【ポケダン超SS】バレンタインに

ピカチュウ「バレンタイン？」

デデンネ「うん。♀ポケモンが、好きなポケモン、お世話になっているポケモンに、チョコを渡す日なの、明日は」

デデンネ「逆に、チョコを渡すって言うのはつまり、相手への好意を意味してもいるのよ」

ピカチュウ「へえ……」

ピカチュウ（じゃあ、チョコをナエトルにあげれば……！）

ピカチュウ「で、チョコって、どうやって作るの？」

デデンネ「そう言う話は、ペロッパフに聞くのが一番ね」

ピカチュウ「わかった。ありがとう！」

デデンネ「頑張ってね〜！」

ピカチュウ「ってな訳で、チョコの作り方、教えて！」

ペロッパフ「チョコ……ですか？！」

ペロッパフ（来た……この季節！　カクレオンのお店でチョコがたくさん売りに出される、おいしい季節！）

ペロッパフ「えっと……チョコの作り方、ですね」

ペロッパフ「まず、市販のチョコレートを、細かく刻んで、このボウルに入れます」

ペロッパフ「湯煎で溶かして、それを型に流し込みます」

ペロッパフ「冷やして固めれば、それで好きな形のチョコが出来ますよ！」

ピカチュウ「ゆせん？」

ペロッパフ「直火なんかで温めたら、風味が落ちちゃうんです。だから、ゆっくり、お湯であっためるんです」

ピカチュウ「へえ〜！　ペロッパフ、やっぱり食べ物の事となると物知りだね！」

ペロッパフ「では、もう2日後ですね。頑張ってください！　私も、作るの手伝いますよー」

ピカチュウ「ありがとう！」

ピカチュウ「クチートは、誰かにチョコあげるの？」

クチート「え、私か？」

ピカチュウ「うん！　バレンタインがもうすぐだから」

クチート「そうだな……調査団のみんなには渡すが……家族にも送ろうかな、久々に。さすがに市販のだが」

ピカチュウ「家族いるの？！」

クチート「ああ。もうだいぶ歳だがな」

ピカチュウ「ああ、そうか。私ぐらいの歳だと、大人に親がいるってのがわからない物なのよね……」

クチート「……ミュウだったんじゃないのか？」

ピカチュウ「どうなんだろうね？　たまに私にもわからなくなっちゃって」

クチート「……2つの意識が1つの体に入っている、だけど、二重人格ではない、だからな」

ピカチュウ「そうなの。よくわかんないよね」

クチート「まあ、それは、慣れるしかないだろう。あの事件から、もう半年近く経つ訳だしな」

ピカチュウ「うん」

クチート「で、ピカチュウは誰にチョコを渡すんだ？」

ピカチュウ「私？　私も調査団のみんなには渡して、後おじい！　それからヤンチャムと取り巻きとヌメラにも！」

クチート「ははは。だが、本命はすでに決まってる、って感じだな」

ピカチュウ「ほんめい？」

クチート「異性として好き、って気持ちを込めたチョコだ」

ピカチュウ「……それなら、確かに決まってるかも」

ピカチュウ「って訳で、チョコ置いてないかなって思って来てみたんですよ」

ガルーラ「なるほど。取りあえず、何か飲むかい？」

ピカチュウ「あ、じゃあ、ホットチョコレートお願いしまーす」

ガルーラ「はいよ」

ミルタンク「何してるの？」

ピカチュウ「あ、ガルーラおばちゃんにバレンタインについて相談してたんです」

ミルタンク「なるほどねえ、バレンタインチョコか……ありがとう！」

ピカチュウ「え、なんでお礼？」

ミルタンク「あ、いやこっちの話」

ワルビアル（姉さんやっぱかわいいな……）

ワルビル「兄貴？　おーい兄貴？」

