【ポケダン超SS】クリスマスイブに

ピカチュウ「ねえナエトル」

ナエトル「何？」

ピカチュウ「サンタさんの正体、暴いてみない？」


デンリュウ「そういや、うちの調査団には子どもが2人入って来たんですよね」

デンリュウ「そこで、相談なんですが……やっぱりクリスマスプレゼント、するべきなんでしょうか？」

ジラーチ「うーん、普通はやるべきなんだろうけど、ピカチュウはミュウだし、ナエトルも記憶は取り戻してないまでも、さすがにそのぐらい気付いてそうなんだよなあ」


ナエトル（ま、まさかピカチュウ……）

ピカチュウ「だって今日クリスマスだよ？　サンタさん来るじゃん？　私ね、今日はサンタさんについて調査したい！」

ナエトル（本気だ……本気で信じてる顔だこれは……）


ジラーチ「ってか僕にクリスマスの事聞かないでよ。いくら天才と言っても、ポケモン心理はあんまわかんないし、どちらかと言うと僕は七夕だからさ」

デンリュウ「おっと、そうでしたね。わかりました。取りあえず、デデンネに聞いてみる事にします」

ナエトル「ま、まあいいけどさ……」

ピカチュウ「ホント？！　ありがとう！」

ナエトル（まさかミュウだった時から信じてるの？）

ピカチュウ「いやさ、古代にはそんなポケモンいなかったからさ、こっちにはそんなすごいポケモンがいるのかってすんごいビックリしたもん！」

ナエトル（それ、どう考えてもアバゴーラが枕元にプレゼント置いてただけじゃ……）


デンリュウ「どうでしょう、デデンネ」

デデンネ「うーん、たぶんナエトルは気付いてると思います。でもピカチュウは……たぶん、まだ信じてます」

デンリュウ「ああ、やっぱりですか。なんとなくそんな気はしてました」

デデンネ「いくら元はミュウだって気付いたとは言え、そう簡単に自分のキャラを抜け出せる物じゃないですしね」

デンリュウ「それで、プレゼントなんですが……何がいいでしょうか？」


ナエトル（さあて、どうしよう。ダンチョーの事だから普通にプレゼントしてくれそうな気がする。だけど……）

ナエトル（もしそうなると完全に正体がバレる）

ナエトル「ごめん、ちょっとトイレ。時間かかる方」

ピカチュウ「あ、OK」

ナエトル（ダンチョーに相談しなきゃ）

デンリュウ「プレゼントですか……何がいいでしょう。今から出来る物……」

ナエトル「ダンチョー！」

2人「うわあっ！」

デンリュウ「ってナエトルですか、やれやれ、ビックリしましたよ」

デデンネ「って一番バレたらまずいじゃないですかナエトルって！」

ナエトル「プレゼントの相談してたんですか。その……僕たちの枕元に置こうって」

デンリュウ「やっぱり気付いてましたか」

ナエトル「その事なんですけど……ピカチュウ、まだ信じてるみたいなんです」

デンリュウ「それ以前に、ナエトルはどうやってサンタの存在を？」

ナエトル「人間だった頃に」

デンリュウ「なるほど……ではなぜピカチュウは？」

ナエトル「人間だった頃って言っても、古代に助けに呼ばれるまでの時です」

デンリュウ「つまり向こうの世界でもサンタはいると言う訳ですか……」

ナエトル「それはどうでもいいんです。問題は、どうやってピカチュウの夢を壊さないままプレゼントを置くか、なんですよ」

ナエトル「ピカチュウ、サンタの正体を調査するって張り切っちゃって」

デンリュウ「それ以前に、どんなプレゼントがいいでしょう？」

ナエトル「それは……楽しみにしてますよ」

デデンネ「うわ、厳しい奴だ……」

ナエトル「さすがにトイレを口実にしてここまで時間かかるってのも変なんで、戻りますね。僕たちが調査してる間に、何としても考えてください」

ナエトル「自分も自分で、なんとかピカチュウを早く寝させる口実を考えますから」

デンリュウ「わかりました」

デデンネ「じゃあ、調査の仕事頑張って！　何か思い付いたらナエトルにだけ連絡するから」

ナエトル「わかりました」

デンリュウ「そちらもよろしくお願いしますね」

ナエトル「はい！」

ナエトル「ただいま。じゃ、調査の仕事頑張ろ！」

ピカチュウ「うん！　頑張ろうね、ナエトル！」

ナエトル（疲れさせて、早く寝させる作戦。単純だけど、たぶん一番効果的）

ナエトル（でも、他の手段もしっかり考えとこう）


デンリュウ「まずはプレゼントですが……」

