、ミヅキ!!」

ミヅキ「うん! ……ハウくん、頑張ってね!」ニコッ

ハウ「ありがとー、ミヅキ!」ニカッ

 タッタッタッ……



ハウ「……………………。」
 ▼ 489 dX3IS9Elqo 18/02/26 11:04:57 ID:ksNa3ZXw [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

ククイ「それでは――

    ――これより、島キング・ハラと、島巡り挑戦者・ミヅキの、大試練バトルを開始します!」


ハラ「……………………!」ジーーッ


ミヅキ「うぅ……っ……。」タジッ

ミヅキ「(……やっぱり、スゴい迫力……。だ、大丈夫かな……。)」


「「 頑張れー! ミヅキーーッ!!
      ピカピーカァ!!    」」


ミヅキ「!」

 チラッ


「「 ……特訓の成果、見せてやれーー!!   ブンブン
       ピカチュピーー!!     」」ブンブン


 ……フフッ


ミヅキ「……………………うん!」ニコッ
 ▼ 490 dX3IS9Elqo 18/02/26 11:25:07 ID:ksNa3ZXw [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「!」

 ……ニカッ

サトシ「……ミヅキたちなら、きっと勝てる! だからゼンリョクでぶっ飛ばしてけーーッ!!」ブンブン

ピカチュウ「ピカーーッ!!」ブンブン


ミヅキ「ありがとう! ……頑張る!」フリフリ

 クルッ


ミヅキ「……よろしくお願いします! ハラさん!」ペコッ

ハラ「(……美しき友情かな。緊張が解れて――

    ――なんとも、良い顔になりましたな。)」ニッ


ハラ「……こちらこそですぞ!」ペコッ


ククイ「……使用ポケモンはお互いに二体! ポケモンの交代は挑戦者のみ、認められます!

    では……両者、最初のポケモンを!」


 カチッ


「「  ……よろしくね!
   一番手、頼みましたぞ! 」」


                    ポ ー ン


                   パ カ ー ン !
 ▼ 491 dX3IS9Elqo 18/02/26 12:27:41 ID:ksNa3ZXw [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


 ……………………。


『――だって、ハウたち……ハラさんに勝つため、ゼンリョクで頑張ってるからね! ……な?』


 ……………………俺ー……








 ……じーちゃんに勝つため、ホントに……ゼンリョクで、頑張れてるのかなー……?




 ホントは、心のどこかで……



 …………。




モクロー「………………もふぅ……?」ジーーッ……


ハウ「…………ッ……!」





ハウ「……………………モクロー……。」
 ▼ 492 dX3IS9Elqo 18/02/26 17:18:24 ID:ksNa3ZXw [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

ククイ「……ワンリキー、戦闘不能! この勝負、モンメンの勝ち!」


ミヅキ「やったね! モンメン!」ギュッ

モンメン「モン///」


サトシ「スッゲー! ミヅキたちが先制したぞ!!」

ピカチュウ「ピッカ! ピッカァ!!」ピョン! ピョン!

サトシ「ミヅキー! モンメーン! ……この調子で、一気に行けーーッ!!」ブンブン


ミヅキ「!」チラッ

 ……ニコッ



 クルッ

ミヅキ「……油断しないで行くよ! モンメン!!」

モンメン「……モンッ!」コクッ


ハラ「(まるで綿毛のように、ふわふわと掴み所のない……厄介ですな。で、あれば――)」カチッ


ククイ「それでは……島キングは、次のポケモンを!」


ハラ「――お願いしますぞ! マケンカニ!!」ポーン

 パカーン!

マケンカニ「カニカニーーッ!」スタッ


ミヅキ「……ッ! マケンカニ……!」


ハラ「……一気に攻めますぞ! マケンカニ!!」キラーン


「「「!?」」」
 ▼ 493 dX3IS9Elqo 18/02/26 22:03:27 ID:ksNa3ZXw [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


モクロー「もふ! もふぅ!!」バサバサ



 ……………………モクロー……。



              ズ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!



ハウ「!」


ハウ「(大きな音……広場の方からー……!)」


ハウ「(……………………ミヅキ……。)」



『……ハウくん、頑張ってね!』



 ……………………。



『特訓の成果を活かして、最ッ高のバトルを見せてくれよ?』



 ……………………サトシ……。



 ……そうだよねー……。




『俺だって、ミヅキとー、サトシと一緒にー……色んなとこ、見に行きたいからねー!』




 …………本気のじーちゃんに勝つため、ゼンリョクで頑張れてるかはわからないけどー……



 それでも、今は―――!

 ▼ 494 dX3IS9Elqo 18/02/27 23:11:11 ID:18Thdn8U NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

****

ククイ「……モンメン、戦闘不能! この勝負、マケンカニの勝ち!」


ミヅキ「お疲れさま、モンメン……。」

 ポヒュン


サトシ「せっかく、ミヅキが先制したと思ったのに……Z技で一気に追いつかれちまった……。」

ピカチュウ「ピーカ……。」

サトシ「(風を使って自在に飛び回り、"宿り木の種"で動きを封じてくるモンメンは厄介だと判断して、ここで一気にZ技で叩きにきたってワケか。

     さすがだぜ、ハラさん――!)」

 チラッ


ミヅキ「……………………。」ギュッ


サトシ「(……頑張れよ、ミヅキ……!)」


ミヅキ「……特訓の成果、見せるよ! お願い、アシマリ!!」

アシマリ「あおっ!!」
 ▼ 495 dX3IS9Elqo 18/02/28 00:37:57 ID:Od4Yixzs [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

________
____
__
_


ミヅキ「……今だよ! アシマリ!!」キラーン

アシマリ「あしゃっ!!」バッ

ハラ「!」


                  ブオンッ! スッ……

              シュッ! シュピッ! バッ! バッ!



サトシ「……ここでZ技か! あのポーズ――

    ――"ウルトラダッシュアタック"!?」

ククイ「いや――」

サトシ「……博士?」


ミヅキ「スゴい……! 私とアシマリが、一体になっていく感じがする――

    ――これが、Z技……!」ズギューン!

アシマリ「あしゃま……っ!」ググググッ


ミヅキ「……行くよ! アシマリ!! これが私たちのゼンリョク――」


             「    "Z歌う"!!!    」

 ▼ 496 dX3IS9Elqo 18/02/28 00:56:15 ID:Od4Yixzs [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「!」


サトシ「変化技のZ技……!?

    博士! ……そんなのことも出来るの!!?」

ククイ「もちろん! 変化技にだってZパワーを与えてやれば、Z技として使うことが出来るぜ!」

サトシ「へぇ、知らなかった! ……さすがはミヅキだぜ!」


ククイ「……変化技をZ技にした場合、攻撃技の時とは違って、命中率は元の技と変わらない――」

サトシ「……え!? じゃあ、普通に避けられちゃうってこと!!?」

ククイ「ああ。だが、その代わりに……普通に使った場合とは違う、追加効果が得られるのさ。」

サトシ「追加効果……?」

ククイ「……今にわかるさ。」


サトシ「…………!」ゴクリ
 ▼ 497 dX3IS9Elqo 18/02/28 21:41:23 ID:Od4Yixzs [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……距離をとってかわすのです、マケンカニ!!」


アシマリ「〜〜〜♪」

マケンカニ「……カニッ!」

 タンッ!


サトシ「あ……避けられちまった!?」


ハラ「……続けて"バブル光線"ですぞ!」

ミヅキ「逃がさない……! "アクアジェット"だよ!!」


マケンカニ「カニィーーッ!!」

アシマリ「……あおっ!!」

 ザッパァァン!


ハラ「…………ッ!」


サトシ「…………速いッ!」

ピカチュウ「ピカッ!?」


ククイ「"歌う"をZ技にした場合、その追加効果として……ポケモンの素早さが上がるのさ。」

サトシ「……スッゲェー……!」
 ▼ 498 dX3IS9Elqo 18/02/28 22:25:20 ID:Od4Yixzs [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 マケンカニのハサミの先端から、アシマリ目掛け、無数の泡が解き放たれる。泡は周辺の宙を埋め尽くし……アシマリに向けて一斉に飛ぶ。しかし、泡がアシマリへと到達する――
 ――その、遥か前。……アシマリが水飛沫を上げ、一瞬の内に姿を消す。その身に水を纏い、目にも止まらぬ速さで泡の間隙を縫い……瞬時にマケンカニへと肉薄する。そして――


アシマリ「あっしゃあッ!!!」

マケンカニ「……ガ……ッ……?!」

 ――アシマリの突進の衝撃が、マケンカニを襲う。速度の乗った突進……その衝撃が瞬く間にマケンカニの全身を駆け抜け、よろめき……大きく後退る。


ハラ「……マケンカニ!」


              「    今だよ!!!    」


ハラ「!」

ミヅキ「……"チャームボイス"!!」


サトシ「……きた! "チャームボイス"だ!!」ワクワク

ピカチュウ「ピカピーカ!!」ドキドキ

ククイ「『こうかは ばつぐん』……フェアリータイプの技だね!!」


アシマリ「……あしゃまぁ〜〜♪」


 アシマリが甘えるような仕草で、一際甘い声をあげる。すると……?
 ……その声が桃色の衝撃波となり、大気を震わせ……空気中を伝達する。そのまま、マケンカニの身へと降りかかり――。



              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!