ミルタンク「でも、せっかくだし、ミルクでも使ってみるよ」

ピカチュウ（ああ……なるほど、そう言う事か。うらやましいなぁ、両想いなんでしょ？）

ガルーラ「はい、ホットチョコレート。ミルタンク、あんたにはミルクたっぷりのミックスジュースだよ！」

ミルタンク「あ、ありがとうございます」

ピカチュウ「……ぷはぁ！　やっぱりおいしい！」

ガルーラ「そういや、ナエトルはどうしたんだい？」

ピカチュウ「今日は聖なる跡地……だっけ、1匹でしかいけないダンジョンを調査してるの。なんたってあんな鬼畜ダンジョンで救助依頼が出るのよ、全くもう」

ガルーラ「なるほど。それで、今は1人でゆっくりしてる、って訳かい」

ピカチュウ「うん」

ガルーラ「そうだねえ……チョコなら、デスカーンのとこに置いてるよ。味はおばちゃんが保証するわ」

ピカチュウ「ホントに？！　おばちゃんありがとう！」

ガルーラ「もう行っちまった……子どもの行動力、ホントにうらやましいわ」

ガルーラ「お前も、大きくなったらあんな風に元気な子になるんだよ！」

子ガル「わかった！」

ミルタンク「……にしても、ワルビアル、ここに来てるんですね」

ガルーラ「そうなの。あの事件以来……って言うか、あんたのとこで働くようになって以来、明らかに変わってるから、うちとしてもありがたいよ」

ミルタンク「えっ」

ガルーラ「……脈あり、だと思うよ」

ミルタンク「……は、はあ」

ガルーラ「さあ、じゃあ残りの牛乳配達も、頑張って！」

デスカーン「ヒェッヒェッヒェッ。いらっしゃい。ここは金塊交換所ゴールドゴージャス」

デスカーン「ピッカピカな奴交換しますぜ。おおう！　ピッカピカな奴！」

デスカーン「何と交換しますかい？」

ピカチュウ「チョコ……この、スイートチョコをお願いします」

デスカーン「スイートチョコですね？　金塊2個との交換になりますがよろしいかな？」

ピカチュウ「はい。あ、1個じゃ足り無さそうなんで、もう……4個！　5個お願いします。金塊は……あった。10個です！」

デスカーン「ゴージャス！　ありがとうございます！　ヒェッヒェッヒェッ！」

ピカチュウ「こちらこそ、ありがとうございます！」

デスカーン「バレンタイン用ですかな？」

ピカチュウ「はい。調査団のみんなにも、おだやか村にも届けたいなって！」

デスカーン「それなら、ペリッパー配達便を使ったらどうでしょう。ガルーラさんのとこから依頼出来ますよ」

ピカチュウ「そうなんですか？！　ありがとうございます！」

デスカーン「それじゃあ、またこれからもごひいきに。ヒェッヒェッヒェッ」

ピカチュウ「ただいま〜。ペロッパフ！　チョコゲット！」

ペロッパフ「それじゃあ、準備はしておきましたので、今から作って行きましょう！」

ペロッパフ（1つぐらいつまみ食いしても……）

ピカチュウ「ペロッパフ？　よだれ垂れてるよ」

ペロッパフ「え、あ、何にも考えてませんよ？」

ピカチュウ「そりゃそうよね。さすがにつまみ食いしたりなんてしないよね」

ペロッパフ（うう……。ドーピングの力でエレキボールの威力、すごい事になってるんですよね……）

ピカチュウ「どうしたの？　泣いてるの？」

ペロッパフ「な、なんでもないですよ〜！」

ピカチュウ「ならよかった！」

ペロッパフ（純粋さが……怖い！）

ピカチュウ「えっと、これでかき混ぜながら溶かすんだよね」

ペロッパフ「はい。型はこっちに用意してますから、あせらず、ゆっくりですよー」