デデンネ「そうだ！　ダンチョー、新しいスカーフはどうでしょう？」

デデンネ「あの2人にあのスカーフはホントに似合ってました。しかも、古代からの思い出です」

デデンネ「それがなくなっちゃったのは、やっぱりつらいんじゃないでしょうか？」

デンリュウ「なるほど！　全く思い付きませんでした。では、それを採用にします。デデンネはスカーフを調達してきてください」

デンリュウ「私はピカチュウに隠し通す方法を考えます」

デデンネ「わかりました」

ナエトル（ダメだ……ドーピングし過ぎた）

ナエトル（この依頼、簡単過ぎる）

ピカチュウ「放電！　ふうっ、軽い軽い！」

ナエトル（自分の大地の力、ピカチュウの放電）

ナエトル（部屋中の敵を一撃で倒せるんだから、疲れもしないよ……）


デンリュウ「あの2人は強くなりすぎて、単純な依頼で疲れて早く寝るとは思えません」

デンリュウ「そこで相談です。どうすればバレずにあの2人の枕元にプレゼントを置けるのでしょうか？」

クチート「もう少し待ってくれ。今ちょっと大詰めなんだ……」

デンリュウ「わかりました。では、終わり次第団長指令室へお願いしますね」

クチート「ああ」

ナエトル（サンタが来ないから早く寝ろ作戦）

ナエトル（子どもを早く寝かしつけるための方便）

ナエトル（でもなあ、ピカチュウの好奇心はそんな事ぐらいで納得はしないはず）

ナエトル「はあ……」

ピカチュウ「どうしたの？　ため息なんかついちゃって」

ナエトル「なんでもないよ」

ピカチュウ「あっ！　あっちにお腹すかしてるポケモンがいるよ！」

ピカチュウ「はい、リンゴどうぞ！」

???「助かった……ありがとう」

ピカチュウ「お名前は？」

オドシシ「オドシシだ、よろしく……いてて」

ピカチュウ「大丈夫？」

デンリュウ「ああ、終わったんですね」

クチート「いや、もう少しなんけど……やっぱりこっちが気になってね」

デンリュウ「そうですか！　それはありがたいです！」

クチート「それで、起きてるのにバレずにプレゼントを置く方法だけど……私が考え付く範囲だと、何かで気を引き付けて、その隙に置くぐらいしか思い付かない」

クチート「ナエトルは協力してくれるんだよね？」

デンリュウ「恐らくは」

クチート「なら、これなんかが一番確実なんじゃないかな？」

クチート「あらかじめナエトルの布団の下にプレゼントを隠しておく」

クチート「それで、適当に用事を付けてピカチュウの意識を逸らして、その隙を突いてナエトルにプレゼントを出してもらう、とか」

デンリュウ「用事を付けて外に出てもらう方が確実だと思うんですが」

クチート「たぶん、ピカチュウは部屋から出たくないって駄々をこねると思う。ピカチュウの好奇心はすごい物があるからね」

デンリュウ「どうしてもサンタを見たいから、後にして……ですか」

クチート「うん。まあ、私を信頼して。だって私、これでも『あざむきポケモン』なんだから」

デンリュウ「確かに、隠し通すのにはピッタリですね」

オドシシ「あの……」

ピカチュウ「あ、リンゴは1個までだからね！」

オドシシ「いや、違うんだ……一緒にデリバードを探してくれ！」

ナエトル「え？」

ナエトル（オドシシがデリバード……まさか、ね）

ピカチュウ「ああ、調査の依頼ね。そういう事ならお安い御用！　で、どこにいるの？」

オドシシ「このダンジョンのどこかにいると思うんだが……」

ピカチュウ「OK。なら、ついて来て！」

デデンネ「ダンチョー！」

デンリュウ「おや、デデンネ。どうでしたか？」

デデンネ「バッチリです！　ほら！」

デンリュウ「レントラーではないので、箱詰めされた物を透視なんて出来ないのですが……信じましょう！」

デンリュウ「それでは、それをナエトルの布団の下に隠してください」

デデンネ「思い付いたんですね？」

デンリュウ「ええ。まあ、私じゃなくてクチートですが」

デデンネ「どんな作戦ですか？」

デンリュウ「かくかくしかじかです」

デデンネ「なるほど……さすがクチート」

ピカチュウ「あっ！　あれじゃない？」

オドシシ「ああ！　そうだ！　デリバード！」

ナエトル（あれは……袋だよな？　まさか中には……まさか）

ピカチュウ「わっ、ひどいケガ……ナエトル、オレンの実あげるよ」

ナエトル「え、あ、うん」

ピカチュウ「はい。これ」つオレンの実

デリバード「あ、ありがとうございます……」

