【SS】 トウコとトウヤのカロス旅

ドスン！


……と体に大きな衝撃が走り、私は目を覚ました。


　トウヤ　「おはようございますトウコさん。着きましたよ」

　トウコ　「んっ……うぅぅぅん……！」


　『只今、カロス地方、ミアレ国際空港に着陸いたしました。安全のため、飛行機が停車して、乗務員の指示があるまで、ご着席のままお待ちください。本日は、ベータ航空400便をご利用頂きまして、ありがとうございました』


イッシュ国際空港を出発して7時間半。現地時間午前9時20分。

私たちは、旅の目的地、カロス地方に到着した。


これから、私たちの旅が始まる。

思い切ってトウヤについてきちゃったけど、この先、いったいどんな旅になるんだろう。

支援

支援！

支援

支援

支援

私怨

　『第2フィールド、バトル終了。トモヤ選手とシズク選手が2回戦へと駒を進めました！』


トモヤとシズクのバトルは、あっという間に終わった。

トモヤのハッサムと、シズクのミミロップ。種族は違えど、コンビネーションは抜群で、お互いを助け合って、けどそれぞれ独立して相手を攻め続けて、勝利を勝ち取った。


　トウコ　「あの2人、やっぱり強いわね」

　トウヤ　「はい。ワザのキレが違いました。他のフィールドはまだバトル終わってませんしね」


流石トモヤとシズク。ポケモンリーグ出場経験者なだけあるわね。どういう風に攻めれば効率が良いかって、ちゃんと分かってるようなバトルだった。

ポケモンたちのコンビネーションは、そのままトレーナー同士のコンビネーションにも繋がってくる。やっぱりお付き合いしているだけあって、その辺も完璧ね。


　トウヤ　「あの2人と当たるのは準決勝です。試合はあと2回ありますし、残りのポケモンの特徴やワザ構成、きちんと調べておきたいところですね」

　トウコ　「そうね。」

　『只今より、第2巡目の4試合を開始いたします。第1フィールドは、〜〜〜〜〜』


1巡目のバトルが全て終わって、次はセレナとサトシがバトルする、第2巡目。

4つ並ぶフィールドには、もうトレーナーたちがスタンバイしていて、司会が彼ら彼女らの名前を告げていく。


　『第2フィールドは、サトシ君とセレナちゃんのカップル、VS、モブオ君とモブコちゃんのカップルです！』


サトシは元気よく手を振っているけど、セレナは恥ずかしそうに、小さく手を振っていた。

この2人の実力も気になることろだけど、セレナ、そんな恥ずかしがってると全力出せないわよ。


　『それでは初めに、互いのカップルの手持ちポケモンを見せ合います。カップルの皆様は、相手のパーティを確認したうえで、使用ポケモンを決定して下さい』


　トウヤ　「サトシ君とセレナさん、どんなポケモンを出すんでしょうかね。なんとなくピカチュウから出しそうですけど」

　トウコ　「ボールから出してるくらいだしね。でもこういう時って、相手のポケモンを見てから判断するべきよ。見せ合いって、かなり重要なんだから」

　トウヤ　「勿論。けど、事前登録の3体しか使えないとなると、その選択も駆け引きがありそうですよね。バトルサブウェイに挑戦しているトウコさんなら、その辺の読み合いは心強いですけど」

　トウコ　「いいえ、この大会は途中交換ダメだから、バトルサブウェイよりハードルは高いわよ。読み合いって言うより、運要素も大きいかもしれないわね」

　トウヤ　「なるほど……」

こればっかりは本当に、簡単には行かせてくれないと思う。

私もトウヤも手持ちは3体ずつだから、苦手な相手を補い合えるような選出〜とかは無理。もし相性の悪いポケモンを出されたら、狙い撃ちで先に倒しとかないと、長引くと不利になる。


　『それではカップルの皆様、登録ポケモンを一旦全てお出しください。なお、モニタにもポケモン情報を映します。見せ合い、そして選考時間は3分間。それでは……シンキングタイム、スタートです！』


司会の合図とともに、トレーナーたちは、一斉にポケモンを繰り出した。

サトシはピカチュウ、ゲコガシラ、ルチャブル。

セレナはテールナー、ヤンチャム、イーブイ。

対戦相手のモブオはサンドパン、カポエラー、テッカニン。

その相方のモブコはノクタス、ピジョン、マリルリ。


　トウコ　「とりあえず、選出だけ見ると、みんなそれほど強いとは思えないわね」

　トウヤ　「いや、ポケモンで実力を判断するのは違うと思いますけど……」

　トウコ　「だって……、なんでか最終進化系まで進んでないし、弱点偏ってるようにも見えるし、セレナのイーブイはオドオドしてるし、サトシのルチャブルは変なポーズ決めてるし！」