ピカチュウ「よおし……」

――

ピカチュウ「これでいいかな」

ペロッパフ「大丈夫だと思いますよ。じゃあ、型に流して、冷やして行きましょう」

ピカチュウ「でもどうやって冷やすの？」

ペロッパフ「ここに冷蔵庫がありますから、それを使って」

ピカチュウ「冷蔵庫あったんだ……」

ペロッパフ「まあ、意識しないと気付きませんよね」

ナエトル「ただいまー。あー疲れた。レベル5ダンジョンほんっと嫌い」

ピカチュウ「あ、ナエトルお帰りー！」

ナエトル「ただいま。あれ？　なんかいい事でもあった？」

ピカチュウ「内緒」

ナエトル「ふうん」

ペロッパフ「お帰りなさーい」

ナエトル「ただいま。つまみ食いしてないよね？　めっちゃお腹空いてるから」

ペロッパフ「してないですよ今日は！」

ナエトル「……今日は」

ペロッパフ「あ、いや……」

デデンネ「お帰りなさい、ナエトル。今日はどうだった？」

ナエトル「大成功だよ。なんとかだけど」

ナエトルは♂？
ピカチュウは♀だな

ブイゼル「お、旨そうな匂い。今日の晩飯はマトマのスープか」

ホルビー「え、辛い奴じゃん……」

ペロッパフ「辛さ控えめになるよう調節したんで、大丈夫ですよー！」

クチート「後はアーケンか……」

アーケン「ただい……げ、マトマ！　俺トラウマなんだよなぁ……」

ペロッパフ「え、そうでしたっけ？」

アーケン「ああ。思い出しただけでぞっとするよ……」

ペロッパフ「でも、辛さは抑えてますから」

アーケン「……信じるぞ」

ペロッパフ「はい！」

デンリュウ「では、いただきます」

みんな「いただきまーす」


ぱくぱく　ぱくぱく
ぱくぱく　ぱくぱく


ピカチュウ「ふう、おいしかった」

デデンネ「それじゃ、勉強の時間ね」

ピカチュウ「げげげぇっ」

ナエトル「さあて、やりますか」

ピカチュウ「めんどくさいなあ」

ナエトル「おだやか村のみんなもやってるんだし、僕たちって夢を仕事に出来てるんだよ？　勉強ぐらいやらなくちゃ」

ピカチュウ「はあい」

ピカチュウ「ふう、終わったぁ」

デデンネ「お疲れ様。じゃあ、また明日ね」

ピカチュウ「はーい」

ナエトル「お疲れ様でした」

デデンネ「あ、そうだ。ピカチュウ、ファイト」

ピカチュウ「はい！」

ナエトル「え、何？」

ピカチュウ「ひ、み、つ！」

ナエトル「……気になる」

ピカチュウ「ほんっと、ナエトルって昔から知りたがりだよね。わからない事があるってのが納得いかないって感じ」

ナエトル「仕方ないでしょ。そう言う性格なんだから……古代にいた時からそうだったの？」

ピカチュウ「うん。最初状況を説明するのに苦労した事。必死に聞いて来るんだもん。説明が追い付かなかったよ」

ナエトル「……なんか、ごめん」

ピカチュウ「でも、私が復活するまでは、その性格も消えてたよね。って事は、ナエトルもちょっとずつ記憶を取り戻してるって事なのかなぁ」

ナエトル「さあ。……こればっかりは、自分でもどうしようもない」

ピカチュウ「まあいいや。お風呂入って、寝ちゃおう！」

ナエトル「そうだね」

ナエトル「今日はもう疲れたし、早く寝たいよ」

ピカチュウ「明日が楽しみだなぁ」

ナエトル「え、何が？　あ、さっきの秘密についてか」

ピカチュウ「あっ……いや、なんでもないよ。あはは」

ナエトル（気になるなぁ……）

ピカチュウ「ナエトル、じゃあ、お休み」

ナエトル「お休み、また明日ね」

続き期待!!