 ▼ 499 dX3IS9Elqo 18/02/28 22:57:41 ID:Od4Yixzs [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




マケンカニ「……カ、ニ……ィ……。」グルグル


ククイ「……マケンカニ、戦闘不能! この勝負、アシマリの勝ち! よって――

    ――このバトル、挑戦者・ミヅキの勝利!!」


ミヅキ「……………………勝て、た……?」ポカーン


          「「    やったな! ミヅキ!!
                  ピカピーカ!!      」」


ミヅキ「!」ビクッ

 クルッ



サトシ「……スゴかったぜ! ミヅキもアシマリも、カッコ良かったぞ!!」ニカッ

ピカチュウ「ピカチュ♪」


ミヅキ「……サトシくん、ピカチュウ……。」


ミヅキ「……うん! ありがとっ!!」ニコッ

アシマリ「あしゃま♪」
 ▼ 500 テラ@スチールメモリ 18/02/28 23:03:08 ID:Od4Yixzs [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

あれから4ヶ月、ついに500レス、私はイッチ、そしてここはメレメレ島。

……相変わらずの亀進行ですが、見てくださる方、何卒、これからもよろしくお願いします。
 ▼ 501 ブクロン@ひみつのカギ 18/03/01 00:16:21 ID:U3lUSuB. NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
もう4カ月になるのか…早いものだな
これからも応援してます
 ▼ 502 ィオネ@ひみつのカギ 18/03/01 21:28:26 ID:I8Yv0t/w NGネーム登録 NGID登録 報告
これからもがんばってください
 ▼ 503 dX3IS9Elqo 18/03/06 21:45:09 ID:yroFnZnY [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


モクロー「クロォーーッ!!」バサバサバサ


 ヒュオォォ……


ハウ「……うーん、もうちょっとで出来そうなのにー。」

モクロー「もふぅ……。」

ハウ「よーし! もう一度――」


「ぉーぃ。」


ハウ「!」

 タッタッタッ……


「「     ハウ!
   ハウくん! お待たせ! 」」

ハウ「サトシ! ミヅキィー! ……ミヅキの大試練、終わったのー?」

ミヅキ「うん! ……で、結果が――

    ――これ!」スッ

ハウ「……わぁー! それってー、カクトウZー!? ってことは――

   ――おめでとー! ミヅキー!!」ニカッ

ミヅキ「ありがとう!」ニコッ


ハウ「……そっかー、ミヅキもじーちゃんに勝てたのかー……。」

サトシ「……ハウ?」

ハウ「!」
 ▼ 504 dX3IS9Elqo 18/03/06 23:22:44 ID:yroFnZnY [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「ハウの方はどうだ? "妖しい風"……完成したのか?」

ハウ「……。」フルフル

モクロー「もふぅ……。」

サトシ「……そっか。」


ハウ「けど――」

サトシ「ん?」

ハウ「――大試練に勝ってー……二人と一緒に、アーカラ島に行くよ!」

サトシ「!」

サトシ「……そうだな!」

ミヅキ「『旅に出る時は三人一緒』――約束だもんね! 新しい島に旅立つ時も――」

サトシ「――ああ! もちろん、三人一緒に、だ!」

ハウ「うんー!」ニカッ
 ▼ 505 dX3IS9Elqo 18/03/06 23:49:53 ID:yroFnZnY [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「それにさ――」

ハウ「?」

サトシ「――たとえ、技は完成してなくても……そのために特訓した、その経験は残ってる!」

ハウ「……経験ー?」

サトシ「ああ! だって、ハウもモクローも、あんなに特訓頑張ったんだぜ? その努力は、その経験は……確かに、二人の力になってる!

    ……無駄なことなんてなにもないさ。」

ハウ「そっか……そうだよねー!

   ……ありがとー、サトシ!」ニカッ

サトシ「ホントのこと、言っただけだからさ。お礼を言われるようなことじゃないぜ。」

ミヅキ「サトシくんって、たまーに良いこと言うよね……。」

サトシ「……『たまーに』は余計だよ!」

ハウ「ぷっ……!」


            「「「   あははははは!!!   」」」

 ▼ 506 dX3IS9Elqo 18/03/07 22:06:50 ID:0zXxXih2 [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


________
____
__
_


サトシ「……いよいよだな、ハウ! 頑張れよ!」

ミヅキ「サトシくんに、リーリエちゃん、それから博士も……みんなで応援してるからね!」

ハウ「うんー! ありがとー!」ニカッ

 クルッ

ハウ「それじゃあ、じーちゃん……ううん、島キングの、胸を借りるよー!」

ハラ「わしも待ちかねていたのだ! それでは――

   ――広場に参りますかな。」
 ▼ 507 dX3IS9Elqo 18/03/07 23:32:29 ID:0zXxXih2 [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


ククイ「それでは――

    ――これより、島キング・ハラと、島巡り挑戦者・ハウの、大試練バトルを開始します!」


ハウ「……よろしくお願いします!」ペコッ

ハラ「(ほう……!)」ニッ

ハラ「……こちらこそですぞ!」ペコッ


ククイ「……使用ポケモンはお互いに三体! ポケモンの交代は挑戦者のみ、認められます!

    では……両者、最初のポケモンを!」


 カチッ


「「 まずは、よろしくねー!
   一番手、頼みましたぞ! 」」


                   ポ ー ン


                  パ カ ー ン !

 ▼ 508 dX3IS9Elqo 18/03/08 14:41:19 ID:LNY1vlR6 [1/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


「「 オンバットーー!
    ワンリキー!  」」


「「 バーーット!   バサバサ
   リキーーッ! 」」スタッ


ハウ「行くよー、オンバット! ……"風おこし"!」

ハラ「ならばこちらは……"空手チョップ"で迎え討つのですぞ!」


オンバット「オーーン!!」バサバサ

ワンリキー「…………リキッ!!!」

 スパッ


ハウ「!」


サトシ「電撃だけじゃなくて……風まで切り裂くのか!?」

ククイ「さすがはハラさんが鍛え上げたポケモン……凄まじい技のキレだね……!」


ハウ「ならー……"超音波"だよー! オンバット!!」

オンバット「……バァァァァァァァット!!!!」

 オンバットが声を震わせ……耳をつんざくほどの音の波動を、ワンリキー目掛けて放つ――。


ハラ「……やはり、その技を覚えさせていましたかな。」

ハウ「!?」

ハラ「サトシの大試練を見て、わしがワンリキーを先鋒で繰り出すと予想した上で……ノーガード"の特性を持つワンリキーに有利な、音の攻撃を使えるオンバットを出してきたのだろう。だが――

   ――くるのがわかっておれば、防げぬワケではないぞ!!」

ハウ「……ッ!」

ハラ「……ワンリキー!!」
 ▼ 509 dX3IS9Elqo 18/03/08 15:09:13 ID:LNY1vlR6 [2/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ワンリキー「……リキーーッ!!!」


 ワンリキーが雄叫びと共に、広場中央に、まるで舞台のように設けられた木製のバトルフィールド……その、自身手前の床板の端を、力強く踏みしめる。すると……?

 ……端に強い負荷が掛かったことで、床板が踏み抜かれ、反対端が跳ね上がり……"超音波"とワンリキーの間を隔てるようにして立ちはだかる。その床板に"超音波"がぶつかり、反響し、そして――。


「「「「!」」」」

ミヅキ「……"超音波"を跳ね返した!?」


ハウ「うぅ……オン――」

ハラ「遅いですぞ!」

ハウ「―――ッ!」


              キ ィ ィ ィ ィ ィ ン !!!!