　トウヤ　「あぁ、やっぱり可愛いなぁイーブイ」


サトシとセレナには悪いけど、あの2人なら、特段“壁”には成り得ないかな。

対戦相手もパッとしないし、ここはやっぱり、トモヤとシズクのタッグの対策を練っておくべきね。

支援

支援

支援

エロかったよ支援

支援

支援age

支援

はよ続きみたいぜ！

支援

しえええええええええええん

あげ

支援

　　司会　『……そこまで！　それでは、第1試合第2巡目の試合を開始いたします。ポケモンをお出しください！』


見せ合いタイムが終了し、トレーナーたちは、一斉にポケモンを繰り出した。


　　　サトシ　「よぉし！　行けルチャブル！」
　
　　　セレナ　「行くわよヤンチャム！」

　　　ﾙﾁｬﾌﾞﾙ　「ちゃぶぅぅぅ！」

　　　ﾔﾝﾁｬﾑ　「やっちゃぁ！」


サトシはルチャブル、セレナはヤンチャムを選択。対して敵は、ノクタスとカポエラーを繰り出した。


　トウコ　「なんて言うか……」

　トウヤ　「2人で格闘タイプ出しちゃいましたね」

　トウコ　「ある程度は読み合いしたとは思うけど、でも2人して同じタイプってどうなの！？　タッグバトルの意味わかってんの！？」

　トウヤ　「まぁまぁ。ほら、もしかしたらワザ構成に捻りがあるかもしれないじゃないですか」

　トウコ　「だと良いけど……、少なくともセレナは初心者って言ったわよね。本当に大丈夫なのかしら」

　トウヤ　「サトシ君の方がサポートするんじゃないですか。楽しみですね、どれほどの実力を持っているのか」

トウヤは楽観的に見てるけど、サトシとセレナの選出は、タッグバトルでは有り得ないものだ。

ルチャブルは飛行が入っているとはいえ、2匹とも共通の弱点を持っている。今回は相手がノクタスとカポエラーだからまだマシだけど、もし飛行とかエスパーを出されたら、どうするつもりだったのかしら。