クチート「サンタに関する記述だったのか……これはおそらく古代の創作だな」

デンリュウ「どうしました？」

クチート「いや、どうにもスカを引いたらしくて。創作は、もう少し情報があったら手掛かりになり得るんだけど、今はまだそこまでの段階じゃないからね」

デンリュウ「どのような創作ですか？」

クチート「まあ偶然だろうが、今の時期にピッタリで、驚いたよ」

クチート「デリバードがオドシシと共にプレゼントを配りまくると言う、単純な話だ」

デンリュウ「そうですか……まあ、次がありますよ」

クチート「ああ、そうだな。そもそもこの仕事は何万のスカの中から正解を見付けださないといけない物だって事ぐらい、始めからわかってる」

デンリュウ「頑張ってください」

デリバード「ふう、おかげで生き返りました」

オドシシ「本当にありがとう」

ピカチュウ「いえいえ。仕事ですし」

オドシシ「まったく、そりの操縦ぐらいしっかりしてくれ」

デリバード「申し訳ない……」

ナエトル（そんなバカな……この2匹、サンタだって言うのか？！）

ピカチュウ「ところで、その袋は？」

デリバード「あなた方もトレジャーバッグを持っているでしょう？　それと同じですよ」

ピカチュウ「それと同じなら、なんで自分でオレンの実を食べなかったの？」

デリバード「いや、ちょうど尽きてまして」

ピカチュウ「そっかー。なら仕方ない。でも、今度から気を付けてね！」

デリバード「はい……」

ナエトル「と、取りあえず帰ろ。依頼は全部終わったし」

ピカチュウ「うん！」

ナエトル（まさか……ね）

デンリュウ「もうそろそろ帰って来る時間ですかね」

ナエトル「ダンチョー！　どうですか？」

デンリュウ「お帰りなさい。ピカチュウは……」

ナエトル「下です」

デンリュウ「では、作戦を説明しますね……」

ナエトル「わかりました。箱が僕の布団の下にある、ですね」

デンリュウ「はい。しっかり頼みますよ」

ナエトル（あの事は……言わなくていいや。さすがに本物なはずなんてないし）

ピカチュウ「やっぱりペロッパフの料理はおいしいね」

ナエトル（は、ね）

ピカチュウ「取りあえず、今日は徹夜だよ！　サンタさんの調査、頑張ろうね！」

ナエトル「うん」

ナエトル（ダンチョーまだかな……）

デンリュウ「ちょっと2人とも」

ピカチュウ「え？　なんですか？」

ナエトル（今だっ！）

デンリュウ（ナイスです！）

デンリュウ「少し話をさせてください」

ピカチュウ「いいですけど、手短かにお願いしますよ。サンタさんの調査中なんです」

デンリュウ「わかりました。今年ももうすぐ終わりですね」

ピカチュウ「はい。でもそれがどうかしたんですか？」

デンリュウ「もうあなた方が来てから半年近く経つのかと思うとなんとなく感慨深くて、つい声をかけてしまいました」

ピカチュウ「まだ半年も経ってない……」

デンリュウ「え、そうでしたっけ？　このアンポンタン、何て事を忘れてるんでしょう」

ナエトル（あらら……まあでも、作戦は成功かな）

デンリュウ「話はそれだけです。時間を取ってしまって申し訳ないです」

ピカチュウ「いいんですよ」

ピカチュウ「えっ？！　いつの間にっ？！」

ナエトル「ホントだ。もう置いてある」

ピカチュウ「クッソー！　また見られなかった……」

ナエトル「まあまあ、気にしないでよ。それよりプレゼントを確認してみよう」

ピカチュウ「まあ……それもそうだね」

ピカチュウ「じゃあ開けるよ」

ピカチュウ「わあっ！　絆のスカーフそっくり！　やっぱなくなって、寂しかったのよねえ」

ナエトル「よかったね。あ、僕のもだ」

ピカチュウ「これでまたお揃いだね！」

ナエトル「うん。あれ？　それだけじゃなくて、新鮮なリンゴもあるな」

ピカチュウ「へえ。私はオレンの実だな」

ナエトル「そっか。まあ取りあえず、メリークリスマス！」

ピカチュウ「メリークリスマス！」

当SSはこれにて完結です
お読みくださりありがとうございました

それではみなさん、メリークリスマス！

乙

乙

ほ

支援

ほ

あの、すいませんがいくらなんでも季節外れなのでこれ以上あげないでくれませんでしょうか

保守

ほ

ホントすいません
もうあげないでください

保守

>>30
古いスレを上げるのは規約違反
通報しました

乙