――

ペロッパフ「ありがとうございます！」

ミルタンク「これからもうちの牛乳をよろしくお願いしますね」

ペロッパフ「はあい」

ペロッパフ「さあて、冷蔵庫で冷やして、と……」

――

ナエトル「……ふああ、あ、もうこんな時間か。ほら、起きてピカチュウ」

ピカチュウ「ふああ……あ、おはよう」

ナエトル「ほら、そろそろ起きないと」

ピカチュウ「そうだね」

ピカチュウ（よし、朝礼が終わったら渡そう！　どんな反応してくれるかなあ、楽しみ！）

ナエトル「ほら、行こうよ」

ピカチュウ「あっ、待ってナエトル！」


デンリュウ「それではみなさん、今日も頑張って行きましょう！」

おー！！！

ナエトル「じゃ、オーブ確認しよ」

ピカチュウ「ちょっと待って。渡したい物があるの」

ナエトル「え？」

ピカチュウ「こっち来て！」

ナエトル「え、何？　昨日のあれと関係……よし、行こう」

ピカチュウ「みんなも来て！　渡したいのは、ナエトルだけじゃないの！」

ペロッパフ「あの……それは明日でも……」

ピカチュウ「何言ってるの。バレンタインは今日なんでしょ」

ブイゼル「渡したい物？」

ホルビー「なんだろ？」

アーケン「さあ……？」

ピカチュウ「ほら！　こっちこっち！」

ペロッパフ「あの……やっぱり、帰ってからにした方が……」

ピカチュウ「帰って来てからなら、ペロッパフのおいしい料理があるじゃん」

ペロッパフ（うう……喜ぶべきか悲しむべきか……）

ナエトル「冷蔵庫？」

ピカチュウ「うん！」

ペロッパフ（あーもう、どうにでもなれ！）

ピカチュウ「じゃじゃーん！」

ナエトル「え？　何かある？」







ピカチュウ「ほら、チョコが……チョコが……？　あれ？！　な、ない！」

!!!!?？？？？

ブイゼル「チョコか。バレンタインだもんな。で、まさか……」

ペロッパフ「ちっ、違いますよ！　今回ばかりは、誓って！」

ブイゼル「どーだか。いっつもつまみ食いばっかりしてるし」

ホルビー「つまり……ピカチュウがせっかく作ってくれたチョコを」

アーケン「ペロッパフが、食っちまった、ってか」

ペロッパフ「だから違います！　信じてください！」

クチート「なんだ、どうした？」

ピカチュウ「チョコが……せっかく作ったのに……」

ナエトル「うわっ。ちょっと、泣かないでよ」

デンリュウ「いや、私は大丈夫ですよ。今は、なぜかチョコの気分じゃないんですよね」

デデンネ「いや、そういう問題じゃないでしょダンチョー……」

ピカチュウ「……せっかく、せっかく作ったのに……う、うわわわあああん！」

ペロッパフ「……うう」

ブイゼル「まだ白を切るつもりかペロッパフ」

ペロッパフ「違います！」

クチート「はぁ……」

ナエトル（……早く泣き止ませてあげないと）

ナエトル（いや、でも……気になる。ペロッパフでも、あそこまでやられて否定するって事は、たぶん違うんだ）

ナエトル（じゃあ、一体誰が食べた……）

ナエトル（……あ、そうだ）

ナエトル（ダンチョーがチョコの気分じゃないって……。それにクチートのあのため息も）

ナエトル「わかったペロッパフ。信じるよ」

ペロッパフ「う……ナエトル……」

アーケン「え？　お前、本気で言ってんのか？」

ナエトル「はい。クチート、気付いてるなら言ってあげればいいのに」

クチート「なっ……」

ピカチュウ「……え？」


ナエトル「誰がチョコを食べたのか。たぶんだけど、わかった」

ナエトル「って、こんな風に探偵が推理するみたいだけど、そんな大したもんじゃないけどね」

クチート「前置きはいい。説明してくれ」

ナエトル「はい。普段、ペロッパフはつまみ食いばっかりする。それで思い込んでるだけで、今回もペロッパフだって保障はどこにもない」