　
　　　審判　『それでは、第1試合第2巡目、試合開始！』


　　　モブコ　「先手必勝よ！　“タネマシンガン”！」

　　　サトシ　「ジャンプしてかわせ！」

　　　セレナ　「避けてヤンチャム！」


試合開始の合図とともに、まずはノクタスが動いた。

すぐさま回避指示を出すサトシとセレナだけど、相方のカポエラーは、既に動いている。


　　　モブオ　「今だカポエラー！　ヤンチャムに“つばめがえし”！」

　　　セレナ　「あっ……もう1回よけてヤンチャム！」


あのモブオって男、セレナが初心者だって見抜いてるわね。ノクタスの攻撃に避けるのが精一杯で、そこを狙おうって魂胆かしら。

それと、カポエラーが“つばめがえし”持ちとなると、サトシとセレナ、結局 弱点を突かれちゃったわね。

　トウヤ　「“つばめがえし”持ち、ですか……」

　トウコ　「まぁ順当よね。これ多分、カポエラーは“テクニシャン”よ」

　トウヤ　「確か、弱いワザの威力が1.5倍になる特性でしたね」

　トウコ　「えぇ。サトシとセレナ、これマズいんじゃないの〜？」


“テクニシャン”の“つばめがえし”の威力は、計算上で90。中々の痛手になると思う。


　　　サトシ　「させるか！　カポエラーに“フライングプレス”！　ヤンチャムを守るぞ！」

　　　セレナ　「サトシっ……！」


するとサトシが動く。

ルチャブルにカポエラーへの攻撃を指示し、ヤンチャムを守ろうと言うのだ。


　　　セレナ　「ヤンチャム！　ノクタスに“つっぱり”よ！」

　　　モブコ　「なら“きあいパンチ”で向かい打って！」

セレナの方も、ヤンチャムにノクタスへの攻撃を指示。男女同士でバトルが分割した形となる。


　トウヤ　「サトシ君、うまくカポエラーを引き離せそ……」

　トウコ　「ダメみたいよ」



　　　モブオ　「避けろカポエラー！」 ﾆﾔｯ

　　　サトシ　「なにっ……！？」


迫りくる“フライングプレス”を、カポエラーは上手い具合に回避。

地面に衝突するルチャブルを尻目に、カポエラーは当初の予定通り、ヤンチャムに“つばめがえし”をヒットさせた。


　トウヤ　「今の……よく避けれましたね」

　トウコ　「えぇ。なかなか良い動きね、あのカポエラー」


それに続き、ノクタスの“きあいパンチ”もヤンチャムに直撃した。

“つっぱり”での相殺に失敗したことから、2つの攻撃を連続で浴びることになってしまった。

　　　セレナ　「ヤンチャム……大丈夫！？」

　　　ﾔﾝﾁｬﾑ　「ちゃんむ……っ！」

　　　サトシ　「“つばめがえし”はヤンチャムに効果抜群……セレナ、ヤンチャムの態勢を立て直せ！　オレが繋ぐ！」

　　　セレナ　「ぁっ……うん！」


流れは完全に向こうにある。

ここでサトシが上手い具合にフォローできるかがカギになりそうね。


　　　サトシ　「ルチャブル、まずはカポエラーを止めるぞ！　“からてチョップ”だ！」

　　　モブオ　「“マッハパンチ”で先手を打て！」

　　　モブコ　「ヤンチャムに“あくのはどう”！」

　　　セレナ　「ぁっ……こっちも“あくのはどう”よ！」


ルチャブルとカポエラーが突撃し合うなか、ノクタスとヤンチャムは共に“あくのはどう”を繰り出して、相殺。

威力的には2匹とも同じくらいか。

　　　モブコ　「“タネマシンガン”よ！」


相手の女は、すぐさまノクタスに“タネマシンガン”を指示。

間髪入れない攻撃の組み合わせは、バトル慣れしていると見て取れる。


　　　セレナ　「ジャンプで かわして！」


そんな攻撃を、ヤンチャムは大きくジャンプして回避した。


　　　セレナ　「そのまま“ストーンエッジ”！」


そして地面に下り立つや否や、“ストーンエッジ”を繰り出した。

押されてる状況でも、セレナはなんとか突破口を作ろうとしているのね。


　　　モブコ　「避けるわよノクタス！」 ﾆﾔｯ


けど、そんな“ストーンエッジ”を、ノクタスは簡単に回避した。


　　　セレナ　「今よヤンチャム！　“あくのはどう”！」

　　　ﾔﾝﾁｬﾑ　「ちゃむっ……！」

　トウヤ　「連続ワザ……。セレナさん、なかなか考えてますね」

　トウコ　「えぇ。最初の“ストーンエッジ”は、あえて避けさせたみたいね。次の“あくのはどう”を当てに行くために」

　トウヤ　「フェイントワザはタイミングが難しいですが、決まれば流れを変えられますからね」


しかし……。


　　　モブコ　「これも避けてノクタス！」


女の声を合図に、ノクタスは“あくのはどう”を回避してしまった。


　トウヤ　「うわぁ……、アレを避けるとは……」

　トウコ　「なかなか動きにキレがあるわね」

　トウヤ　「こうも連続で回避させるって、けっこう特訓を重ねてるんじゃないでしょうか」

　トウコ　「それもあると思うけど……、見てると、な〜んかヤンチャムの攻撃の軌道もおかしいのよね」

　トウヤ　「軌道ですか？」