オンバット「……オン〜〜?!?!?!」フラフラ

ハウ「ああ!?」

ハラ「……続けて"ビルドアップ"ですぞ!」

ハウ「!」


ワンリキー「……リキィィィィ!!!」ググググッ
 ▼ 510 dX3IS9Elqo 18/03/08 16:36:14 ID:LNY1vlR6 [3/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……さあ、行くのですぞ! ワンリキー!」

ワンリキー「……リキッ!」

 ワンリキーが右の手刀を構え、その手刀にエネルギーを纏わせ……オンバット目掛け、真っ直ぐに走り出す。

ハウ「わー! オンバット、しっかりしてー!」

オンバット「オ、オン〜〜……?!?!?!」フラフラ


ワンリキー「リキーーッ!」ドスッ!ドスッ!ドスッ!


ハウ「……オンバット〜〜!!」

オンバット「オ……ン……?!?!?!」フラフラ

ワンリキー「リキ――」

 ……ついにワンリキーが、オンバットへと肉薄し……その姿を、射程内に捉える――。



オンバット「……………………バット!」ハッ

ハウ「!」

ハウ「(……正気に戻ったー!? なら――)」

ハウ「――"翼で打つ"ー!」


オンバット「……バーーット!!!」

ワンリキー「……リキーーッ!!!」


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!


 オンバットの放った、上から打ち下ろすかのような翼の一撃。対するワンリキーは、そのエネルギーを纏った手刀を、下から掬い上げるように振るう。
 ぶつかり合う技と技。その衝突が、激しい火花を散らし……その衝撃が、二体の体を駆け巡る。


ミヅキ「……やった! 直前で立ち直って、受け止めた!」

ククイ「いや――」

ミヅキ「……博士?」


ハラ「ほう、土壇場で正気を取り戻しましたか。やりますな。……ですが――」

ハウ「……え?」



 ヒュン
 ▼ 511 dX3IS9Elqo 18/03/08 17:21:43 ID:LNY1vlR6 [4/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告






オンバット「……………………ッ!?」

 ドサッ

オンバット「オン〜〜……。」グルグル


ククイ「……オンバット、戦闘不能! この勝負、ワンリキーの勝ち!」


ハウ「オ、オンバットー……。」


ミヅキ「ど、どうして……? ワンリキーの"空手チョップ"、確かに受け止めたハズ――」

サトシ「……そうか!」

ミヅキ「……サトシくん?」

サトシ「今の技、"空手チョップ"じゃない……"ダブルチョップ"だ!」

ミヅキ「!」

ククイ「ああ。正解だぜ、サトシ――」

サトシ「……やっぱり!」

ククイ「オンバットが右手による一撃目を受け止めた、その……直後。

    ……僕らにも死角になる位置から、左手による……さらなる一撃が放たれていた。」

ミヅキ「"ダブルチョップ"――オンバットに対して効果抜群の、ドラゴンタイプの技……!」

リーリエ「それでオンバットさん、一撃で倒されてしまったのですね……。」


ハウ「……お疲れさまー! オンバットー!」ニカッ

 ポヒュン


ククイ「それでは……挑戦者は、次のポケモンを!」
 ▼ 512 dX3IS9Elqo 18/03/08 18:44:18 ID:LNY1vlR6 [5/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「よろしくねー! ピカチュウ!」ポーン

 パカーン!

ハウピカ「……ピッカー♪」スタッ


サトシ「ハウの2番手はピカチュウか! よーし!」

「「 ……二人ともー! 特訓の成果、見せてやれーー!   ブンブン
         ピカピーカァッ!!         」」ブンブン


ハウ「!」

 クルッ

ハウ「うんー! ありがとー、サトシィーー!!」ブンブン

ハウ「……よーし、がんばろーねー! ピカチュウ!」ニカッ

ハウピカ「ピカピーカ♪」


ハラ「ほう、ハウもピカチュウを……! では――

   ――お手並み拝見といきますかな!」
 ▼ 513 dX3IS9Elqo 18/03/08 22:42:40 ID:LNY1vlR6 [6/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「行くよ、ピカチュウ! "放電"だよー!」

ハウピカ「ピカ! チュゥゥゥゥウ!!!」

 ピカチュウが両頬に電気を溜め……ワンリキー目掛けて、束にして解き放つ。解き放たれた電気は一筋の閃光となり、ワンリキー目掛けて宙を駆ける――。

ハラ「……走るのです、ワンリキー!」

ワンリキー「リキッ!」ダッ

 ドスッ! ドスッ! ドスッ!


ハウ「!?」

ハウ「つ……突っ込んでくるーー!!?」


ハラ「そして"ダブルチョップ"ですぞ!」

ワンリキー「リキィ……ッ!」


 自身に迫る電撃……その電撃に向けて猛進するワンリキーが、両の手刀に竜の力を宿し――

ワンリキー「……リキィィィ!!!」

 ――まず、咆哮と共に放たれた右手による初撃が、電撃の勢いを削ぎ落とし……続く、左手から放たれた追撃が、電撃を突き破る。ワンリキーの周囲へと拡散した電撃は、そのまま霧散し――
 ――その電撃を抜けたワンリキーは、歩みを止めず……ハウとピカチュウ目掛け突き進む。


ハウ「!」


ハラ「"空手チョップ"!!」

ハウ「なら……"瓦割り"で迎え討ってー!」


ハウピカ「ピッカァッ!!!」

ワンリキー「リキッ!!!」


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!

 ▼ 514 ガフーディン@サファイア 18/03/08 22:44:44 ID:08z3bTKo NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
ミヅキはあっさり勝ったのに…
 ▼ 515 dX3IS9Elqo 18/03/08 23:28:21 ID:LNY1vlR6 [7/7] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 垂直に降り下ろされたワンリキーの手刀と、降り上げられた、闘のエネルギーを宿すピカチュウの尾……その二つがぶつかり合う。しかし――

ピカチュウ「…………ッ!?」

 ――ワンリキーの手刀が、ピカチュウの尾を押し返し……ピカチュウの身体が、背中から地面に叩きつけられる。そのまま、数回バウンドしながら大きく飛ばされ、舞台の外へと放り出されてしまう。


ピカチュウ「ピ、ピカ……。」ヨロッ

ハウ「ああ、ピカチュウ……。」

ハウ「(接近戦の力比べじゃ、やっぱり、"ビルドアップ"でパワーアップしたワンリキーには負けちゃうよねー……。どうすれば――)」


「「 ……まだまだ! 特訓でパワーアップした力、見せてやれーー!!   ブンブン
          ピカ、ピカピカッチュウ!!           」」ブンブン


ハウ「――!」

ハウ「(特訓でパワーアップした力ー……そうだー!)」ニカッ

 クルッ

ハウ「……うんー! 任せてよー!」ブンブン

ハウ「よーし、行くよ、ピカチュウ!」

ピカチュウ「……ピカ!」


ハラ「(……なにか仕掛けてきますかな……。)」


ハウ「……もっかい"放電"だよー!」

ハウピカ「ピカ! チュゥゥゥゥウ!!!」バリバリバリィッ!
 ▼ 516 dX3IS9Elqo 18/03/09 00:34:32 ID:.aqvJPog [1/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「(再びの"放電"……先ほどと同じようにいきたいところですが、距離が開きすぎておる――

    ――鈍足のワンリキーに、さすがに、舞台の外まで進ませるのは危険ですかな。であれば――)」

ハラ「――ワンリキー! その場で"ダブルチョップ"ですぞ!」


ワンリキー「……リキッ!!!」

            ヒュン

                                   スパッ


ミヅキ「……ああ! また防がれちゃった!」

ククイ「妙だな……。」

サトシ「博士。……妙って、なにが?」

リーリエ「ハラさん……どうして先ほどのように、ワンリキーさんを走らせなかったのでしょうか?」

サトシ「……そりゃあたぶん、さっきより距離が開いてるからだよ。ワンリキーはあんまり、足が速くな――」

リーリエ「……サトシさん?」

サトシ「――ん?」

ククイ「……気がついたかい?」

サトシ「あ、うん。……足の遅いワンリキーならともかく、ハウのヤツ――

    ――なんで"放電"を放った後の隙に、ピカチュウになにもさせなかったんだ?」


ハウ「(……よーし、これ準備バッチリだねー!)」ニカッ

ハウ「ピカチュウ――」
 ▼ 517 dX3IS9Elqo 18/03/09 20:58:13 ID:.aqvJPog [2/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「――舞台の上に戻ってー! で、"放電"だよー!」

「「「「「!」」」」」


ミヅキ「……また"放電"!?」

リーリエ「せっかく開いた距離も、元に戻ってしまいました……。」


ハラ「(わざわざこちらに有利な間合いに入ってまで、先ほどと同じ技――

    ――なにが狙いかは知らぬが、受けてたちましょうぞ!)」

ハラ「……ワンリキー! こちらも再び走るのですぞ! "ダブルチョップ"!!」


ワンリキー「リキッ!」ダッ

ハウピカ「ピカ! チュゥゥゥゥウ!!!」バリバリバリィッ!