ナエトル「それに、普段ここまでは否定しない。だから、今回ばっかりは、たぶん、本当に違うんだと思って」

ナエトル「じゃあ誰が犯人なのか。それは、冷蔵庫にチョコがある事を知っているポケモン、あるいはつまみ食いしようと冷蔵庫を開ける可能性があるポケモンに絞られる」

ナエトル「この時点で、深夜ここにいないデデンネ、一昨日辺りから今の今までずっと寝っぱなしのジラーチは除外して大丈夫になる」

ピカチュウ「……それなら、ナエトルも大丈夫だよね。どっか行こうとしてたら、私が気付くし、チョコの存在は知らなかった」

ナエトル「うん。まあ、アリバイとかじゃないし、そんな推理みたいな大層な物じゃないからね、だいぶ適当だけど」

ナエトル「で、違和感があるのが、ダンチョーのあのセリフ」


デンリュウ「いや、私は大丈夫ですよ。今は、なぜかチョコの気分じゃないんですよね」

ナエトル「おかしいでしょ？　ダンチョーがチョコを食べないなんて。ペロッパフの次に調査団で食い意地が張ってるポケモンですよ？」

クチート「ふふっ、ひどい言いようだな」

ナエトル「だから、思ったんです。ダンチョー、犯人、あなたじゃないんですか？」

デンリュウ「……かもしれませんね。昨日の夜中、あまりにもお腹が空いて、冷蔵庫を覗いたんです」

デンリュウ「そこにチョコがあったんですが、気付いたら消えちゃってました」

ブイゼル「……なあ、俺たち、こんな職場で働いてんだぜ？」

デデンネ「ホント。そろそろ次の就職先探さない？」

アーケン「だな」

ホルビー「行こう、みんな」

デンリュウ「ええっ？！」

ペロッパフ「……そんな、ダンチョー……私、疑われて、ちょっと怖くて……うわわわあああん！」

デンリュウ「わわわっ！　泣かないでください！」

クチート「さすがだねナエトル。よく気付いたね、あのセリフから」

ナエトル「わからないのはあなたですよ、クチート。なんでかばおうと？」

クチート「さあ。それは私にもよくわからないな。あっ、ピカチュウストップ！」

ピカチュウ「……許せない」

デンリュウ「あ」

ナエトル（ペロッパフの嘘泣きで特防2段階ダウン……えげつないなぁ）

ピカチュウ「エレキボぉぉぉおおおおル！」

デンリュウ「」

クチート「やれやれ」

ピカチュウ「……でも、どうしよ」

ピカチュウ（ナエトルにはいいとして、みんなに送ろうと思ってたのに……）

ナエトル「うーん、ピカチュウ、チョコなら、もう市販の奴でいいんじゃない？」

ナエトル「重要なのは気持ちだと思うし。あ、自分はいらないよ」

ピカチュウ「うん……」

ナエトル「ほら、チョコならデスカーンのとこにあるでしょ」

ピカチュウ「うん……」

ペロッパフ「……そうだ。短時間で出来るお菓子、あります」

ピカチュウ「え？」

ペロッパフ「ちょっと待ってください！　ミルククッキー作りますから！」

ナエトル「ミルククッキー……ああ、ミルタンクさんの牛乳使って？」

ペロッパフ「はい！　まずはバターを……」

ピカチュウ「ナエトル、今日も1人で仕事してくれない？」

ピカチュウ「私も、手伝いたい」

ナエトル「わかったよ。調査団の仕事が停滞して困るのはダンチョーだしね」

ピカチュウ「まあ、私も、地図はもっと作りたいんだけど、でもどっちみち今日は依頼だろうし」

ナエトル「わかった。行って来るよ」

ピカチュウ「頑張ってね！　で、ペロッパフ、何か手伝える事ない？」

ペロッパフ「一気に冷やせるように、誰か氷タイプの技覚えたポケモンを連れて来て下さい。コネクトはもう、全種類のポケモンと出来てるんですよね！」

ピカチュウ「わかった。って事は……ロトムかな」

ピカチュウ「つながりオーブは……ナエトルか。ダンチョー、勝手に借りるよ」