　トウコ　「えぇ。気持ちずれてるって言うか……、本気で当てに行ってる気がしないって言うか……」

私はルチャブルとカポエラーのバトルにも目をやった。


　　　サトシ　「クッ！　ジャンプでかわせ！　そのまま“フライングプレス”！」

　　　モブオ　「同じことだ！　避けるぞカポエラー！」

　　　サトシ　「また避けられたっ……！」


カポエラーが、ルチャブルの攻撃をテンポよく回避している光景。ヤンチャムと同じだ。


　トウコ　「……攻撃が全然当たってない」

　トウヤ　「対戦相手の2人が回避に力を入れているのか……、それとも、ルチャブルとヤンチャムの攻撃レベルが低いのか……」

　トウコ　「後者じゃない？　だってルチャブルも そう。なんとなくだけど、攻撃の軌道がズレてる気がするのよね」

　トウヤ　「確かに、狙いが定まらないと言うのは、バトルの経験が浅い証拠ですからね」

　トウコ　「セレナならそれで理解できるのよ。でも、サトシはバッジ7つって言ったでしょ？　それであんな攻撃が当たらないって、どういうことかしら？」

　トウヤ　「やっぱり対戦相手の回避が凄いんでしょうね」

　トウコ　「う〜ん……、これサトシとセレナ、対戦相手に恵まれなかったわね」

　　　セレナ　「まだよヤンチャム！　もう1回……」

　　　モブコ　「接近よ！」


一方セレナは、焦っているように見えた。

ヤンチャムに急接近するノクタス。この瞬間に指示を出せなかったのは痛い。


　　　セレナ　「っ……頑張ってヤンチャム！　“つっぱり”で向かい打つわよ！」


明らかに遅いタイミングで、セレナはヤンチャムに指示を出した。


　　　モブコ　「ならノクタス、“きあいパンチ”！」


でもその指示じゃぁ、“きあいパンチ”に対抗は出来ないと思う。

もともとの体格差と、ワザの威力の差、それに、経験の差だって大きい。この差を埋めるのは、そう簡単には行かないわよ。


　　　セレナ　「頑張ってヤンチャム！　あなたは こんなところで負けない！　絶対に！」

　　　ﾔﾝﾁｬﾑ　「ちゃむ！　やぁぁぁぁちゃああぁぁぁぁぁ！！！」

確かに、頑張りも重要だ。気合いも重要だ。私たちトレーナーの熱い想いをぶつければ、ポケモンたちだって、それに応えてくれる。

……でも、限度はある。


　　　ﾔﾝﾁｬﾑ　「ちゃんむぅっ……」 ｶﾞｸｯ


　　　審判　『ヤンチャム、戦闘不能です！』


“きあいパンチ”を受けたヤンチャムは、これまでのダメージの蓄積もあって、これでダウンしてしまった。


　トウヤ　「ここまででしたね」

　トウコ　「えぇ。力量差は歴然だったわね。もう少し攻撃が当たってれば、また結果は違ったかもしれなかったわね」


もう少しセレナがバトルの経験を積んでいれば、結果は違ったかもしれない。

今さらそれを言っても仕方ないけど、これがポケモンバトル。力と経験が物を言う、ポケモンバトルの世界なんだ。


　　　セレナ　「サトシ……、ごめんなさ……」

　　　サトシ　「今だルチャブル！　“シザークロス”！」

　　　セレナ　「ぁっ！」

　トウコ　「ふ〜ん。サトシ、まだ諦めてないわね」

　トウヤ　「えぇ。ああいう頑張り、僕 好きですね」


ヤンチャムを倒したことで、ノクタスに隙が生まれていたんだと思う。

その一瞬を、サトシは逃さなかったようだ。


　　　モブコ　「やばっ……避けてノク……」

　　　サトシ　「遅いぜ！」


ルチャブルの“シザークロス”は、今度は確実にノクタスに直撃した。軌道の乱れは無い。

草・悪タイプのノクタスに、“シザークロス”は4倍弱店。しかも背後からの攻撃となれば……。


　　　ﾙﾁｬﾌﾞﾙ　「ちゃぶぅぅぁぁぁぁ！」


　　　審判　『ノクタス、戦闘不能です！』


　　　ﾙﾁｬﾌﾞﾙ　「ちゃぶっ！　ちゃぶぅぅぅ！」 ﾋﾞｼｯ

　　　サトシ　「良いぞルチャブル！　このままカポエラーも倒すぞ！」

この一撃で、ノクタスを仕留めることが出来たようだ。

当のルチャブルは変なポーズを取ってるけど、4倍弱点とは言え、ほぼ一撃で倒したあたり、ルチャブルの力量は ある程度の水準に達していると言うことだ。


　トウヤ　「決めましたねサトシ君！」

　トウコ　「えぇ。そうじゃないと面白くないわ！」


　　トモヤ　「これで1対1か。面白くなってきたな」

　　シズク　「うん」


と、第1巡目でのバトルを終えたトモヤとシズクが戻って来た。


　トウコ　「お帰り」

　トウヤ　「2回戦進出おめでとうございます。良いバトルでしたね」

　トモヤ　「サンキュー。でもほら、相手が良かったってのもあるし、本番はこれからだな」

　トウコ　「トモヤとシズクの対戦相手、見るからに初心者だったわよね。カップルで思い出作り〜ってとこかしら？」

　トモヤ　「まぁ思い出作りは否定しないけど、本格的にバトルしてるって感じじゃなかったな」

　シズク　「その点、サトシ君とセレナちゃんの相手は……」