             バ チ バ チ バ チ バ チ !!!!


ワンリキー「……!?」

ハラ「……むお!? この威力は――」


サトシ「……なるほど! ハウのヤツ――

    ――さっきピカチュウが"放電"を放った後、なにもしてないように見せかけて……"悪巧み"を使わせていたのか!」

ククイ「"悪巧み"……脳を活性化させることで、自身の特殊技の威力を大きく高める、悪タイプの技だね!」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!

 ▼ 518 dX3IS9Elqo 18/03/09 22:49:29 ID:.aqvJPog [3/3] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ワンリキー「……リ、キィ……!」


ハラ「ワンリ「畳み掛けてー!」

   …………ッ!」


ハウ「……"瓦割り"ー!!」

ハラ「ならば、こちらも……今一度"空手チョップ"です!!」


ハウピカ「……ピカッ!」ダッ

ワンリキー「リ……キ……ッ!」ビリビリ


ハラ「……ッ!」

ハラ「(先ほどの"放電"を受けた時に、麻痺を……!)」


 スパッ


ワンリキー「…………ッ!?」

 ドサッ

ワンリキー「リキィ〜〜……。」グルグル


ククイ「……ワンリキー、戦闘不能! この勝負、ピカチュウの勝ち!」


ハラ「お疲れさまでしたな、ワンリキー。」

 ポヒュン

ハラ「……まんまと一杯食わされたようですな!」ニヤリ


ハウ「やったねー! ピカチュウ! この調子でがんばろーねー!」ニカッ

ハウピカ「ピカァ♪」


ククイ「それでは……島キングは、次のポケモンを!」
 ▼ 519 dX3IS9Elqo 18/03/10 21:00:54 ID:W.XC/jbA NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「……行きますぞ! マケンカニ!!」ポーン

 パカーン!

マケンカニ「……カニーーッ!」スタッ


ハウ「!」

ハウ「ここでマケンカニ……! 気をつけてー、ピカチュウ!」

ハウピカ「ピカ……ッ!」ゴクリ


ミヅキ「サトシくんの時と似た流れだね……。」

リーリエ「確かに……ピカチュウさんの相手にマケンカニさんが出てくるところまで同じですね……。」

サトシ「……頑張れよー、ハウ、ハウのピカチュウ……!」

ピカチュウ「ピカピーカ……!」
 ▼ 520 dX3IS9Elqo 18/03/12 16:24:09 ID:NwRoM/os [1/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「行くよー、ピカチュウ! ……もう一度"放電"!」

ピカチュウ「ピカ! チュゥゥゥゥウ!!!」


ハラ「ならば、マケンカニ……かわして"グロウパンチ"です!」

マケンカニ「………………カニッ!」


 ピカチュウが、頬の電気袋に電気をため……まるで光線の如く、マケンカニ目掛けて発射する。……しかしマケンカニは、その場で力強く踏ん張り、上体を横に大きく反らすことで、自身に迫る光線を寸でのところで回避してしまう。その状態で、今度は身体を前に倒すことで、自身の身に迫る光線――
 ――その、真下へと潜り込み、後ろ足で大地を蹴って……ピカチュウ目掛け、猛然と駆け出す。


マケンカニ「カニカニーーッ!」シュタタタタッ


ピカチュウ「……ピカ!?」

ハウ「……ッ! かわしてーーッ!!」


マケンカニ「カァニッ!!!」


 ダッシュの勢いを乗せたマケンカニのアッパーが、ピカチュウに向けて振るわれる。その軌跡は、ピカチュウの下顎を確実に捉えており――

ピカチュウ「……ピ、ピッカ!」

 ――それをピカチュウが、ギリギリのところで後方へと飛び退くことで回避する。
 マケンカニのハサミが風を切り、高い音が鳴り響く――


ハウ「ふう……間一髪だねー……!」

ピカチュウ「ピカ……!」ホッ


         「   ……今一度"グロウパンチ"ですぞ!!   」


「「!?」」
 ▼ 521 dX3IS9Elqo 18/03/12 21:28:54 ID:NwRoM/os [2/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ――が。……ハサミを大きく振り上げたマケンカニが、上体を回しながら、前方へと大きく踏み込み……再びピカチュウ目掛けて、追撃のアッパーを繰り出す。


ハウ「……ッ!」

ハウ「(この動きー……サトシの大試練の時の……!?)」


サトシ「……踏み込みながらも打てるのか!?」

ミヅキ「"グロウパンチ"を受けちゃったら……!」


ハウ「(避けられないならー、せめて――)」

ハウ「――"瓦割り"だよーー!!」


ハウピカ「!」

ハウピカ「……ピッカァ!!!」

マケンカニ「カァニッ!!!」


        ヒュン

                                ブオンッ


              ガ キ ィ ィ ィ ィ ン !!!!


マケンカニ「……カニーーッ!!」ギュイーン!


ハラ「……これでこちらもパワーアップですな。」

ハウ「うぅー……!」
 ▼ 522 dX3IS9Elqo 18/03/12 22:15:18 ID:NwRoM/os [3/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


________
____
__
_


ハラ「――マケンカニ! "クラブハンマー"!!」

ハウ「……! ピカチュウ、かわし――」


 ブオンッ


ハウ「――――ッ!」


 バッシャァァァン!


ハウピカ「ビ、ガ……ッ!」

 ドサッ

ハウピカ「ヂュ……。」グルグル


ククイ「……ピカチュウ、戦闘不能! この勝負、マケンカニの勝ち!」


ハラ「やりましたな、マケンカニ!」

マケンカニ「カニ〜♪」


ハウ「……お疲れさまー、ピカチュウ!」ポヒュン


ハウ「…………………………………………。」カチッ


 ジーーッ

 ▼ 523 dX3IS9Elqo 18/03/12 22:39:17 ID:NwRoM/os [4/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

リーリエ「……ハウさんのピカチュウさんも倒されてしまいました……。」

ピカチュウ「ピカチュ……。」シュン

サトシ「ハウのピカチュウも、スッゲー頑張ったんだけどな……。」

ミヅキ「……これで、ハウくんの残りのポケモンはモクローだけ。対して、ハラさんは――」

ククイ「――まだパワーアップしたマケンカニと、控えのマクノシタが残ってる。……こりゃ、なかなかのピンチだね……。」

ミヅキ「……大丈夫かな、ハウくん……。」

アシマリ「あおっ……。」


サトシ「…………心配ないさ、ミヅキ!」

ミヅキ「え?」

サトシ「だって、ハウも、モクローも……昨日と今日の特訓で、前よりももっと強くなってる! ハウたちならきっと、マケンカニもマクノシタも倒して――

    ――三人で一緒に、アーカラ島に行けるさ!」ニカッ

ミヅキ「……うん!」ニコッ

「「   行けー! ハウ、モクロー!!    ブンブン
   ハウくん、モクロー、頑張ってー!! 」」フリフリ


ハウ「!」

ハウ「……うんー! ありがとー、二人ともーー!!」ブンブン

ハウ「よーし……行くよー! モクロー!」

モクロー「……もふぅ!」バサバサ
 ▼ 524 dX3IS9Elqo 18/03/12 23:25:12 ID:NwRoM/os [5/5] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「ゆくぞ、ハウ、モクロー! マケンカニ――

   ――"バブル光線"ですぞ!」

マケンカニ「……カニィーーッ!!」


 ブクブクブクッ!


ハウ「……モクロー! かわして"つつく"だよー!」

モクロー「……クロッ!」


 ヒュン


ハラ「…………むお!?」


ミヅキ「……速い!」

アシマリ「あおっ!?」

サトシ「……"妖しい風"習得のため、翼の力を鍛えた成果だぜ!」ニヤリ


モクロー「クロォォォーーーーッ!!!」キュィィィィン!


ハラ「マケン――」


「クロォッ!!!」


ハラ「――――ッ!」


              ズ バ ァ ァ ァ ァ ン !!!!

 ▼ 525 dX3IS9Elqo 18/03/13 00:14:58 ID:KJTft6TM [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




マケンカニ「………………ニ"ッ……!」ドシャッ

ハラ「……マケンカニ!!」


ハウ「やったねー! モクロー!」ニカッ

モクロー「もふぅ♪」


マケンカニ「………カニッ!」ムクリ

ハラ「大丈夫ですかな? マケンカニ……。」

マケンカニ「カニカニーーッ!」シュッ!シュッ!