ピカチュウ「あ、もしもしフロストロトム？　今どこにいる？　え、ホント？！　なら、調査団に来てもらえる？　お礼はクッキーでどう？　ホント？！　ありがとう！」

ピカチュウ「よし。あ、オーブンは大丈夫？」

ペロッパフ「そっちはなんとかなります！」

ピカチュウ「OK。他には何かやる事ある？」

ペロッパフ「大丈夫です。これで、クッキーだけなら間に合う……ピカチュウ、もう大丈夫です。後は私1人で」

ピカチュウ「わかった。じゃあ、頑張って。後、疑っちゃってごめんなさい」

ペロッパフ「あ、それは大丈夫ですよ！」

ペロッパフ（よし。絶対今日に間に合わせてみせる！）

ペロッパフ「薄く伸ばしたら……そろそろ冷やさないと」

ピカチュウ「ペロッパフ！　ロトムが来たよ！」

ロトム「ドウモ！　オ腹デ何カ冷セソウナロトムデス！　クッキー食ベラレルノ？　ワーーーーーーイ！」

ペロッパフ「はい。だから、そのお腹で冷やさせてください」

ロトム「ウン、ワカッタ」

ペロッパフ「えっと……よし。どのぐらいで冷やし終わる？」

ロトム「今スグ！　フブキ！　ハイ、終了！」

ペロッパフ「えっと……。まあ、確かにこれで大丈夫っぽいか。ありがとうロトム！　ピカチュウ！　型抜き手伝ってください！」

ピカチュウ「りょーかい！」

ロトム「アレ？　クッキーハ？」

ペロッパフ「完成するまで待ってください！」

ロトム「ワカッタ！　楽シミ！」

ピカチュウ「星型、ハート型……」

ペロッパフ「ピカチュウ型もありますね。それとイーブイ」

ピカチュウ「なんか照れるな……」

ペロッパフ「出来るだけいろんな種類のを作りましょう！」

ピカチュウ「うん！」

――

ピカチュウ「で、出来たぁ……」

ペロッパフ「じゃあ後は、これを加熱して固めるだけです！」

ペロッパフ「よいしょっと」

チン！

ペロッパフ「完成です！」

ペロッパフ「ロトム、ありがとうございました。はいこれ、クッキーです」

ロトム「ワーーーーーーイ！」

ピカチュウ「デデンネとクチート呼んで来る！」

ペロッパフ「わかりました！」

ペロッパフ（……すごく、つまみ食いしたい。だけど……我慢しなきゃ！）

ペロッパフ「みんなが楽しみにしてるんだ……。食べちゃダメです、私！」

ピカチュウ「おーい！」

デデンネ「出来た？」

ペロッパフ「はい！」

クチート「料理の事となるとさすがだな」

クチート「さあ、後はこれを包装して、配送便のとこまで持って行くだけだ」

クチート「各自必要な量を取って、ラッピングして来よう。終わり次第入口前で集合」

みんな「うん！」

ピカチュウ「まずはヌメラ。それからヤンチャムに、とりまきの分もOK」

ピカチュウ「それと……シキジカとニャスパーには手紙！」

ピカチュウ「……ニャスパー、どんな反応するかな。まあ、でも、いいや」

ピカチュウ「私、やっぱり諦めきれない」

ピカチュウ「よし、これでOK！　行こう！」

ピカチュウ「お待たせー！」

クチート「いや、私は包装が面倒だから、市販のそのまま使って包装して来てないだけなんだが……」

ピカチュウ「あれ？　でも私2番乗り？」

ペロッパフ「お待たせしましたー！」

クチート「後はデデンネだけか」

デデンネ「おーい！　ごめん、待たせた？」

クチート「それほど。じゃあ、行こう」

ガルーラ「ああ、配達ね。水の大陸内なら今日中に届くと思うよ」

ピカチュウ「ホント？！　よかったぁ……」

ガルーラ「じゃあ、これ、預かっとくね」

クチート「よろしくお願いします」

ガルーラ「はいよ！　おばちゃんに任せとき！」

ペロッパフ「あー、つっかれたぁ……」

デデンネ「お疲れ様」

ペロッパフ「おばちゃん、私にホットチョコお願い」

ガルーラ「はいよ。どうしたのかは聞かないけど、お疲れ様」