　トウコ　「えぇ。ある程度はバトルのスキルがあるっぽいわね」

　　　モブオ　「カポエラー！　体力的には断然有利だ！　“つばめがえし”！」

　　　サトシ　「引きつけろ！」

　　　ﾙﾁｬﾌﾞﾙ　「ちゃぶ！」


私たちは、サトシのバトルに目を戻す。

カポエラーは、これまでほぼ無傷。対してルチャブルは、ある程度のダメージを受けている。どっちが有利かは歴然だ。


　トモヤ　「あいつのカポエラー、ルチャブルの攻撃ほとんど避けてたよな」

　トウコ　「ノクタスもよ。あの2人、回避に力を入れてるんでしょうね」

　シズク　「回避に力を……」

　トモヤ　「………」


　　　サトシ　「……今だルチャブル！　“からてチョップ”で受け流せ！」

　　　モブオ　「なにっ！？」

今夜はこの辺で終了します。
これまでのご支援、ご感想、ありがとうございました。

並行作と併せ、この先は もう少し更新ペースを上げて進めていきたいと思います。

支援

“つばめがえし”で迫りくるカポエラーに対し、ルチャブルはギリギリのところで体を捻り、受け流すように“からてチョップ”を繰り出した。

それによってカポエラーは後方へと弾かれる。相手のスピードを利用した、良い判断だ。


　トウヤ　「良い受け流しですね」

　トウコ　「そうね。ここで1発、背中に撃ち込めば……」


　　　サトシ　「今だルチャブル！　“とびひざげり”！」

　　　ﾙﾁｬﾌﾞﾙ　「ちゃぶぅぅぅぅ！」


ここで“とびひざげり”を出したってことは、サトシ、一気に勝負を付けに行くつもりね。


　トモヤ　「このタイミングで“とびひざげり”か！」

　トウヤ　「“とびひざげり”って失敗反動のあるワザですよね。ちょっとリスキーにも見えますが……」

　シズク　「ううん。ポケモンバトルは、ある程度のリスクも必要よ。勝てると踏んだら、一気に突っ込むくらいじゃないとね」

　トウコ　「そうよトウヤ。……今がその時なのよ」

　シズク　「カポエラーを上手く受け流して、背中を取る――。これ以上のチャンスは無いもん」

　トウヤ　「なるほど」

　トウコ　「そんなんでバトル大丈夫トウヤ？」

　トウヤ　「ははっ……どうしても慎重になってしまうんですよね。悪いクセです」

　トモヤ　「まぁでも、これで流れはサトシに……」


流れはサトシに来る。そう、私たち4人は確信していた。



　　　モブオ　「させるかぁ！　回転して立て直せ！」



　トウヤ　「えっ！？」

　シズク　「うそっ……」


男の声を聞き、カポエラーは頭の突起を軸にして回転。ルチャブルに対面するよう、瞬時に態勢を立て直したのだ。


　トモヤ　「やるなぁ あいつ！」

　トウコ　「えぇ。カポエラーの体を活かした方法ね」

ポケモンバトルは、ワザが全てじゃない。

ポケモンの特徴や習性を活かせば、バトルが有利になることもある。全ては、トレーナーの知識、力量次第。


　　　モブオ　「向き合えば こっちのもんだ！　避けろカポエラー！」 ﾆﾔｯ


迫りくるルチャブルと向かい合ったカポエラーは、ギリギリのタイミングで、“とびひざげり”を回避した。


　　　サトシ　「ルチャブルっ！？」


それが意味することは、サトシが絶対的に不利になってしまったと言うこと。“とびひざげり”で地面に激突したルチャブルは、大ダメージを負ってしまったのだから。


　トウヤ　「まさか、アレを回避するなんて……」

　シズク　「うん。ちょっとビックリ……」

　トウコ　「相当な経験を積んでるのね。立て直してから避けるまで、ほとんど無駄が無かったし」

　トウヤ　「それに、トレーナーの指示は“避けろ”だけですよ。ポケモンとトレーナーの信頼関係が無ければ成せない業ですね」

　トモヤ　「……そこが気になるんだよなぁ」

　トウヤ　「どうかしましたか？」

　トモヤ　「いや、普通あんなギリギリのタイミングでさ、“避けろ”だけで、ポケモンが付いていけるのかな〜って思って」

　　　モブオ　「こっちも受け流してやったぜ！　今だカポエラー！　“つばめがえし”！」


逆に相手の男の方も、この隙を逃す訳が無い。

地面への激突でダメージを受けたルチャブルは、当然、すぐには立ち上がれない。無防備なルチャブルに、カポエラーが襲い掛かった。


　　　サトシ　「後ろだルチャブル！　“からてチョップ”で……」

　　　モブオ　「遅いな！」


それでも十分に迅速なスピードで立ち上がったルチャブル。

“からてチョップ”の構えを作って、振り向いたけど、もう遅かった。


　　　サトシ　「ルチャブルぅぅぅ！」

　　　セレナ　「あぁっ……！」


カポエラーの“つばめがえし”は、ルチャブルに直撃。効果抜群のワザを受け、ルチャブルはフィールドに倒れた。


　トウヤ　「ここまで、ですか……」

　シズク　「そんなっ……。サトシ君 頑張ったのに……」

　トウコ　「頑張るだけじゃ、バトルは務まらないわよ。いかに相手の手を読んで……」

　　　サトシ　「まだ行けるかルチャブル！？」