ハラ「……うむ!」ニッ

 チラッ

ハラ「(あのモクロー……先日、ここの広場で見たサトシとのバトルの時よりも、スピード、パワーともに格段に上がっておる。

    ……島巡りの中で、キチンと成長しておるようだな。)」ニヤリ


ハラ「ならば、こちらも――」スッ

マケンカニ「……カニッ!」スッ


 キラーン!


ハウ「!」

ハラ「――ゼンリョクでゆきますぞッ!!!」


ミヅキ「……ここでZ技!?」

ククイ「ハウの残りポケモンはモクローだけだからね。一気に勝負を決める気なんだろう。」

サトシ「(ハウ、モクロー……!)」


ククイ「(さすがはハラさん。孫が相手でも……いや、だからこそ……か。容赦ないぜ……!

     さあ、このピンチに、どんな技を繰り出す? ハウ、モクロー――)」
 ▼ 526 dX3IS9Elqo 18/03/13 22:05:24 ID:KJTft6TM [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


ハラ「我、メレメレ島……そして、守り神カプ・コケコと意思を共にする、島キングなり。」

マケンカニ「カニッ!!」


                  ブオンッ! スッ……

           ビシッ! バシッ! ビシッ! バシッ! ドーン!!!



        「   今こそ、全ての力をひとつにする時!!!   」



        「   "全 力 無 双 激 烈 拳" !!!!   」


 ▼ 527 レイドル@にがいきのみ 18/03/18 21:18:43 ID:gbzZu0Pg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 528 dX3IS9Elqo 18/03/18 23:14:44 ID:ELVrWbos [1/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マケンカニ「カニ……!」

 マケンカニが両のハサミに力を溜め――

マケンカニ「カァニ! カニカニカニカニカニカニッ!!」


              ズ ダ ダ ダ ダ ダ ッ !!!!


 ――まるでハサミが無数にあるかのように見えるほどの、凄まじい速度の連打を繰り出す。そのハサミが一振りされる毎に、ハサミに込められたエネルギーが衝撃波として撃ち出され……バトルフィールドを覆い尽くすほどの衝撃波が、大波の如くうねり、モクローへと襲いかかる。


ハウ「……ッ!」

ハウ「("グロウパンチ"でパワーアップした状態でのZ技……いくら効果は今一つでも、あれをまともに受けたらモクローはやられちゃうよねー……。どうすれば――)」

ハウ「……………………!」ウーン、ウーン


              「   クロォッ!!!   」


ハウ「!」

ハウ「……モクロー?」

モクロー「クロ! クロクロクロクロクロォッ!!」バサバサバサ

ハウ「……!」


ミヅキ「モクロー、どうしちゃったの……?」

リーリエ「慌てているのでしょうか……?」

サトシ「いや――」

リーリエ「では、あれはいったい……?」

サトシ「モクローはこの土壇場で、特訓の成果を……新しい技を出してみせるつもりなんだ!」

「「!」」


ハウ「わかったー! ……行くよ、モクロー!」ニカッ

モクロー「もふぅ!」コクッ
 ▼ 529 dX3IS9Elqo 18/03/18 23:50:06 ID:ELVrWbos [2/2] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


             「   "妖しい風"だよーー!!   」


モクロー「クロクロクロクロクロォッ!!」


                                  ヒュン……


ハウ「頑張ってー、モクロー!」



モクロー「クロクロクロクロクロォッ!!」


 ヒュォォォ……


ミヅキ「なんだか……ちょっと肌寒くなってきたような……。」ブルッ……

リーリエ「……ホントですね。それにちょっと、不気味な雰囲気が……。」

「ぴゅい……。」ゴソゴソ

リーリエ「……大丈夫ですよ、ほしぐもちゃん。」ギュッ


ハウ「…………いっけーーッ!!!」



モクロー「クロクロクロクロクロォッ!!」


              ビ ュ ォ ォ ォ ォ ォ ォ ォ !!!!


「「「「「「!」」」」」」

ミヅキ「出た!?」

アシマリ「あおっ……!」

サトシ「……やったな! ハウ、モクロー!」ニカッ

ピカチュウ「ピカピーカ♪」
 ▼ 530 dX3IS9Elqo 18/03/19 16:35:21 ID:9RujN8hM [1/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

モクロー「クロクロクロクロクロォッ!!」


 モクローの高速で振るわれる羽根がおどろおどろしい風を生み出し、モクローの正面に幾重にも重ねられた風の層を作り出す。

 その風の層がモクローへと迫りくる無数の衝撃波、その行く手を阻み、後方へと次々往なしてゆく。


ハラ「なんと……!」

ハウ「スゴいよー、モクロー! その調子で――」

ハラ「……だが!」

ハウ「――――ッ!」

ハラ「その程度の逆風では、マケンカニの行く手を完全に遮ることは出来ぬぞ!」


マケンカニ「カニ――」

 再びマケンカニがハサミに力を溜め――

マケンカニ「――カァァァニィィィィッ!!!!」

 ――モクロー目掛け渾身の力を込めた突進を繰り出す。

 その突進がモクローの正面に生み出されたまるで壁の如く立ち塞がる風の層、そのエネルギーとぶつかり合い激しい火花を散らすが――

マケンカニ「カァニッ!!!」

 ――マケンカニが咆哮を上げると共にその壁を突き抜け、ついにはモクローの正面へと肉薄する。

 そして――


モクロー「クロ……ッ!?」


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


ハウ「…………モクロー!!」
 ▼ 531 dX3IS9Elqo 18/03/19 17:03:13 ID:9RujN8hM [2/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 2体の衝突。巻き起こる大爆発。その凄まじい衝撃に周囲の木々がざわめき、直後マケンカニがその反動で爆風から放り出され、モクローから離れた位置へと着地する。

 2体の間を噴煙が分かつ――。


ミヅキ「モクロー、やられちゃった……!?」

ククイ「技自体は"妖しい風"によってかなり防いではいたハズだが、それでもあの威力。果たして――」

サトシ「…………!」


ハウ「モクロ〜……。」

ハラ「……………………。」


                                  ……キィン


ハウ「…………?」
 ▼ 532 dX3IS9Elqo 18/03/19 19:00:36 ID:9RujN8hM [3/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告












              「   クロォッ!!!   」


「「「「「「!?」」」」」」


 爆煙を突き破りモクローが姿を現す。そのまま先ほどを上回る速度でマケンカニに向けて飛翔する。

 高速で飛翔するモクローの羽根が風を切り、周囲にキィィィンと高い音が鳴り響く。不意を突かれ動揺するマケンカニの眼前へと瞬く間に迫り、そして――


                  ド ス ッ !!!


マケンカニ「……………………ッ!」フワッ……

ハラ「……マケンカニ!」


 ドサッ


マケンカニ「……カニ〜〜……。」グルグル


「「「「「「……。」」」」」」ポカーン……


ククイ「……!」ハッ

ククイ「マ、マケンカニ、戦闘不能! この勝負、モクローの勝ち!」
 ▼ 533 dX3IS9Elqo 18/03/19 21:02:53 ID:9RujN8hM [4/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ミヅキ「いったい、なにがおこって――」


モクロー「……クロォーーッ!!」ズギューーン!


ミヅキ「――――ッ!?」

ククイ「…………"妖しい風"の追加効果か!」

ミヅキ「!」

ミヅキ「"妖しい風"の追加効果……技を決めた時、一定の確率でポケモンの全能力がアップする。けど――」

ククイ「――ああ。確率はそんなに高くはないハズだぜ……。」

ミヅキ「まさかこの土壇場で、新しい技を決めただけじゃなくて……追加効果まで決めちゃうなんて……!」

サトシ「……モクローだ。」

ミヅキ「え?」

サトシ「モクローのハウを勝たせたいって強い思いが、奇跡を起こしたんだ!」

ククイ「……なるほど。確かに、そうかもしれないね!」ニカッ

サトシ「うん!」ニカッ

サトシ「スゴいぜ! ハウ、モクロー……!」


ハウ「……スゴいよー、モクロー! Z技を耐えただけじゃなくて、じーちゃんのマケンカニをあっという間に倒しちゃうなんてー!」

モクロー「もふぅ♪」


ククイ「それでは……島キングは、次のポケモンを!」


ハラ「……頼みましたぞ、マクノシタ!」ポーン

 パカーン!