クチート「じゃあ、これで解散かな。あ、ところでピカチュウ」

ピカチュウ「え？　何？」

クチート「今日もダンジョンに行かないのなら、古代文字の解読を手伝ってくれないか？」

ピカチュウ「わかった！」

デデンネ「私はいつも通り、連絡係しとくね」

ピカチュウ「ふぁあ、やっぱり疲れる。読めても意味がわからない事多過ぎだよ……」

クチート「お疲れ様。……そろそろじゃないか？　みんなが帰って来るの」

ピカチュウ「あ、確かに。クッキーみんなに渡さなきゃ！　じゃあ行ってきます！」

クチート「……さすがの行動力だな。うらやましいぐらいだ」

――

ピカチュウ「よし。クッキー1人1袋、ちゃんと用意出来てるよね」

ピカチュウ「ブイゼル、アーケン、ホルビー、ジラーチは後で起きたら渡すとして、ダンチョーはなし。後当然、ナエトルの分……だけは、寝る前に」

ピカチュウ「よし、来た！」

――

ナエトル「あれ？　さっきはいらないって言ったけど、ないの自分だけ？」

ピカチュウ「後でちゃんと、ゆっくり渡すから。ほら、先ごはん食べちゃおう！」

ナエトル「まあ、そうだね」

「「ごちそうさまでした！」」

ピカチュウ「逃げるっ！　高速移動っ！」

デデンネ「あっ、こら！　……まあ、今日ぐらいいいか」

ナエトル「あ、そうですか。なら、お疲れ様ー」

デデンネ「お疲れ」

――

ナエトル「ピカチュウ、待ってよ……」

ピカチュウ「遅い！　まあ、全然いいんだけどね」

ピカチュウ「ところで……さ。ナエトル、ニャスパーとはどうなってんの？」

ナエトル「え？　どうしたの急に。……まあ、よくわからないけど、一応まだ付き合ってるよ」

ピカチュウ「やっぱりそうなんだ……。まあ、それでもいいや。だけど、さ」

ピカチュウ「あの……その……」

ナエトル「え、どうしたの？」


ピカチュウ「……これ、本命チョコ！　じゃなくてクッキー！」








ナエトル「……え？」

ピカチュウ「前、一緒にい過ぎて恋愛感情が持てないって言われて、諦めたつもりだった」

ピカチュウ「だけど……そんなの無理だよ」

ピカチュウ「……私、負けない。ナエトル、あなたを絶対振り向かせて見せる！」

ナエトル「……はあ」

ピカチュウ「ニャスパー！　ごめん！　私前、応援するとか言っちゃって。ホントごめん！　だけど、どうしても無理だったの！」

ピカチュウ「私、どうしようもなく、ナエトルの事が好き！」

ナエトル「ちょ、他の部屋に聞こえちゃう……」

ピカチュウ「え？　あ……。はっ、恥ずかし……」

ナエトル「……じゃあ、自分も、ちゃんと答えないとダメだよね」

ナエトル「自分は……やっぱり、前言った事と同じ、近過ぎて恋愛が出来ない。だけど」

ナエトル「そう言ってくれる気持ちは、本っ当に嬉しい。ありがとう、ピカチュウ」

ピカチュウ「あ、え？　ど、どういたしまして……」

バレンタインは平等に過ぎて行く。

リア充にも、非リア充にも、そして片思い中のポケモンにも。

ピカチュウ「……やるぞ。絶対、ナエトルを振り向かせて見せる！」

【ポケダン超SS】バレンタインに

完

当SSはこれにて完結です
お読みくださり、ありがとうございました

また、当SS内でのナエトル×ニャスパーの件については

【ポケダン超連作SS集】ニャスパー「私には叱ってくれる親もいない」
http://pokemonbbs.com/poke/read.cgi?no=192377

に描いております
合わせてお読みいただけると幸いです

>>31
下から4つ目、ペロッパフのセリフのラストを「！」ではなく「？」に訂正します
すいませんでした

乙です

乙

保守

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