　　　ﾙﾁｬﾌﾞﾙ　「ちゃぶっ……ちゃっ……ちゃぶぅぅぅぅぅっ！！！」

　　　モブオ　「なっ……まだやるのかよ！？」


けど、サトシもルチャブルも、まだ諦めていなかった。

サトシの声を聞き、雄叫びを上げて立ち上がるルチャブル。もう体力は限界に近いはずなのに、ビシッとファイティングポーズを見せた。


　トモヤ　「……そうこなくっちゃな！」

　トウヤ　「凄いですね。これこそトレーナーとポケモンの信頼関係ですよ」


ここでルチャブルが立ち上がったのは、正直、予想外だった。

サトシ、あなた結構やるじゃない。やっぱりジムバッジ7個は伊達じゃないわね。


　　　サトシ　「よし……お前の熱い思いを見せてやれ！　“フライングプレス”！」


相手のタッグとカポエラーが驚きの表情を見せるなか、傷だらけのルチャブルは、大きくジャンプした。

“フライングプレス”と言えば、ルチャブルの専用ワザであり、飛行タイプの側面も持っている。カポエラーに対しては、効果覿面だ。

　　　モブオ　「同じことだ！　避けろカポエラー！」


　　　セレナ　「えっ……！？」

　　　サトシ　「また避けられた……！？」


でも、そんなルチャブルの気合いや熱い想いは、いとも簡単に崩されてしまった。

男の掛け声一つで、カポエラーはルチャブルの攻撃を回避。ルチャブルは、虚しく地面に激突した。


　トウヤ　「……相手の方が、一枚上手だったみたいですね」

　トウコ　「そうね。よく頑張った方だと思うけど」

　トモヤ　「……まただ」

　シズク　「トモヤ君？」

　トモヤ　「またあいつ、“避けろ”しか言ってない」

　トウコ　「それがどうしたって言うのよ？」

　トモヤ　「いや、深い意味は無いけど、どうしても気になっちまってさ」

　　　モブオ　「いい加減これでトドメだ！　“つばめがえし”！」

　　　サトシ　「危ないルチャブル！　避けろ！」


サトシは咄嗟に叫んだけど、この状況、ルチャブルが“つばめがえし”を回避するのは不可能だった。

“フライングプレス”で地面に激突したルチャブルは、元からの体力の消耗も加えて、相当な負担がかかっているはず。そんな状態で避けろだなんて……。


　　　ﾙﾁｬﾌﾞﾙ　「ちゃっ……ぶぐっ……」


ルチャブルは避ける暇もなく、カポエラーの“つばめがえし”を喰らってしまった。

地面に激突した状態だったから、攻撃は背中に直撃。“テクニシャン”の補正を得た叩きつけられるような攻撃は、ひとたまりもないだろう。


　　　サトシ　「ルチャブルっ……！」

　　　審判　『ルチャブル、戦闘不能です。よってこの試合、モブオ選手とモブコ選手の勝利となります！』

　　　サトシ　「クッ……！　よくやったなルチャブル。ゆっくり休んでくれ」


審判の指示を聞いたサトシは、ゆっくりと、ルチャブルをボールに戻した。

妙に落ち着いたサトシの行動が、逆に、彼の悔しさを表しているようだった。


　　　司会　『間もなく第2巡目の全てのバトルが終了します。見事勝利されたタッグは待機ブースへ、惜しくも敗れてしまったタッグは、日時計杯総合受付へお越しください』

　トウコ　「負けちゃったわね。サトシとセレナ」

　シズク　「うん……」

　トウヤ　「最後まで粘りましたが、あと一歩及ばず、ってところでしたね」

　トウコ　「やっぱり攻撃が当たらなかったのが敗因よね。それに、相手の回避も相当だったし」

　トモヤ　「回避ねぇ……」

　トウコ　「さっきから何なのよトウヤ」


どうもトモヤが気になる。相手の回避に、何か引っかかるものがあるのかしら。


　トウヤ　「そう言えばトウヤさん、さっき言ってましたよね。回避に力を入れている友達が居るって」

　トウコ　「あぁ〜。それと比較してるの？」

　トモヤ　「そうなんだ。あいつ、自分がバトル弱いからって、それを補うように、ポケモンたちに回避術を極めさせてたんだ」

　トウヤ　「それは良い心がけですよね」

　トウコ　「私からすればウザったいけど」

　シズク　「トウコちゃん……」

支援

　トモヤ　「でもそれは、あいつ本人も鍛えてたんだよ」

　トウコ　「本人も？」
　
　トウヤ　「どういうことですか？」

　トモヤ　「あいつ、敵のポケモンがワザを出す瞬間……、ポケモンの ほんの僅かな動きを見て、攻撃が来る方向を読んでたんだ。それで、自分のポケモンに、細かい回避方向を指示してたんだよ」

　シズク　「凄かったよね、ダイキ君のバトルスタイル」

　トウコ　「それって……、そのトレーナーが、ポケモンの一瞬の動きに反応出来てるってこと？　そんなの無理よ」

　トモヤ　「それが無理じゃないんだよ。動きを読むために、動体視力を鍛えたーって言ってたぜ。ホントに凄いよ、あいつは」

　トウヤ　「……なるほど。今回の相手――モブオさんとモブコさんは、“避けろ”とは言っても、“避ける方向”までは指示していない。トモヤさんは、それが引っ掛かるんですね？」