マクノシタ「……マクゥ!」ズシーン!
 ▼ 534 dX3IS9Elqo 18/03/19 21:35:59 ID:9RujN8hM [5/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「この調子で行こうねー、モクロー!」

モクロー「クロッ!」


ハラ「相手はかなりの強敵……気を引き締めるのですぞ、マクノシタ!」

マクノシタ「マク……!」


ハウ「モクロー、"木の葉"だよー!」

モクロー「クロ、クローーッ!!」

 モクローがその場で滞空し、忙しなく羽ばたく。すると、その羽ばたきから無数の葉っぱが生み出され、渦を巻きながら風に乗りマクノシタの元へと飛来する。


ハラ「("木の葉"……あの時の。で、あれば――)」

ハラ「――かわすのですぞ、マクノシタ! そしてすぐさま次の一撃に備えるのです!」

マクノシタ「……マクッ!」

 マクノシタが自身に迫る葉っぱの渦を横に動くことでかわす。そのまま周囲を見回し、次なる一撃に備えんとする――


                ド ゴ ォ ッ !!!

 ▼ 535 dX3IS9Elqo 18/03/19 22:12:42 ID:9RujN8hM [6/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

マクノシタ「ガ……ッ!?」

ハラ「むお……っ!?」


 ――が。直後、そのマクノシタの脇腹に衝撃が走る。"木の葉"を放ったのちその技に身を隠したモクローが、高速でマクノシタの進路へと回り込み脇腹を蹴り上げたのだ。

 強化されたその蹴りの威力にマクノシタの重い身体が宙を舞い、元いた方向へと押し戻され――


              ズ ガ ド ォ ォ ォ ォ ン !!!!


マクノシタ「……ッ!!」

ハラ「……マクノシタ!」


 ――先ほどかわしたハズの"木の葉"、その渦中へと押し込まれる。マクノシタの身体が力なく地上へと落下し、地に伏す――。


マクノシタ「……マクゥ〜〜……。」グルグル


ミヅキ「ま、まさかあのマクノシタを――」

リーリエ「――一瞬で倒してしまうなんて。」

サトシ「スッゲー……!」


ククイ「……マクノシタ、戦闘不能! この勝負、モクローの勝ち! よって――

    ――このバトル、挑戦者・ハウの勝利!!」
 ▼ 536 dX3IS9Elqo 18/03/19 22:52:22 ID:9RujN8hM [7/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハウ「……。」ポカーン


 バサッ、バサッ、バサッ……


 ポフッ


モクロー「もふぅ♪」ドヤッ

ハウ「ウ、ウソ……!」

モクロー「?」

ハウ「……ホ、ホントにスゴいよー、モクロー! じーちゃんのポケモンを、あっという間に倒しちゃうなんて……!」

モクロー「クロッ♪」


「「 やったな! ハウ、モクロー!
     スゴいよ、ハウくん!   」」


ハウ「……サトシー! ミヅキィ!」ニカッ


ミヅキ「やったね、ハウくん! これで三人一緒に、アーカラ島に行けるよ!」ニコッ

ハウ「うんー!」

サトシ「それにしても、驚いたぜ! まさか――


 ワイワイ、ガヤガヤ




ハラ「……お疲れさまでしたな、マクノシタ。」ポヒュン

 チラッ

ハラ「(まさか、ここまで成長しておるとはな……。)」

 ……ニヤリ
 ▼ 537 dX3IS9Elqo 18/03/19 23:16:53 ID:9RujN8hM [8/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ハラ「ハウ!」

ハウ「……じーちゃん。」

ハラ「約束通り、これを。」スッ

ハウ「!」

ハウ「これってー――」

ミヅキ「……やったね、ハウくん!」ニコッ

サトシ「ああ! ハウとポケモンたち……みんなの力でゲットした、ハウのZリングだ!!」ニカッ

ハウ「……!」パアァッ

ハウ「……うんー!」ニカッ


 パシッ


 キラーン!


ハウ「えへへー! これからこのZリングでー、一緒にいっぱいZ技を出そうね、モクロー!」

モクロー「もふぅ♪」


                「   ぶもぉ!!   」


「「「「!」」」」
 ▼ 538 dX3IS9Elqo 18/03/19 23:45:24 ID:9RujN8hM [9/9] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

「ぶるもぉ!!」

ハラ「おお! ケンタロス。」

サトシ「へへっ! また会ったな、ケンタロス!」ニカッ

ケンタロス「もぉ♪」

ハラ「!」

ハラ「そうだ! わしのケンタロスにいつでも乗れるようにしようぞ!」

サトシ「え……良いんですか!?」キラキラ

ハラ「なあに! コイツにも島巡りを楽しんでほしいですからな。」

ケンタロス「ぶるもぉ!!」

サトシ「やったぜ! ケンタロスに乗れるぞ♪ 楽しみだなー! だろ? ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカ♪」

ミヅキ「(ちょっと怖いかも……!)」ドキドキ

ハラ「三人にポケモンに乗るためのあれやこれを進呈しますかな。」

ハウ「ありがとー、じーちゃん。」
 ▼ 539 クフーン@ズアのみ 18/03/20 00:17:39 ID:aNYkZxeg NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 540 ボツボ@やけたきのみ 18/03/20 07:45:30 ID:KohIJHbY NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
支援
 ▼ 541 dX3IS9Elqo 18/03/20 21:24:55 ID:uzp.WaBM [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


________
____
__
_


サトシ「……これがライドウェアか〜。」

ハウ「普段こういう服着ないからー、ちょっと新鮮だねー。」

ミヅキ「(ぴっちりしてて、ちょっぴり恥ずかしい……///)」

ハラ「ライドウェア! ポケモンに乗るためのコスチュームですな!

   それでは、順番にケンタロスに乗ってくださるかな。」

サトシ「はい! はい! はーーい!!! 俺、いっちばーん!」

ミヅキ「……サトシくん、ホント一番好きだよね……。」

サトシ「だって一番ってなんでも良いじゃん!」ニカッ

ハラ「ほっほっほ! では、サトシからですな!」

サトシ「やったぜ! 行こうぜ、ピカチュウ♪」

ピカチュウ「ピカ!」
 ▼ 542 dX3IS9Elqo 18/03/20 22:06:04 ID:uzp.WaBM [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


ケンタロス「ぶるもぉ♪ ぶるもぉ♪」


 ブオンッ! ブオンッ!


サトシ「……おいおい!」ブオンッ!

ピカチュウ「ピカピカ!?」


サトシ「暴れすぎだって……!」ブオンッ!

ピカチュウ「ピ、ピカ〜〜!?」


サトシ「ケンタロスゥ!?」ブオンッ!

ピカチュウ「ピ、ピカ……!」


ケンタロス「ぶるもぉ♪」ブオンッ!


サトシ「は、ハハハ……そ、そっか――うわっと!?

    おま、お前も……うれ、嬉しいん……だな……!」ブオンッ!

ピカチュウ「ピ、ピカチュ……!」


ケンタロス「ぶるもぉ♪」

 ブオンッ! ブオンッ!




ハウ「スッゲー、サトシ! ケンタロス、あんなに暴れてるのにー……全然落ちないよー!?」

ハラ「ケンタロスめ、嬉しそうですな!」ニッ

ミヅキ「(……い、いくらなんでも怖すぎじゃないの!?)」ガタガタガタ……
 ▼ 543 dX3IS9Elqo 18/03/20 22:21:03 ID:uzp.WaBM [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


ハウ「……わーー! スッゲーーッ! はえーー!!」ニカッ

ケンタロス「ぶもぉ!!」ダッカ!ダッカ!ダッカ!

モクロー「もふぅ♪」ヒュイーーン


ハウ「怖いと思ってたけどー……乗ってみると、たーのしぃーー!!」

モクロー「クロ、クロォ♪」ヒュイーーン

 ダッカ! ダッカ! ダッカ!