　トモヤ　「ビンゴ。オレたち あいつの回避術を知ってるからさ、今回のモブカップルの回避が、どうも納得できないんだ」

　トウコ　「ふ〜ん。私は単純に凄いと思ったけど……、そういう友達が居ると、やっぱりおかしいって思うのね」

　トモヤ　「勿論、あのカップルが相当鍛えてた可能性もあるぞ。だからおかしいって決めつけるのは良くないんだろうけど……」

　シズク　「気になっちゃうよね、やっぱり」

　トウヤ　「なんだか……、ますます会ってみたくなりましたよ、その友達に。彼は今なにを？」

　トモヤ　「ポケモンレンジャーだよ」

　トウヤ　「ポケモンレンジャー！　それはまた良い職に就いたんですね」

　トウコ　「公務員だしね」

　司会　『間もなく、第1試合第3巡目を開始いたします。第3巡目の皆様、指定フィールドへお進みください。続いて第4巡目のカップルの方は、指定された待機ブースにお越しください』


　トウコ　「あ、私たちね」

　トウヤ　「はい。……じゃあ僕たちは、待機ブースに移動します」

　トモヤ　「おう！　2人とも頑張れよ！」

　シズク　「決勝で会おうねっ！」

　トウヤ　「あっと……、サトシ君とセレナさん、上手い具合に元気づけてあげて下さいね」

　トモヤ　「分かってる。そこは年上のオレたちの役目だよな」

　シズク　「そうだよね。……セレナちゃん、落ち込んでないと良いけどなぁ」

　トウコ　「まぁ、回避云々は分からないけど、実力が全てよ。これをバネに、もっと強くなって欲しいものね」

　トモヤ　「……オレ、その辺ちょっと確認してみるよ」

　トウコ　「確認？」

　トモヤ　「別に変なことはしないからな。……それじゃあ、勝って来いよ！」

　シズク　「頑張ってね！」


トモヤとシズクの応援を受けて、私とトウヤは、第4巡目の参加者の待機ブースへと向かった。

トモヤが意味深な発言をしてたけど、まぁ私たちが気にすることじゃないわよね。ようやく私たちの初戦、気合い入れて行かないとねっ！

今夜はこの辺で終了します。
これまでのご支援、ご感想、ありがとうございました。

>>369の、
トウヤ「そう言えばトウヤさん、さっき言ってましたよね。回避に力を入れている友達が居るって」

トウヤじゃなくてトモヤでは？指摘してスマソ

支援

>>374
……マジや。


>>369の2行空け直後当該箇所は、

　トウヤ　「そう言えば【 トモヤ 】さん、さっき言ってましたよね。回避に力を入れている友達が居るって」

でした。

失礼致しました。

支援

支援

　司会　『只今より、第1試合第4巡目のバトルを開始致します。参加タッグ数の関係上、第4巡目は3組でのバトルとなります』


長かった……。

この第4巡目が始まるまで、本当に長かった。ようやく私たちがバトルする順番が回って来た。


　トウコ　「トウヤ。これは私たちがカロスに来た証明にもなるのよ。大切な初戦、絶対に勝つわよ」

　トウヤ　「勿論です。……と言っても、さっきまでの3巡を見た感じ、記念参加なカップルも多かったですけどね」


記念参加とは、本当に優勝を目指す人じゃなくて、記念に参加する程度の考えの人を指す。

私からすればナメてるとしか言いようがないけど、カップル向けのイベントである以上、仕方ないのかな。


　司会　『第1フィールドは、モブアキ君とモブランちゃんのカップル、VS、トウヤ君とトウコちゃんのカップルです！』


歓声のなか、私たちはフィールドに向かって進む。

“ちゃん”付けとか馴れ馴れしいけど、まわりからは、私とトウヤがカップルだって思われてるのよね……。

　トウヤ　「うわぁ……やっぱり緊張しますね……」

　トウコ　「そうね。でも緊張のせいで負けたとか許さないわよ」

　トウヤ　「ははは……」


事実、トウヤは頼りなかった。

さっきから見てると、他のカップルは堂々と行進してたのに、トウヤはどことなくオドオドしてる。

まぁ、トウヤの過去を考えれば仕方ないのかもしれないけど、あの……、シリンダーブリッジでのトウヤを見ている私にとって、今のトウヤの姿は情けなかった。


　トウコ　「（あの時は格好良かったんだけどなぁ……）」


　司会　『〜〜〜第3フィールドは、モブゴロウ君とモブリーヌちゃんのカップル、VS、タカオ君とテリカちゃんのカップルです！　タカオ君とテリカちゃんは、去年の日時計杯の優勝タッグ、今大会注目のカップルです！』