ミヅキ「……大丈夫? サトシくん、ピカチュウ……。」サスサス

アシマリ「あおっ……。」

サトシ「あ、ああ……。」オエッ……

ピカチュウ「……ピカチュー……。」グッタリ


ハウ「じーーちゃーーん!」ニコニコ


 ブンブン


ハラ「ほっほっほ! あまりはしゃぎすぎぬようにな!」ニッ
 ▼ 544 dX3IS9Elqo 18/03/20 22:41:54 ID:uzp.WaBM [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


ミヅキ「よ、よよよ、よし! の、乗れたよ、アシマリ!」ニコッ


 ガタガタガタ


アシマリ「あしゃま……。」


ケンタロス「ぶも――」

ミヅキ「……ヒッ!!?」ビクッ

ケンタロス「――――ッ!?」

ミヅキ「ケ、ケンタロス……い、いいコだから、おとなしくしててね!?」ガタガタガタ

ケンタロス「ぶもぉ……。」

ミヅキ「き、急に動かないで……大丈夫、大丈夫だから……!」

アシマリ「あお……。」




ハウ「ミヅキィ――」

ハラ「――動かなければ、乗ってる意味がありませんぞ。」

サトシ「……ははっ! 相変わらず、怖がりだなー、ミヅキは!」


ミヅキ「そ、そ、そう言われても――

    ――怖いものは、怖い!!」ドンッ!
 ▼ 545 dX3IS9Elqo 18/03/20 23:12:07 ID:uzp.WaBM [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


ハラ「ケンタロスにまたがれば、周りの景色も違うでしょうな。」

サトシ「はい! いつもよりも高く、遠くが見えて……スッゲー楽しかったです!」ニカッ

ハウ「俺もー! また乗りたいなー!」ニカッ

ミヅキ「……私はスッゴく怖かった!」ニコッ

「「…………。」」ジトー

ミヅキ「な、な、な、なに? 二人とも……///」


ハラ「ほっほっほ! ……心配しなくても、直に慣れますぞ!」

ミヅキ「は、はい……。」


ハラ「アローラ地方ではな、ポケモンに乗せてもらい、力を貸してもらうのですな!」

サトシ「『ポケモンに乗せてもらい、力を貸してもらう』――か。……へへっ!」

ハウ「?」

ハウ「……どうしたのー?」

サトシ「いや……やっぱり、アローラはスッゲー良いところだなって、そう……思っただけさ!」ニカッ

ハウ「? ? ?」

ハラ「……………………。」ニッ


ハラ「アローラのあちこちを走りまわり、ケンタロスに惚れてくだされ。ライドギア使えば、ライドポケモンはどこでも駆けつけ、助けてくれますからな!」

「「「はい!」」」

サトシ「……これからよろしくな! ケンタロス!」ニカッ

ケンタロス「ぶもぉ♪」




「……皆さん!」

「「「!」」」
 ▼ 546 dX3IS9Elqo 18/03/20 23:42:54 ID:uzp.WaBM [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


「「「キャプテンイリマ!」」」


イリマ「はい! キャプテンのイリマです。

    ……おめでとうですよ、皆さん。ポケモンスクールから見ていたキミたちの活躍、喜ばしいです!」

「「「   はい! ありがとうございます!
    えへへー! ありがとー、キャプテンイリマ!
      あ、ありがとう、ございます……///    」」」

イリマ「皆さんのバトル、チェックさせていただきました――」


サトシ「俺たちのバトル、見てくれてたのかー!」ニカッ

ミヅキ「……ちょっぴり、恥ずかしいね///」


イリマ「――サトシさん、ミヅキさん。

    ……Zパワー、ご機嫌じゃないですか。」

「「     へへっ! やったぜ!
   ちゃ、ちゃんと上手く出来てたかな……? 」」


ハウ「ねーねー。俺はー?」

イリマ「ハウさんはZ技を使っていませんでしたね。それで勝つなんて、スゴいですよ。」

ハウ「……やったー!」ピョン!ピョン!


サトシ「……………………。」


イリマ「では、キミたちの島巡りに! 未来に! ……幸ありますように!」
 ▼ 547 dX3IS9Elqo 18/03/21 00:21:48 ID:rTVtrvzY [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


________
____
__
_


『ハウさんはZ技を使っていませんでしたね。それで勝つなんて、スゴいですよ。』


サトシ「(ミヅキも、俺たちの知らない変化技のZ技なんてのを決めちまうし……。)」


ピカチュウ「……ピカピ?」


サトシ「俺たちも負けてらんない――

    ――だろ? ピカチュウ!」


ピカチュウ「…………………………………………。」キョトーン


ピカチュウ「…………ピカ!」コクッ



 ……ニカッ

サトシ「一緒にもっともっと強くなろうぜ!」

ピカチュウ「チャア〜♪」
 ▼ 548 dX3IS9Elqo 18/03/21 00:57:44 ID:rTVtrvzY [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


ハウ「……じゃあ、アーカラ島への出発はー、メレメレ島での準備を、一通り終えてからだねー!」

サトシ「ああ! ……楽しみだなー、アーカラ島! アーカラ島には、どんな見たことないポケモンがいるんだろうな?」

ミヅキ「……二人の足手まといにならないよう、しっかり準備しとかなくちゃ!」

サトシ「そういえば、もう大試練も達成したんだし……メレメレ島の中でならどこでも行けるんだよな!

    よっしゃ! アーカラ島に出発する前に、メレメレ島を探検しようぜ、ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカ♪」


ミヅキ「……ってことで、出発のための準備に向けて――」

ハウ「――一旦、解散だねー。……で、また後日、ハウオリシティに集まろーよー。」

サトシ「おう!」ニカッ


サトシ「……けど、探検に行く時は声掛けるから、二人も付き合ってくれよ?」

「「 うんー! もちろんだよー!   ニカッ
     ……はいはい。     」」クスクス


「「「 んじゃ、また今度なー!    ブンブン
      またねーー!       ブンブン
     ……また今度、ね!  」」」フリフリ




ククイ「みんなたくましくなっていく……どれだけ強くなるか、楽しみだぜ!

    さーて! ……ヨットの整備をしておくか!」


________
____
__
_

 ▼ 549 dX3IS9Elqo 18/03/21 19:57:04 ID:rTVtrvzY [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ――そして、数日後。


〜ハウオリシティ〜


サトシ「なあ、ハウ。この店ってなんの店だ?」

ハウ「ここはねー、アローラフォトクラブだよー!」

サトシ「アローラ、ふぉと……なんだって?」

ハウ「アローラフォトクラブー! ……ここはねー、ポケモンと一緒に、記念撮影が出来るお店なんだー!」

サトシ「……へぇ! 待ってる間に撮ってみるか? ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカ?」

サトシ「よかったらハウも――」

ハウ「俺はパスー。」

サトシ「――っと。……なんで?」

ハウ「俺ー、撮影とかスタンプってー、モクローの良いところ引き出すまでいつまでもやるから、みんな退屈するもんねー。」

モクロー「もふぅ!」

サトシ「ま、そういやそうか……写真はまた今度だな!」ニカッ

ピカチュウ「ピカ!」

ハウ「さー、どんな試練が俺たちを待っているのかなー!」


「「「       二人とも、お待たせ!
     お待たせしました、サトシさん、ハウさん……!
    よう! サトシにハウ。ヨットの用意は出来てるぜ! 」」」


「「!」」
 ▼ 550 dX3IS9Elqo 18/03/21 22:55:48 ID:rTVtrvzY [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……ミヅキ、遅いぞ。俺、待ちくたびれちゃったよ。」フアァッ……

ミヅキ「む……!」プクーーッ

ミヅキ「大雑把なサトシくんと違って、女の子は色々と、準備に時間がかかるんですよーだ!」イーーッ!

ミヅキ「……ね? リーリエちゃん!」

リーリエ「え? は、はい……。」

リーリエ「(私は、博士に頼まれて、ヨットの準備をお手伝いしていただけなのですが……。)」

サトシ「なんだよ、それ……。」ハァ


サトシ「……ま、いいや! みんな揃ったんだし、早速、アーカラ島に行こうぜ!」

ククイ「そうだね! じゃあ、僕のヨットに――」

ハウ「あー、博士ー、それなんだけどー! 俺ー、マンタインと一緒にアーカラ島に行きたいんだー!」

サトシ「……え? マンタイン?」

ハウ「そうだよー! 2番道路から行けるビッグウェーブビーチのー!」

ミヅキ「それって、もしかして――」

サトシ「――マンタインサーフ!?」キラキラ

ハウ「そう、マンタインサーフ!」ニカッ

サトシ「……やったぜ! マンタインサーフだ、マンタインサーフ!」ピョン!ピョン!

ピカチュウ「ピカピカァ♪」

ミヅキ「……けど、急にどうして? 博士のヨットは――」

ハウ「だってー、マンタインに乗りたいよねー! 博士のヨットがー、ボロいからとかじゃないからねー!」

ミヅキ「(ボロいんだね、博士のヨット……。)」
 ▼ 551 dX3IS9Elqo 18/03/21 23:21:33 ID:rTVtrvzY [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

ククイ「なるほど! ハウ、いいんじゃないか! ポケモンと共に進む……それも島巡りだからね!」

ハウ「うん! じゃあ、アーカラ島でー!