その昨年優勝者の名前が上がると、会場からの歓声は、さらに大きくなった。

横目でチラリと見てみると、年齢は私たちより下、サトシと同い年くらい。その割に、妙に大人を気取ってるって言うか、男は黒縁眼鏡にネックレス、女はピアスにネイルアートと、別に悪いとは言わないけど、年齢相応の格好では無かった。

　トウコ　「昨年優勝者……、随分と気取った格好ね〜」

　トウヤ　「まぁ今風の格好ですよね。それと、サトシ君とセレナさんに絡んだと言うのは、あの2人ですよね」

　トウコ　「あぁ、そう言えばそんな名前だったわね。見るからに、絡んできそうな奴等じゃない」

　トウヤ　「格好で人を判断する気はありませんが……、順当と言えますね」


確かサトシから聞いた話によると、そんなような名前だった。

タカオとテリカ――、昨年優勝で今年も出場ってことは、1年以上の付き合いで、お互いを知り尽くしていることになる。

このトーナメントにおいては、要注意人物に違いない。


　トウコ　「何にせよ、あの2人はマークしとくわよ。順調に行けば、決勝で当たることになるんだから」

　トウヤ　「はい。……個人的には、あの2人にだけは負けたくないですね」

　トウコ　「言うじゃないトウヤ。ってことは優勝あるのみだからね！」

　トウヤ　「えぇ。僕なりに全力を出しますよ」


予想外にトウヤの決意を聞けたところで、私たちは、指定のフィールドに着いた。

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あけおめ支援

支援age

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なっつ

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遅いね…
大丈夫かな？










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間違って名前IDＸにしちゃった
これってなおるの？

>>396
ごめん直った

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ブログも更新とまってるから忙しいんじゃないかな

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>>399
またアニポケと時系列合わせてる可能性もあると思う

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ｼｴｰん

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死守

( ￣ー￣)ﾉ上げるＺ

キングシールド

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???「まってる」

あ

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紫煙あげ

あげ

揚げ

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しえーん

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　司会　『まず初めに、互いのカップルの手持ちポケモンを見せ合います。カップルの皆様は、相手のパーティを確認したうえで、使用ポケモンを決定して下さい』


大切な第1戦、だけど自信はある。

バトルサブウェイで鍛えてきた私たち。ノボリさんに認めて貰えた実力。慢心はダメだけど、不安は もっとダメ。

隣にトウヤが居るだけで、普段通り、変わらない。堂々と、いつものようにバトルする――、ただ、それだけ。


　司会　『それではカップルの皆様、登録ポケモンを一旦全てお出しください。なお、モニタにもポケモン情報を映します。見せ合い、そして選考時間は3分間。それでは……シンキングタイム、スタートです！』


司会の言葉と同時に、私たち挑戦者は、一斉にフィールドにポケモンを繰り出した。それと同時に、フィールド中央のモニタにも、手持ちポケモンが映し出される。

対戦相手――、モブアキとモブランのポケモンは……。



――――――――――――――――――――――――――――――

■ 第１試合・４巡目 ◆ 第1フィールド ■

　トウコ ： コジョンド、ドレディア、ランクルス
　トウヤ ： エレキッド、リーフィア、エネコロロ

　モブアキ ： アブソル、ニョロボン、ライボルト
　モブラン ： ヘルガー、アゲハント、ゴーゴート

――――――――――――――――――――――――――――――

　トウコ　「……ふーん。案外バランス良いじゃない、相手のタッグ」

　トウヤ　「ですね。相性的に、満遍なく対応させようと言うのでしょうか……、トウコさんから見てどうですか？」

　トウコ　「わたし的には、何が来ても押し通すつもりよ。相手が選びそうなのは……、普通に考えれば、ヘルガーは来るでしょうね」

　トウヤ　「えぇ。リーフィア、ドレディアは言わずもがな、ランクルスにも有効ですからね」

　トウコ　「ってことは、私はコジョンドで決まりね」

　トウヤ　「いや……、相手が裏を読んでくる可能性もありますよ」

　トウコ　「なら私は、その裏を読んでコジョンドで行ってやるわ」

　トウヤ　「はははっ。じゃあ僕は、エネコロロを出してみても良いですか？　公式戦は初ですが、後半より今のうちに出した方が良いと思うんですけど……」

　トウコ　「オッケー。大丈夫よエネコロロ。なんだかんだで、けっこう特訓したしね！」

　ｴﾈｺﾛﾛ　「……みゃん♪」

　トウヤ　「ありがとうございます。じゃあ、頼んだよエネコロロ」


　司会　『間もなくシンキングタイム終了となります。皆様、ポケモンの選出は終えましたでしょうか。間もなく試合開始となります』


エネコロロは、生粋のノーマルタイプ。公式大会で使う人って、そう多くないんじゃないかしら。

果たして相手のタッグが、私たちの手持ちを見て、何を思って、何を出してくるか――。事前見せ合いアリのバトルは、すっごいワクワクする。