   サトシ! ……2番道路のビッグウェーブビーチ、先に行って待ってるねー!」

サトシ「え? 先にって――」

ハウ「行くよー! モクロー!」ニカッ

モクロー「もふぅ!」


    タッタッタッ……


                                バサバサ……


サトシ「……行っちまった。ミヅキはどうする?」

ミヅキ「うーん、私は――」

ミヅキ「(いくらボロいっていっても、まさか沈んだりしないだろうし……ヨットの方が安全だよね。マンタインサーフ、この前行った時にやってるところを見たけど、結構怖そうだったし。)」

ミヅキ「……博士のヨットに乗せてもらうよ。」

サトシ「そっか。なら、また後でアーカラ島で……だな!」ニカッ

ミヅキ「うん。」ニコッ


ククイ「……なら、僕たちも行こうぜ!」

ミヅキ「はい!」
 ▼ 552 dX3IS9Elqo 18/03/21 23:45:35 ID:rTVtrvzY [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


****


サトシ「よーし、ピカチュウ! 俺たちも――」

「あの……。」

サトシ「ん?」

リーリエ「サトシさんに、お願いしてもいいでしょうか?」

サトシ「……お願い? なんだ?」

リーリエ「このコ……ほしぐもちゃんを……元の住み処に戻してあげたいのです。」

サトシ「……ほしぐもを?」

ピカチュウ「ピカ?」

 コクッ

リーリエ「……以前お話したように、このコのおかげで私は、危ないところを助けられました。ですから、お礼をしたいのです!」

サトシ「ああ、そういえば……ほしぐもの不思議な力に助けてもらったって言ってたな。」

リーリエ「ええ……。」


リーリエ「でも、ポケモントレーナーではない私には、出来ないことばかり……だからサトシさんに助けてもらえたら……!

     ワガママだというのはよくわかっているのですが……。」


サトシ「……………………。」

ピカチュウ「……ピカピ?」
 ▼ 553 dX3IS9Elqo 18/03/22 00:27:07 ID:sIdwG5jQ [1/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

サトシ「……リーリエ、言ってたよな。カプ・コケコにも、ほしぐものこと『ありがとう』――そう、お礼を言いたいってさ。」

リーリエ「は、はい。」

サトシ「……優しいんだな、リーリエ!」

リーリエ「え? べ、別に、そんなことは――」

サトシ「それにさ、俺……『ワガママ』だなんて、ちっとも思ってないよ。だって、リーリエがほしぐものこと大切に思ってるの、スッゲーよく伝わってくるからさ。だから――

    ――どーーんと、大船に乗ったつもりで任せとけ!」ニカッ

ピカチュウ「ピカピーカ♪」

リーリエ「!」

リーリエ「……ありがとうございます、嬉しいです。とても困っていましたから……。」

サトシ「おう! どういたしまして! それに――」

リーリエ「?」

サトシ「――この間も言ったろ? 俺たちだけじゃない……みんながついてるってさ!」

リーリエ「……そう、でしたね!」ニコッ

サトシ「うん!」ニカッ

リーリエ「では、私たち……次のアーカラ島でも、皆さんにご一緒させていただきますね!」

サトシ「ああ! アーカラ島でもよろしくな!」

「「 ピカッ♪
   ピュイ! 」」
 ▼ 554 dX3IS9Elqo 18/03/22 00:44:42 ID:sIdwG5jQ [2/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告


 ガサガサッ!


ムサシ「(……ちょっと、あんたたち! 今の話、聞いてた!?)」ヒソヒソ

コジロウ「(ああ。……共に旅する者同士、美しき友情! えー話やなぁ……。)」ヒソヒソ

 ジーーン……

ニャース「(青春なのニャー……!)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーナンス……!)」ヒソヒソ

 シミジミ……




ムサシ「(…………ちっがーーう! そーじゃないでしょーが!!?)」ヒソヒソ

「「「!?」」」

ニャース「(な、なんニャ!? あれはまごうことなき、青春物語なのニャ!)」ヒソヒソ

コジロウ「(そうだぞ! アイツらの友情が、嘘っぱちだっていうのか!?)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーナンス!?)」ヒソヒソ


             「(   だ か ら !   )」

 ▼ 555 dX3IS9Elqo 18/03/22 10:29:20 ID:sIdwG5jQ [3/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告




ムサシ「(……重要なのはそこじゃなくて、ジャリボーイたちがアーカラ島に行くってところでしょーが!!)」ヒソヒソ

「「(あ……。)」」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーナンス……。)」ヒソヒソ


ムサシ「(私たちの獲物は――?)」ヒソヒソ

コジロウ「(――ジャリボーイのピカチュウ!)」ヒソヒソ

ニャース「(――さらに、白ジャリガールの持ってる、あのほしぐもって名前の見たこともないポケモン……アイツなのニャ!)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーーナンスッ!!)」ヒソヒソ


ムサシ「(そしてそして――?)」ヒソヒソ

コジロウ「(――アローラに生息する、まだ見ぬ珍しいポケモンの数々!)」ヒソヒソ

ニャース「(――一際強そうな、あの主ポケモンってゴッツいヤツら……あれもいいかんじーなのニャ!)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーーナンスッ!!)」ヒソヒソ


ムサシ「(そのジャリボーイたちは、アーカラ島へ! さらに――?)」ヒソヒソ

コジロウ「(――アーカラ島には、まだ見ぬ試練もたくさん!)」ヒソヒソ

ニャース「(――メレメレ島にはいないアローラのポケモンもたくさんなのニャ!)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーーナンスッ!!)」ヒソヒソ


ムサシ「(……と、いうことは〜〜?)」ヒソヒソ


 ニヤリ……

 ▼ 556 dX3IS9Elqo 18/03/22 11:01:29 ID:sIdwG5jQ [4/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

コジロウ「(……早速、潜水艦の準備だ!)」ヒソヒソ

ニャース「(現地の地図を確認して、拠点になりそうな場所に目星を付けておくニャ!)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーーナンスッ!!)」ヒソヒソ


ムサシ「(目指すは新天地、アーカラ島! そこで――)」ヒソヒソ

コジロウ「(――ジャリボーイたちのポケモンゲット!)」ヒソヒソ

ニャース「(――さらに、アローラのレアポケモンも根こそぎゲットニャ!)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーーナンスッ!!)」ヒソヒソ


ムサシ「(そして、我ら――)」ヒソヒソ

コジロウ「(――天下無敵の、ロケット団!!)」ヒソヒソ


ニャース「(……全ては我らがロケット団のボス、サカキ様のためなのニャ。)」ヒソヒソ

ソーナンス「(ソーーナンスッ!!)」ヒソヒソ


 エイ、エイ、オーーッ!

 ナーーッ、ハッハッハーーッ!!








「ママー! あそこの草むら、変な人たちがいるよー?」

「……しっ! 見ちゃいけません!!」


________
____
__
_

 ▼ 557 dX3IS9Elqo 18/03/22 11:15:35 ID:sIdwG5jQ [5/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

 ……ついにメレメレ島での全ての試練を終え、アーカラ島へと出発するサトシたち。

 そして、その背後へと迫る、ロケット団の不穏な影――。

 次のアーカラ島ではいったい、どのような試練がサトシたちを待ち受けているのだろう?

 さらにほしぐもの持つ、不思議な力の秘密とは?

 ……続く。

                    ――to be continued.
 ▼ 558 ノマダム@ヤドランナイト 18/03/22 11:24:54 ID:JJ3xZeGQ NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 559 ローン@ありふれたいし 18/03/22 11:25:13 ID:sIdwG5jQ [6/6] NGネーム登録 NGID登録 wf 報告

これでメレメレ島でのお話は終了です。次回からはアーカラ島での冒険がスタートします。

アーカラ島編からは心機一転、スレッドを新しい物へと改めて、引き続き更新をしていきたいと思います。

これからもお付き合いくださるという方々、何卒、新しいスレッドでもよろしくお願い致します。

……新規スレッドを建て次第、ここと番外編にURLを張りに来ます。
 ▼ 560 ニガメ@ふたのカセキ 18/03/26 02:25:10 ID:QnU2amsM NGネーム登録 NGID登録 報告
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 ▼ 561 dX3IS9Elqo 18/03/26 11:32:11 ID:CsFY6IkE NGネーム登録 NGID登録 wf 報告
次スレ→【SS】サトシ「アローラの冒険!」 ハウ「アー」 ミヅキ「カラ島!」
    http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=797430
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